JP4026165B2 - 漂砂制御構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水底の漂砂を制御して、砂浜の周辺水域等の砂流出防止領域からの砂の流出、又は港湾等の砂流入防止領域への砂の流入を防止する漂砂制御構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
砂浜の周辺水域からの砂の流出(侵食)を防止する漂砂制御構造物として、一般的には、突堤、離岸堤等が設けられている。しかし、このような水面上に露出した構造物は景観を悪化させることから、潜堤が設けられる場合もある。また、潜堤は、没水構造というその特徴から港口に設けられ、水底の水流を遮断することによって、港湾への砂の流入の防止などにも用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の潜堤のように水底の水流を遮断することにより機能する潜堤においては、潜堤付近に砂が堆積し、堆積した砂により潜堤が埋没する場合があり、埋没した潜堤は、水流を遮断できず、漂砂を制御し得なくなると同時に、港口に設けられた場合は船舶の通行にも支障が生じるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、砂の堆積による機能の低下をきたすことがなく、かつ、漂砂を好適に制御することができる漂砂制御構造物の提供を目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、 多数のコンクリート製ブロックを相互間に間隙を開けて水底に載置して構築した、砂浜の周辺水域等の砂流出防止領域を仕切る塀状の潜堤からなり、前記潜堤には、多数の流水路が、前記コンクリート製ブロック間の間隙により形成され、前記コンクリート製ブロックは、U字形、V字形、Y字形等の一方が凹形で他方が凸形の上端から下端まで一様な横断面形状に形成され、該コンクリート製ブロックの凹形側が砂流出防止領域に向けて設置され、前記砂流出防止領域内への水流が速くなり、前記砂流出防止領域外への水流が遅くなるように、前記流水路の前記砂流出防止領域側が狭く形成されたことにある。
【0006】
また、本発明の特徴は、多数のブロックを相互間に間隙を開けて水底に載置して構築した、港湾等の砂流入防止領域を仕切る塀状の潜堤からなり、前記潜堤には、多数の流水路が、前記ブロック間の間隙により形成され、前記ブロックは、U字形、V字形、Y字形等の一方が凹形で他方が凸形の上端から下端まで一様な横断面形状に形成され、該ブロックの凸形側が砂流入防止領域に向けて設置され、前記砂流入防止領域外への水流が速くなり、前記砂流入防止領域内への水流が遅くなるように、前記流水路の前記砂流入防止領域側が広く形成されたことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0008】
図1〜3は、本発明の第1実施形態であって、砂浜1の周辺水域の砂の侵食を防止する場合を示しており、砂浜1の周辺水域は砂流出防止領域を構成している。図において、10は水中に構築された潜堤、11、11…は潜堤10を構成するコンクリート製のブロックである。ブロック11は、図2に示すように、上端から下端まで一様なV字形の横断面形状で、一方が凹形で他方が凸形に形成されており、複数のブロック11、11…を相互間に間隙を開けて並べると、間隙の一方の側の開口幅Aが狭くなり、他方の側の開口幅Bが広くなるようになっている。なお、ブロック11の横断面形状は、V字形に限らず、U字形、Y字形等、一方が凹形で他方が凸形であればよい。
【0009】
そして、図1に示すように、複数のブロック11、11…が、汀線2に対して略平行に、水底5に載置されることによって、低い塀状の潜堤10が砂浜1の周辺水域と沖合7とを仕切るように構築されており、ブロック11、11…は、凹形側を砂浜1に向けて、相互間に間隙を開けるように並べられている。そして、ブロック11、11…相互間の間隙により、潜堤10を貫通する複数の流水路12、12…が形成されており、流水路12は、砂浜1側の開口幅Aが狭く、沖合7側の開口幅Bが広くなっている。
【0010】
このように構成される漂砂制御構造物においては、流水路12、12…を通過する水流の速さが、図3に示すように、通過する向きによって異なってくる。
【0011】
即ち、砂浜1側から沖合7側に向かう水流に対しては、図3(a)に示すように、流水路12の入口が凸形(凹形と凹形の間)の先端部分に配置され、流水路12の入口の開口幅Aが狭く、流水路12の出口の開口幅Bが広いので、水流の速さは比較的遅くなる。従って、水底5の砂が水流により移動され難くなり、砂浜1の周辺水域から沖合7への砂の流出を防止することができる。
【0012】
逆に、沖合7側から砂浜1側に向かう水流に対しては、図3(b)に示すように、流水路12の入口の開口幅Bが広く、流水路12の出口の開口幅Aが狭いので、水流の速さは比較的速くなる。従って、水底5の砂が水流により移動され易くなり、潜堤10付近への砂の堆積を防止することができ、また、沖合7から砂浜1に砂を供給することができる。
【0013】
図4は、本発明の第2実施形態であって、港湾101への砂の堆積を防止する場合を示しており、港湾101は砂流入防止領域を構成している。図において、110は水中に構築された塀状の潜堤、11、11…は水底に載置されて潜堤110を構成するコンクリート製のブロックである。なお、ブロック11については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0014】
潜堤110は、港湾101と沖合107とを仕切るように港口に構築されており、ブロック11、11…は、凸形側を港湾101に向けて並べられ、ブロック11、11…相互間の流水路12、12…の開口幅は、港湾101側が広く、反対側が狭くなっている。すると、流水路12、12…を通過する水流の速さが、港湾101側から沖合107側への向きに対しては比較的速くなり、沖合107側から港湾101側への向きに対しては比較的遅くなる。
【0015】
従って、水底の砂の水流による移動が、港湾101側から沖合107側への向きに対しては促進され、沖合107側から港湾101側への向きに対しては抑制されるので、港湾101への砂の流入を防止することができ、潜堤110付近への砂の堆積を防止することができる。また、砂の堆積による埋没が防止されるので、潜堤110の高さを低くすることができ、従って、水深の浅い場所でも、船舶の航行の障害とならないように好適に設置することができる。
【0016】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る漂砂制御構造物は、砂浜の周辺水域等の砂流出防止領域を仕切る塀状の潜堤をもって構成し、この潜堤に、多数の流水路を貫通して備え、この流水路を、砂流出防止領域内への水流が速くなり、砂流出防止領域外への水流が遅くなるように、砂流出防止領域側を狭く形成したことによって、砂流出防止領域からの砂の流出を、砂流出防止領域外への水流が遅いことにより防止することができ、一方、潜堤付近への砂の堆積による機能の低下を、砂流出防止領域内への水流が速いことにより防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る漂砂制御構造物は、港湾等の砂流入防止領域を仕切る塀状の潜堤をもって構成し、この潜堤に、多数の流水路を貫通して備え、この流水路を、砂流入防止領域外への水流が速くなり、砂流入防止領域内への水流が遅くなるように、砂流入防止領域側を広く形成したことによって、砂流入防止領域への砂の流入を、砂流入防止領域内への水流が遅いことにより防止することができ、一方、潜堤付近への砂の堆積による機能の低下を、砂流入防止領域外への水流が速いことにより防止することができる。
【0018】
また、潜堤を、多数のブロックを相互間に間隙を開けて水底に載置して構築し、流水路を、ブロック間の間隙により形成することによって、多数の流水路を備えた潜堤を好適に構築することができる。
【0019】
また、ブロックを、U字形、V字形、Y字形等の一方が凹形で他方が凸形の横断面形状に形成し、凹形側を砂流出防止領域に向け又は凸形側を砂流入防止領域に向けて設置することによって、砂流出防止領域側が狭く又は砂流入防止領域側が広い流水路を好適に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る漂砂制御構造物の第1実施形態であって、砂浜からの砂の流出を防止する場合を示す立面図(a)及び平面配置図(b)である。
【図2】 図1中の潜堤を構成するブロックの斜視図である。
【図3】 図1中の潜堤の流水路を水流が砂浜側から沖合側へ通過する場合(a)及び沖合側から砂浜側へ通過する場合(b)の概略を示す平面図である。
【図4】 本発明に係る漂砂制御構造物の第2実施形態であって、港湾への砂の流入を防止する場合を示す平面配置図である。
【符号の説明】
1 砂浜(砂流出防止領域)
2 汀線
5 水底
7 沖合
10 潜堤
11 ブロック
12 流水路
101 港湾(砂流入防止領域)
107 沖合
110 潜堤
A、B 開口幅
Claims (2)
- 多数のコンクリート製ブロックを相互間に間隙を開けて水底に載置して構築した、砂浜の周辺水域等の砂流出防止領域を仕切る塀状の潜堤からなり、前記潜堤には、多数の流水路が、前記コンクリート製ブロック間の間隙により形成され、前記コンクリート製ブロックは、U字形、V字形、Y字形等の一方が凹形で他方が凸形の上端から下端まで一様な横断面形状に形成され、該コンクリート製ブロックの凹形側が砂流出防止領域に向けて設置され、前記砂流出防止領域内への水流が速くなり、前記砂流出防止領域外への水流が遅くなるように、前記流水路の前記砂流出防止領域側が狭く形成された漂砂制御構造物。
- 多数のブロックを相互間に間隙を開けて水底に載置して構築した、港湾等の砂流入防止領域を仕切る塀状の潜堤からなり、前記潜堤には、多数の流水路が、前記ブロック間の間隙により形成され、前記ブロックは、U字形、V字形、Y字形等の一方が凹形で他方が凸形の上端から下端まで一様な横断面形状に形成され、該ブロックの凸形側が砂流入防止領域に向けて設置され、前記砂流入防止領域外への水流が速くなり、前記砂流入防止領域内への水流が遅くなるように、前記流水路の前記砂流入防止領域側が広く形成された漂砂制御構造物。
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1998
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