JPH11256721A - 制振シート、制振材及び折板屋根 - Google Patents
制振シート、制振材及び折板屋根Info
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- JPH11256721A JPH11256721A JP6127298A JP6127298A JPH11256721A JP H11256721 A JPH11256721 A JP H11256721A JP 6127298 A JP6127298 A JP 6127298A JP 6127298 A JP6127298 A JP 6127298A JP H11256721 A JPH11256721 A JP H11256721A
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- sheet
- vibration control
- vibration damping
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 薄い厚みであっても優れた制振性能を発現す
ると共に、鋼板に積層された積層体に折板加工を施して
も鋼板の賦形に追随して変形し、割れや破断を起こさな
い制振シート及びそれを用いた制振材、折板屋根を提供
する。 【解決手段】 ゴム又は熱可塑性エラストマー、熱可塑
性樹脂及び無機粉体を含有する樹脂組成物並びに可塑剤
からなる制振シートの一面に鋼板が積層された積層体よ
り形成されている。ロールフォーミング又はプレス曲げ
加工によって、成形金型による擦過傷を生じることな
く、容易に折板屋根へ成形加工される。
ると共に、鋼板に積層された積層体に折板加工を施して
も鋼板の賦形に追随して変形し、割れや破断を起こさな
い制振シート及びそれを用いた制振材、折板屋根を提供
する。 【解決手段】 ゴム又は熱可塑性エラストマー、熱可塑
性樹脂及び無機粉体を含有する樹脂組成物並びに可塑剤
からなる制振シートの一面に鋼板が積層された積層体よ
り形成されている。ロールフォーミング又はプレス曲げ
加工によって、成形金型による擦過傷を生じることな
く、容易に折板屋根へ成形加工される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振シート、制振
材及び折板屋根に関する。
材及び折板屋根に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、住宅等の建築物の屋根材とし
て、鋼板製の波形形状を有する折板屋根が用いられてき
たが、折板屋根単独では十分な遮音性能を得ることは難
しく、特に雨音を遮音することはできなかった。上記折
板屋根に遮音性能を付与するための方策として、例え
ば、折板屋根の裏面に制振シートを積層する方法が検討
されている。
て、鋼板製の波形形状を有する折板屋根が用いられてき
たが、折板屋根単独では十分な遮音性能を得ることは難
しく、特に雨音を遮音することはできなかった。上記折
板屋根に遮音性能を付与するための方策として、例え
ば、折板屋根の裏面に制振シートを積層する方法が検討
されている。
【０００３】上記折板屋根に使用される制振シートに要
求される性能としては、例えば、厚みを薄くしても制振
性能が優れること、鋼板を折板屋根に成形加工する際に
鋼板の賦形に追随して変形し、剥離や破断を起こさない
こと等である。
求される性能としては、例えば、厚みを薄くしても制振
性能が優れること、鋼板を折板屋根に成形加工する際に
鋼板の賦形に追随して変形し、剥離や破断を起こさない
こと等である。
【０００４】上記折板屋根に使用される制振シートとし
て、例えば、特開平３−２８７６５１公報に、エラスト
マー及び無機粉体からなる制振複合材が開示されてい
る。この制振シートは、厚さが薄くても鋼板に積層され
て優れた制振性能を発現するが、該シートが冬季の低温
下（５℃以下）で固くなるため鋼板に積層する際に、該
シートのコーナー部で割れや破断を起こすことがあっ
た。
て、例えば、特開平３−２８７６５１公報に、エラスト
マー及び無機粉体からなる制振複合材が開示されてい
る。この制振シートは、厚さが薄くても鋼板に積層され
て優れた制振性能を発現するが、該シートが冬季の低温
下（５℃以下）で固くなるため鋼板に積層する際に、該
シートのコーナー部で割れや破断を起こすことがあっ
た。
【０００５】また、上記制振シートと鋼板との積層体を
折板状に成形加工する際に、鋼板が折れ曲がる部分で、
制振シート表面に細かい割れが発生して白化することが
あった。
折板状に成形加工する際に、鋼板が折れ曲がる部分で、
制振シート表面に細かい割れが発生して白化することが
あった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消し、その目的は、薄い厚みであっても優れ
た制振性能を発現すると共に、鋼板に積層された積層体
に折板加工を施しても鋼板の賦形に追随して変形し、割
れや破断を起こさない制振シート及びそれを用いた制振
材、折板屋根を提供することにある。
問題点を解消し、その目的は、薄い厚みであっても優れ
た制振性能を発現すると共に、鋼板に積層された積層体
に折板加工を施しても鋼板の賦形に追随して変形し、割
れや破断を起こさない制振シート及びそれを用いた制振
材、折板屋根を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
制振シートは、可塑剤を含有する樹脂シートからなる制
振シートであって、該樹脂シートが、ゴム又は熱可塑性
エラストマー１００重量部、熱可塑性樹脂２０〜５，０
００重量部、及び、無機粉体２００〜１０，０００重量
部からなる樹脂組成物１００重量部、並びに、可塑剤
０．１〜５重量部より形成されていることを特徴とす
る。
制振シートは、可塑剤を含有する樹脂シートからなる制
振シートであって、該樹脂シートが、ゴム又は熱可塑性
エラストマー１００重量部、熱可塑性樹脂２０〜５，０
００重量部、及び、無機粉体２００〜１０，０００重量
部からなる樹脂組成物１００重量部、並びに、可塑剤
０．１〜５重量部より形成されていることを特徴とす
る。
【０００８】以下、本発明について説明する。請求項１
記載の制振シートは、ゴム又は熱可塑性エラストマー、
熱可塑性樹脂及び無機粉体を含有する樹脂組成物、並び
に、可塑剤からなる。
記載の制振シートは、ゴム又は熱可塑性エラストマー、
熱可塑性樹脂及び無機粉体を含有する樹脂組成物、並び
に、可塑剤からなる。
【０００９】上記ゴムとしては、例えば、ブチルゴム、
ウレタンゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、ＥＰＤＭ等が挙げられ、加硫の有無に
係わらず使用可能である。上記熱可塑性エラストマーと
しては、例えば、イソプレン系、オレフィン系、エステ
ル系等のエラストマーが挙げられる。これらの中で、特
にスチレン−イソプレンブロック共重合体が好適に用い
られる。
ウレタンゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、ＥＰＤＭ等が挙げられ、加硫の有無に
係わらず使用可能である。上記熱可塑性エラストマーと
しては、例えば、イソプレン系、オレフィン系、エステ
ル系等のエラストマーが挙げられる。これらの中で、特
にスチレン−イソプレンブロック共重合体が好適に用い
られる。
【００１０】上記スチレン−イソプレンブロック共重合
体は、第１成分であるスチレンと第２成分であるイソプ
レンとのブロック共重合体であって、イソプレンにブタ
ジエンが併用されてもよい。
体は、第１成分であるスチレンと第２成分であるイソプ
レンとのブロック共重合体であって、イソプレンにブタ
ジエンが併用されてもよい。
【００１１】また、上記スチレン−イソプレンブロック
共重合体の第２成分が、イソプレン単独又はブタジエン
との混合物からなる場合は、第２成分のブロック部分の
３・４結合及び１・２結合の含有量は４０％以上のもの
が好ましい。３・４結合及び１・２結合の含有量が４０
％未満になると、得られる制振シートは通常の使用温度
領域で十分な制振性能が発揮されないことがある。
共重合体の第２成分が、イソプレン単独又はブタジエン
との混合物からなる場合は、第２成分のブロック部分の
３・４結合及び１・２結合の含有量は４０％以上のもの
が好ましい。３・４結合及び１・２結合の含有量が４０
％未満になると、得られる制振シートは通常の使用温度
領域で十分な制振性能が発揮されないことがある。
【００１２】また、上記スチレン−イソプレンブロック
共重合体の分子量は、３万〜３０万が好ましく、より好
ましくは８万〜２５万である。分子量が３万未満では、
ブロック共重合体自体の破断時の強度、伸度等の機械的
性質が低下することがある。また、分子量が３０万を超
えると、後述の無機粉体と混合しにくくなる。このよう
なスチレン−イソプレンブロック共重合体の市販品とし
ては、例えば、クラレ社製「ハイブラ」等が挙げられ
る。
共重合体の分子量は、３万〜３０万が好ましく、より好
ましくは８万〜２５万である。分子量が３万未満では、
ブロック共重合体自体の破断時の強度、伸度等の機械的
性質が低下することがある。また、分子量が３０万を超
えると、後述の無機粉体と混合しにくくなる。このよう
なスチレン−イソプレンブロック共重合体の市販品とし
ては、例えば、クラレ社製「ハイブラ」等が挙げられ
る。
【００１３】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、塩化ビニ
ル樹脂、ポリエステル等が挙げられる。特に、これらの
中でエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、塩化ビニ
ル樹脂、ポリエステル等が挙げられる。特に、これらの
中でエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
【００１４】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体として
は、酢酸ビニル含有量が２〜４０重量％のものが好まし
い。酢酸ビニル含有量が、２重量％未満では得られる制
振シートの柔軟性が不足することがあり、４０重量％を
超えると、樹脂組成物が粘着性を有するため、制振シー
トの成形時や保管時に特別の離型処理を必要とすること
がある。
は、酢酸ビニル含有量が２〜４０重量％のものが好まし
い。酢酸ビニル含有量が、２重量％未満では得られる制
振シートの柔軟性が不足することがあり、４０重量％を
超えると、樹脂組成物が粘着性を有するため、制振シー
トの成形時や保管時に特別の離型処理を必要とすること
がある。
【００１５】上記樹脂組成物において、熱可塑性樹脂の
配合量は、後述の無機粉体の配合量や折板屋根の形状に
よって決定されるが、少なくなると後述の無機粉体を充
填した制振シートの成形性が低下し、多くなるとゴム又
は熱可塑性エラストマーの制振性能が低下するので、上
記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部に対して
２０〜５，０００重量部とされ、好ましくは１００〜
１，０００重量部である。
配合量は、後述の無機粉体の配合量や折板屋根の形状に
よって決定されるが、少なくなると後述の無機粉体を充
填した制振シートの成形性が低下し、多くなるとゴム又
は熱可塑性エラストマーの制振性能が低下するので、上
記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部に対して
２０〜５，０００重量部とされ、好ましくは１００〜
１，０００重量部である。
【００１６】特に、上記樹脂組成物中においてゴム又は
熱可塑性エラストマーの含有量が１重量％以下になる場
合は、上記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部
に対して、熱可塑性樹脂を１，０００重量部以上配合す
ることが好ましい。
熱可塑性エラストマーの含有量が１重量％以下になる場
合は、上記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部
に対して、熱可塑性樹脂を１，０００重量部以上配合す
ることが好ましい。
【００１７】上記無機粉体としては、例えば、酸化鉄、
酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物；粒子状
金属；クレー、タルク、マイカ、石英粉等の鉱物系粉砕
物の他、ガラス繊維、ガラス粉、炭酸カルシウム、石膏
