JP4023757B2 - 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート - Google Patents
匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP4023757B2 JP4023757B2 JP07357698A JP7357698A JP4023757B2 JP 4023757 B2 JP4023757 B2 JP 4023757B2 JP 07357698 A JP07357698 A JP 07357698A JP 7357698 A JP7357698 A JP 7357698A JP 4023757 B2 JP4023757 B2 JP 4023757B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- ground
- planting
- fibers
- toothpick
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Protection Of Plants (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は匍匐枝によって増殖繁茂を行う地被植物を対象とした植栽シート、更に詳しくはアジュガレプタンス、シバザクラ、ヘデラ、マツバギクのような景観美化に貢献する地被植物の繁茂形態を妨げずに雑草被圧から防護することが出来る植栽シート、及び該シートを使用した地被植物の栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
匍匐枝によって増殖繁茂を行う地被植物、例えばアジュガレプタンス、シバザクラ、ヘデラ、マツバギクのように地面に這って増殖する地被植物であっても、雑草によってその繁茂を妨げられる。すなわち雑草の被圧から防護する為の植栽シートが望まれる訳であるが、今日これら地被植物に適した植栽シートは存在していない。
【0003】
従来、天然繊維、動物性繊維、分解性プラスチックを利用して腐ることを前提としたシートは存在しているが、このシートは1年もすれば腐ってしまい、再び敷設する必要があり、長年にわたる雑草抑止効果は得られない。すなわち一時的なものである。又逆に化学繊維の不織布、織布を利用して腐らないことを前提としたシートもある。しかしこのシートは匍匐枝からの根が満足に入ることが出来ず、増殖繁茂を阻害し、何れは退化及び枯死に至る。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
このように従来の植栽シートには上記のごとき問題があり、葡匐枝から根が生長して増殖繁茂する地被植物に適したシートは存在していない。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、雑草の繁茂を抑止すると共に、所望の地被植物だけを増殖繁茂することが出来る植栽シートを提供する。同時にこの植栽シートを使用した地被植物の栽培方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の植栽シートは地面に敷設した上に地被植物が増殖繁茂することが出来、同時に雑草の繁殖を抑止することが出来る機能を備えたシートである。地面に敷いたシートの適当な複数箇所に穴を開けて地被植物の元株(親株)を植え、この元株は葡匐枝を伸ばして途中で根を生やし、この根は該植栽シートの僅かな隙間を通過して地面へ伸びて侵入する。根を生やすことで一段と成長した子株はさらに葡匐枝を伸ばして根を生やしながらシート全面に増殖繁茂する。
【0006】
ここで上記植栽シートは遮光性があり、通気性及び透水性を備えている。遮光性がある為に一旦地面に敷設すれば光合成が不能になることから、シート下面に雑草が生えることは出来ない。又異なる場所から雑草の種子が飛ばされて来た場合には、透水性に優れて保水性がない為にシート上面には水分が存在せず、該種子が発芽することは出来ない。
【0007】
ただし、地被植物の葡匐枝から生えた根がシートを通過しなくてはならず、その為に極細で長いフイラメント繊維を混合解繊した不織布を構成している。従ってこの不織布シートはソフトで伸縮性とルーズ性を兼ね備え、自在に広がる繊維構造を構成している。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の植栽シートは上記のごとき極細で長いフイラメント繊維をランダムに混合解繊したものであり、化学繊維、天然繊維、及び低温度溶融糸を均一に混合している。低温度溶融糸は所定の温度に加熱することで溶融して他のフイラメント繊維と接合して所定の強度を保ったシートが構成される。この場合のシート強度が低い時には、ニードルパンチがなされてから加熱して低温度溶融糸を溶融する。
【0009】
例えば、3〜6デニールの50mm〜100mmの化学繊維を70%〜80%、同じデニールの天然繊維を5%〜10%、それに同デニールで150℃〜180℃で溶融する低温度溶融糸を10%程度均一に混合解繊し、フイラメント繊維同士を絡ませる為にニードルパンチを行う。その後、加熱して低温度溶融糸を溶かして繊維を接合し、4mm〜6mmの不織布を構成する。ここで、各フイラメント繊維は遮光性を得る為に黒系、茶系の光を吸収する色彩となっている。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
【実施例】
図1は本発明の植栽シートの外観図であり、所々には地被植物の苗である元株を植付けする為の切り込み溝1、1…がX状を成して形成されている。この切り込み溝1はカッターにて簡単に切り裂くことが出来る。勿論、地被植物の元株を植付けする為には、必ずしもX状の切り込み溝に限ることはなく、円形穴であってもよく、X状の切り込み溝1は該植栽シートを地面に敷設する前に、又は敷設した後で適当な箇所に切り込むことが出来る。
【0011】
ところで、この植栽シートは極細で長い繊維を混合解繊してシート状にしたものであり、図2はこのシートの拡大組織をモデル化して示している。同図の2は化学繊維、3は天然繊維、4は低温度溶融糸を示している。ここで、上記化学繊維2は3〜6デニールの太さで50mm〜100mmの長さとし、重量比で70%〜80%、天然繊維3は同じ長さと太さを有して5%〜10%、そして低温度溶融糸4は同じ長さと太さを有て、10%の重量比で均一に混合解繊される。
【0012】
そしてこれら各繊維2、3、4を均一に混合解繊した後で、繊維同士を絡ませる為にニードルパンチングがなされる。このままで使用することも出来るが、シート強度を増す場合には、その後150℃〜180℃に加熱して上記低温度溶融糸を溶かし、互いに絡み合っている化学繊維2、2…と天然繊維3、3…と接合する。すなわち低温度溶融糸4の表面が溶融して互いに接合し合い、ある程度の強度をもった厚さが4mm〜6mmの不織布が作られる。従って、ニードルパンチングだけで使用する場合には上記溶融糸4を混合する必要はない。ここで、これら各繊維2、3、4は黒系又は茶系として、光を吸収し易くしている。
【0013】
このように本発明の植栽シートは極細で長い繊維を混合解繊して低温度溶融糸4を介して接合して製作される不織布である。溶融糸を介在しないでニードルパンチングだけでシート化した不織布や接着剤を使用した不織布に比較して適度な強度とソフトで適宜な伸縮性及びルーズ性が得られ、自在に広がる繊維構造を構成することが出来る。従って、地被植物の元株から伸びる葡匐枝の途中に生える根は、該植栽シートの各繊維間の僅かな隙間を通過して地面に侵入することが出来る。
【0014】
そして、該シートには天然繊維3が混入している為に、該天然繊維3は時の経過にともない腐食して伸縮性はさらに向上し、葡匐枝から生じて各繊維の隙間を通過した根が成長して太くなることを妨げることはない。又、黒系や茶系の繊維が使用されている為に、該植栽シートは同じく黒系又は茶系の色彩を呈し、遮光率99%以上となり、該シートが敷設されて下になった雑草の光合成は阻止される。一方、各繊維間には微細な隙間が存在している為に、これら隙間を通して透水性や通気性は確保される。
【0015】
図3は地被植物が前記切り込み溝1に植えた元株5から葡匐枝6、6…を伸ばして繁殖している状態を表している。元株5から伸びた葡匐枝6が植栽シート7に接し、そこから根が生えて各繊維間の僅かな隙間を通過して地面に侵入して、該元株5の周りには子株8、8…が生育する。さらにこれら子株8、8…から伸びた葡匐枝6、6…には孫株9、9…が出来て、シート全面が地被植物にて覆われることになる。
【0016】
以上述べたように、本発明の地被植物の栽培方法は伸縮自在なシートを使用し、このシートの所々に設けた切り込み溝に元株を植付けして栽培するものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0017】
【発明の効果】
本発明の地被植物は伸縮自在な植栽シートの所々に切り込み溝を設け、この溝に元株を植付けするだけで、該地被植物は元株から葡匐枝を伸ばして周囲に増殖繁茂することが出来る。植栽シートは極細で長い繊維を絡ませて作った不織布であり、葡匐枝から生えた根は各繊維の僅かな隙間を通過して地面に侵入することが出来る。そして、繊維には溶融糸が混入している為に、該シートは溶融糸を溶かして他の繊維を接合し、適度な強度を保った上でソフトで伸縮性があり、又ルーズ性を備えている為に葡匐枝に生えた根は該シートを容易に通過して地面に侵入することが出来る。更に、繊維中には天然繊維を含んでいる為に、該天然繊維は腐食して根の成長を阻害することはない。
【0018】
一方、該シートは黒系又は茶系の色彩を呈している為に遮光性は高く、シートを地面に敷設するならば、シート下面の雑草には光が当たらず、雑草の生育を阻止することが出来き、地被植物は雑草被圧を受けることなく成長する。更に、シートは透水性と通気性に優れて保水性はない為に、他から飛来した種子がシート面に落ちても発芽することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】切り込み溝を設けた植栽シートの具体例。
【図2】植栽シートの組織拡大図。
【図3】植栽シートを用いて地被植物が増殖繁茂する状態。
【符号の説明】
1 切り込み溝
2 化学繊維
3 天然繊維
4 低温度溶融糸
5 元株
6 葡匐枝
7 植栽シート
8 子株
9 孫株
Claims (3)
- 匍匐枝を伸ばして増殖繁茂する地被植物の栽培方法において、地面には植栽シートを敷設し、このシートの所々に設けた切り込み溝又は穴に元株(親株)を植え付けし、該元株から伸びる匍匐枝に生える根は植栽シートを通過して地面に侵入することが出来るようにしたものであり、該植栽シートは、3〜6デニールで長さ50mm〜100mmの化学繊維を重量比70%〜80%、3〜6デニールで長さ50mm〜100mmの天然繊維を重量比5%〜10%、そして、3〜6デニールで長さ50mm〜100mmであって150℃〜180℃で溶接する重量比10%の溶融糸を均一に混合解繊し、各繊維を絡ませる為にニードルパンチを施してシート化すると共に、所定の温度に加熱することで上記溶融糸を溶かして他の繊維と接合した厚さが4mm〜6mmの不織布であり、保水性は無いが通気性と透水性を有し、植栽シートは匍匐枝に生える根が各繊維間の僅かな隙間を通過して地面に侵入可能とする適度な強度とソフトで伸縮性とルーズ性を備え、更に光を吸収する黒糸又は茶系の色彩としていることを特徴とする匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法。
- 地面に敷設した植栽シートの天然繊維は時の経過につれて腐食し、シートの各繊維の隙間を貫通した根が成長して太くなることを妨げないようにしている請求項1記載の匍匐枝によって、増殖繁茂する地被植物の栽培方法。
- 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培に際して地面に敷設して使用する植栽シートであって、該植栽シートは3〜6デニールで長さ50mm〜100mmの化学繊維を重量比70%〜80%、3〜6デニールで長さ50mm〜100mmの天然繊維を重量比5%〜10%、そして、3〜6デニールで長さ50mm〜100mmであって150℃〜180℃で溶接する重量比10%の溶融糸を均一に混合解繊し、各繊維を絡ませる為にニードルパンチを施してシート化すると共に、所定の温度に加熱することで上記溶融糸を溶かして他の繊維と接合した厚さが4mm〜6mmの不織布であり、保水性は無いが遮光性と通気性及び透水性を有し、匍匐枝に生える根が各繊維間の僅かな隙間を通過して地面に侵入可能とする適度な強度とソフトで伸縮性とルーズ性を備えていることを特徴とする植栽シート。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07357698A JP4023757B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート |
AU97624/98A AU9762498A (en) | 1997-11-10 | 1998-11-09 | Forged brass product and cut brass product having high corrosion resistance and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07357698A JP4023757B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11243768A JPH11243768A (ja) | 1999-09-14 |
JP4023757B2 true JP4023757B2 (ja) | 2007-12-19 |
Family
ID=13522265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07357698A Expired - Fee Related JP4023757B2 (ja) | 1997-11-10 | 1998-03-06 | 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4023757B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007089558A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-04-12 | Ingusu:Kk | 植物育成用保護マット及び該マットによる植物育成方法 |
JP5469550B2 (ja) * | 2010-06-29 | 2014-04-16 | 東日本電気エンジニアリング株式会社 | 植栽方法 |
-
1998
- 1998-03-06 JP JP07357698A patent/JP4023757B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11243768A (ja) | 1999-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4574522A (en) | Root control bag | |
KR20120008751A (ko) | 멀칭용 부직포 구조체 | |
JPH07155061A (ja) | 移植可能な苗木の栽培方法 | |
JP4023757B2 (ja) | 匍匐枝によって増殖繁茂する地被植物の栽培方法及び植栽シート | |
JPH07207614A (ja) | 芝舗装構造およびその施工法 | |
KR102174896B1 (ko) | 부직포 화분 | |
WO2020129756A1 (ja) | 植生シート | |
JP2762825B2 (ja) | 植物保育シートおよび植物の栽培方法 | |
KR102503940B1 (ko) | 부직포 화분 | |
JP4485765B2 (ja) | 防草シート | |
JP2007174934A (ja) | 緑化工法 | |
JP3526834B2 (ja) | 地表被覆防草シート | |
JP2004180531A (ja) | 袋状植木ポット | |
JP3127011U (ja) | 防草マット | |
EP0299067B1 (en) | Support of culture medium for culturing plant | |
JPH10262472A (ja) | 透水性防草シート | |
JP5588080B2 (ja) | 地被植物養生用防草シートの敷設方法 | |
KR102089594B1 (ko) | 전면 통기형 잔디 구조체 및 그 시공방법, 식생방법 | |
JPH0515251A (ja) | 植物育成床 | |
JP3064264U (ja) | 地面敷設用マット | |
JPH071984Y2 (ja) | 雑草防止用マット | |
JP3080715U (ja) | 栄養繁殖型の苗芝シート | |
JP2017123793A (ja) | 雑草抑制資材 | |
JPH06327360A (ja) | 育苗用シート及び育苗方法 | |
JPH02207720A (ja) | 植物育成用シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070828 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071001 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |