JP4028206B2 - チャックテープ付き袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャックテープ付き袋に関し、更に詳しくは、袋が透明な積層フィルムで形成され、透明性に優れると共に、袋の一端に取り付けられたチャックテープの開閉が滑らかで、且つその密封性も安定したチャックテープ付き袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層フィルム製の袋の透明性をよくするためには、基材フィルムにポリプロピレン、各種ポリエステル、各種ナイロンなどの透明な二軸延伸フィルムを用いると共に、その内側の面に積層するシーラント層にも、低密度ポリエチレンなどと比較して、透明性に優れた無延伸のポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)またはポリプロピレンの押し出しコート層が用いられていた。
そして、このような透明な積層フィルム製の袋にチャックテープを取り付ける場合、袋のシーラント層がポリプロピレンであることから、チャックテープにも強固に熱接着できるポリプロピレン製のチャックテープが用いられていた。
【0003】
しかし、ポリプロピレン製のチャックテープは、低密度ポリエチレン製などのチャックテープと比較して、樹脂が硬いため、その開閉操作が硬くなり開閉の操作性がやや劣ると共に、熱接着で取り付ける際、比較的高温を必要とするため、チャックテープに熱変形を生じやすく、嵌合が不安定になる問題があった。
また、袋の積層フィルムの基材フィルムには、透明性のほか機械的強度や防湿性などに優れ、且つコストも安価な二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)が多く使用されるが、このフィルムも熱変形しやすく、前記チャックテープをポリプロピレン製とした場合、その熱接着部に、しわやカールが発生し、袋の外観が損なわれる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、チャックテープが熱接着により取り付けられた透明な積層フィルム製の袋であって、チャックテープが、その開閉が滑らかで安定した密封性を有すると共に、低温で強固に熱接着することができ、また、袋の積層フィルムに関しても、その基材フィルムに耐熱性に優れた各種二軸延伸ポリエステルフィルムや各種二軸延伸ナイロンフィルムを用いた場合はもとより、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いた場合でも、チャックテープの熱接着部などにしわやカールを発生することがなく、また、シーラント層もCPPフィルムなどと略同様な透明性を有し、チャックテープの操作性、密封の安定性と共に、袋の透明性および外観にも優れたチャックテープ付き袋を生産性よく提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、一端に開閉自在なチャックテープが取り付けられた透明な積層フィルム製の袋であって、該積層フィルムが、少なくとも透明な基材フィルムとその内側の面に積層されたシーラント層とで形成され、更に、前記透明な基材フィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、且つ前記シーラント層が、多層共押し出し成形法で形成された、ポリプロピレンのホモポリマー層と、ポリプロピレン共重合体層と、その内側の面に積層された厚みが1〜8μmの低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を最内層とする3層構成の積層体で形成され、更に、前記ポリプロピレン共重合体層がプロピレンとエチレンおよびブテン−1の三元共重合体であり、前記チャックテープが低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンで形成されていることを特徴とするチャックテープ付き袋からなる。
【0006】
本発明において、上記チャックテープは、互いに嵌合可能な凸条が設けられたテープ体と、凹条が設けられたテープ体とからなり、袋の開口部の内面に、両者をその凸条と凹条とが対向するように配置し、そのテープ体部で袋に熱接着して取り付け、凸条と凹条との嵌合または解離により、袋の開閉を容易に、且つ繰り返し行えるようにするものである。
【0007】
また、本発明において、袋の形式は、特に限定はされず、その一端にチャックテープを取り付けられる形式であれば何でもよい。只、チャックテープの取り付けやすさの点では、三方シール形式、四方シール形式、スタンディングパウチ形式、およびこれらの変形タイプの袋が適しているが、ピローパウチ形式やガセットパウチ形式の袋でも、必要に応じて一部に変更を加えることにより、採用することができる。
【0008】
前記透明な基材フィルムに関しても、特に限定はされず、例えば、透明性、防湿性がよく、適度の機械的強度を有し、コストも安い点では二軸延伸ポリプロピレンフィルムが適しているが、その他、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などの二軸延伸ポリアミドフィルムなども好適に使用することができる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
更に、これらの透明な二軸延伸フィルムには、ガスバリヤー性を向上させるため、シリカまたはアルミナなどの透明蒸着層を設けることもできる。
【0009】
また、前記積層フィルムのシーラント層は、多層共押し出し成形法で形成されるもので、少なくともポリプロピレン共重合体層と、その内側の面に積層された厚みが1〜8μmの低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を最内層とする積層体で形成されればよく、ポリプロピレン共重合体層はシーラント層の総厚に応じて適宜に決定することができる。
ポリプロピレン共重合体は、プロピレンとエチレンの共重合体が好ましいが、ブテン−1またはその他のα−オレフィンとの共重合体でもよく、更にプロピレンとエチレン、ブテン−1などの三元共重合体でもよい。
【0010】
上記ポリプロピレン共重合体層は、シーラント層の透明性を良好に維持し、且つ最内層の低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層との積層強度を強くするために設けたものであり、最内層の低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層は、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープとの熱接着性を向上させるために設けたものである。
尚、シーラント層の最内層とチャックテープの低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンは、両者に共通のものを用いることが好ましいが、例えばシーラント層の最内層に直鎖状低密度ポリエチレンを用い、チャックテープに低密度ポリエチレンを用いてもよく、また、その逆に用いることもできる。
【0011】
最内層の低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の厚みは1〜8μmが好ましく、2〜5μmが更に好ましい。
低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の厚みが1μm未満の場合は、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープの熱接着強度の向上効果が得られず、低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を安定した厚みで形成することも難しくなるため好ましくない。また、低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の厚みが8μmを超える場合は、シーラント層の透明性が低下するため好ましくない。
【0012】
尚、上記のシーラント層は、ポリプロピレン共重合体層と低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の2層構成としたが、ポリプロピレン共重合体層の低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を設けた側の反対側の面、即ち、基材フィルムに積層する側の面には、例えばポリプロピレンのホモポリマー層やコポリマーの含有量を減らしたポリプロピレン共重合体層などを設けて3層構成とすることもできる。
【0013】
前記のような構成を採ることにより、袋の積層フィルムのシーラント層の厚みが、通常の20〜80μmの場合でも、その80%以上を透明性に優れ、腰も強いポリプロピレン共重合体層、またはポリプロピレンのホモポリマーとポリプロピレン共重合体層の複合層などで形成することができ、透明性や腰を低下させる低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の厚みを20%以下にすることができるので、積層フィルムを透明性に優れると共に腰も強くすることができ、また、袋に取り付けるチャックテープも、開閉操作がやわらかく、安定した密封性を得られ、低温シール性にも優れた低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープを使用することができるので、積層フィルムの基材フィルムとして、安価で透明性には優れるが比較的熱変形を生じやすい二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用した場合でも熱接着部にしわやカールを発生することがなく、外観が損なわれることもなくなる。
従って、透明性に優れると共に腰も強く、且つチャックテープの開閉操作も柔らかく、安定した密封性が得られ、外観にも優れたチャックテープ付き袋を経済性よく提供することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明は、前記シーラント層の最内層とチャックテープが、両者とも直鎖状低密度ポリエチレンで形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャックテープ付き袋からなる。
【0015】
直鎖状低密度ポリエチレンは、ヒートシール性に優れるほか、耐内容物性にも優れており、また比較的低臭性であるなどの特徴を有している。
従って、このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、チャックテープの袋への熱接着強度を一層強くすることができると共に、チャックテープ付き袋の耐内容物性を一層向上させることができる。
【0017】
また、本発明においては、前記シーラント層の積層体が、多層共押し出し成形法で形成された構成としているので、シーラント層の最内層の低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層の厚みが1〜8μmのように薄い場合でも、安定した膜厚で容易に形成することができるので、チャックテープ付き袋の性能、品質安定性を一層向上させることができる。
【0019】
また、本発明において、前記基材フィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルムとした場合、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、防湿性に優れると共に、各種の機械的強度にも優れており、また、コストも安いため、前記性能に優れたチャックテープ付き袋を経済性よく提供することができる。
【0020】
請求項3に記載した発明は、前記袋の一端に取り付けられたチャックテープの外側の端縁部がヒートシール部により封止され、該ヒートシール部とチャックテープとの間に袋の開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャックテープ付き袋である。
【0021】
