JP4028292B2 - 半導体集積回路のシミュレーション装置 - Google Patents

半導体集積回路のシミュレーション装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、解析ステップ幅を大きく設定した第1回目のシミュレーションと、解析ステップ幅を小さく設定した第2回目のシミュレーションを実行する半導体集積回路のシミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路における従来のシミュレーション方法としては、例えば図10のフローチャートに示す手順のものがある。
【0003】
図10において、まず解析する半導体集積回路の回路図に基づいて回路の接続状態を表す回路接続情報を作成し(ステップS100)、回路に入力される入力信号、解析時間等のシミュレーション情報を設定し(ステップS101)、高周波のノイズ等を解析できるように解析ステップ幅を小さく設定した解析ステップ情報を設定する(ステップS102)。これらの回路接続情報、シミュレーション情報ならびに解析ステップ情報に基づいて半導体集積回路のシミュレーションをシミュレータ等を使用して実行する(ステップS103)。得られたシミュレーション結果は、波形表示ツール等の出力機器を使用して波形表示される(ステップS104)。
【0004】
続いて、表示結果を解析検討し、その結果信号の波形変化をさらに詳細に微小時間で解析する箇所があるか否かを判断する(ステップS105)。判断の結果、詳細に解析する箇所がある場合には、解析ステップ情報を設定する処理(ステップS102)に戻り、解析ステップ幅を最初のシミュレーションに比べてさらに小さく設定し、上記ステップS103、S104ならびにS105の処理を繰り返して実行していた。
【0005】
このような、従来のシミュレーション方法では、第1回目のシミュレーションで、観察したい信号の波形変化のタイミングと変化時間を解析できるように解析ステップ幅を設定してシミュレーションを実行していた。その後、信号の波形変化時の高周波ノイズや微小幅のパルス波形等を解析する必要が生じた場合には、解析ステップ幅を第1回目のシミュレーションよりも小さく設定し、第1回目のシミュレーションと同じ解析時間で、第2回目のシミュレーションを実行していた。
【0006】
そのため、シミュレーションの実行時間が長くなり、出力結果のデータ量も膨大になっていた。また、シミュレーションがすべて完了した後、シミュレーション結果をファイルに保存するようなシミュレーションツールの場合に、シミュレーション結果を保存するメモリは、極めて大容量のものが必要になっていた。その結果、シミュレーションを実行した同じ装置で他の作業をシミュレーションと並行して行う場合には、処理速度が遅くなり、処理時間が長くなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、半導体集積回路における従来のシミュレーション方法にあっては、解析ステップ幅を比較的小さくして第1回目のシミュレーションを実行し、その結果さらに詳細に解析を必要とする箇所がある場合には、解析ステップ幅を第1回目の解析ステップ幅よりもさらに小さく設定し、かつ第1回目と同じシミュレーション解析時間でシミュレーションを行っていた。
【0008】
このため、シミュレーション時間が長くなると共に、シミュレーション結果のデータ量が膨大になるといった不具合を招いていた。
【0009】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シミュレーション時間を短縮し、シミュレーション結果のデータ量を削減した半導体集積回路のシミュレーション装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、課題を解決する手段は、シミュレーションの対象となる半導体集積回路の動作を解析する第1回目のシミュレーションを実行するために必要となる第1のシミュレーション情報を設定し、前記第1のシミュレーション情報には、第1回目のシミュレーションを開始してから終了するまでの第1の解析時間と、前記第1の解析時間内の単位時間幅を示す第1の解析ステップ時間が含まれ、前記第1の解析時間ならびに前記第1の解析ステップ時間は、前記半導体集積回路の基本動作が確認できる時間に設定される第1の設定部と、前記第1の設定部で設定された第1のシミュレーション情報を入