JP4021753B2 - 樋成形品接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐候性スチレン系樹脂で構成される樋成形品接続構造に関し、さらに、詳しくは、高耐候性スチレン系樹脂の経時的変化を抑え、塩化ビニル系の接着剤に含有される有機溶剤に侵されにくい樋成形品接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐候性が要求される野外用途の樋成形品としては、一般的には、塩化ビニル樹脂で構成されているものが多く用いられてきたが、塩化ビニル樹脂で構成されているものは使用中に退色性が生じるという問題があったので、近年においては、樋成形品の退色性を抑えるために、スチレン系共重合体で構成されたものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。また、スチレン系共重合体層を塩化ビニル樹脂層に積層した複合材料で構成されたものも用いられている。
【0003】
このような樋成形品を用いて樋成形品接続構造を構成するには、例えば、2つの軒樋を接続継手で接続する場合、接続継手上に2つの軒樋の長手方向の端部同士を10mm程度の隙間をあけるように近接させて配置すると共に、これらの2つの軒樋と接続継手とを接着剤を介在させて固着することがなされている。
【0004】
図7は、従来の長手方向に配置した2つの樋成形品とそれらを接続する接続継手との関係を模式的に示した説明図である。図7に示されるように、従来の樋成形品接続構造においては、接続継手13上に2つの樋成形品(軒樋)11,12の長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接させて配置し、これらの2つの樋成形品11,12と接続継手13とを塩化ビニル系の接着剤で固着させている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−140420号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、従来の樋成形品接続構造の断面説明図であって、(a)は、長手方向に配置した2つの樋成形品と接続継手とを接着剤で接着した直後の状態を示し、そして、(b)は、接続継手が接着剤に含有されている溶剤によって浸食されて変形した状態を示す。従来の樋成形品接続構造においては、図8(a)に示すように、長手方向に配置した2つの樋成形品(軒樋)11,12と接続継手13とを塩化ビニル系の接着剤14で接着すると、塩化ビニル系の接着剤14が樋成形品11の端部と樋成形品12の端部との間に形成される隙間における接続継手の内面に溜まった状態となるが、それらの接着の直後においては、塩化ビニル系の接着剤14に含有されている溶剤による樋成形品11,12及び接続継手13の変形は認められない。しかしながら、図8(b)に示すように、スチレン系共重合体は、塩化ビニル樹脂に比べて塩化ビニル系の接着剤14に含有されている溶剤で膨潤しやすく、そのために、時間の経過にともなって、樋11,12及び接続継手13が塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形するという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、スチレン系樹脂で構成される樋成形品を塩化ビニル系の接着剤で固着しても、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形しない樋成形品接続構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)及びアクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)等のスチレン系樹脂が、これ以外の他の樹脂とポリマーアロイを形成すれば、その組合せによっては、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤で膨潤し難くなるのではないかと考えて、これらのスチレン系樹脂とポリマーアロイを形成する他の樹脂を探究したところ、前記スチレン系樹脂及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなるポリマーアロイで構成した樋成形品接続構造が、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形しないことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達するために、接続継手上に長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接して配置された2つの樋成形品が接着剤で接続されてなる樋成形品接続構造において、
前記接続継手並びに前記樋成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、
そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされ、そして、
前記2つの樋成形品が、塩化ビニル系の接着剤で接続されている
ことを特徴とする樋成形品接続構造である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、接続継手上に長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接して配置された樋成形品と樋成形品とが接着剤で接続されてなる樋成形品接続構造において、
前記接続継手並びに前記樋成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成される樹脂層を少なくとも一方の表面に有し、
そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされ、そして、
前記2つの樋成形品が、塩化ビニル系の接着剤で接続されている
ことを特徴とする樋成形品接続構造。
【0011】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記塩化ビニル系の接着剤が、塩化ビニル系共重合体を含有していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記塩化ビニル系の接着剤が、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエンを溶剤として含有していることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す樋成形品接続構造におけるの樋成形品の説明図であって、(a)は、軒樋であり、(b)は、角竪樋であり、そして、(c)は、丸竪樋である。図2は、本発明の一実施の形態を示す長手方向に配置した2つの樋とそれらを接続する接続継手との関係を模式的に示した説明図である。図3は、本発明の一実施の形態を示す樋成形品接続構造の写真であって、(a)は、PBTによるアロイ化率が25%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたもの、PBTによるアロイ化率が40%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたもの、及び、PBTによるアロイ化率が25%のAESで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示し、(b)は、PBTによるアロイ化率が25%のABSで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示し、そして、(c)は、PBTによるアロイ化率が10%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示す。図4は、PBTによるアロイ化率が0%のAAS又はAESで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示す。図5は、図3の横断面を模式的に示した説明図であって、(a)は、図3(a)のものであり、(b)は、図3(b)のものであり、そして、(c)は、図3(c)のものである。図6は、図4の横断面を模式的に示した説明図である。
