JP4024133B2 - 塗工方法、塗工装置、及び該塗工方法によって製造された電子写真感光体並びに画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状体の塗工方法及び装置、並びに、この塗工方法により或いはこの塗工装置を用いて円筒状の導電性基体に感光体形成液を均一に塗工することにより製造される電子写真感光体、またこの感光体を用いる画像形成方法並びに画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、円筒状の導電性基体の周面に感光層となる塗工液を塗布して製造される。このような電子写真感光体の製造方法としては、スプレー塗工、ロールコート塗工、ブレード塗工、リング塗工、浸漬塗工等が挙げられる。特に浸漬塗工法は感光体製造が簡便で生産性が高く、装置やコストが安価であることから最も広く利用されている。
【0003】
実際の浸漬塗工方法としては、感光体材料の塗工液を収容した容器(浸漬塗工槽)と筒状体(円筒状基体)を相対移動させて円筒状基体を塗工液槽中の塗工液に浸漬させたのち引上げ、次いで引上げた円筒状基体を静止させて事前乾燥(指触乾燥)し、その後オーブン乾燥等で完全に乾燥させる方法が採用されている。ここでいう指触乾燥とは、基体に塗工液を塗布した後、乾燥機に投入する前に塗工液中の溶剤が気化する時間(雰囲気乾燥)を意味する。
【0004】
ところで、この浸漬塗工方法は、円筒状基材を一度に何本も浸漬することが可能であるため大量生産に向いているが、塗膜の厚さが均一な電子写真感光体を短時間で製造するため、塗工液の溶媒としては、通常、速乾性の溶媒が用いられており、このような速乾性の溶媒を用いた場合、円筒状基体に付着している塗工液の乾燥を速めて短時間で固化を行うことができるが、浸漬後引上げから指触乾燥するまでの間、周囲の微弱な空気流でも、それにより発生した溶媒蒸気の流れが形成される塗膜に濃淡ムラ、厚さムラなどを生じさせてしまう。
このような感光体を用いた場合、画像ムラ、白画像抜け、トナー付着による地肌汚れといった問題を発生させる原因となる。
【0005】
こうした点を配慮して、上記の塗膜に濃淡ムラや厚さムラを生じさせないようにするために、従来からいろいろな工夫がなされている。
例えば、浸漬塗工の際、円筒状基体の周面にフードを覆い塗工液を被覆する方法がある。特開昭59−42060号公報(特許文献1)には、この方法においてフード下の側面から溶剤蒸気を排出させる方法が提案されており、浸漬塗布容器の上に下端部周囲に開孔を設けた筒状フードを設け、遮風と蒸発溶剤の希釈を行うことでブラッシングを防止するようにした塗膜形成方法が開示されている。しかし、この方法では、風が開孔から吹き込み、直接塗膜に当たるため膜厚ムラになるという不具合がある。
【0006】
特開昭60−110378号公報(特許文献2)にはフードの側面に開けた孔から溶剤蒸気を排出させる方法が開示されているが、この方法でも上記と同様に、風が開孔から吹き込み、直接塗膜に当り膜厚ムラを生じさせる。また特開昭63−7873号公報(特許文献3)にはフード上部から下部に向けて風を流す方法が提案されているが、流した風がかえって塗膜を乱すという不具合がある。
【0007】
また、伸縮または上下に移動可能なフードを基体保持装置に設置し、基体をフードで覆いながら浸漬塗布する塗膜形成方法がある。この方法において、特開平7−104488号公報(特許文献4)では、基体に対するフードの大きさを規定して蒸気濃度を調節しようという試みがなされているが、これでは蒸気を外に逃がさないと濃度が上がりすぎて塗膜のタレが発生してしまうという不具合がある。
【0008】
また、特許第2889513号公報(特許文献5)には、遮風フードを塗工槽の上に設け、遮風フードと塗工槽との間に蒸気排出用の隙間を設ける方法が開示されているが、遮風フードの外に基体が出てしまうと風の影響を受けて塗膜ムラになりやすい不具合がある。また、特許第2690801号公報(特許文献6)には、溶媒蒸気を遮風フードの下から排出する構造が開示されているが、遮風フードは塗工槽装置よりも広くて基体よりも高くなくてはならないため、設備は大きくなり、コスト高になるという不具合がある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭59−42060号公報
【特許文献2】
特開昭60−110378号公報
【特許文献3】
特開昭63−7873号公報
【特許文献4】
特開平7−104488号公報
【特許文献5】
特許第2889513号公報
【特許文献6】
特許第2690801号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題や欠点を解消し、筒状体に塗工液(感光層塗工液等)を均一に塗布することができる塗工方法及び装置を提供し、この均一な感光層塗膜を形成できることにより、欠陥のない画像を得ることのできる電子写真感光体、この感光体を用いた画像形成方法並びに画像形成装置を提供することをその課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、導電性基体に感光層塗工液を塗布することを着目し鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば第1に、塗工液が収容されている塗工槽に筒状体を浸漬した後引き上げることにより、該筒状体に塗膜を形成する塗工方法であって、
該筒状体はその周面が伸縮性フードによって覆われるように配置され、該伸縮性フードは蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じであり、該伸縮性フードの上端並び下端には浸漬塗工又は指触乾燥中に発生する塗工液溶媒蒸気を排出する開口が設けられており、
該伸縮性フード内において該筒状体は該塗工槽中の塗工液に浸漬され、その後、該筒状体が一定の速度又は逐次的に変化する速度で引き上げられる際には、該筒状体と該伸縮性フードは連動して引き上げられることを特徴とする塗工方法が提供される。
【0013】
この第1の塗工方法の発明においては、伸縮性フードの上端と筒状体保持装置のベースプレートとの隙間(上方開口部を形成する)の距離(L1)は好ましくは5mm以上であり、かつ、折り畳まれた又は収縮した時の伸縮性フードの下端と塗工槽の開口蓋との隙間(下方開口部を形成する)の距離(L3)は好ましくは1mm以上であり、より好ましくは1〜50mm、更に好ましくは5〜25mmである。
【0014】
また、この第1の塗工方法の発明においては、該浸漬塗工した後、該筒状体の引き上げ後の指触乾燥中は、該筒状体の下端と該伸縮性フードの下端の位置が同じ高さにあるか、又は該伸縮性フードの下端が該筒状体の下端より下方にあることが好ましい。
【0015】
また、この第1の塗工方法の発明においては、該塗工槽の開口蓋の開口径(φ2)が該筒状体の外径(φ1)よりも10mm以上大きいことが望ましい。
【0016】
さらに、この第1の塗工方法の発明においては、該塗工槽中の塗工液表面と該塗工槽開口蓋との隙間の距離(L4)が10mm以上であることが好ましい。
また、この第1の塗工装置の発明においては、該伸縮性フードが蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じである。ここで、上端から下端までの内径(φ3)が同じであるとは、蛇腹状の伸縮性フードは上端から下端に向って拡がっていたり挟まったりしているが、拡がっている箇所の径はどの箇所も同程度であり、また挟まっている箇所の径はどの箇所も同程度であることを意味する。
【0017】
本発明によれば第2に、筒状体周辺の気体の流れを抑制する伸縮性フード内で該筒状体が塗工槽で浸漬塗工され、該伸縮性フードが該筒状体の周面を覆うように該筒状体あるいは該筒状体保持装置とともに具備されている塗工装置において、
該伸縮性フードが蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じであり、該伸縮性フードの上端及び下端に浸漬塗工又は指触乾燥中に発生する塗工液溶媒蒸気を排出する開口が設けられており、また該伸縮性フードは浸漬塗工の際には該塗工槽の上部で折り畳まれ又は収縮し、該筒状体が該塗工槽中の塗工液から一定の速度又は逐次的に変化する速度で引き上げられる際には、該筒状体と連動して引き上げられることを特徴とする塗工装置が提供される。
【0018】
この第2の塗工装置の発明においては、伸縮性フードの上端と筒状体保持装置のベースプレートとの隙間(上方開口部を形成する)の距離(L1)が5mm以上であり、かつ、折り畳まれた又は収縮した時の伸縮性フードの下端と塗工槽の開口蓋との隙間(下方開口部を形成する)の距離(L3)は好ましくは1〜50mm、より好ましくは5〜25mmである。
【0019】
また、この第2の塗工装置の発明においては、該伸縮性フードが蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じである。ここで、上端から下端までの内径(φ3)が同じであるとは、蛇腹状の伸縮性フードは上端から下端に向って拡がっていたり挟まったりしているが、拡がっている箇所の径はどの箇所も同程度であり、また挟まっている箇所の径はどの箇所も同程度であることを意味する。
【0020】
また、この第2の塗工装置の発明においては、伸縮性フードが帯電しないことが好ましい。
【0021】
さらに、この第2の塗工装置の発明においては、伸縮性フードに揺れ予防機構が設けられている(例えば、少なくとも1本のガイドが伸縮性フードの伸縮方向に平行に設置してある)ことが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明するが、先ず本発明の塗工方法及び装置から説明を進める。
本発明は、筒状体周辺の空気の流れ及び塗工液溶媒蒸気の流れを抑制する伸縮性フードが、筒状体の側方(即ち筒状体の周面)を覆うように基体保持装置に具備されている。この伸縮性フードは筒状体と連動して作動し、その下方は開方されて開口部を形成しており、また、その上方は上下動可能なペースプレートに隙間(L1)を有する開口部を設けて固定されている。筒状体は該ベースペレートにとりつけられた支持部材に垂直方向に取り付けられる。
【0026】
一方、筒状体は塗工液に浸漬後、引き上げから指触乾燥するまでの間、伸縮性フードにより外部からの風に直接触れることがなく、また塗膜から発生する塗工液溶媒蒸気は上方開口部及び下方開口部から適度に外に放出されるため、タレもなく均一な塗膜が形成される。
【0027】
この一連の動作を図面に基づいて説明すれば次のとおりである。
図1は塗布後の指触乾燥の状態を示し、図2は筒状体5を塗工液に浸漬した状態を示している。ベースプレート4にチャック2が支持部材3により固定されており、チャック2により筒状体5を保持する。
