JP4023682B2 - レトルト抽出殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、漢方薬類、ウーロン茶、緑茶、コーヒー等の飲料類、かつお節、煮干、こんぶ、しいたけ等のだし類等の被抽出物から有効成分を抽出する方法に関し、さらに詳しくは、被抽出物を水を透過させる袋に封入し、水と一緒に包装容器に密封した後、レトルトによって有効成分の抽出と殺菌を同時に行ない長期保存を可能にしたレトルト抽出殺菌方法に関するものである。
一般に、家庭で行なわれている被抽出物からの有効成分の抽出は、例えば、漢方薬の1種の安中散の場合、桂皮3.0g、縮砂2.0g、牡蛎3.0g、延胡索3.0g、茴香2.0g、甘草2.0g、良姜1.0gの生薬計16.0gを水500mlに加え、30分間放置した後、火にかけ沸騰する直前に火を弱くしてそのまま弱火で40分間かけて250ml位まで煎じることにより行っていた。
また、簡単に漢方薬を煎じることができる器具として、外釜と内釜とを有し、内釜に漢方薬と水を投入し、外釜に備えたヒータ部により加熱して煎じる漢方薬煎じポットが提案されており(特許文献1参照)、さらに、外釜の内側に、ヒータが装着された煎じ槽と保温槽とが収納され、煎じ槽へ投入した漢方薬と水とを加熱して所望の煎じ液を作製するとともに、保温状態で貯蔵する漢方薬煎じ器が提案されている(特許文献2参照)。
緑茶、紅茶、ウーロン茶は急須と熱い温湯で抽出したり、ティーバッグ等で抽出している。ところで、缶入りやPETボトル入りの緑茶が普及しており、これらの缶入りやPETボトル入りの緑茶は、緑茶から抽出された成分のうち酸素に弱く酸化されやすい成分を含み、酸化によって香りを失ったり、褐変に変色したりするので、内容物と包装容器との間にできる空間部分の空気を窒素ガスブローで窒素と置換したり、液体窒素を数滴たらし、その気化した窒素ガスで空気を追いだして窒素と置換したりしていた。
コーヒーはコーヒー豆を焙せんしてサイフォン等で抽出するが、焙せんの程度が難しいこととサイフォン等で抽出する手間が面倒である。簡単には焙せん後抽出し、その抽出液をフリーズドライで粉末にしたインスタントコーヒーがあり便利であるが、コーヒーの良い香りがもう一歩である。また、缶入りコーヒーやPETボトル入りコーヒーがあり便利であるが、緑茶同様コーヒーの良好なフレーバー成分が焙せんによって熱分解して発生したアルデヒド(−CHO)やケトン(=CO)化合物からなっており、いずれも酸素に弱く酸化劣化しやすい。したがって、工業的生産の場合には、焙せん工程から最終工程まで(焙せん−抽出−金属缶に密封−レトルト→缶入りコーヒーや焙せん−抽出−殺菌−無菌PETボトル封入→PETボトル入りコーヒー)酸素を遮断して生産を行なっている。また、缶入り、PETボトル入り、いずれも容器に封入する場合には内容物と容器との空間部の空気を窒素と置換している。
かつお節、煮干、こんぶ、しいたけ等のだし類は調理する汁物料理にそのまま加えて調理される。
特開平11−299862号公報 特開2000−24088号公報
しかしながら、前述したような漢方薬における有効成分を抽出する方法では、手間と時間がかかり、また、火にかけている間は吹きこぼれや煮詰め過ぎないように注意していなければならない。また、数日分を抽出しておくと、漢方薬は植物なので土中に多い耐熱性菌のバチルス属が死滅せず残留し、また空気中、手指、器物からの汚染菌によって腐敗し保存できなかった。従って、毎日煎じなければならず面倒であった。
また、特許文献1及び2で提案されている簡単に煎じることができる器具においても、煎じた漢方薬を長期間保存することはできないものであった。
緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー等の飲料類の場合も、抽出液はいずれも植物なので土壌由来の耐熱性菌のバチルス属が残留し、また空気中、手指、器物からの汚染菌による腐敗を防止し、微生物的保存性を持たせることが必要である。さらに、緑茶、コーヒーは良い香りのフレーバーが酸素に弱く、如何に良いフレーバーを発現させてそれを抽出し、酸化劣化がなく、その保存性を持たせることが必要である。
かつお節、煮干、こんぶ、しいたけ等のだし類は、脂質を含むかつお節、煮干は酸化劣化し易く、こんぶ、しいたけはそれ程でもないが徐々に酸化劣化が進むので、いずれにしても酸化劣化がなくその保存性を持たせることが必要であり、また、抽出液の空気中、手指、器物からの汚染菌の腐敗を防止し、微生物的保存性を持たせることが必要である。
本発明は、以上の課題を解決し、長期間保存しても腐敗することなく、かつ、香り、味等も劣化することが無く、しかも、被抽出物からの有効成分の抽出と、その有効成分が抽出された液体の殺菌を同時に行えるので、極めて簡単に製造することができるようにしたレトルト抽出殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意研究した結果、被抽出物から有効成分を効果的に抽出するには100℃以上のレトルト抽出によって、また残留菌や汚染菌による腐敗を防止するには包装容器に密封した後、レトルト殺菌することによって、極めて簡単な作業で有効成分を効率良く抽出できるとともに、長期間良好に保存できることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、酸化劣化しやすい抽出物の場合にはバリヤー性を有する包装容器に、必要によっては内容物と包装容器との空間部分の空気を窒素に置換することによって、酸化劣化も起らずに長期間良好に保存できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるレトルト抽出殺菌方法は、酸素バリヤー性を有する包装容器に、水と、水を透過させる被抽出物封入袋に封入した被抽出物とを投入し、この包装容器を密封後100℃以上のレトルトにより、被抽出物の有効成分を水の中に抽出するとともに、殺菌することを特徴として構成されている。
本発明によるレトルト抽出殺菌方法においては、被抽出物は被抽出物封入袋に封入されているので、浮き上がることが無く常に水の中に浸った状態にあり、レトルトにより100℃以上に加熱された際、被抽出物から有効成分を効率良く抽出することができる。また、抽出と同時に殺菌も行われるので、微生物による腐敗がなく、さらに、包装容器は酸素バリヤー性があるので、酸化による劣化もなく、有効成分を抽出した際の状態を長期間維持することができる。
本発明によるレトルト抽出殺菌方法においては、酸素バリヤー性を有する包装容器を用いている。この包装容器は、立体容器でも良いが中身が水抽出した液体なので形状にはあまりとらわれず、コストの安いパウチが適している。パウチにはノッチをつけ、易引裂き性を付与したものであれば開封に便利である。また、注き出し口等を設けても良い。
包装容器は、酸素バリヤー性を有しており、酸素バリヤー層を設けることにより達成することができる。酸素バリヤー層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着PETフィルム、酸化アルミニウム(Al23)蒸着PETフィルム、酸化ケイ素(SiOx)蒸着PETフィルム、PVDCフィルム、PVDCコートPETフィルム、EVOHフィルム、MXD−6NYフィルム及びポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーコートPETフィルム中から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせとすることができる。
包装容器は、上述したような酸素バリヤー層が形成されており、かつレトルトに耐え得るものであれば特に限定されず、また、酸素バリヤー層の積層位置は、内層であっても外層であっても、これらの中間に位置する中間層であってもよく、物理強度、耐熱性等を考慮して適宜配置する。
包装容器の酸素バリヤー性は、小さい方が好ましく、特に、酸化により香りや味が大幅に損なわれる紅茶、コーヒーや、脂質を含んで酸化劣化し易いかつお節、煮干においては小さいほど好ましく、1ml/m2・D・atm以下であることが好ましく、0.5ml/m2・D・atm以下であることがより好ましい。
包装容器の内層は、レトルトにより120℃以上の熱がかかるのでPPフィルムが好ましく、また、抽出液と直接触れるのでレトルト殺菌温度でも溶出の少ない安全衛生性の高いグレードが選ばれる。
包装容器の外層は、パウチをヒートシールで密封することから、耐熱性のあるPETフィルムが最適である。ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーコートしたPETフィルムは、バリヤー性と耐熱性の両特性を保有しているので直接内層と貼り合わせても良い。また、必要であれば外層のPETフィルムに裏印刷を行なって種々の表示をすることができる。
内層、中間層及び外層は、レトルトに耐えられる接着剤、例えばポリウレタン系接着剤を用いて貼り合わせることができ、また、必要に応じて、内層と外層との間に他の中間層を積層してもよい。
以上のような包装容器に、水と、水を透過させる被抽出物封入袋に封入した被抽出物とを投入し、レトルトにより被抽出物の有効成分を水の中に抽出するとともに、殺菌する。すなわち、被抽出物が水の中で浮遊しないように被抽出物封入袋に封入する。被抽出物封入袋としては、水が透過可能であるとともに、封入した被抽出物が可能な限り袋外へ出ないようなものであればよい。例えば、不織布で形成することができ、特に、レトルト殺菌温度に耐えられるPP製の不織布が好ましく、抽出液の味覚やフレーバーに影響を与えないように、レトルト殺菌温度でも溶出の少ない、安全衛生性の高いグレードから選ばれる。
被抽出物の封入は、不織布からなる被抽出物封入袋を用いた場合、一枚の不織布を折り返して両端をシールして袋を作り、又は二枚の不織布を合わせて3方をシールして袋を作り、袋の開いている部分から被抽出物を投入後、その開封部分をヒートシールして被抽出物を封入する。
次いで、被抽出物封入袋に封入された被抽出物は所定の水とともに包装容器に充填され、密封される。緑茶、コーヒー等の酸化劣化しやすい被抽出物の場合には、被抽出物及び水からなる内容物と包装容器との間にできる空間部分の空気を窒素ガスで置換して酸素を除去することが好ましい。また、使用する水の溶存酸素(5〜8ppm)を除去するために、一度沸騰して冷却した水を使用するのが好ましい。このように包装容器に密封された被抽出物と水は、100℃以上のレトルトによって被抽出物から有効成分が抽出されるとともに、殺菌される。
レトルトの温度と時間は温度が高ければ抽出が促進され(2〜3倍/10℃)、殺菌も促進される(10倍/10℃)ので概略的には高温のほうが良い。時間は長ければ長い程、抽出も殺菌もされるが同時に雑味、異味等も抽出されるようになるので、温度と時間を変えながら最適の条件が選ばれる。しかし、長期保存しても腐敗しない缶詰の殺菌指標であるF0=4.0以上与えることが重要である。
レトルトは一般的に使われている熱水方式、熱水シャワー方式、蒸気方式いずれでも良く、また、そのまま包装容器を静置させてレトルトを行なう静置式や包装容器を専用の治具にセットして、専用の治具毎回転させる回転式でも良い。回転式は包装容器の被抽出物と水とがゆり動かされて撹拌され、包装容器表面からの熱伝達が良く行なわれていて抽出も殺菌も良く行なわれて好ましい方法である。
このように、酸素バリヤー性に優れた包装容器に被抽出物を水とともに密封し、100℃以上の温度でレトルト抽出・殺菌され、缶詰の殺菌指標であるF0=4.0以上与えられた内容物は、微生物による腐敗もなく、酸化劣化をすることもなく、フレーバー、味覚を維持しながら長期保存することができる。
さらに、酸化劣化しやすい被抽出物の場合には包装容器に酸素バリヤー性が0.5ml/m2・D・atm以下のものを用い、抽出に用いられる水の溶存酸素を除去し、内容物と容器との空間部の空気を窒素に置換することにより、良いフレーバーと味覚を得ることができ長期保存することができる。
漢方薬のように有効成分を抽出しにくく、煎じるのに時間がかかる被抽出物の場合は、抽出する熱水の温度を高くしてレトルトによる加圧・加熱によって効率よく有効成分を抽出することが好ましい。温度を高くする効果は、温度が10℃高くなると抽出される効率は2.5倍となり、100℃で加熱する場合に比べて120℃で抽出すれば(2.5)2倍、すなわち6.25倍の効率で抽出することができる。漢方薬中に含まれているバチルス属、空気中、手指、器物からの汚染菌による腐敗防止には、包装容器に密封して100℃以上のレトルトによって加圧・加熱殺菌する。
緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー等の嗜好品の場合、特に緑茶、コーヒー等の良い香りのフレーバーが酸素に弱く、酸化劣化しやすいものの場合は、酸素バリヤー性が0.5ml/m2・D・atm以下の包装容器を用い、内容物と包装容器との間にできる空間部(ヘッドスペース)の空気を窒素を吹き込んで追い出すか、液体窒素を数滴以上たらし、その液体窒素が気化して気体になることによってヘッドスペース中の空気を追い出した後、包装容器を密封し100℃以上のレトルトによって抽出し、同時にF0=4.0以上のF0値を与えれば被抽出物由来のバチルス属、空気中、手指、器物からの汚染菌を死滅させることができ、微生物的保存性と酸素による酸化劣化防止の保存性も得ることができる。
かつお節、煮干し、こんぶ、しいたけ等のだし類の中の脂質を含んで酸化劣化しやすいかつお節、煮干しは等の場合は、酸素バリヤー性0.5ml/m2・D・atm以下の包装容器に、それ程酸化劣化の少ないこんぶ、しいたけ等は、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下の包装容器を用い、100℃以上のレトルトによって抽出し、同時にF0=4.0以上のF0値を与えれば、被抽出物由来のバチルス属、空気中、手指、器物からの汚染菌を死滅させることができ、微生物的保存性と酸素による酸化劣化防止の保存性も得ることができる。
[包装容器]
内層として、レトルト温度に耐えることができ、レトルト温度でもフィルムからの溶出が少なく、異味・異臭のない安全衛生性の高いポリプロピレンフィルムである、昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製,『アロマーUT21』(60μm)を用い、中間層のバリヤー層として、PVDC系のフィルムである旭化成(株)製,『サランUB』(15μm)を用い、外層として、PETフィルムである東洋紡績(株)製,『エスペットフィルム』(12μm)を用い、レトルト用ポリウレタン接着剤(3g/m2)を用いてドライラミネートを行い、外側から、PET(12μm)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/PVDC(15μm)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPP(60μm)構成のラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムの酸素バリヤー性は0.95ml/m2・D・atmであった。
このラミネートフィルムを用いて14cm×21cm×底部巾5cmのスタンディングパウチを作製した。
[被抽出物封入袋]
一方、レトルト温度でも溶出が少なく、異味・異臭の少ない安全衛生性の高いポリプロピレン不織布(ユニチカ(株)製,『エルベス』)を用いて、一枚の不織布を折り返して両端をシールし、6cm×8cmの袋を作製した。
[被抽出物]
この不織布からなる被抽出物封入袋に漢方薬である安中散(桂皮3.0g、縮砂2.0g、牡蛎3.0g、延胡索3.0g、茴香2.0g、甘草2.0g、良姜1.0gの生薬計16.0g)を投入し、袋の開口部分をヒートシールして封入した。この被抽出物封入袋に封入した安中散と水250mlとをスタンディングパウチに投入し、ヒートシールして密封した。
[レトルト]
このスタンディングパウチを熱水方式−静置レトルトで昇温10分−殺菌123℃、20分−冷却15分間のレトルトを実施した。この時のF0値は30.6であった。
[試験]
レトルト直後のスタンディングパウチを開封し、抽出液を取り出し外観を観察するとともに試飲し、その味覚を味わった。また、抽出液0.5mlを下記に示すような一般生菌数測定用の標準寒天培地に塗抹し、35℃−2日間培養してコロニーの生育の有無から微生物の残存有無を調べた。
さらに、室温で6ヶ月保存し、レトルト直後と同様の味覚テストと菌の有無を調べた。
<一般生菌数測定用標準寒天培地>
酵母エキス……2.5g
ペプトン………5.0g
ブドウ糖………1.0g
寒天……………15.0g
1リットルの水に溶かしpH=7.1に調整後、オートクレーブで121℃−20分間殺菌、シャーレに分注後固化、35℃の恒温槽で3日間乾燥後使用。
[試験結果]
<外観及び味覚>
レトルト直後;
同じ量を煎じたものより色は濃く、味覚は煎じたものと同一であった。煎じたものより良く抽出されていた。なお、煎じた方法としては、前述した方法と略同様である。
室温6ヶ月保存後;
外観及び味覚ともレトルト直後と同様であった。
<微生物の残存有無>
レトルト直後も6ヶ月保存後もコロニーの生育は認められなかった。従って、生薬等に存在していたバチルス等の耐熱菌も全て死滅し、残存菌は存在していなかった。
[包装容器]
最内層として、実施例1と同グレードの昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製,『アロマーUT21』(70μm)を用い、外層として、東洋紡績(株)製,『エスペットフィルム』(12μm)にバリヤー層としてポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを1μmの厚みでコートしたフィルムを用い、バリヤー層を最外層としてポリウレタン接着剤(3g/m2)を用いてドライラミネートを行ない、外側から、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー(1μm)/PET(12μm)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPP(70μm)構成のラミネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムの酸素ガスバリヤー性は0.2ml/m2・D・atmであった。
このラミネートフィルムを用いて実施例1と同様な14cm×21cm×底部巾5cmのスタンディングパウチを作製した。
[被抽出物封入袋]
実施例1と同様に、ポリプロピレン不織布を用いて5cm×6cmの袋を作製した。
[被抽出物]
このポリプロピレン不織布からなる袋に、焙せんしたコーヒー10gを封入した。この袋に封入したコーヒーと、一度煮沸させた後冷却して溶存酸素を除去した水200mlとをスタンディングパウチに投入し、内容物とパウチとの空間部の空気を窒素ブローを行なって窒素ガスに置換し、ヒートシールを行なって密封した。
[レトルト]
このスタンディングパウチを実施例1と同様の熱水方式−静置レトルトで昇温10分−殺菌123℃、20分−冷却15分間のレトルトを実施した。この時のF0値は33.4であった。
[試験]
このレトルト直後の抽出液を取り出し70℃に加温した後、焙せん後サイフォンで抽出したコーヒーと、市販の缶入りコーヒー(Black)とのフレーバー及び味覚を比較した。比較は味覚に優れた5名の味覚パネラーによって行ないサイフォンで抽出したコーヒーを5点満点とし、5名の平均点を評価点とした。
また、抽出液0.5mlを採取し、実施例1と同様の標準寒天培地に塗抹し35℃−2日間培養して菌の有無を調べた。
さらに、レトルト後のスタンディングパウチを室温で3ヶ月保存し、レトルト直後と同様の味覚テストと菌の有無を調べた。
[試験結果]
<味覚>
レトルト直後;
Figure 0004023682
評点:5.0(非常に良い)
4.0(良い)
3.0(普通)
2.0(まずい)
1.0(非常にまずい)
室温3ヶ月保存後;
Figure 0004023682
3ヶ月後もまだコーヒーの良い香りが残っており、酸素ガスバリヤー性の高いフィルムで作られたスタンディングパウチの保存性が優れているため長期保存が可能である。
<微生物の残存有無>
レトルト直後も3ヶ月保存後もコロニーの生育は認められなかった。従って、バチルス等の耐熱菌も全て死滅し残存菌は存在していなかった。
[包装容器]
実施例1と同一のスタンディングパウチである。
[被抽出物封入袋]
実施例1と同一のPP不織布からなる袋である。
[被抽出物]
PP不織布の被抽出物封入袋に、水で1時間浸漬して戻した干し椎茸30gを約5mm角にきざんで封入した。これを水200mlとともにスタンディングパウチに投入し、開封部をヒートシールして密封した。
[レトルト]
このスタンディングパウチを実施例1と同様に熱水方式−静置で昇温10分−殺菌121℃、20分−冷却15分間のレトルトを実施した。この時のF0値は26.5であった。
[試験]
レトルト直後の抽出液をスタンディングパウチから取り出し、そのまま直接味わって旨味が充分抽出されているか、またしょう油で味つけしながらそうめんのつゆとして何倍まで希釈できるかをテストした。
また抽出液0.5mlを実施例1で用いた標準寒天培値に塗抹し、35℃−2日間培養して菌の有無を調べた。
さらに、レトルト後のスタンディングパウチを室温で6ヶ月間保存し、レトルト直後と同様味覚テストと菌の有無を調べた。
[試験結果]
<味覚>
Figure 0004023682
6ヶ月保存後のものはレトルト直後より若干、旨味が強いように感じられた。
<微生物の残存有無>
レトルト直後も6ヶ月保存後もコロニーの生育は認められなかった。従って、バチルス等の耐熱菌も全て死滅し、残存菌は存在していなかった。

Claims (5)

  1. 酸素バリヤー性を有する包装容器に、水と、水を透過させる被抽出物封入袋に封入した被抽出物とを投入し、この包装容器を密封後100℃以上のレトルトにより、被抽出物の有効成分を水の中に抽出するとともに、殺菌することを特徴とするレトルト抽出殺菌方法。
  2. 前記包装容器に酸素バリヤー性を付与する酸素バリヤー層が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着PET、酸化アルミニウム蒸着PET、酸化ケイ素蒸着PET、PVDCコートPET、PVDCフィルム、EVOHフィルム、MXD−6NYフィルム及びポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーコートフィルムの中から選ばれた少なくとも1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のレトルト抽出殺菌方法。
  3. 缶詰の殺菌指標であるF0値を4.0以上にすることを特徴とする請求項1記載のレトルト抽出殺菌方法。
  4. 前記包装容器の酸素バリヤー性が0.5ml/m2・D・atm以下であり、被抽出物および水からなる内容物と包装容器との間にできる空間部分の空気を窒素ガスで置換して空間部分の酸素を除去して密封した後、レトルトすることを特徴とする請求項1記載のレトルト抽出殺菌方法。
  5. 前記被抽出物封入袋が、PP製の不織布で形成されていることを特徴とする請求項1記載のレトルト抽出殺菌方法。
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