JP2004214120A - 有機電界発光素子の製造装置及び製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Keizo Mori
圭三 森
Hiroshi Kano
浩志 加納
Takao Mori
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Abstract

【課題】有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させるにあたって、有機材料の膜厚制御をリアルタイムに正確に行えるようにする。
【解決手段】有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させる際に用いられる有機電界発光素子の製造装置の構成として、有機材料を蒸発させる蒸発源1と、この蒸発源1から蒸発した有機材料の飛散範囲を制限するとともに、蒸発源1から蒸発した有機材料を通過させる開口H1を有する制限部材5(5A,5B)と、制限部材5の開口H1を通過した有機材料の蒸着速度を検出する膜厚計8と、この膜厚計8による蒸着速度の検出結果に基づいて蒸発源1からの有機材料の蒸発量を制御する制御装置11とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子(有機EL素子:ELはエレクトロルミネッセンスの略)の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
近年、平面型の表示装置として、有機電界発光素子を用いたものが注目されている。有機電界発光素子を用いた表示装置(以下、「有機ELディスプレイ」とも記す)は、バックライトが不要な自発光型のディスプレイであるため、視野角が広い、消費電力が少ないなどの利点を有している。
【0004】
このような有機ELディスプレイに用いられる有機電界発光素子は、一般に、有機材料からなる有機層(有機EL層)を上下から電極(陽極及び陰極)で挟み込んだ構造となっている。そして、陽極に正の電圧、陰極に負の電圧をそれぞれ印加することにより、有機層に対して、陽極から正孔を注入する一方、陰極から電子を注入することにより、有機層で正孔と電子が再結合して発光する仕組みになっている。
【0005】
有機電界発光素子の有機層は、通常、正孔(ホール)注入層、正孔輸送層、発光層、電荷注入層等といった3〜5層の積層構造となっている。各々の層を形成する有機材料は、耐水性が低くてウェットプロセスを利用できない。そのため、有機層を形成する場合は、真空薄膜形成技術を利用した真空蒸着法により、有機電界発光素子の素子基板(通常はガラス基板)に各層を順に形成して所望の積層構造を得ている。また、カラー化への対応として、R(赤),G(緑),B(青)の各色成分に対応する3種類の有機材料を、それぞれ異なる画素位置に蒸着して有機層を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような有機層を備える有機電界発光素子を製造する場合、有機層の各層ごとに蒸発源から蒸発させる有機材料を変更するとなると、有機層の成膜処理に時間がかかるため、有機電界発光素子を製造する際のタクトタイムが長くなってしまう。
【0007】
そこで本出願人は、有機電界発光素子の素子基板上に複数の蒸発源を用いて薄膜層を順に積層することにより、複数層からなる有機層を得る技術を提案している。図3はこの技術を適用した有機電界発光素子の製造装置の構成例を示す概略図である。図示した製造装置は、3つの蒸発源1,2,3と、基板搬送装置4と、制限部材5,6,7と、3つの膜厚計(検出器)8,9,10と、制御装置11とを備えて構成されている。蒸発源、制限部材及び膜厚計の個数は、所望する有機層の積層数などに応じて増減する。
【0008】
蒸発源1は、蒸着材料となる第1の有機材料を蒸発させるための加熱源とものである。また、蒸発源2は、蒸着材料となる第2の有機材料を蒸発させるための加熱源となるもので、蒸発源3は、蒸着材料となる第3の有機材料を蒸発させるための加熱源となるものである。第1の有機材料、第2の有機材料及び第3の有機材料は、それぞれ異なる種類の有機材料(蛍光物質等)からなる。各々の蒸発源1,2,3は、図の奥行き方向にライン状に延びるように形成された、いわゆるライン型蒸発源であって、例えば、高融点金属からなるヒータに通電して蒸着材料(有機材料)を加熱蒸発させる抵抗加熱蒸発源によって構成される。
