JP4026449B2 - 有機電界発光素子の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機EL素子を発光素子としたもの(以下「有機ELディスプレイ」という)が注目を集めている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため消費電力の点でバックライト型(液晶ディスプレイ等)に比べて有利であるとともに、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を具備すると考えられている。
【0003】
このような有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込む構造を持つ。そして、有機材料からなる有機層に対して、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ注入され、その有機層にて正孔と電子が再結合して発光が生じるようになっている。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。また、有機材料(蛍光物質)を適宜選択することによって、所望する色彩の発光も得ることができる。これらのことから、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として、非常に有望視されている。
【0004】
ところで、有機EL素子における有機層を形成する有機材料は、耐水性が低く、ウエットプロセスを利用できない。そのため、有機層を形成する際には、真空薄膜成膜技術を利用した真空蒸着を行うのが一般的である。すなわち、有機層を形成するための有機EL素子の製造装置としては、真空チャンバ内に有機材料の蒸着源を備えたものが広く用いられている。
【0005】
このような有機EL素子の製造装置では、通常、蒸着源として、有機材料を収めた坩堝と、その坩堝を加熱する熱源とを備えており、坩堝を加熱して有機材料を蒸発させることで、成膜対象物である有機EL素子の基板上に有機層を成膜するようになっている。また、このような製造装置の中には、成膜対象物である基板と坩堝との間にライン状に並ぶ複数の開口を介し、これらの相対位置を複数の開口が並ぶ方向と直交する方向に移動させることによって、その基板上への有機層の成膜を行うものもある。このようにすれば、有機材料が不要な方向に飛散してしまうのを防ぎ得るため、例えば有機層の成膜が複数層に及ぶ場合であっても、少ない材料消費量で効率良く成膜を行うことが可能となり、結果として迅速かつ低コストで有機EL素子を製造することができるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような蒸着源がライン状の開口を介して有機材料を蒸発させる製造装置では、以下に述べるような難点が生じるおそれがある。通常、坩堝から蒸発する有機材料は、一つの開口から放射状に広がって飛散しつつ、成膜対象物である有機EL素子の基板に到達する。したがって、開口がライン状に規則正しく並んでいると、そのラインの中央付近における基板上では、多くの開口からの有機材料が到達して、成膜される膜厚が厚くなるが、ラインの両端縁側における基板上では、有機材料が到達してくる開口の数が少なくなるので、成膜される膜厚が薄くなる傾向にある。つまり、複数の開口がライン状に規則正しく並んでいると、そのラインの長さ方向における有機材料の分布にばらつきが生じてしまうおそれがある。
【0007】
このような分布ばらつきを解消するためには、熱源をラインの長さ方向に複数に分割して、それぞれの分割領域毎に膜厚モニタを用いて蒸着速度制御(レート制御)を行うことを可能にしつつ、ライン両端縁側での熱源の温度をラインの中央付近よりも高く設定することが考えられる。このようにすれば、ライン両端縁側での単位面積あたりの有機材料の蒸発量を、ラインの中央付近と略同じ量に制御することが可能となるからである。ところが、同一ライン上における複数の熱源を異なる温度で制御することは、制御系同士で相互干渉が起こることが多く、不安定な制御系になり易いため、極力避けるべきである。さらには、複数の制御系による分割制御を行っても、両端縁側の膜厚が薄くなるという傾向を完全に解消することができるとは限らない。
【0008】
また、両端縁側の膜厚が薄くなる傾向にある場合には、その薄くなる部分、すなわちラインの端縁側近傍の部分については有機EL素子の構成に用いずに、ラインの中央付近の部分のみを有機EL素子の構成に用いるようにすることも考えられる。ところが、そのためには、それだけ長いライン型の蒸着源を用意する必要があり、結果として製造装置の大型化を招いてしまうことになる。さらには、ラインの端縁側近傍の部分に蒸着した有機材料が無駄になってしまうため、材料使用効率やコスト等の観点からは非常に好ましくない。
【0009】
そこで、本発明は、ライン型の蒸着源を具備する場合であっても、複雑な制御や有機材料の無駄等を要することなく、その長さ方向における有機材料の分布にばらつきが生じてしまうのを回避することのできる有機EL素子の製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された有機EL素子の製造装置である。すなわち、ライン状に並ぶ複数の開口を介して有機材料を蒸発させる蒸着源を具備し、有機EL素子の基板と前記蒸着源との相対位置を前記複数の開口が並ぶ方向と直交する方向に移動させて前記基板上に有機層を成膜するように構成された有機EL素子の製造装置であって、前記複数の開口が非均等ピッチで配設されており、前記非均等ピッチは、前記複数の開口が並ぶ方向における端縁側が細かいピッチであり、前記蒸着源は複数領域に分割されており、前記複数領域の各々について前記蒸着源の温度制御を行う温度制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成の有機EL素子の製造装置によれば、複数の開口が非均等ピッチで配設されており、その非均等ピッチは複数の開口が並ぶ方向における端縁側が細かいピッチであることから、その端縁側における単位長さ当たりの開口数が多くなり、ラインの端縁側と中央付近とで単位面積あたりの有機材料の蒸発量が略同等になる。これにより、ラインの端縁側と中央付近とで有機材料の分布を均一にして、有機層の成膜厚さの差を無くすことができるようになる。しかも、蒸着源の分割領域の各々について温度制御手段が蒸着源の温度制御を行うので、各領域別の蒸着レート制御(蒸着速度制御)をしながら、開口の非均等ピッチによる成膜厚さの均一化と併せて、膜厚の分布を一定に保てるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る有機EL素子の製造装置について説明する。図1は本発明に係る製造装置の概略構成例を示す模式図、図2はその製造装置の要部の構成例を示す模式図、図3はその製造装置によって成膜された膜厚分布例を示す説明図である。
【0013】
先ず、有機EL素子の製造装置の概略構成について説明する。ここで説明する製造装置は、有機EL素子のガラス基板上に有機層を成膜するためのもので、図1(a)に示すように、図示しない真空チャンバ内に配設された有機材料の蒸着源10と、その蒸着源10とガラス基板20との相対位置を可変させるための搬送手段とを備えている。
【0014】
蒸着源10は、いわゆるライン型と呼ばれるもので、ガラス基板20との相対位置可変方向と略直交する方向にライン状に一列に並ぶ複数の開口11を有している。さらに詳しくは、図1(b)に示すように、上面に開口11を有し内部に有機材料12を収めた耐熱性の容器である坩堝13と、その坩堝13の下方に設置された熱源14とを備えている。熱源14は、例えば熱伝対および温度調整器により構成され温度制御されたヒータからなるものである。このような構成により、蒸着源10では、熱源14が坩堝13を加熱すると、その中の有機材料12が蒸発し、開口11を通って飛散するようになっている。
【0015】
また、搬送手段は、ガラス基板20を移動させることで、蒸着源10とガラス基板20との相対位置を可変させるようになっている。このとき、ガラス基板20の移動は、真空中で行う必要がある。そのため、搬送手段としては、ガラス基板20を搭載した台車をワイヤに接続し、そのワイヤを外部からサーボモータ等によって定速駆動して引っ張る、といったシンプルな方式を採用することが考えられる。ただし、脱ガスの対策等がなされていれば、周知技術であるボールネジやベルトコンベア等による搬送方式を用いても構わないことは勿論である。
【0016】
