JP4022158B2 - X型交差張弦梁構造体 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、体育館等の平面視矩形状を成すロングスパン建築物に適した屋根面の骨組み(屋根大梁)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、体育館等のロングスパン構造物の屋根大梁を張弦梁構造とすると、軽量で安全性が高く、かつ部材の所要断面が小さくなって経済設計が出来ることはよく知られている。
而して、ロングスパン建築物に適する張弦梁構造としては、図14に示すように、アーチ状に彎曲した上弦材50の両端部間に下弦材60を張設し、上弦材と下弦材間に方杖材70を張設した「弓型張弦梁」や、図15に示すように、上弦材50を水平にした「上辺直線梁」が知られている。また、図16に示すように、一対の上弦材50、50を水平方向に所定間隔を空けて巾止小梁80で連結したものが知られている。また、2本の上弦材を間隔を空けて並べ、両者間を連結材で連結して梯子状上弦部を構成し、その両端部に下弦材の両端部を結合したものも知られている。(例えば、特開2000−129859号参照)
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−129859号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図14及び図15に示した張弦梁構造は、力学的に弦材が面外に弾かれる惧れがあり、これを防ぐ措置が必要である等の難点があった。
また、図16に示す張弦梁構造体は上記難点を改良されたものであるが、組立時の安定性が悪く、横倒れを起こしやすい欠点があり、地震時における挙動を防ぐ負担が大きいという難点があった。
【0004】
本発明は、上記の如き従来の難点に鑑みて、立体交差梁と張弦構造を併用することによって、水平面の剛性の確保が良好であり、組立作業が安全かつ容易に行える新規な張弦梁構造体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明の張弦梁構造体は、平面視矩形状をなす大型建築物の屋根面の骨組み構造であって、上弦材、下弦材、方杖材及び上弦巾止小梁からなり、上記上弦材は、アーチ状をなしており、その各両端部をスパン方向筋向いの支持体上端部に亘り架設すると共に、各上弦材はその中央部でX状に交差結合させ、各隣合う上弦材の端部は、前記支持体上端部の同一個所に固定してある。
而して、上記下弦材は、対向する支持体上端部における上弦材固定部間に亘り各張設してあり、上記方杖材は、下弦材に沿って所定間隔毎に配置し、上弦材と下弦材間に張設してあり、また、上記上弦巾止小梁は、隣合う上弦材間に夫々張設してある。
【0006】
なお、前記上弦材をその頂部に設けた連結金具でX状に交差結合させて構成することも出来る。
また、前記方杖材は、一対の棒状部材の両下端部を下弦材の同一箇所に固定すると共に、その各上端部を隣合う上弦材に夫々固定して構成することも出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
以下、本発明を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1に於いて、1は平面視矩形状に形成した屋根梁本体を示し、上弦材2、下弦材3、方杖材4及び上弦巾止小梁5からなる。
また、6は支柱であって、所定のスパンLをおき、かつスパンと直交する方向に所定間隔Mをおいて所要数立設してあり、その上端部間に桁行梁7を架設してある。
8は各支柱6の上端に突設した連結部材であって、その縦杆9の上端部一側にはフランジ10を設けると共に、縦杆9の上端部には緊締線Wの取付孔11を設けてある。
【0008】
上記上弦材2は、鋼管をアーチ状に彎曲させてあり、その各両端部を筋違いの支柱6、6の上端部に亘り掛け渡し、各端部を前記フランジ10にボルト止めして、支柱上端部に固定してある。
而して各上弦材2は、スパン中央部でX状に交差させると共に、該交差部14を連結部材15で連結してある。
また、上弦材2内に夫々挿通した緊締線Wの両端部を前記取付孔11に夫々固定してある。
【0009】
上記下弦材3は、相対向する支柱6、6間に張設してあり、その両端部を前記縦杆9に定着部材20により夫々固定して、上弦材2に圧縮力を付与し得るようにしてある。
また、上記方杖材4は、各下弦材3に沿って等間隔に所要数配設してあり、一対の棒状部材の各下端部を下弦材3の同一箇所に固定すると共に、その各上端部を、隣合う上弦材2に嵌設した接続部材30、30又は連結部材15、15に夫々固定することによって、上弦材2と下弦材3とを連結してある。
【0010】
更に、上記上弦巾止小梁5は、前記上弦材2に沿ってスパンと直交する方向に配設してなり、隣合う上弦材2の連結部材15、15間及び接続部材30、30間に夫々張設して、上弦材2が水平方向に広がるのを防止し得るようにしてある。
【0011】
次に、図10乃至図13に基づいて、本発明の張弦梁構造体の組立て工程を説明する。
(a)先ず、図10に示すように、所定のスパンLをおき、かつスパンと直交する方向に所定間隔Mをおいて4本の支柱6を立設すると共に、各支柱6の上端部間に桁行梁7を夫々架設する。
(b)次に、図11に示すように、弧状に彎曲した上弦材2、2をリフトアップし、その各端部を筋向いの支柱6上端部に固定し、スパン中央部でX状に交差させた後、その交差部を連結部材15で連結する。
(c)次に、図12に示すように、新しい支柱6を既設の支柱6と所定間隔Mをおいて立設し、桁行梁7を架設した後、上記(b)と同様にして上弦材2、2を架設する。
(d)次に、図13に示すように、隣合う上弦材2間に上弦巾止小梁5を配設した後、相対向する支柱6の上端部間に下弦材3を夫々張設すると共に、方杖材4を上弦材2と下弦材3間に張設する。
(e)上記(b)から(d)の工程を繰り返すことにより、組み立てが終了する。
【0012】
なお、上記実施例に於いては、上弦材2として断面円形の鋼管を使用したが、H型鋼、L型鋼、鋼棒など任意の断面形状を有する素材を使用することも可能であり、方杖材4についても同様である。又、下弦材3についても、ワイヤー、鋼棒、鋼板などの素材を使用することが出来る。而して、上弦材2の中央部に設けた結合部材15は、使用する上弦材の断面形状に応じて色々な形状のものを使用することが出来る。
また、上弦材2はリフトアップした後、X状に交差させるようにしたが、X状に地組したものをリフトアップして支柱6間に架設するようにする場合もある。また、支持体として、支柱を立設してその上端部間に桁行梁を架設した場合を説明したが、所要の厚みを有する鉄筋コンクリート製支持壁等で構成してもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に係る張弦梁構造体は、請求項1の如く構成してあるから、スパン長の大きい建築物に於いて、その水平面の剛性の確保が極めて良好であり、地震等の水平動を立体的に受け止めることが出来るので、堅固な屋根構造を実現することが出来る。
又、請求項2のように構成しておけば、上弦材として特に鋼管を用いた場合にはその交差結合が容易であり、構築作業を安全に行うことが出来る。
又、請求項3のように構成しておけば、方杖材の取付作業が容易であって、ロングスパン構築物の屋根大梁を迅速に構築することが出来る利点がある。
更に、本発明に係る張弦梁構造体は、アトリウム、体育館等の中小規模のものから、アリーナ等の大規模のものまで、幅広いロングスパン構築物に用いることが出来る利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の張弦梁構造体を用いた体育館等の屋根大梁を示す斜視図である。
【図2】図1におけるXーX線一部断面図である。
【図3】図1におけるYーY線一部断面図である。
【図4】図1におけるA部の平面図である
【図5】同上側面図である。
【図6】図1におけるB部の平面図である。
【図7】同上断面図である。
【図8】図1におけるC部の側面図である。
【図9】図1におけるD部の断面図である。
【図10】組立て工程の一部を示す斜視図である。
【図11】組立て工程の一部を示す斜視図である。
【図12】組立て工程の一部を示す斜視図である。
【図13】組立て工程の一部を示す斜視図である。
【図14】張弦梁構造の従来例を示す正面図である。
【図15】張弦梁構造の従来例を示す正面図である。
【図16】張弦梁構造の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 屋根梁
2 上弦材
3 下弦材
4 方杖材
5 上弦巾止小梁
6 支柱
7 桁行梁
8 連結部材
15 結合部材
Claims (3)
- 平面視矩形状をなす大型建築物の屋根面の骨組み構造であって、上弦材、下弦材、方杖材及び上弦巾止小梁からなり、上記上弦材は、アーチ状をなしており、その各両端部をスパン方向筋向いの支持体上端部に亘り架設すると共に、各上弦材はその中央部でX状に交差結合させ、各隣合う上弦材の端部は、前記支持体上端部の同一個所に固定してあり、上記下弦材は、対向する支持体上端部における上弦材固定部間に亘り各張設してあり、上記方杖材は、下弦材に沿って所定間隔毎に配置し、隣合う上弦材と下弦材間に夫々張設してあり、上記上弦巾止小梁は、隣合う上弦材間に張設してあることを特徴とするX状交差張弦梁構造体。
- 前記上弦材は、その中央部に設けた結合金具でX状に交差結合させてあることを特徴とする前記請求項1記載のX状交差張弦梁構造体。
- 前記各方杖材は、一対の棒状部材の両下端部を下弦材の同一個所に固定すると共に、その上端部を隣合う上弦材に夫々固定してあることを特徴とする請求項1乃至2記載のX状交差張弦梁構造体。
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