力し、入力された第1のシミュレーション情報に基づいて前記半導体集積回路の第1回目のシミュレーションを実行する第1のシミュレーション実行部と、前記第1のシミュレーション実行部で実行された第1回目のシミュレーションの結果を解析した結果、前記半導体集積回路の動作を詳細に解析する第2回目のシミュレーションが必要であると判断された場合には、第2回目のシミュレーションを実行するために必要となる第2のシミュレーション情報を設定し、前記第2のシミュレーション情報には、第2回目のシミュレーションを開始してから終了するまでの第2の解析時間と、前記第2の解析時間内の単位時間幅を示す第2の解析ステップ時間が含まれ、前記第2の解析時間は、前記第1の解析時間の範囲内において前記第1の解析時間よりも短い限定された時間に設定され、前記第2の解析ステップ時間は、前記第1の解析ステップ時間のステップ幅よりも細かいステップ幅に設定される第2の設定部と、前記第2の設定部で設定された第2のシミュレーション情報を入力し、入力された第2のシミュレーション情報に基づいて前記半導体集積回路の第2回目のシミュレーションを実行する第2のシミュレーション実行部とを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1はこの発明の一実施形態に係る半導体集積回路のシミュレーション装置の構成を示す図である。
【0013】
図1において、半導体集積回路のシミュレーション装置は、回路接続情報作成部11と、シミュレーション情報設定部13と解析ステップ設定部14とを備えた第1のシミュレーション設定部12と、第1のシミュレーション実行部15と、第1のシミュレーション結果出力部16と、解析時間指定部分シミュレーション情報設定部18と解析時間指定部分初期値情報抽出部19と解析時間指定部分解析ステップ設定部20とを備えた第2のシミュレーション設定部17と、第2のシミュレーション実行部21と、第2のシミュレーション結果出力部22を有して構成されている。
【0014】
回路接続情報作成部11は、シミュレーションしようとする半導体集積回路の回路図を元に回路構成の接続関係を表す接続情報を記述した回路接続情報を作成する。
【0015】
シミュレーション情報設定部13は、第1回目のシミュレーションの実行環境として、回路の動作電源電圧、入力信号、解析時間、動作温度、回路素子のしきい値を設定し、設定した情報をシミュレーション設定情報1として保存する。
【0016】
解析ステップ設定部14は、第1回目のシミュレーションの解析ステップ時間を設定し、設定した解析ステップ時間を解析ステップ情報1として保存する。第1回目のシミュレーションでは、回路の基本動作が確認できればよいので、解析ステップ時間を大きく設定する。解析ステップ時間は、回路の基本動作が評価できる程度の時間に設定され、回路の動作速度等に応じて適宜設定される。
【0017】
第1のシミュレーション実行部15は、回路接続情報作成部11で作成された回路接続情報と、第1のシミュレーション設定部13で設定されたシミュレーション設定情報1ならびに解析ステップ情報1と、回路を構成する素子のデバイスモデルを入力し、第1回目のシミュレーションを実行する。
【0018】
第1のシミュレーション結果出力部16は、第1のシミュレーション実行部15で実行された第1回目のシミュレーションの結果を入力し、第1回目のシミュレーションの結果を出力する。
【0019】
解析時間指定部分シミュレーション情報設定部18は、第1回目のシミュレーションの結果、さらに詳細な解析が必要となり、第2回目のシミュレーションを実行する場合に、第2回目のシミュレーションを実行する際のシミュレーション情報として、電源電圧、入力信号、解析時間、動作温度、素子のしきい値を設定し、設定した値をシミュレーション設定情報2として保存する。ここで、解析時間は第1回目のシミュレーションの解析時間に対して、詳細な解析を必要とする特定された範囲の時間(t1〜t2、t1:シミュレーション開始時間、t2:シミュレーション終了時間)とし、入力信号は、特定された時間軸である時間t1から時間t2までの入力信号と同様の信号が入力されるように設定し、動作温度は、高温と低温の両方の温度を設定し、素子のしきい値は最悪と最良の両方の条件を設定する。
【0020】
解析時間指定部分初期値情報抽出部19は、第1回目のシミュレーション結果において、解析時間指定部分シミュレーション情報設定部18で設定された解析時間のうち開始時間t1の時点の回路の各ノードの電圧値を抽出し、抽出した電圧値を解析時間指定部分初期値情報として保存する。