【0014】
図2,5に示すように、本発明の樋成形品接続構造は、接続継手3上に長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接して配置された2つの樋成形品(軒樋)1,2が接着剤4で接続されている。そして、前記接続継手3並びに前記樋成形品1,2は、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率は、10〜40%とされ、そして、前 記2つの樋成形品1,2は、塩化ビニル系の接着剤4で接続されている。
【0015】
前記ポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が10%未満であると、樋成形品に接着剤の溶剤による膨潤が発生して、経時的変形が生じることがあり、また、前記ポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が40%を越えると接着強度が低下する。それ故、前記ポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が10〜40%であると、接着剤に含有される溶剤による膨潤を抑えて樋成形品の経時的変化を少なくすることができ、また、接着強度が実用上問題になることもない。
【0016】
このように、前記接続継手3並びに前記樋成形品1,2が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が10〜40%とされていると、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤で膨潤し難くなり、そのために、スチレン系樹脂で構成される樋成形品を塩化ビニル系の接着剤で固着しても、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形することがなく、しかも、接着強度が実用上問題になることがない。
【0017】
また、本発明の樋成形品接続構造においては、前記接続継手3並びに前記樋成形品1,2は、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成される樹脂層を少なくとも一方の表面に有し、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率は、10〜40%とされ、そして、前記2つの樋成形品1,2は、塩化ビニル系の接着剤4で接続されていてもかまわない。また、前記「ポリマーアロイで構成される樹脂層を少なくとも一方の表面に有したもの」は、例えば、塩化ビニル樹脂層の一方の表面、又は、両方の表面に前記「ポリマーアロイで構成される樹脂層」を有するものであるが、本発明の目的に反しない限り、それ以外のものであってもかまわない。
【0018】
このように、前記接続継手3並びに前記樋成形品1,2が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が10〜40%とされていると、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤で膨潤し難くなり、そのために、スチレン系樹脂で構成される樋成形品を塩化ビニル系の接着剤で固着しても、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形することがなく、しかも、接着強度が実用上問題になることがない。
【0019】
前記樋成形品接続構造は、図2に示されているように、例えば、接続継手3と、この接続継手3上に長手方向の端部同士を隙間(点線と点線の間の部分)をあけるように近接して配置された2つの樋成形品1,2と、を有するものである。また、このような樋成形品接続構造は、竪樋の一方の端部に、円筒状の竪樋継手を差し込んだもの、樋成形品に止まりを差し込んだもの、又は、竪樋に集水器を差し込んだものであってもかまわない。
【0020】
本発明においては、前記塩化ビニル系の接着剤は、好ましくは、塩化ビニル系共重合体 を含有している。
【0021】
また、本発明においては、前記塩化ビニル系の接着剤は、好ましくは、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエンを溶剤として含有している。
【0022】
前記塩化ビニル系の接着剤4は、好ましくは、塩化ビニル系共重合体を含有しているものである。このような塩化ビニル系共重合体は、例えば、斯界でよく知られている(C23Cl)m (C462nである。また、前記塩化ビニル系の接着剤4は、公知の溶剤を含有している。このような溶剤は、好ましくは、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)及び酢酸エチルから選ばれたものである。かかる塩化ビニル系の接着剤の各構成成分の配合割合は、例えば、(C23Cl)m (C462nよりなる塩化ビニル系共重合29〜33重量%、シクロヘキサノン35〜39重量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)17〜21重量%、メチルエチルケトン(MEK)4〜8重量%及びトルエン6〜10重量%である。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)60重量%及びポリブチレンテレフタレート(PBT)40重量%よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした。そして、このようにして得た2つの樋成形品(軒樋)と接続継手とを図2に示されるように10mmの隙間をあけるように配置し、これらを(C23Cl)m (C462nよりなる塩化ビニル系共重合29〜33重量%、シクロヘキサノン35〜39重量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)17〜21重量%、メチルエチルケトン(MEK)4〜8重量%及びトルエン6〜10重量%よりなる塩化ビニル系の接着剤で塗布した後、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)で構成される内カバーをして密閉状態として樋成形品接続構造(サンプル)とした。その際における前記10mmの隙間に塗布された接着剤の厚みは、1.5mmであった。
【0024】
(実施例2)
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)75重量%及びポリブチレンテレフタレート(PBT)25重量%よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした以外は、実施例1と同様にして樋成形品接続構造(サンプル)とした。
【0025】
(実施例3)
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)90重量%及びポリブチレンテレフタレート(PBT)10重量%よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした以外は、実施例1と同様にして樋成形品接続構造(サンプル)とした。
【0026】
(実施例4)
アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)75重量%及びポリブチレンテレフタレート(PBT)25重量%よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした以外は、実施例1と同様にして樋成形品接続構造(サンプル)とした。
【0027】
(実施例5)
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)75重量%及びポリブチレンテレフタレート(PBT)25重量%よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした以外は、実施例1と同様にして樋成形品接続構造(サンプル)とした。
【0028】
(比較例1)
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)よりなるコンパウンドを混練し、これを押出成形して樋成形品とし、また、これを射出成形して接続継手とした以外は、実施例1と同様にして樋成形品接続構造(サンプル)とした。
【0029】
以上、実施例1〜5及び比較例1で得られたサンプルを過酷な条件、即ち、温度75℃及び湿度90%の雰囲気において5日間保持して、溶剤による膨潤の発生を調べたところ、次のとおりであった。
(1)実施例1、2、4で得られたサンプルは、図3(a)、図5(a)に示すように、膨潤が全くなかった。
(2)実施例3で得られたサンプルは、図3(c)、図5(c)に示すように明らかに膨潤が見られるが、その膨潤した面積は、次に記載のアロイ化なしの比較例1よりもやや効果が見られた。
(3)実施例5で得られたサンプルは、図3(b)、図5(b)に示すようにうっすらと膨潤が見られる程度であった。
(4)比較例1で得られたサンプルは、図4,6に示すように、前記10mmの隙間の幅いっぱいに膨潤が見られた。また、比較例1で得られたサンプルは、膨潤がひどいが、膨潤面を下にして床面に接触しているので、凹凸が平坦になっていた。
【0030】
次に、実施例1〜5及び比較例1で得られたサンプルの膨潤面積率(%)、即ち、前記10mmの隙間に塗布された接着剤の面積に占める膨潤した部分の面積の率を測定したところ、次の表1に示すとおりであった。
【0031】
【表1】
Figure 0004021753
【0032】
また、実施例1〜5及び比較例1で得られたサンプルの接着強度(Mpa/mm2 )を測定したところ、次の表2に示すとおりであった。
【0033】
【表2】
Figure 0004021753
【0034】
従来、樋成形品を塩化ビニル樹脂で構成したときの接着強度は、2.1Mpa/mm2 であるので、実施例1〜5で得られたサンプルの接着強度に問題はない。
【0035】
【発明の効果】
(1)請求項1,3,4に記載された発明によれば、前記接続継手及び前記樋成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、並びに、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされているので、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤で膨潤し難くなり、そのために、スチレン系樹脂で構成される樋成形品を塩化ビニル系の接着剤で固着しても、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形することがなく、しかも、接着強度が実用上問題になることがない。
【0036】
(2)請求項2,3,4に記載された発明によれば、前記接続継手並びに前記樋成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされ、そして、 前記2つの樋成形品が、塩化ビニル系の接着剤で接続されているので、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤で膨潤し難くなり、そのために、スチレン系樹脂で構成される樋成形品を塩化ビニル系の接着剤で固着しても、塩化ビニル系の接着剤に含有されている溶剤に浸食されて大きく変形することがなく、しかも、接着強度が実用上問題になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す樋成形品接続構造におけるの樋成形品の説明図であって、(a)は、軒樋であり、(b)は、角竪樋であり、そして、(c)は、丸竪樋である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示す長手方向に配置した2つの樋とそれらを接続する接続継手との関係を模式的に示した説明図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示す樋成形品接続構造の写真であって、(a)は、PBTによるアロイ化率が25%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたもの、PBTによるアロイ化率が40%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたもの、及び、PBTによるアロイ化率が25%のAESで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示し、(b)は、PBTによるアロイ化率が25%のABSで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示し、そして、(c)は、PBTによるアロイ化率が10%のAASで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示す。
【図4】 PBTによるアロイ化率が0%のAAS又はAESで構成される樋成形品及び接続継手で形成されたものを示す。
【図5】 図3の横断面を模式的に示した説明図であって、(a)は、図3(a)のものであり、(b)は、図3(b)のものであり、そして、(c)は、図3(c)のものである。
【図6】 図4の横断面を模式的に示した説明図である。
【図7】 従来の長手方向に配置した2つの樋とそれらを接続する接続継手との関係を模式的に示した説明図である。
【図8】 従来の樋成形品接続構造の断面説明図であって、(a)は、長手方向に配置した2つの樋と接続継手とを接着剤で接着した直後の状態を示し、そして、(b)は、接続継手が接着剤に含有されている溶剤によって浸食されて変形した状態を示す。
【符号の説明】
1,2 樋成形品
3 接続継手
4 塩化ビニル系の接着剤

Claims (4)

  1. 接続継手上に長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接して配置された2つの樋成形品が接着剤で接続されてなる樋成形品接続構造において、
    前記接続継手並びに前記成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成され、
    そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされ、そして、
    前記2つの樋成形品が、塩化ビニル系の接着剤で接続されている
    ことを特徴とする樋成形品接続構造。
  2. 接続継手上に長手方向の端部同士を隙間をあけるように近接して配置された樋成形品と樋成形品とが接着剤で接続されてなる樋成形品接続構造において、
    前記接続継手並びに前記樋成形品が、(イ)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)、及び、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS)から選ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂、及び、(ロ)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、からなるポリマーアロイで構成される樹脂層を少なくとも一方の表面に有し、
    そのポリブチレンテレフタレート(PBT)のアロイ化率が、10〜40%とされ、そして、
    前記2つの樋成形品が、塩化ビニル系の接着剤で接続されている
    ことを特徴とする樋成形品接続構造。
  3. 前記塩化ビニル系の接着剤が、塩化ビニル系共重合体を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の樋成形品接続構造。
  4. 前記塩化ビニル系の接着剤が、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエンを溶剤として含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樋成形品樋接続構造。
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