ところで、本実施形態で説明する製造装置は、図2に示すように、蒸着源10における開口11に大きな特徴がある。すなわち、蒸着源10では、ガラス基板20の進行方向と略直交する辺の長さを充分にカバーするだけの蒸着幅を有している。そして、従来のものは、通常、図2(b)に示すように、その蒸着幅の全域にわたって開口11が均等ピッチでライン状に規則正しく並んでいる。ところが、ここで説明する製造装置における蒸着源10では、図2(a)に示すように、蒸着幅の全域にわたる開口11が非均等ピッチで配設されており、その間隔がラインの中央付近では広く、両端縁側に近づくほど狭くなるように配置されている。
【0017】
開口11のピッチ可変量(ピッチが狭くなる度合)は、坩堝13内の有機材料12の種類や開口11の形状や大きさ等を考慮しつつ、後述するように単位面積あたりの蒸着量がライン全域にわたって略一定となるよう適宜決定すればよい。すなわち、非均等ピッチは、単位面積あたりの蒸着量がライン全域にわたって略一定となり得るものであれば、開口11の間隔が線形に狭くなるものであっても、あるいは非線形(例えば段階的)に狭くなるものであってもよい。なお、開口11の形状や大きさ等については、これらの違いが蒸着量に影響を及ぼすのを避けるため、ライン全域にわたって一定であるものとする。
【0018】
続いて、以上のように構成された製造装置における処理動作例について説明する。ガラス基板20上への有機層の成膜にあたっては、成膜対象物となるガラス基板20がハンドリングロボットや搬送コンベア等によって真空チャンバ内に搬送される。そして、蒸着源10の坩堝13が熱源14により加熱温度制御され、その中の有機材料12が蒸発し開口11を通って飛散している状態で、その蒸着源10の上方側を搬送手段がガラス基板20を一定速度で移動させる。これにより、そのガラス基板20には、有機材料12の薄膜が形成されることになる。
【0019】
ただし、このときに、蒸着源10の開口11が図2(b)に示したように均等ピッチで規則正しく並んでいると、一つの開口11からは有機材料12が広がりを持って飛散するため、ガラス基板20上に成膜される有機層の膜厚は、図3中に破線で示すように、蒸着源10のライン中央付近ほど厚く、逆に両端縁側ほど薄くなる傾向にある。
【0020】
ところが、本実施形態の製造装置では、蒸着源10の開口11が図2(a)に示したように非均等ピッチで配設されており、その間隔がラインの中央付近では広く、両端縁側に近づくほど狭くなっているため、単位面積あたりの有機材料12の蒸着量がラインの中心付近と両端縁側とで略同等になる。したがって、一つの開口11から有機材料12が広がりを持って飛散しても、図3中に実線で示すように、ライン中心付近と両端縁側とで有機材料12の分布を均一にすることができ、結果として有機層の成膜厚さの差を無くすことができるようになる。
【0021】
つまり、蒸着源10における開口11が非均等ピッチで配設されていることから、ライン状の端縁側に近づくほど単位長さ当たりの開口数が多くなるため、単位面積あたりの有機材料12の蒸着量がラインの中心付近と両端縁側とで略同等になる。したがって、複数の開口11がライン状に並んでいても、そのラインの長さ方向における有機材料12の分布にばらつきが生じることがなく、有機層の成膜厚さの差を無くすことができるのである。
【0022】
しかも、ライン型の蒸着源10における開口11を非均等ピッチとすれば、熱源14の加熱温度制御に依存することなく、蒸着レートが一定のままでも、有機材料12の分布の均一化が図れるようになる。換言すると、熱源14の温度調整を行って所望温度となるように制御するだけで、有機材料12の分布の均一化を図りつつ、ガラス基板20上に成膜される有機層の膜厚調整を行い得るようになる。そのため、例えばライン両端の温度を中心より高く設定して単位面積あたりの蒸着量を多くするといったことを行う必要がなく、温度制御系が相互干渉を起こして不安定になってしまうこともないため、安定した温度制御を実現することが可能となる。
【0023】
このときの熱源14の加熱温度制御は、膜厚モニタによるモニタリング結果を基にして行ってもよい。詳しくは、周知の膜厚モニタを用いて蒸着源10からの有機材料12の蒸着速度(蒸着レート)を検出して、ガラス基板20上に成膜された有機層の膜厚をモニタリングし、そのモニタリング結果を基にして蒸着速度が一定となるように、熱源14の加熱温度をコントロールすることが考えられる。このような加熱温度制御を行えば、開口11の非均等ピッチによる成膜厚さの均一化と併せて、有機層の膜厚調整をより一層高精度に行うことができるようになる。
【0024】
また、熱源14の加熱温度制御は、熱源14の全体に対して一律に行うと、安定した温度制御の実現が容易となるが、その加熱温度制御を行うための温度制御手段(例えば温度調整器)を、ラインの長さ方向に複数に分割しても構わない。この場合、それぞれの分割領域毎に加熱温度制御を行えるので、例えばライン両端縁側での温度をラインの中央付近よりも高く設定するといったことが可能となる。このようにすれば、開口11のピッチ可変量が一括で温度制御した場合に比較して少なくて済み、また分割領域毎の加熱温度制御によりガラス基板20上における成膜厚さの均一化をより一層確実なものとすることができる。
【0025】
さらに、分割領域毎の加熱温度制御を行う場合には、膜厚モニタによるモニタリングも分割領域毎に個別に行うようにすることが考えられる。すなわち、複数の膜厚モニタと複数の温度制御手段を設置し、それぞれ個別のレート制御(蒸着速度制御)をしながら、開口11の非均等ピッチによる成膜厚さの均一化と併せて、膜厚の分布を一定に保つようにしてもよい。このようにすれば、有機層の膜厚調整の更なる高精度化が期待できる。
【0026】
また、本実施形態の製造装置では、蒸着源10における開口11を非均等ピッチとすることで、ガラス基板20上にて均一な膜厚分布が得られるので、そのガラス基板20の幅と略同等のライン長さの蒸着源10を用いて、そのガラス基板20に対する蒸着を行うことができる。したがって、短いライン型の蒸着源10でも成膜をすることができ、製造装置も小型のもので対応できるようになる。
【0027】
その上、ライン状の蒸着源10、すなわち一列に並んだ開口11の両端縁まで均一な膜厚分布が得られるので、蒸着可能な領域をその端縁近傍まで確保することができる。そのため、有機材料12が無駄になってしまうこともなく、その使用効率を上げて有効利用を図ることができるので、材料使用効率やコスト等の観点からも好適なものとなると言える。
【0028】
ただし、加熱温度制御の対象となる蒸着源10は、図1(a)に示したように、真空チャンバ内に一つのみを配設するのではなく、複数のものを並列配置してもよい。ただし、その場合であっても、各蒸着源10では、開口11が非均等ピッチで配設されているものとする。各蒸着源10の坩堝13内には、それぞれ異なる有機材料12を収めておくことが考えられる。このように、真空チャンバ内に複数の蒸着源10を並列配置した場合には、その上方にてガラス基板20を移動させることで、そのガラス基板20が各蒸着源10と対向する位置を順に通過する。したがって、ガラス基板20上には、各蒸着源10からの有機材料が順に積層されることになる。すなわち、積層構造の有機層の成膜が連続的に行い得るようになる。
【0029】
次に、以上のような構成の製造装置を用いて製造される有機EL素子について簡単に説明する。図4は有機EL素子の概略構成例を示す模式図であり、図5はその製造の際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。
【0030】
図4に示すように、有機EL素子21は、ガラス基板20上に形成されたもので、それぞれ異なる材料からなる複数の有機層21a〜21dが順次積層されてなるものである。なお、ここでは、積層される層数が四つである場合を例に挙げているが、これに限定されないことは勿論である。これら複数の有機層21a〜21dの成膜は、複数の蒸着源10が並列配置された製造装置を用いて連続的に行っても、あるいは一つの蒸着源10のみが配設された製造装置を用いて順次個別に行っても構わない。
【0031】
ところで、ガラス基板20上には、図示はしていないが、例えばR,G,Bの各色成分に対応した複数の有機EL素子21が、所定パターンに従ってマトリクス状に縦横に配列されている。各有機EL素子21の間の相違は、有機層21a〜21dを構成する有機材料(蛍光物質)にある。これにより、これらガラス基板20および各有機EL素子21を備えて構成された有機ELディスプレイでは、各有機EL素子に所定波長の光を選択的に発生させて、カラー画像の表示を行うことが可能になるのである。
【0032】
このようなカラー画像を表示するための各有機EL素子21の配列は、例えばR,G,Bの各色成分に対応したパターニング成膜によって各有機EL素子21を形成することで実現可能となる。ここで、パターニング成膜のために用いられる治具の概略構成について説明する。パターニング成膜は、図5に示すように、平板状に形成され、鉄(Fe)やニッケル(Ni)等の強磁性体からなるメタルマスク31を用いて行われる。メタルマスク31には、所定の成膜パターンに対応した複数の開孔32が穿設されている。そして、被成膜物であるガラス基板20の一面側を覆うようにそのガラス基板20と密着した状態で、ガラス基板20の他面側に配された電磁石33が発生させる磁力によって固定されるようになっている。このように構成される治具を、メタルマスク31を蒸着源10に向けた状態で、その蒸着源10上を一定速度で移動させれば、ガラス基板20上には、所定パターンの成膜を行うことができる。また、複数種類のメタルマスク31を用意すれば、異なるパターンの多層成膜を行うこともでき、結果として複数の有機EL素子21を縦横に配列することが可能となるのである。
【0033】
なお、本実施形態では、本発明の実施の好適な具体例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々変形することが可能である。すなわち、本実施形態で説明した製造装置を構成する一連の構成要素の材質、形状、動作機構等は、必ずしもこれらに限られるものではなく、各構成要素の機能を同様に確保することが可能な限り、自由に変更可能である。この場合においても、本実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。例えば、本実施形態では、板状のガラス基板20上に有機EL素子21を形成する場合を例に挙げて説明したが、樹脂材料からなるフィルム素材等のようなロール状の基板であっても、全く同様に対応することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る有機EL素子の製造装置では、ライン型の蒸着源を具備する場合であっても、その蒸着源における開口が非均等ピッチで配設されているため、複雑な制御や有機材料の無駄等を要することなく、その長さ方向における有機材料の分布にばらつきが生じてしまうのを回避することができ、均一な膜厚の有機層の成膜を行うことができるようになる。しかも、開口の非均等ピッチによる成膜厚さの均一化と併せて、蒸着源の分割領域別の温度制御を通じて膜厚の分布を一定に保てるようになるので、有機層の膜厚調整の更なる高精度化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機EL素子の製造装置の概略構成例を示す模式図であり、(a)はその斜視図、(b)は側断面図である。
【図2】本発明に係る有機EL素子の製造装置の要部の構成例を示す模式図であり、(a)はその要部の一例を示す図、(b)は比較のための従来例を示す図である。
【図3】本発明に係る有機EL素子の製造装置によって成膜された膜厚分布例を示す説明図である。
【図4】有機EL素子の概略構成例を示す模式図である。
【図5】有機EL素子を製造する際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
10…蒸着源、11…開口、12…有機材料、13…坩堝、14…熱源、20…ガラス基板、21…有機EL素子、21a,21b,21c,21d…有機層

Claims (3)

  1. ライン状に並ぶ複数の開口を介して有機材料を蒸発させる蒸着源を具備し、有機電界発光素子の基板と前記蒸着源との相対位置を前記複数の開口が並ぶ方向と直交する方向に移動させて前記基板上に有機層を成膜するように構成された有機電界発光素子の製造装置であって、
    前記複数の開口が非均等ピッチで配設されており、
    前記非均等ピッチは、前記複数の開口が並ぶ方向における端縁側が細かいピッチであり、
    前記蒸着源は複数領域に分割されており、前記複数領域の各々について前記蒸着源の温度制御を行う温度制御手段を備える
    ことを特徴とする有機電界発光素子の製造装置。
  2. 前記複数の開口は、形状が略同一である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造装置。
  3. 前記基板上に成膜された有機層の膜厚をモニタリングする膜厚モニタが設けられているとともに、
    前記温度制御手段は、前記膜厚モニタによるモニタリングの結果を基に前記蒸着源の温度制御を行うものである
    ことを特徴とする請求項記載の有機電界発光素子の製造装置。
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