JP4029263B2 - 複合精密ろ過方法並びにろ過装置 - Google Patents
複合精密ろ過方法並びにろ過装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4029263B2 JP4029263B2 JP2001321540A JP2001321540A JP4029263B2 JP 4029263 B2 JP4029263 B2 JP 4029263B2 JP 2001321540 A JP2001321540 A JP 2001321540A JP 2001321540 A JP2001321540 A JP 2001321540A JP 4029263 B2 JP4029263 B2 JP 4029263B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter medium
- filter
- leaf
- filtration chamber
- outflow prevention
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Filtration Of Liquid (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プールの浄化処理、下水を二次処理水として使用する排水処理、あるいは、化学工業、食品工業等の精密ろ過を要する原液を対象として固液分離を行い、清澄度の高いろ液を得る複合精密ろ過方法並びにろ過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水、し尿などをリサイクル水として利用するために、あるいは、化学工業などのプロセスとして、原液を砂ろ過機で固液分離を行い、この分離水をプリコートフイルターや低圧型の逆浸透膜などの精密ろ過装置と組合せて、清澄度の高い処理水としていた。また、ろ過槽に浮上ろ材を収納し、ろ過槽の頂部に集水ノズルと、底部に原液の供給管とろ材の洗浄攪拌翼を設けた浮上ろ材を用いたろ過装置は、例えば、この発明の出願人が、特開平09−155116号公報において提案しているように公知である。そして、密閉ろ過槽に回転駆動軸を垂設し、平板状の葉状ろ材を多数並列し、葉状ろ材に珪藻土をプリコートして、葉状ろ材を回転させながら精密ろ過を行う装置も、例えば、特開平11−128620号公報に記載してあるように良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の砂ろ過装置と精密ろ過装置を組合せた従来技術にあっては、清澄ろ過が行えるものであるが、装置間に貯水槽や給水ポンプなどの補器類が必要となり、処理設備が複雑となっていた。また、砂ろ過装置の洗浄が困難で、洗浄水量も多く必要としていた。浮上ろ材を用いたろ過装置は、浮上ろ材が形成するろ材層は目詰まりが少なく、原液の大量処理が可能であり、ろ材層を形成したろ材の洗浄も容易であるが、このろ過装置単独では、固液分離を行った処理水中に微細な浮遊物が混入する問題があった。また、珪藻土を葉状ろ材にコーティングした葉状ろ過機は、原液中の微細な浮遊物も分離できるものであるが、濁度の高い原液では、ろ材のプリコート層の目詰りが発生し、頻繁にろ材面の掻取りや洗浄が必要であった。この発明は、浮上ろ材を用いたろ過装置と葉状ろ過機を組合せ、両者の長所を利用した複合精密ろ過方法並びにろ過装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨は、密閉状のろ過槽の上半部に、多数の小孔を有するろ材流出防止板を設け、このろ材流出防止板の下方に浮上ろ材を収納したろ過室と、ろ材流出防止板の上方に葉状ろ過機を配設したプリコートろ過室に分割し、分割するろ材流出防止板に多数の小孔を有する摺動板を重設し、この摺動板の回動駆動装置を配設して、ろ材流出防止板の小孔を開閉自在として、先ず、ろ過室とプリコートろ過室に原液を充満させ、次に、ろ材流出防止板の小孔を閉止して、プリコートろ過室にコーティング材を供給して葉状ろ過機のろ材表面にプリコート層を形成した後、ろ材流出防止板の小孔を開放して原液の供給を開始し、ろ過室の浮上ろ材のろ材層で固液分離を行い、プリコートろ過室に流入した分離水を葉状ろ過機で精密ろ過を行う複合精密ろ過方法であり、洗浄が容易な浮上ろ材のろ材層で原液中の懸濁物が分離され、葉状ろ過機で微細な浮遊物だけを分離するので、大量処理が可能となり、清澄ろ過が行えるものである。
