JP4028731B2 - 印字ヘッドの通電制御方法及びそれを用いたラインプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドの通電制御方法及びそれを用いたラインプリンタに関し、特に印字記録中の動作停止を制御するようにした印字ヘッドの通電制御方法及びそれを用いたラインプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転可能なプラテンローラに記録用紙を介してこの記録用紙の幅とほぼ同じ大きさのサーマルヘッドを圧接させ、この状態により、プラテンローラを回転駆動させて記録用紙を搬送させながら、サーマルヘッドの複数の発熱素子を印字記録データに基づいて選択的に通電して加熱し、記録用紙に所望の印字記録を行うラインプリンタが知られている。このラインプリンタにおいては、記録用紙、例えば感熱紙に各発熱素子の熱を加えることにより印字記録する場合や、インクリボンまたはインクシートなどにインクを含有させたインクフィルムに各発熱素子の熱を加えてその溶融したインクを普通用紙である記録用紙に転写して印字記録する場合等がある。
【0003】
このラインプリンタのサーマルヘッドには、各発熱素子の他に、各発熱素子を駆動するためのドライバICが設けられている。それとともに、サーマルヘッドを貼り付けたヘッド取付板にサーマルヘッドの加熱温度を検知するサーミスタが取付けられている。
【0004】
そして、各発熱素子を通電して加熱したときのドライバICに加わる加熱温度と、その近傍に位置する上記サーミスタの検知温度とをあらかじめ測定しておき、これら加熱温度と検知温度との温度差の最大値をドライバICの最大保証温度から減じた温度をラインプリンタの通電動作時の停止温度、いわゆるリミッタ温度として固定した値に設定していた。
【0005】
これにより、サーマルヘッド全体の温度が上昇してドライバICに加わる加熱温度が高くなっても、上記サーミスタにて実際に検知した温度が設定したリミッタ温度以上となった場合、ラインプリンタの印字記録動作が一旦停止して、温度上昇を防ぎながらサーマルヘッドへの通電制御が行われるので、ドライバIC等が故障せず、且つ異常なく印字記録動作するようになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ラインプリンタの印字記録動作の停止温度を決めるサーミスタのリミッタ温度は、上述したドライバIC近傍の温度とサーミスタの検知温度との温度差が最大になる最大値を用いて設定されていたので、そのリミッタ温度の設定値が実際の文字や画像などを印字記録する際の温度差と比べてかなり大きな値に設定していて、必要以上の温度マージンを持っていた。
【0007】
このように、サーミスタのリミッタ温度は、温度マージンが大きく実際よりかなり低い温度に設定されていたので、必要以上に印字記録動作の停止と再駆動とが繰り返し行われるので、実際に駆動している時間が短く、印字記録のトータル時間が長くかかってしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、ドライバICの保証温度を維持しつつ、必要以上に印字記録動作が停止して、印字記録にかかるトータル時間が長くならずに印字記録することを可能としたプリンタ及びその印字ヘッドの通電制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題の少なくとも1つを解決するための第1の解決手段として、複数の駆動素子を有する印字ヘッドと、印字記録データに基づいて各駆動素子を選択的に通電して駆動するドライバICと、駆動素子近傍の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部で測定した前記通電ドット数に応じた第1温度と前記ドライバICの実際の上昇温度を測定した第2温度との温度差の各データを格納した温度差テーブルとを備え、前記印字記録データの通電ドット数に応じて、前記印字ヘッドの印字記録動作を停止する温度である前記温度検知部のリミッタ温度を変化させるようにし、前記リミッタ温度は、前記温度差テーブルから前記印字記録データの通電ドット数に基づく温度差のデータを呼び出して前記ドライバICの最大保証温度から前記温度差のデータを減じた温度としたものである。
【0011】
また、第2の解決手段として、温度差テーブルを格納したメモリと、温度差テーブルから呼び出した温度差のデータをドライバICの最大保証温度から減じてなるリミッタ温度を、温度検知部に設定して駆動するCPUと、を有する制御部を設けたものである。