等が挙げられる。これらの中で、特に制振性能及びコス
トの点から、マイカ、炭酸カルシウムが好ましい。
酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物；粒子状
金属；クレー、タルク、マイカ、石英粉等の鉱物系粉砕
物の他、ガラス繊維、ガラス粉、炭酸カルシウム、石膏
等が挙げられる。これらの中で、特に制振性能及びコス
トの点から、マイカ、炭酸カルシウムが好ましい。
【００１８】上記無機粉体の粒径は、特に制限されない
が、１〜５００μｍが好ましい。粒径が１μｍ未満で
は、表面積が大きくなり単位重量当たりの粒子数が多く
なるので、混合工程に時間がかかる。また、粒径が５０
０μｍを超えると、制振シートの成形時に表面荒れやシ
ート切れの原因となることがある。
が、１〜５００μｍが好ましい。粒径が１μｍ未満で
は、表面積が大きくなり単位重量当たりの粒子数が多く
なるので、混合工程に時間がかかる。また、粒径が５０
０μｍを超えると、制振シートの成形時に表面荒れやシ
ート切れの原因となることがある。
【００１９】上記無機粉体の配合量は、少なくなると所
定の制振性能を発現するために、得られる制振シートの
厚みを厚くする必要が生じることがあり、多くなると得
られる制振シートの強度が低下することがあるので、上
記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部に対して
２００〜１０，０００重量部であり、好ましくは５００
〜３，０００重量部である。
定の制振性能を発現するために、得られる制振シートの
厚みを厚くする必要が生じることがあり、多くなると得
られる制振シートの強度が低下することがあるので、上
記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部に対して
２００〜１０，０００重量部であり、好ましくは５００
〜３，０００重量部である。
【００２０】上記無機粉体の配合量が１，０００重量部
を超える場合は、制振シートの機械的強度を確保するた
めに、上記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部
に対して、熱可塑性樹脂を２００重量部以上配合するこ
とが好ましい。
を超える場合は、制振シートの機械的強度を確保するた
めに、上記ゴム又は熱可塑性エラストマー１００重量部
に対して、熱可塑性樹脂を２００重量部以上配合するこ
とが好ましい。
【００２１】本発明の制振シートは、上記樹脂組成物に
可塑剤が配合されてなる。上記可塑剤としては、例え
ば、ＤＯＰ（フタル酸ジ−２−エチルヘキシル）、ＤＨ
Ｐ（フタル酸ジヘプチル）、ＤＩＤＰ（フタル酸ジ−イ
ソデシル）、ＤＮＰ（フタル酸ジ−ノニル）等が挙げら
れ、これらの中で特にＤＯＰが好ましい。
可塑剤が配合されてなる。上記可塑剤としては、例え
ば、ＤＯＰ（フタル酸ジ−２−エチルヘキシル）、ＤＨ
Ｐ（フタル酸ジヘプチル）、ＤＩＤＰ（フタル酸ジ−イ
ソデシル）、ＤＮＰ（フタル酸ジ−ノニル）等が挙げら
れ、これらの中で特にＤＯＰが好ましい。
【００２２】上記可塑剤の配合量は、少なくなると得ら
れる制振シートの柔軟性が不足し、多くなると得られる
制振シートの接着性が低下するので、上記樹脂組成物１
００重量部に対して、０．１〜５重量部である。
れる制振シートの柔軟性が不足し、多くなると得られる
制振シートの接着性が低下するので、上記樹脂組成物１
００重量部に対して、０．１〜５重量部である。
【００２３】上記可塑剤含有組成物を、溶融軟化点以上
（具体的には、１００〜２７０℃）に加熱し、押出成形
又はカレンダー成形等によってシート状物に成形するこ
とにより、制振シートが得られる。
（具体的には、１００〜２７０℃）に加熱し、押出成形
又はカレンダー成形等によってシート状物に成形するこ
とにより、制振シートが得られる。
【００２４】上記樹脂組成物には、必要に応じて、熱安
定剤、耐侯性改良剤、滑剤、加工助剤、顔料、着色剤な
どが配合されてもよい。特に、得られる制振シートの鋼
板に対する接着性や成形時の流動性を向上させるため
に、石油樹脂（Ｃ9 樹脂）を添加することが好ましい。
定剤、耐侯性改良剤、滑剤、加工助剤、顔料、着色剤な
