JP4026542B2 - ユニットバスルームの壁面構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニットバスルームの壁面に、シャワーやミラー等の機能を有する機能部材を取り付けるためのユニットバスルームの壁面構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ユニットバスルーム等の浴室の壁面にシャワー、ミラー、照明器具や収納ラック等の機能パーツを取り付けるためには、従来は、これらのパーツをくぎやビス等により、直接に壁面に固定していた。これを改良したものとして、機能パネルをホゾ溝嵌合部を用いて取り付ける壁面構造が特開平10−311111号公報に、手摺を嵌着される壁面構造が特開平7−189507号公報及び特開平9−56624号公報に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−311111号公報(第2−4頁、図1)
【0004】
【特許文献3】
特開平7−189507号公報(第3−5頁、図1)
【0005】
【特許文献3】
特開平9−56624号公報(第2−4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の機能パーツの取付け構造及び特開平10−311111号公報に開示されている取付け構造では、シャワー、ミラー、照明器具や収納ラック等の機能パーツを一度壁面に取り付けてしまうと、この取付け場所を変更するためには、機能パーツを取り外して、くぎ穴等を塞いだ後に、再度取付け作業を行う必要があった。このため、これらの機能パーツを取り付けた後に、入浴者にとって使用しづらいことがわかっても、これらを使いやすい場所に変更することは、わずかな変更であっても容易ではなかった。
【0007】
なお、特開平7−189507号公報及び特開平9−56624号公報に開示されている手摺の取付け構造では、比較的容易に取付け場所を変更することが可能ではあるが、適用可能なのは手摺であって、シャワー等のように大きな機能パーツに適用することはできない。
【0008】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、シャワー、ミラー、照明器具や収納ラック等の機能パーツを有する機能パネルの取付け場所を容易に変更することのできるユニットバスルームの壁面構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ユニットバスルームの壁面に長尺で略全長にわたって中空部を有するレールを配設してなり、前記中空部に配管又は配線のスペースを有してなり、前記中空部の開口部に機能部材をそれぞれのレールに嵌合させて、前記機能部材が前記レールに対してスライド可能なように係合させることにより、前記機能部材を前記壁面に取り付けるユニットバスルームの壁面構造であって、前記機能部材は、前面視で略矩形のパネルの表面上に機能パーツを取り付けた機能パネルであり、前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部を、前記機能パネルが前記レールに対してスライド可能なように前記レールに係合させるものであって、複数枚の前記機能パネルを隣接させて前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部をレールに係合させたものであることを特徴としている。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項の構成において、前記一対のレールが上下に水平方向に配設されてなり、下部のレールは水抜き孔を有するものであることを特徴としている。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項のいずれかの構成において、前記開口部の開口面は前記壁面と平行であって、前記開口部と係合する係合金具を前記開口部に係合させて、前記係合金具に前記機能部材をビス等によって取り付けるものであることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
実施形態1に係るユニットバスルームの壁面構造を図1、2に基づいて説明する。図1、2に示すように、ユニットバスルームの壁面30に取り付けるレール1a、1bは、断面が大略でコ字状であって、中空部3に配管スペースを有している。また、このものは、長尺であり、アルミニウム等の金属板を曲げ加工することで形成される。また、レール1a、1bの壁面30への取付け側の側面板にはビス取付け孔が穿設されて、レール1aの底面板には水抜き孔4が穿設されている。
【0014】
機能部材は、浴室で使用される機能パーツをレール1a、1bと係合させる部材であり、本実施形態の機能パーツとしては、収納ラック11、シャワー12、ミラー13がある。また、他の例としては、照明器具やタオル取付け棒等がある。また、本実施形態では、機能パーツを矩形の平板の機能パネル10の表面に取り付けたものを機能部材として使用する。ここで、機能パネル10には、樹脂または金属製のものが使用される。
【0015】
以下に、このレール1a、1bと機能パネル10の取付け手順について説明する。まず、ユニットバスルームの壁面30の下部と上部に、一対のレール1a、1bが平行となるように、各々を水平方向に取り付ける。具体的には、レール1a、1bの側面板に穿設されたビス孔にビス20を挿入して、これをあらかじめ壁面30に穿設しておいた螺子孔に螺嵌させる。こうして、一対のレール1a、1bを中空部3の開口部が対向するように壁面30に取り付ける。次に、機能パネル10をレール1a、1bの右側又は左側に配置させた後に、機能パネル10をスライドさせて、この上端部と下端部をレール1a、1bの開口部に嵌合させる。このようにして、収納ラック11、シャワー12、ミラー13、収納ラック11をそれぞれ配設した機能パネル10を順番に一対のレール1a、1bと係合させて、それぞれの機能パネル10の間に隙間がないように当接させていく。ここで、シャワー12を配設した機能パネル10には、シャワー12用の給湯配管5が取り付けられている。この給湯配管5を、下部に取り付けたレールに1aおいて、機能パネル10と壁面30側の側面板との間にある配管スペースに機能パネル10の側面に沿って配設させる。
【0016】
ここで、ユニットバスルーム内部に、レール1a、1bの両側に機能パネル10を配置するためのスペースがない場合には、上述の手順を適用することができないので、以下の手順によって機能パネル10を壁面30に取り付ける。まず、下部のレール1aを最初にビス20により壁面に取り付けた後に、機能パネル10の下端部をこのレール1aの開口部に嵌合させる。この後に、レール1bを開口部が機能パネル10の上端部に嵌合する位置に配置させる。ここで、機能パネル10が下部のレール1aの支持のみでは不安定となる場合には、人手等により、一時的にこれを支持しておく。この状態で、機能パネル10の上端部が嵌合していない開口部周辺の中空部3の側面にあるビス孔にビス20を挿入して、これを壁面30の螺子孔に螺合させる。そして、機能パネル10を左右にスライドさせて、中空部30の側面で他のビス孔のある部分を露出させてビス20を螺嵌させる。これを繰り返していくことにより、上部のレール1bも壁面30に固定することができる。最後に機能パネル10をスライドさせて、それぞれの機能パネル10を当接させるように、所定の位置に移動させる。
【0017】
なお、図1は、一対のレール1a、1bと機能パネル10の配設の状態を示す構造図であり、これらの部位の取り付け途中の状態を示している。つまり、レール1aのみが壁面30に取り付けられていて、他のものは、配置の相対位置を表している。
【0018】
本実施形態では、一対のレール1a、1bに複数の機能パネル10を取り付けているので、以下の効果を得ることができる。まず、機能パネル10をレール1a、1bに沿ってスライドさせて移動させることができるので、機能パーツの設置場所を変更することができる。特に、一度機能パネル10を取り付けた後に、入浴者が使用しやすいように、取付け場所を容易に変更することができる。また、必要に応じて、照明器具等の他の機能パーツを配設する機能パネルを追加したり、当初のものと取り替えたりすることもできる。特に、照明器具のように、電気配線を必要とする機能パーツであっても、この配線をレール内部の配管(配線)スペースに配設することができる。さらに、浴室が狭い場合であっても、後述した手順により、複数枚の機能パネル10を効率的に浴室内に配設する作業を施工することができる。次に、下部に取り付けたレール1bの底面には、水抜き孔4が穿設されているので、浴室内の水分が、レール内部に溜まっても、この水抜き孔4を通って排出させることができる。加えて、中空部3の側面に沿って配管スペースを有しているので、シャワーや照明器具のように、給湯用の配管や電気用の配線を必要とする機能パーツを効率的に配設することができ、配管や配線が外部に露出することがなく、入浴者がこれに引っ掛かるおそれもなくなる。
【0019】
(実施形態2)
実施形態2に係るユニットバスルームの壁面構造を図3、図4に基づいて説明する。本実施形態の壁面構造は、実施形態1のものと大略は類似しているので、詳細は省略して相違点のみを説明する。本実施形態を、実施形態1のものと比較すると、レール2a、2bと機能部材(機能パネル)との係合の構造が異なっている。図4に両者の係合部分を示す断面図のように、レール2a、2bの断面はC字状になっていて、中空部3の開口部の開口面は壁面30に平行となっている。そして、この中空部3は、実施形態1と同様に配管スペースを有している。一方、断面T字状の係合金具21を開口部に右側又は左側から嵌合させて、所定位置にスライドさせて移動させる。そして、機能部材(機能パネル)を係合金具21にビス22により取り付ける。
【0020】
本実施形態では、図3に示すように、機能部材として、ミラー14を表面に配設した機能パネル10と、機能パーツである間仕切り板14とシャワー保持棒15とを、レール2a、2bに係合させている。さらに、機能パーツとしては、シャワー保持棒15に支持されているシャワー12があり、これに接続している給湯配管5が、レール2aの中空部3に配設されている。ここで、機能パネルを有しない機能部材を係合金具21に直接に取り付けることも可能であるが、取付け板23を介して取り付ける方が、容易に施工することができる。このようにして、機能パネル10や機能部材14、15をを壁面30に取り付けた後に、これらを取り付けた状態で係合金具21をレールに対してスライドさせて移動させることにより、これらの取付け場所の調整をすることができる。
【0021】
本実施形態のユニットバスルームの壁面構造では、機能パネルを取り付けるときに、機能パネルそのものをレールに対してスライドさせる必要がないために、実施形態1と比べると、さらに狭い浴室空間であっても、機能パネルを取り付けることができる。また、機能パネルに配設されていない機能部材を直接に壁面に取り付けることもできる。
【0022】
(実施形態3)
実施形態3に係るユニットバスルームの壁面構造を図5に基づいて説明する。本実施形態の壁面構造は、実施形態1と略同じであるので、詳細な説明は省略する。実施形態1のものと比較すると、一対のレール1a、1bを垂直方向に配設する点が異なっている。まず、レール1a、1bの構造は、実施形態1と略同様であり、断面がコ字状であって、中空部3に配管スペースを有している。ただし、実施形態1ののもと異なり、水抜き孔を有していない。この一対のレールを図5のように、ユニットバスルームの壁面30に垂直方向に、中空部3の開口部が対向するようにビス20で取り付ける。この後、収納ラック11とミラー13とを配設した機能パネル10の左右の対向辺が開口部と嵌合するように、上部からスライドさせて取り付ける。ここで、レールの中空部3には、ダボ24を取り付けて、これにより、機能パネル10が落下しないように固定している。
【0023】
また、実施形態1と同様に、レール1a、1b上側に、機能パネル10を配置するスペースがない場合には、以下のようにして、機能パネル10をレール1a、1bと嵌合させて固定する。まず、片方のレール1aを壁面に固定した後に、機能パネル10の片方の左端部をこのレール1aに嵌合させる。そして、機能パネル10を支持した状態で、他方のレール1bを機能パネル10の右端部に嵌合させるように配置して、ビス20により壁面30に固定する。このとき、必要に応じて、機能パネル10をスライドさせて場所を移動させることにより、ビス取付け孔が露出するようにすることができる。
【0024】
本実施形態では、機能パネル10の配置が上下となるので、天井が高くて幅の狭い浴室には、機能パーツを有効に取り付けることができる。また、収納ラック11とミラー13のように、上下に配置した方が入浴者にとって使用しやすい場合にも有用である。さらに、レール1a、1bが垂直方向に配設されているので、レール1a、1bの中空部3に水分が侵入しても、すぐに落下するので、中空部の内部3に水分が溜まるおそれがない。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、ユニットバスルームの壁面に長尺で略全長にわたって中空部を有するレールを配設してなり、前記中空部に配管又は配線のスペースを有してなり、前記中空部の開口部に機能部材をそれぞれのレールに嵌合させて、前記機能部材が前記レールに対してスライド可能なように係合させることにより、前記機能部材を前記壁面に取り付けるユニットバスルームの壁面構造であって、前記機能部材は、前面視で略矩形のパネルの表面上に機能パーツを取り付けた機能パネルであり、前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部を、前記機能パネルが前記レールに対してスライド可能なように前記レールに係合させるものであって、複数枚の前記機能パネルを隣接させて前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部をレールに係合させたものであることを特徴としているので、機能パネルを前記レールに沿ってスライドさせて移動させることができて、機能部材の位置を変更することが容易にできるため、複数の機能部材を効率的に配設することができる。あわせて、開口部の内部に側面に沿って配管スペースを有しているので、シャワーや照明器具のように、給湯用の配管や電気用の配線を必要とする機能パーツも、効率的に配設することができ、配管や配線が外部に露出して、入浴者がこれに引っ掛かるおそれもなくなる。
【0026】
更に、請求項に係る発明は前記機能部材は、前面視で略矩形のパネルの表面上に機能パーツを取り付けた機能パネルであり、前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部を、前記機能パネルが前記レールに対してスライド可能なように係合させるものであることを特徴としているので直接に前記レールに取り付けにくい機能パーツであっても、機能パネルの表面に取り付けることにより、壁面に取り付けることができる。
【0027】
請求項に係る発明は、請求項の構成において、前記一対のレールが上下に水平方向に配設されてなり、下部のレールは水抜き孔を有するものであることを特徴としているので、請求項の効果に加え、前記レール開口部に進入した水分が前記水抜き孔を通して落下するので、前記レール内部に水分が溜まるおそれがない。
【0028】
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項のいずれかの構成において、前記開口部の開口面は前記壁面と平行であって、前記開口部と係合する係合金具を前記開口部に係合させて、前記係合金具に前記機能部材をビス等によって取り付けるものであることを特徴としているので、請求項1乃至請求項の効果に加え、機能パネルそのものをレールに対してスライドさせる必要がないために、さらに狭い浴室空間であっても、効率的に機能パネルを取り付けることができ、また、機能パネルに配設されていない機能部材を直接に壁面に取り付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るユニットバスルームの壁面構造の斜視図である。
【図2】実施形態1に係る壁面構造の機能パネルとレールの断面図である。
【図3】実施形態2に係るユニットバスルームの壁面構造の斜視図である。
【図4】実施形態2に係る壁面構造の機能パネルとレールの断面図である。
【図5】実施形態3に係るユニットバスルームの壁面構造の斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b レール(断面コ字状)
2a、2b レール(断面C字状)
3 中空部
4 水抜き孔
5 給湯配管
10 機能パネル
11 収納ラック
12 シャワー
13 ミラー
14 間仕切り板
15 シャワー保持棒
20 ビス(レール固定用)
21 係合金具
22 ビス(取付け金具固定用)
23 取付け板
24 ダボ
30 壁面

Claims (3)

  1. ユニットバスルームの壁面に長尺で略全長にわたって中空部を有するレールを配設してなり、前記中空部に配管又は配線のスペースを有してなり、前記中空部の開口部に機能部材をそれぞれのレールに嵌合させて、前記機能部材が前記レールに対してスライド可能なように係合させることにより、前記機能部材を前記壁面に取り付けるユニットバスルームの壁面構造であって、前記機能部材は、前面視で略矩形のパネルの表面上に機能パーツを取り付けた機能パネルであり、前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部を、前記機能パネルが前記レールに対してスライド可能なように前記レールに係合させるものであって、複数枚の前記機能パネルを隣接させて前記機能パネルの対向する2辺のそれぞれの端部をレールに係合させたものであることを特徴とするユニットバスルームの壁面構造。
  2. 前記一対のレールが上下に水平方向に配設されてなり、下部のレールは水抜き孔を有するものであることを特徴とする請求項に記載のニットバスルームの壁面構造。
  3. 前記開口部の開口面は前記壁面と平行であって、前記開口部と係合する係合金具を前記開口部に係合させて、前記係合金具に前記機能部材をビス等によって取り付けるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のユニットバスルームの壁面構造。
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