【0012】
また、第3の解決手段として、紙送りモータと、紙送りモータの回転駆動力により回転駆動するプラテンローラと、プラテンローラを印字記録媒体を介して相対的に圧接するサーマルヘッドとを設け、サーマルヘッドは、選択的に発熱する複数の発熱素子を印字記録媒体の幅方向に整列配置するとともに、各発熱素子近傍の温度を検知するサーミスタを取付けし、各発熱素子に同時に通電する印字記録データの通電ドット数に応じて、各発熱素子を温度検知部で測定した第1温度とドライバICの実際の上昇温度を測定した第2温度との温度差の各データを格納する温度差テーブルをあらかじめ設けて、サーマルヘッドに通電する際に、温度差テーブルから通電ドット数に基づく所定の前記温度差のデータを呼び出して、ドライバICの最大保証温度から所定の温度差のデータを減じて設けたリミッタ温度を、サーマルヘッド全体の印字記録動作の停止温度としてその都度変化するとともに、プラテンローラを回転駆動させて印字記録媒体を搬送しながら各発熱素子を通電駆動したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態であるサーマルタイプのラインプリンタを図1乃至図4に基づいて、以下に説明する。
図1に示すように、ラインプリンタ10は、プリンタ本体12と、このプリンタ本体12に対して開閉可能にしたカバー体16とから主に構成されている。
【0014】
プリンタ本体12は、板金製のシャーシ13を有していて、このシャーシ13は、矩形状をした底板部13aと、この底板部13aの両端から略直角に上方に折り曲げられた側板部13b、13cと、底板部13aの後方側縁部に沿って略直角に上方に折り曲げた背板部13dとからなっている。
【0015】
一方の側板部13bには、ほぼ中央の上縁部をU字状に切り欠いたU溝13fと、このU溝13fに隣接して小さく切り欠き形成された切り欠き溝13gとが形成されている。
【0016】
また、他方の側板部13cには、ほぼ中央の上縁部をU字状に切欠いたU溝13jが形成されていて、上記U溝13fに対向している。
さらに、側板部13b、13c間の底板部13a上には、記録用紙の搬送をガイドする樹脂製の用紙ガイド15が取付けられている。
【0017】
次に、用紙ガイド15の後方側には板金製のヘッド取付板17が立設されていて、このヘッド取付板17の上面(図1の正面)には一種の回路基板からなる矩形状のサーマルヘッド(印字ヘッド)18が貼付けされて設けられている。
そして、ヘッド取付板17は、シャーシ13の側板部13b、13c間を橋絡して配設された金属棒状の支軸19を介してその下縁側が揺動可能に取付けられている。
ヘッド取付板17の一端部(図示の左側)には、L字状をした押し当て片17bが延設されている。この押し当て片17bは側板部13bの切り欠き溝13g内に一部当接しているとともに、ほぼ全体が側板部13の外方に突出している。
【0018】
次に、ヘッド取付板17と背板部13dとの間には、複数のコイルばね20が圧縮された状態で取付けられている。このコイルばね20により支軸19を支点として、ヘッド取付板17の上縁側が用紙ガイド15側へ弾性付勢され、押し当て片17bを側板部13bの切り欠き溝13gの内縁部に常に圧接させている。
【0019】
次に、板金製のカバー体16は、矩形状をした平板部27と、この平板部27の両端からそれぞれ略直角に下方に折り曲げられた側板部28、29とを備えている。
側板部28、29間には、中心に回転軸34aを有するプラテンローラ34が軸支されて取り付けられている。
また、プラテンローラ34の回転軸34aの一端には、小ギヤ36が一体に取付けられている。
【0020】
図2に示すように、サーマルヘッド18は、多数の発熱素子(駆動素子)18a、例えば384個の発熱素子18aが記録用紙の幅方向(副走査方向)に整列配置されている。さらに、サーマルヘッド18の上面には、上記各発熱素子18aの他に、各発熱素子18aの近傍に発熱素子駆動用の複数のドライバIC22が実装されて設けられている。
【0021】
ヘッド取付板17の裏面の中央には、温度検知部であるサーミスタ24が取り付けられている。このサーミスタ24は、サーマルヘッド18の各発熱素子18aを通電して加熱されたサーマルヘッド全体の上昇温度を検知するようになっている。
なお、温度検知部はサーミスタに限定されず、例えば熱電対であってもよい。
【0022】
次に、図1及び図3に示すように、ヘッド取付板17の側板部13cには、記録用紙をサーマルヘッド18に搬送するための駆動モータであるステッピングモータ44が取付けられている。