【0021】
解析時間指定部分解析ステップ設定部20は、解析ステップ時間を第1回目のシミュレーションの時よりも細かく設定し、解析ステップ情報2として保存する。第2回目のシミュレーションの解析ステップ時間は、解析内容に応じて適宜設定されるが、第1回目のシミュレーション時の解析ステップ時間が例えば1nsであるとすると、第2回目のシミュレーションの解析ステップ時間は、例えば0.1ns 〜0.3ns といったように細かく設定される。また、第2回目のシミュレーションの解析ステップ時間は、解析する内容、例えばリンギングノイズ、信号のタイミングの微妙なずれによるパルス幅の極めて小さなひげ波形、あるいは高周波ノイズといった解析対象に適したステップ幅が設定される。
【0022】
第2のシミュレーション実行部21は、回路接続情報作成部11で作成された回路接続情報と、第2のシミュレーション情報設定部17で設定されたシミュレーション設定情報2、解析時間指定部分初期値情報、解析ステップ情報2ならびデバイスモデルを入力し、第2回目のシミュレーションを実行する。
【0023】
第2のシミュレーション結果出力部22は、第2のシミュレーション実行部21で実行された第2回目のシミュレーションの結果を入力し、第2回目のシミュレーションの結果を出力する。
【0024】
次に、図2のフローチャートを参照して、上記構成において、例えば図3に示すリングオシレータ回路を一例として、この回路の動作をシミュレーションする実施形態について説明する。
【0025】
まず、図3に示すリングオシレータの回路図を元にして、インバータ回路30が直列接続されてなるリングオシレータ回路の接続情報を記述した回路接続情報が回路接続情報作成部11で作成され、作成された回路接続情報が保存される(ステップS20)。
【0026】
次に、動作電源電圧、入力信号、解析時間、動作温度、素子のしきい値がシミュレーション情報設定部13で設定され、設定された値がシミュレーション設定情報1として保存される(ステップS21)。続いて、解析ステップ時間が解析ステップ設定部14で設定され、設定された値が解析ステップ情報1として保存される(ステップS22)。第1回目のシミュレーションでは、回路の基本動作が確認できればよいので、解析ステップ時間は従来に比べて比較的大きく設定される。
【0027】
次に、回路接続情報、シミュレーション設定情報1、解析ステップ情報1ならびにデバイスモデルが第1のシミュレーション実行部15に入力され、第1回目のシミュレーションが第1のシミュレーション実行部15で実行される(ステップS23)。解析ステップ時間は大きく設定されているため、シミュレーション実行時間は従来に比べて減少する。第1回目のシミュレーションの実行が終了すると第1回目のシミュレーションの結果が作成され、第1回目のシミュレーション結果は第1のシミュレーション結果出力部16に入力され、第1のシミュレーション結果が第1のシミュレーション結果出力部16から出力される(ステップS24)。
【0028】
図4にリングオシレータ回路の第1回目のシミュレーション結果の動作波形を示す。図4に示す第1回目のシミュレーション結果を解析考察し、さらに詳細な解析が必要か否かを判断する(ステップS25)。詳細な解析が必要ない場合には、シミュレーションはここで終了する。一方、詳細な解析が必要であると判断された場合には、第2回目のシミュレーションを実行するステップへの進む。
【0029】
例えば、図4において、第1回目のシミュレーションの解析時間に対して、解析時間t1〜t2の範囲において、詳細な解析が必要であると判断された場合には、解析時間t1〜t2の間で、解析ステップ時間を第1回目のシミュレーションより細かく設定して第2回目のシミュレーションが実行される。
【0030】
第2回目のシミュレーションを実行するにあたって、まず動作電源電圧、入力信号、解析時間、動作温度、素子のしきい値が解析時間指定部分シミュレーション情報設定部18で設定される(ステップS26)。ここで、入力信号は、特定された時間軸である解析時間t1〜t2までの入力信号と同様の信号が回路に入力されるように設定され、解析時間は(t1〜t2)とし、動作温度は、高温の場合と低温の場合の両方の動作温度が設定され、素子のしきい値は回路動作に対して最悪条件と最良条件の両条件が設定され、これらの設定情報がシミュレーション設定情報2として保存される。
