JP4026219B2 - ディスク原盤作成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状光記録媒体を製作する際に用いられるディスク原盤の作成装置に関し、さらに詳しくはこのディスク原盤に情報信号等に対応したピットパターンや情報信号等が記録されるグルーブパターンを電子ビームによってカッティングするディスク原盤作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光ディスクは、ガラス原板からスタンパを製作するディスク原盤工程と、スタンパを組み込んだ成形金型によってディスクを成形するディスク化工程とを経て製作される。すなわち、ディスク原盤工程は、一般に主面にフォトレジスト層を形成したガラス原板に記録すべき情報信号等に対応したピットパターン潜像を形成するフォトレジスト層のカッティングを行った後、現像処理等や電鋳処理を施してスタンパを形成するためのディスク原盤を製作する。
【0003】
ディスク原盤のカッティングは、従来、大気雰囲気中で光源から出射された可視光や紫外線レーザを高倍率の対物レンズによって波長レベルのスポット径まで集束してガラス原板に形成したフォトレジスト層に照射することにより行っていた。したがって、光ディスクにおいては、情報信号等の高密度記録化の要求が大きいものの、記録用レーザ光のスポット径の限界によって記録すべき情報信号等の記録分解能が制限されることからその達成に限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクにおいては、ディスク原盤のカッティングに際して、可視光や紫外線レーザよりも波長が短く記録分解能の向上が図られる電子ビームを用いることによって情報信号等の高密度記録化を達成する方法が検討されている。ディスク原盤作成装置は、電子ビームが大気中において著しく拡散、減衰する特性を有していることから、従来のレーザカッティング装置のレーザ光源を単に電子ビームを出射集束する電子銃に置き換えることによって構成することはできない。ディスク原盤作成装置は、電子銃或いはディスク原盤等の電子ビームが伝播或いは通過する部位を真空空間中に構成しなければならない。
【0005】
提案された電子ビームを用いるディスク原盤作成装置は、従来のレーザを用いたディスク原盤作成装置と同様に、電子ビームの照射位置とディスク原盤の半径方向の相対的移動とを直線移動機構によって行うように構成されている。すなわち、かかるディスク原盤作成装置においても、ディスク原盤が、ターンテーブルやスピンドルモータ等からなる回転駆動機構によって位置決め保持して回転駆動されるとともに、この回転駆動機構をトラッキング駆動機構によりディスク原盤の直径方向に移動動作させるように構成されている。
【0006】
ディスク原盤作成装置は、ディスク原盤に対して微細なピッチで微小なピットパターン潜像を形成することから、各駆動機構が極めて高精度に位置決め制御されるとともに駆動制御されなければならない。ディスク原盤作成装置は、かかる高精度の位置決め制御或いは駆動制御を行うために、トラッキング駆動機構の可動部位が低摩擦係数であるとともに摩擦変動が小さい機構によって構成されなければならない。勿論、ディスク原盤作成装置は、上述したように少なくともディスク原盤と電子ビームの出射部とが真空条件に保持されることを必須の構成要件とされなければならない。
【0007】
すなわち、ディスク原盤作成装置は、ディスク原盤を駆動する回転駆動機構がトラッキング駆動機構によって高精度に位置決め制御されて直線移動されるとともに、移動領域の全域に亘ってシールド機構により真空槽の真空条件が保持される構成が必要とされる。しかしながら、かかる条件を達成する構成は、未だ実現されておらず、電子ビームによってカッティングを行う実用的なディスク原盤作成装置の実現が困難な状況にある。
【0008】
このため、電子ビームを用いたディスク原盤作成装置としては、例えば電子銃や、ディスク原盤の駆動機構を構成する回転駆動機構とトラッキング駆動機構等を全て真空槽内に収納して構成することが考慮される。しかしながら、かかるディスク原盤作成装置は、真空槽が大型化するとともにこの真空槽内の真空条件を保持するために大容量の真空ポンプを必要とすることから、莫大な設備コストとランニングコストとが必要となって光ディスクの製造コストを増大させるといった問題がある。また、ディスク原盤作成装置は、真空槽内を所定の真空条件に設定するための準備時間が長くなって効率が低下するとともに保守点検等の能率も悪くなるといった問題がある。
【0009】
さらに、かかるディスク原盤作成装置においては、各機構部が真空条件下で高精度の位置決め制御、駆動制御が行われなければならない。機構部は、真空条件下において、大気雰囲気中と比較して各部の摩擦力が大きくなるといった特徴を有している。ディスク原盤作成装置は、微細加工装置であることから、各機構部に使用する潤滑剤の影響を抑えるためにその使用量が制限される。したがって、ディスク原盤作成装置は、各機構部位が上述した厳しい条件をクリアする材質、構造、品質を以って構成されなければならずその実現が極めて困難であるばかりでなく、例え実用化された場合にも大気雰囲気中で使用されるものと比較して極めて高価となってしまうといった問題がある。
【0010】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決して電子ビームによるディスク原盤のカッティングの実用化を達成したディスク原盤作成装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明にかかるディスク原盤作成装置は、主面に電子線用レジスト層が成膜形成されてなるディスク原盤をターンテーブル上に位置決め保持した状態で収納する真空槽と、上記ターンテーブルを含み上記ディスク原盤を所定の速度で回転駆動する原盤回転機構部と、上記真空槽内に臨ませられた電子ビーム出射面から記録する情報信号等に応じて電子ビームスポットを上記ディスク原盤の主面に照射して上記電子線用レジスト層のカッティングを行う電子ビーム出射ヘッド機構部とを備え、上記原盤回転機構部と上記電子ビーム出射ヘッド機構部とは、いずれか一方の機構部が固定部として構成されるとともに他方の機構部が上記真空槽に対して静圧軸受によって回転部を支持されてなる回転駆動機構にその回転中心に対して偏芯された位置に搭載されることにより円弧状の軌道上に沿って移動される回動部として構成されてなり、上記回転駆動機構は、上記真空槽の外部に設けられており、上記原盤回転機構によって回転駆動される上記ディスク原盤に対して、上記電子ビームスポットが半径方向にスパイラル状に移動して上記電子線用レジスト層のカッティングが行われる。
また、本発明にかかるディスク原盤作成装置は、ディスク原盤をターンテーブル上に保持した状態で収納する真空槽と、上記ターンテーブルを含み上記ディスク原盤を回転駆動する原盤回転機構部と、上記真空槽内に臨ませられた電子ビーム出射面から電子ビームスポットを上記ディスク原盤に照射する電子ビーム出射ヘッド機構部とを備え、上記原盤回転機構部と上記電子ビーム出射ヘッド機構部とは、いずれか一方の機構部が固定部として構成されるとともに他方の機構部が上記真空槽に対して静圧軸受によって回転部を支持されてなる回転駆動機構に上記回転駆動機構の回転中心に対して偏芯された位置に搭載されることによって回動される回動部として構成されてなり、上記回転駆動機構は、上記真空槽の外部に設けられており、上記ディスク原盤に対して、上記電子ビームスポットが半径方向にスパイラル状に移動する。
【0012】
以上のように構成された本発明にかかるディスク原盤作成装置によれば、原盤回転機構部の駆動部位や回転駆動機構がそれぞれ静圧軸受を介して真空槽の外部に設けられることから、真空槽の小型化が図られるとともに、これら各駆動機構を真空条件下で高精度に駆動されるために必要な特殊な仕様で構成する必要は無くかつ高精度の位置決め制御や駆動制御が可能となる。また、ディスク原盤作成装置によれば、各静圧軸受によって真空槽内の真空条件が確実に保持される。したがって、ディスク原盤作成装置は、電子ビーム出射ヘッド機構から出射される電子ビームによってディスク原盤の電子線用レジスト層に記録する情報信号等に応じたピットパターン潜像等を極めて高精度かつ高密度にカッティングすることが可能となり、情報信号等の高密度記録化が図られたディスク状光記録媒体の製造を実現する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態として示すディスク原盤作成装置10は、光ディスクの製造工程に設置されてディスク原盤1に情報信号等に応じてピットパターン潜像をスパイラル状にカッティングする。ディスク原盤作成装置10は、例えば直径12cmの光ディスクについて記憶容量が30GBとする高密度記録化を図るために、ディスク原盤1に対してトラックピッチが0.29μm、ピッチ幅が0.14μm、最短ピッチ長が0.16μmのピットパターン潜像をカッティングする。
【0014】
ディスク原盤1は、図6(A)に示すように、高精度に研磨した厚みが数mmの石英ガラス板2の表面に電子線用レジスト層3が塗布されてなる。ディスク原盤1は、石英ガラス板2の他にも、例えばセラミックや金属板等が用いられ、数十nm以下の表面粗さでかつ数μm以下の平行平面を以って精密に形成される。勿論、ディスク原盤1は、情報信号等の記録エリアよりも大きな外径を有し、円盤或いは多角形に形成される。
【0015】
電子線用レジスト層3は、例えばスピンコート法等によって石英ガラス板2の表面に電子線用レジスト剤が均一な厚みで塗布されてなる。電子線用レジスト剤には、露光により酸が生成され、この酸が触媒として作用する感光性樹脂からなるいわゆる化学増幅形レジストが用いられる。電子線用レジスト層3は、厚みが100nm乃至200nmの範囲でλ/(4n)(但し、λは読取光の波長、nはディスク基板の屈折率)の条件を満たして成膜される。
【0016】
ディスク原盤1には、後述するようにディスク原盤作成装置10によって情報信号等に応じて変調された電子ビームが電子線用レジスト層3に照射される。ディスク原盤1には、図5に示すように、回転駆動された状態で電子ビームがその主面に対して円弧状軌道を以って移動しながら電子線用レジスト層3に照射される。ディスク原盤1は、電子線用レジスト層3の電子ビームが照射された部分がアルカリ可溶状態となる。
【0017】
