JP4696710B2 - 蒸着成膜装置および蒸着源 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸着成膜装置および蒸着源に関し、特には有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)の製造に好適に用いられる蒸着成膜装置およびこの蒸着成膜装置に設けられる蒸着源に関する。
近年、平面型の表示装置として、有機EL素子を発光素子としたもの(以下「有機ELディスプレイ」という)が注目を集めている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため消費電力の点でバックライト型(液晶ディスプレイ等)に比べて有利であるとともに、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を具備すると考えられている。
このような有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込む構造を持つ。そして、有機材料からなる有機層に対して、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ注入され、その有機層にて正孔と電子が再結合して発光が生じるようになっている。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。また、有機材料(蛍光物質)を適宜選択することによって、所望する色彩の発光も得ることができる。これらのことから、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として、非常に有望視されている。
ところで、有機EL素子における有機層を形成する有機材料は、耐水性が低く、ウエットプロセスを利用できない。そのため、有機層を形成する際には、真空薄膜成膜技術を利用した真空蒸着を行うのが一般的である。すなわち、有機層を形成するための有機EL素子用の蒸着成膜装置としては、真空チャンバ内に有機材料の蒸着源を備えたものが広く用いられている。
図6(1)に示すように、このような蒸着成膜装置に設けられた蒸着源100は、ライン状に並ぶ複数の開口11を備えており、この開口11を介して有機材料などの蒸着物質mの蒸気を供給する構成となっている。そして、成膜対象物である基板Wを、開口11の配列方向(ライン状の延設方向)と直交する図面上の矢印方向に移動させることによって、基板W上への蒸着膜(有機層)の成膜が行われる。また、基板W上に成膜される蒸着膜の膜厚を均一化することを目的として、開口11が並ぶ方向における端縁側において、開口11のピッチを小さくすることで、ラインの端縁側と中央付近とで蒸着物質mの蒸発量の分布を均一にする構成が提案されている(下記特許文献1参照)。
図6(2)には、図6(1)における開口11の配列方向についての蒸着源100の断面図を示す。この図に示すように、蒸着源100は、蒸着物質mを収容するルツボ12と、このルツボ12が出し入れ自在に収納される外箱13と、この外箱13を外側から加熱するための熱源14とを備えている。ルツボ12は、熱源14からの熱が効率良く伝わるように、外箱13の床面上に直置きで密着配置されている。そして、このルツボ12における広口開口の上部にあたる外箱13の天面に、複数の開口11がライン状に配列された構成となっている。
特開2004−95275号公報
しかしながら、上述した構成の蒸着成膜装置においては、開口11を備えた外箱13内にルツボ12を直置きで収納する構成であるため、外箱13の床面とルツボ12の底面との接触状態によって、ルツボ12の温度が左右され易い。つまり、外箱13は、通常、カーボンなどの熱伝導の良好な材料を用いて構成されている。これに対して、ルツボ12は、内部に収容される蒸着物質との相性を考慮して選択された材料の中から、熱伝導の良好な材料が選択されて用いられている。このため、外箱13の床面やルツボ12の底面に、僅かでも凸部などの突起があると、この部分Aの熱がルツボ12から外箱13を介して放熱され、他の部分よりも温度が上昇し難くなるのである。また、外箱13とルツボ12の材質によっては、これとは逆にこの部分Aの温度が局部的に上昇する場合もある。
ここで、通常、ルツボ12からの蒸着物質mの蒸発量はそのルツボ12の温度との相関がある。したがって、以上のようにルツボ12の温度が不均一であると、各開口11が配置されたラインの長さ方向における蒸着物質mの蒸発量の分布、すなわち蒸着膜(有機層)の膜厚の分布にばらつきが生じてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、蒸発させた蒸着物質が供給される開口を複数設けた構成であっても、各開口からの蒸着物質の蒸発供給量を均一化することができ、これにより、膜厚の均一な蒸着膜を得ることが可能な蒸着成膜装置、およびこれに用いる蒸着源を提供することを目的としている。
本発明による蒸着成膜装置は、天面に複数の開口がライン状に配列されている外箱と、当該外箱内に収納されるルツボと、当該外箱を加熱する熱源とを備えた蒸着源を有し、ルツボには、外箱の床面との間に間隔を設けるための脚部が設けられ、脚部は、複数の開口の配列方向における両端側に設けられているものである。
本発明による蒸着源は、天面に複数の開口がライン状に配列されている外箱と、蒸着物質を収容して当該外箱内に収納されるルツボと、当該外箱を加熱する熱源とを備え、ルツボには、外箱の床面との間に間隔を設けるための脚部が設けられ、脚部は、複数の開口の配列方向における両端側に設けられているものである。
このような構成の蒸着源では、ルツボに脚部を設けることでルツボと外箱の床面との間に間隔を設けた構成となっていることから、熱源によって加熱された外箱とルツボとの間の熱伝導は、間隔を介しての輻射熱と脚部を介しての熱伝導のみにとなる。このうち輻射熱は、ルツボ全体に対してより均等に熱量を与えるため、局部的な熱変動を引き起こすことはない。一方、脚部を介しての熱伝導は、ルツボに対して局部的な熱変動をもたらすが、その配置箇所により局部的な熱変動の位置が制御される。したがって、蒸着成膜に関与しない位置、すなわち、複数の開口の配列方向における両端側に脚部を設けることで、蒸着成膜に関与するルツボ部分を均等に加熱することができ、このルツボ部分の各部からの蒸着物質の蒸発量を均一化することができる。
以上説明したように本発明によれば、開口が設けられた外箱内に配置されたルツボにおいて、ルツボの各部からの蒸着物質の蒸発量を均一化することができる。このため、ルツボの上部に設けられた複数の開口からの蒸着物質の供給量を均一化することが可能になり、これにより膜厚の均一な蒸着膜を形成することが可能になる。
以下、本発明に係る蒸着源およびこれを用いた蒸着成膜装置の構成を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る蒸着成膜装置の概略構成例を示す模式図である。また、図2(1),図2(2)は、この蒸着成膜装置に設けられた本発明に係る蒸着源の構成例を示すそれぞれの方向の断面模式図である。尚、図6を用いて説明した従来の構成と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を行う。
これらの図1および図2に示す蒸着成膜装置1は、例えば有機EL素子の製造において、ガラス基板W上に有機層を成膜するためのものである。このような蒸着成膜装置1は、図示しない真空チャンバ内に配設された有機材料(蒸着物質m)の蒸着源10と、その蒸着源10とガラス基板Wとの相対位置を可変させるための搬送手段(図示省略)とを備えている。
このうち蒸着源10は、いわゆるライン型と呼ばれるもので、ガラス基板Wとの相対位置可変方向(図中矢印に示す方向)と略直交する方向にライン状に一列に並ぶ複数の開口11を有している。この蒸着源10は、図2に示すように、蒸着物質mを収容するルツボ12と、このルツボ12が出し入れ自在に収納される外箱13と、この外箱13を外側から加熱するための熱源14とを備えている。そして、ルツボ12における広口開口の上部にあたる外箱13の天面13aに、開口11がライン状に配列された構成となっている。
開口11は、蒸着膜の膜厚分布がより均等になるような間隔でライン状に配列されていることとする。このため、例えば均等な間隔で配列されるか、または、開口11が並ぶ方向における端縁側において、間隔を狭くして配置されていても良い。
ここで、ルツボ12は、内部に収容する蒸着物質mとの反応性が小さい耐熱性材料の中から、熱伝導性が良好な材料が選択して用いられる。ここでは蒸着物質mとして有機材料が用いられるため、ルツボ12は、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等を用いて構成されていることとする。また外箱13は、熱導電性が高い材料を用いて構成されることが好ましく、例えばカーボンからなる。そして、熱源14は、例えば熱伝対および温度調整器により構成され温度制御されたヒータからなるものである。
以上のような構成により、蒸着源10では、熱源14によって外箱13を加熱すると、これによって外箱13内に収納されたルツボ12が加熱され、このルツボ12内に収容された有機材料(蒸着材料m)が蒸発し、開口11を通って飛散するようになっている。
また、搬送手段は、ガラス基板Wを移動させることで、蒸着源10とガラス基板Wとの相対位置を可変させるようになっている。このとき、ガラス基板Wの移動は、真空中で行う必要がある。そのため、搬送手段としては、ガラス基板Wを搭載した台車をワイヤに接続し、そのワイヤを外部からサーボモータ等によって定速駆動して引っ張る、といったシンプルな方式を採用することが考えられる。ただし、脱ガスの対策等がなされていれば、周知技術であるボールネジやベルトコンベア等による搬送方式を用いても構わないことは勿論である。
ところで、本実施形態の蒸着成膜装置は、図2に示すように、蒸着源10におけるルツボ12の底面に大きな特徴がある。すなわち、この蒸着成膜装置に設けられた蒸着源10においては、ルツボ12の底面に脚部15が設けられ、これによってルツボ12と外箱13の床面13bとの間に間隔dが設けられた構成となっている。
これらの脚部15は、開口11の位置等を考慮しつつ、蒸着膜の膜厚分布に影響を与えない程度の端の位置に設置することが望ましい。したがって、脚部15は、開口11が配列されたライン方向の両端側において、上方に開口11が配置されていない位置に設けられることとする。具体的には、開口11の配列方向の両端において、最端部に配置された開口11から水平方向にt=10mm以上離した外側の位置に、脚部15が配置されることが好ましい。
このように設けられた脚部15の材質は、ルツボ12と同じ材質で、熱伝導を考慮するとルツボ12と一体になっている構造が望ましい。脚部15の高さは、外箱13の床面13bとの間に間隔dが存在すれば良く、具体的にはd=0.5〜2.0mm程度であれば十分である。尚、この脚部15からの熱伝導によるルツボ12の加熱を期待しなくて良い場合には、脚部15は、ルツボ12の本体と一体でなくても良く、また異なる材質で構成されていても良い。
尚、図示したように、ルツボ12は、外箱13の内壁に対しても間隔を設けて配置されていることが好ましい。これにより、ルツボ12の加熱の大部分を輻射熱による加熱とすることができる。
続いて、以上のように構成された蒸着成膜装置における処理動作例について説明する。ガラス基板W上への有機層の蒸着成膜にあたっては、先ず、成膜対象物となるガラス基板Wがハンドリングロボットや搬送コンベア等によって真空チャンバ内に搬送される。そして、蒸着源10のルツボ12が外箱13を介して熱源14により加熱温度制御され、その中の有機材料(蒸着物質m)が蒸発し開口11を通って飛散している状態で、その蒸着源10の上方側を搬送手段がガラス基板Wを一定速度で移動させる。これにより、そのガラス基板Wには、有機材料の薄膜(有機層)が蒸着膜として形成されることになる。
ただし、このときに図6(2)を用いて説明した従来構成の蒸着成膜装置のように、ルツボ12の底面全体が外箱13の床面に接触していると、熱源14によって外箱13が均一に加熱されていたとしても、外箱13とルツボ14との間の接触状態によっては、外箱13からルツボ12に対して局部的に熱が伝達(放熱)され、ルツボ12の加熱状態の均一性が奪われる結果となる。
これに対して、図2を用いて説明した本実施形態の蒸着源10を備えた蒸着成膜装置では、ルツボ12の底面に脚部15が配設されているので、ルツボ12と外箱13との間の直接的な熱伝達は脚部15を介してのみなとなる。このため、ルツボ12の加熱の大部分は、間隔dを介しての輻射熱によっての加熱となり、外箱13との接触状態に左右された局部的な熱変動が生じることが抑えられる。つまり、ルツボ12の加熱のほとんどは、外箱13からの輻射熱によってなされるようになるため、熱源14の各部分の加熱温度制御に依存することなく、ほぼ均等にルツボ12が加熱されることになるのである。これにより、熱源14の部分的な高精度の温度制御を行うことなく、熱源14の温度調整を行って所望温度となるように制御するだけで、蒸着物質mの蒸発量の分布の均一化を図ることが可能になる。この結果、この蒸着源10の上方を通過するガラス基板Wに均等な膜厚の蒸着膜を形成することが可能となる。
また、ラインの熱源14を複数に分割して単位面積あたりの蒸着量を均一にするといった制御を必要とする場合には、温度制御系が相互干渉を起こしすため、蒸発量の制御が不安定である。しかしながら、上述したように本実施形態では、このような熱源14の部分的な高精度の温度制御を行う必要なく、熱源14の全体的な温度調整によって所望温度となるように制御するだけで良いため、部分的な温度制御の相互干渉による不安定性もなく、安定した蒸着量の制御が可能である。
また、脚部15が配設されている部分の直上には、開口11が配設されていない。このため、脚部15と外箱13との接触によって、脚部15が設けられたルツボ12部分が局部的に熱変動したとしても、この部分から蒸発した蒸着物質mが蒸着源10から供給されることはない。したがって、ガラス基板W上に形成される蒸着膜の全域において、膜厚の均一化を図ることができる。
また、いわゆるライン型の蒸着源10であるため、一列に並んだ開口11の両端縁まで均一な膜厚分布が得られるので、蒸着可能な領域をその端縁近傍まで確保することができる。そのため、有機材料が無駄になってしまうこともなく、その使用効率を上げて有効利用を図ることができるので、材料使用効率やコスト等の観点からも好適なものとなると言える。
ここで、図6を用いて説明した従来構成の蒸着源を備えた蒸着成膜装置と、図1,2を用いて説明した本実施形態の構成の蒸着源を備えた蒸着成膜装置とについて、それぞれを用いた蒸着成膜で得られる蒸着膜の膜厚分布のシミュレーション結果を図3に示す。この結果に示すように、従来例となるルツボに脚部が設けられていない蒸着源を用いた成膜では、膜厚が極端に薄い箇所が局部的に生じ、全体的な膜厚分布のバラツキが±2〜3%となった。これに対して、実施形態となるルツボに脚部を設けた蒸着源を用いた成膜では、局部的な薄膜化が抑えられ、全体的な膜厚分布のバラツキを±1%に抑えることができ、ルツボに脚部を設けることによる効果が確認された。
尚、熱源14の全体的な加熱温度制御は、膜厚モニタによるモニタリング結果を基にして行ってもよい。詳しくは、周知の膜厚モニタを用いて蒸着源10からの蒸着物質mの蒸着速度を検出して、ガラス基板W上に成膜された蒸着膜の膜厚をモニタリングし、そのモニタリング結果を基にして蒸着速度が所定値となるように、熱源14の加熱温度をコントロールすることが考えられる。このような加熱温度制御を行えば、ルツボ12底面に脚部15を設けた構造による成膜厚さの均一化と併せて、より一層高精度に蒸着膜の膜厚調整を行うことが可能になる。
また、熱源14の加熱温度制御は、熱源14の全体に対して一律に行うと、安定した温度制御の実現が容易となるが、その加熱温度制御を行うための温度制御手段(例えば温度調整器)を、ラインの長さ方向に複数に分割しても構わない。この場合、それぞれの分割領域毎に加熱温度制御を行えるので、膜厚分布に対して熱源14の温度を部分的に調整するといったことが可能となる。そして、このような分割領域毎の加熱温度制御を行う場合には、膜厚モニタによるモニタリングも分割領域毎に個別に行うようにすることが考えられる。すなわち、複数の膜厚モニタと複数の温度制御手段を設置し、それぞれ個別のレート制御(蒸着速度制御)をしながら、ルツボ14底面の脚付き構造による成膜厚さの均一化と併せて、膜厚の分布を一定に保つようにしてもよい。このようにすれば、有機層の膜厚調整の更なる高精度化が期待できる。ただし、本実施形態の蒸着成膜装置では、上述したように、温度の可変量がルツボ12の底面に脚部を設けていない従来構造と比較して、そもそものルツボの温度バラツキが小さく抑えられる。このため、従来の蒸着成膜装置と比較して、このような分割領域毎の調整を高精度に行う必要はない。
尚、上述した実施形態においては、真空チャンバ内に1つの蒸着源10を配置した構成を例示した。しかしながら、本発明の蒸着成膜装置は、真空チャンバ内に複数の蒸着源10を配置した構成であっても良い。ただし、その場合であっても、ルツボ12底面の脚付き構造で構成されているものとする。そして、真空チャンバ内には、例えば各蒸着源10を、開口11の配列方向と垂直な方向に並べて配置することとする。これらの蒸着源10のルツボ12内には、それぞれ異なる蒸着物質mを収容しておくことが考えられる。このように、真空チャンバ内に複数の蒸着源10を並列配置した場合には、その上方にて蒸着源10の配列方向(開口11の配列と垂直な方向)にガラス基板Wを移動させることで、そのガラス基板Wが各蒸着源10と対向する位置を順に通過する。したがって、ガラス基板W上には、各蒸着源10からの蒸着物質mが順に積層されることになる。これにより、積層構造の蒸着膜の成膜を、連続的に行うことが可能になる。
次に、以上のような構成の蒸着成膜装置を用いて製造される有機EL素子について簡単に説明する。図4は有機EL素子の概略構成例を示す模式図であり、図5はその製造の際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。
図4に示すように、有機EL素子21は、ガラス基板W上に形成されたもので、ここでの図示を省略した陽極と陰極との間に、それぞれ異なる材料からなる複数の有機層21a〜21dが順次積層されてなるものである。なおここでは、積層される有機層の層数が四つである場合を例に挙げているが、これに限定されないことは勿論である。これら複数の有機層21a〜21dの成膜は、複数の蒸着源10が並列配置された蒸着成膜装置を用いて連続的に行っても、あるいは一つの蒸着源10のみが配設された蒸着成膜装置を用いて順次個別に行っても構わない。
ところで、ガラス基板W上には、図示はしていないが、例えばR,G,Bの各色成分に対応した複数の有機EL素子21が、所定パターンに従ってマトリクス状に縦横に配列されている。各有機EL素子21の間の相違は、有機層21a〜21dを構成する有機材料(蛍光物質)にある。これにより、これらガラス基板Wおよび各有機EL素子21を備えて構成された有機ELディスプレイでは、各有機EL素子に所定波長の光を選択的に発生させて、カラー画像の表示を行うことが可能になるのである。
このようなカラー画像を表示するための各有機EL素子21の配列は、例えばR,G,Bの各色成分に対応した有機層21のパターニング成膜によって各有機EL素子21を個別に形成することで実現可能となる。ここで、パターニング成膜のために用いられる治具の概略構成について説明する。
パターニング成膜は、図5に示すように、平板状に形成され、鉄(Fe)やニッケル(Ni)等の強磁性体からなるメタルマスク31を用いて行われる。メタルマスク31は、例えば、R,G,Bの各色成分の所定の成膜パターンに対応した複数の開孔32が穿設されている3種類が用意される。各メタルマスク31は、蒸着成膜の対象となるガラス基板Wの一面側を覆うようにそのガラス基板Wと密着した状態で、ガラス基板Wの他面側に配された磁石33が発生させる磁力によって固定されるようになっている。このように構成される治具を、メタルマスク31を蒸着源10に向けた状態で、その蒸着源10上を一定速度で移動させれば、ガラス基板W上には、所定パターンの成膜を行うことができる。そして、このような成膜を、メタルマスク31を取り替えて、同一のガラス基板Wに対して3回行うことにより、R,G,Bの各色成分に対応した有機層21を、それぞれの位置にパターニング成膜することができる。
なお、本実施形態では、本発明の実施の好適な具体例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々変形することが可能である。すなわち、本実施形態で説明した蒸着成膜装置を構成する各構成要素の材質、形状、動作機構等は、必ずしもこれらに限られるものではなく、各構成要素の機能を同様に確保することが可能な限り、自由に変更可能である。この場合においても、本実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。例えば、本実施形態では、板状のガラス基板W上に有機EL素子21を形成する場合を例に挙げて説明したが、樹脂材料からなるフィルム素材等のようなロール状の基板であっても、全く同様に対応することができる。また、この蒸着成膜装置によって成膜される蒸着膜は、有機層に限定されることはなく、他の材料膜を成膜することも可能である。
本発明に係る蒸着成膜装置の概略構成例を示す模式図である。 本発明に係る蒸着成膜装置の蒸着源の断面模式図である。 本発明の蒸着成膜装置を用いて成膜された蒸着膜の膜厚分布を示すグラフである。 本発明の蒸着成膜装置を用いて作製される有機EL素子の概略構成例を示す模式図である。 有機EL素子を製造する際に用いられる治具の構成例を示す模式図である。 従来の蒸着成膜装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…蒸着成膜装置、10…蒸着源、11…開口、12…ルツボ、13…外箱、13a…天面、13b…床面、14…熱源、15…脚部、21…有機層(蒸着膜)、d…間隔、m…蒸着物質、W…ガラス基板

Claims (4)

  1. 天面に複数の開口がライン状に配列されている外箱と、当該外箱内に収納されるルツボと、当該外箱を加熱する熱源とを備えた蒸着源を有し、
    前記ルツボには、前記外箱の床面との間に間隔を設けるための脚部が設けられ、
    前記脚部は、前記複数の開口の配列方向における両端側に設けられている
    着成膜装置。
  2. 膜対象となる基板を、前記蒸着源の上方に対向配置した状態で前記開口の配列方向と直交する方向に相対的に移動させて当該基板上に蒸着膜が成膜されるように構成され
    請求項1記載の蒸着成膜装置。
  3. 記ルツボに設けられた脚部は、前記開口が配列されている領域よりも外側に位置する
    請求項1または2記載の蒸着成膜装置。
  4. 天面に複数の開口がライン状に配列されている外箱と、蒸着物質を収容して当該外箱内に収納されるルツボと、当該外箱を加熱する熱源とを備え、
    前記ルツボには、前記外箱の床面との間に間隔を設けるための脚部が設けられ、
    前記脚部は、前記複数の開口の配列方向における両端側に設けられている
    着源。
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