JP4026207B2 - リチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一性に優れた負極材料の製造方法、及びこの方法により製造された負極材料を用いた負極と、充放電特性が改善された高容量型リチウムイオン非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用のパソコンや携帯電話の普及にともない、二次電池の高容量化と小サイズ化に対する要望が高まっている。このためリチウムイオン二次電池の高容量化の開発が広範に行われている。
リチウムイオン二次電池用の正極材料には高電位型のLiCoO2 、LiCo1-x Nix 2 、LiNiO2 、LiMn2 4 等が広く用いられており、一方負極材料には一般に炭素質材料が用いられている。これらは充放電によってリチウムイオンを可逆的に挿入放出する電極活物質として機能し、非水電解液あるいは固体電解質によって電気化学的に連結されたいわゆるロッキングチェア型の二次電池を構成する。
負極材料として一般的な炭素質材料には、黒鉛質炭素材料、ピッチコークス、繊維状カーボン、低温で焼成される高容量型のソフトカーボンなどがあるが、炭素材料は比重が2.26(黒鉛)と小さいため、化学量論限界のまでのリチウム挿入容量(372mAh/g)で用いても、電池容量を高く設計することが難しい。そこで炭素質材料を越える高容量密度を有する負極活物質として、特開平6−60867、同7−220721、同7−122274、同7−288123には錫酸化物を主体とする複合酸化物からなる負極用活物質とその製造方法が開示されている。
これらの複合酸化物負極材料は通常は金属単体の酸化物(例えばSnO、B2 3 、Al2 3 など)の結晶の粉末を複数混合し、溶融法で1000℃以上の高温で溶かして合成され、冷却後粉砕して所望のサイズに調整して用いられる。しかしながらこの方法においては、原料の金属単体酸化物の粉末が各々もしくはその一部が溶融したのち、これら溶融物の拡散によって複合酸化物が形成されるため粒子内における各元素組成の均一性または、粒子間の組成分布の均一性を確保することが難しかった。このような均一性の問題は、負極材料の充放電特性の安定性に対しては、悪い影響を与えることが懸念されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は上述のような問題を解決し、粒子サイズと粒子内組成分布が均一な負極材料の製造方法を提供することにあり、更にはこの負極材料を用いた、充放電特性が改善されるとともにサイクル安定性に優れ、製造のし易い負極とリチウムイオン非水電解質二次電池を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、水溶性ポリマーを溶解した水溶液中で沈殿生成させて合成した金属複合酸化物粒子を、100℃以上、500℃以下の温度で0.5時間から24時間熱処理することにより非晶質構造を含み、金属として錫、鉛、ゲルマニウムから選ばれるリチウムイオンの電気化学的挿入放出に関わる元素を少なくとも一種と、周期律表第1族、第2族、第13族、第14族、第15族から選ばれる一種以上の非晶質化に有効な元素からなる該金属複合酸化物の粒子を生成することを特徴とするリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法によって解決するにいたった。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい形態を以下に掲げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
(1)水溶性ポリマーを溶解した水溶液中で沈殿生成させて合成した金属複合酸化物粒子を、100℃以上、500℃以下の温度で0.5時間から24時間熱処理することにより非晶質構造を含み、金属として錫、鉛、ゲルマニウムから選ばれるリチウムイオンの電気化学的挿入放出に関わる元素を少なくとも一種と、周期律表第1族、第2族、第13族、第14族、第15族から選ばれる一種以上の非晶質化に有効な元素からなる該金属複合酸化物の粒子を生成することを特徴とするリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(2)該負極材料は、下記一般式で示されることを特徴とする項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
SnxMyOz
(式中、MはAl、B、P、Ge、Si、周期律表第1族から選ばれる1種以上の元素を示し、0<x≦1.0、0.2≦y≦3、1≦z≦8)
(3)該金属複合酸化物粒子の合成原料の少なくとも一つが水ガラスであることを特徴とする項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(4)該金属複合酸化物粒子の合成原料の少なくとも一つが塩化錫であることを特徴とする項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(5)該水溶性ポリマーを0.1重量%以上、50重量%以下の濃度で溶解した水溶液中で合成することを特徴とする項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(6)該水溶性ポリマーがポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ゼラチンから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(7)該金属複合酸化物の熱処理後の粒子の一次粒子の平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
(8)該金属複合酸化物の熱処理後の粒子のBET法による比表面積が0.2m2/g以上150m2/g以下であることを特徴とする項1〜7のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
【0006】
本発明の金属複合酸化物粒子は、溶液中での2種以上の化合物の反応により固体微粒子を析出させるいわゆる沈殿法により合成される。沈殿法は、原料の金属をふくむ酸性塩とアルカリ塩のそれぞれの水溶液を反応させるなど均一溶液中で行われる場合と、懸濁液等の不均一溶液系で行われる場合とがある。
本発明では、非結晶性の珪素を含む複合金属酸化物の合成において、該複合酸化物を沈殿粒子化させる方法として、珪素原料の少なくとも1つに水ガラスすなわち、珪酸アルカリガラス(Na2 SiO3 ・xH2 O)を用いることができる。この場合、錫原料としては水溶性の錫化合物が好ましく用いられる。
珪酸アルカリガラス、通称水ガラスは、アルカリ−珪酸系ガラスの濃厚水溶液であり、固体状態の珪酸アルカリガラスとしての無水ガラスと含水状態の水ガラス、およびこれらの中間にある水ガラスに分類される。アルカリとしてはNa、Kが一般に用いられ、化学組成はNaの場合はNa2 O・nSiO2(n=2〜4)であり、不純物元素として例えばFe、Ca、などの金属カチオンを含むことがある。本発明ではこれらの水ガラスを珪素およびアルカリの原料の一部もしくは全量として水溶液状態で沈澱反応に用いる。本発明の目的の珪素を含む非晶質金属複合酸化物を合成するためには、水ガラスに対して、水性の溶液中で錫化合物を代表とする各種の水溶性の金属塩を反応させ、複合酸化物の沈澱物を得る方法が用いられる。ここで錫化合物としては塩化第一錫、硝酸第一錫、酢酸錫
、硫酸錫など2価の錫化合物や4価の錫化合物を用いることができる。中でも塩化第一錫2水和物や塩化第二錫5水和物等が水溶性の高い点で最も好ましく用いられる。
【0007】
水溶性ポリマーは、粒子形成のためのサイズおよび形状の調整剤として用い、ゼラチン、プルラン、ペクチン、デキストラン、カラギーナン、カゼイン、でんぷん、寒天、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、ふのり、トラガントゴム、天然ゴム、こんにゃく等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の半合成高分子、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸アミドまたはその共重合体、ポリアクリル酸(塩)またはその共重合体、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体、ポリエチレンイミン、等の合成高分子などが挙げられる。中でもゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。また、粒子形成時の系のpHを調節するために、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、しゅう酸、ギ酸、プロピオン酸、安息香酸、グリコール酸、マレイン酸、クエン酸、蓚酸、トルエンスルホン酸などの酸性試薬、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム塩類、アミン類、ホルムアミド類等の塩基性試薬が用いられるがこれらに限定されるわけではない。
【0008】
本発明で合成される複合金属酸化物粒子は非晶質構造を含む、金属として錫、鉛、ゲルマニウム等から選ばれるリチウムイオンの電気化学的挿入放出に関わる元素を少なくとも一種と、周期律表第1族、第2族、第13族、第14族、第15族から選ばれる一種以上の非晶質化に有効な元素からなることを特徴とする。機能元素としてとくに効果の大きい金属元素は錫である。好ましい材料は、錫を主体とし周期律表第1族、第2族、第13族、第14族、第15族の元素から選ばれる一種以上の元素からなる非晶質構造の複合酸化物粒子である。より具体的には、複合酸化物粒子が、錫を主体として、鉛、ゲルマニウム、ホウ素、リン、ケイ素、アルミニウム、周期律表第2族から選ばれる一種以上の元素からなる非晶質構造を含む複合酸化物粒子であることを特徴とする。錫を主体とする非晶質構造を含む金属複合酸化物粒子として好ましい組成は下記一般式で示される。
SnxMyOz
ここで、MはAl、B、P、Ge、Si、周期律表第1族から選ばれる1種以上の元素を示し0<x≦1.0、0.2≦y≦3、1≦z≦8、上記の構造式に従ってさらに好ましい組成をのべると、MはB、P、Si周期律表第1族元素から選ばれることが好ましい。
【0009】
本発明の上記酸化物粒子は構造中に非晶質構造を含むかもしくは結晶性の低い材料であることが好ましい。具体的には上記の一般式で示す錫含有複合酸化物粒子は、CuK α線を用いたX線回折法で2θ値で20度から40度にかけて強度が弱くブロードな頂点を有する回折散乱帯を与える状態X線回折図形を示す物質であることを意味し、このブロードな散乱帯中に結晶性の弱い回折線を含んでもよい。この結晶性の回折線は非晶質中にわずかに秩序性を持った構造部分が反映されたものである。
【0010】
以下に本発明で合成される金属複合酸化物の粒子について説明する。この金属複合酸化物の粒子を沈澱法で合成するは次の原料を用いることができる。電池反応に関わる金属元素および半金属元素は、これらの元素のハロゲン化物、アルコキシド、無機塩などを用いることができる。
【0011】
例えば、錫と珪素を主体とする酸化物の場合には、錫原料としてはジヒドロキシ錫、第一塩化錫、第一塩化錫2水和物、臭化第一錫、ヨウ化第一錫、ふっ化第一錫、ラウリン酸錫、硫酸第一錫、リン酸第一錫、酢酸第一錫、犠酸第一錫、カプリル酸第一錫、オレイン酸第一錫などが、ケイ素原料としてはケイ酸、ケイ酸水和物、二酸化珪素、四塩化ケイ素、四酢酸ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素等が挙げられるが、これらに限定はされない。
また、第2族、第13族、第14族、第15族元素のハロゲン化物、酸誘導体の化合物も本合成に用いることができる。
反応の溶媒としては水または水と混和性のものが用いられアルコール類、アミド類、ケトン類、エーテル類等を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明の沈澱生成させた金属複合酸化物の粒子は、負極材料の均一性を高める目的で、微粒子であることが好ましく、その一次粒子の平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2μm以上9μm以下、特に好ましくは、0.3μm以上7μm以下である。
また、これらの粒子のBET法による比表面積は、0.2m2/g以上150m2/g以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.3m2/g以上140m2/g以下、特に好ましくは0.5m2/g以上130m2/g以下の範囲である。
【0013】
本発明の沈澱生成させた金属複合酸化物の粒子は、沈澱反応後濾別することにより取り出すことができるが、濾別する前にデカンテーション等で水洗洗浄することが好ましい。また濾過性が著しく悪い場合は遠心分離を繰り返しながら水洗洗浄を行うことが好ましい。洗浄水は中性の水が好ましいが、酸性側あるいは塩基性側にpHを調整した水を用いてもよい。濾別後、30℃以上の送風乾燥機で2時間以上、好ましくは40℃以上で8時間以上の乾燥を行い、その後に以下に述べる熱処理を行うことにより本発明の粒子が得られる。
【0014】
本発明においては、沈澱法で合成した金属複合酸化物粒子を100℃以上500℃以下の温度で熱処理することにより、目的の金属複合酸化物からなる負極材料を合成することを特徴ととする。。熱処理の温度は120℃以上450℃以下がより好ましく、150℃以上400℃以下が更に好ましい。熱処理の温度が100℃以下では未反応部の水酸基が残存する等により電池容量等の電池性能を悪化し、熱処理の温度を500℃以上にすると複合金属酸化物の結晶化が促進され充放電性能の容量維持率を低下する。
熱処理に必要な時間は0.5時間から24時間の範囲が用いられる。また、熱処理は、金属複合酸化物粒子中の電池反応に関わる元素、例えば錫、の価数の変化、具体的には2価の錫の酸化(4価への変化)を抑制する目的で、酸素分圧が0.01atom以下の還元性雰囲気中で実施することが好ましい。酸素分圧は0.002atom以下であることがさらに好ましい。このような雰囲気は、不活性ガスとしてアルゴンもしくは窒素を焼成炉中に導入し、酸素分圧を調整することで得られる。
【0015】
以下に、本発明の方法で合成される金属複合酸化物、即ち負極材料の好ましい組成例を示すが、本発明はこれらには限定されない。
PbSi0.5 0.2 0.2 1.85
PbK0.1 Si0.8 0.2 1.95
FeK0.1 Si0.8 0.2 1.95
MnB0.5 0.5 3
SnSiO3
SnSi1.3 3.6
SnSi1.5 4
GeSi0.5 0.2 0.2 1.85
SnSi0.8 0.2 3.1
SnSi0.5 0.2 0.2 1.85
SnSi0.8 0.2 2.9
SnSi0.8 Al0.2 2.9
SnSi0.6 Al0.1 0.2 1.65
SnSi0.3 Al0.1 0.6 2.25
SnSi0.4 0.2 0.4 2.1
SnSi0.6 Al0.1 0.5 2.1
Sn1.0 Si0.8 0.2 2.9
Sn1.0 Si0.7 0.3 2.85
Sn1.0 Si0.7 0.3 Al0.1 3.0
Sn1.0 Si0.5 0.3 Al0.1 Mg0.1 2.7
Sn0.8 Si0.6 0.2 Al0.1 Li0.1 2.5
Sn0.8 Si0.6 0.2 Al0.1 Cs0.1 2.65
Sn0.8 Si0.7 0.1 0.1 Al0.1 2.75
Sn0.8 Si0.5 0.3 0.2 Al0.1 2.9
Sn0.8 Si0.7 0.1 0.1 Al0.1 Li0.052.78
Sn0.8 Si0.5 0.3 0.1 Al0.1 Li0.1 2.7
Sn0.8 Si0.5 0.3 0.2 Al0.1 Cs0.1 2.95
Sn0.8 Si0.7 0.3 2.95
【0016】
上記の負極材料の合成において、金属複合酸化物粒子は熱処理後、凝集物を粉砕機にかけて粉砕し、粉末として使用すると好ましい。この粉末あるいは凝集物を、さらに100℃以上の温度で加熱しアニールを実施したり、あるいは300℃〜500℃で一部を再溶融させたのち再粉砕して粉末化して、負極材料に用いることもできる。
本発明の負極に用いられる粒子は、熱処理あるいはその後の粉砕とアニールなどの処理の後に非晶質構造を有し、その一次粒子の平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2μm以上9μm以下、特に好ましくは、0.3μm以上7μm以下である。
また、これらの粒子のBET法による比表面積は、2m2/g以上150m2/g以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは10m2/g以上140m2/g以下、特に好ましくは20m2/g以上130m2/g以下の範囲である。
また粒子の形状は球形粒子であることが好ましい。
【0017】