上記袋の開封手段は、印刷で表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークであってもよく、また、実際の引き裂きによる開封操作を容易にする以下のような易開封性手段であってもよい。更にこれらの複数を適宜組み合わせて設けたものであってもよい。
上記易開封性手段としては、例えば、通常の積層フィルム製の袋でも汎用されるノッチを設ける方法のほか、レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、或いは、袋の積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が袋の開封方向と一致するように用いる)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えば、ノッチと、ハーフカット線または一軸延伸フィルムの積層などのように適宜組み合わせて用いることもできる。
【0022】
前記ノッチは、通常、一字形やV字形などのノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
また、ハーフカット線を設ける場合も、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線で設けることもできる。
更に、このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数本のハーフカット線を平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることもできる。
【0023】
このような構成を採ることにより、前記請求項1乃至4のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、チャックテープ付き袋の密封性を一層向上できると共に、袋に充填された内容物を使用する際、正しい位置(チャックテープの外側)で一層容易に袋を開封することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のチャックテープ付き袋に用いる積層フィルム、および袋の製造方法など実施の形態について説明する。
先ず、本発明のチャックテープ付き袋に用いる積層フィルムは、先に説明したように、少なくとも透明な基材フィルムとその内側の面に積層されたシーラント層とで形成され、且つそのシーラント層が、少なくともポリプロピレン共重合体層とその内側の面に積層された厚みが1〜8μmの低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を最内層とする積層体で形成されていることを特徴とするものであり、代表的な構成例として、以下のような構成が挙げられる。
【0025】
(1) OPPフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(2) OPPフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層(A)/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
上記共押し出し層のポリプロピレン共重合体層(A)は、中間層のポリプロピレン共重合体よりもコモノマーの含有量を少なくしたものであり、以下においても同様である。
(3) OPPフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン(ホモポリマー)層/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(4) ONフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(5) ONフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層(A)/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(6) ONフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン(ホモポリマー)層/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(7) PETフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(8) PETフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン共重合体層(A)/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
(9) PETフィルム/接着剤/共押し出し層〔ポリプロピレン(ホモポリマー)層/ポリプロピレン共重合体層/LDPE層またはL・LDPE層(厚み1〜8μm)〕
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0026】
上記において、OPPフィルムは二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ONフィルムは二軸延伸ナイロンフィルム、PETフィルムは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを指し、LDPEは低密度ポリエチレン、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレンを指すものである。
また、上記の構成例では、シーラント層の共押し出し層を予めフィルム状に製膜し、これをOPPフィルム、ONフィルム、PETフィルムなどの透明な基材フィルムに接着剤を用いてドライラミネーション法などで貼り合わせて積層フィルムとする例を示したものであり、接着剤には、例えば、ポリウレタン系などの2液硬化型接着剤を使用することができる。この場合、基材フィルムと共押し出し層の貼り合わせ面には、両者ともコロナ放電処理やオゾン処理などの易接着性処理を施して接着強度を一層向上させることができる。
このような方法で積層することにより、貼り合わせ部の接着強度を一層強くできると同時に、積層フィルムの腰を一層強くすることができる。
【0027】
また、基材フィルムにシーラント層の共押し出し層を積層する別の方法として、Tダイ方式の多層押し出し装置を用いて基材フィルムに直接シーラント層を共押し出しコートして積層することもできる。この場合は、基材フィルムの積層面にコロナ放電処理やオゾン処理などの易接着性処理を施すと共に、更にアンカーコート(一種のプライマーコート)を施すことが好ましい。
この方法は、前記ドライラミネーション法と比較して、接着強度や積層フィルムの腰の強さの点ではやや劣るが、製造工程を簡略化でき、生産性がよく、経済性に優れる利点があり、袋に充填する内容物や袋の用途などにより適宜選択して使用することができる。
【0028】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明のチャックテープ付き袋の製造方法について説明する。
本発明のチャックテープ付き袋は、先に説明したように、袋の形式自体は、特に限定はされず、チャックテープの取り付けが可能な形式であれば何でもよい。例えば、袋が三方シール形式または四方シール形式の場合は、三方シール形式または四方シール形式の袋の製袋機を使用し、また、スタンディングパウチ形式の場合は、スタンディングパウチの製袋機を使用し、これにチャックテープの熱接着装置を取り付けると共に、更に必要に応じて易開封性手段のノッチやハーフカット線などの打ち抜き装置やレーザー光の照射装置などを取り付けることにより、それぞれの形式のチャックテープ付き袋を容易に製造することができる。
【0029】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの図面に限定されるものではない。
図1は、本発明のチャックテープ付き袋の一実施例の構成を示す平面図である。
図2は、本発明のチャックテープ付き袋の別の一実施例の構成を示す平面図である。また、図3は、図2のA−A線断面の拡大図である。
【0030】
図1に示したチャックテープ付き袋100は、四方シール形式の袋を応用して構成したものであり、シーラント層同士を対向させて重ね合わせた両側の透明な積層フィルム1、1′の上部の端縁部の内面に低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープ50を熱接着して取り付け、その外側の端縁部を上部シール部3でヒートシールすると共に、左右の側部の端縁部を側部シール部2、2でヒートシールし、また、上部シール部3とチャックテープ50の間に、開封手段として、切り取り線6とその両端にノッチ7、7を設け、下部が開口する袋として構成したものである。
【0031】
この下部の開口部は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填後に下部の端縁部を底部シール部4でヒートシールして密封するものである。
また、切り取り線6は、印刷などによる開封指示線のみでもよいが、レーザー光照射などによるハーフカット線を組み合わせて設けることもでき、それにより一層容易にノッチ7から切り取り線6に沿って上部シール部3を切り取ることができるようになる。
【0032】
このような構成を採ることにより、チャックテープ付き袋100は、四方シール形式の袋であるため、製袋が容易でヒートシールも安定し生産性に優れている。内容物の充填は、袋の下部が大きく開口しているので、この部分から容易に充填することができ、充填後、底部シール部4をヒートシールして内容物を完全に密封することができる。
従って、内容物の密封性がよく安全に流通させることができる。また、袋の積層フィルム1、1′は、透明性に優れているので内容物を明瞭に見ることができる。
【0033】
内容物を取り出す際には、上部シール部3をノッチ7を利用して切り取り線6に沿って容易に切り取ることができ、それにより、チャックテープ50が開閉可能な状態となる。また、このチャックテープ50は、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンで形成されているので、その開閉操作が柔らかく、密封の安定性にも優れている。
従って、チャックテープ50の嵌合を解離させることにより、容易に内容物を取り出すことができ、また、内容物の一部を取り出した後も再封が容易であり、内容物を安全に保存することができる。
更に、内容物を全部使用した後も、任意の内容物を新たに充填して保存用の密封袋として再利用することもできる。
【0034】
次に、図2は、本発明のチャックテープ付き袋の別の一実施例の構成を示す平面図である。また、図3は、図2のA−A線断面の拡大図であり、チャックテープ50の断面形状を説明する図である。
図2に示したチャックテープ付き袋200は、スタンディングパウチ形式の袋を応用して構成したものである。
即ち、チャックテープ付き袋200は、その本体部がスタンディングパウチ形式に製袋されており、底部が常法に従って、両側の壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部5まで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、図には示していないが、半円形などの底面フィルム切り欠き部が設けられ、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部4でヒートシールされて形成されている。
【0035】
そして、袋200の胴部は、前後両側壁面の積層フィルム1、1′の両側端縁部を側部シール部2、2でヒートシールして形成するが、その前に袋200の上部の内面に低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープ50を熱接着して取り付け、その後、側部シール部2、2をヒートシールして形成されている。
この形式の袋の場合、内容物の充填口は、袋の底部に設けることが難しいため、袋200の上部を充填口に使用する。そのため袋200の上部に取り付けたチャックテープ50の外側を封止する上部シール部3は、内容物の充填前は未シールとし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
【0036】
そして、袋200の上部に取り付けたチャックテープ50と上部シール部3の間には、袋の開封手段として、前記図1に示したチャックテープ付き袋100の場合と同様に、切り取り線6とその両端にノッチ7、7が設けられて構成されている。
また、チャックテープ50は、その断面形状を図2のA−A線断面の拡大図として図3に示したように、一方の積層フィルム1に熱接着された雄型嵌合部10を有する凸条付きテープ体8と、これに対向するようにもう一方の積層フィルム1′に熱接着された雌型嵌合部11を有する凹条付きテープ体9とで構成され、その開閉、即ち、嵌合と解離は、両者を外側から押圧することにより、雄型嵌合部10が雌型嵌合部11内に嵌まり込んで嵌合され、その解離は積層フィルム1、1′の上部を摘んで両側に引き離すことにより、雄型嵌合部10が雌型嵌合部11から外れる形式で行われる。
このようなチャックテープ50の構成は、前記図1に示したチャックテープ付き袋100においても同様である。
【0037】
また、前記切り取り線6は、この場合も、印刷などによる開封指示線のみでもよいが、レーザー光照射などによるハーフカット線などの易開封性手段を、前記ノッチ7、7と組み合わせて設けることにより、一層容易にノッチ7から切り取り線6に沿って上部シール部3を切り取れるようになる。
【0038】
このような構成を採ることにより、チャックテープ付き袋200は、スタンディングパウチ形式であるため、内容物の充填後の袋は自立性を有し、取り扱いやすく、外観にも優れている。
只、内容物の充填は、袋200の上部から行われるため、内容物の充填前に一旦チャックテープ50を解離させ、内容物の充填後に、上部シール部3のヒートシールと共にチャックテープ50を嵌合させる必要があるが、これらを自動的に行う充填装置も用意されているので、問題なく内容物を充填シールすることができる。
【0039】
また、内容物を取り出す際には、前記図1に示したチャックテープ付き袋100と同様に、袋200の上部シール部3をノッチ7を利用して切り取り線6に沿って容易に切り取ることができ、それにより、チャックテープ50が開閉可能な状態となる。従って、チャックテープ50の嵌合を解離させることにより、袋200の上部を大きく開口させることができ、内容物を容易に取り出すことができる。また、内容物の一部を取り出した後も、チャックテープ50による再封が容易であり、内容物を安全に保存することができる。
【0040】
尚、図1、図2に示したチャックテープ付き袋100、200では、商品の流通用に使用できるように、チャックテープ50の外側に上部シール部3や、その開封手段の切り取り線6およびノッチ7、7を設けたが、単に保存用の袋として使用する場合など、用途によってはこれらを取り除くことができる。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、開閉自在なチャックテープが取り付けられた透明な積層フィルム製の袋であって、袋の積層フィルムが透明性に優れると共に低温シール性にも優れ、また、袋に取り付けられたチャックテープが、その開閉が柔らかく滑らかで安定した密封性を有すると共に、低温で熱接着することができ、袋の積層フィルムの基材フィルムに比較的熱変形しやすい二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いた場合でも、チャックテープの熱接着部などにしわやカールを発生することがなく、チャックテープの操作性、密封の安定性と共に、袋の透明性および外観にも優れたチャックテープ付き袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチャックテープ付き袋の一実施例の構成を示す平面図である。
【図2】本発明のチャックテープ付き袋の別の一実施例の構成を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面の拡大図である。
【符号の説明】
1、1′積層フィルム
2 側部シール部
3 上部シール部
4 底部シール部
5 底面フィルム折り返し部
6 切り取り線
7 ノッチ
8 凸条付きテープ体
9 凹条付きテープ体
10 雄型嵌合部
11 雌型嵌合部
50 チャックテープ
100、200 チャックテープ付き袋
Claims (3)
- 一端に開閉自在なチャックテープが取り付けられた透明な積層フィルム製の袋であって、該積層フィルムが、少なくとも透明な基材フィルムとその内側の面に積層されたシーラント層とで形成され、更に、前記透明な基材フィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、且つ前記シーラント層が、多層共押し出し成形法で形成された、ポリプロピレンのホモポリマー層と、ポリプロピレン共重合体層と、その内側の面に積層された厚みが1〜8μmの低密度ポリエチレン層または直鎖状低密度ポリエチレン層を最内層とする3層構成の積層体で形成され、更に、前記ポリプロピレン共重合体層がプロピレンとエチレンおよびブテン−1の三元共重合体であり、前記チャックテープが低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンで形成されていることを特徴とするチャックテープ付き袋。
- 前記シーラント層の最内層とチャックテープが、両者とも直鎖状低密度ポリエチレンで形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャックテープ付き袋。
- 前記袋の一端に取り付けられたチャックテープの外側の端縁部がヒートシール部により封止され、該ヒートシール部とチャックテープとの間に袋の開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャックテープ付き袋。
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