【0005】
そして、ろ過室の底部にろ材の攪拌機とプリコートろ過室の葉状ろ材の内部へ供給する洗浄水管を配設して、ろ材層と葉状ろ材が目詰まりした時に、ろ材流出防止板の小孔を閉止して、ろ過室のろ材層の攪拌とプリコートろ過室の葉状ろ材の逆洗を、個別にあるいは同時に行って、ろ過室のろ材層に捕捉した懸濁物をろ材から分離し、プリコートろ過室の葉状ろ材に積層する目詰まり物を噴射して剥離させる複合精密ろ過方法であり、ろ過室とプリコートろ過室の間のろ材流出防止板の小孔の開閉を切換えて、葉状ろ材のプリコート層を形成して固液分離を行って、目詰まり時のろ材の再生ができるものである。そして、懸濁物を多く含む原液でも、ろ過槽のろ材流出防止板の小孔を閉止すれば、ろ過室の懸濁物を捕捉したろ材層の洗浄が可能となるものである。
【0006】
複合精密ろ過方法を実施するろ過装置が、密閉状のろ過槽の上半部に、多数の小孔を有するろ材流出防止板を設け、このろ材流出防止板の下方に浮上ろ材を収納したろ過室と、ろ材流出防止板の上方に葉状ろ過機を配設したプリコートろ過室に分割し、分割するろ材流出防止板に多数の小孔を有する摺動板を重設し、この摺動板の回動駆動装置を配設して、ろ材流出防止板の小孔を開閉自在とすると共に、ろ過室の底部に原液の供給口とろ材の攪拌翼を設け、プリコートろ過室にコーティング材の供給口を開口して、葉状ろ過機にろ液の排出管を接続したもので、浮上ろ材が形成するろ材層は目詰まりが少なく、原液の大量処理が可能であり、ろ材層を形成したろ材の洗浄も容易である。そして、分離液に含まれる微細な浮遊物だけをプリコートろ過室の葉状ろ過機で分離するもので、葉状ろ材の目詰まりも少なくて、原液の大量処理と精密ろ過が行えるものである。また、濁度の高い原液を供給しても、懸濁物がろ材層に捕捉され、ろ材流出防止板の小孔を閉止すれば、ろ過室のろ材層の洗浄が単独でも行えるものである。
【0007】
摺動板の回動駆動装置は、ろ材流出防止板の中心部に軸支され、摺動板の円周部に従動傘歯車が嵌着されて、この従動傘歯車に噛合わせた駆動傘歯車が駆動軸に連結したもので、摺動板を回転させて、ろ材流出防止板の小孔と摺動板の小孔を連通させ、あるいは、ろ過室とプリコートろ過室の間のろ材流出防止板を閉止して、プリコート層のコーティングとろ材層の洗浄を行い、ろ材流出防止板の小孔ろ過室とプリコートろ過室での原液の清澄ろ過が行えるものである。そして、プリコートろ過室に配設する葉状ろ過機は、駆動機を配設した駆動軸をろ過室の頂部から垂下させ、この駆動軸に多数の円板状の葉状ろ材を連結して、葉状ろ材で分離したろ液の排出流路を駆動軸に設け、この駆動軸の排出流路に排水管を接続して、排水管に洗浄水管を連結しても、あるいは、葉状ろ過機が、ろ過室の頂部から垂下したろ液管に多数の円板状の葉状ろ材を連結し、この葉状ろ材の内部に配設した洗浄ノズルをろ液管の内部に垂下させた洗浄管に連結し、ろ過槽外部の駆動機に洗浄管を連結して、洗浄ノズルを回動自在に配設してもよいもので、葉状ろ過機に洗浄水を供給して葉状ろ材の逆洗が行えるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明に係る装置は上記のように構成してあり、対象原液の固液分離にあたり、先ず、ろ過槽の底部から原液を供給してろ過室とプリコートろ過室に原液を充満させる。ろ材流出防止板の小孔を閉止して、プリコートろ過室にコーティング材を供給し、葉状ろ過機のろ材表面にプリコート層を形成する。次に、ろ材流出防止板の小孔を開放し、ろ過室に原液を供給して所定時間捨て水を行った後、固液分離を開始する。そして、浮上ろ材のろ材層で原液中の懸濁物を捕捉して固液分離を行い、ろ材流出防止板の小孔を通過した分離水がプリコートろ過室に流入する。分離水中に含まれる微細な浮遊物は、葉状ろ過機のろ材面に捕捉され、葉状ろ過機のろ材を通過したろ液はろ過槽外に排出される。
【0009】
やがて、ろ過室のろ材層とプリコートろ過室の葉状ろ過機が目詰まりした時には、ろ材流出防止板の小孔を閉止して、ろ過室の攪拌翼によりろ材層を攪拌して捕捉した懸濁物をろ過室から排出する。また、プリコートろ過室の葉状ろ過機の内部に洗浄水を噴射して葉状ろ材のろ材面に積層する固形分を取除き、ろ過槽外に排出する。ろ過室のろ材層の攪拌とプリコートろ過室の葉状ろ材の逆洗を、個別にあるいは同時に行って、ろ材層に捕捉した固形物をろ材から分離し、葉状ろ材のろ材面に積層する目詰まり物を噴射させれば、再び、複合精密ろ過が可能となる。
【0010】
【実施例】
この発明に係る複合精密ろ過装置について、図面に基づき詳述すると、先ず図1は複合精密ろ過装置であって、密閉状のろ過槽1の上半部に設けたフランジ1aに挟持させてろ材流出防止板2が設けてあり、このろ材流出防止板2の下方にろ過室3と、ろ材流出防止板2の上方のプリコートろ過室4に分割してある。図2に示すように、ろ材流出防止板2に多数の小孔が設けてあり、ろ材流出防止板2と同数の多数の小孔を有する摺動板5がろ材流出防止板2に重ね合せてある。この摺動板5の回転駆動装置は、摺動板5の中心部を枢支杆6で摺動板5がろ材流出防止板2に軸支してあり、摺動板5の外周面に嵌着した従動傘歯車7に駆動傘歯車8が噛合せてある。駆動傘歯車8の駆動軸9がろ過槽1の外部に突出させて公知の駆動手段で駆動傘歯車8を回転させるようにしてあり、摺動板5を回転させてろ材流出防止板2の小孔を開閉できるようにしてある。なお、摺動板5はろ材流出防止板2の下側に摺接させてもよいものである。
【0011】
図1に示すように、ろ過槽1のろ過室3には比重の軽い浮上ろ材10が収納してあり、この浮上ろ材10は粒状ろ材、あるいは繊維ろ材とすることができる。ろ過室3の底部に原液の供給口11とろ材の攪拌翼12が設けてあり、原水を上向流で供給した時に浮上ろ材10…がろ過室2の上部にろ材層13を形成するようにしてある。浮上ろ材10として繊維ろ材を用いれば、ろ過運転時にろ材が目詰まりしてきても空隙率が大きく長時間の運転を可能とするもので、洗浄においても捕捉した微細粒子の剥離が容易である。また、繊維ろ材と比較して粒状ろ材は空隙率は少なくなるが、ろ材層が大きくてもろ材は流動しやすく洗浄が容易であり、濁度の高い原液でも大量処理を行うことができる。そして、ろ材層13で原液中の懸濁物を捕捉してろ材層13が目詰まりしたときには、駆動機14で攪拌翼12を回転させてろ材層13を攪拌し、浮上ろ材10…から懸濁物を分離させ、原液供給管15に設けた洗浄水排水管16から排出するようにしてあり、ろ材層13が目詰まりしても、簡単に浮上ろ材の洗浄が行えるものである。なお、符号V1、V2は原液供給管15と洗浄水排水管16に設けた開閉弁である。
【0012】
図1に示すように、ろ過槽1の上部のプリコートろ過室4には葉状ろ過機17が配設してあり、この葉状ろ過機17はプリコートろ過室4の頂部から垂下させた駆動軸18に多数の円板状の葉状ろ材19…が連結してある。駆動軸18には葉状ろ材19に連通させた排出流路19aが設けてあり、この駆動軸18はスイベルジョイント20を介してろ液の排出管21に連結してある。駆動軸18の上部にはスプロケット22が嵌着してあり、スプロケット22と駆動機23が連動連結してあり、駆動軸18の上部に配設した駆動機23で葉状ろ過機17を回転させるようにしてある。ろ液の排出管21には、捨て水管24と洗浄水管25が分岐させて連結してあり、それぞれの配管に開閉弁V3、V4、V5が設けてある。プリコートろ過室4の上部にコーティング材の供給口26が設けてあり、供給ポンプ27を配設した珪藻土の溶解槽28の供給管29に連結してある。そして、ろ過室3からプリコートろ過室4に原液を充満させた後、摺動板5を回転させてろ材流出防止板2の小孔を閉止して、葉状ろ過機17を回転させながら、供給ポンプ27で珪藻土を溶解槽28から供給管29を通してプリコートろ過室4に圧入し、葉状ろ材19に流入したプリコートのろ液を捨て水管24から排出して葉状ろ過機17の葉状ろ材19のろ過面にプリコート層を形成させるようにしてある。
【0013】
プリコートろ過室4の底部に設けた排出口30に珪藻土の溶解槽28に連通させた返送管31が連結してあり、珪藻土を循環させながら葉状ろ材19にコーティングしてもよいものである。この返送管31から分岐して洗浄排水管32が設けてあり、葉状ろ過機17の葉状ろ材19のろ材面に固形物が積層して目詰まりした時に、ろ液の排出管21に分岐させた洗浄水管25から洗浄水を葉状ろ過機17に圧入し、葉状ろ材19を内部から逆洗するようにしてあり、プリコートろ過室4の洗浄排水を洗浄排水管32から排出するようにしてある。なお、符号V6は珪藻土の供給管29に設けた開閉弁である。符号V7、V8は返送管31と洗浄排水管32に設けた開閉弁である。図3は複合精密ろ過装置の他の実施例であって、葉状ろ過機17が、プレコートろ過室4の頂部から垂下したろ液管33に多数の円板状の葉状ろ材34を連結し、この葉状ろ材34の内部に配設した洗浄ノズル35をろ液管33の内部に垂下させた洗浄管36に連結し、ろ過槽外部の駆動機37に洗浄管36を連結して、洗浄ノズル35を葉状ろ材34の内部で回動させて、葉状ろ材34の目詰まり物を洗浄するようにしてある。
【0014】
この発明の複合精密ろ過装置は上記のように構成してあり、図1の複合精密ろ過装置の運転方法は、
(1)充液工程
▲1▼摺動板5を回転して、ろ材流出防止板2の小孔を開放し、
▲2▼原液をろ過槽1に供給してろ過室3とプリコートろ過室4に原液を充満させる。
▲3▼ろ液の排水管21の開閉弁V3と洗浄水管25の開閉弁V5を閉止、捨て水管24の開閉弁V4を開放する。
(2)珪藻土プリコート工程
▲1▼摺動板5を回転させてろ材流出防止板2の小孔を閉止し、プリコートろ過室4をろ液室3から遮断する。
▲2▼珪藻土を溶解槽28から供給ポンプ27でプリコートろ過室4に圧入して、
▲3▼葉状ろ過機17の葉状ろ材19にろ液を流入させ、珪藻土を葉状ろ材19に捕捉させてろ材面にプリコート層を形成させる。ろ液は捨て水管24から排出する。
▲4▼引続き、葉状ろ材19のプリコート脱落防止のために供給ポンプ27を継続運転する。
(3)循環工程
▲1▼供給口11からろ過室3に原液供給を開始し、浮上ろ材10のろ過層13を形成させる。
▲2▼摺動板5を回転させてろ材流出防止板2の小孔を開放し、ろ過室3とプリコートろ過室4を連通させて、原液中の懸濁物をろ過室3のろ過層13で捕捉して、微細な浮遊物だけが含まれる分離水をプリコートろ過室4に流入させる。
▲3▼継続運転中の珪藻土の供給ポンプ27を停止する。
▲4▼葉状ろ過機17に流入したろ液は、ろ液が安定するまで所定時間捨て水管24から排出する。
(4)ろ過工程
▲1▼洗浄水管25の開閉弁V5と捨て水管24の開閉弁V4を閉止し、ろ液の排出管21の開閉弁V3を開放して、安定したろ液を排出管21から排出する。
(5)ろ材洗浄工程−ろ過室
▲1▼摺動板5を回転させて、ろ材流出防止板2の小孔を閉止し、ろ過室3とプリコートろ過室4の間を遮断する。
▲2▼ろ過室3への原液の供給を停止して、原液供給用の開閉弁V1を閉止する。
▲3▼ろ過室3の攪拌翼12を旋回させて、ろ材層13を形成する浮上ろ材10を攪拌して、浮上ろ材10で捕捉した懸濁物を分離させる。
▲4▼原液供給管15から分岐させた洗浄水排水管16の開閉弁V2を開放し、攪拌した懸濁原水を排水する。
(6)ろ材洗浄工程−プリコートろ過室
▲1▼ろ液の排出管21の開閉弁V3と捨て水管24の開閉弁V4を閉止して、
▲2▼洗浄水管25の開閉弁V5を開放し、洗浄水を葉状ろ過機17に圧入する。
▲3▼珪藻土の返送管31の開閉弁V7を閉止し、洗浄排水管32の開閉弁V8を開放して、
▲4▼葉状ろ過機17の葉状ろ材19から剥離させた固形物を含む懸濁液を洗浄排水管32から排出する。
ろ過室3のろ材層13の攪拌は、適宜実施し、あるいは、プリコートろ過室4の葉状ろ材19と一緒に行えばよいもので、原液中の濁度の高い懸濁物質を浮上ろ材10のろ材層13で分離して、微細粒子だけを含む分離水を葉状ろ過機17で処理するので清澄ろ過が行われ葉状ろ材19の目詰まりも少ないものである。そして、浮上ろ材を用いたろ過装置は、浮上ろ材が形成するろ材層は目詰まりが少なく、ろ材層を形成したろ材の洗浄も容易であり、ろ過室3が単独で洗浄できるので、原液の大量処理が可能となる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る複合精密ろ過方法は、開閉自在な小孔を有するろ材流出防止板でろ過槽をろ過室とプリコートろ過室に分割して、ろ過室とプリコートろ過室に原液を充満させ、次に、ろ材流出防止板の小孔を閉止して、プリコートろ過室の葉状ろ材のろ材表面にプリコート層を形成した後、ろ材流出防止板の小孔を開放して原液の供給を開始し、ろ過室の浮上ろ材のろ材層で懸濁物を分離し、微細な浮遊物だけを含む分離水をプリコートろ過室に供給し、葉状ろ過機で微細な浮遊物だけを分離するので、葉状ろ過機の目詰まりが減少して、大量処理が可能な清澄ろ過が行えるものである。そして、ろ材層と葉状ろ材が目詰まりした時には、ろ材流出防止板の小孔を閉止して、ろ過室のろ材層の攪拌と、プリコートろ過室の葉状ろ材の逆洗を、個別にあるいは同時に行えるもので、懸濁物を多く含む原液でも、洗浄が容易なろ過室のろ材層で懸濁物が捕捉されるものである。
【0016】
そして、この発明に係る複合精密ろ過方法を実施するろ過装置が、多数の小孔を開閉自在としたろ材流出防止板で浮上ろ材を収納したろ過室と葉状ろ過機を配設したプリコートろ過室にろ過槽を分割し、ろ過室の底部に原液の供給口とろ材の攪拌翼を設け、プリコートろ過室にコーティング材の供給口を開口して、葉状ろ過機にろ液の排出管を接続したもので、分離液に含まれる微細な浮遊物だけをプリコートろ過室の葉状ろ過機で分離するので、葉状ろ材の目詰まりも少なくて、原液の大量処理と精密ろ過が行えるものである。また、濁度の高い原液を供給しても、浮上ろ材が形成するろ材層は目詰まりが少なくて洗浄も容易であり、ろ材層に捕捉した懸濁物は、ろ材流出防止板の小孔を閉止すれば、ろ材層を形成したろ材の洗浄も簡単に行えるもので、従来の砂ろ過装置と精密ろ過装置を組合せた従来技術と比較して、処理設備と処理操作が簡単となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る複合精密ろ過装置の縦断側面図である。
【図2】同じく、ろ材流出防止板の小孔の開閉装置の一部縦断側面図である。
【図3】複合精密ろ過装置の他の実施例の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ろ過槽
2 ろ材流出防止板
3 ろ過室
4 プリコートろ過室
5 摺動板
6 枢支杆
7 従動傘歯車
8 駆動傘歯車
9、18 駆動軸
10 浮上ろ材
11、26 供給口
12 攪拌翼
13 ろ材層
17 葉状ろ過機
19、34 葉状ろ材
19a 排出流路
21 排出管
23、37 駆動機
25 洗浄水管
33 ろ液管
35 洗浄ノズル
36 洗浄管
Claims (6)
- 密閉状のろ過槽(1)の上半部に、多数の小孔を有するろ材流出防止板(2)を設け、このろ材流出防止板(2)の下方に浮上ろ材(10…)を収納したろ過室(3)と、ろ材流出防止板(2)の上方に葉状ろ過機(17)を配設したプリコートろ過室(4)に分割し、分割するろ材流出防止板(2)に多数の小孔を有する摺動板(5)を重設し、この摺動板(5)の回動駆動装置を配設して、ろ材流出防止板(2)の小孔を開閉自在として、先ず、ろ過室(3)とプリコートろ過室(4)に原液を充満させ、次に、ろ材流出防止板(2)の小孔を閉止して、プリコートろ過室(4)にコーティング材を供給して葉状ろ過機(17)のろ材表面にプリコート層を形成した後、ろ材流出防止板(2)の小孔を開放して原液の供給を開始し、ろ過室(3)の浮上ろ材(10…)のろ材層(13)で固液分離を行い、プリコートろ過室(4)に流入した分離水を葉状ろ過機(17)で精密ろ過を行うことを特徴とする複合精密ろ過方法。
- 上記ろ過室(3)の底部にろ材層(13…)の攪拌翼(12)と、プリコートろ過室(4)の葉状ろ材(19)の内部に供給する洗浄水管(25)を配設して、ろ材層(13)と葉状ろ材(19)が目詰まりした時に、ろ材流出防止板(2)の小孔を閉止して、ろ過室(3)のろ材層(13)の攪拌とプリコートろ過室(4)の葉状ろ材(19)の逆洗を、個別にあるいは同時に行って、ろ材層(13…)に捕捉した懸濁物を浮上ろ材(10…)から分離し、葉状ろ材(19)のろ材面に積層する目詰まり物を噴射させることを特徴とする請求項1記載の複合精密ろ過方法。
- 密閉状のろ過槽(1)の上半部に、多数の小孔を有するろ材流出防止板(2)を設け、このろ材流出防止板(2)の下方に浮上ろ材(10…)を収納したろ過室(3)と、ろ材流出防止板(2)の上方に葉状ろ過機(17)を配設したプリコートろ過室(4)に分割し、分割するろ材流出防止板(2)に多数の小孔を有する摺動板(5)を重設し、この摺動板(5)の回動駆動装置を配設して、ろ材流出防止板(2)の小孔を開閉自在とすると共に、ろ過室(3)の底部に原液の供給口(11)とろ材の攪拌翼(12)を設け、プリコートろ過室(4)にコーティング材の供給口(26)を開口して、葉状ろ過機(17)にろ液の排出管(21)を接続したことを特徴とする複合精密ろ過装置。
- 上記摺動板(5)の回動駆動装置が、ろ材流出防止板(2)の中心部に枢支杆(6)で軸支され、摺動板(5)の円周部に従動傘歯車(7)が嵌着されて、この従動傘歯車(7)に噛合わせた駆動傘歯車(8)が駆動軸(9)に連結してあることを特徴とする請求項3に記載の複合精密ろ過装置。
- 上記葉状ろ過機(17)が、駆動機(23)を配設した駆動軸(18)をプリコートろ過室(4)の頂部から垂下させ、この駆動軸(18)に多数の円板状の葉状ろ材(19)を連結して、葉状ろ材(19)で分離したろ液の排出流路(19a)を駆動軸(18)に設け、この駆動軸(18)の排出流路(19a)に排水管(21)を接続して、排水管(21)に洗浄水管(25)を連結してあることを特徴とする請求項3または4に記載の複合精密ろ過装置。
- 上記葉状ろ過機(17)が、プリコートろ過室(4)の頂部から垂下したろ液管(33)に多数の円板状の葉状ろ材(34)を連結し、この葉状ろ材(34)の内部に配設した洗浄ノズル(35)をろ液管(33)の内部に垂下させた洗浄管(36)に連結し、ろ過槽(1)の外部の駆動機(37)に洗浄管(36)を連結して、洗浄ノズル(35)を回動自在に配設してあることを特徴とする請求項3記載の複合精密ろ過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321540A JP4029263B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 複合精密ろ過方法並びにろ過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321540A JP4029263B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 複合精密ろ過方法並びにろ過装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003117318A JP2003117318A (ja) | 2003-04-22 |
JP4029263B2 true JP4029263B2 (ja) | 2008-01-09 |
Family
ID=19138737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001321540A Expired - Lifetime JP4029263B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 複合精密ろ過方法並びにろ過装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4029263B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4672993B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2011-04-20 | 阪神水道企業団 | メディア及び膜ろ過複合ろ過装置 |
KR101282016B1 (ko) * | 2011-06-22 | 2013-07-04 | 케이원에코텍 주식회사 | 가압(加壓) 여과와 충전(充塡) 여과가 동시에 진행되는 복합 여과장치 |
CN105251265B (zh) * | 2015-11-22 | 2018-01-12 | 四川睿恒化工有限公司 | 一种污水处理池 |
CN105289099A (zh) * | 2015-11-22 | 2016-02-03 | 陈松 | 一种水处理系统 |
CN105457384B (zh) * | 2015-11-30 | 2017-12-05 | 新昌县康泓机械科技有限公司 | 一种油田用耐冲刷过滤器 |
-
2001
- 2001-10-19 JP JP2001321540A patent/JP4029263B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003117318A (ja) | 2003-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2478415C2 (ru) | Применение установки первичной фильтрации/стабилизации жидкостей для тройной цели | |
JPH02150263A (ja) | 液状媒質の濾過および安定化法、安定剤の使用、安定化―および濾過法を実施するための装置、ならびにその装置の操作法 | |
WO2014103854A1 (ja) | バラスト水処理装置およびバラスト水処理装置の逆洗浄方法 | |
WO2004014513A1 (ja) | 濾過装置 | |
JP2009533214A (ja) | フレキシブル・フィルタ・モジュールを用いた精密濾過装置 | |
US20040134842A1 (en) | Tertiary filter | |
GB2190603A (en) | Method and apparatus for clarifying beer | |
JP4029263B2 (ja) | 複合精密ろ過方法並びにろ過装置 | |
JP2013059702A (ja) | 濾過装置 | |
JP4711071B2 (ja) | 汚泥濃縮装置およびその洗浄方法並びに運転方法 | |
JPH05154476A (ja) | 膜濾過装置 | |
JP3760874B2 (ja) | 連続加圧ろ過機 | |
JP3775315B2 (ja) | 連続加圧ろ過機 | |
JP2003225518A (ja) | 固液分離装置 | |
JPH11226317A (ja) | 回転円板型固液分離装置及び固液分離方法 | |
JPH05309242A (ja) | 濾過素子及び液体処理装置 | |
JP2003225517A (ja) | 固液分離装置の洗浄方法 | |
JP2940364B2 (ja) | 浮上ろ材を用いたろ過機におけるろ材の洗浄方法 | |
JPS58138294A (ja) | マグネツトポンプの軸受部冷却水供給装置 | |
JPH04134426U (ja) | 加圧デイスクフイルタ装置 | |
JP2002166110A (ja) | 固液分離装置 | |
JP2521350B2 (ja) | クロスフロ―濾過装置 | |
JP3465383B2 (ja) | 下向流濾過装置の濾過方法 | |
JPH06238134A (ja) | 回転平膜分離装置 | |
JPS63283710A (ja) | 濾過装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070806 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071002 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4029263 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |