JP4023974B2 - 紙幣収容装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコやスロットマシン等の遊技場で使用される紙幣収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコやスロットマシン等の遊技場においては、図4のように遊技機Aを複数台並列配置していわゆる島を形成し、遊技機Aの間には遊技媒体貸し機Bを配設してパチンコ玉や遊技用コイン等を貸し出すようにしてある。遊技媒体貸し機Bには紙幣挿入口が設けられ、この挿入口に所定の紙幣C例えば千円札を挿入すると、所定数のパチンコ玉や遊技用コイン等が排出される。遊技媒体貸し機Bに挿入された紙幣Cは、各遊技媒体貸し機Bに連結された紙幣搬送路D内に送り込まれ、この搬送路Dに沿って搬送されると共に搬送路Dの下流端部に配設された紙幣収容装置E内に取り込まれて集積される。
【0003】
紙幣収容装置Eは、従来例えば図5に示すようにボックス型のケース1内の上部に制御装置2が取り付けられ、下部にはスタッカ装置3と紙幣金庫4とが配設されている。この紙幣収容装置Eにおいては、各遊技媒体貸し機Bに連結された搬送路Dにより送られてきた紙幣Cがスタッカ装置3により紙幣金庫4に押し込まれ、保持部材5により横立ち状態にて保持される。保持部材5はスプリング6を介して付勢されており、紙幣Cが増えるにつれてスプリング6に抗して徐々に移動し、紙幣Cが所定枚数に達すると検出センサ(図略)により検出される。検出信号は前記制御装置2に入力され、前面の表示部2aに点灯等の所定の表示がなされる。この表示を見た係員は、ケース1の開閉扉1aを解錠して開き、前記紙幣金庫4に集積された紙幣Cの上端部を指で摘んで持ち上げケース1外に取り出す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の紙幣収容装置Eによると、ケース1内が狭いため手を差し入れて紙幣金庫4から所定枚数の紙幣Cを摘んで持ち上げる作業がし難く、又その作業のために紙幣金庫4と制御装置2との間にかなり広いスペースを確保しなければならず、ケース1が大型化して紙幣収容装置E全体をコンパクトに製作できない問題がある。更に、紙幣Cを上から摘んだ際に摘みが浅いため不安定であり、紙幣Cをケース1から取り出す際に手から滑って落下する等の事態が生じていた。
【0005】
本発明は、このような従来の不都合を解消するためになされ、紙幣金庫から所定枚数の紙幣を取り出し易くすると共に、紙幣金庫と制御装置との間に広いスペースを必要とせず、且つケース外に取り出す際に紙幣の落下を未然に防止できるようにした紙幣収容装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための技術的手段として、本発明は、搬送路により搬送されてきた紙幣を収容する紙幣収容装置であって、前面に開閉扉が設けられたケース内にスタッカ装置と、このスタッカ装置により横方向から押し込まれる紙幣をスプリングによって付勢された保持部材で横立ち状態に保持する紙幣金庫とが配設され、前記紙幣金庫の前面開口の下端部には板状の可動片がヒンジを介して起伏自在に取り付けられ、この可動片は、側端部に付勢部材である戻しばねが取り付けられ、常時は起立状態に保持されて前記スタッカ装置により押し込まれる紙幣の飛び出しを防止し、紙幣金庫内に集積した紙幣を摘んで水平方向に引き出す際に、紙幣の前端面の下部が当接して押す力により前記ヒンジ回りに回転して倒伏し、この可動片の上を通過させて紙幣を引き出した後に起立状態に自動復帰することを特徴とする紙幣収容装置を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る紙幣収容装置の実施形態を添付図面に基づいて説明(従来の構成部材に対応するものは同一符号)する。
図1において、紙幣搬送路Dの端部に取り付けられた紙幣収容装置Eは、ケース1内の上部に制御装置2が取り付けられ、下部にはスタッカ装置3と紙幣金庫4とが配設され、ケース1の前面には開閉扉1aが設けられている。
【0008】
紙幣金庫4は、図2のように前記スタッカ装置3により押し込まれる紙幣Cをスプリング6によって付勢された保持部材5で横立ち状態に保持する。7は紙幣金庫4の上部に横架されたガイドバーであり、保持部材5の上部に形成された二股状の係合部5が摺動可能に係合しており、これにより保持部材5の移動を円滑にガイドすると共に、紙幣Cの上方への飛び出しを防止している。
【0009】
この紙幣金庫4は、開口前面の下端部に板状の可動片8がヒンジ9を介して起伏自在に取り付けられると共に、この側端部に付勢部材である戻しばね10(図3)が取り付けられている。可動片8は、常時は起立状態に保持されて紙幣Cの前方への飛び出しを防止しており、紙幣金庫4から所定枚数の紙幣Cを取り出す際は、図3のように戻しばね10に抗して手前側に回転して倒伏し、紙幣Cを引き出せるようにしてある。
【0010】
又、図2のように紙幣収容金庫4の前面側部には切り欠き4aを押し込み孔4bに連通して形成し、前記保持部材5の前端上部にも切り欠き5aを形成し、紙幣Cの取り出し時にこれら切り欠き4a、5aを利用して紙幣Cの側端部を摘み易いようにしてある。
【0011】
このように構成された本発明に係る紙幣収容装置Eは、前記搬送路Dにより搬送されてきた紙幣Cがスタッカ装置3により紙幣金庫4内に押し込まれ、保持部材5により保持されてその枚数が増大していく。保持枚数の増大につれて保持部材5はスプリング6を押し縮めながらガイドバー7に沿って移動し、紙幣Cが所定の枚数になると例えば光学的検出センサ(図略)により検出される。
【0012】
この検出センサからの検出信号が前記制御装置2に入力され、前面の表示部2aに点灯等の表示がなされる。この表示はケース1の開閉扉1aの透明窓1bを通して外部から見えるようになっており、係員は開閉扉1aを解錠して開き、前記可動片8を一方の手指で引っ掛けてヒンジ9回りに回転させることで手前側に倒し、水平に伏した状態を保持して他方の手指で紙幣金庫4内の紙幣Cの手前側端部を摘んで水平方向に引き出すことができる。
【0013】
この際、前記のように紙幣金庫4の切り欠き4a及び保持部材5の切り欠き5aを介して紙幣金庫4内の紙幣Cを手指で確実に摘めるため、紙幣金庫4からの取り出しが安定良く行え、紙幣の落下を未然に防止することができる。又、紙幣Cを手前に引き出すだけで紙幣金庫4から取り出せるため、従来のように紙幣金庫4と制御装置2との間に広いスペースを確保する必要がなくなり、ケース1を小型化することが可能になる。
【0014】
又、前記のように紙幣Cを引き出す前に可動片8を手指で倒伏させるのではなく、紙幣Cを引き出す際に、その前端面の下部が可動片8に当接して押す力により可動片8がヒンジ9回りに回転して倒伏するように構成すれば、紙幣Cの引き出しと同時に可動片8の上を通過させて紙幣Cを引き出すことが可能となる。従って、片手で簡単に紙幣を引き出せることになる。
【0015】
このようにして、紙幣金庫4から紙幣Cを引き出すと、可動片8は戻しばね10の復元力によってヒンジ9回りに逆回転され、紙幣金庫4の前端面に当接して起立状態に自動復帰する。
【0016】
紙幣Cの引き出しは、前記のように制御装置2の表示部2aに表示がなされた時とするが、場合によってはその表示前に紙幣Cを紙幣金庫4から取り出すことも可能であり、その引き出し方法は全く同じである。
【0017】
尚、上記実施形態では紙幣金庫4に起伏自在の可動片8を設けた例を説明したが、これに限定されることなく例えばスライド部材、或は棒状の遮断部材等適宜の開閉手段を設けて実施することが可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、紙幣収容装置のケース内に配設された紙幣金庫の前端側を開閉可能に形成し、紙幣金庫内に集積した紙幣の側端部を摘んで水平方向に取り出せるようにしたので、紙幣の取り出し作業が容易になると共に、取り出す際に紙幣の落下を未然に防止することができる。又、紙幣金庫の上方に広いスペースを必要としないことから、ケースの小型化が可能となり紙幣収容装置をコンパクトに製作できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙幣収容装置の紙幣取り出し時の状態を示す斜視図
【図2】紙幣金庫の可動片起立時の状態を示す斜視図
【図3】紙幣金庫の可動片を倒伏して紙幣を取り出す状態を示す斜視図
【図4】紙幣収容装置の配設位置を示す概略平面図
【図5】従来の紙幣収容装置における紙幣取り出し時の状態を示す斜視図
【符号の説明】
1…ケース
2…制御装置
3…スタッカ装置
4…紙幣金庫
5…保持部材
6…スプリング
7…ガイドバー
8…可動片
9…ヒンジ
10…戻しばね

Claims (1)

  1. 搬送路により搬送されてきた紙幣を収容する紙幣収容装置であって、前面に開閉扉が設けられたケース内にスタッカ装置と、このスタッカ装置により横方向から押し込まれる紙幣をスプリングによって付勢された保持部材で横立ち状態に保持する紙幣金庫とが配設され、前記紙幣金庫の前面開口の下端部には板状の可動片がヒンジを介して起伏自在に取り付けられ、この可動片は、側端部に付勢部材である戻しばねが取り付けられ、常時は起立状態に保持されて前記スタッカ装置により押し込まれる紙幣の飛び出しを防止し、紙幣金庫内に集積した紙幣を摘んで水平方向に引き出す際に、紙幣の前端面の下部が当接して押す力により前記ヒンジ回りに回転して倒伏し、この可動片の上を通過させて紙幣を引き出した後に起立状態に自動復帰することを特徴とする紙幣収容装置。
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