JP4030007B2 - 果物の保護キャップ装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、桃、リンゴ、梨、メロン、マンゴーといった一個物の果物を保護する保護キャップを果物に自動的に装着する果物の保護キャップ装着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の保護キャップは、発泡ポリエチレン等をネット状に形成したものを連続した筒状にしておき、これを適当な長さに切断して果物の外周に被せて(装着して)いる。従来、この切断や装着は、手作業で行なっており、大変なコストがかかっていた。そこで、この装着を自動で行なう装着機も考えられていたが、従来の装着機は、ある種の作業を人手で行なう半自動式のものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、保護キャップを開かせる爪をスイングさせ、ストロークの一端に来たときに人が保護キャップを被せ、他端に来たときにこれ又人が開いた保護キャップに果物を挿入する形式のものであった。これによると、多少の省力化にはなるが、依然として多くの人手を要する上に、能率も全手作業のものに比べて大して違いがなかった。本発明は、このような課題を解決したものであり、保護キャップの開きから果物の挿入までを全自動にして能率の向上と人件費の節約を図ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、供給コンベアで供給される果物に筒条ネットの保護キャップを被せて送出コンベアに送り出す果物の保護キャップ装着装置であって、この保護キャップ装着装置が、垂直面内で真上、真下及び左右真横位置を停止位置として間欠回転するロータリ盤に外方に向いて開閉する爪を有する複数のチャックをロー タリ盤に等配置で四カ所に取り付けたロータリチャックを有するものであり、各チャックを、ロータリ盤の停止位置が真横位置であって爪の姿勢が横向きで閉じており、所定長さの保護キャップが爪の外周に自動的に被せられる保護キャップ被覆位置と、停止位置が真上位置であって爪の姿勢が上向きで開いており、供給コンベアから供給された果物を爪の中に受け取る果物受取位置と、爪の姿勢が横向きから下向きになって開いており、爪の中の果物が保護ネットを被ったままで送出コンベアに放出される果物放出位置とを、順次とらせることを特徴とする果物の保護キャップ装着装置を提供したものである。
【0005】
本発明に係る保護キャップ装着装置は、爪が開閉する複数のチャックを取り付けたロータリ盤を垂直面内で回転させるロータリチャックを用いるもので、各チャックに、閉じた爪に筒状に形成された保護キャップを所定の長さに切断して被せる保護キャップ被覆位置と、爪を開いて供給された果物を爪(保護キャップ)の中に受け取る果物受取位置と、爪の中の果物が保護ネットを被ったままで送出コンベアに放出される果物放出位置とを順次とらせたので、すべての作業が自動で行なわれ、人手を一切必要としない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す保護キャップ装着装置(以下、装着装置)の側面図、図2は要部の平面図、図3は図2のAーA断面図、図4はチャックの側面図であるが、本例の装着装置は、垂直面内で回転するロータリ盤1に等配置で四カ所に取り付けられるチャック2からなるロータリチャック3を主体とする。ロータリ盤1は、円板体であり、モータ4等を原動機として割出装置5を介して駆動される。この場合の割出装置5は、モータ4の連続回転をゼネバ歯車や欠歯歯車によって間欠運動に変換するものであり、ロータリ盤1は、回転中、四カ所の割出位置で所定時間留まっているものである。
【0007】
チャック2は、ロータリ盤1に等配置で四個取り付けられて、真上と真下及び左右真横位置がロータリ盤1の停止位置になるように設定されたものであり、円周上分割された(本例では六分割)線条体を嘴状に形成した開閉する爪6を外周に向けて取り付けたものである。具体的には、ロータリ盤1にベース7を取り付け、ベース7の外周面から柱8を突設してこの柱8に爪6をピン9で回動自在に取り付けたものである。又、各々の爪6には、後述する閉じたときに最大径となる孔6aが形成されており、これら孔6aにバネ10等がリング状に嵌められている。
【0008】
そして、ベース7の内周側には、エアシリンダ11を取り付け、エアシリンダ11のロッドをベース7を貫通させて柱8の中まで延ばしてここに爪6に作用する作用体12を取り付けている。これにより、エアシリンダ11を縮短させると、作用体12は爪6の内周端に形成された作用部6bを押し下げて各々の先端6cが当接するまで閉じ、伸長させると、バネ10の作用で作用部6bが作用体12に当たるまで先端6cが開くようになっている。従って、先端6cの開度は作用体12の位置で決まり、この開度は、その中に目的果物が取り込める程度に設定される。
【0009】
保護キャップ13は、発泡ポリエチレン等をネット状に形成して筒状体にしたものであり、これをロールに巻いて支持体14に装架しておく。ロールから繰り出された保護キャップ13(平べったくなっている)は、案内ローラ15で案内されてロータリ盤1の真横位置にあって爪6が閉じているチャック2に保護キャップフィーダ(以下、フィーダ)16で供給される。このフィーダ16は、保護キャップ13の両側に位置して上下に開閉して保護キャップ13を挟持、開放する挟持体17と、挟持体17の後方に位置して挟持体17を保護キャップ13に接離させる挟持台18と、保護キャップ13の下方に位置して両方の挟持台18を固定する取付台19をロータリチャック3側に往復動させる移動体20とからなる。
【0010】
本例の場合、把持体17の上下動及び把持台18の移動はエアシリンダで行い、移動体20の移動はリニアモータで行なっているが、勿論、これに限定されるものではない。これにより、保護キャップ13は、挟持体17でその両側を把持されて移動体20によって所定距離だけロータリチャック3側に接近させられるが、このとき、その出発位置付近には、保護キャップ13を切断する保護キャップカッター(以下、カッター)21が配置されている。このカッター21は、上方に位置する切刃22と、下方に位置する受台23とからなるもので、切刃22、受台23ともにエアシリンダ等で上下させられる。
【0011】
ロータリ盤1の真上位置にあるチャック2には、供給コンベア24が接近して設けられている。この供給コンベア24は、選果機等で選別された果物25をそのバケット26等に載せて移送するものであるが、その終端とチャック2との間には、供給機27が配置されている(終端を過ぎたバケット26は折り返されて元の方向に戻って行く)。供給機27は、供給コンベア24で送られて来る果物25を真上位置にあるチャック2の上方まで運ぶもので、本例では、移動体28に果物25の外周を掴み又は離す把持アーム29を有するものを示している。
【0012】
尚、この供給機27は、移動体28が供給コンベア24とこれの延長先にあるチャック2との間を往復し、把持アーム28を開閉させて果物25を取捨するものであるから、把持アーム28と果物25との干渉を避ける必要がある。従って、本例では、往行と復行の軌道を変えて対応させているが、これに限定されるものではない。又、移動体28の移動や把持アーム29の開閉はエアシリンダ等によるのが一般的であるが、これに限定されるものではない。この他、ロータリチャック3を構成するチャック2のうち、保護キャップ13を受け取るチャック2の反対側にあるチャック2の下方位置には、送出コンベア30が設けられている。本例の送出コンベア30は、ベルトコンベアによるものを示している。
【0013】
次に、以上の構成の装着装置の動作を図5のシーケンスチャートに基づいて説明する。ロータリ盤1が停止しているとき、真横位置にあるチャック2(このとき、爪6は閉じている)に対して上記したフィーダ16が保護キャップ13の両側を銜えてチャック2まで持って来る(このとき、カッター21の切刃22、受台23は、共に上下動して開いており、フィーダ16等の移動を許容している)。この場合、挟持体17は爪6に交錯するまで移動して来るから、保護キャップ13は、その端がベース7に当たる程度まで寄せられて爪6に被せられることになる。従って、保護キャップ13に果物25が収容されても、果物25の底面側には、相当程度の保護キャップ13が余っていることになる。尚、フィーダ16が保護キャップ13を爪6に被せるとき、保護キャップ13は、爪6によって拡径されるから、挟持体17は保護キャップ13に対する挟持を解いて若干後退するようにしてこの拡径を容易にしている。
【0014】
この点で、この位置にあるチャック2は、その爪6に保護キャップ13が被せられる保護キャップ被覆位置にあるということになる。保護キャップ13が爪6に被せられると、カッター21を構成する切刃22と受台23とがそれぞれ上下して保護キャップ13を切断する(これが可能なように、取付台19には孔19aが形成されている)。このときの切断長さは、これに果物25を収容したとき、その上面側とほぼ同じ長さになるように設定されている。切断が済むと、切刃22と受台23は再度上下動し、挟持体17は元の位置に復動する。
【0015】
以上が終了すると、ロータリ盤1は、割出装置5によって1/4回転させられるが、これに伴い、保護キャップ被覆位置にあったチャック2は、ロータリ盤1の真上位置に移動し、このとき、爪6は開かされて保護キャップ13を拡げる。この状態のとき、供給機27の移動体28は、供給コンベア24上の果物25をその把持アーム28で掴んでチャック2の真上まで移送し、把持アーム28を開いて果物25を爪6とこれに被せられている保護キャップ13の中に落下させる。従って、この位置にあるチャック2は、果物受取位置ということになり、この位置にあるチャック2の中に落下した果物25は、爪6の中の作用体12で受け止められている。
【0016】
この場合、把持アーム28は果物25を直接掴むものであるから、これを傷つけないように、軟質の部材でその把持面を被覆するのが好ましいし、把持力も適度に設定されている。又、落下距離も最低限に設定しており、落下時の衝撃で果物25が傷付かないようにしている。更に、爪6や作用体12の表面も、弾性材等を適宜に被覆したりして傷付き防止に配慮している。
【0017】
次に、ロータリ盤1が更に1/4回転すると、上記した果物受取位置にあるチャック2は再度真横位置に移動し、更に1/4回転すると、真下位置に来る。この間、チャック2の爪6は開いたままであるから、真横から真下位置までの間に果物25はその自重で送出コンベア30上に落下される。従って、チャック2は、この間、果物放出位置をとることになる。チャック2が真下位置に来るときには、爪6は閉じているとともに、真下位置にあるチャック2がもう1/4回転すると、最初の真横位置に来てロータリ盤1の1サイクルの位置回転が終了する。
【0018】
果物放出位置にあるチャック2からは果物25が送出コンベア30に送出されるが、このときの衝撃で果物25が傷付かないように、ベルトの材質や放出距離が設定されのは上記と同じである。送出コンベア30で送られる果物25は、この後、適宜箱詰め等されることになるが、このとき、保護キャップ13の果物25の端から出ている部分は、果物の上半分が覗く程度まで二重に折り曲げられて最終の装着形態をとることになる(端から出ている部分を長くしているのはこのため)。
【0019】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、従来、全部人手によって或いは半分人手によって果物に保護キャップを被せていたのをすべて自動で行なうことができる。従って、能率が上がるとともに、人件費を削減できて装着コストを大幅に低減できる。加えて、手作業による仕上がりのむらが排除でき、均一で見映えのよいものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装着装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明に係る装着装置の一例を示す要部の平面図である。
【図3】図2のAーA断面図である。
【図4】チャックの要部側面図である。
【図5】本発明に係る装着装置の動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
1 ロータリ盤
2 チャック
3 ロータリチャック
6 爪
13 保護キャップ
16 保護キャップフィーダ
21 保護キャップカッター
24 供給コンベア
25 果物
30 送出コンベア
Claims (4)
- 供給コンベアで供給される果物に筒条ネットの保護キャップを被せて送出コンベアに送り出す果物の保護キャップ装着装置であって、この保護キャップ装着装置が、垂直面内で真上、真下及び左右真横位置を停止位置として間欠回転するロータリ盤に外方に向いて開閉する爪を有する複数のチャックをロータリ盤に等配置で四カ所に取り付けたロータリチャックを有するものであり、各チャックを、ロータリ盤の停止位置が真横位置であって爪の姿勢が横向きで閉じており、所定長さの保護キャップが爪の外周に自動的に被せられる保護キャップ被覆位置と、停止位置が真上位置であって爪の姿勢が上向きで開いており、供給コンベアから供給された果物を爪の中に受け取る果物受取位置と、爪の姿勢が横向きから下向きになって開いており、爪の中の果物が保護ネットを被ったままで送出コンベアに放出される果物放出位置とを、順次とらせることを特徴とする果物の保護キャップ装着装置。
- 保護キャップが平坦化されてロールに巻かれたものであり、保護キャップ被覆位置にあるチャックに対して、保護キャップフィーダで保護キャップの両側を挟持されながら移行されて爪の外周に被せられ、次いで、その挟持が解かれるとともに、保護キャップカッターによって所定長さに切断されるものである請求項1の果物の保護キャップ装着装置。
- 果物放出位置にあるチャックで保持されている果物が重力によって送出コンベアに放出されるものである請求項1又は2の果物の保護キャップ装着装置。
- 爪の開閉が、エアーシリンダの伸縮で爪に作用する作用体を上下させて行うものであり、エアーシリンダの伸縮量を調整することで爪の開度を調整するものである請求項1〜3いずれかの果物の保護キャップ装着装置。
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