JP4027579B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の両面受光型太陽電池モジュールは、図4(a)の一部平面図及び図4(b)の正面図に示すように、フレーム短辺部材3とフレーム長辺部材2をフレーム固定用ネジ7によってネジ止めで固定することによって形成されており、フレーム長辺部材2は、図4(c)のA−A′断面図に示すように、モジュール本体把持部4の裏面側にネジ止め固定部5及び他構造材との固定用延長部6を配した形状となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の両面受光型太陽電池モジュールでは、裏面照射光の一部がネジ止め固定部5及び他構造材との固定用延長部6に遮られ、その結果、裏面照射光の一部が両面受光型太陽電池セル9の裏面に達しないので、これに起因するモジュール発電量の低下が避けられないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による両面受光型太陽電池モジュールにおいては、フレーム部材におけるネジ止め固定部、または他構造材との固定用延長部、あるいはその両者が、両面受光型太陽電池セルの裏面への裏面照射光の入射をほとんど遮らないような位置に形成される。より具体的には、フレーム部材が次のいずれかの構成を有する。
(1)モジュール本体を把持する把持部の外周側にネジ止め固定部が位置する。
(2)モジュール本体を把持する把持部の外周側に他構造材との固定用延長部が位置する。
(3)太陽電池セルの受光面の投影部の外側に他構造材との固定用延長部が位置する。
【0005】
本発明によれば、フレーム部材におけるネジ止め固定部、または他構造材との固定用延長部が、両面受光型太陽電池セルの裏面への裏面照射光の入射をほとんど遮らないので、両面受光型太陽電池モジュールの発電量が向上する。
【0006】
なお、本発明は、単結晶半導体製,多結晶半導体製,アモルファス半導体製など、各種の両面受光型太陽電池セルを備える太陽電池モジュールに適用できる。また、本発明は、垂直設置,傾斜設置など、各種の設置形態の両面受光型太陽電池モジュールを適用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
図1を用いて第1の実施例を説明する。
【0009】
図1(a)は本発明の一実施例である太陽電池モジュールの一部平面図を、図1(b)は正面図を、図1(c)はA−A′断面図を示す。本太陽電池モジュールは、フレーム短辺部材3とフレーム長辺部材2をフレーム固定用ネジ7によってネジ止めで固定することによって形成されている。フレーム長辺部材2は、モジュール本体1を把持するモジュール本体把持部4の外周側にフレーム固定用ネジ穴8を有するネジ止め固定部5を配した形状となっている。このため、ネジ止め固定部5は、両面受光型太陽電池セル9の裏面への裏面照射光の入射をほとんど遮らない。さらに、フレーム長辺部材2においては、モジュール本体把持部4及びネジ止め固定部5の外周側に、他構造材との固定用延長部6が設けられている。従って、固定用延長部6は、モジュール本体における複数の両面受光型太陽電池セル9の受光面をこの受光面に対して垂直に投影した領域(投影部P)の外側に位置する。このため、固定用延長部6は、両面受光型太陽電池セル9の裏面への裏面照射光の入射をほとんど遮らない。ネジ止め固定部5および固定用延長部6が裏面照射光をほとんど遮らないので、両面受光型太陽電池モジュールの発電量が向上する。
【0010】
モジュール本体把持部4はネジ止め固定部5のモジュール本体側の側面に設けられる。また、固定用延長部6は、ネジ止め固定部5のモジュール本体側の側面とは反対側の側面に設けられる。そして、モジュール本体把持部4および固定用延長部6は、それぞれの側面から、モジュールの受光面と平行な平面方向に突き出ている。このため、フレームのトータル厚みを薄くすることができる。従って、フレームも含めた両面受光型太陽電池モジュール全体のサイズを低減することができる。
【0011】
モジュール本体1は、モジュール表面平板ガラス11とモジュール裏面樹脂12との間に複数個の両面受光型太陽電池セル9を配しモジュール封止接着用合成樹脂13を用いて接着したものに、その外周部にモジュール本体外周防滴用合成樹脂14を接着させた構造となっている。また、複数個の両面受光型太陽電池セル9は、セル接続電線10によって電気的に接続されている。
【0012】
モジュール裏面樹脂12およびモジュール封止接着用合成樹脂13は光透過性および電気絶縁性を有する。また、モジュール本体外周防滴用合成樹脂14は電気絶縁性を有する。また、フレーム短辺部材3とフレーム長辺部材2の材質はアルミニウムである。
【0013】
本両面受光型太陽電池モジュールでは、ネジ止め固定部5及び他構造材との固定用延長部6によって遮られる裏面照射光の割合を極めて僅かとすることができる。その結果、裏面照射光のほとんどが両面受光型太陽電池セル9の裏面に達するので、図4に示す従来の両面受光型太陽電池モジュールに比べ、発電量の低下は極めて僅かなものになる。
【0014】
図2は、図1の実施例の変形例を示す。
【0015】
図2(a)の変形例においては、図1の実施例とは異なり、モジュール本体把持部4がネジ止め固定部5の上部に設けられている。しかし、他構造材との固定用延長部6は、図1の実施例と同様に、モジュール本体把持部4及びネジ止め固定部5の外周側に設けられている。すなわち、固定用延長部6は、ネジ止め固定部5におけるモジュール本体側とは反対側の側面から、この側面に対して垂直に突き出るように設けられている。従って、この固定用延長部6は、裏面照射光をほとんど遮らないので、両面受光型太陽電池モジュールの発電量が向上する。
【0016】
図2(b)の変形例においては、図1と同様に、ネジ止め固定部5がモジュール本体把持部4の外周側に設けられる。しかし、図1とは異なり、モジュール本体把持部4と、他構造材との固定用延長部6とが、ともに、ネジ止め固定部5におけるモジュール本体側の同じ側面に、この側面に対して垂直に突き出るように設けられている。他構造材との固定用延長部6は、モジュール本体における複数の両面受光型太陽電池セル9の受光面をこの受光面に対して垂直に投影した領域(投影部P)の外側に位置する。このため、固定用延長部6は、両面受光型太陽電池セル9の裏面への裏面照射光の入射をほとんど遮らないので、両面受光型太陽電池モジュールの発電量が向上する。
【0017】
図3を用いて第2の実施例を説明する。
【0018】
図3(a)は本発明の一実施例である太陽電池モジュールを用いて組み立てた太陽電池アレイの正面図を、図3(b)はB−B′断面図を、図3(c)はA−A′断面図を示す。本図に示す太陽電池アレイは、垂直に設置される。すなわち、両面受光型太陽電池モジュールの表受光面及び裏受光面が地面に垂直になるように設置される。上記実施例1では他構造材との固定用延長部6がモジュール厚み方向の最もモジュール裏面側に1個配されているが、本実施例では、上側両面受光型太陽電池モジュール18の他構造材との固定用延長部6が下側両面受光型太陽電池モジュール19の上辺を覆う形状となっている。下側両面受光型太陽電池モジュール19の上辺は、他構造材との固定用延長部を持たず、上側両面受光型太陽電池モジュール18の他構造材との固定用延長部6によって覆われる。
【0019】
本太陽電池アレイの組み立て順序を述べる。まずアレイ下側横枠16と2個のアレイ縦枠15とを組み立てておく。次に下側両面受光型太陽電池モジュール19を該組み立て構造物中に挿入する。さらに次に上側両面受光型太陽電池モジュール18を挿入する。最後にアレイ上側横枠17を組み付ける。
【0020】
図1の実施例では、ネジ止め固定部5のネジの位置がモジュール厚み方向(紙面の縦方向)に2個配されているが、これはモジュール長手方向(紙面の横方向)に配されていても良い。また、ネジの個数が1個であっても3個以上であっても良い。
【0021】
また、図1の実施例では他構造材との固定用延長部6がモジュール厚み方向の最もモジュール裏面側に配されているが、これはモジュール厚み方向の他の位置に配されていても良い。さらに、上記実施例1では他構造材との固定用延長部6が1個配されているが、これは、2個あるいはそれ以上の個数が配されていてもかまわない。加えて、モジュール本体の構成として、表側透光性材料は平板ガラス,裏側透光性材料は光透過性および電気絶縁性を有する合成樹脂であるが、表側透光性材料,裏側透光性材料としてそれぞれ上記二者のいずれをも用いることができる。
【0022】
図3の実施例では両面受光型太陽電池モジュールを垂直設置する場合に、上側両面受光型太陽電池モジュール18の他構造材との固定用延長部6が下側両面受光型太陽電池モジュール19の上辺を覆う形状とすることによって、太陽電池アレイの組み立て工数を低減することができる。また、上側両面受光型太陽電池モジュール18と下側両面受光型太陽電池モジュール19との間にこれらモジュールを固定する為の別のアレイ横枠を配する必要がなく、材料費の低減効果もある。
【0023】
図3の実施例では上側両面受光型太陽電池モジュール18が下側両面受光型太陽電池モジュール19の上辺を覆う形状の他構造材との固定用延長部6を有しているが、上側両面受光型太陽電池モジュール18が他構造材との固定用延長部を有しなくても良い。また、両面受光型太陽電池モジュールが垂直方向に2個配された太陽電池アレイを示したが、垂直方向に3個以上の両面受光型太陽電池モジュールを配することもできる。また、両面受光型太陽電池モジュールを水平方向に2個以上配することもできる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、フレーム部による裏面照射光遮断に起因するモジュール発電量低下を避けることができる。又、モジュール本体把持部および固定用延長部は、それぞれの側面からモジュールの受光面と平行な平面方向に突き出ているので、フレームのトータル厚みを薄くでき、フレームも含めた両面受光型太陽電池モジュール全体のサイズを低減できる。又、上側両面受光型太陽電池モジュールと下側両面受光型太陽電池モジュールとの間にこれらのモジュールを固定する為の別のアレイ横枠を配する必要がなく、材料費の低減効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である両面受光型太陽電池モジュールの一部平面図および正面図および一部正面の断面図。
【図2】図1の実施例の変形例を示す。
【図3】本発明の第2の実施例である両面受光型太陽電池モジュールを用いて組み立てた太陽電池アレイの正面図および一部平面図の断面図および一部側面の断面図。
【図4】従来の両面受光型太陽電池モジュールの一部平面図および正面図および一部正面の断面図。
【符号の説明】
1…モジュール本体、2…フレーム長辺部材、3…フレーム短辺部材、4…モジュール本体把持部、5…ネジ止め固定部、6…太陽電池モジュールと他構造材との固定用延長部、7…フレーム固定用ネジ、8…フレーム固定用ネジ穴、9…両面受光型太陽電池セル、10…セル接続電線、11…モジュール表側平板ガラス、12…モジュール裏側合成樹脂、13…モジュール封止接着用合成樹脂、14…モジュール本体外周防滴用合成樹脂、15…アレイ縦枠、16…アレイ下側横枠、17…アレイ上側横枠、18…上側両面受光型太陽電池モジュール、19…下側両面受光型太陽電池モジュール。

Claims (5)

  1. 両面受光型太陽電池モジュール本体をフレーム短辺部材とフレーム長辺部材とをネジ止めで固定することによって形成し、該両面受光型太陽電池モジュール本体をアレイ下側横枠と2個のアレイ縦枠で構成される組立構造物中に挿入して組み立てられる両面受光型太陽電池モジュールにおいて、前記長辺フレーム部材が両面太陽電池モジュール本体を把持するモジュール本体把持部と、該モジュール本体把持部の外周側に前記アレイ縦枠にネジ止めするためのフレーム固定用ネジ穴を有するネジ止め固定部と、該ネジ止め固定部の外周側に他構造材との固定用延長部が設けられるものであって、前記ネジ止め固定部,モジュール本体把持部及び固定用延長部がモジュール本体の受光面と平行な平面方向に突き出て形成されている両面受光型太陽電池モジュール。
  2. 両面受光型太陽電池モジュール本体をフレーム短辺部材とフレーム長辺部材とをネジ止めで固定することによって形成し、該両面受光型太陽電池モジュール本体をアレイ下側横枠と2個のアレイ縦枠で構成される組立構造物中に挿入して組み立てられる両面受光型太陽電池モジュールにおいて、地面に垂直に配置され、前記長辺フレーム部材が両面太陽電池モジュール本体を把持するモジュール本体把持部と該モジュール本体把持部の外周側に前記アレイ縦枠にネジ止めするためのフレーム固定用ネジ穴を有するネジ止め固定部とを有する下側両面受光型太陽電池モジュールと、長辺フレーム部材が両面太陽電池モジュール本体を把持するモジュール本体把持部と該モジュール本体把持部の外周側に前記アレイ縦枠にネジ止めするためのフレーム固定用ネジ穴を有するネジ止め固定部と該ネジ止め固定部の外周側に他構造材との固定用延長部を有し、該固定用延長部が前記下側両面受光型太陽電池モジュールのネジ止め固定部を覆うように形成された上側両面受光型太陽電池モジュールで構成されている両面受光型太陽電池モジュール。
  3. 前記モジュール本体が、モジュール表面平板ガラスとモジュール裏面樹脂との間に複数個の両面受光型太陽電池セルを配しモジュール封止接着用合成樹脂を用いて接着したものである請求項1又は2に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
  4. 前記フレーム短辺部材と前記フレーム長辺部材の材質がアルミニウムである請求項1から3のいずれかに記載の両面受光型太陽電池モジュール。
  5. 前記両面受光型太陽電池モジュールを地面に垂直に配置した請求項1に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
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