ここで伸縮性フード1は筒状体5の周面を覆う形で、かつ、筒状体5と連動して動くように、ベースプレート4に固定されている。このときベースプレート4と伸縮性フード1の上端は密閉して固定せず、伸縮性フード1中の蒸気濃度を安定させるための適切な隙間L1を設ける必要がある。またチャック2に保持された筒状体5に塗布された塗膜が乱れないように、筒状体5が伸縮性フード1に被覆されるように適切な被覆距離L2を設けている。
【0028】
ベースプレート4には、ベースプレート4を上下に作動させるために、昇降モーター(図示せず)と昇降ネジ(図示せず)が具備されており、昇降モーターが駆動し昇降ネジをかいしてベースプレート4を上下に作動させ、チャック2に保持された筒状体5を塗工槽6に入った塗布液7に浸漬した後、引き上げ筒状体表面に塗膜を形成する。
【0029】
この際、伸縮性フード1は塗工槽開口蓋8に密閉するように接触せず、塗工が行われる。
塗工槽6の上部には塗工槽開口蓋8が設置してあり、両者の隙間の距離(L4)は適切な値に設定可能であるが、好ましくは10mm以上、より好ましくは20〜80mmである。
これにより、塗工槽から筒状体が引き上げられる際、浸入してくる風の影響を直接受けることがなくなるため、塗工液溶媒蒸気の濃度が安定した状態で塗工することが可能となり、膜厚の乱れを防ぐことができる。
【0030】
伸縮性フード1と塗工槽開口蓋8との間に距離L3の隙間を形成するには、例えば、塗工槽開口蓋8の上に一つ又は複数の突起を設けておき、伸縮性フード1の下端がその突起に接したときは、突起の厚みの分だけL3の隙間ができるようになる。
【0031】
塗工時の伸縮性フードと塗工槽開口蓋の隙間距離L3は、1〜50mmが好ましい。0mmであると、伸縮性フード1から自重で下降した塗工液溶媒蒸気が伸縮性フード1の下端に滞留してしまい、筒状体5の上端から下端までの塗膜の膜厚分布に傾斜を生じるようになる。逆に50mmを超えると、自重で下降した塗工液溶媒蒸気体積分の空気が、その間隙(L3)からに大量に流れるため、塗膜ムラが発生しやすい状態となるので好ましくない。
【0032】
塗工槽6の塗工液7中に筒状体5が浸漬され、塗工槽6からオーバーフローされた塗工液は回収され、塗工槽6に戻される。浸漬塗工により減少した塗工液に見合った分の塗工液は塗工槽6に加えられる。
【0033】
図1に示したように、伸縮性フード1が伸張したとき(塗工槽6から引き上げ後の静止時)の下端は、筒状体5の下端より同じ又は下方に維持されているが、これら伸縮性フード1の下端の高さと筒状体4の下端の高さの差(L2)は望ましくは1mm以上である。これは、筒状体5を塗工槽6から引き上げた後指蝕乾燥する過程で、塗膜から発生する塗工液溶媒蒸気が自重により下降し、伸縮性フード下端に蒸気が集まってきて、そこに微弱な空気の流れが存在する場合、塗膜の乾き方に多大の影響を与えるからである。
伸縮性フード1が伸張したときの下端が筒状体5の下端より上方に位置していると、筒状体5は伸縮性フード1に覆われていない部分が存在することになるため、その部分では塗膜にムラを生じやすくなるので好ましくない。L2≧0mmであれば、塗膜のムラには効果があるが、あまり長くなると図1に示した例では伸縮性フード1の個々の段数を増やさざるを得ず、設備的に大きいものとなってしまうため、省スペースという観点からすると、L2≦100mm程度が好ましく、さらに好ましくは1≦L2≦50mmである。
【0034】
伸縮性フードは、アルミ、ステンレス等の耐溶剤性、耐蝕性のある金属、ナイロン、テフロン(R)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等、耐溶剤性のあるプラスチック類、ガラスなどを用いて作成することができる。また、伸縮性フードは基体と同じ円筒状が好ましいが、4角形、6角形等の多角形で構成されていても構わない。更にまた、伸縮性フードは複数の部材で構成され、それらの部材が順次内側又は外側に折り畳まれる形態のものであっても、フード全体が蛇腹のような形態のもの等であってもよいが、蛇腹タイプのものの使用が好ましい。
【0035】
このような塗工方法によって或いは塗工装置を用いて製造される電子写真感光体について、以下に説明する。
本発明の電子写真感光体は、前記の円筒体として導電性基体を適用し、塗工液として感光体形成液(中間層形成液、感光層形成液、保護層形成液など)を適用して製造される。
【0036】
本発明の電子写真感光体には、導電性基体上に直接又は下引き層を介して感光層塗工液を塗布して単層感光層を設けた構成のもの(単層感光体)、導電性基体上に直接又は下引き層を介して、電荷発生層、電荷輸送層の積層の感光層を設けた構成のもの(機能分離型感光体)がある。これらの感光層上には必要に応じて保護層が設けられる。以下、機能分離型感光体の構成に従って説明する。
【0037】