本発明の方法で最終的に合成される非晶質系の金属複合酸化物は、非水電解液系リチウムイオン二次電池の負極材料として用いられ、非水電解液の存在する電池内において、電気化学的な充電/放電反応によってリチウムイオンの可逆的な吸蔵と放出を行う能力を有する。
リチウムイオン非水電解質二次電池は、正極活物質、負極活物質およびリチウム塩を含む非水電解質からなる基本構成をもつ。ここで負極活物質は、本発明に従って合成される非晶質構造を持つ金属複合酸化物の負極材料を活物質前駆体として用い、この活物質前駆体にリチウムイオンを電気化学的に挿入することにより得られる。
【0018】
二次電池の正極活物質には、リチウムイオンを放出可能な各種のリチウム含有無機複合酸化物が好ましく用いられる。正極活物質としてとくに好ましいものはLiCoO2 を骨格組成とする層状化合物、LiNiO2 を骨格組成とする層状化合物、LiMn2 4 を骨格組成とするスピネル構造型化合物、ならびにLiMnO2 骨格組成とする化合物である。これらは一般に結晶性の化合物であるが、結晶性の低い系列化合物を正極に用いることもできる。これらのうちで特にこのましいのは平均電位が高く安定で容量の高いLiCoO2 とその他金属元素との固溶体である。固溶体としてはたとえば、Lix Coy Niz 2 (0.5<x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)が有用であり、Coに対するドーパントとして各種の遷移金属、非遷移金属、アルカリ元素、希土類元素などが添加された固溶体も好ましく用いることができる。また、高電位でコスト的に有利なリチウムマンガン複合酸化物も正極活物質として有用であり、特にスピネル型のマンガン複合酸化物が好ましく用いられる。マンガン複合酸化物として上記の化合物のほかに、LiMn2 4 にLiが挿入して生じたLi1+x Mn2 4 (0≦x≦0.5)も有用である。
【0019】
二次電池の製造において、本発明の方法で合成される負極材料と共に用いることができる負極活物質としては、リチウム金属、上記のリチウム合金などやリチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素質化合物(例えば、特開昭58−209,864、同61−214,417、同62−88,269、同62−216,170、同63−13,282、同63−24,555、同63−121,247、 同63−121,257、同63−155,568、同63−276,873、 同63−314,821、特開平1−204,361、同1−221,859、 同1−274,360など)があげられる。上記リチウム金属やリチウム合金の併用目的は、リチウムイオンを電池内で挿入させるためのものであり、電池反応としてリチウム金属などの溶解析出反応を利用するものではない。
【0020】
電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラーなどを添加することができる。導電剤は、構成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554)など)粉、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。その添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。
【0021】
結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、 ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合物として用いられる。結着剤の添加量は、2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0022】
二次電池の製造に用いられる非水電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、 γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル(特開昭60−23,973)、トリメトキシメタン(特開昭61−4,170)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−15,771、同62−22,372、同62−108,474)、スルホラン(特開昭62−31,959)、3−メチル−2−オキサゾリジノン(特開昭62−44,961)、プロピレンカーボネート誘導体(特開昭62−290,069、同62−290,071)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭63−32,872)、ジエチルエーテル(特開昭63−62,166)、1,3−プロパンサルトン(特開昭63−102,173)などの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えば、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10(特開昭57−74,974)、低級脂肪族カルボン酸リチウム(特開昭60−41,773)、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60−247,265)、クロロボランリチウム(特開昭61−165,957)、四フェニルホウ酸リチウム(特開昭61−214,376)などの1種以上の塩から構成されている。なかでも、プロピレンカーボネートあるいはエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボネートの混合液にLiCF3 SO3 ,LiClO4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含む電解質が好ましいこれら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極活物質の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。溶媒の体積比率は、特に限定されないが、プロピレンカーボネートあるいはエチレンカーボネート対1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボネートの混合液の場合、0.4/0.6〜0.6/0.4(1,2−ジメトキシエタンとジエチルカーボネートを両用するときの混合比率は0.4/0.6〜0.6/0.4)が好ましい。支持電解質の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
【0023】
また、電解液の他に次の様な有機固体電解質も用いることができる。たとえばポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー(特開昭63−135447)、ポリプロピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマー(特開昭62−254,302、同62−254,303同63−193,954)、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電解液の混合物(米国特許第4,792,504、同4,830,939、特開昭62−22,375、同62−22,376、同63−22,375、同63−22,776、特開平1−95,117)、リン酸エステルポリマー(特開昭61−256,573)が有効である。さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある(特開昭62−278,774)。また、無機と有機固体電解質を併用する方法(特開昭60−1,768)も知られている。
【0024】
二次電池に用いるセパレーターとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプレピレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として有用な範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μmが用いられる。セパレターの厚みは、一般に電池用の範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられる。
電解質にポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレーターを兼ねる場合がある。
【0025】
放電や充放電特性を改良する目的で、以下で示す化合物を電解質に添加することが知られている。例えば、ピリジン(特開昭49−108,525)、トリエチルフォスファイト(特開昭47−4,376)、トリエタノールアミン(特開昭52−72,425)、環状エーテル(特開昭57−152,684)、エチレンジアミン(特開昭58−87,777)、n−グライム(特開昭58−87,778)、ヘキサリン酸トリアミド(特開昭58−87,779)、ニトロベンゼン誘導体(特開昭58−214,281)、硫黄(特開昭59−8,280)、キノンイミン染料(特開昭59−68,184)、N−置換オキサゾリジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン(特開昭59−154,778)、エチレングリコールジアルキルエーテル(特開昭59−205,167)、四級アンモニウム塩(特開昭60−30,065)、ポリエチレングリコール(特開昭60−41,773)、ピロール(特開昭60−79,677)、2−メトキシエタノール(特開昭60−89,075)、三塩化アルミニウム(特開昭61−88,466)、導電性ポリマー電極活物質のモノマー(特開昭61−161,673)、トリエチレンホスホンアミド(特開昭61−208,758)、トリアルキルホスフィン(特開昭62−80,976)、モルフォリン(特開昭62−80,977)、カルボニル基を持つアリール化合物(特開昭62−86,673),ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフォリン(特開昭62−217,575)、二環性の三級アミン(特開昭62−217,578)、オイル(特開昭62−287,580)、四級ホスホニウム塩(特開昭63−121,268)、三級スルホニウム塩(特開昭63−121,269)などが挙げられる。
【0026】
また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができる(特開昭48−36,632)。また、高温保存に適性をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる(特開昭59−134,567)。
【0027】
正極や負極の合剤には電解液あるいは支持塩を含ませてもよい。例えば、前記イオン導電性ポリマーやニトロメタン(特開昭48−36,633)、電解液(特開昭57−124,870)を含ませる方法が知られている。
また、正極活物質の表面を改質することができる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤(特開昭55−163,779)やキレート化剤(特開昭55−163,780)で処理したり、導電性高分子(特開昭58−163,188、同59−14,274)、ポリエチレンオキサイドなど(特開昭60−97,561)の表面層の被覆によって改質する方法が挙げられる。また、同様に負極活物質の表面を改質することもできる。例えば、イオン導電性ポリマーやポリアセチレン層を被覆したり(特開昭58−111,276)、Li塩により表面処理する(特開昭58−142,771)ことが挙げられる。