【0009】
図4に上記蒸発源1,2,3に適用されるライン型蒸発源の具体的な構成例を示す。ライン型蒸発源100にはそのライン長手方向に複数(多数)の吹き出しノズル101が設けられている。ライン型蒸発源100での加熱によって蒸発した有機材料は各々の吹き出しノズル101から放出されて素子基板12に蒸着されるようになっている。このライン型蒸発源100は、基板移動方向とほぼ直交する方向(プロセス方向)の辺の長さを十分にカバーするだけの蒸着幅を有する。そのため、ライン型蒸発源100を用いることにより、素子基板12の全幅にわたって均一な膜厚分布が得られる。
【0010】
基板搬送装置4は、有機電界発光素子のベース基板となる素子基板(ガラス基板)12を搬送するもので、駆動源となる搬送モータ13と、この搬送モータ13の回転によって駆動されるコンベア14とを用いて構成されている。この基板搬送装置4は、素子基板12の相対応する二辺部を複数のローラで載置状態に支持しつつ、各々のローラの回転によって素子基板12を矢印方向(右方向)に搬送することにより、蒸発源のライン長手方向(図の奥行き方向)と直交するプロセス方向(図の左右方向)で、各々の蒸発源1,2,3と素子基板12との相対位置を可変する。また、基板搬送装置4で搬送される素子基板12は、プロセス方向において3つの蒸発源1,2,3と対向する位置を順に通過するように矢印方向(図の左方向)に移動する。
【0011】
制限部材5は、蒸発源1から蒸発する第1の有機材料の飛散範囲を制限するために、蒸発源1に対応して設けられたものである。また、制限部材6は、蒸発源2から蒸発する第2の有機材料の飛散範囲を制限するために、蒸発源2に対応して設けられたもので、制限部材7は、蒸発源3から蒸発する第3の有機材料の飛散範囲を制限するために、蒸発源3に対応して設けられたものである。制限部材5は、プロセス方向で蒸発源1を挟むように当該蒸発源1の両側に配置された2枚の制限板(ステンレス鋼、アルミニウム等の金属板)5A,5Bによって構成されている。また、各々の制限板5A,5Bは、蒸発源1のライン長手方向の全域にわたって、当該蒸発源1をプロセス方向で挟むように配置されている。これに対して、蒸発源1から蒸発した第1の有機材料は、図中波線で示すように2枚の制限板5A,5Bの端部間を通過してコンベア14側に飛散する。そのため、2枚の制限板5A,5Bの対向距離を増減すると、これに応じて第1の有機材料の飛散範囲も増減することになる。同様に、制限部材6は、プロセス方向で蒸発源2を挟むように当該蒸発源2の両側に配置された2枚の制限板6A,6Bによって構成され、制限部材7は、プロセス方向で蒸発源3を挟むように当該蒸発源3の両側に配置された2枚の制限板7A,7Bによって構成されている。
【0012】
膜厚計8は、素子基板12に第1の有機材料を蒸着するときの膜厚をモニタするために、蒸発源1から蒸発した第1の有機材料の蒸着速度を検出するものである。この膜厚計8は、蒸発源1のほぼ直上位置にコンベア14を介して配置されている。同様に、膜厚計9は、素子基板12に第2の有機材料を蒸着するときの膜厚をモニタするために、蒸発源2から蒸発した第2の有機材料の蒸着速度を検出するもので、蒸発源2のほぼ直上位置にコンベア14を介して配置されている。また、膜厚計9は、素子基板12に第3の有機材料を蒸着するときの膜厚をモニタするために、蒸発源3から蒸発した第3の有機材料の蒸着速度を検出するもので、蒸発源3のほぼ直上位置にコンベア14を介して配置されている。各々の膜厚計8,9,10は、例えば、公知の水晶発振式や光学式などの膜厚計によって構成される。
【0013】
以上の蒸発源1,2,3、基板搬送装置4、制限部材5,6,7及び膜厚計8,9,10は、いずれも図示しない真空チャンバー内に配置される。
【0014】
制御装置11は、各々の膜厚計8,9,10で検出した有機材料の蒸着速度に基づいて、それぞれに対応する蒸発源1,2,3からの単位時間当たりの有機材料の蒸発量を制御することにより、素子基板12に蒸着される膜厚が所望の膜厚となるように制御するものである。この制御装置11では、3つの蒸発源1,2,3ごとに有機材料の蒸発量を個別に制御する。制御装置11による蒸発量の制御は、例えば、各々の蒸発源1,2,3が抵抗加熱蒸発源であるとすると、この蒸発源のヒータに対する通電量(すなわち蒸発源での有機材料の加熱温度)を調整(増減)することにより行う。
【0015】
上記構成からなる製造装置を用いて実際に有機層を形成する場合は、基板搬送装置4のコンベア14に適度な間隔をあけて素子基板12を載せ、搬送モータ13の駆動により素子基板12を矢印方向に移動させる。これにより、素子基板12は、3つの蒸発源1,2,3と対向する位置を順に通過することになる。すなわち、素子基板12は、最初に蒸発源1の上を通過し、次に、蒸発源2の上を通過し、次いで、蒸発源3の上を通過する。
【0016】
その際、蒸発源1で第1の有機材料を、蒸発源2で第2の有機材料を、蒸発源3で第3の蒸発源をそれぞれ蒸発させることにより、搬送モータ13の駆動によってコンベア14上を移動する素子基板12の一面(図の下面)に、第1の有機材料、第2の有機材料及び第3の有機材料が順に蒸着される。
【0017】
このように有機層を形成するにあたって、制御装置11は、膜厚計8による蒸着速度の検出結果に基づいて蒸発源1からの有機材料の蒸発量を制御することにより、第1の有機材料からなる薄膜層の膜厚を制御する。また、制御装置11は、膜厚計9による蒸着速度の検出結果に基づいて蒸発源2からの有機材料の蒸発量を制御することにより、第2の有機材料からなる薄膜層の膜厚を制御する一方、膜厚計10による蒸着速度の検出結果に基づいて蒸発源3からの有機材料の蒸発量を制御することにより、第3の有機材料からなる薄膜層の膜厚を制御する。
【0018】
ここで、上記有機電界発光素子の製造装置においては、各々の膜厚計8,9,10で有機材料の蒸着速度を検出するにあたり、実際に素子基板12に有機材料を蒸着している状態では、蒸発源1,2,3から蒸発した有機材料が素子基板12で遮られるため、蒸発源1,2,3の上を素子基板12が通過する前か、通過した後でないと、蒸着速度の検出を行うことができない。したがって、素子基板12に有機材料を蒸着している最中は、実質的に制御装置11による膜厚の制御が中断された状態(蒸発源の上を素子基板12が通過し始める直前の状態に蒸発源の加熱温度等の設定値を保持)となるため、その間に蒸着速度の変動が生じると所望の膜厚が得られなくなる。また、蒸着速度を検出するうえでは、必ず基板相互に十分な間隔をあけて素子基板12を搬送する必要がある。この点は生産性の観点から好ましくない。
【0019】
また、有機膜の特性向上を目的として、複数の蒸発源から蒸発させた2種以上の有機材料を混合して素子基板に蒸着させる場合は、それらの有機材料が混ざり合った真空雰囲気中でそれぞれに対応する膜厚計を用いて蒸着速度を検出することになる。そのため、クロストークによる検出精度の低下を招く恐れがある。
【0020】
さらに、蒸着速度の検出に用いられる膜厚計は、一般に、温度依存性を有するのに対し、上記製造装置では、蒸発源からの放射熱に直接晒される場所(蒸発源のほぼ直上位置)に膜厚計が設けられている。通常、蒸発源は数百度の高温状態で使用されるため、蒸発源からの放射熱量は相当量になる。したがって、上記製造装置の場合は、蒸発源からの放射熱の影響で蒸着速度の検出値が変動する、いわゆる温度ドリフトが発生してしまう。また、蒸発源の上を素子基板12が通過するたびに、蒸発源からの放射熱が素子基板12で遮られるため、膜厚計は蒸発源からの放射熱に断続的に晒されることになる。したがって、温度ドリフトの発生が避けられない状況にあった。
【0021】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その主たる目的は、有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させるにあたって、有機材料の膜厚制御をリアルタイムに正確に行えるようにすることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る有機電界発光素子の製造装置は、有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させる際に用いられる有機電界発光素子の製造装置であって、有機材料を蒸発させる蒸発源と、この蒸発源から蒸発した有機材料の飛散範囲を制限するとともに、蒸発源から蒸発した有機材料を通過させる開口を有する制限部材と、この制限部材の開口を通過した有機材料の蒸着速度を検出する検出手段とを備えるものである。
【0023】
この有機電界発光素子の製造装置においては、蒸発源から蒸発した有機材料の飛散範囲を制限する制限部材に開口を設け、この開口を通過した有機材料の蒸着速度を検出手段で検出することにより、素子基板に有機材料を蒸着している最中でも、有機材料の蒸着速度を検出することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態においては、先述した有機電界発光素子の製造装置の構成要素と同様の構成部分に同じ符号を付し、重複する説明は極力省略することとする。
【0025】
図1は本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の製造装置の基本構成を示す概略図である。図示した有機電界発光素子の製造装置は、真空蒸着法によって有機層(有機EL層)を成膜するものであって、その特徴とするところは、制限部材5の構成とこれに対応した膜厚計8の配置状態にある。すなわち、蒸発源1に対応して設置された制限部材5は一対の制限板5A,5Bによって構成され、このうちの一方の制限板5Aに膜厚モニタ用の開口H1が形成されている。
【0026】
上記開口H1は、蒸発源1から蒸発した第1の有機材料を通過させるためのもので、例えば、5〜10mmの孔径で制限板5Aを貫通する状態に形成されている。また、開口H1は、蒸発源1から蒸発した第1の有機材料の進行方向(飛散する方向)に沿うように、蒸発源1の斜め上方に所定の角度をもって斜めに穿孔されている。さらに、ライン型蒸発源である蒸発源1のライン長手方向(図の奥行き方向)においては、制限板5Aの複数(例えば、3〜5個)の箇所にわたって開口H1が設けられている。
【0027】
これに対して、蒸発源1のライン長手方向においては、上述のように制限板5Aの複数(例えば、3〜5個)の箇所に設けられた開口H1ごとに膜厚計8が設置されている。このように一つの蒸発源に対して複数の膜厚計を設置した構成とすることにより、各々の膜厚計の測定結果を平均化した平均データを蒸着速度の検出結果として採用できるため、一つの膜厚計だけで測定する場合に比較して、膜厚測定の精度や信頼性を高めることができる。
【0028】
図2は本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の製造装置の全体構成を示す概略図である。図示した有機電界発光素子の製造装置の構成では、3つの蒸発源1,2,3が並列配置されており、このうち、2つの蒸発源2,3に関しては、これに対応する制限部材67が、それらの蒸発源2,3の間に設置された第1制限板67Aと、それらの蒸発源2,3の外側に設置され且つ膜厚モニタ用の開口H2,H3を有する一対の第2制限板67B,67Cとによって構成されている。
【0029】
第1制限板67Aは、プロセス方向で2つの蒸発源2,3のほぼ中間位置に配置され、第2制限板67B,67Cは、プロセス方向で第1制限板67Aからそれぞれ等距離を隔てた位置に配置されている。これにより、蒸発源2から蒸発した第2の有機材料の飛散範囲は、その両側に位置する第1制限板67Aと第2制限板67Bによって制限され、蒸発源3から蒸発した第3の有機材料の飛散範囲は、その両側に位置する第1制限板67Aと第2制限板67Cによって制限される構成となっている。また、第2制限板67Bに形成された開口H2は、蒸発源2から蒸発した第2の有機材料を通過させるためのもので、第2制限板67Cに形成された開口H3は、蒸発源3から蒸発した第3の有機材料を通過させるためのものである。各々の開口H2,H3の具体的な形成条件等については、上記制限板5Aに設けられた開口H1と同様である。
【0030】
上記2つの蒸発源2,3は、プロセス方向で互いに隣り合うように配置され、それぞれ異なる種類の有機材料(第2の有機材料,第3の有機材料)を蒸発させたときに、それらの有機材料を真空雰囲気中で混合した状態で素子基板12に蒸着させるものである。具体的には、搬送モータ13の駆動によってコンベア14上をプロセス方向に移動する素子基板12に対する有機材料の蒸着範囲として、蒸発源2から蒸発した第2の有機材料の飛散範囲を制限板67A,67Bで制限したときの第2の有機材料の蒸着範囲と、蒸発源3から蒸発した第3の有機材料の飛散範囲を制限板67A,67Cで制限したときの第3の有機材料の蒸着範囲とが互いに交差するように、2つの蒸発源2,3とこれに対応する各々の制限板67A,67B,67Cとの相対位置が調整(設定)されている。
【0031】
さらに、一対の第2制限板67B,67Cの外側には、2つの蒸発源2,3に対応する膜厚計9,10が設けられている。このうち、膜厚計9は、第2制限板67Bに設けられた開口H2を通過した第2の有機材料の蒸着速度を検出するもので、膜厚計10は、第2制限板67Cに設けられた開口H3を通過した第3の有機材料の蒸着速度を検出するものである。これらの膜厚計9,10は、第1制限板67Aの設置位置を基準にほぼ線対称な位置関係で配置されている。すなわち、膜厚計9は、蒸発源2の上方ではなく、蒸発源2の側方となる制限板67Bの外側で、蒸発源2の中心部と開口H2の中心部とを結ぶ中心線の延長線上に、蒸発源2と対向する状態で配置されている。同様に、膜厚計10は、蒸発源3の上方ではなく、蒸発源3の側方となる制限板67Cの外側で、蒸発源3の中心部と開口H3の中心部とを結ぶ中心線の延長線上に、蒸発源3と対向する状態で配置されている。また、各々の膜厚計9,10は、上記膜厚計8と同様に、それぞれに対応する蒸発源2,3のライン長手方向に複数設置されている。
【0032】
続いて、上記構成の製造装置を用いて行われる有機電界発光素子の製造方法について説明する。先ず、基板搬送装置4のコンベア14に間隔をあけずに(詰めて)素子基板12を載せ、搬送モータ13の駆動により素子基板12を矢印方向に移動させる。これにより、素子基板12は、3つの蒸発源1,2,3と対向する位置を順に通過することになる。
【0033】
その際、蒸発源1で第1の有機材料を、蒸発源2で第2の有機材料を、蒸発源3で第3の蒸発源をそれぞれ蒸発させることにより、搬送モータ13の駆動によってコンベア14上を移動する素子基板の一面(図の下面)に、第1の有機材料と、第2の有機材料及び第3の有機材料を混合した混合材料とが順に蒸着される。その結果、素子基板12上には、第1の有機材料からなる薄膜層と、第2の有機材料及び第3の有機材料の混合材料からなる薄膜層とを積層した積層構造を有する有機層が形成される。
【0034】
このように素子基板12に有機材料を蒸着させて有機層を形成するにあたり、蒸発源1から蒸発した第1の有機材料を、制限板5Aに形成した開口H1を通過させるとともに、この開口H1を通過した第1の有機材料の蒸着速度を膜厚計8で検出し、この検出結果に基づいて蒸発源1からの第1の有機材料の蒸発量を制御装置11で制御することにより、基板搬送装置4によって搬送される素子基板12の位置に関係なく、蒸発源1から蒸発する第1の有機材料の蒸着速度を膜厚計8で連続的に検出することができる。そのため、制御装置11では、素子基板12に第1の有機材料を蒸着している最中でも、膜厚制御を中断することなく、膜厚計8で検出された蒸着速度に基づいて蒸発源1からの蒸発量をリアルタイムに制御することができる。この効果は、第2の有機材料及び第3の有機材料の混合材料を素子基板12に蒸着させる場合も同様に得られる。
【0035】
また、蒸発源1と膜厚計8との間に制限板5Aが介在し、この制限板5Aによって蒸発源1からの放射熱が遮られるため、膜厚計8を使って蒸着速度を検出する際の温度ドリフトを抑制することができる。同様に、蒸発源2と膜厚計9との間には制限板67Bが介在し、蒸発源3と膜厚計10との間には制限板67Cが介在するため、膜厚計9,10を使って蒸着温度を検出する際の温度ドリフトを抑制することもできる。
【0036】
さらに、基板搬送装置4においては、間隔をあけずに素子基板12を並べて搬送できるため、有機材料を蒸着する際の処理効率を高めることができる。また、蒸発源1,2,3の上方に膜厚計を設置する必要がなくなるため、その分の設置スペースの削減により、真空チャンバーの高さ寸法を縮小して真空チャンバーの容積を減少させることができる。これにより、排気速度ならびに真空度を高めることが可能となる。
【0037】
また、第2の有機材料と第3の有機材料を混合した混合材料を素子基板12に蒸着させる場合に、蒸発源2から蒸発した第2の有機材料の蒸着速度と、蒸発源3から蒸発した第3の有機材料の蒸着速度とを、それぞれクロストーク無しで膜厚計9,10により個別に検出することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、蒸発源から蒸発した有機材料の飛散範囲を制限する制限部材に開口を設け、この開口を通過した有機材料の蒸着速度を検出手段で検出する構成としたので、素子基板に有機材料を蒸着している最中でも、有機材料の蒸着速度を検出することができる。これにより、素子基板に蒸着される有機材料の膜厚をリアルタイムに制御することが可能となる。その結果、有機材料の膜厚を、より高精度に制御することができる。