ステッピングモータ44の回転シャフト(図示せず)には、回転駆動力を伝達する複数のギヤ群46が取付けられている。
そして、ステッピングモータ44の回転駆動力をギヤ群46に噛合う上記小ギヤ36を介してプラテンローラ34の回転軸34aに伝達するようになっている。
【0023】
次に、図3に示すように、サーミスタ24及びステッピングモータ44は、ラインプリンタ10の各部の動作を制御する制御部50と電気的に接続されている。
この制御部50には、各部の動作の演算処理を行うCPU(中央演算装置)52と、適宜な容量のROM、RAMなどにより形成されたメモリ54とが設けられている。そして、メモリ54には、少なくとも各発熱素子18aに対する通電駆動したり、各発熱素子18aを図示しないコンピュータなどの上位装置から入力された印字記録データの通電ドット数に応じて選択的に発熱させるとともに、プラテンローラ34等を回転駆動させるためのプログラムが記憶されている。
【0024】
次に、図4にはラインプリンタ10の印字記録の動作を一旦停止する温度を決定する際に用いられる温度差テーブル56の一例が示されている。
この温度差テーブル56には、印字記録データの通電ドット数と、動作停止温度との関係を示す実測されたデータが示されている。
すなわち、この温度差テーブル56は、印字記録データの通電ドット数(n)、例えば0〜384ドットのうち、0、50、100、150、・・・350、384に応じて、上記通電ドット数(n)で各発熱素子18aを通電加熱した際の、サーミスタ24の検知温度(第1温度)と、ドライバIC22近傍の実際の上昇温度(第2温度)、いわゆるジャンクション温度との温度差(TΔd)の各データを示している。
そして、この一例では、通電ドットが約50ドットごとに増加した際の、温度差を測定しそのデータを得て、実際の印字記録データの通電ドットがこのドット間の場合には、温度差のデータのうち、大きい方の温度差に揃えて設定している。
例えば、通電ドット数が25の場合には、温度差(TΔd)は数値5(℃)となる。
【0025】
なお、この温度差テーブル56が上記制御部50のメモリ54内に格納されている。
また、この温度差テーブル56の一例に限定されず、各発熱素子18aの通電ドット数の位置によるデータ、すなわち中央部分の発熱素子18aが通電ドットとなるか否か等、多くのパターンにて実測されたデータを取得しておくことにより、より精度良く温度制御が可能となる。また、固定分割や動的分割の駆動方式に対応したラインプリンタの温度差テーブルであってもよい。
【0026】
次に、このラインプリンタ10の通電制御方法について以下に説明する。
先ず、図示しない上位装置で文字、図形などを印刷記録するために作成された印字記録データがラインプリンタ10に入力される。
印字記録データの通電ドットに基づいて、サーマルヘッド18の各発熱素子18aに通電して加熱されると、ドライバIC近傍の温度も上昇する。
【0027】
ここで、この温度上昇分は、各発熱素子18aで発生した熱が金属製のヘッド取付板17を伝わったり、放射したりして受けた熱量であり、ドライバIC22それ自体の自己発熱量とを含めた温度である。したがって、印字記録データの通電ドット数が多くなるにつれてドライバIC22近傍の温度、すなわちジャンクション温度が高くなる。
【0028】
各発熱素子18aに通電ドットを加えると、各発熱素子18aの上昇温度やその周囲温度がサーミスタ24により検知され、検知された温度Tのデータが制御部50に送られる。
【0029】
次に、印字記録データが制御部50に入力すると、CPU52は、あらかじめメモリ54に記憶されていた温度差テーブル56を呼び出し、この温度差テーブル56内の通電ドット数(n)、そのときの温度差(TΔd)を解析して、最適な温度差データを求める。そして、この温度差データをドライバIC22の保証温度値(駆動動作を保証する上限値、例えば110℃)から減じた値をサーミスタ24のリミッタ温度(サーマルヘッド18全体の動作停止温度)に設定する。
【0030】
次に、制御部50内にて、印字記録データの通電ドットに応じてその都度設定されたサーミスタ24のリミッタ温度を基準にして、検知された温度Tのデータが常に超えないように制御する。
つまり、印字記録データの通電ドットに応じて各発熱素子18aを選択的に通電し、その際に検知された温度Tのデータがサーミスタ24のリミッタ温度を超えるとCPUが判断すると、各発熱素子18aへの通電を止めるとともに、プラテンローラ34を回転駆動することにより感熱紙を搬送させるステッピングモータ44の回転駆動を停止する。
【0031】