【0028】
電極活物質の集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、負極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの)、Al−Cd合金などが用いられる。これらの材料の表面を酸化することも用いられる。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、5〜100μmのものが用いられる。
【0029】
電池の形状はコイン、ボタン、シート、シリンダー、角などいずれにも適用できる。コインやボタンでは、正極活物質や負極活物質の合剤はペレットの形状にプレスされて用いられる。また、シート、シリンダー、角では、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に塗布、乾燥、脱水、プレスされて用いられる。その塗布厚みは、電池の大きさにより決められるが、乾燥後の圧縮された状態で、10〜500μmが特に好ましい。
本発明の非水二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラーノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソコンポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下に電池作製の実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に電池作製の実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
実施例
〔本発明の負極材料A−1の合成〕
第一塩化錫2水和物67.7gを蒸留水50mlに溶解し(I)液を調整した。次に水ガラス44.0gおよび水酸化ナトリウム16gを蒸留水100mlに均一に溶解し(II)液を調整した。500mlの三口フラスコに蒸留水に分子量400万のポリエチレングリコールを1%溶解した水溶液100gを加え40℃に加熱しながらよく攪拌している中に(I)液と(II)液を同時に一時間かけて滴下して添加した。容器を室温に戻し反応を2時間行った後蒸留水150ml加えよく攪拌した後に析出物を濾別した。さらに析出物を1リットルの蒸留水で水洗し濾過、乾燥を40℃の送風乾燥機で24時間行い、その後300℃で2時間の熱処理を行った。収量として46.5gのSnSiO3(化合物A−1)を得た。得られた結晶のX線解折パターンの2θ値は24.2°:2258cps 、29.8°:8190cps 、34.5°:2265cps 、49.5°:2430cps 、58.8°:1888cps の強度を示し、粒径は0.5μmで、BET法による比表面積が10〜35m2/gの範囲であった。
【0031】
〔本発明の負極材料A−2の合成〕
第一塩化錫2水和物67.7gを蒸留水50mlに溶解し(I)液を調整した。次に水ガラス44.0gおよび水酸化ナトリウム16gを蒸留水55mlに均一に溶解し(II)液を調整した。1リットルの三口フラスコに分子量1500のポリビニルアルコールを8%溶解した水溶液150gを加え40℃に加熱しながらよく攪拌している中に(I)液と(II)液を同時に一時間かけて滴下して添加した。容器を室温に戻し反応を2時間行った後蒸留水300ml加えよく攪拌した後に遠心分離を行い上澄みを除去し、さらに1リットルの蒸留水を加えよく攪拌した後に再度遠心分離を行い上澄みを除去し固形分を取り出した。乾燥は40℃の送風乾燥機で24時間行い、その後200℃で3時間の熱処理を行った。収量として43.7gのSnSiO3(化合物A−2)を得た。得られた結晶のX線解折パターンは化合物A−1とほぼ同じパターンを示し、粒径は1.0μmで、BET法による比表面積13〜25m2/gの範囲であった。
【0032】
〔本発明の負極材料A−3の合成〕
第一塩化錫2水和物9.0および塩化アルミ6水和物2.4gを蒸留水50mlに溶解し(I)液を調整した。次に水ガラス8.3gおよび水酸化ナトリウム2.3gを蒸留水50mlに均一に溶解し(II)液を調整した。300mlの三口フラスコにポリビニルピロリドン(和光純薬(株)製試薬K−90)を20%溶解した水溶液100gを加え室温下攪拌している中に(I)液と(II)液を同時に30分間かけて滴下して添加した。容器を50℃に加熱し反応をさらに2時間行った後蒸留水100ml加えよく攪拌した後静置し沈殿物を沈降させ上澄みを除去し、さらに1リットルの蒸留水を加えよく攪拌した後に濾別した。乾燥は40℃の送風乾燥機で24時間行い、その後350℃で3時間の熱処理を行った。収量として9.4gのSn1.0 Si0.8 Al0.2 2.9 (化合物A−3)を得た。得られた結晶のX線解折パターンは化合物A−1とほぼ同じパターンを示し、粒径は0.7μmで、BET法による比表面積13〜40m2/gの範囲であった。
【0033】
〔従来の溶融法による負極材料(比較−1)の合成 〕
SnO 67.4g、SiO2 30.0gを混合し、自動乳鉢で十分に粉砕、混合した後、アルミナ製るつぼにセットしてアルゴンガス雰囲気下で1150℃で12時間焼成を行った。焼成後、100℃/分の速度で急冷し、黄色透明ガラス状の負極活物質前駆体SnSiO3 を得た(比較−1)。活物質のX線回折を測定したところ、Cu−α線の照射下で2θ=20°−35°の領域にブロードな回折のバンドを示したが、結晶構造に帰属するシャープな回折線は検出されず、非晶質であることが判明した。
【0034】
〔熱処理温度を100℃以下とした負極材料(比較−2)の合成〕
化合物A−1と同様な方法で合成し、熱処理のみを85℃2時間に変更し48.8gのSnSiO3(比較−2)を得た。X線回折を測定したところ、Cu−α線の照射下で2θ=20°−35°の領域にブロードな回折のバンドを示したが、結晶構造に帰属するシャープな回折線は検出されなかった。
【0035】
〔熱処理温度を500℃以上とした負極材料(比較−3)の合成〕
化合物A−1と同様な方法で合成し、熱処理のみを700℃2時間に変更し42.3gのSnSiO3(比較−3)を得た。X線回折を測定したところ、Cu−α線の照射下で2θは26.6°:2949cps、31.7°:2172cps、51.9°:1598の領域にシャープな回折のバンドを示し、結晶化が進んでいることが示唆された。
【0036】
〔本発明の負極材料A−4の合成〕
化合物A−1において水ガラスの代わりにケイ酸5水和物を0.8等量の苛性ソーダ水溶液に溶解した溶液を用い同様に合成、熱処理を行い38.4gのSnSiO3(本発明の化合物A−4)を得た。
【0037】
〔本発明の負極材料A−4の合成〕
化合物A−1において塩化錫の代わりに酢酸錫を使用して同様に合成、熱処理を行い32.8gのSnSiO3(本発明の化合物A−5)を得た。
【0038】
〔正極活物質の調製の例〕
LiCoO2 (化合物C−1)を以下の方法で合成した。Co34 ,Co23 の混合物と炭酸リチウムをLi/Coモル比が1.05となるように混合し、空気中で600℃で4時間、さらに880℃で8時間焼成を行った。焼成物を自動乳鉢で粉砕した結果得られた粒子は、粒径がメジアン径で6μm、BET法比表面積が0.5m2/gであり、X線回折によってLiCoO2 と同定された。この活物質は水分散においてpH10.5を与えた。
また、LiNi0.8 Co0.160.042 (化合物C−2)を以下の方法で合成した。LiOH・H2 O、Ni(OH)2 、Co(OH)2 、およびB23 の粉末をモル比1:0.8:0.16:0.02の化学量論比で乾燥空気下乳鉢中で十分に混合し、酸素雰囲気下で650℃で6時間焼成を行った後、750℃で8時間焼成を行い、上記組成の化合物C−1を合成した。得られた粒子は、球状に近い形をもち、1次粒子の平均粒径が0.3μmであり、2次粒子の平均粒径が7μmであった。またBET法による比表面積は0.7m2/gであった。X線回折によって得られた(104)面/(003)面のピーク比は0.6であり、a軸の格子定数は2.83、c軸格子定数は13.90であった。活物質は1gを10ccの純水に分散したとき、pH10.5を与えた。また、同じ組成の活物質は、リチウム原料としてLiOH・H2 Oに替えてLiNO3 あるいはLiCO3 、また、Ni原料としてNi(OH)2 に替えてNiCO3 を用いても合成することができた。
【0039】
〔電極合剤シートの作製例〕
正極合剤として、正極活物質の化合物C−1を90重量%、アセチレンブラック6重量%、そして結着剤としてポリテトラフルオロエチレンの水分散物3重量%とポリアクリル酸ナトリウム1重量%からなる混合物に水を加えて混練し、得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウムフィルムの両面に塗布して、正極シートを作製した。塗布シートを乾燥、プレスした結果、乾膜の塗布膜の厚みは片面あたり75μmであった。またC−1のかわりにC−2を用い、C−1と全く同様にして正極シートを作製した。
【0040】
負極材料として化合物A−1を86重量%、鱗片状黒鉛を3重量%、アセチレンブラック6重量%、結着剤としてスチレン−ブタジエンゴムの水分散物4重量%およびカルボキシメチルセルロース1重量%からなる混合物に水を加えてホモジナーザーで10000回転で10分以上混練し負極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ18μmの銅フィルムの両面に塗布して、負極シートを作製した。塗布シートを乾燥、プレスした結果、乾膜の塗布膜の厚みは片面あたり40μmであった。
次に、負極シートの活物質層の表面に、鱗片状黒鉛と酸化アルミニウム(平均粒径2μm)の1:4(重量比)の混合物からなる保護層(平均厚さ5μm)を塗設し負極シートを作製した。また、化合物A−2〜5、比較−1〜3を負極材料とした負極シートも同様に作成した。
更に上記の負極シート上に、厚さ35μmの金属Li箔を幅5mm長さ37mmの断片に裁断し、露点−60℃の乾燥空気中で、上記の負極材料A−1〜4を塗布した負極シートの両面の表面保護層の上に、2mmの規則的間隔を置いて圧着ローラーを用いて付着させた。負極シートへのLi付着量は重量としておよそ110mgであった。このリチウムは、負極材料中へ電池内でリチウムを電解挿入し、負極活物質前駆体を活物質に転換するために用いられる。
【0041】
〔シリンダー型電池の作製例〕
上記の正極シートを35mmの幅に裁断し、負極シ−トを37mmの幅に裁断して、シートの末端にそれぞれアルミニウム、ニッケルのリード板をスポット溶接した後、露点−40℃の乾燥空気中で150℃で2時間脱水乾燥した。第1図の電池断面図に示したように、脱水乾燥済みの正極シート、セパレーターとして多孔性ポリエチレンフィルム、脱水乾燥済みの負極シート、そしてセパレーターの順でこれらを積層し、巻き込み機で渦巻き状に巻回した。この巻回体(2) をニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶(1)(負極端子を兼ねる)に収納した。この電池缶の中に電解質として1mol /リットル LiPF6 (エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネートの2:2:6(体積比)混合液)を注入した。
