JP4024561B2 - 育苗装置及び育苗方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水を張った育苗用プール内に、種籾を播種した育苗箱、又は種籾が出芽した育苗箱を並置して、育苗箱を水に浸漬した状態で育苗する、底面潅水育苗における育苗用プール、及び育苗装置、並びに育苗方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水稲における底面潅水育苗に用いられる育苗用プールには、使用しない際の保管、また、設置場所への移動を容易にするために、周辺を枠体で構成し、その枠体に防水性のシートを被せて形成した組立て式のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような育苗用プールに多数の育苗箱を並置して育苗する際に、各育苗箱の水の浸漬量を均等にし、また、保温効果を均一に保ち生育ムラをなくすためには、多数の育苗箱を水平に並置して、育苗箱の浸漬深さを一定にすることが必要であるが、そのためには、育苗用プールの設置場所を水平、且つ、平坦に整地する必要があった。
また、整地を行わない場合には、水平な架台の上に育苗用プールを載置するか、または、育苗用プール内に架台を水平になるように設置して育苗箱を水平に並置していたが、これらの場合には、架台を水平に調整することが容易ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の育苗装置は、育苗用プールと、該育苗用プールの底部に敷設され、液体を内部に充填した水袋と、該水袋上に載置され、種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置する平板とから構成することを特徴とする。
【0005】
また、本発明の育苗方法は、育苗用プールの底部に液体を内部に充填した水袋を敷設し、該水袋上に平板を載置し、また、当該平板上に種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置すると共に、前記育苗用プールに張った水によって育苗箱中の苗に底面潅水を行って育苗することを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明の育苗用プール内に育苗箱を並置する際には、育苗用プール底部の略全面に亘って水袋を敷設して、水袋の上面を略水平状態とした後、平板を水袋上に載置し、ここで、育苗用プール内に平板に水がかぶる程度に注水し、さらに平板上に育苗箱を並べ、そして、さらに注水して各育苗箱を浸漬する。
そして、育苗箱の位置を若干移動させることで育苗箱を並置した平板が水平になるように調整して、各育苗箱の浸漬深さが一定になるようにする。
それ故、育苗用プールの設置場所が多少の傾斜地であっても育苗箱の浸漬深さを一定にすることができる。
また、プールの設置場所に凹凸又は石等があっても、水袋の底面が凹凸を吸収して平板が傾くことがないので、育苗箱の浸漬深さは各育苗箱において略同一となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、1はビニール、または防水処理を施した布地等で構成する可撓性シートからなる育苗用プールであり、該育苗用プールは方形の底部2と底部2に連続して立ち上がる四つの側壁部3とからなる箱型に形成されている。また、この育苗用プール1の側壁部3の外周には、帯状部材からなる装着部4が複数設けられている。即ち装着部4は、育苗用プール1と同じ材料で構成され、その上部と下部とを側壁部3に溶着又は縫合等により固着され、各側壁部3夫々の両端部、及びその間に水平方向に所定間隔離間して設けられており、これらの装着部4に板体5を水平方向から挿通することで育苗用プール1を補強し、その形状を維持可能に構成している。
また、前記底部2には略全面に亘って、内部に水等の液体を充填したビニール等からなる水袋6を敷設しており、その上面には複数の育苗箱9を並置可能な耐水ベニヤ板等からなる平板7を載置している。また、8は水袋内に液体を給排水するための給排水口である。
【0008】
尚、本発明の一実施形態の育苗用プール1は、図1に示すように、その底部2を約200cm四方の方形に形成しており、縦約60cm横約30cmの育苗箱9が18枚並置可能であって、水田約1反分の水稲苗が育苗可能な寸法となっている。
また、側壁部3の高さは前記水袋6、平板7、及び育苗箱9を重置した高さと同等か、それより高い寸法に構成されているため、比較的入手が容易な幅狭の野地板等の板体5を側壁部3の補強部材として使用できる。
さらに、本実施例では正方形の育苗用プール1としたが長方形の育苗用プールとして良いことは勿論である。
【0009】
以上のように、本発明は、育苗用プール1を、ビニール、または防水処理を施した布地等の可撓性シートで構成しているため、使用後においては小さく折りたたみが可能であり、また、側壁部3を補強する部材には、幅狭な野地板等の板体5を用いるため、運搬作業が容易なものであり、使用しない際の保管場所の確保が容易なものである。また、使用する際においても、その組み立て作業は、育苗用プール1を、方形の底部と該底部に連続して立ち上がる側壁部から成る箱型に展開した後、板体5を前記複数の帯状部材からなる装着部4に挿通するだけで各側壁部3を補強し、育苗用プールの形状を維持することができるものであり、従来の育苗用プールのように、育苗用プールの平面形状を維持する横枠部材、及び側面形状を維持する縦枠部材を別々に用意する必要がなく、少ない部品点数で育苗用プールを構成でき、育苗用プールの保管、移動及び組立てが容易となるものである。
