JP4030325B2 - 投写型映像表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は3板式カラー液晶プロジェクタの光学系を示した図である。光源1の発光部2は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタ3によって平行光となって出射され、インテグレータレンズ4へと導かれる。
【0003】
インテグレータレンズ4は一対のレンズ群4a・4aにて構成されており、個々のレンズ対が光源1から出射された光を液晶ライトバルブ31,32,33の全面へ導くようになっている。インテグレータレンズ4を経た光は、偏光変換装置5によって例えばS偏光に統一された後、第1ダイクロイックミラー8へと導かれる。
【0004】
第1ダイクロイックミラー8は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー8を透過した赤色波長帯域の光は、全反射ミラー9にて反射されて光路を変更される。全反射ミラー9にて反射された赤色光はコンデンサレンズ10を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ31を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー8にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー11に導かれる。
【0005】
第2ダイクロイックミラー11は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー11にて反射した緑色波長帯域の光はコンデンサレンズ12を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ32に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー11を透過した青色波長帯域の光は、全反射ミラー14,16、リレーレンズ13,15、及びコンデンサレンズ17を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ33に導かれ、これを透過することによって光変調される。
【0006】
各液晶ライトバルブ31,32,33は、入射側偏光板31a,32a,33aと、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部31b,32b,33bと、出射側偏光板31c,32c,33cとを備えて成る。また、各液晶ライトバルブ31,32,33には各画素に対応してマイクロレンズが設けられている。液晶ライトバルブ31,32,33を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム18によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズ19によって拡大投写され、スクリーン20上に投影表示される。
【0007】
図4は上記投写型映像表示装置における照明光学系の詳細を示した平面図である。光源1やインテグレータレンズ4等を支持し囲う筐体部7には、前記光源1の背面側において排気用の開口部7aが形成されている。この開口部7aには排気ファン装置51が設けられている。この排気ファン装置51は、図5(a)(b)にも示すように、ファン51a及びモータ51bから成り、光源1等から発生する熱を機外へと排出する。また、開口部7aには、光源1の背面側から漏れ出る不要光を遮断するために遮光板52が設けられている。この遮光板52は、第1スリット52aと第2スリット52bとから成り、遮光性を持ちつつ排気に必要な隙間を確保するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記遮光板52において十分な遮光性を得ようとすると、隙間が狭くなって排気に対する抵抗が大きくなるため、排気効率が低下するという欠点がある。
【0009】
この発明は、上記の事情に鑑み、排気効率の向上と不要光の十分な遮光の両立が図れる投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の投写型映像表示装置は、上記の課題を解決するために、光源から出射された光を映像生成光学系により変調し投写する投写型映像表示装置において、装置筐体には、光源や映像生成光学系から発生する熱を機外へ排出するための通風用開口が形成されていると共に、通風用開口には二つのファンからなるファン装置が設けられ、前記ファン装置は、ファン装置の排出方向から見て、各ファンの羽根が他のファンの羽根不在箇所に互いに位置して遮光状態を形成しつつ回転するように構成されていると共に、ファン装置の排出方向と直交する方向から見て、各ファン間に各ファンを回転駆動させるモータを配置すると共に、ファン装置のケーシングは、各ファン間において各ファンの外周縁よりも内周側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成であれば、各ファンはその羽根が他のファンの羽根不存在箇所に位置して遮光状態を形成しつつ回転するから、羽根不存在箇所から不要な光が通過して機外に出てしまうのを防止することができる。そして、スリットから成る遮光板を備える必要がないため、排気効率の向上が図れることになる。更には、複数のファンを回転させることによる排気効率の向上も期待できる。
【0012】
前記通風用開口は前記光源の背面側に形成された排気口としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の投写型映像表示装置を図1及び図2に基づいて説明する。なお、この実施形態においては、透過型の液晶表示パネルを3枚用いた液晶プロジェクタとしており、その映像生成光学系については従来例の説明で用いた図3の液晶プロジェクタと同じにしているので、映像生成光学系の説明については省略し、照明光学系について主に説明する。
【0014】
図1は液晶プロジェクタにおける照明光学系の詳細を示した平面図である。筐体部7は、光源1、インテグレータレンズ4、偏光変換装置5等を支持し囲うように構成されている。この筐体部7には、前記光源1の背面側において排気用の開口部7aが形成されている。この開口部7aにはファン装置6が設けられており、光源1等から発生する熱が機外へと排出される。
【0015】
ファン装置6は、図2(a)(b)にも示すように、第1ファン6a、第2ファン6b、及びモータ6cから成る。第1ファン6aと第2ファン6bは共にモータ6cの一つの回転軸に固定され、同体回転するようになっている。第1ファン6a及び第2ファン6bは、それぞれ4枚の羽根を90°間隔で備えた4枚羽根構成となっており、第2ファン6bは、その4枚の羽根を第1ファン6aの4枚の羽根に対して45°シフトさせた状態で固定されている。また、各羽根は中心角が90°を越える略扇状に相当する形状を有している。これにより、第1ファン6a及び第2ファン6bは、それらの羽根を互いの羽根不存在箇所に位置させ、且つ第1ファン6aの羽根と第2ファン6bの羽根は一部重なり合って(密着はしていない)同体的に回転することになる。
【0016】
上記の構成であれば、第1ファン6a及び第2ファン6bの羽根は互いの羽根不存在箇所に位置して遮光状態を形成しつつ回転するから、羽根不存在箇所から不要な光が通過して機外に出てしまうのを防止することができる。特に、この実施形態では、第1ファン6aの羽根と第2ファン6bの羽根は一部重なり合っているため、遮光は一層確実に行なわれる。また、従来構成における遮光板(スリット)を備える必要がないため、排気効率の向上が図れる。更には、二つのファン6a・6bを回転させることによる排気効率の向上も期待できる。
【0017】
上記の構成例では、ファン6a・6bを4枚羽根としたが、2枚羽根構成、或いは3枚羽根構成等としてもよい。2枚羽根構成とする場合には、各羽根は中心角が90°を越える略扇状に相当した形状を有し、一方のファンはその2枚の羽根を他方のファンの羽根に対して90°シフトさせた状態で固定され、3枚羽根構成とする場合には、各羽根は中心角が60°を越える略扇状に相当した形状を有し、一方のファンはその3枚の羽根を他方のファンの羽根に対して60°シフトさせた状態で固定されておけばよい。
【0018】
ファンの羽根は扇状に対応した形状である必要はなく、例えば、略四角形状を有するような形態であっても、当該略四角形状の羽根が他のファンの羽根不存在箇所に位置して遮光状態を形成しつつ回転するものであればよい。また、各ファンにおいて、その羽根形状は同一である必要はなく、例えば、一方のファンの羽根は扇形状で他方のファンの羽根は四角形状とすることも可能である。
【0019】
また、上記の例では、ファン6a・6bを備えるファン装置を示したが、3つ以上のファンを備え、各ファンの羽根が他のファンの羽根不存在箇所に位置して遮光状態を形成しつつ回転するように構成してもよい。
【0020】
また、上記の例では、一つのモータ6cにてファン6a・6bを回転させることとしたが、ファン6a・6bを別々のモータで同期回転させるようにしてもよいものである。
【0021】
また、上記の例では、光源1の背面側にファン装置6を配置して排気させることとしたが、熱を持つこととなる光学要素の近傍であって且つ光漏れが生じ得る箇所にファン装置6を配置してもよいものである。
【0022】
また、上記の例では、透過型の液晶表示パネルを3枚用いた映像生成光学系を示したが、このような映像生成光学系に限るものではなく、他の映像生成光学系を用いる場合にも適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、各ファンはその羽根が他のファンの羽根不存在箇所に位置して遮光状態を形成しつつ回転するから、羽根不存在箇所から不要な光が通過して機外に出てしまうのを防止することができる。そして、スリットから成る遮光板を備える必要がないため、排気効率の向上が図れる。更には、複数のファンを回転させることによる排気効率の向上も期待できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の投写型映像表示装置の照明光学系を示した図である。
【図2】同図(a)は図1の照明光学系に設けられたファン装置の平面図であり、同図(b)は同正面図である。
【図3】従来の投写型映像表示装置の光学系を示した平面図である。
【図4】図3の投写型映像表示装置における照明光学系を示した図である。
【図5】同図(a)は図4の照明光学系に設けられたファン装置の平面図であり、同図(b)は同正面図である。
【符号の説明】
1 光源
6 ファン装置
6a 第1ファン
6b 第2ファン
6c モータ
Claims (2)
- 光源から出射された光を映像生成光学系により変調し投写する投写型映像表示装置において、装置筐体には、光源や映像生成光学系から発生する熱を機外へ排出するための通風用開口が形成されていると共に、通風用開口には二つのファンからなるファン装置が設けられ、前記ファン装置は、ファン装置の排出方向から見て、各ファンの羽根が他のファンの羽根不在箇所に互いに位置して遮光状態を形成しつつ回転するように構成されていると共に、ファン装置の排出方向と直交する方向から見て、各ファン間に各ファンを回転駆動させるモータを配置すると共に、ファン装置のケーシングは、各ファン間において各ファンの外周縁よりも内周側に位置するように形成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
- 前記通風用開口は、前記光源の背面側に形成された排気口であることを特徴とする請求項1記載の投写型映像表示装置。
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