正極端子を有する電池蓋(6)をガスケット(5)を介してかしめて直径14mm高さ50mmの円筒型電池を作製した。なお、正極端子(6)は正極シートと、電池缶(1)は負極シートとあらかじめリード端子により接続した。なお、(61)は圧力感応弁体、(62)は電流遮断スイッチ、(63)はPTC素子である。
表1に示したように、上記の正極シート、負極シートを組み合わせて本発明と比較用の電池をそれぞれ作製した。
【0042】
上記のように作製した電池は、負極材料に保護層上のリチウムが電気化学的に挿入されるプロセスが完成されていない電池前駆体である。そこで、負極材料にリチウムを挿入させて負極活物質に変換し、電池前駆体を充放電サイクル可能な二次電池とするための操作を、以下のように実施した。
電池前駆体を、室温で12時間放置後、0.1Aの一定電流のもとで1時間予備充電を行い、次いで50℃のもとで10日間エージングを実施した。このエージングの工程で、負極上に担持したLiは溶解し、負極活物質前駆体の中に挿入されたことを確認した。
この電池を活性化のために、2mA/cm2 で室温下で4.2Vまで充電を行った。さらに、充電状態で電池を55℃に保持し、3日間エージングを実施した。
以上の電池を、充電終止電圧4.2V(開回路電圧(OCV))、放電終止電圧2.8V(回路電圧)、2mA/cm2 (0.2C相当)の電流密度の条件で充放電させて、初期放電容量を測定した。初期放電容量は比較電池−1の容量を100としたときの相対値で表した。さらに電池を10mA/cm2 (1C相当)の電流密度の条件で繰り返し充放電させて、100サイクル終了後に2mA/cm2 (0.2C相当)放電の放電容量を再び測定し、初期放電容量に対する維持率を測定し、電池のサイクル寿命を評価した。
【0043】
上記の電池について、放電容量の評価の結果を表1に整理した。
表1試験結果
電池 正極活 負極材料 電池初期容量 電池放電容量
番号 活物質 (Ah) 維持率(%)
比較1 C−1 比較−1 1.00 86
比較2 C−2 比較−1 1.10 83
比較3 C−1 比較−2 0.92 85
比較4 C−1 比較−3 1.06 79
1 C−1 A−1 1.07 96
2 C−2 A−1 1.14 94
3 C−1 A−2 1.08 95
4 C−2 A−2 1.16 93
5 C−1 A−3 1.11 94
6 C−2 A−3 1.15 92
7 C−1 A−4 1.02 90
8 C−1 A−5 1.03 90
【0044】
【発明の効果】
本発明の沈澱法を用いて合成した非晶質の負極材料を使用する二次電池が、従来の焼成法により合成した負極材料を使用する二次電池に比較して、電池性能の寿命の点で優れた二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したシリンダー型電池の断面図を示す。
【符合の説明】
1 負極端子を兼ねる電池缶
2 正極、負極、セパレーターを含む巻回電極群
3 上部絶縁板
4 正極リード
5 ガスケット
6 正極端子を兼ねる電池蓋
61 圧力感応弁体
62 電流遮断スイッチ
63 PTC素子

Claims (8)

  1. 水溶性ポリマーを溶解した水溶液中で沈殿生成させて合成した金属複合酸化物粒子を、100℃以上、500℃以下の温度で0.5時間から24時間熱処理することにより非晶質構造を含み、金属として錫、鉛、ゲルマニウムから選ばれるリチウムイオンの電気化学的挿入放出に関わる元素を少なくとも一種と、周期律表第1族、第2族、第13族、第14族、第15族から選ばれる一種以上の非晶質化に有効な元素からなる該金属複合酸化物の粒子を生成することを特徴とするリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  2. 該負極材料は、下記一般式で示されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
    SnxMyOz
    (式中、MはAl、B、P、Ge、Si、周期律表第1族から選ばれる1種以上の元素を示し、0<x≦1.0、0.2≦y≦3、1≦z≦8)
  3. 該金属複合酸化物粒子の合成原料の少なくとも一つが水ガラスであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  4. 該金属複合酸化物粒子の合成原料の少なくとも一つが塩化錫であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  5. 該水溶性ポリマーを0.1重量%以上、50重量%以下の濃度で溶解した水溶液中で合成することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  6. 該水溶性ポリマーがポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ゼラチンから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  7. 該金属複合酸化物の熱処理後の粒子の一次粒子の平均粒径が0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
  8. 該金属複合酸化物の熱処理後の粒子のBET法による比表面積が0.2m2/g以上150m2/g以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリチウムイオン非水二次電池用負極材料の製造方法。
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