したがって、ディスク原盤1は、カッティング終了後にアルカリ現像液による現像処理が施されることによって露光された部分の電子線用レジスト剤が除去され、図6(B)に示すように、石英ガラス板2の表面に情報信号等に応じたピットパターン4が精密に形成される。ディスク原盤1は、従来と同様に、無電解メッキやスバッタリング等によってピットパターン4が形成された表面の導体化処理が施された後、電鋳メッキ処理が施されてレプリカのスタンパを形成する。
【0018】
ディスク原盤作成装置10は、図1に示すように、真空槽11と、ディスク原盤1を回転駆動する原盤回転駆動機構12と、電子ビームを出射する電子ビーム出射ヘッド機構13と、この電子ビーム出射ヘッド機構13を回動させるヘッド回動駆動機構14等の各部によって構成される。真空槽11は、エアーダンパ15によって外部振動を除去する防振対策を施された状態で設置される。
【0019】
真空槽11には、詳細を省略する真空ポンプ16の給排管16aが接続されており、この真空ポンプ16を駆動することによって内部空間部17が所定の真空条件に設定保持される。さらに、真空槽11には、図示しないが内部空間部17にディスク原盤1を搬送して原盤回転駆動機構12に設置する搬送機構や、全体を大気雰囲気中にさらすこと無くディスク原盤1の出し入れを可能とするゲート機構等が付設される。
【0020】
真空槽11には、底面部11aに後述する原盤回転駆動機構12の出力軸25を内部空間部17へと貫通させる軸穴18が形成されている。この軸穴18は、図1に示すように底面部11aの中心に対して、側方に偏位した位置に形成されている。軸穴18には、内部空間部17を真空条件に保持するとともに出力軸25を回転自在に軸支する磁性流体シール19が組み付けられている。
【0021】
磁性流体シール19は、詳細を省略するが、周知のように磁性体を内包するコロイド流体を着磁された軸穴18或いは出力軸25との間に保持させてその磁力圧によりこの出力軸25を低摩擦係数かつ低摩擦変動で軸穴18に軸支するとともに真空槽11の真空条件を保持する。また、磁性流体シール19は、磁性流体の作用によって真空槽11の内部空間部17と大気との間をシールドしてこの内部空間部17の真空条件を保持する作用を奏する。
【0022】
真空槽11には、天井部11bに後述するヘッド回動駆動機構14のヘッド取付部材35を回転自在に支持するガイド軸穴20が形成されている。ガイド軸穴20は、図1及び図2に示すように、その中心が天井部11bの中心に位置するようにして、換言すれば底面部11aの軸穴18と中心を異にして形成されている。ガイド軸穴20にも、内部空間部17を真空条件に保持するとともにヘッド取付部材35を回転自在に支持する磁性流体シール21が組み付けられている。この磁性流体シール21も、上述した磁性流体シール19と同様に構成されている。磁性流体シール21は、後述するようにもっぱら回動されるヘッド取付部材35の筒状脚部37を低摩擦係数かつ低摩擦変動でガイド軸穴20に軸支するとともに真空槽11の真空条件を保持して内部空間部17に臨ませる作用を奏している。
【0023】
真空槽11には、図1及び図2に示すように、天井部11bの上面に環状の静圧軸受部22が設けられている。静圧軸受部22は、上述したヘッド回動駆動機構14のヘッド取付部材35を回転自在に支持する軸受であり、内周部分に全周に亘って軸受穴22aが形成されている。静圧軸受部22は、例えば多孔質絞り部材等の絞りと数10ミクロン以下のすきまで構成され、内部空間23が高圧の空気流で満たされており、真空槽11の内部空間部17の真空条件を保持する作用も奏している。
【0024】
原盤回転駆動機構12は、真空槽11の外部に設けられ静圧軸受やエンコーダ等を内蔵したDCブラシレスモータ24と、上述した磁性流体シール19を介して真空槽11の内部空間部17に導かれた出力軸25と、この出力軸25の先端部に取り付けられて回転駆動されるとともにディスク原盤1を位置決め載置するターンテーブル26等の部材によって構成されている。DCブラシレスモータ24は、図示しないサーボ機構により回転速度が精密に制御されるPLL制御型DCブラシレスモータにより構成される。DCブラシレスモータ24は、例えば図示しない回転型エンコーダによって検出される速度パルス信号と記録制御部から供給される指令パルス信号との位相差が検出され、その差を最小限に抑えるように回転速度が制御される。DCブラシレスモータ24は、例えば3600rpm程度までの高速回転駆動が可能とされ、サーボ機構によって1回転当たり10-7以下の回転ジッタで制御される。
【0025】
出力軸25は、大気雰囲気から軸穴18を貫通して真空雰囲気中に延在されるが、磁性流体シール19によって低摩擦係数及び低摩擦変動を以って軸受けされることから円滑な回転動作を行う。ターンテーブル26は、詳細を省略するがその主面上にディスク原盤1を位置決めした状態で真空チャッキングするとともにDCブラシレスモータ24によって所定の速度を以って回転駆動される。
【0026】
原盤回転駆動機構12は、上述したように駆動部位が大気雰囲気中に配置されるとともにディスク原盤1の載置部が真空槽11の内部空間部17に配置されてなる。原盤回転駆動機構12は、出力軸25を真空槽11に設けた磁性流体シール19によって軸受けされることから、ターンテーブル26が円滑かつ精密に回転されるとともに真空槽11を確実にシールドしてその内部空間部17の真空条件を確実に保持する。また、原盤回転駆動機構12は、上述したように軸穴18が真空槽11の中心に対して側方に偏位した位置に設けられていることから、その回転中心も真空槽11の中心に対して偏位してターンテーブル26を回転駆動する。
【0027】
電子ビーム出射ヘッド機構13は、詳細を後述するようにヘッド回動駆動機構14によって駆動されるヘッド取付部材35に搭載されており、円弧状の軌道に沿って移動される。電子ビーム出射ヘッド機構13は、図示しないコンピュータ制御装置により、電子ビーム出射のオン・オフ、電子ビームのビームスポットのサイズ調整或いは電子ビームのウォブリング等の制御が行われる。電子ビーム出射ヘッド機構13は、図3に詳細を示すように、一端側が電子ビームを出射する電子ビーム出射面27aとして構成された有底筒状の電子銃筒27と、この電子銃筒27の内部に順に組み合わされた電子銃28と、コンデンサレンズ29と、ブランキング電極30と、アパーチャ31と、ビーム偏向電極32と、フォーカス調整レンズ33と、対物レンズ34等によって構成されてなる。
【0028】
電子ビーム出射ヘッド機構13は、電子銃筒27がヘッド取付部材35に設けた取付穴36に貫通されるとともにその外周部に一体に形成した取付フランジ部27bを固定することによって、ヘッド取付部材35に取り付けられている。電子ビーム出射ヘッド機構13は、この状態において電子ビーム出射面27aが真空槽11の内部空間部17に臨ませられている。電子ビーム出射ヘッド機構13は、詳細には電子ビーム出射面27aが原盤回転駆動機構12のターンテーブル26上に位置決め載置されたディスク原盤1の主面と近接した状態で対向位置している。
【0029】
電子銃28は、例えばLaB6等の熱電子線銃によって構成され、陽極により数10KeVに加速された電子ビームを放出する。コンデンサレンズ29は、放出された電子ビームを集束してアパーチャ31へと導く。ブランキング電極30は、コンピュータ制御装置からの出力信号に基づいて電子ビーム出射のオン・オフ制御を行う。ブランキング電極30は、詳細には電極間に電圧が印加されることにより電子ビームを大きく偏向させてアパーチャ31の電子ビーム出射孔31aに集束させないようにすることによって電子ビームをオフ状態とする。
【0030】
ビーム偏向電極32は、電極間に電圧が印加されることにより電子ビームを偏向させるが、電子ビーム出射面27aから出射される電子ビームをディスク原盤1上でnmからμmの精度で偏向させるウォブリング作用を奏する電極である。フォーカス調整レンズ33は、進行方向に垂直に電界を与えて進路を偏向させる静電型或いは進行方向に垂直に磁界を与えて進路を偏向させる電磁型レンズであり、対物レンズ34とともにディスク原盤1に照射される電子ビームを数nmから数μmのスポット径に集光させて照射する。
【0031】
以上のように構成された電子ビーム出射ヘッド機構13は、図1及び図2に示すように、そのビーム軸L1がヘッド回動駆動機構14を構成するヘッド取付部材35にその回転中心O1から外方へと偏芯量Δxを以って偏芯位置されるようにして搭載されている。勿論、電子ビーム出射ヘッド機構13は、後述するようにヘッド回動駆動機構14によってヘッド取付部材35が回動された際に、ディスク原盤1のピットパターン形成領域を通過する円弧軌道上を通過するようにしてこのヘッド取付部材35に搭載される。
【0032】
ヘッド回動駆動機構14は、ヘッド取付部材35と、ヘッド駆動部材39と、ボイスコイルモータ42と、ピニオン44等の部材によって構成される。ヘッド取付部材35は、図1及び図2に示すように、底面に筒状脚部37が一体に形成された全体略円盤状を呈しており、その外周部38が上述した真空槽11に設けた静圧軸受部22によって回動自在に支持されている。
【0033】
すなわち、ヘッド取付部材35は、外周部38が軸受穴22aを介して高圧空気流が充填された内部空間23に臨ませられることによって、真空槽11に対して、その略中心位置を回動中心O1として回動自在に組み合わされている。ヘッド取付部材35は、この状態において筒状脚部37がガイド軸穴20を介して真空槽11の内部空間部17に臨ませられており、搭載した電子ビーム出射ヘッド機構13の先端部をこの内部空間部17に臨ませる。
【0034】
ヘッド取付部材35には、回動中心O1に対して電子ビーム出射ヘッド機構13の取付位置とほぼ対向する位置の上面に、ヘッド駆動部材39が取付部41を介して一体に取り付けられている。ヘッド駆動部材39は、ヘッド取付部材35と同心円の一部を構成する全体が円弧状を呈して形成されるとともに、静圧軸受部22を迂回するために断面がクランク状を呈して形成されている。ヘッド駆動部材39には、ヘッド取付部材35の上面と平行に対峙する水平部の外周縁に外周ウォームギャ40が形成されている。
【0035】
ヘッド駆動部材39は、ボイスコイルモータ42、回転軸43及び外周ウォームギャ40と噛合するピニオン44からなる駆動部によりディスク原盤1を載置したターンテーブル26の回転角度に応じて高精度に位置決め制御されて回動される。すなわち、ターンテーブル26は、上述したDCブラシレスモータ24に組み込まれた図示しない高分解能の回転型エンコーダによってその回転角度がパルス信号或いは回転角度をあらわすデジタル信号やアナログ信号として制御部へと供給されるように構成されている。制御部は、このターンテーブル26の角度情報に基づいて目標位置との位置誤差を検出してボイスコイルモータ42に制御出力を送出する。
【0036】
ボイスコイルモータ42は、この制御出力に基づいて回転軸43を所定の速度で回転させる。回転軸43には、ピニオン44が固定されている。したがって、ヘッド駆動部材39は、ピニオン44と噛合する外周ウォームギャ40を介して所定の速度で円弧状軌道を以って回動される。ヘッド回動駆動機構14は、ヘッド駆動部材39が一体化されたヘッド取付部材35を静圧軸受部22を介して高精度にかつ円滑に回動させる。したがって、このヘッド取付部材35に搭載された電子ビーム出射ヘッド機構13は、上述したようにディスク原盤1のピットパターン形成領域を通過する円弧軌道上に沿って所定の速度で移動される。なお、ヘッド回動駆動機構14は、バックラッシュが少なく高精度に位置決め伝達を可能とする外周ウォームギャ40とピニオン44とによって精密送り機構を構成したが、かかる送り機構に限定されるものでは無いことは勿論である。
【0037】
以上のように構成されたディスク原盤作成装置10においては、真空槽11を開放して内部空間部17に収納された原盤回転駆動機構12のターンテーブル26上にディスク原盤1が載置される。ディスク原盤1は、カッティング動作中に遠心力が発生して位置ずれが生じないように、その重心位置をターンテーブル26の回転中心に一致させて真空チャッキングされる。ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1を設置した状態で真空ポンプ16が駆動されて真空槽11の内部空間部17を排気して所定の真空条件に設定する。
【0038】
ディスク原盤作成装置10は、電子ビーム出射ヘッド機構13の制御部を調整操作して、電子ビーム出射面27aから出射される電子ビームが所定のスポット径でディスク原盤1の電子線用レジスト層3に集束するようにする。なお、この調整操作は、例えば電子ビームが電子線用レジスト層3で焦点を結ぶようにしたり、予め定めた間隔にディスク原盤1の主面と電子ビーム出射面27aとを調整位置させる等によって行う。
【0039】
ディスク原盤作成装置10は、ヘッド回動駆動機構14を駆動してディスク原盤1に形成するピットパターンの開始位置に電子ビーム出射面27aから出射される電子ビームのスポットが位置するように、ヘッド駆動部材39及びヘッド取付部材35を介して電子ビーム出射ヘッド機構13をディスク原盤1の半径方向に移動させる。ディスク原盤作成装置10は、原盤回転駆動機構12を駆動してディスク原盤1を所定の速度で回転駆動する。ディスク原盤作成装置10は、電子ビーム出射ヘッド機構13から電子ビームをディスク原盤1に照射するとともに、ヘッド回動駆動機構14を駆動して電子ビーム出射ヘッド機構13をディスク原盤1の半径方向へと移動させる。
【0040】
ディスク原盤作成装置10は、上述したようにディスク原盤1の回転中心とヘッド取付部材35の回転中心O1とが偏芯位置されるとともに、電子ビーム出射ヘッド機構13がヘッド取付部材35に対してその回転中心O1からΔxの偏芯量を以って偏芯して取り付けられて構成されている。したがって、ディスク原盤作成装置10は、電子ビーム出射ヘッド機構13から出射された電子ビームが回転駆動されるディスク原盤1の主面に対してスパイラル状に走査して情報信号等に応じたピットパターンのカッティングを行う。
【0041】
ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1に対するピットパターンのカッティングを、角速度一定、線速度一定或いはこれらを複合して行うことが可能であり、また電子ビーム出射ヘッド機構13の円弧移動の状態によって変化する円弧角度とピットパターンのトラックピッチの間隔も制御部の演算によって補正が可能とされる。ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1に対するピットパターンのカッティングの開始と終了とが、電子ビームの出射オン・オフとカッティング開始/終了位置または時間によって制御される。ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1の回転動作と電子ビームの出射オンによる走査とが実際の記録開始位置または時間よりも先行して行われる。また、ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1の停止動作と電子ビームの出射オフとが、実際の記録終了位置又は時間よりも遅れて行われる。
【0042】
ディスク原盤作成装置10は、電子ビーム出射ヘッド機構13のヘッド取付部材35の回転中心O1からの偏芯量Δxが、電子ビームがディスク原盤1の情報信号等の記録領域5の内周部5aから外周部5bまでを図4破線aで示すように走査可能とすることから、少なくとも記録領域5の半分の偏芯量に設定される。また、ディスク原盤作成装置10は、ディスク原盤1の記録領域5の内周部5a或いは外周部5bの領域外に例えば制御信号等の情報信号が記録される場合があるので、同図破線bで示すように電子ビームがこのディスク原盤1を走査可能とするように偏芯量Δxを設定することが好ましい。さらに、ディスク原盤作成装置10は、同図破線c、dに示すように電子ビームの円弧状軌道の曲率が大きいほど、走査中の円弧移動と直線移動との軌跡差が小さくなるので補正量も少なくなる。したがって、ディスク原盤作成装置10は、これらの条件と各機構部等の大きさ等の条件を勘案して最適な偏芯量Δxが設定される。
【0043】
上述した第1の実施の形態として示したディスク原盤作成装置10は、回転駆動されるディスク原盤1に対して電子ビーム出射ヘッド機構13が円弧状の軌道に沿って半径方向に移動するように構成されている。本発明の第2の実施の形態として図7に示したディスク原盤作成装置50は、電子ビーム出射ヘッド機構13が固定されるとともにディスク原盤1が回転駆動されながらこの電子ビーム出射ヘッド機構13に対して円弧状の軌道に沿って移動されるように構成したことを特徴とする。なお、以下のディスク原盤作成装置50の説明において、上述したディスク原盤作成装置10の各部と対応する部位については同一符号を付すことによってその詳細な説明を省略する。
【0044】
ディスク原盤作成装置50は、真空槽11の上面部11bに、その中心から側方に偏位した位置に設けられた取付穴11cに電子ビーム出射ヘッド機構13が直接取り付けられている。電子ビーム出射ヘッド機構13は、電子銃筒27の外周面と取付穴11cの内面とに図示しないシールド構造が設けられることによって真空槽11の内部空間部17の真空条件を保持した状態でその電子ビーム出射面27aが内部空間部17に臨ませられている。
【0045】
ディスク原盤作成装置50は、真空槽11の底面部11aの中心に位置して、原盤回転駆動機構12を円弧状の軌道に沿って回動動作させる詳細を後述する原盤回動機構51を組み付ける大きな内径のガイド軸穴52が形成されている。ガイド軸穴52には、後述する原盤回動機構51の原盤回転機構取付部材57の外周部とガイド軸穴11cの内周壁との間に構成される間隙を確実にシーリングして真空槽11の内部空間部17の真空条件を保持する磁性流体シール53が設けられている。磁性流体シール53は、摩擦係数、摩擦変動を低減して原盤回転機構取付部材57を回転自在に支持して円滑に回動されるように作用する。なお、磁性流体シール53は、上述したディスク原盤作成装置10の磁性流体シール21と対応する部材である。
【0046】
真空槽11には、その底面部11aにガイド軸穴52と同心円をなす環状の静圧軸受部54が設けられている。静圧軸受部54は、原盤回転機構取付部材57を真空槽11の真空条件を保持しながら低摩擦係数、低摩擦変動を以って円滑にかつ精密に回動動作させる部位であり、上述した静圧軸受部22と対応する。静圧軸受部54は、内部空間55が高圧の空気流で満たされており、側面に全周に亘って軸受穴56が開口されている。
【0047】
原盤回動機構51は、原盤回転機構取付部材57と、原盤駆動部材63と、ボイスコイルモータ64と、回転軸66及びピニオン67等の部材によって構成される。原盤回転機構取付部材57は、上述したヘッド取付部材35に対応する部材であり、図7に示すように主面部58にその回転中心02に対して原盤回転駆動機構12をその回転中心03を側方へΔyの偏芯量を以って搭載してなる。
【0048】
すなわち、原盤回転機構取付部材57は、主面部58がガイド軸穴52の内径よりもやや小径とされた外径を有する円盤状に形成されるとともに、底面部に原盤回転駆動機構12のDCブラシレスモータ24を組み付ける組付空間部59が構成されてなる。原盤回転機構取付部材57には、主面部58に中心より外周側にΔyの間隔を以ってDCブラシレスモータ24の出力軸25を真空槽11の内部空間部17に貫通させる軸穴60が設けられている。軸穴60には、磁性流体シール61が組み付けられており、出力軸25が真空槽11の真空条件を保持しながら低摩擦係数、低摩擦変動を以って円滑に回転させる。
【0049】
原盤回転機構取付部材57は、その外周部62が軸受穴56を介して高圧空気流が充填された内部空間55に臨ませられることによって、上述した真空槽11に設けた静圧軸受部54によって回動自在に支持されている。原盤回転機構取付部材57は、この状態において搭載した原盤回転駆動機構12のターンテーブル26を真空槽11の内部空間部17に臨ませる。原盤回転機構取付部材57は、このように静圧軸受部54によって回動自在に支持されることから、真空槽11の内部空間部17の真空条件を保持しながら低摩擦係数、低摩擦変動を以って円滑かつ高精度に位置決め制御されて回転する。
【0050】
原盤回転機構取付部材57には、回転中心O2に対して原盤回転駆動機構12の取付位置と対向する位置に原盤駆動部材63が取り付けられている。原盤駆動部材63は、上述したヘッド駆動部材39と対応する部材であって、原盤回転機構取付部材57と同心円の一部を構成する全体が円弧状を呈して形成されるとともに、静圧軸受部55を迂回するために断面がクランク状を呈して形成されている。原盤回転機構取付部材57には、外周縁に外周ウォームギャ64が一体に形成されている。
【0051】
原盤回転機構取付部材57は、ボイスコイルモータ65、回転軸66及び外周ウォームギャ64と噛合するピニオン67からなる駆動部によりディスク原盤1を載置したターンテーブル26の回転角度に応じて高精度に位置決め制御されて回動される。これらボイスコイルモータ65、回転軸66及びピニオン67は、上述したボイスコイルモータ42、回転軸43及びピニオン44にそれぞれ対応しており、その構成並びに動作の説明を省略する。勿論、ボイスコイルモータ65は、ターンテーブル26に付設した回転型エンコーダの検出出力に基づく制御部からの制御信号によって回転速度が制御される。
【0052】
以上のように構成されたディスク原盤作成装置50は、ディスク原盤1に対する基本的なカッティング操作が上述したディスク原盤作成装置10によるディスク原盤1に対するカッティング操作とほぼ同様に行われる。ディスク原盤作成装置50は、上述したように電子ビーム出射ヘッド機構13が固定されるとともにディスク原盤1を載置して回転駆動する原盤回転駆動機構12が円弧状の軌道を以って回動する。
【0053】
ディスク原盤作成装置50は、ディスク原盤1を設置した状態で真空ポンプ16が駆動されて真空槽11の内部空間部17を排気して所定の真空条件に設定する。真空槽11は、底面部11aに原盤回転駆動機構12を搭載した原盤回転機構取付部材57が回転自在に組み合わされているが、磁性流体シール61及び静圧軸受部54によって内部空間部17の真空条件が保持される。
【0054】
ディスク原盤作成装置50は、電子ビーム出射ヘッド機構13等についての所定の調整操作を行った後、原盤回転駆動機構12を駆動してディスク原盤1を所定の速度で回転駆動するとともに電子ビーム出射ヘッド機構13から電子ビームをディスク原盤1に照射する。ディスク原盤作成装置50は、この状態で原盤回動機構51の原盤回転機構取付部材57が回転されて回転中心O2に対して偏芯されて搭載された原盤回転駆動機構12を円弧状軌道に沿って移動させる。
【0055】
ディスク原盤作成装置50は、円弧状軌道に沿って移動される原盤回転駆動機構12のターンテーブル26上に位置決め載置された状態で回転されるディスク原盤1に対して電子ビーム出射ヘッド機構13から出射された電子ビームを照射する。電子ビームは、円弧移動と直線移動との軌跡差により回転駆動されるディスク原盤1の主面をスパイラル状に走査して情報信号等に応じたピットパターンのカッティングを行う。
【0056】
ディスク原盤作成装置50は、上述したように電子ビーム出射ヘッド機構13を固定部として構成するとともに原盤回転駆動機構12を可動部として構成してなる。これに対して、上述したディスク原盤作成装置10は、上述したように電子ビーム出射ヘッド機構13を可動部として構成するとともに原盤回転駆動機構12を固定部として構成してなる。かかる構成は、原盤回転駆動機構12と電子ビーム出射ヘッド機構13のいずれが軽量でありより簡易な構造で高精度に位置決めされた状態で駆動されるかによって選択される。
【0057】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるディスク原盤作成装置によれば、ディスク原盤を回転駆動する原盤回転機構部と電子ビームを出射する電子ビーム出射ヘッド機構部のいずれか一方の機構部を固定部として構成するとともに、他方の機構部が静圧軸受によって回転部位を支持されてなる回動駆動機構にその回転中心に対して偏芯された位置に搭載されることによって円弧状に回動動作する回動部として構成され、真空条件が確実に保持された真空槽内でディスク原盤に対する電子ビームの照射が行われるとともに原盤回転機構や回転駆動機構の駆動部位が大気雰囲気中に配置されることから、ディスク原盤に対する情報信号等に応じたピットパターン潜像等が極めて高精度かつ高密度にカッティングされる。ディスク原盤作成装置は、真空槽の小型化が図られるとともに駆動部位を真空条件での特殊仕様に構成する必要が無いことから小型化、簡易化或いはコスト低減が図られまた高精度のディスク原盤を効率よくかつ低コストで製作することを可能とする。さらに、ディスク原盤作成装置は、真空槽内の清浄度の維持が容易であるとともに駆動部位が真空槽の外部に設けられたことによって保守点検等が容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるディスク原盤作成装置の第1の実施の形態を示す要部縦断面図である。
【図2】同ディスク原盤作成装置の要部平面図である。
【図3】同ディスク原盤作成装置に備えられる電子ビーム出射ヘッド機構の詳細を示す要部縦断面図である。
【図4】同ディスク原盤作成装置によるピットパターン形成動作の説明図である。
【図5】同ディスク原盤作成装置によるピットパターン形成動作の原理を説明する模式図である。
【図6】ディスク原盤を説明する縦断面図であり、同図(A)はディスク原盤を示し、同図(B)はピットパターンが形成された状態を示す。
【図7】本発明にかかるディスク原盤作成装置の第2の実施の形態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク原盤、3 電子線用レジスト層、4 ピットパターン、10 ディスク原盤作成装置、11 真空槽、12 原盤回転駆動機構、13 電子ビーム出射ヘッド機構、14 ヘッド回動駆動機構、17 真空空間部、18 軸穴、19 磁性流体シール、20 ガイド穴、21 磁性流体シール、22 静圧軸受部、24 DCブラシレスモータ、25 出力軸、26 ターンテーブル、27 電子銃筒、27a 電子ビーム出射面、28 電子銃、34 対物レンズ、35 ヘッド取付部材、39 ヘッド駆動部材、40 外周ウォームギャ部、42 ボイスコイルモータ、43 回転軸、44 ピニオン、50 ディスク原盤作成装置、51 原盤回動機構、52 ガイド軸穴、53 磁性流体シール、54 静圧軸受部、57 原盤回転機構取付部材、61 磁性流体シール、63原盤駆動部材、64 外周ウォームギャ部、65 ボイスコイルモータ、66回転軸、67 ピニオン

Claims (8)

  1. 主面に電子線用レジスト層が成膜形成されてなるディスク原盤をターンテーブル上に位置決め保持した状態で収納する真空槽と、
    上記ターンテーブルを含み上記ディスク原盤を所定の速度で回転駆動する原盤回転機構部と、
    上記真空槽内に臨ませられた電子ビーム出射面から記録する情報信号等に応じて電子ビームスポットを上記ディスク原盤の主面に照射して上記電子線用レジスト層のカッティングを行う電子ビーム出射ヘッド機構部とを備え、
    上記原盤回転機構部と上記電子ビーム出射ヘッド機構部とは、いずれか一方の機構部が固定部として構成されるとともに他方の機構部が上記真空槽に対して静圧軸受によって回転部を支持されてなる回転駆動機構にその回転中心に対して偏芯された位置に搭載されることにより円弧状の軌道上に沿って移動される回動部として構成されてなり、
    上記回転駆動機構は、上記真空槽の外部に設けられており、
    上記原盤回転機構によって回転駆動される上記ディスク原盤に対して、上記電子ビームスポットが半径方向にスパイラル状に移動して上記電子線用レジスト層のカッティングが行われることを特徴としたディスク原盤作成装置。
  2. 上記回転駆動機構は、
    上記真空槽に静圧軸受及び磁性流体シールを介して回転自在に支持されるとともに上記電子ビーム出射ヘッド機構を回転中心から偏芯した位置に搭載してなる回動支持部材と、
    上記回動支持部材に一体に設けられた円弧状の被駆動部材と、
    上記被駆動部材を円弧状軌道に沿って回動させる駆動部材とから構成されることによって、上記電子ビーム出射ヘッド機構部を回動部として構成し、
    上記電子ビーム出射ヘッド機構から出射する電子ビームが上記原盤回転機構によって回転駆動される上記ディスク原盤に対して円弧状軌道に沿って走査させることを特徴とする請求項1に記載のディスク原盤作成装置。
  3. 上記回転駆動機構は、
    上記真空槽に静圧軸受を介して回転自在に支持されるとともに上記原盤回転機構を回転中心から偏芯した位置に搭載してなる回動支持部材と、
    上記回動支持部材に一体に設けられた円弧状の被駆動部材と、
    上記被駆動部材を円弧状軌道に沿って回動させる駆動部材とから構成されることによって、上記原盤回転機構部を回動部として構成し、
    上記原盤回転機構によって回転駆動される上記ディスク原盤が上記真空槽に取り付けられた上記電子ビーム出射ヘッド機構に対して円弧状軌道に沿って移動されながら出射される電子ビームを走査されることを特徴とする請求項1に記載のディスク原盤作成装置。
  4. ディスク原盤をターンテーブル上に保持した状態で収納する真空槽と、
    上記ターンテーブルを含み上記ディスク原盤を回転駆動する原盤回転機構部と、
    上記真空槽内に臨ませられた電子ビーム出射面から電子ビームスポットを上記ディスク原盤に照射する電子ビーム出射ヘッド機構部とを備え、
    上記原盤回転機構部と上記電子ビーム出射ヘッド機構部とは、いずれか一方の機構部が固定部として構成されるとともに他方の機構部が上記真空槽に対して静圧軸受によって回転部を支持されてなる回転駆動機構に上記回転駆動機構の回転中心に対して偏芯された位置に搭載されることによって回動される回動部として構成されてなり、
    上記回転駆動機構は、上記真空槽の外部に設けられており、
    上記ディスク原盤に対して、上記電子ビームスポットが半径方向にスパイラル状に移動することを特徴とするディスク原盤作成装置。
  5. 上記回転駆動機構は、
    上記真空槽に静圧軸受及び磁性流体シールを介して回転自在に支持されるとともに上記電子ビーム出射ヘッド機構を回転中心から偏芯した位置に搭載してなる回動支持部材と、
    上記回動支持部材に一体に設けられた円弧状の被駆動部材と、
    上記被駆動部材を円弧状軌道に沿って回動させる駆動部材とから構成されることによって、上記電子ビーム出射ヘッド機構部を回動部として構成されることを特徴とする請求項4に記載のディスク原盤作成装置。
  6. 上記固定部が上記真空槽に対して静圧軸受によって支持されることを特徴とする請求項5に記載のディスク原盤作成装置。
  7. 上記回転駆動機構は、
    上記真空槽に静圧軸受を介して回転自在に支持されるとともに上記原盤回転機構を回転中心から偏芯した位置に搭載してなる回動支持部材と、
    上記回動支持部材に一体に設けられた円弧状の被駆動部材と、
    上記被駆動部材を円弧状軌道に沿って回動させる駆動部材とから構成されることによって、上記原盤回転機構部を回動部として構成されることを特徴とする請求項4に記載のディスク原盤作成装置。
  8. 上記被駆動部材が上記回転支持部材に対して静圧軸受によって支持されることを特徴とする請求項7に記載のディスク原盤作成装置。
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