また、蒸発源と検出手段との間に制限部材が介在し、この制限部材によって蒸発源からの放射熱が遮られるため、検出手段で蒸着速度を検出する際の温度ドリフトを抑制することができる。また、複数の蒸発源を並列配置したインライン方式の装置構成を採用した場合は、各々の蒸発源と素子基板との相対位置に関係なく、各々の蒸発源から蒸発した有機材料の蒸着速度を常時検出し、この検出結果に基づいて各々の蒸発源からの有機材料の蒸発量をリアルタイムに制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の製造装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の製造装置の全体構成を示す概略図である。
【図3】有機電界発光素子の製造装置の構成例を示す概略図である。
【図4】ライン型蒸発源の具体的な構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3…蒸発源、4…基板搬送装置、5,6,7,67…制限部材、5A,5B,6A,6B,7A,7B,67A,67B,67C…制限板、8,9,10…膜厚計、11…制御装置、12…素子基板、13…搬送モータ、14…コンベア

Claims (7)

  1. 有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させる際に用いられる有機電界発光素子の製造装置であって、
    有機材料を蒸発させる蒸発源と、
    前記蒸発源から蒸発した有機材料の飛散範囲を制限するとともに、前記蒸発源から蒸発した有機材料を通過させる開口を有する制限部材と、
    前記制限部材の前記開口を通過した有機材料の蒸着速度を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造装置。
  2. 前記検出手段によって検出された前記有機材料の蒸着速度に基づいて、前記蒸発源からの有機材料の蒸発量を制御する制御手段を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造装置。
  3. 前記蒸発源は、ライン状に形成されたものであって、
    前記蒸発源のライン長手方向と直交するプロセス方向で前記蒸発源と前記素子基板との相対位置を可変する可変手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造装置。
  4. 前記ライン状の蒸発源は、前記プロセス方向に複数並べて設けられ、
    前記可変手段は、前記複数の蒸発源と対向する位置を順に通過するように、前記プロセス方向で前記蒸発源と前記素子基板との相対位置を可変する
    ことを特徴とする請求項3記載の有機電界発光素子の製造装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数の蒸発源ごとに前記蒸発量を個別に制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の有機電界発光素子の製造装置。
  6. 前記複数の蒸発源のうち、前記プロセス方向で隣り合う2つの蒸発源は、それぞれ異なる種類の有機材料を混合した状態で前記素子基板に蒸着させるものであって、
    前記2つの蒸発源に対応する前記制限部材は、前記2つの蒸発源の間に設置された第1制限板と、前記2つの蒸発源の外側に設置され且つ前記開口を有する一対の第2制限板とによって構成され、
    前記2つの蒸発源に対応する前記検出手段は、前記一対の第2制限板の外側に設けられるとともに、前記第1制限板の設置位置を基準にほぼ線対称な位置に配置された一対の検出器によって構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の有機電界発光素子の製造装置。
  7. 有機電界発光素子の素子基板に有機材料を蒸着させる際に、
    蒸発源から蒸発した有機材料の拡散範囲を制限する制限部材に前記蒸発源から蒸発した有機材料を通過させる開口を設け、この開口を通過した有機材料の蒸着速度を検出して、前記蒸発源からの有機材料の蒸発量を制御する
    ことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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