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケルなどの金属のドラム及びシート、紙、プラスチック又はガラス上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス、銅−インジウムなどの金属を蒸着するか、酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属酸化物を蒸着するか、金属箔をラミノートするか、又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅などを結着樹脂に分散し、塗布することによっても導電処理したドラム状、シート状、プレート状のものなど、公知の材料を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。更に、必要に応じて導電性基体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の酸化処理、薬品処理、着色処理等を行うことができる。
【0038】
導電性基体と電荷発生層の間に更に下引き層を設けることが出来るが、この下引き層は帯電時において、積層構造からなる感光層における導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止するとともに、感光層を導電性基体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、或いは導電性支持体からの反射光の防止作用等を示す。
【0039】
この下引き層に用いる樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、水溶性ポリエステル、ニトロセルロース又はカゼイン、ゼラチンなど公知な樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
下引き層の厚みは0.01〜10μm、好ましくは0.3〜7μmが適当である。下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法などの通常の方法が挙げられる。
【0041】
電荷発生層(キャリア発生層)は例えばモノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素などのアゾ系色素、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン系色素、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系色素、アンスラキノン、ピレンキノン及びフラパンスロン類などの多環キノン類、キナグリドン系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、インダスロン系色素、スクエアリリウム系色素、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ピリリウム塩色素、チアピリリウム塩色素とポリカーボネートから形成される共晶錯体等、公知各種の電荷発生物質(キャリア発生物質)を適当な結着樹脂及び必要により電荷輸送物質(キャリア輸送物質)と共に溶媒中に溶解或いは分散し、塗布することによって形成することができる。
【0042】
電荷発生層34に用いられる結着樹脂としては、主成分(50重量%以上)としてブチラール樹脂が好適であるが、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を必要により併用してもよい。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し、10〜500重量部好ましくは25〜300重量部である。
【0043】
電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法などを用いることができる。この際、電荷発生物質は、体積平均粒径で5μm以下、好ましくは2μm以下、最適には0.5μm以下の粒子サイズにすることが有効である。これらの分散に用いる溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、キシレンなどの通常の有機溶剤を単独或いは2種類以上混合して用いることができる。
【0044】
本発明で用いる電荷発生層の膜厚は、一般的には0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2μmが適当である。
【0045】
本発明の電子写真感光体における電荷輸送層は、電荷輸送物質を適当な結着樹脂に中含有させて形成される。
電荷輸送物質としては、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサゾアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−〔ピリジル−(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、スチリルトリフェニルアミン、ジベンジルアニリンなどの芳香族、第3級アミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4′−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キンゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N、N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、“Journal of Imaging Science”29:7〜10(1985)に記載されているエナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどのポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタナート及びその誘導体、更にはピレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂などの公知の電荷輸送物質を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送物質は単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0046】
更に、電荷輸送層における結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ブチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−Nビニルカルバゾールなどの公知の樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの結着樹脂は単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0047】
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。本発明で用いる電荷輸送層の膜厚は一般的には5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0048】
更に、電荷輸送層を設ける際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼンなどの芳香族系炭化水素類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレンなどのハロゲン化脂肪族系炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどの環状若しくは直鎖状のエーテル類などの通常の有機溶剤を単独或いは2種類以上混合して用いることができる。
【0049】
保護層は熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、熱可塑性樹脂などを用いて形成されるが、その外、耐磨耗性を向上させる目的で、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン樹脂、酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機材料等を添加することができる。保護層の形成法としては、通常の塗布法を用いることができる。
なお、保護層の厚さは0.1〜10μmが適当である。
また、以上の他に、真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiC等の公知の材料も保護層として用いることができる。
【0050】
本発明においては、電荷輸送層と保護層との間に中間層(図示せず)設けることも可能である。この中間層は、一般に樹脂を主成分としてなるものである。これらの樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン樹脂、水溶性ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。この中間層の形成法としては、上記と同様通常の塗布法を用いることができる。
中間層の膜厚は0.05〜2μmが適当である。
【0051】
また本発明においては、電荷発生層と電荷輸送層との位置を逆にしてもよい。ただし、この場合には電荷発生層上に保護層を設けることが望ましい。
【0052】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。この電子写真法ならびに電子写真装置で用いられる電子写真感光体は、前記の塗工方法または塗工装置によって作成された電子写真感光体である。
【0053】
図3は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0054】
図3において、感光体1は導電性基体上に、少なくとも感光層とフィラーを含有する表面層が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0055】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0056】
かかる光源等は、図3に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0057】
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニングブラシ14およびクリーニングブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0058】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0059】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例によって本発明は限定されない。
【0060】
1.下引き層塗布液の調製:
以下の材料を溶解して下引き層塗布液とした。
【0061】
2.電荷発生層塗布液の調製:
構造式1に示す電荷発生剤 10重量部
ポリビニルブチラール 7重量部
テトラヒドロフラン 145重量部
をボールミルに入れ、72時間ミリングした。更にシクロヘキサノン200重量部を加えて、1時間分散を行った。分散を終了した液を更にシクロヘキサノンで希釈、調整して電荷発生層塗布液とした。
【0062】
を溶解して電荷輸送層塗布液とした。
【0063】
【化1】
【0064】
【化2】
【0065】
外径100mm、長さ360mmのアルミニウム製の円筒状基体に、上記の下引き層塗布液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、厚さ0.5μmの下引き層を形成した。次にこの上に電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)を逐次浸漬塗布し積層感光体試料を作成した。なお、引き上げ速度は電荷発生層は乾燥膜厚0.2μm、電荷輸送層は28μmになるような条件で行った。
【0066】
(実施例1)
図1および図2に示した塗工装置に用いて、L1=5mm、L2=0mm、L3=5mm、L4=10mm、伸縮性フードの上端部内径φ3Hから下端部内径φ3Lの値を引いた数値をΔφ3とした時、Δφ3=0mmの条件で下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次、浸漬塗布を行い電子写真感光体を作成した。なお、伸縮性フードは除電可能な処理をした素材(カーボン繊維を織り込んだ素材)で作成されている。
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の3層を合わせた膜厚を渦電流式膜厚計フィッシャー560Cを用いて測定し、平坦部分の平均膜厚と平坦部分の膜厚バラツキ(R=max−min)を算出し、この感光体をコピーマシン(リコー社製、imagio neo 600)に搭載して画像を出した結果を表1に示す。
【0067】
(比較例1)
伸縮性フードを設置しない状態で電子写真感光体を作成した。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0068】
(参考例2)
伸縮性フードの上端部内径φ3Hから下端部内径φ3Lの値を引いた数値をΔφ3としたとき、Δφ3=−20mm(参考例2−1)およびΔφ3=20mm(参考例2−2)の条件で電子写真感光体を作成した。その他の条件は実施例1に準ずる。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
伸縮性フードの上端部をベースプレートに密着する(L1=0mm)ように設置し、それ以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
伸縮性フードの下端部が塗工槽開口蓋に密着する(L3=0mm)ように設置し、それ以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0071】
(比較例4)
浸漬塗工後、伸縮性フードが基体を全て覆わない以外は実施例と同様にして電子写真感光体を作成した。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0072】
(実施例3)
L4=5mmとした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0073】
(実施例4)
伸縮性フードをナイロン樹脂で作成し、塗工装置に設置後、電子写真感光体を作成した。その他の条件は実施例1に準ずる。膜厚のバラツキ、画像だし結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の発明によれば、伸縮自在のフードを用いているので、浸漬塗布中および指触乾燥中に筒状体に直接風が当たらないので、乾きムラによる膜厚の乱れを防ぐことができ、しかも、フード内に蒸発した溶剤蒸気を自然に排出することができるので、溶剤蒸気の充満による塗膜のタレを防止することができる塗工方法を提供できる。
【0076】
(2)請求項2および7記載の発明によれば、フード内に蒸発した溶剤蒸気を自然に排出するための適切な条件を提供できる。
【0077】
(3)請求項3記載の発明によれば、指触乾燥中の筒状体にフード下部からの風が当たらないので、膜厚の乱れのない電子写真感光体等を製造することが提供できる。
【0078】
(4)請求項4記載の発明によれば、浸漬塗布により基体が引き上げられる際、侵入してくる風の流量を弱くすることが可能なので、フード内および塗工槽開口蓋内部の蒸気濃度を安定させることが可能となり、膜厚の乱れを防ぐことができる。
【0079】
(5)請求項5記載の発明によれば、浸漬塗布により基体が引き上げられる際、侵入してくる風の影響を直接受けることがなくなるので、蒸気濃度をが安定した状態で塗工することが可能となり、膜厚の乱れを防ぐことができる。
【0080】
(6)請求項6の記載の発明によれば、伸縮自在のフードを用いているので装置がコンパクトに小さく仕上がり、浸漬塗布中および指触乾燥中に筒状体に直接風が当たらないので、乾きムラによる膜厚の乱れを防ぐことができ、しかも、フード内に蒸発した溶剤蒸気を自然に排出することができるので、溶剤蒸気の充満による塗膜のタレを防止することができる塗布装置を提供できる。
【0081】
(7)請求項1乃至10の発明によれば、ジャバラ状のフードを使用しているため、装置の軽量化が可能となり、昇降機に負荷の少ない塗布方法及び塗布装置を提供できる。またフードの上端から下端までの内径が均一なため、浸漬塗布後の感光体の周辺に存在する溶剤蒸気濃度を等しくすることができ、円筒状基体表面に形成された塗膜のたれ量は均一となるので、塗膜たれ等によるムラのない感光体等を製造する事が可能な塗布方法及び塗工装置を提供できる。
【0082】
(8)請求項8記載の発明によれば、フードが帯電しないため、電気的に不安定な塗布液を使用しても浸漬塗工時に周囲のフードの帯電むらに影響されないため、塗布むらのない感光体が製造できる塗工装置を提供できる。
【0083】
(9)請求項9および10記載の発明によれば、フードのゆれ防止機構が設置されているため、塗布後にチャックに保持された円筒状基体を乾燥機まで移動させるとき、フードが感光体に接触する事のない塗工装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】指触乾燥時の、浸漬塗工された円筒体と伸縮性フードとの位置関係を説明するための図である。
【図2】浸漬塗工時の、円筒体と伸縮性フードと塗工槽との位置関係を説明するための図である。
【図3】本発明の画像形成装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
(図1、図2において)
1 伸縮性フード
2 チャック
3 支持部材
4 ベースプレート
5 円筒状基体
6 塗工槽
7 塗布液
8 塗工槽開口蓋
L1 伸縮性フードとベースプレートの隙間の距離
L2 伸縮性フードが円筒状基体を被覆する距離
L3 塗工時の伸縮性フードと塗工槽開口蓋の隙間の距離
L4 塗布液表面と塗工槽開口蓋の隙間の距離
φ1 基体直径
φ2 塗工槽開口蓋の開口径
φ3 伸縮性フード内径
Claims (10)
- 塗工液が収容されている塗工槽に筒状体を浸漬した後引き上げることにより、該筒状体に塗膜を形成する塗工方法であって、
該筒状体はその周面が伸縮性フードによって覆われるように配置され、該伸縮性フードは蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じであり、該伸縮性フードの上端並び下端には浸漬塗工又は指触乾燥中に発生する塗工液溶媒蒸気を排出する開口が設けられており、
該伸縮性フード内において該筒状体は該塗工槽中の塗工液に浸漬され、その後、該筒状体が一定の速度又は逐次的に変化する速度で引き上げられる際には、該筒状体と該伸縮性フードは連動して引き上げられる、
ことを特徴とする塗工方法。 - 該伸縮性フードの上端と筒状体保持装置のベースプレートとの隙間の距離(L1)が5mm以上であり、かつ折り畳まれた又は収縮したときの該伸縮性フードの下端と該塗工槽の開口蓋との隙間の距離(L3)が1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の塗工方法。
- 該浸漬塗工した後、該筒状体の引き上げ後の指触乾燥中は、該筒状体の下端と該伸縮性フードの下端の位置が同じ高さにあるか、又は該伸縮性フードの下端が該筒状体の下端より下方にあることを特徴とする請求項1又は2記載の塗工方法。
- 該塗工槽の開口蓋の開口径(φ2)が該筒状体の外径(φ1)よりも10mm以上大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗工方法。
- 該塗工槽中の塗工液表面と該塗工槽開口蓋との隙間の距離(L4)が10mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗工方法。
- 筒状体周辺の気体の流れを抑制する伸縮性フード内で該筒状体が塗工槽で浸漬塗工され、該伸縮性フードが該筒状体の周面を覆うように該筒状体あるいは該筒状体保持装置とともに具備されている塗工装置において、
該伸縮性フードが蛇腹形状を有しており、かつ、その上端から下端までの内径(φ3)が同じであり、該伸縮性フードの上端及び下端に浸漬塗工又は指触乾燥中に発生する塗工液溶媒蒸気を排出する開口が設けられており、また該伸縮性フードは浸漬塗工の際には該塗工槽の上部で折り畳まれ又は収縮し、該筒状体が該塗工槽中の塗工液から一定の速度又は逐次的に変化する速度で引き上げられる際には、該筒状体と連動して引き上げられることを特徴とする塗工装置。 - 該伸縮性フードの上端と筒状体保持装置のベースプレートとの隙間の距離(L1)が5mm以上であり、かつ折り畳まれた又は収縮したときの該伸縮性フードの下端と該塗工槽の開口蓋との隙間の距離(L3)が1mm以上であることを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
- 該伸縮性フードが帯電しないことを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の塗工装置。
- 該伸縮性フードに、揺れ予防機構が設けられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の塗工装置。
- 該揺れ防止機構として少なくとも1本のガイドが該伸縮性フードの伸縮方向と並行に設置してあることを特徴とする請求項9記載の塗工装置。
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