どが配合されてもよい。特に、得られる制振シートの鋼
板に対する接着性や成形時の流動性を向上させるため
に、石油樹脂（Ｃ9 樹脂）を添加することが好ましい。
【００２５】本発明の制振シートの厚みは、制振性能等
によって適宜決定されるが、通常１０ｍｍ以下が好まし
く、より好ましくは０．１〜２ｍｍである。厚みが１０
ｍｍを超えると、後述の制振シートと鋼板とが積層され
た制振材を波形断面の折板状に成形加工する際に、破断
や剥離が起こることがある。
によって適宜決定されるが、通常１０ｍｍ以下が好まし
く、より好ましくは０．１〜２ｍｍである。厚みが１０
ｍｍを超えると、後述の制振シートと鋼板とが積層され
た制振材を波形断面の折板状に成形加工する際に、破断
や剥離が起こることがある。
【００２６】上記制振シートの加工性や耐侯性を向上さ
せるために、該制振シートの片面にポリエチレンテレフ
タレート（ＰＥＴ）樹脂層が積層されていてもよい。
せるために、該制振シートの片面にポリエチレンテレフ
タレート（ＰＥＴ）樹脂層が積層されていてもよい。
【００２７】上記制振シートにＰＥＴ樹脂層を積層する
方法としては、ＰＥＴフィルム又はＰＥＴシートを制振
シートに熱融着する方法；ＰＥＴフィルム又はＰＥＴシ
ートを制振シートに接着剤により接着する方法などが挙
げられる。さらに、制振シート上に溶剤キャスティング
によりＰＥＴ樹脂層を形成する方法；押出しにより制振
シートとＰＥＴ樹脂層とを同時にラミネーションする方
法なども使用可能である。
方法としては、ＰＥＴフィルム又はＰＥＴシートを制振
シートに熱融着する方法；ＰＥＴフィルム又はＰＥＴシ
ートを制振シートに接着剤により接着する方法などが挙
げられる。さらに、制振シート上に溶剤キャスティング
によりＰＥＴ樹脂層を形成する方法；押出しにより制振
シートとＰＥＴ樹脂層とを同時にラミネーションする方
法なども使用可能である。
【００２８】上記ＰＥＴ樹脂層の厚さは、適応される成
形条件や要求性能等によって適宜決定されるが、５〜５
００μｍが好ましく、より好ましくは１５〜１００μｍ
である。上記ＰＥＴ樹脂層の厚さが５μｍ未満では、Ｐ
ＥＴ樹脂層の形成がし難くなると共に、後述する折板屋
根に成形加工する際にＰＥＴ樹脂層の表面滑り性が不足
したり、ＰＥＴ樹脂層が破壊するおそれがある。また、
ＰＥＴ樹脂層の厚さが５００μｍを超えると、表面滑り
性の割に多量のＰＥＴ樹脂を必要とするため不経済であ
る上に、ＰＥＴ樹脂層の剛性が大きくなり、折板屋根に
成形加工する際の障害となることがある。
形条件や要求性能等によって適宜決定されるが、５〜５
００μｍが好ましく、より好ましくは１５〜１００μｍ
である。上記ＰＥＴ樹脂層の厚さが５μｍ未満では、Ｐ
ＥＴ樹脂層の形成がし難くなると共に、後述する折板屋
根に成形加工する際にＰＥＴ樹脂層の表面滑り性が不足
したり、ＰＥＴ樹脂層が破壊するおそれがある。また、
ＰＥＴ樹脂層の厚さが５００μｍを超えると、表面滑り
性の割に多量のＰＥＴ樹脂を必要とするため不経済であ
る上に、ＰＥＴ樹脂層の剛性が大きくなり、折板屋根に
成形加工する際の障害となることがある。
【００２９】上記制振シートと鋼板との積層には接着剤
が用いられる。積層方法としては、例えば、鋼板側に接
着剤を塗布した後接着剤塗布面に制振シートを圧着し
て、乾燥もしくは硬化させることにより、制振シートと
鋼板とを積層する方法が挙げられる。尚、上記制振シー
トの片面にＰＥＴ樹脂層が積層されている場合は、制振
シートの該樹脂層非積層側と鋼板とを積層する。
が用いられる。積層方法としては、例えば、鋼板側に接
着剤を塗布した後接着剤塗布面に制振シートを圧着し
て、乾燥もしくは硬化させることにより、制振シートと
鋼板とを積層する方法が挙げられる。尚、上記制振シー
トの片面にＰＥＴ樹脂層が積層されている場合は、制振
シートの該樹脂層非積層側と鋼板とを積層する。
【００３０】上記制振シートと鋼板との積層に用いられ
る接着剤としては、ゴム系の溶剤型接着剤、二液型のエ
ポキシ接着剤、ウレタン接着剤等が使用可能であるが、
特に、これらの中でクロロプレン系ゴムの溶剤型接着剤
が好ましい。なお、上記制振シートの接着面には、予め
プライマー処理が施されていてもよい。
る接着剤としては、ゴム系の溶剤型接着剤、二液型のエ
ポキシ接着剤、ウレタン接着剤等が使用可能であるが、
特に、これらの中でクロロプレン系ゴムの溶剤型接着剤
が好ましい。なお、上記制振シートの接着面には、予め
プライマー処理が施されていてもよい。
【００３１】上記クロロプレン系ゴムの溶剤型接着剤を
使用する場合は、残留溶剤量が初期溶剤含有量の５〜３
０％の範囲となるまで乾燥した後鋼板と積層することに
よって、強い接着強度が得られるので好ましい。
使用する場合は、残留溶剤量が初期溶剤含有量の５〜３
０％の範囲となるまで乾燥した後鋼板と積層することに
よって、強い接着強度が得られるので好ましい。
【００３２】上記制振シートには、微小な径の貫通孔が
設けられていてもよい。このような貫通孔によって、接
着剤の乾燥が促進されるばかりでなく、鋼板と制振シー
トとの積層時に空気の巻き込みを防止することができ
る。
設けられていてもよい。このような貫通孔によって、接
着剤の乾燥が促進されるばかりでなく、鋼板と制振シー
トとの積層時に空気の巻き込みを防止することができ
る。
【００３３】上記鋼板と制振シートとを積層した制振材
の周波数５００Ｈｚにおいて測定される損失係数は、小
さくなると十分な制振性能が得られ難くなるので、０．
０８以上であることが好ましい。上記損失係数は、ＪＩ
Ｓ Ｇ ０６０２に準拠して、１５ｍｍ幅×２５０ｍｍ
長さの制振材試験片を使用し、２０〜３０℃の温度で周
波数５００Ｈｚにおいて測定される値である。
の周波数５００Ｈｚにおいて測定される損失係数は、小
さくなると十分な制振性能が得られ難くなるので、０．
０８以上であることが好ましい。上記損失係数は、ＪＩ
Ｓ Ｇ ０６０２に準拠して、１５ｍｍ幅×２５０ｍｍ
長さの制振材試験片を使用し、２０〜３０℃の温度で周
波数５００Ｈｚにおいて測定される値である。
【００３４】上記制振材を、例えば図１に示したような
波形断面の折板状に成形加工することにより、折板屋根
が得られる。上記制振材から折板屋根を量産的に製造す
る方法としては、例えば、長尺の積層体を連続して成形
可能なロールフォーミング成形が用いられる。また、小
ロットの制振材では、プレス曲げ加工によって折板屋根
に成形加工してもよい。
波形断面の折板状に成形加工することにより、折板屋根
が得られる。上記制振材から折板屋根を量産的に製造す
る方法としては、例えば、長尺の積層体を連続して成形
可能なロールフォーミング成形が用いられる。また、小
ロットの制振材では、プレス曲げ加工によって折板屋根
に成形加工してもよい。
【００３５】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明の態
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【００３６】（実施例１〜３、比較例１〜３）表１に示
した割合の、スチレン−イソプレンブロック共重合体
（クラレ社製「ハイブラ」、分子量約１４万）、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含有量３０重量
％）、無機粉体として炭酸カルシウム（平均粒径２μ
ｍ）及びマイカ（１００メッシュパス）からなる樹脂組
成物、並びに、可塑剤を、押出機に供給して加熱混練
し、１ｍｍ厚の樹脂シートを押出成形した。上記樹脂シ
ートの片面に溶剤型クロロプレン系接着剤を用いて、２
５μｍ厚のＰＥＴフィルムを積層して制振シートを得
た。
した割合の、スチレン−イソプレンブロック共重合体
（クラレ社製「ハイブラ」、分子量約１４万）、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含有量３０重量
％）、無機粉体として炭酸カルシウム（平均粒径２μ
ｍ）及びマイカ（１００メッシュパス）からなる樹脂組
成物、並びに、可塑剤を、押出機に供給して加熱混練
し、１ｍｍ厚の樹脂シートを押出成形した。上記樹脂シ
ートの片面に溶剤型クロロプレン系接着剤を用いて、２
５μｍ厚のＰＥＴフィルムを積層して制振シートを得
た。
【００３７】得られた制振シートを用いて、下記の通り
制振材を作製し、その性能評価を行い、得られた結果を
表１に示した。 （１）損失係数 ０．６ｍｍ厚の鋼板の片面に溶剤型クロロプレン系接着
剤を塗布、乾燥した後、接着剤塗布面に上記制振シート
のＰＥＴフィルム非積層面を貼着して、制振シートと鋼
板との積層体からなる制振材を得た。上記制振材から１
５ｍｍ幅×２５０ｍｍ長さの寸法に切断した試験片につ
き、ＪＩＳ Ｇ ０６０２に準拠して中央加振法によ
り、周波数５００Ｈｚにおける損失係数を測定した。
制振材を作製し、その性能評価を行い、得られた結果を
表１に示した。 （１）損失係数 ０．６ｍｍ厚の鋼板の片面に溶剤型クロロプレン系接着
剤を塗布、乾燥した後、接着剤塗布面に上記制振シート
のＰＥＴフィルム非積層面を貼着して、制振シートと鋼
板との積層体からなる制振材を得た。上記制振材から１
５ｍｍ幅×２５０ｍｍ長さの寸法に切断した試験片につ
き、ＪＩＳ Ｇ ０６０２に準拠して中央加振法によ
り、周波数５００Ｈｚにおける損失係数を測定した。
【００３８】（２）低温割れ試験制振シートから押出し
方向を長辺とする試験片（２５ｍｍ幅×１００ｍｍ長） を切断して、０±１℃の雰囲気で６時間以上養生した
後、この試験片を外径５０ｍｍのパイプに沿わせて長辺
方向の曲げ試験を行い、クラック、割れ等の異常発生の
有無を目視観察した。尚、表中、クラック、割れ等が発
生したものを「あり」、発生しなかったものを「なし」
で表示した。
方向を長辺とする試験片（２５ｍｍ幅×１００ｍｍ長） を切断して、０±１℃の雰囲気で６時間以上養生した
後、この試験片を外径５０ｍｍのパイプに沿わせて長辺
方向の曲げ試験を行い、クラック、割れ等の異常発生の
有無を目視観察した。尚、表中、クラック、割れ等が発
生したものを「あり」、発生しなかったものを「なし」
で表示した。
【００３９】（３）クリープ試験 （１）と同様の制振材を２３℃、６５％ＲＨで２４時間
養生した後、押出し方向を長辺とする試験片（２５ｍｍ
幅×１５０ｍｍ長）を切断して試験片を作製した。次い
で、この試験片の一端を３０ｍｍだけ剥がして８０℃の
乾燥機で１時間乾燥した後、剥がしたシートの端部に５
０ｇの分銅をぶら下げて８０℃の乾燥機で３時間放置
し、シートが３０ｍｍからさらに剥がれた距離を測定し
た。
養生した後、押出し方向を長辺とする試験片（２５ｍｍ
幅×１５０ｍｍ長）を切断して試験片を作製した。次い
で、この試験片の一端を３０ｍｍだけ剥がして８０℃の
乾燥機で１時間乾燥した後、剥がしたシートの端部に５
０ｇの分銅をぶら下げて８０℃の乾燥機で３時間放置
し、シートが３０ｍｍからさらに剥がれた距離を測定し
た。
【００４０】
【表１】
【００４１】
【発明の効果】請求項１記載の制振シートは、以上の構
成であり、特に可塑剤が配合されていることにより、柔
軟性を発現し、低温下でも鋼板への積層が容易になると
共に、制振性能も維持されている。
成であり、特に可塑剤が配合されていることにより、柔
軟性を発現し、低温下でも鋼板への積層が容易になると
共に、制振性能も維持されている。
【００４２】請求項２記載の制振シートは、ＰＥＴ樹脂
層が設けられることによって表面滑り性が改良されるの
で、鋼板と積層して得られる制振材は、ロールフォーミ
ング又はプレス曲げ加工によって、成形金型による擦過
傷を生じることなく、容易に折板屋根へ成形加工され
る。また、折板屋根へ成形加工する際に、鋼板の賦形に
追随して制振シートが変形するので、制振シートの剥離
や破断が起こらず、複雑な形状へ成形できるので、ボル
トレス折板屋根用として好適に使用することができる。
層が設けられることによって表面滑り性が改良されるの
で、鋼板と積層して得られる制振材は、ロールフォーミ
ング又はプレス曲げ加工によって、成形金型による擦過
傷を生じることなく、容易に折板屋根へ成形加工され
る。また、折板屋根へ成形加工する際に、鋼板の賦形に
追随して制振シートが変形するので、制振シートの剥離
や破断が起こらず、複雑な形状へ成形できるので、ボル
トレス折板屋根用として好適に使用することができる。
【００４３】請求項４記載の折板屋根は、制振性能が優
れる。
れる。
【図１】折板屋根を示す模式断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｂ３２Ｂ 27/36 Ｂ３２Ｂ 27/36 Ｅ０４Ｄ 3/35 Ｅ０４Ｄ 3/35 Ｓ
Claims (4)
- 【請求項１】 可塑剤を含有する樹脂シートからなる制
振シートであって、該樹脂シートが、ゴム又は熱可塑性
エラストマー１００重量部、熱可塑性樹脂２０〜５，０
００重量部、及び、無機粉体２００〜１０，０００重量
部からなる樹脂組成物１００重量部、並びに、可塑剤
０．１〜５重量部より形成されていることを特徴とする
制振シート。 - 【請求項２】 請求項１記載の制振シートの片面にポリ
エチレンテレフタレート樹脂層が積層されていることを
特徴とする制振シート。 - 【請求項３】 請求項１又は２記載の制振シートの片面
に鋼板が積層された積層体からなる制振材であって、該
積層体の２０〜３０℃、５００Ｈｚの周波数で測定され
る損失係数が０．０８以上であることを特徴とする制振
材。 - 【請求項４】 請求項３記載の制振材が折板状に成形加
工されてなることを特徴とする折板屋根。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6127298A JPH11256721A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 制振シート、制振材及び折板屋根 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6127298A JPH11256721A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 制振シート、制振材及び折板屋根 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11256721A true JPH11256721A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13166424
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6127298A Pending JPH11256721A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 制振シート、制振材及び折板屋根 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11256721A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010235884A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Cci Corp | 屋根用制振塗料組成物及び屋根構造 |
| JP2023507958A (ja) * | 2019-12-19 | 2023-02-28 | ポスコホールディングス インコーポレーティッド | 制振鋼板用表面処理組成物及び制振鋼板 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP6127298A patent/JPH11256721A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010235884A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Cci Corp | 屋根用制振塗料組成物及び屋根構造 |
| JP2023507958A (ja) * | 2019-12-19 | 2023-02-28 | ポスコホールディングス インコーポレーティッド | 制振鋼板用表面処理組成物及び制振鋼板 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040624 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040707 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041104 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |