JP4028098B2 - カルバペネム抗生物質中間体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた抗菌活性を有する事で知られている1β−メチルカルバペネム抗生物質等の製造に用いる中間体の、工業的に有利な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートで代表される上記式(III)の化合物は、優れた抗菌活性を有する1β−メチルカルバペネム抗生物質等の、重要な合成中間体となる事が知られている。(例えば、特開平4−330085号公報)
当該式(III)の化合物の最も重要な製造方法の一つとして、(2R)−2−[(1S,4S)−3−オキソ−4−[((1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−2−アゼチジニル]プロピオン酸を出発物質として、下記反応式
【0003】
【化4】
【0004】
[式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基、R2はカルボキシル基の保護基、R3はアシル基、R4は水素原子又はアミノ保護基を示す]で製造する方法が知られている。(例えば、ヘテロサイクルズ(HETEROCYCLES)、21巻、29頁(1984)、特開平6−321946、特開平8−311092)
しかし、上記式(I)の化合物から式(III)の化合物を製造する従来の方法には次のような問題点がある。従来、この反応の溶媒としてはアセトニトリル、塩化メチレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等が使用されていた。アセトニトリルを反応溶媒とした場合、反応後の水洗操作にあたり反応溶媒を水と2相を生ずる溶媒に転換する必要があり、そのために長時間の濃縮操作が必要で工業的に適した方法とは言えなかった。塩化メチレン反応溶媒の場合、人体、環境に対する毒性が懸念されており、その使用は好ましくないという問題点があった。また本発明者の検討の結果、メチルイソブチルケトンおよび/または酢酸エチルを反応溶媒として使用した場合 反応後の水洗操作で、有機層と水層の液液分離が著しく困難になったり或いは分離ができなくなる そのため液液分離を行わずに晶析操作をすると、生成物が水に不安定で分解し且つ生成物の濾過性が非常に悪くなり、収率が低くなる 結晶の純度(含量)が低い 等の問題点が明らかとなった。即ち、これまで反応後引き続いて水洗/晶析することのできる簡便な方法は見いだされていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の製造方法は、反応・水洗後の抽出・濃縮時等の操作性が悪く操作時間が長い、収率が低い、あるいは、人体・環境に対する毒性が懸念される溶媒を多量に使用する 等の課題を有しており、工業的に有利な製造方法とは言いがたいものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記現状に鑑み、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下式(I)
【0007】
【化5】
【0008】
[式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基を示し、R2はカルボキシル基の保護基を示す]で表される化合物と、下式(II)
R3OH (II)
[式中、R3はアシル基を示す]で表される酸またはその反応性誘導体を反応させて、下式(III)
【0009】
【化6】
【0010】
[式中の記号は前記と同義である]で表される化合物を製造する方法において、反応後、有機溶媒相をメチルエチルケトンの存在下水洗することを特徴とする、下式(III)
【0011】
【化7】
【0012】
[式中の記号は前記と同義である]で表される化合物の製造方法に関する。
以下本発明を詳しく述べる。
上記式において、水酸基の保護基R1としては、当該反応に対して水酸基を保護する効果を持つ基が用いられる。例えば、プロテクティブ グループス インオーガニック シンセシス(Protective Group in Organic Synthesis)第2版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons,Inc.)出版に記載の保護基から選ぶことができる。導入、脱保護、取り扱いの容易さ、安価であるという観点からは、t-ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基等が好ましい。
【0013】
カルボキシル基の保護基R2としては、当該反応に対してカルボキシル基を保護する効果を持つ基が用いられる。例えば、水酸基の保護基において述べた成書に記載の保護基から選ぶことができる。導入、脱保護、取り扱いの容易さ、安価であるという観点からは、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、アリル基等が好ましい。
【0014】
この明細書において使用するアシル基R3とは、カルボン酸のカルボキシル基からOHを除いて誘導される基だけではなく、硫酸、リン酸のような無機酸、炭酸、スルホン酸、ホスホン酸のような有機酸からOHを除いて誘導された基を含む、広義の酸からOHを除いて誘導された基の意味で用いる。その例としては、例えば、(1)アセチル、プロピオニル、ブチリル基等炭素数1〜6の、水素原子がハロゲンで置換されていてもよい、アルカノイル基、(2)メタンスルホニル、トリフロオロメタンスルホニル基等炭素数1〜6の、水素原子がハロゲンで置換されていてもよい、アルキルスルホニル基、(3)ベンゼンスルホニル、p−ニトロベンゼンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル基等の、水素原子がニトロ基、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基等により置換されていてもよい、アリールスルホニル基、(4)ジフェニルホスホリル基等のホスホリル基が挙げられる。導入、脱保護、取り扱いの容易さ、安価であるという観点からは、ジフェニルホスホリル基等が好ましい。
【0015】
次に製造方法の詳細を説明する。
本反応の反応溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド等の高極性非プロトン溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒や、それらの混合溶媒が用いられる。反応速度、収率が高いという観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリルよりなる群より選ばれる溶媒を一種以上含むのが好ましい。
本反応は塩基の存在下に行うのが好ましく、使用する塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリアリルアミン、ジメチルベンジルアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等の第3級脂肪族アミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等の芳香族アミン等が用いられる。反応速度、収率が高いという観点からは、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の炭素数1〜4のアルキル基で、1〜3置換された第3級脂肪族アミン、4−ジメチルアミノピリジン等の炭素数1〜4のジアルキルアミノ基で置換されたピリジン等が好ましい。
【0016】
化合物(I)と酸またはその反応性誘導体との使用割合(モル比)は1/1〜1/5、好ましくは1/1〜1/3である。化合物(I)と溶媒との使用割合(重量比)は1/5〜1/300、好ましくは1/10〜1/100である。化合物(I)と塩基との使用割合(モル比)は1/0.5〜1/5、好ましくは1/1〜1/3である。反応時間は10分〜10時間、好ましくは0.5〜3時間である。反応温度は、−70〜40℃、好ましくは−40〜10℃である。本反応は、水分により悪影響を受けるため、空気中の水分を吸湿しないように、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
【0017】
この様にして得られた反応液は、引き続き水洗する。反応液と水との使用割合(容量比)は10/1〜1/10、好ましくは2/1〜1/5である。撹拌水洗・抽出後、水層と目的化合物(III)を含む有機層に分液することで、水溶性の不純物を除去する事ができる。分液時の液液分離性を改善するために、水洗・抽出時の有機溶媒相にメチルエチルケトンを存在せしめる。メチルエチルケトンと共に有機溶媒相を構成する他の溶媒としては、水と混和せず2相に分離する有機溶媒、例えば先述の反応溶媒から選んで使用することが出来る。メチルエチルケトンは、反応時から添加しておいても抽出時に添加しても良いが、溶媒量低減・コスト削減の観点からは反応時から添加しておく事が好ましい。メチルエチルケトンと有機溶媒相を構成する他の有機溶媒との使用割合(容積比)は、約10/1〜約1/10の範囲から選ばれ、通常、約5/1〜約1/5の範囲で好適に実施される。
【0018】
抽出終了後、必要に応じて適度に濃縮した溶媒に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、n−オクタン、石油エーテル、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、エクソン化学株式会社製アイソパーE、アイソパーG等の炭化水素系混合溶媒等の貧溶媒を添加する事により、化合物(III)を高純度の結晶として得る事ができる。また、抽出終了後必要に応じて溶媒を適度に濃縮した後、上記貧溶媒を添加して結晶を析出させ、その後更に濃縮を行って更に結晶を析出させる事もできる。また、貧溶媒添加後、必要に応じて温度を下げて熟成を行っても良い。熟成時間は通常1〜5時間の範囲で行われるが、長時間行っても結晶品質の低下は見られないので、例えば1日程度行っても良い。添加する貧溶媒量/抽出終了後必要に応じて濃縮した後の溶媒量の使用割合(容積比)は、約50/1〜約1/10の範囲から選ばれ、通常、約5/1〜約1/5の範囲で好適に実施される。晶析時の温度は、−70〜50℃の範囲から選ばれ、通常、−30〜30℃の範囲で好適に実施される。化合物(III)は水存在下では不安定であるので、水洗操作が終了したら、引き続いて晶析操作を行う事が好ましい。
【0019】
以上のようにして得られる化合物(III)は、優れた抗菌活性を有する1β−メチルカルバペネム抗生物質等の、重要な合成中間体として好適に使用される。
以下具体例を上げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの具体例によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
実施例中の記号は次の意味を有する。
PNB:p−ニトロベンジル基
DPP:ジフェニルホスホリル基(−PO(OPh)2)
MIBK:メチルイソブチルケトン
MEK:メチルエチルケトン
(実施例1)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
【0021】
【化8】
【0022】
窒素雰囲気下、p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3,7−ジオキソビシクロ[3.2.0]ヘプタン2−カルボキシレート2.77g(7.65mmol)のMIBK溶液約40mlを約−10℃に冷却した。その後、ジフェニルクロロホスフェート2.26g(8.42mmol)を加えた。ジイソプロピルエチルアミン1.31g(10.1mmol)、4−ジメチルアミノピリジン19mg(0.15mmol)を無水MIBK10mlに溶解し、約−10℃で滴下し約30分間攪拌し反応させた。その後、攪拌下0.3N塩酸30mlで反応を停止し、MEK20mlを加え分液した。有機溶媒層を約10℃以下に保ちながら5%重曹水30mlで攪拌洗浄・分液した。この間、液液分離性は良好であった。次いで、有機溶媒層を攪拌しつつ減圧下で濃縮留去していき、n−ヘキサン40mlを滴下して晶出した結晶を濾取・乾燥した。得られた結晶を分析した結果、標記化合物の純分は3.92g(収率86%、含量99%)であった。このものは、NMR、HPLCより、標記化合物であることを確認した。
(実施例2)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
窒素雰囲気下、p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3,7−ジオキソビシクロ[3.2.0]ヘプタン2−カルボキシレート4.04g(11.16mmol)のMIBK/MEK(2/1)溶液約60mlを約−10℃に冷却した。その後、ジフェニルクロロホスフェート3.30g(12.28mmol)を加えた。ジイソプロピルエチルアミン1.90g(14.73mmol)、4−ジメチルアミノピリジン27mg(0.22mmol)を無水MEK20mlに溶解し、約−10℃で滴下し、約30分間攪拌し反応させた。その後、攪拌下0.3N塩酸40mlを加え、反応を停止して分液した。有機溶媒層を約10℃以下に保ちながら5%重曹水40mlで攪拌洗浄し、分液を行った。この間、液液分離性は良好であった。分離した溶媒層を攪拌しつつ減圧下で濃縮留去して約60ml溶液とし、n−ヘキサン60mlを滴下し晶出させた。結晶は濾取後乾燥した。得られた結晶を分析した結果、標記化合物の純分は、5.65g(収率85%、含量99%)であった。
(実施例3)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
窒素雰囲気下、p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3,7−ジオキソビシクロ[3.2.0]ヘプタン2−カルボキシレート3.63g(10.02mmol)の酢酸エチル溶液90mlを冷却し、約−10℃とした。その後、ジフェニルクロロホスフェート2.96g(11.02mmol)を加えた。ジイソプロピルエチルアミン1.71g(13.22mmol)、4−ジメチルアミノピリジン25mg(0.2mmol)を無水酢酸エチル20mlに溶解し、約−10℃で滴下し、約1時間攪拌し反応させた。その後、攪拌下、0.3N塩酸40mlで反応を停止し、MEK20mlを加えて分液した。有機溶媒層を約10℃以下に保ちながら5%重曹水40mlで攪拌洗浄し、分液を行った。この間、液液分離性は良好であった。分離した溶媒層を攪拌しつつ減圧下で濃縮留去していき、n−ヘキサン50mlを滴下し晶出させた。結晶は濾取・乾燥した。得られた結晶を分析した結果、標記化合物の純分は、5.02g(収率84%、含量98%)であった。
(比較例1)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
反応溶媒および水洗後の抽出溶媒として、MIBKのみを使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応後水洗時に有機層と水層が分離せず、分液は不能であった。
(比較例2)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
反応溶媒および水洗後の抽出溶媒として、酢酸エチルのみを使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応後水洗時に有機層と水層が分離せず、分液は不能であった。
(比較例3)
p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−3−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの製造
窒素雰囲気下、p−ニトロベンジル (4R,5R,6S)−1−アザ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3,7−ジオキソビシクロ[3.2.0]ヘプタン2−カルボキシレート4.04g(11.16mmol)のMIBK/MEK(2/1)溶液約35mlを約−10℃に冷却した。その後、ジフェニルクロロホスフェート3.30g(12.28mmol)を加えた。ジイソプロピルエチルアミン1.90g(14.73mmol)、4−ジメチルアミノピリジン27mg(0.22mmol)を無水MIBK/MEK(2/1)溶液10mlに溶解し、約−10℃で滴下し約30分間攪拌し反応させた。その後、攪拌下リン酸二水素ナトリウム0.87g、水17ml、重曹0.19gを加え、50℃に昇温した。攪拌下、溶液を25℃に冷却し、n−ヘキサン45mlを滴下し晶出させた。更に5℃で熟成を行った後、結晶を濾取した。非常に濾過性が悪かった。乾燥後、得られた結晶を分析した結果、標記化合物の純分は、4.78g(収率72%、含量97%)であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、1β−メチルカルバペネム抗生物質等の製造に用いる中間体の、工業的に有利な製造方法を提供する。
Claims (7)
- 反応溶媒がメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルよりなる群より選ばれる溶媒を一種以上含む請求項1記載の製造方法。
- メチルエチルケトンの存在下で水洗を行った前記式(III)で表される化合物を含有する有機溶媒相に、貧溶媒を添加して、化合物(III)を高純度の結晶として得る工程を含む請求項1または2記載の製造方法。
- 前記有機溶媒相を濃縮した後、貧溶媒を添加することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
- 前記有機溶媒相を濃縮しつつ、貧溶媒を添加することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
- 貧溶媒が、炭化水素系溶媒または炭化水素系混合溶媒である請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法。
- R1が水素原子、R2がp-ニトロベンジル基、R3がジフェニルホスホリル基である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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KR101378537B1 (ko) | 10-디아세틸파클리탁셀로부터 파클리탁셀을 제조하는 방법 |
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