そして、サーミスタ24で検知された温度がリミッタ温度以下に下がると、印字記録データの通電ドット数に基づいてその停止位置から選択的に各発熱素子18aを発熱して駆動を開始するとともに、プラテンローラ34もステッピングモータ44によって回動する。
【0032】
このとき、上記サーミスタ24のリミッタ温度を印字記録データの通電ドット数に応じてその都度変化させることにより、ラインプリンタ10のサーマルヘッド18による印字記録動作が必要以上に停止することがない。特に、図4に示す温度差テーブル56のうち、通電ドット数が少ない場合には、上記温度マージンを少なくしてサーミスタ24のリミッタ温度を従来と比べて高くしてもドライバIC22の保証温度に至る割合が少ないので、より長く連続して印字記録動作を行うことができる。
【0033】
このように構成し、動作するラインプリンタ10は、プラテンローラ34に記録用紙(感熱紙)を介してサーマルヘッド18を圧接させ、この圧接状態でプラテンローラ34を回転駆動させるとともに、感熱紙を搬送させながら、サーマルヘッド18の複数の発熱素子18aに通電し、印字記録データに基づいて選択的に発熱して駆動する。よって、感熱紙を発色させて所望の印字記録を得ることができる。
【0034】
したがって、本実施形態によれば、あらかじめ用意した温度差テーブル56によってCPU52が演算して解析することにより、各発熱素子18aが印字記録可能な温度に到達するまでの通電時間を連続して印刷記録を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態のラインプリンタ10においては、車載用などの高温(約85℃)でも使用できる。すなわち、温度差テーブル56をあらかじめ設ける際に、その温度差テーブル56の温度差データを実際に車内における環境下にて、多くのパターンの実測値を設けることにより可能となる。
したがって、このラインプリンタ10は、従来のラインプリンタのように、印字記録動作時にすぐに一旦停止することなく、より一層長く駆動させることができ、全体のスループットを向上させることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、サーマルタイプのラインプリンタだけでなく、インクジェット式のラインプリンタにおける、印字ヘッドの各駆動素子を通電制御するものであってもよい。
また、温度差テーブル56に、各発熱素子18aの通電ドットが通電する位置に応じた、第1温度と第2温度との温度差のデータをも測定することにより、より一層精度良くサーマルヘッド18の通電制御を行うことができる。例えば、通電ドット数が同じであっても、その通電ドットが1箇所に集中する場合と、分散する場合等、発熱素子18aの通電位置を考慮した多くのパターンについて温度差テーブルを取得してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明のラインプリンタは、印字ヘッドの通電制御方法として、複数の駆動素子を有する印字ヘッドと、印字記録データに基づいて前記各駆動素子を選択的に通電して駆動するドライバICと、前記各駆動素子近傍の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部で測定した前記通電ドット数に応じた第1温度と前記ドライバICの実際の上昇温度を測定した第2温度との温度差の各データを格納した温度差テーブルとを備え、前記印字記録データの通電ドット数に応じて、前記印字ヘッドの印字記録動作を停止する温度である前記温度検知部のリミッタ温度を変化させるようにし、前記リミッタ温度は、前記温度差テーブルから前記印字記録データの通電ドット数に基づく温度差のデータを呼び出して前記ドライバICの最大保証温度から前記温度差のデータを減じた温度としたことにより、印字記録データの通電ドット数、及びその発熱素子における位置に応じた適切な温度を温度検知部の温度に設定するので、少ない温度マージンでより長い時間連続して印字記録動作を可能とし、その結果として、印字記録時のスループットを向上させることができるし、あらかじめ温度差テーブルをいろいろな条件に対応した温度差データとなるので、ドライバICをその保証温度内に制御するとともに、必要以上に温度マージンを採らずに、印字記録動作を確実に制御することができる。
【0039】
また、本発明のラインプリンタは、温度差テーブルを格納したメモリと、温度差テーブルから呼び出した温度差のデータをドライバICの最大保証温度から減じてなるリミッタ温度を、温度検知部に設定して駆動するCPUと、を有する制御部を設けたことにより、温度差の各データを有する温度差テーブルをあらかじめ設け、適時その各データを呼び出すことができるので、この制御部によって印字記録動作をより精度よく制御することができる。
【0040】
また、本発明のラインプリンタは、紙送りモータと、紙送りモータの回転駆動力により回転駆動するプラテンローラと、プラテンローラを印字記録媒体を介して相対的に圧接するサーマルヘッドとを設け、サーマルヘッドは、選択的に発熱する複数の発熱素子を印字記録媒体の幅方向に整列配置するとともに、各発熱素子近傍の温度を検知するサーミスタを取付けし、各発熱素子に同時に通電する印字記録データの通電ドット数と、ドライバICの上昇温度を測定した第1温度と各発熱素子を温度検知部で測定した第2温度との温度差の各データを格納する温度差テーブルをあらかじめ設けて、サーマルヘッドを通電する際に、温度差テーブルから通電ドット数に基づく所定の前記温度差のデータを呼び出して、ドライバICの最大保証温度から所定の温度差のデータを減じて設けたリミッタ温度を、サーマルヘッド全体の印字記録動作の停止温度としてその都度変化させるとともに、プラテンローラを回転駆動させて印字記録媒体を搬送しながら各発熱素子を通電駆動したことにより、車載などの高温となる悪環境下において、ドライバICの周囲温度がより上昇する場合であっても、必要以上にサーミスタの設定温度を下げずに印字記録動作を行うことができるので、少ない温度マージンでより一層の長い時間を印字記録動作することができ、よって全体のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるラインプリンタの全体斜視図である。
【図2】上記ラインプリンタのサーマルヘッドの概略斜視図である。
【図3】上記ラインプリンタのサーマルヘッドへの通電制御を説明するための説明図である。
【図4】上記ラインプリンタのサーマルヘッドの通電制御における温度差テーブルの一例である。
【符号の説明】
10 ラインプリンタ
18 サーマルヘッド(印字ヘッド)
18a 発熱素子(駆動素子)
22 ドライバIC
24 サーミスタ(温度検知部)
34 プラテンローラ
44 紙送りモータ
50 制御部
52 CPU
54 メモリ
56 温度差テーブル
TΔd 温度差のデータ
Claims (3)
- 複数の駆動素子を有する印字ヘッドと、印字記録データに基づいて前記各駆動素子を選択的に通電して駆動するドライバICと、前記各駆動素子近傍の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部で測定した前記通電ドット数に応じた第1温度と前記ドライバICの実際の上昇温度を測定した第2温度との温度差の各データを格納した温度差テーブルとを備え、前記印字記録データの通電ドット数に応じて、前記印字ヘッドの印字記録動作を停止する温度である前記温度検知部のリミッタ温度を変化させるようにし、前記リミッタ温度は、前記温度差テーブルから前記印字記録データの通電ドット数に基づく温度差のデータを呼び出して前記ドライバICの最大保証温度から前記温度差のデータを減じた温度としたことを特徴とする印字ヘッドの通電制御方法。
- 前記温度差テーブルを格納したメモリと、前記温度差テーブルから呼び出した前記温度差のデータを前記ドライバICの最大保証温度から減じてなる前記リミッタ温度を、前記温度検知部に設定して駆動するCPUと、を有する制御部を設けたことを特徴とする請求項1記載の印字ヘッドの通電制御方法を用いたラインプリンタ。
- 紙送りモータと、該紙送りモータの回転駆動力により回転駆動するプラテンローラと、該プラテンローラを印字記録媒体を介して相対的に圧接するサーマルヘッドとを設け、
前記サーマルヘッドは、選択的に発熱する複数の発熱素子を印字記録媒体の幅方向に整列配置するとともに、該各発熱素子近傍の温度を検知するサーミスタを取付けし、
前記各発熱素子に同時に通電する印字記録データの通電ドット数に応じて、前記各発熱素子を前記温度検知部で測定した第1温度と前記ドライバICの実際の上昇温度を測定した第2温度との温度差の各データを格納する温度差テーブルをあらかじめ設けて、
前記サーマルヘッドに通電する際に、前記温度差テーブルから前記通電ドット数に基づく所定の前記温度差のデータを呼び出して、前記ドライバICの最大保証温度から所定の前記温度差のデータを減じて設けたリミッタ温度を、前記サーマルヘッド全体の印字記録動作の停止温度としてその都度変化するとともに、前記プラテンローラを回転駆動させて前記印字記録媒体を搬送しながら前記各発熱素子を通電駆動したことを特徴とするラインプリンタ。
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