【0031】
次に、解析ステップ時間は第1回目のシミュレーションの時よりも細かく設定され、解析ステップ情報2として保存される(ステップS27)。続いて、第1回目のシミュレーション結果から解析開始時間t1の時点での回路の各ノードの電圧値が、解析時間指定部分初期値情報抽出部19で抽出され、解析時間指定部分初期値情報として保存される(ステップS28)。
【0032】
次に、回路接続情報、シミュレーション設定情報2、解析ステップ情報2,解析時間指定部分初期値情報ならびにデバイスモデルが第2のシミュレーション実行部21に入力され、第2回目のシミュレーションが実行される(ステップS29)。第2回目のシミュレーションが終了すると、第2回目のシミュレーション結果は、第2のシミュレーション結果出力部22に与えられて、シミュレーション結果としての動作波形が第2のシミュレーション結果出力部22から出力される(ステップS30)。
【0033】
図5に第2回目のシミュレーション結果の波形図の一例を示す。図5から分かるように、解析ステップ時間を第1回目のシミュレーションの解析ステップ時間よりも細かくしたので、解析時間t1〜t2の間でリンギング波形がはっきりと出力される。これにより、第2回目のシミュレーションでは第1回目のシミュレーションに比べて詳細な解析評価を行うことができる。
【0034】
図6は前述した従来のシミュレーション方法と上記実施形態のシミュレーション方法との処理時間を示す図であり、図7は前述した従来のシミュレーション方法と上記実施形態のシミュレーション方法との出力結果のデータ量を示す図である。
【0035】
図6において、回路接続情報作成、シミュレーション情報設定ならびに解析ステップ時間の設定にかかる時間は、従来方法と上記実施形態は同等である。しかし、上記実施形態のシミュレーション方法では、解析ステップ時間は回路の基本動作波形が確認できればよく、従来の解析ステップ時間に比べ大きく設定されているので、第1回目のシミュレーション実行時間は従来よりも短くなる。
【0036】
第1回目のシミュレーションの実行後、シミュレーション結果の検討にかかる時間は、従来のそれとほぼ同等となる。シミュレーション結果の検討において、第2回目のシミュレーションが必要であると判断された場合、例えばタイミング上クリティカルで気になる箇所、ノイズの影響が心配な箇所等がある場合には、第2回目のシミュレーションを実行するにあたって、解析時間指定部分シミュレーション情報、解析時間指定部分解析ステップ時間の設定が行われる。これらの設定にかかる時間は、第1回目のシミュレーションを実行する際に行った設定にかかる時間と同等であり、また従来の同じ設定にかかる時間と同様となる。解析時間指定部分での初期値情報抽出にかかる時間は、第1回目のシミュレーションの結果より抽出されるため、シミュレーション情報設定にかかる時間とほぼ同等となる。
【0037】
一方、従来のシミュレーション方法において、第2回目のシミュレーションの解析ステップ時間は第1回目のシミュレーションの解析ステップ時間よりも小さく設定され、かつ全体の解析時間は変わらないので、第2回目のシミュレーションの実行時間は、第1回目のシミュレーション実行時間よりも長くなってしまう。これに対して、上記実施形態において、第2回目のシミュレーションの解析時間は、第1回目のシミュレーションの解析時間の範囲内で、限られた解析時間となるため、第1回目のシミュレーションの実行時間に比べて大幅に短くなる。したがって、上記実施形態における第2回目のシミュレーションの実行時間は従来の第2回目のシミュレーションの実行時間に比べて格段に短くなる。
【0038】
さらに、上記実施形態における第2回目のシミュレーションの第2の結果検討にかかる時間は、シミュレーションの解析時間が短く検討範囲が限られるため、従来の第2回目のシミュレーションにおける検討結果にかかる時間よりも短くなる。
【0039】
以上のことから、上記実施形態における、回路接続情報の作成から始まって第2回目のシミュレーションの第2の結果検討までにかかる時間は、従来の同様な処理にかかる時間に比べて格段に短縮することができる。
【0040】
