JP4023650B2 - ケーブルコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブルを内部に挿通して所望の構造体に引き入れ連結するためのケーブルコネクタに関し、特には、コネクタ内に配置したパッキンのねじれに起因する締付ナットの緩みを防止したケーブルコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ケーブルを配電盤等の構造体に連結するための連結具の一つとして筒状のケーブルコネクタが知られる。
図4は従来のケーブルコネクタの一例を示し、図5は該コネクタを用いてのケーブルの接続状態を示す。ケーブルコネクタは、ケーブルを挿通可能な中空筒状のコネクタ本体101と、コネクタ本体101の外壁と螺合する略袋状の締付ナット102と、コネクタ本体101の端部と締付ナット102の内壁との間に介在してコネクタ本体内と外部とをシールするパッキン103と、締付ナット102の内壁とパッキン103との間に装着されるカラー104とを有し、コネクタ本体101を所望の構造体に取り付けた後、このコネクタ本体に予め締付ナット102、カラー104、パッキン103を挿通したケーブルの一端を挿入し、次いで締付ナットをコネクタ本体に螺合して締め付けることにより、コネクタ本体101の一端面とこれと対峙する締付ナット102の内壁面との間でカラー104を介在の下でパッキン103を圧縮し、パッキン103がケーブル方向に膨出するように変形してケーブルの外周面を押圧することによりケーブルを固定すると共にコネクタの外部と内部との水密性を保って接続する。
【0003】
しかし、かかる構成において、締付ナット102を強く締め付けすぎると締付ナットの螺合に伴いパッキン103がカラー104と共に回るように作用され、これによりパッキン103がねじれて応力を受けた状態のままセットされ、この状態で放置するとパッキン103が自身の弾性によりねじれ状態から元の状態に復帰しようとするため、その復帰動作に従い締付ナット102のコネクタ本体101からの締付けが徐々に緩んでケーブルの保持が充分でなくなるという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、締付ナットの締め付け時における上記したパッキンのねじれの発生を防止し、これに起因する締付ナットの緩みを防止し得るケーブルコネクタを簡単且つ便利な形で提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明は、ケーブルを挿通可能な、中空のコネクタ本体と、コネクタ本体と螺合する締付ナットと、コネクタ本体の端面と締付ナットの内壁端面との間に介在する筒状のパッキンと、締付ナットの内壁端面とパッキンとの間に装着されるカラーとを有するケーブルコネクタにおいて、前記コネクタ本体は、前記締付ナットと螺合するねじ部が外壁面に形成された筒部を有し、該筒部の前記外壁面に前記カラーの足部を差し込むための縦溝を端縁から軸方向に形成してなり、前記カラーは、前記パッキンの端面に当接する接触面が形成された環状の底壁を有し、前記足部は、該底壁の縁部から軸方向に突出すると共に、前記パッキンの端面に前記接触面が当接した状態において、前記パッキンの外側に位置するように、形成されており、前記底壁の前記接触面とは反対側の面に、前記締付ナットの緩み方向に対して抵抗する方向に傾斜した山を有するラチェットを形成し且つ締付ナットの内壁端面に前記ラチェットと共働する係合部を形成してなり、前記カラーを前記コネクタ本体に係止することにより、前記カラーと前記コネクタ本体の間に配置されるパッキンのねじれを防止するとともに締付ナットの緩みを防止することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照として説明する。
図1乃至図3に示すように、本発明によるケーブルコネクタ1は、基本的に、コネクタ本体10と、コネクタ本体10に螺合される締付ナット20と、コネクタ本体10の端部と締付ナット20との間に介在されるグランドパッキン30と、パッキン30と締付ナット20との間に介在されるカラー40とを有する。なお、図1はコネクタ本体10、パッキン30およびカラー40の一例を、図2は同カラー40と締付ナット20の一例をそれぞれ示し、これらを組み合わせた状態を図3に示している。また図3に示すように、かかるコネクタに接続されるケーブル2はその外面に、例えば合成樹脂またはゴム材料からなる被覆を有している。
【0009】
コネクタ本体10は例えば導電性材料により形成され、図1に示すように、角ナット状の締付フランジ部11を中央に軸線方向に相反する方向に延びた第1及び第2の筒部12,13を有する中空体からなり、その中空内部に軸線方向端部側からケーブル2が挿入可能とされている。なお、第1および第2の筒部12,13の外壁面にはそれぞれ雄ねじ12a,13aが形成されている。
【0010】
第1の筒部12の端面12cの周縁は、図3に示すように軸線方向に僅かに突出した環状凸部12dを有しており、端面12cと環状凸部12dとにより、後述するパッキンの端面を押さえ込むようにして圧接させる。
【0011】
コネクタ本体10の第2の筒部13は、配電盤等の固定構造体(図示なし)の壁に形成された取付穴に他方の側に突出するようにして装着され、他方の側において適当な締付ナットが第2の筒部13の雄ねじ13aに螺合してそれを固定する。かかる取付けにおいて、コネクタ本体10と構造体の壁との間の隙間をシールパッキンが配置され、その間をシールする。また必要に応じて、第2の筒部13の内周部に筒部の端部側から筒状の絶縁性カラーを装着して、筒部の端縁をカラーで覆い、コネクタ内に導かれて来たケーブルをコネクタ本体10から構造体内に引き出す際の、万一の電気的接触を防止するためのインシュレータの役割をなすようにしても良い。
【0012】
第1の筒部12の外周面の雄ねじ12aと螺合可能に締付ナット20が設けられる。締付ナット20は、ケーブル2の外径よりも僅かに大きい径の中央孔21を有する半径方向内方に向かった環状フランジ部22と、ケーブル2よりも比較的大きな内径を有する筒部23とよりなる略袋状体であり、筒部23には、その内周面に雌ねじ23aが設けられ、外周面には角ナット状の締付部23bが形成されている。
【0013】
コネクタ本体10の第1の筒部12の端面12cと締付ナット20の環状フランジ部22の内壁面22aとの間に筒状のパッキン30および環状のカラー40が介在される。パッキン30は、締付ナット20をコネクタ本体10に螺合し締め付けたときに、それに圧せられて強制的に変形し得る程度の適度の弾性を有するゴムまたは合成樹脂により作られ、図1に示すように、中央部30aが窪んだ断面が鼓形状よりなる。
【0014】
パッキン30は、限定されるものではないが、ケーブル2の外径とほぼ等しいまたは僅かに大きい内径を有し、且つその両端近くの内面はその端部から中央側に向かって所定長さだけ漸次に縮径され、これによりパッキンの両端側に圧力が加わったときには、パッキン30は図3に示すように中央部30aを中心に外側に反り返るように変形する。この変形によりパッキン30の内周面の腹がケーブル2の外周面に圧接し、ケーブル2を固定する。
【0015】
パッキン30と並列して配置されるカラー40は、図1に特に示すように、パッキン30の一端面と接触してそれを受けるドーナツ円盤状の接触面を形成する底壁40aと、底壁40aの縁部から軸線方向に突出した足部40bを有する。側壁40aの中央孔40cはケーブル2を挿通するために、締付ナット20の中央孔21とほぼ同じ径となっている。図示例では180度で対面する薄厚の平行する2本の足部を示すが、それ以上の数の足部を設けても良く、また、足部と足部との角度間隔は等間隔であることにこだわらない。また、カラー40の底壁40aの裏面には、締付ナット20の緩み方向に対して抵抗する方向に傾斜した複数の山を環状に配列して有するラチェット40cが形成されている。
【0016】
上記カラー40の足部40bを受け入れるように、コネクタ本体10の第1の筒部12の外壁面に端縁から軸方向中央に向かって縦溝12eを形成している。溝の幅および長さは足部40bの形状に合わせて設計される。コネクタのセット時にこの縦溝12eへ足部40bが差込まれることにより、カラー40がコネクタ本体10に係止され、かかる係止によりカラーの回り止めが行われる。なお、カラー40の足部40bはそれを前記縦溝12eに差し込んだときに、第1の筒部12の外径よりも突出しない厚さとされている。
【0017】
一方、締付ナット20の内壁端面22aにカラー40のラチェット40cと協働する係合部22cが形成されている。係合部22cとしては、締付ナット20の締め付け時にはラチェット40cの障害を乗り越え締め付けを可能とし、締付ナット20の緩み方向ではラチェット40cの山と衝突して乗り越えが容易ではないような高さの突起または突条であって良く、またカラー40と同様なラチェット構造であっても良い。
【0018】
次に、コネクタ1へのケーブル2の取付方法について述べる。
予め、コネクタ本体10の第1の筒部12にパッキン30、カラー40を内方の後、締付ナット20を緩く螺合させてセットし、コネクタ本体10の第2の筒部13を所望の構造体に固定する。このセット時においてカラー40の足部40bはコネクタ本体10の縦溝12eに差し込まれている。
【0019】
次いで、締付ナット20側から接続しようとするケーブル2をコネクタ内に挿通させた後、締付ナット20を締め付ける。この締め付けによりパッキン30が図3に示すように変形してコネクタ本体10内と外部との隙間をシールすると同時にケーブル2を圧して固定させる。この締め付けにおいてカラー40はコネクタ本体に係止されている。
【0020】
なお、上記した例では、ラチェットをカラーに、係止部を締付ナットに形成した例を述べたが、、ラチェットを締付ナットに、係止部をカラーに形成した構成であっても良い、更に本明細書においては、本発明をケーブル、ケーブルコネクタの用語にて説明したが、かかる用語に特定されることなく、本発明は、電線用コネクタ、または電線管用コネクタについても同様に適用し得る。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コネクタのセット時にカラーをコネクタ本体に係止させる構造としたことにより、カラーは締付ナットの締め付け時においても締付ナットに伴い回転せず、パッキンに不要なねじりを発生させない。
【0022】
また更に、カラーと締付ナットはラチェット構造により締込み回転方向には容易に回転することが出来るが緩み方向の回転はこのラチェット構造により抑えられるので、締付後に放置した状態でも締付ナットは緩むことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるケーブルコネクタのコネクタ本体とカラーおよびパッキンの形状の一例およびその配置関係を示す斜視図。
【図2】 図1に示すカラーおよび締付ナットのラチェット面を示す平面図。
【図3】 本発明によるケーブルコネクタにケーブルを連結した状態を示す縦断面図。
【図4】 従来のケーブルコネクタの部品構成を示す図。
【図5】 図4に示すケーブルコネクタにケーブルを連結した状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ケーブルコネクタ
2 ケーブル
10 コネクタ本体
12 第1の筒部
12e 縦溝
13 第2の筒部
20 締付ナット
22a 内端面
22c 係合部
30 グランドパッキン
40 カラー
40a 底壁
40b 足部
40c ラチェット
Claims (1)
- ケーブルを挿通可能な、中空のコネクタ本体と、コネクタ本体と螺合する締付ナットと、コネクタ本体の端面と締付ナットの内壁端面との間に介在する筒状のパッキンと、締付ナットの内壁端面とパッキンとの間に装着されるカラーとを有するケーブルコネクタにおいて、前記コネクタ本体は、前記締付ナットと螺合するねじ部が外壁面に形成された筒部を有し、該筒部の前記外壁面に前記カラーの足部を差し込むための縦溝を端縁から軸方向に形成してなり、前記カラーは、前記パッキンの端面に当接する接触面が形成された環状の底壁を有し、前記足部は、該底壁の縁部から軸方向に突出すると共に、前記パッキンの端面に前記接触面が当接した状態において、前記パッキンの外側に位置するように、形成されており、前記底壁の前記接触面とは反対側の面に、前記締付ナットの緩み方向に対して抵抗する方向に傾斜した山を有するラチェットを形成し且つ締付ナットの内壁端面に前記ラチェットと共働する係合部を形成してなり、前記カラーを前記コネクタ本体に係止することにより、前記カラーと前記コネクタ本体の間に配置されるパッキンのねじれを防止するとともに締付ナットの緩みを防止することを特徴とするケーブルコネクタ。
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JP22479299A JP4023650B2 (ja) | 1999-08-09 | 1999-08-09 | ケーブルコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22479299A JP4023650B2 (ja) | 1999-08-09 | 1999-08-09 | ケーブルコネクタ |
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