【0010】
また、係る板体5を挿通しないプールに水を張ると、育苗用プール1は平面視で円形に近づくように水の圧力が作用するが、図3に示すように、装着部4は各側壁部3の両端部に設けられており、該両端部に亘って板材5を挿通することによって、育苗用プール1の角部が補強され、育苗用プール1に水を張っても育苗用プール1の形状を大きく崩すことなく維持することができる。
尚、各側壁部3は、必ずしも各側壁部3の両端部に亘る長い1枚の板材5で補強する必要はなく、一つの側壁部3を長さの短い複数枚の板材を用いて補強しても良く、その場合、隣合う板材の端部を重ね合わせて装着部4に挿通して補強する。
【0011】
また、種籾を播種した育苗箱9、または種籾が出芽した育苗箱9を育苗用プール1内に並置する際には、先ず、育苗用プール1の底部2の略全面に亘って水袋6を敷設した後、給排水口8から水袋6内に注水し、その後水袋6に必要量の水が充填されたら給排水口8を紐で縛る等の手段で閉じ、しばらく待つと水袋の上面は略水平状態となるから、耐水ベニヤ板等で構成された平板7を水袋6上に載置する。
ここで、育苗用プール1内に平板7に水がかぶる程度に注水し、平板7上に育苗箱9を並置する。
そして、この際、水面に対して平板7がかぶる水の量が全面において略均等になるように育苗箱9の位置を若干移動させて平板7が水平になるように調整し、その後、さらに育苗用プール1に注水して各育苗箱9の浸漬深さが一定になるようにする。
これにより、従来のように、育苗用プールの設置場所を水平、且つ、平坦に整地する必要がなく、あるいは水平な架台の上に育苗用プールを載置するもの、または、育苗用プール内に架台を水平になるように設置するもののように、育苗用プールの内部や下方で水平調節を行うものと比較して、平板7上で育苗箱9の位置を若干移動させるという簡単な作業で、育苗用プール1の設置場所が傾斜地であっても各育苗箱9の浸漬深さを一定にすることができ、また、保温効果を均一に保ち生育ムラをなくすことができる。
また、プールの設置場所に凹凸または石等があっても、水袋6の底面が凹凸を吸収して、水袋6の上面は略水平にすることができるので、各育苗箱9の浸漬深さを一定にすることができる。
【0012】
尚、平板7は必ずしも育苗用プール1の底部2の寸法と同等の寸法に構成する必要はなく、複数の平板7を水袋6上に並べるものであっても良く、その際には、平板7を小型に構成することができて、育苗用装置の保管、移動、及び組立ての各作業が一層容易になるものとなる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明の育苗装置は、育苗用プールと、該育苗用プールの底部に敷設され、液体を内部に充填した水袋と、該水袋上に載置され、種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置する平板とから構成されているので、単に育苗用プールの底部に育苗箱を並置するものに比べて地面の凹凸による育苗箱の傾きをなくして育苗箱を平坦な平板の上に安定して保持することができ、また、水袋を平板の下方に置くことにより、地面の傾斜による平板自体の傾きをなくして、育苗箱を水平に並置することができる。
【0015】
そして、育苗用プールの底部に液体を内部に充填した水袋を敷設し、該水袋上に、平板を載置し、また、当該平板上に種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置すると共に、前記育苗用プールに張った水によって育苗箱中の苗に底面潅水を行って育苗することで、平板上に並置した育苗箱の位置を若干移動させるという簡単な作業で育苗箱を並置した平板を水平になるように調整することができるので、育苗用プールを設置する場所が傾斜地や、凹凸の多い場所であっても、従来のように、入念な整地作業や、別途架台を設け、その架台の水平調整を行う等の作業を必要とすることなく育苗箱の水の浸漬深さを一定にして、各育苗箱内の苗の潅水量を一定にすることができ、また、保温効果を均一に保ち生育ムラをなくし、苗を健全に育苗することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】育苗用プールの平面図である。
【図2】育苗用プールの側面図である。
【図3】育苗用プールの要部の拡大平面図である。
【図4】育苗用プールの要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 育苗用プール
2 底部
3 側壁部
4 装着部
5 板体
6 水袋
7 平板
8 給排水口
9 育苗箱
Claims (2)
- 育苗用プールと、該育苗用プールの底部に敷設され、液体を内部に充填した水袋と、該水袋上に載置され、種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置する平板とから構成する育苗装置。
- 育苗用プールの底部に液体を内部に充填した水袋を敷設し、該水袋上に平板を載置し、また、当該平板上に種籾を播種した育苗箱、または種籾が出芽した育苗箱を並置すると共に、前記育苗用プールに張った水によって育苗箱中の苗に底面潅水を行って育苗することを特徴とする育苗方法。
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