一方、図7に示すように、従来の2回のシミュレーションの結果の総データ量を100%とし、従来の2回のシミュレーションと上記実施形態の2回のシミュレーションの、それぞれの解析ステップ時間ならびに解析時間を考慮すると、上記実施形態の第1回目のシミュレーションの結果のデータ量は、従来の2回のシミュレーションの結果の総データ量に比べて例えば64%程度となり、第2回目のシミュレーションの結果のデータ量は、例えば1%程度となる。したがって、上記実施形態においては、シミュレーション結果のデータ量を削減することができる。これにより、シミュレーション結果を記憶装置に記憶保持し、全てのシミュレーションが終了した後、シミュレーション結果をファイルに出力するといったシミュレーション装置を使用した場合は、シミュレーション結果を記憶するために使用する記憶装置の容量が少なくて済み、同じシミュレーション装置で他の作業を並行して行う場合に、他の作業を効率よく行うことができる。
【0041】
図8はこの発明の他の実施形態にかかる半導体集積回路のシミュレーション装置の構成を示す図であり、図9は図8に示す装置における動作のフローチャートを示す図である。
【0042】
この実施形態の特徴とするところは、図1に示す先の実施形態のシミュレーション装置に対して、第2のシミュレーション設定部17に解析時間指定部分入力信号情報抽出部23を設け、図2に示す先の実施形態の動作フローチャートに対して、ステップS28の解析時間指定部分初期値情報抽出処理と、ステップS29の第2のシミュレーションの実行処理との間に、解析時間指定部分入力信号情報抽出処理(ステップS90)を挿入したことにある。
【0043】
図8において、解析時間指定部分入力信号情報抽出部23は、第1回目のシミュレーションの結果から、指定された解析時間t1〜t2までの間に回路に入力される入力信号を抽出し、抽出した入力信号を解析時間指定部分入力信号情報として保存する。これにより、解析時間指定部分シミュレーション情報指定部18では、入力信号の設定は省かれる。
【0044】
このような構成において、第2回目のシミュレーションを実行する場合には、解析時間指定部分初期値情報を抽出した後(ステップS28)、指定された解析時間t1〜t2の間に回路に入力される入力信号が、第1回目のシミュレーションの結果から解析時間指定部分入力信号情報抽出部23で抽出され、抽出された情報が保存される(ステップS90)。
【0045】
次に、回路接続情報、シミュレーション設定情報2、解析時間指定部分初期値情報、解析時間指定部分入力信号情報ならびにデバイスモデルが第2のシミュレーション実行部21に入力され、第2回目のシミュレーションが実行され(ステップS29)、第2回目のシミュレーションの結果が出力部22から動作波形として出力される(ステップS30)。
【0046】
このようにこの実施形態では、第2回目のシミュレーションを実行するにおいて、入力信号が第1回目のシミュレーションの結果から抽出されるので、指定された解析時間の範囲での入力信号を設定する必要がなくなり、第2回目のシミュレーションを効率よく実施することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第1回目のシミュレーションの解析ステップ時間を回路の基本動作が確認できる程度に設定し、第1回目のシミュレーションに比べて解析時間を限定し、かつ解析ステップ時間を細かく設定して第2回目のシミュレーションを実行するようにしたので、全体のシミュレーションの処理時間を短縮することができ、かつ全体のシミュレーション結果のデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る半導体集積回路のシミュレーション装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す装置における動作フローチャートを示す図である。
【図3】シミュレーション対象の半導体集積回路の一構成例を示す図である。
【図4】図3に示す回路の第1回目のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】図3に示す回路の第2回目のシミュレーション結果を示す図である。
【図6】図1に示す装置におけるシミュレーション時間の削減効果を示す図である。
【図7】図1に示す装置におけるシミュレーション結果のデータ量の削減効果を示す図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係る半導体集積回路のシミュレーション装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示す装置における動作フローチャートを示す図である。
【図10】半導体集積回路における従来のシミュレーション方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 回路接続情報作成部
12 第1のシミュレーション設定部
13 シミュレーション情報設定部
14 解析ステップ設定部
15 第1のシミュレーション実行部
16 第1のシミュレーション結果出力部
17 第2のシミュレーション設定部
18 解析時間指定部分シミュレーション情報設定部
19 解析時間指定部分初期値情報抽出部
20 解析時間指定部分解析ステップ設定部
21 第2のシミュレーション実行部
22 第2のシミュレーション結果出力部
23 解析時間指定部分入力信号情報抽出部
30 インバータ回路

Claims (4)

  1. シミュレーションの対象となる半導体集積回路の動作を解析する第1回目のシミュレーションを実行するために必要となる第1のシミュレーション情報を設定し、前記第1のシミュレーション情報には、第1回目のシミュレーションを開始してから終了するまでの第1の解析時間と、前記第1の解析時間内の単位時間幅を示す第1の解析ステップ時間が含まれ、前記第1の解析時間ならびに前記第1の解析ステップ時間は、前記半導体集積回路の基本動作が確認できる時間に設定される第1の設定部と、
    前記第1の設定部で設定された第1のシミュレーション情報を入力し、入力された第1のシミュレーション情報に基づいて前記半導体集積回路の第1回目のシミュレーションを実行する第1のシミュレーション実行部と、
    前記第1のシミュレーション実行部で実行された第1回目のシミュレーションの結果を解析した結果、前記半導体集積回路の動作を詳細に解析する第2回目のシミュレーションが必要であると判断された場合には、第2回目のシミュレーションを実行するために必要となる第2のシミュレーション情報を設定し、前記第2のシミュレーション情報には、第2回目のシミュレーションを開始してから終了するまでの第2の解析時間と、前記第2の解析時間内の単位時間幅を示す第2の解析ステップ時間が含まれ、前記第2の解析時間は、前記第1の解析時間の範囲内において前記第1の解析時間よりも短い限定された時間に設定され、前記第2の解析ステップ時間は、前記第1の解析ステップ時間のステップ幅よりも細かいステップ幅に設定される第2の設定部と、
    前記第2の設定部で設定された第2のシミュレーション情報を入力し、入力された第2のシミュレーション情報に基づいて前記半導体集積回路の第2回目のシミュレーションを実行する第2のシミュレーション実行部と
    を有することを特徴とする半導体集積回路のシミュレーション装置。
  2. 第1回目のシミュレーション結果から、前記第2の解析時間内に前記半導体集積回路に入力される入力信号を抽出する入力信号抽出部を備え、
    前記入力信号抽出部で抽出された入力信号は、第2のシミュレーション情報として前記第2のシミュレーション実行部に与えられて第2のシミュレーションが実行される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のシミュレーション装置。
  3. 第1回目のシミュレーション結果から、前記第2の解析時間の最初の時間における前記半導体集積回路の各ノード電圧を抽出する初期値抽出部を備え、前記初期値抽出部で抽出された前記半導体集積回路の各ノード電圧は、第2回目のシミュレーション開始時の前記半導体集積回路の各ノード電圧の初期値情報として前記第2のシミュレーション実行部に与えられて第2のシミュレーションが実行される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のシミュレーション装置。
  4. 前記第1のシミュレーション情報には、前記半導体集積回路の回路接続情報、動作電源電圧、入力信号、動作温度ならびに素子のしきい値が含まれ、
    前記第2のシミュレーション情報には、回路接続情報、動作電源電圧、入力信号、最高及び最低動作温度、素子の最悪及び最良条件のしきい値、ならびに第2回目のシミュレーションの開始時の前記半導体集積回路の各ノードの電圧値が含まれる
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の半導体集積回路のシミュレーション装置。
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