JP4023002B2 - 航空機用冷却システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機に搭載される電子機器などの冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機搭載電子機器は、小型軽量化が求められ、たとえばレーダ装置などの様に大きな電力を消費するにもかかわらずコンパクトな設計がされる結果、熱負荷となるこれらの機器の発熱部(以下熱負荷という)の冷却が問題となり、冷却システムが必要となる。この種の冷却システムには、冷媒ガスを断熱圧縮し、高温高圧になったガスを冷却して液化し、膨張弁で断熱自由膨張させ寒冷な気液2相状態を得てその液相部の気化潜熱を冷却に用いるベーパーサイクルが一般的に用いられる。この種の冷却システムの構成は図5に示すとおりである。
【0003】
図5に示す従来の冷却システムは、第1伝熱媒体循環路60、第2伝熱媒体流路50および第3伝熱媒体循環路66の三つの流体流路で構成されている。それぞれの流体流路の間は熱交換器を介して熱の授受が行われる。すなわち、第1伝熱媒体循環路60と第2伝熱媒体流路50は第1熱交換器51を介して、また第1伝熱媒体循環路60と第3伝熱媒体循環路66は第2熱交換器52を介して熱の授受が行われる。つぎに各伝熱媒体循環路の主な構成を述べる。
【0004】
第1伝熱媒体循環路60は、冷媒ガス(第1伝熱媒体)例えばフロンガスの循環路で、モータ53Aで駆動されるコンプレッサ53、制御弁56、第1熱交換器(コンデンサ)51、膨張弁55、第2熱交換器(エバポレータ)52が循環路を構成する管路で接続されている。さらに、コンプレッサ53をバイパスする管路が設けられ制御弁54が介設されている。またコンプレッサ53の出口の管路には流量センサ59、圧力センサ64が、エバポレータ52の出口の管路には温度センサ57、圧力センサ58が介設されている。
第3伝熱媒体循環路66は伝熱媒体例えばエチレングリコール混合液(第3伝熱媒体)の循環路で、ポンプ61、第2熱交換器52および熱負荷62が循環路を構成する管路で接続されている。また熱負荷62の入口の管路には温度センサ65が介設されている。
【0005】
つぎに本冷却システムの作動について記述する。
第1伝熱媒体循環路60では、第1伝熱媒体となるガスは、モータ53Aで駆動されるコンプレッサ53で断熱圧縮され、高温高圧となったガスは三方弁である制御弁56を通ってコンデンサ51に導かれ、コンデンサ51の対向流路である第2伝熱媒体流路50を流れる第2伝熱媒体(例えばヒートシンクとなる燃料タンクからエンジンに供給される燃料など)との間で熱交換し冷却され、大部分は液化して膨張弁55に導かれ、膨張弁55で断熱自由膨張し、寒冷な気液2相状態の流体(気液2相流体)となる。この気液2相流体はエバポレータ52に導かれ、エバポレータ52における第1伝熱媒体の対向流路である第3伝熱媒体循環路66を循環している第3伝熱媒体(例えばエチレングリコール混合液)との間で熱交換し、液相部の気化潜熱で第3伝熱媒体を冷却し気化する。一方気化した第1伝熱媒体はコンプレッサ53の入口に入力され再び圧縮されて循環する。
第3伝熱媒体循環路66では、ポンプ61により第3伝熱媒体が循環されており、前記のとおりエバポレータ52で冷却された第3伝熱媒体は、熱負荷62に導かれ熱負荷62を冷却して再びポンプ61の入口に戻され循環する。
【0006】
温度センサ65で検出する第3伝熱媒体の温度が目標値より低く(高く)なったときにはモータ53Aの回転速度を下降(上昇)させ、コンプレッサ53の入口圧力を高く(低く)することによりエバポレータ52での第1伝熱媒体の流量を減少(増加)させて第3伝熱媒体の温度を上げる(下げる)温度制御がコントローラ63により行われている。
【0007】
さらに、システムを安定に作動させるため、第1伝熱媒体循環路60では、コンプレッサ入口の温度センサ57、圧力センサ58の信号を用いてコンプレッサ53に流入する第1伝熱媒体が液状のままで流入しないように膨張弁55の開度を制御する完全ガス化制御がコントローラ63で行われている。
【0008】
またコンプレッサ53に流入する第1伝熱媒体の流量がコンプレッサ入口圧力と出口圧力の比(圧縮比)に依存する一定の値を下回るとサージングが発生し不安定になるため流量センサ59によるガス流量、コンプレッサ入口の圧力センサ58、出口の圧力センサ64によるそれぞれの圧力を検出し、コンプレッサ53に流入するガスの流量が一定値以下にならないようにコンプレッサ53をバイパスする管路に介設された制御弁54の開度を制御するコンプレッササージング防止制御がコントローラ63で行われている。
【0009】
さらにコンプレッサ53で圧縮された第1伝熱媒体が第2伝熱媒体によりコンデンサ51で過度に冷却されるとガスが液化することにより圧力が下がりすぎ、膨張弁55で必要な寒冷が得られなくなるので、第1伝熱媒体のコンデンサ51の入口での圧力を圧力センサ64で検出し、圧力が所定範囲に入るように制御弁56によりコンデンサ51をバイパスする第1伝熱媒体の量を調節するコンデンサ圧力の維持制御も前記コントローラ63で行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷却システムは以上のように構成されているが、従来の冷却システムでは、コンプレッサが故障するような第1伝熱媒体の循環路で故障が発生した場合、第1伝熱媒体による寒冷な気液2相流体が得られなくなり熱負荷を冷却する手段がなくなる。
さらに、熱負荷が作動温度より低いとき、熱負荷に通電して自己発熱により温度が上昇するまで正常な作動が得られず、待ち時間が発生する。また負荷が小さく自己発熱でも温度が正常作動温度まで上がらない場合には、加熱源がないため正常作動ができなくなる。
本発明はこのような事情にかんがみなされたものであり、正常な状態では熱負荷の冷却ができ、第1伝熱媒体循環路でコンプレッサが故障するなどの故障が発生した場合でも第2伝熱媒体と熱負荷の温度差により熱負荷の冷却ができ、さらに、起動時などで熱負荷の温度が正常作動温度より低い場合には、正常作動温度になるまで加熱できる冷却システムを提供することを目的とする。
【0011】
【問題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の航空機用冷却システムは、第1伝熱媒体(例えばフロンガス)をコンプレッサで断熱圧縮し、高温高圧となったガスを、第1熱交換器(コンデンサ)に導き、冷却源となる第2伝熱媒体(ヒートシンク)との間で熱交換した後、膨張弁に導き断熱自由膨張させ、寒冷な気液2相状態を得て第2熱交換器(エバポレータ)に導き、その液相部の気化潜熱により循環されている第3の伝熱媒体を冷却し、ガスとなって再びコンプレッサ入り口に戻る第1冷却媒体循環路と前記エバポレータで冷却された前記第3伝熱媒体(液体またはガス)を熱負荷となる熱源に導き、熱交換し得るように循環する第3伝熱媒体循環路を備えた冷却システムにおいて、前記第1熱交換器の冷却媒体となる伝熱媒体の循環路に前記第1熱交換器とは別個の第3熱交換器と、この第3熱交換器で冷却媒体となる第4伝熱媒体を循環させる第4伝熱媒体循環路と、前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路を選択的に結合する制御機構を設け熱負荷と第2伝熱媒体との温度差で熱負荷を冷却できるようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は第1伝熱媒体となるガスをコンプレッサで断熱圧縮し、高温高圧となったガスを第1熱交換器に導き、冷却源となる第2伝熱媒体との間で熱交換した後、膨張弁に導き断熱自由膨張させ寒冷な気液2相状態を得て第2熱交換器に導き、その液相部の気化潜熱により循環されている第3伝熱媒体を冷却しガスとなって、再び前記コンプレッサの入口に戻る第1伝熱媒体循環路と、前記第2熱交換器で冷却された前記第3伝熱媒体を熱負荷となる熱源に導き熱交換し得るように循環する第3伝熱媒体循環路を備えた冷却システムにおいて、前記第1熱交換器の冷却媒体となる伝熱媒体の循環路に前記第1熱交換器とは別個の第3熱交換器と、この第3熱交換器で冷却媒体となる第4伝熱媒体を循環させる第4伝熱媒体循環路と、前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路を選択的に結合する制御機構と、前記第1伝熱媒体循環路で前記第1熱交換器の出口と前記コンプレッサの入口を接続する管路とを設け、この管路に介設した制御弁を開にすることにより、高温ガスの循環路が形成され、前記第1熱交換器により、前記第4伝熱媒体を加熱し得るようにし、熱負荷の温度が正常作動温度より低い場合、加熱された第4伝熱媒体により熱負荷を加熱することができるようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が第1に提供する冷却システムの実施例を示す構成図である。
まずその構成について記述する。
図に示す本発明の冷却システムの冷却および加熱に係わる流路は、第1伝熱媒体循環路10、第2伝熱媒体流路20および第3伝熱媒体循環路25、第4伝熱媒体循環路26の四つの流体流路で構成されている。それぞれの流体流路の間は熱交換器を介して熱の授受が行われる。すなわち、第1伝熱媒体循環路10と第4伝熱媒体循環路26は第1熱交換器1を介して、また第1伝熱媒体循環路10と第3伝熱媒体循環路25は第2熱交換器2を介して、また第4伝熱媒体循環路26と第2伝熱媒体流路20は第3熱交換器を介して熱の授受が行われる。
【0014】
つぎに各伝熱媒体循環路の主な構成を述べる。
第1伝熱媒体循環路10は、冷媒ガス(第1伝熱媒体)例えばフロンガスの循環路で、モータ3Aで駆動されるコンプレッサ3、第1熱交換器(コンデンサ)1、膨張弁5、第2熱交換器(エバポレータ)2が循環路を構成する管路で接続されている。さらに、コンプレッサ3をバイパスする管路が設けられ制御弁4が介設されている。またコンプレッサ3の出口の管路には流量センサ9、圧力センサ27が、エバポレータ2の出口の管路には温度センサ7、圧力センサ8が介設されている。
第3伝熱媒体循環路25は伝熱媒体例えばエチレングリコール混合液(第3伝熱媒体)の循環路で、ポンプ11、第2熱交換器2、制御弁15および熱負荷12が循環路を構成する管路で接続されている。また熱負荷12の入口の管路には温度センサ14が介設されている。
第4伝熱媒体循環路26は伝熱媒体例えばエチレングリコール混合液(第4伝熱媒体)の循環路で、ポンプ23、三方弁である制御弁22、第3熱交換器21、制御弁19、第1熱交換器1が循環路を構成する管路で接続されている。
【0015】
さらに、この冷却システムにおいては、上記冷却システムにおける第3伝熱媒体循環路25と第4伝熱媒体循環路26を選択的に接続する制御機構がつぎのように設けられている。
第3伝熱媒体循環路25において、第2熱交換器であるエバポレータ2の出口と熱負荷12を接続する管路に前記制御弁15が介設されている。さらに、ポンプ11をバイパスする管路に制御弁18が介設されている。
また第4伝熱媒体循環路26において、第3熱交換器21の出口と第1熱交換器であるコンデンサ1の入口を接続する管路に前記制御弁19が介設されている。
さらに前記第3伝熱媒体循環路25における第2熱交換器であるエバポレータ2の入口の管路と、第4伝熱媒体循環路26におけるコンデンサ1の入口を接続する管路に制御弁17が介設されている。また、第3伝熱媒体循環路25の熱負荷12の入口と第4伝熱媒体循環路26における第3熱交換器21の出口との間を接続する管路に制御弁16が介設されている。
【0016】
つぎに、図1の冷却システムの作動について図2も参照して記述する。本冷却システムはモード1とモード2の二つのモードで作動される。なお図2は二つの作動モードにおける各構成品の作動状態を示すもので、モードに応じて作動状態が変わるものを示している。モード1では、図1におけるポンプ11はON、ポンプ23はON、制御弁15は開、制御弁16は閉、制御弁17は閉、制御弁18は閉、制御弁19は開であり、制御弁22Aおよび22Bはコントローラ13により開度が制御されていることを示している。図1に示す各構成品のうち図2に記載された構成品が前記した作動状態にある時をモード1という。モード2では、ポンプ11はOFF、制御弁15は閉、制御弁16は開、制御弁17は開、制御弁18は開、制御弁19は閉であり、制御弁22Aおよび22Bはコントローラ13により開度が制御されていることを示している。
【0017】
モード1の作動
このモード1では、熱負荷、冷却システムともに正常作動状態で、熱負荷の冷却を行う場合である。
第1伝熱媒体が、モータ3Aで駆動されるコンプレッサ3で断熱圧縮され、高温高圧のガスとなり、コンデンサ1に導かれる。コンデンサ1の対向流路は第4伝熱媒体循環路26で、ポンプ23により循環されている第4伝熱媒体は第3熱交換器の対向流路である第2伝熱媒体循環路20を流れる第2伝熱媒体により冷却されコンデンサ1で高温高圧の第1伝熱媒体を冷却する。冷却されたガスの大部分は液化し気液2相流体となり、膨張弁5に導かれ、膨張弁5で断熱自由膨張することにより、寒冷な気液2相流体となり、エバポレータ2に入力される。エバポレータ2の対向流路は第3伝熱媒体循環路25で、前記の寒冷な2相流体は、熱負荷を冷却するためにポンプ11により循環されている第3伝熱媒体と熱交換し、気化潜熱により第3伝熱媒体を冷却して気化しコンプレッサ入口にもどる。第3伝熱媒体循環路25の第3伝熱媒体により熱負荷12を冷却する。
【0018】
温度センサ14で検出する第3伝熱媒体の温度が目標値より低く(高く)なったときには、この出力信号はコントローラ13に入力され、モータ3Aの回転速度を下降(上昇)させ、コンプレッサ3の入口圧力を高く(低く)することによりエバポレータ2での第1伝熱媒体の流量を減少(増加)させて第3伝熱媒体の温度を上げる(下げる)ように温度制御される。
【0019】
さらに、システムを安定に作動させるため、前記第1伝熱媒体循環路10では温度センサ7、圧力センサ8の信号がコントローラ13に入力されコンプレッサ3に流入する第1伝熱媒体が液状のままで流入しないように膨張弁5の開度を制御する前記完全ガス化制御が行われている。
またコンプレッサ3に流入する第1伝熱媒体の流量が減少しすぎるとサージングが発生し不安定になるため、流量センサ9によりガス流量、圧力センサ8、27により圧力を検出し、これらの出力信号もコントローラ13に入力され、コンプレッサ3に流入するガスの流量が一定値以下にならないようにコンプレッサ3のバイパス管路に介設された制御弁4の開度を制御する前記コンプレッササージング防止制御が行われている。
さらにコンプレッサ3で圧縮された第1伝熱媒体が第4伝熱媒体によりコンデンサ1で過度に冷却されないように、第1伝熱媒体のコンデンサ1の入口での圧力を圧力センサ27で検出し、圧力が所定範囲に入るように制御弁22により第3熱交換器21をバイパスする第4伝熱媒体の量を調節する前記コンデンサ圧力の維持制御も前記コントローラ13で行われている。
【0020】
モード2の作動
このモード2は、第1伝熱媒体循環路10で、コンプレッサ3が故障するなどして寒冷が得られなくなった場合である。
図2のモード2に示す各構成品の作動状態により、制御弁15と19が閉となり、第3伝熱媒体循環路25と第4伝熱媒体循環路26が断となり、制御弁16、17および18が開となることにより第4伝熱媒体循環路26と第3伝熱媒体循環路25とが接続され、ポンプ23から押し出され制御弁22を通って第3熱交換器21を介して第2伝熱媒体により冷却された第4伝熱媒体が制御弁16を通り、熱負荷12を冷却し、制御弁18と17を通りコンデンサ1を通ってポンプ23の入口に入力され循環する。これにより第3伝熱媒体と第4伝熱媒体がポンプ23により同一の管路を循環するようになり、第2伝熱媒体の温度と熱負荷の温度の温度差により、第4伝熱媒体で熱負荷を冷却する。温度センサ14で検出する温度が所定の温度範囲に入るように、制御弁22により、第4伝熱媒体が第3熱交換器21をバイパスする比率をコントローラ13で制御する。
【0021】
図3は、本発明が第2に提供する冷却システムの実施例を示す構成図である。図3に例示する冷却システムの構成は、図1に示す冷却システムにおいて、第1伝熱媒体循環路10におけるコンデンサ1の出口とコンプレッサ3の入口を接続する管路を追加し、その管路に制御弁24を介設したものである。
【0022】
つぎに本発明が第2に提供する冷却システムの作動について記述する。
本冷却システムでは、前記モード1と前記モード2に次のモード3が加わる。なお図4は、図2と同様に本発明が第2に提供する冷却システムの作動モードにおける図3の各構成品の作動状態を示すもので、モードに応じて作動が変わるものを示している。図2に対して図4の構成品には制御弁24が加わっている。図4でモード3では、ポンプ11はOFF、ポンプ23はON、制御弁15は閉、制御弁16は開、制御弁17は開、制御弁18は開、制御弁19は閉、制御弁22Aは開、制御弁22Bは閉、制御弁24は開である。制御弁24はモード1とモード2では閉でありその他の構成品のモード1とモード2の状態は図2と同じである。また冷却システムの作動においてもモード1とモード2は、図1の冷却システムと同じであるのでモード3の作動について記述する。
