JP4022729B2 - 固液懸濁液塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凝集し易い固液懸濁液の塗布品質を向上させるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
凝集し易いスラリー(固液懸濁液)をスプレーにより噴射し、製品表面に薄膜を形成する場合において、通常のスプレーを用いて塗布を行うと、塗布物をノズルへと送る流路内で固体粒子が凝集し、ノズル詰まり、吐出量の不安定化を招くことになる。かかる問題を解決するため、従来から、塗布物に超音波振動を与えて固体粒子の凝集を防ぎ、固液懸濁液を塗布することを目的とした、超音波噴霧装置が開発されている。
【0003】
例えば、特開平8−1060号公報に開示された塗布装置は、固液懸濁液をノズルへと供給するチューブに二重構造のチューブを用いるものである。そして、内側のチューブ内に固液懸濁液を流通させ、外側のチューブにも液体を充填し、当該外側のチューブに充填した液体に超音波振動を印加することにより、内側のチューブ内の固液懸濁液を攪拌するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外側のチューブに充填された液体中の、超音波エネルギーの伝播は微弱であることから、上記従来の塗布装置は、内側のチューブ内の固液懸濁液に対し十分な超音波振動を印加することが困難であった。よって、内側のチューブ内で一度固体粒子の凝集を生じると、かかる凝集物を破壊することができず、また、ノズル先端部まで十分な超音波エネルギーが伝播されず、ノズル詰まり、吐出量の不安定化を回避することが困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗布物の流路内での固体粒子の凝集を確実に防ぎ、また、固体粒子の凝集を生じた場合にも、ノズルから噴射する前段階で凝集物を確実に粉砕して、ノズル詰まり、吐出量の不安定化を回避することにある。そして、凝集し易い固液懸濁液の塗布品質を向上させることにある。また、固体粒子の凝集を防ぎ、かつ、凝集した固体粒子を粉砕して、固液懸濁液の塗布品質を向上させることが可能な塗布装置を、単純な構成で実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係る固液懸濁液塗布装置は、塗布装置本体内部に設けられた、塗布物を内部に保持する中空管路と、当該中空管路に挿入される振動印加手段と、前記振動印加手段の振動方向延長線上に配置され塗布口が開口した液溜部と、前記振動印加手段と前記中空管路との相対変位により前記液溜部への塗布物の流量を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記液溜部への導入口が形成された、前記中空管路を塞ぐ弁座と、前記中空管路に挿入された振動印加手段の振動増幅ホーン先端部分とで構成され、前記振動印加手段およびその振動増幅ホーンは当該塗布装置本体に直接的に固定され、前記中空管路は、前記振動増幅ホーンに対し、軸方向に移動可能に支持され、なおかつ、前記塗布口近傍に設けられた霧化エア流出口へと霧化エアを供給する霧化エア流路が、前記中空管路の壁を軸方向に貫通し、前記霧化エア流路への霧化エア流入口が、塗布装置本体に形成され、前記霧化エア流入口に霧化エア配管が接続されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、前記振動印加手段によって、前記液溜部内の塗布物に対し、直接的に超音波を印加することにより、塗布口から噴射する直前における前記液溜部内の塗布物の、固体粒子の凝集を防ぎ、または、凝集した固体粒子を粉砕する。そして、前記液溜部に開口する塗布口から塗布物を噴射することにより、固体粒子の凝集の無い塗布物を噴射することが可能となる。
【0007】
また、本発明によれば、前記振動印加手段と前記中空管路とを相対変位させることにより前記液溜部への塗布物の流量を制御することが可能となり、当該固液懸濁液塗布装置の部品点数を減少させることができる。
【0008】
具体的には、前記弁座と前記振動増幅ホーン先端部分の壁面同士を密着させることにより、前記液溜部への導入口を閉鎖して、前記中空管路から前記液溜部への塗布物の流入を止めることができる。また、前記振動印加手段と前記中空管路とを相対変位させて、前記弁座と前記振動増幅ホーン先端部分の壁面を離間させることにより、前記中空管路から前記液溜部への導入口を開放し、液溜部へと塗布物を流入させることができる。しかも、前記弁座と前記振動増幅ホーン先端部分の壁面の距離に応じ、前記中空管路から前記液溜部への塗布物の流量を変えることが可能である。
なお、前記振動増幅ホーンによる超音波振動の印加は、前記弁座と前記振動増幅ホーン先端部分の壁面を離間させ、液溜部へと塗布物を流入させた状態で行うものである。
【0009】
また、本発明によれば、前記振動印加手段を本体に固定することで、振動を減衰させることなく、確実に、前記液溜部内の塗布物に対し伝えることができる。また、固定された振動増幅ホーンに対し、前記中空管路を移動させることで、前記液溜部への塗布物の流量を制御することができる。しかも、前記霧化エア流路への霧化エア流入口が、塗布装置本体に形成され、前記霧化エア流入口に霧化エア配管が接続されており、霧化エアを中空管路の壁に設けた霧化エア流路を介して、塗布口近傍の霧化エア流出口へと供給することにより、霧化エアを供給するための霧化エア配管の曲げ抵抗が、中空管路に直接かかることを防ぎ、中空管路の動作を阻害することによる弁座開閉レスポンスの鈍化を防止することができる。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る固液懸濁液塗布装置は、請求項1記載の固液懸濁液塗布装置において、前記液溜部の少なくとも一部分は、前記振動印加手段の、振動エネルギーの有効伝達範囲内に位置することとしたものである。
本発明によれば、液溜部内の塗布物へと確実に超音波振動を印加することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図4には、本発明の実施の形態に係る固液懸濁液塗布装置1の装置本体2を、一部断面図で示している。また、図5には、固液懸濁液塗布装置1の側面図を示している。
装置本体2は、基本的には通常の加圧噴射式ノズルガンと同様の構造を有しているが、固液懸濁液を塗布するために、以下に説明する特徴部分を有する点で、通常の加圧噴射式ノズルガンと異なっている。
【0013】
装置本体2には、振動印加手段を構成する超音波発振器3が内蔵されている。超音波発振器3は、超音波増幅ホーン4を備えており、超音波増幅ホーン4のホーン振動節5を、装置本体2の内部で、装置本体2の先端方向に向かって、延設して設けられる。また、ホーン振動節5の先端部に位置する振動チップ6は、塗布物であるスラリーを内部に保持する中空管路7に挿入されている。そして、超音波発振器3およびその超音波ホーン4は、装置本体2に対し不動状態に固定されている。なお、振動チップ6の先端面は、後述する理由から、中空管路7と直交する平面として形成されている。中空管路7の先端部には、ノズル8が固定されている。図5に符号9で示す部分は、中空管路7へとスラリーを供給するための、材料供給ポートである。
装置本体2の構造をさらに詳細に説明するため、図1には、図4に示す装置本体2の要部を拡大して示している。また、図2には、図1のA−A線における断面図を示している。また、図3には、図1の要部を更に拡大図示している。
【0014】
中空管路7は、超音波増幅ホーン4の振動チップ6を内部に挿入した状態で、その内部に円管状の材料流通路10を形成することが可能な内径を有し、塗布装置本体2および装置本体に固定された振動チップ6に対し、軸方向に摺動可能となるように、塗布装置本体2に支持されている。また、中空管路7の外筒部には、ピストン11を一体に形成し、ピストン11を塗布装置本体2に形成されたエアシリンダ室12の内部に封入している。図3に示すように、エアシリンダ室12の伸び作動側室には、塗布装置本体2の駆動用エア流入口13に固定された駆動用エア配管14から、加圧エア(矢印Bで示す。)を供給する。一方、エアシリンダ室12の縮み作動側室には圧縮スプリング15が配置されており、伸び作動側室への加圧エアの供給が止められた状態では、圧縮スプリング15の弾性力を受けて、ピストン11(中空管路7)は可動範囲の上死点に付勢される。なお、図1〜図3は何れも、中空管路7が可動範囲の上死点にある状態を示している。
【0015】
また、中空管路7には、その壁を軸方向に貫通する霧化エア流路16を設けている。霧化エア流路16への霧化エア流入口17は、塗布装置本体2に形成されており、エア流入口17に、霧化エア配管18が接続されている。一方、霧化エア流路16からの霧化エア流出口19は、ノズル8の塗布口20の近傍に設けられている。
そして、中空管路7の先端は、弁座21によって塞がれている。弁座21は、中空管路7の内径部に挿入され、中空管路7の先端部外壁に形成されたネジ部と係合する固定ナット22によって、中空管路7に対し着脱自在に固定されている。ノズル8は、弁座21に密着しており、固定ナット22の外壁部分に形成されたネジ部と係合するキャップ23により、アウタノズル24と共に弁座21に対し着脱自在に固定されている。
【0016】
さらに、弁座21には、中空管路7の霧化エア流路16と連通する開口部25が形成され、固定ナット22には、開口部25と連通する開口部26が形成され、なおかつ、ノズル8には、開口部26と連通する開口部27が形成されている。また、ノズル8の円錐状の外壁とノズルアウタ24との間には、円錐状の間隙28が形成され、円錐状の間隙28の先端部が、霧化エアのエア流出口19となっている。よって、霧化エア流入口17から塗布装置本体2の内部に導入された霧化エア(矢印Cで示す)は、霧化エア流路16、開口部、25、26、27、円錐状の間隙28を通り、前述のようにノズル8の塗布口20の近傍に設けられた霧化エア流出口19から噴出する。
【0017】
また、弁座 21の中芯部には円筒室29が形成され、ノズル8の中芯部には円筒室30が形成されており、両円筒室29、30が連続して、スラリーを貯留する液溜部を形成している(以下、円筒室29、30を「液溜部」ともいう。)。そして、ノズル8の塗布口20は、液溜部30に開口するものである。さらに、弁座 21は、中空管路7が図示のごとく上死点にある時、振動チップ6の先端面31と密着する端面32を有し、端面32に液溜部29への導入口33を形成している。なお、弁座 21の端面32は、振動チップ6の先端面31と同様に、中空管路7と直交する平面として構成されている。
【0018】
ところで、導入口33の直径は、振動チップ6の先端面31に比して小径であることから、振動チップ6の先端面31と弁座 21の端面32とを密着させた状態では、液溜部29への導入口33は閉鎖される。一方、中空管路7を振動チップ6に対し下降させると、中空管路7に固定された弁座 21およびノズル8も一体に下降して、振動チップ6の先端面31と弁座 21の端面32との間に隙間が形成される。このとき、弁座 21の端面32に形成された液溜部29への導入口33は開放状態となり、中空管路7の材料流通路10に満たされたスラリーを、液溜部29へと流入させることができる。
【0019】
以上の構造を採ることにより、振動チップ6の振動方向延長線上に、液溜部29、30を配置することができる。しかも、液溜部29、30の一部または全部が、振動チップ6により発生する超音波の、振動エネルギーの有効伝達範囲に位置するように構成されている。
なお、詳しい説明は省略するが、装置本体2を構成する各部品間の密着面において、エアまたはスラリーの漏れを防止する必要がある部分には、適宜、シールが設けられ、各部品間の密閉性が確保されている。
【0020】
上記構成をなす本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。まず、固液懸濁液塗布装置1は、スラリーを内部に保持する中空管路7と、中空管路7に挿入される振動印加手段2の振動チップ6とを備え、振動チップ6の振動方向延長線上に、液溜部29、30を配置し、液溜部30に塗布口20を開口している。そして、振動チップ6によって、液溜部29、30内のスラリーに対し、直接的に超音波を印加することにより、塗布口20から噴射する直前における液溜部29、30内のスラリーの、固体粒子の凝集を防ぎ、または、凝集した固体粒子を粉砕することができる。そして、液溜部29、30に開口する塗布口20からスラリーを噴射することにより、固体粒子の凝集の無いスラリーを噴射することが可能となる。
【0021】
また、液溜部29、30の少なくとも一部分は、振動チップ6により発生する超音波の、振動エネルギーの有効伝達範囲に位置するように構成されているので、液溜部29、30内のスラリーへと確実に超音波振動を印加して、固体粒子の凝集を防ぎ、または、凝集した固体粒子を粉砕することができる。
また、液溜部29、30の少なくとも一部分(本発明の実施の形態では、液溜部30)が、ノズル8内に設けられているので、振動チップ6からノズル8の液溜部30内の、噴射直前のスラリーに対し直接的に超音波を印加することができる。また、ノズル8にも振動チップ6の超音波振動を伝えることが可能となり、ノズル内壁に固体粒子がノズル8に固着した場合でも、超音波洗浄の原理でこれを洗い流し、ノズル8の塗布口20の詰まりによる、スラリーの吐出量の減少を防ぐことができる。
【0022】
また、液溜部29、30への導入口33が形成された弁座21と、中空管路7に挿入された振動チップ6の先端部分とで、振動チップ6と中空管路7との相対変位により液溜部29、30へのスラリーの流量を制御する、制御手段を構成している。具体的には、振動チップ6の先端面31と弁座 21の端面32とを密着させた状態では、液溜部29への導入口33は閉鎖される。一方、中空管路7を振動チップ6に対し下降させると、中空管路7に固定された弁座 21およびノズル8も一体に下降して、振動チップ6の先端面31と弁座 21の端面32との間に隙間が形成される。このとき、弁座 21の端面32に形成された液溜部29への導入口33は開放状態となり、中空管路7の材料流通路10に満たされたスラリーを液溜部29へと流入させることができる。しかも、弁座 21の端面32と振動チップ6の先端面31との距離に応じ、中空管路7の素材流通路10から液溜部29、30へのスラリーの流量を変えることが可能である。
よって、この構成によれば、振動チップ6と中空管路7とを相対変位させることにより液溜部29、30へのスラリーの流量を制御することが可能となり、固液懸濁液塗布装置1の部品点数の削減に貢献することができる。
【0023】
なお、振動チップ6による超音波振動の印加は、弁座 21の端面32と振動チップ6の先端面31とを離間させ、液溜部29、30へとスラリーを流入させた状態で行うものであり、液溜部29、30の長さや直径は、必要とされる単位時間辺りのスラリー噴射量と、固体粒子の凝集を十分に防ぐための印加時間、等を確保することを考慮して決定されるものである。
【0024】
また、本発明の実施の形態では、振動チップ6の先端面31と弁座21の端面32とを、何れも中空管路7と直交する平面としていることから、先端面31と端面32の壁面形状が単純化され、両者の密閉性を容易に確保することができる。その結果として、単純な形状でありながら、振動チップ6と中空管路7との相対変位により液溜部29、30へのスラリーの流入を確実に止め、若しくは流入を許容して、液溜部29、30へのスラリーの流量を確実に制御することが可能となる。
【0025】
また、ノズル8は、弁座21に対し着脱自在に固定されており、ノズル8が弁座21に固定された状態では、弁座21を介してノズル8にも振動チップ6の超音波振動を伝えることができるので、ノズル8の内壁に固体粒子が固着した場合でも、超音波洗浄の原理でこれを洗い流し、ノズル塗布口からのスラリーの吐出量の減少を防ぐことができる。
なおかつ、ノズル8は消耗部品であることから、ノズル8のみ弁座21から取外して交換し、初期の性能を維持することができる。しかも、ノズル交換の際に、振動チップ6の先端面31と弁座21の端面32とを密着させ、液溜部29、30へのスラリーの導入口33を閉鎖しておけば、中空管路7の素材流通路10へのスラリーの供給を停止することなく、ノズル8の交換を行うことが可能となる。
【0026】
さらに、振動増幅ホーン4および中空管路7は、塗布装置本体2内部に設けられており、振動増幅ホーン4の振動チップ6は塗布装置本体2に直接的に固定され、中空管路7は、振動チップ6に対し、軸方向に移動可能に支持されている。そして、振動増幅ホーン4とその振動チップ6を塗布装置本体2に直接的に固定することで、振動増幅ホーン4で発生させた超音波振動を減衰させることなく、確実に、液溜部29、30内のスラリーに対し伝えることができる。また、固定された振動増幅ホーン4とその振動チップ6に対し、中空管路7を移動させることで、前述の如く、液溜部29、30へのスラリーの流量制御を行うことができる。
【0027】
また、中空管路7の壁を軸方向に貫通する霧化エア流路16を設け、霧化エア流路16への霧化エア流入口17を塗布装置本体2に、霧化エア流路16からの霧化エア流出口19をノズル8の塗布口20の近傍に設けたことから、霧化エア流出口19から噴出するエアによって、ノズル8の塗布口20から噴射されたスラリーの霧化を、確実に行うことができる。また、霧化エアの供給を最初に塗布装置本体2の霧化エア流入口17へと行い、その霧化エアを中空管路7の壁に設けた霧化エア流路16を介して、ノズル8の塗布口20近傍の霧化エア流出口19へと供給することにより、霧化エアを供給するためのエア配管の曲げ抵抗が、中空管路7に直接かかることを防ぎ、中空管路7の動作を阻害することによる弁座開閉レスポンスの鈍化を防止することができる。
【0028】
加えて、中空管路7の外筒部にピストン11を一体に設け、ピストン11を封入するエアシリンダ室12を、塗布装置本体2内部に備えることとし、中空管路7をエアシリンダにより駆動することで、固定された振動チップ7に対し、中空管路7を移動させ、液溜部29、30へのスラリーの流量を制御することができる。また、中空管路7をエアシリンダにより駆動することで、中空管路7を駆動するための加圧エア源と霧化エアの供給源との共通化を図ることができる。しかも、中空管路7の外周部にピストン11およびエアシリンダ室12が位置することで、塗布装置本体2の軸方向の大型化を避けることができる。
【0029】
さて、図6には、図1〜図3に示した塗布装置本体2の別例を示している。図6は図3に相当するものであり、両者において互いに共通する構造部分には、特に符号を示していない。図6示す例では、図1〜図3に示した塗布装置本体2の、中空管路7の先端を塞ぐ弁座21を省略したものである。換言すれば、ノズル8は弁座21と一体をなすものであり、独立した弁座は存在しない構造となっている。
【0030】
したがって、ノズル8は中空間路7の先端部に直接的に密着し、かつ、中空管路7の先端部外壁に形成されたネジ部と係合する固定ナット22の、外壁部分に形成されたネジ部と係合するキャップ23により、アウタノズル24と共に中空管路7に対し着脱自在に固定されている。なお、ノズル8と振動チップ6との密閉性を確保するためのシール34は、振動チップ6からノズル8が離間する際に、シール34が振動チップ6の先端面31に貼りついてノズル8の端面32から外れることがないように、脱落防止構造を有するものが用いられている。
【0031】
図6に示す構造においても、液溜部30は、振動チップ6により発生する超音波の、振動エネルギーの有効伝達範囲に位置するように構成されている。よって、液溜部30内のスラリーへと確実に超音波振動を印加して、固体粒子の凝集を防ぎ、または、凝集した固体粒子を粉砕することができる。また、弁座と一体のノズル8に振動チップ6の超音波振動を伝えることで、ノズル内壁に固体粒子が固着した場合でも、超音波洗浄の原理でこれを洗い流し、ノズル8の詰まりによる塗布物の吐出量の減少を防ぐことができる。また、消耗部品であるノズル8を取外して交換し、初期の性能を維持することができる。よって、図1〜図3に示した例と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図6の構造の場合には、ノズル8の交換を行う際には、中空管路7の素材流通路10への、スラリーの供給を停止することとする。
【0032】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、凝集し易い固液懸濁液をスプレーにより噴射し、製品表面に薄膜を形成する場合において、塗布物の流路内での固体粒子の凝集を確実に防ぎ、また、固体粒子の凝集を生じた場合にも、ノズルから噴射する前段階で凝集物を確実に粉砕して、ノズル詰まり、吐出量の不安定化を回避することが可能となる。そして、凝集し易い固液懸濁液の塗布品質を向上させることができる。また、固液懸濁液内の固体粒子の凝集を防ぎ、かつ、凝集した固体粒子を粉砕して、固液懸濁液の塗布品質を向上させることが可能な塗布装置を、単純な構成で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る固液懸濁液塗布装置の、装置本体の要部拡大断面図である。
【図2】 図1のA−A線における断面図である。
【図3】 図1の要部を更に拡大図示した断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る固液懸濁液塗布装置の装置本体を、一部断面図で示したものである。
【図5】 本発明の実施の形態に係る固液懸濁液塗布装置の側面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る固液懸濁液塗布装置の、装置本体の別例を示す、要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 固液懸濁液塗布装置
2 塗布装置本体
3 超音波発振器
4 超音波増幅ホーン
5 ホーン振動節
6 振動チップ
7 中空管路
8 ノズル
10 材料流通路
19 霧化エア流出口
20 塗布口
21 弁座
24 ノズルアウタ
25、26、27 開口部
28 円錐状の間隙
29、30 液溜部
31 先端面
32 端面
33 導入口
Claims (2)
- 塗布装置本体内部に設けられた、塗布物を内部に保持する中空管路と、当該中空管路に挿入される振動印加手段と、前記振動印加手段の振動方向延長線上に配置され塗布口が開口した液溜部と、前記振動印加手段と前記中空管路との相対変位により前記液溜部への塗布物の流量を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、前記液溜部への導入口が形成された、前記中空管路を塞ぐ弁座と、前記中空管路に挿入された振動印加手段の振動増幅ホーン先端部分とで構成され、
前記振動印加手段およびその振動増幅ホーンは当該塗布装置本体に直接的に固定され、
前記中空管路は、前記振動増幅ホーンに対し、軸方向に移動可能に支持され、なおかつ、前記塗布口近傍に設けられた霧化エア流出口へと霧化エアを供給する霧化エア流路が、前記中空管路の壁を軸方向に貫通し、前記霧化エア流路への霧化エア流入口が、塗布装置本体に形成され、前記霧化エア流入口に霧化エア配管が接続されていることを特徴とする固液懸濁液塗布装置。 - 前記液溜部の少なくとも一部分は、前記振動印加手段の、振動エネルギーの有効伝達範囲内に位置することを特徴とする請求項1記載の固液懸濁液塗布装置。
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