【0023】
モード3の作動
このモード3は、熱負荷12の温度が正常の作動温度より低く、正常に作動できる温度まで加熱が必要な場合である。
図4でモード2とモード3で異なるところは、制御弁24が開であり、制御弁22Aが開、22Bが閉であることのみである。モード2では第1伝熱媒体循環路10における第1伝熱媒体の循環は行われていない。しかし、モード3では第1伝熱媒体循環路10で、第1熱交換器(コンデンサ)1の出口とコンプレッサ3の入口を接続する管路の制御弁24が開にされ、コンプレッサ3で断熱圧縮され高温高圧となった第1伝熱媒体が第1熱交換器1をとおり、膨張弁5とエバポレータ2をバイパスしてコンプレッサ3の入口に戻るようにし、高温となった第1伝熱媒体により第1熱交換器を介して第4伝熱媒体を加熱する。図4のモード3に示す各構成品の作動状態により、第4伝熱媒体循環路26と第3伝熱媒体循環路25とが接続され、加熱された第4伝熱媒体が、ポンプ23で押し出されて制御弁22で第3熱交換器21をバイパスし、制御弁16、熱負荷12、制御弁18、制御弁17、第1熱交換器1を通ってポンプ23の入口に達する管路を循環する。これにより加熱された第4伝熱媒体で熱負荷12が加熱される。そして、熱負荷12が作動温度範囲まで加熱された時点で通常作動のモード1に切り替えて運転される。
上記の作動モードの選択は、あらかじめ設定された条件に応じてコントローラ13が自動判断して行うか、操作パネル28から手動選択によりコントローラ13に指令信号を伝達して行う。
【0024】
本発明の冷却システムは、以上の構成により、上記モード1では、熱負荷の通常の冷却ができ、さらに上記モード2では、コンプレッサなどの故障で寒冷が得られなくなった場合でも、第2の伝熱媒体が熱負荷の温度より低い場合熱負荷の冷却ができ、さらに上記モード3では、熱負荷の加熱が必要となる場合、熱負荷の加熱もできることになる。
なお、図示例では、制御弁22が第4伝熱媒体循環路26で第3熱交換器21を通る管路とバイパス管路に介設されているが、第2伝熱媒体の管路20の第3熱交換器を通る管路とそのバイパス管路に介設しても良い。また制御弁22は三方弁を用いているが、2個の制御弁に置き換えることもできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の冷却システムは上記のように構成されており、システムが正常作動しているときには通常の冷却ができ、第1伝熱媒体の循環路で故障が発生し冷却源となる寒冷な2相流体が得られなくなった場合でも、ヒートシンクである第2伝熱媒体を冷熱源として、その熱を運搬する第4伝熱媒体を熱負荷とヒートシンクの間に介在させ循環するような管路を構成することにより、ヒートシンクと熱負荷の温度差を利用して熱負荷の冷却ができる。
さらに熱負荷が正常作動温度より低いとき、前記第1の伝熱媒体の循環路で前記第1熱交換器の出口と前記コンプレッサの入口とを接続する管路に介設された制御弁を開にすることにより、コンプレッサで断熱圧縮されて高温になったガスの前記第1熱交換器を通る循環路が形成され、前記第1熱交換器により、前記第4伝熱媒体を加熱するようにする。そして、前記第4伝熱媒体循環路の前記第3熱交換器をバイパスする管路により第3熱交換器をバイパスして、第2伝熱媒体による冷却がされないようにし、前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路を接続し、前記第4伝熱媒体が熱負荷と熱交換できる循環路を循環するようにすることにより、熱負荷が正常作動温度に達するまで加熱することができる。これにより熱負荷となる機器の使用温度範囲を低温域まで拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1の発明に係わる冷却システムの一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の請求項1の発明に係わる冷却システムの作動モードとポンプ、制御弁の作動状態を示す図である。
【図3】本発明の請求項2の発明に係わる冷却システムの一実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の請求項2の発明に係わる冷却システムの作動モードとポンプ、制御弁の作動状態を示す図である。
【図5】従来の冷却システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・第1熱交換器(コンデンサ)
2・・・・第2熱交換器(エバポレータ)
3・・・・コンプレッサ
3A・・・・モータ
4、15、16、17、18、19、22、24・・・・制御弁
5・・・・膨張弁
7、14・・・・温度センサ
8、27・・・・圧力センサ
9・・・・流量センサ
10・・・・第1伝熱媒体循環路
11、23・・・・ポンプ
12・・・・熱負荷
13・・・・コントローラ
20・・・・第2伝熱媒体流路
21・・・・第3熱交換機
25・・・・第3伝熱媒体循環路
26・・・・第4伝熱媒体循環路
28・・・・操作パネル
Claims (2)
- 第1伝熱媒体となるガスをコンプレッサで断熱圧縮し、高温・高圧となったガスを第1熱交換器に導き、冷却源となる第2伝熱媒体との間で熱交換した後、膨張弁に導き断熱自由膨張させ寒冷な気液2相状態を得て第2熱交換器に導き、その液相部の気化潜熱により循環されている第3伝熱媒体を冷却し、ガスとなって再び前記コンプレッサの入口に入力させて循環させる第1伝熱媒体循環路と、前記第2熱交換器で冷却された前記第3伝熱媒体を熱負荷となる熱源に導き熱交換し得るように循環する第3伝熱媒体循環路を備えた冷却システムにおいて、前記第1熱交換器の冷却媒体となる伝熱媒体の循環路に前記第1熱交換器とは別個の第3熱交換器と、この第3熱交換器で冷却媒体となる第4伝熱媒体を循環させる第4伝熱媒体循環路と、前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路の結合状態を制御する制御機構を設け、前記制御機構は、前記熱負荷及び前記冷却システムが正常作動状態で前記熱負荷の冷却を行う場合は前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路との間で伝熱媒体が循環しないよう、前記コンプレッサ等の故障により寒冷が得られなくなった場合は前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路との間で伝熱媒体が循環するよう制御することを特徴とする航空機用冷却システム。
- 第1伝熱媒体となるガスをコンプレッサで断熱圧縮し、高温・高圧となったガスを第1熱交換器に導き、冷却源となる第2伝熱媒体との間で熱交換した後、膨張弁に導き断熱自由膨張させ寒冷な気液2相状態を得て第2熱交換器に導き、その液相部の気化潜熱により循環されている第3伝熱媒体を冷却し、ガスとなって再び前記コンプレッサの入口に入力させて循環させる第1伝熱媒体循環路と、前記第2熱交換器で冷却された前記第3伝熱媒体を熱負荷となる熱源に導き熱交換し得るように循環する第3伝熱媒体循環路を備えた冷却システムにおいて、前記第1熱交換器の冷却媒体となる伝熱媒体の循環路に前記第1熱交換器とは別個の第3熱交換器と、この第3熱交換器で冷却媒体となる第4伝熱媒体を循環させる第4伝熱媒体循環路と、前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路の結合状態を制御する制御機構と、前記第1伝熱媒体の循環路で前記第1熱交換器の出口と前記コンプレッサの入口を接続しかつ制御弁を介設した管路を設け、前記第1熱交換器を出た前記第1伝熱媒体が前記膨張弁及び前記第2熱交換器をバイパスして前記コンプレッサ入口に戻るようにし、高温となった前記第1伝熱媒体により前記第1熱交換器を介して前記第4伝熱媒体を加熱し、前記制御機構は、前記熱負荷及び前記冷却システムが正常作動状態で前記熱負荷の冷却を行う場合は前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路との間で伝熱媒体が循環しないよう、前記熱負荷の加熱が必要な場合は前記第3伝熱媒体循環路と前記第4伝熱媒体循環路との間で伝熱媒体が循環するよう制御することを特徴とする航空機用冷却システム。
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