JP4021693B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロック信号に同期して入力信号を受信する受信回路を有する半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、システムを構成する半導体集積回路は、クロック信号に同期して動作する。通常、この種のシステムでは、システム設計を容易にするため、一つのクロック信号が、システムクロックとして用いられる。そして、システム中の半導体集積回路は、複数ビットの入力信号をクロック信号に同期して受信する。
半導体集積回路への入力信号の供給タイミングは、クロック信号に対するセットアップ時間およびホールド時間で規定される。セットアップ時間は、クロック信号の取り込みエッジより前に必要な信号の確定時間であり、ホールド時間は、クロック信号の取り込みエッジより後に必要な信号の保持時間である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体集積回路内では、複数ビットからなるデータ信号、アドレス信号等(以下、バス信号と称す)の伝達タイミングが相互にずれないように、配線長が揃えられることが多い。また、半導体集積回路を搭載するシステムにおいても、システムバス線の配線長を揃えるなどして、バス信号のタイミングが相互にずれることが防止されている。
しかしながら、半導体集積回路の内部回路の動作タイミングは、温度変化および電源電圧の変化により変わる。このため、信号線の配線長を揃えているにもかかわらず、温度変化および電源電圧の変化により、半導体集積回路内を伝達されるバス信号のタイミングは、相互にずれてしまう。
【0004】
バス信号を含む入力信号のセットアップ時間およびホールド時間は、上述した温度変化および電源電圧の変化による信号のタイミングの変動を考慮して決めなくてはならない。この種のタイミングの変動は、クロック周期に依存しないため、クロック信号の周波数が高くなるほど相対的に大きくなる。したがって、セットアップ時間およびホールド時間は、クロック信号の周波数が高いほど、相対的に長くなる。このため、クロック信号の周波数の高いシステムでは、クロック信号の周波数は、セットアップ時間およびホールド時間に制約されてしまう場合がある。換言すれば、バス信号の伝送レートが、セットアップ時間およびホールド時間に制約されて高くできない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、クロック信号に同期して複数ビットの信号を受信する半導体集積回路において、信号を確実に受信することにある。
本発明の別の目的は、半導体集積回路により構成されるシステムの伝送レートを高くすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体集積回路では、第1受信回路は、可変遅延回路、判定回路および遅延調整回路を有している。可変遅延回路は、第1入力信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、第1遅延信号として出力する。判定回路は、第1遅延信号とクロック信号との位相差に応じて、可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する。遅延調整回路は、可変遅延回路を調整する遅延調整信号を、増加信号または減少信号に応じて生成する。
【0007】
例えば、半導体集積回路の温度が上昇し、集積回路内での第1入力信号の位相がクロック信号に対して遅い側にずれた場合、判定回路は、減少信号を出力する。遅延調整回路は、可変遅延回路の遅延時間を短くするための遅延調整信号を生成する。したがって、温度変化、電圧変化等により第1入力信号とクロック信号のタイミングがずれた場合にも、第1受信回路は、第1入力信号をクロック信号に同期して確実に受信できる。
【0008】
第1入力信号の受信タイミングを第1受信回路内で自動で調整できるため、クロック信号に対する第1入力信号の確定期間(セットアップ時間およびホールド時間)を最小限にできる。この結果、クロック信号の周波数が、確定時間に制約されることを防止でき、第1入力信号の伝送レートを向上できる。
また、一般に、入力信号は、クロック信号ほど頻繁にレベルが変化しない。このため、第1入力信号を受ける可変遅延回路の内部動作の頻度は、クロック信号を受ける可変遅延回路の動作頻度より低くなる。この結果、可変遅延回路の消費電力を小さくできる。
【0009】
本発明の半導体集積回路では、判定回路は、遅延回路、レベル検出回路および遅延時間制御回路を有している。遅延回路は、第1遅延信号(または第1入力信号)を所定時間遅延させた基準遅延信号、基準遅延信号より位相の早い前遅延信号、および基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号を生成する。レベル検出回路は、クロック信号(または遅延クロック信号)に同期して、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベルの一致、不一致、および基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出する。このため、第1入力信号のタイミングがクロック信号に対してずれた場合、前遅延信号または後遅延信号と、基準遅延信号の論理レベルが不一致になる。
【0010】
遅延時間制御回路は、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、増加信号を出力し、基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、減少信号を出力する。そして、第1入力信号の遅延時間が調整され、第1受信回路が、誤ったレベルの第1入力信号を受信することが防止される。
このように、クロック信号に同期して、タイミングの異なる3つの信号(前遅延信号、基準遅延信号、後遅延信号)を比較することで、第1入力信号のタイミングのずれを容易に検出し、正しいタイミングに戻すことができる。
【0011】
本発明の半導体集積回路では、遅延時間制御回路は、禁止回路を有している。禁止回路は、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベル、および基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、増加信号および減少信号の出力を禁止する。第1入力信号のクロック信号に対する確定期間(タイミング仕様)が短い場合、第1入力信号のタイミングが正しいときにも、前遅延信号または後遅延信号のレベルと基準遅延信号のレベルが不一致になる可能性がある。このような場合に、第1入力信号のタイミングが誤って調整されることを防止できる。
【0012】
本発明の半導体集積回路では、判定回路は、遅延回路、レベル検出回路および遅延時間制御回路を有している。遅延回路は、第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い複数の前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い複数の後遅延信号を生成する。レベル検出回路は、クロック信号に同期して、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するとともに、基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出する。
【0013】
遅延時間制御回路は、基準遅延信号の論理レベルと前遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに増加信号を出力し、基準遅延信号の論理レベルと後遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに減少信号を出力する。そして、第1入力信号の遅延時間が調整され、第1受信回路が、誤ったレベルの第1入力信号を受信することが防止される。
【0014】
クロック信号に同期して、タイミングの異なる複数の信号(複数の前遅延信号、基準遅延信号、複数の後遅延信号)を比較することで、第1入力信号のタイミングのずれが小さい場合にも容易に検出できる。あるいは、第1入力信号のタイミングのずれを検出できる範囲を大きくできる。
本発明の半導体集積回路では、第1受信回路は、遅延調整回路が生成する遅延調整信号を、複数クロックサイクル毎に可変遅延回路に出力するマスク回路を有している。可変遅延回路の遅延時間の調整頻度が下がるため、クロック信号のジッタ等の影響を受けることが防止される。
【0015】
本発明の半導体集積回路では、第2受信回路は、可変遅延回路および第2ラッチ回路を有している。可変遅延回路は、第2入力信号を第1受信回路の遅延調整回路が生成する遅延調整信号に応じて遅延させ、第2遅延入力信号として出力する。第2ラッチ回路は、第2遅延入力信号を、クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する。すなわち、第2受信回路は、第1受信回路の判定回路および遅延調整回路を利用し、第2入力信号をクロック信号に同期して受信する。このため、第2受信回路の回路規模を小さくでき、半導体集積回路のチップサイズを小さくできる。
【0016】
本発明の半導体集積回路では、第1受信回路は、可変遅延回路、判定回路および遅延調整回路を有している。可変遅延回路は、クロック信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、遅延クロック信号として出力する。判定回路は、遅延クロック信号と第1入力信号との位相差に応じて、可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する。遅延調整回路は、可変遅延回路を調整する遅延調整信号を、増加信号または減少信号に応じて生成する。
【0017】
例えば、半導体集積回路の温度が上昇し、集積回路内でのクロック信号の位相が第1入力信号に対して遅い側にずれた場合、判定回路は、減少信号を出力する。遅延調整回路は、可変遅延回路の遅延時間を短くするための遅延調整信号を生成する。したがって、温度変化、電圧変化等により第1入力信号とクロック信号のタイミングがずれた場合にも、第1受信回路は、第1入力信号をクロック信号に同期して確実に受信できる。
【0018】
第1入力信号の受信タイミングを第1受信回路内で自動で調整できるため、クロック信号に対する第1入力信号の確定期間(セットアップ時間およびホールド時間)を最小限にできる。この結果、クロック信号の周波数が、確定時間に制約されることを防止でき、第1入力信号の伝送レートを向上できる。
本発明の半導体集積回路では、第2受信回路は、第2ラッチ回路を有している。第2ラッチ回路は、第2入力信号を第1受信回路の可変遅延回路が生成する遅延クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する。すなわち、第2受信回路は、第1受信回路の判定回路、遅延調整回路および可変遅延回路を利用し、第2入力信号をクロック信号に同期して受信する。このため、第2受信回路の回路規模を小さくでき、半導体集積回路のチップサイズを小さくできる。
【0019】
本発明の半導体集積回路では、受信回路は、第1可変遅延回路、第2可変遅延回路、判定回路、第1遅延調整回路および第2遅延調整回路を有している。
第1可変遅延回路は、入力信号を第1遅延調整信号に応じて遅延させる。第2可変遅延回路は、第1可変遅延回路により遅延された入力信号を、第2遅延調整信号に応じて遅延させ第1遅延信号として出力する。すなわち、第1および第2可変遅延回路は、直列に接続されている。
【0020】
判定回路は、第1遅延信号とクロック信号との位相差に応じて、第1可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第1増加信号または第1可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第1減少信号を出力する。また、判定回路は、第1遅延信号とクロック信号との位相差に応じて、第2可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第2増加信号または第2可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第2減少信号を出力する。
【0021】
例えば、判定回路は、入力信号のタイミングがクロック信号に対して少しずれたとき、第1増加信号および第2増加信号のいずれか、または第1減少信号および第2減少信号のいずれかを出力する。判定回路は、入力信号のタイミングがクロック信号に対して大きくずれたとき、第1および第2増加信号、または第1および第2減少信号を出力する。
【0022】
第1遅延調整回路は、第1可変遅延回路を調整する第1遅延調整信号を、第1増加信号または第1減少信号に応じて生成する。第2遅延調整回路は、第2可変遅延回路を調整する第2遅延調整信号を、第2増加信号または第2減少信号に応じて生成する。
このように、入力信号のずれ量に応じて第1および第2可変遅延回路の少なくともいずれかの遅延時間を調整することで、入力信号のタイミングを、ずれ量の大小にかかわりなく、短期間で補正することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の半導体集積回路の第1の実施形態を示している。この半導体集積回路は、シリコン基板上にCMOSプロセスを使用してDRAMとして形成されている。
DRAMは、外部端子を介して供給されるクロック信号CLK、アドレス信号AD0-ADn(第1入力信号)およびデータ信号DQ0-DQn(第1入力信号)を受信する入力バッファ10およびアドレス信号AD0-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnにそれぞれ対応する受信回路12(第1受信回路)を有している。特に図示していないが、DRAMは、ロウアドレスストローブ信号、コラムアドレスストローブ信号、ライトイネーブル信号等のコマンド信号を受信する外部端子も有している。受信回路12は、これ等コマンド信号に対しても形成されている。
【0024】
入力バッファ10は、例えばカレントミラー回路を有しており、外部端子を介して供給される信号の電圧レベルをCMOSレベルに変換し、内部クロック信号ICLK、内部アドレス信号IAD0-IADnおよび内部データ信号IDQ0-IDQnとして出力する。
受信回路12は、可変遅延回路14、判定回路16および遅延調整回路18を有している。受信回路12は、全て同じ回路であるため、以下の説明では、アドレス信号AD0に対応する受信回路12について説明する。
【0025】
受信回路12の可変遅延回路14は、遅延調整信号Q0-Q7に応じて内部アドレス信号IAD0の位相を調整し、遅延アドレス信号DAD0(第1遅延信号)として出力する。
判定回路16は、内部クロック信号ICLKの位相と遅延アドレス信号DAD0の位相とを比較し、可変遅延回路14の遅延時間を減少させるか増加させるかを判定し、判定結果に応じて減少信号SDDZまたは増加信号SDIZを出力する。また、判定回路16は、内部アドレス信号IAD0を内部クロック信号ICLKに同期してラッチし、ラッチアドレス信号LAD0として内部回路に出力する。
【0026】
遅延調整回路18は、減少信号SDDZまたは増加信号SDIZに応じて遅延調整信号Q0-Q7の論理レベルを変更する。
図2は、図1に示した可変遅延回路14の詳細を示している。
可変遅延回路14は、縦続接続され、遅延調整信号Q0-Q7に応じてそれぞれ動作する8個の遅延回路14aを有している。初段の遅延回路14aは、内部アドレス信号IAD0を受け、最終段の遅延回路14aは、遅延アドレス信号DAD0を出力する。
【0027】
各遅延回路14aは、縦続接続された第1遅延段15aおよび第2遅延段15bと、第1遅延段15aの出力または第2遅延段15bの出力を次段に接続するセレクタ15cとを有している。第1および第2遅延段15a、15bは、2つのインバータを直列に接続してそれぞれ形成されている。セレクタ15cは、遅延調整信号Q(Q0-Q7のいずれか)およびその反転信号を受ける一対のCMOS伝達ゲートを有している。
【0028】
遅延回路14aは、低レベルの遅延調整信号Qを受けたときに、第1遅延段15aの出力を次段に接続し、高レベルの遅延調整信号Qを受けたときに、第2遅延段15bの出力を次段に接続する。すなわち、可変遅延回路14の遅延時間は、低レベルの遅延調整信号Qの数が多いほど短く、高レベルの遅延調整信号Qの数が多いほど長くなる。
【0029】
図3は、図1に示した判定回路16の詳細を示している。
判定回路16は、遅延段16a、16b、ラッチ回路16c、16d、16e、排他的論理和回路16f、16g、比較回路16h、ラッチ回路16i、16j、16k、およびNORゲート16m、16nを有している。
遅延段16a、16bは、それぞれ2つのインバータを直列に接続して構成されている。遅延段16a、16bの遅延時間は同じ値に設定されている。遅延段16aは、ノードND1に伝達される遅延アドレス信号DAD0を遅延させ、基準遅延信号としてノードND2に出力する。遅延段16bは、基準遅延信号を遅延させ、後遅延信号としてノードND3に出力する。ノードND1に伝達される遅延アドレス信号DAD0は、前遅延信号としてラッチ回路16cに出力される。すなわち、遅延段16a、16bは、遅延アドレス信号DAD0を所定時間遅延させた基準遅延信号、基準遅延信号より位相の早い前遅延信号(遅延アドレス信号DAD0)、基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号を生成する遅延回路として動作する。
【0030】
ラッチ回路16cは、直列に接続された2つのCMOS伝達ゲートと、CMOS伝達ゲートの接続ノードを、出力側のCMOS伝達ゲートを介して帰還させる直列に接続された2つのインバータを有している。入力側のCMOS伝達ゲートは、内部クロック信号ICLKが低レベルのときにオンし、出力側のCMOS伝達ゲートは、内部クロック信号ICLKが高レベルのときにオンする。ラッチ回路16cは、ラッチした信号を相補の信号として出力する。
【0031】
ラッチ回路16cは、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、ノードND1のレベルをノードND4に出力する。ラッチ回路16cは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してノードND1のレベルをラッチし、ノードND4に出力する。
ラッチ回路16d、16eは、ラッチ回路16cと同じ回路である。ラッチ回路16dは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してノードND2のレベルをラッチし、ノードND5に出力する。ラッチ回路16eは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してノードND3のレベルをラッチし、ノードND6に出力する。
【0032】
排他的論理和回路16f、16gは、2つのCMOS伝達ゲートにより構成されている。排他的論理和回路16fは、ノードND4の論理レベルと、ノードND5の論理レベルとが同じときノードND7に低レベルを出力し、両者が異なるときノードND7に高レベルを出力する。排他的論理和回路16gは、ノードND6の論理レベルと、ノードND5の論理レベルとが同じときノードND8に低レベルを出力し、両者が異なるときノードND8に高レベルを出力する。
【0033】
ラッチ回路16c、16d、16eおよび排他的論理和回路16f、16gは、内部クロック信号ICLKに同期して、ノードND2の基準遅延信号とノードND1の前遅延信号(遅延アドレス信号DAD0)の論理レベルの一致、不一致、およびノードND2の基準遅延信号とノードND3の後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路として動作する。
【0034】
比較回路16hは、ノードND7の反転レベルとノードND8のレベルを受けるNANDゲートと、ノードND8の反転レベルとノードND7のレベルを受けるNANDゲートとを有している。比較回路16hは、ノードND7、ND8のレベルが同じとき、ノードND9、ND10に高レベルを出力し、ノードND7、ND8のレベルが互いに相違するとき、ノードND7、ND8のレベルをノードND9、ND10にそれぞれ伝達する。
【0035】
ラッチ回路16i、16j、16kは、ラッチ回路16cと同じ回路である。ラッチ回路16iは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期してノードND9のレベルをラッチし、ノードND11に出力する。ラッチ回路16jは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期してノードND10のレベルをラッチし、ノードND12に出力する。
【0036】
ラッチ回路16k(第1ラッチ回路)は、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期してノードND5の基準遅延信号の論理レベルをラッチし、ラッチした信号をラッチアドレス信号LAD0として出力する。
NORゲート16mは、内部クロック信号ICLKの低レベル時にノードND11の反転レベルを減少信号SDDZとして出力する。NORゲート16nは、内部クロック信号ICLKの低レベル時にノードND12の反転レベルを増加信号SDIZとして出力する。
【0037】
比較回路16h、ラッチ回路16i、16j、16kおよびNORゲート16m、16nは、後述するように、ノードND2の基準遅延信号とノードND1の前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、増加信号SDIZを出力し、ノードND2の基準遅延信号とノードND3の後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、減少信号SDDZを出力する遅延時間制御回路として動作する。また、比較回路16hは、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベルおよび基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZの出力を禁止する禁止回路としても動作する。
【0038】
図4および図5は、図1に示した遅延調整回路18の詳細を示している。遅延調整回路18は、減少信号SDDZまたは増加信号SDIZを受けて調整信号ADJA、ADJB、ADJC、ADJDを生成する生成部18a(図4)と、生成部18aからの調整信号ADJA-ADJDを受けて、遅延調整信号Q0-Q7を出力する出力部18bとを有している。
【0039】
生成部18aは、減少信号SDDZ(高レベルのパルス)を受ける毎に、調整信号ADJA、ADJB(高レベルのパルス)を交互に生成する。また、生成部18aは、増加信号SDIZ(高レベルのパルス)を受ける毎に、調整信号ADJC、ADJD(高レベルのパルス)を交互に生成する。リセット信号RESETを受けた後の初期状態において、生成部18aは、減少信号SDDZを受けたとき、調整信号ADJBを生成し、増加信号SDIZを受けたとき、調整信号ADJCを生成する。
【0040】
図5に示した出力部18bは、リセット信号RESETを受けた後の初期状態において、高レベルの遅延調整信号Q0-Q3(図中の"H")を出力し、低レベルの遅延調整信号Q4-Q7(図中の"L")を出力する。この状態において、出力部18bは、調整信号ADJBを受けたとき、遅延調整信号Q3を低レベルに変化する。また、この状態において、出力部18bは、調整信号ADJCを受けたとき、遅延調整信号Q4を高レベルに変化する。
【0041】
その後、出力部18bは、調整信号ADJAまたはADJBを受ける毎に遅延調整信号Q0-Q7のうち所定の一つを高レベルから低レベルに変化する。また、出力部18bは、調整信号ADJCまたはADJDを受ける毎に遅延調整信号Q0-Q7のうち所定の一つを低レベルから高レベルに変化する。
次に、上述した受信回路12の動作を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、アドレス信号AD0の受信動作についてのみ説明する。他のアドレス信号AD1-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnの受信動作も同様に行われる。但し、これ等受信回路12の受信動作は互いに独立して行われる。
【0042】
図6は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが大きい場合の動作を示している。すなわち、この例では、温度上昇または電源電圧の変動の影響により、クロック信号CLKと内部クロック信号ICLKとの位相差t1より、アドレス信号AD0と遅延アドレス信号DAD0との位相差t2は大きい。
【0043】
まず、1番目のクロックサイクルにおいて、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して、DRAMにアドレス信号AD0が供給される(図6(a))。図2に示した可変遅延回路14は、入力バッファ10を介して受信したアドレス信号AD0を所定時間遅らせた遅延アドレス信号DAD0をノードND1に前遅延信号として出力する(図6(b))。図3に示した判定回路16の遅延段16a、16bは、遅延アドレス信号DAD0をそれぞれ所定時間遅らせた信号を、基準遅延信号および後遅延信号としてノードND2、ND3にそれぞれ出力する(図6(c))。
【0044】
このとき、遅延アドレス信号DAD0の内部クロック信号ICLKに対する遅延量が大きいため、ラッチ回路16c、16dは、正しいアドレス信号AD0をラッチできるが、ラッチ回路16eは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする。すなわち、ノードND6は、低レベルに保持される(図6(d))。
排他的論理和回路16fは、ノードND4、ND5のレベルの一致を検出し、ノードND7に低レベルを出力する。排他的論理和回路16gは、ノードND5、ND6のレベルの不一致を検出し、ノードND8に高レベルを出力する(図6(e))。
【0045】
比較回路16hは、ノードND7の低レベルおよびノードND8の高レベルを受けて、ノードND9に低レベルを出力し、ノードND10に高レベルを出力する(図6(f))。
ラッチ回路16iは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND9の低レベルをラッチし、ノードND11に出力する。ラッチ回路16jは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND10の高レベルをラッチし、ノードND12に出力する(図6(g))。
【0046】
ラッチ回路16kは、内部クロック信号ICLKが高レベルの期間、ノードND5の高レベルをラッチアドレス信号LAD0として出力する。ラッチ回路16kは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND5の高レベルをラッチする(図6(h))。
ラッチアドレス信号LAD0は、ノードND1、ND2、ND3に順次伝達される前遅延信号、基準遅延信号および後遅延信号のうち、中央の基準遅延信号により生成される。このため、アドレス信号AD0の位相がクロック信号ICLKの位相に対して遅い場合にも、確実にラッチできる。
【0047】
NORゲート16mは、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、ノードND11の低レベルを反転して高レベルの減少信号SDDZを出力する(図6(i))。
図4に示した遅延調整回路18の生成部18aは、高レベルの減少信号SDDZに応答して調整信号ADJBを出力する(図6(j))。図5に示した遅延調整回路18の出力部18bは、調整信号ADJBに応答して遅延調整信号Q3を低レベルに変化する(図6(k))。
【0048】
遅延調整信号Q3の低レベルへの変化により、図2に示した可変遅延回路14の遅延時間は、第2遅延段15bの遅延時間だけ短くなる。すなわち、遅延アドレス信号DAD0は、第2遅延段15bの遅延時間だけ早く出力される(図6(m))。
これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、ノードND3に伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16eにより正しくラッチされる。すなわち、DRAM内部で発生したクロック信号CLKとアドレス信号AD0とのずれは補正される。
【0049】
なお、図6では、クロック信号CLKとアドレス信号AD0の位相が、DRAM内部でずれる例について示したが、クロック信号CLKとアドレス信号AD0の位相が、DRAMに供給される時点でずれている場合にも、判定回路16は、上述と同様に動作する。このため、クロック信号CLKとアドレス信号AD0のずれを補正できる。
2番目のクロックサイクルにおいて、ラッチ回路16c、16d、16eは、正しいアドレス信号AD0をラッチする。このため、ノードND1(前遅延信号)、ノードND2(基準遅延信号)およびノードND3(後基準信号)は、全て高レベルに変化する。ノードND1、ND2およびノードND2、ND3のレベルがともに一致するため、ノードND7、ND8は、低レベルに保持される(図6(n))。
【0050】
したがって、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZは、高レベルに変化せず(図6(o))、可変遅延回路14の遅延時間は変化しない。
図7は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れ量より、アドレス信号AD0の遅れ量が小さい場合の動作を示している。すなわち、この例では、温度上昇等の影響により、クロック信号CLKと内部クロック信号ICLKとの位相差t1より、アドレス信号AD0と遅延アドレス信号DAD0との位相差t2は小さくなっている。図6と同じ動作については、詳細な説明は省略する。
【0051】
この例では、内部クロック信号ICLKの遅延アドレス信号DAD0に対する遅延量が大きい。このため、ラッチ回路16cは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチし、ノードND4に出力する(図7(a))。
排他的論理和回路16fは、ノードND4、ND5のレベルの不一致を検出し、ノードND7に高レベルを出力する。排他的論理和回路16gは、ノードND5、ND6のレベルの一致を検出し、ノードND8に低レベルを出力する(図7(b))。
【0052】
比較回路16hは、ノードND7の高レベルおよびノードND8の低レベルを受けて、ノードND9に高レベルを出力し、ノードND10に低レベルを出力する(図7(c))。
ラッチ回路16iは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND9の高レベルをラッチし、ノードND11に出力する。ラッチ回路16jは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND10の低レベルをラッチし、ノードND12に出力する(図7(d))。
【0053】
ラッチ回路16kは、内部クロック信号ICLKの高レベル期間、ノードND5の高レベルをラッチアドレス信号LAD0として出力する。ラッチ回路16kは、内部クロック信号ICLKの立ち下がりエッジに同期して、ノードND5の高レベルをラッチする(図7(e))。
ラッチアドレス信号LAD0は、ノードND1、ND2、ND3に順次伝達される前遅延信号、基準遅延信号および後遅延信号のうち、中央の基準遅延信号により生成される。このため、アドレス信号AD0の位相がクロック信号ICLKの位相に対して早い場合にも、確実にラッチできる。
【0054】
NORゲート16n、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、ノードND12の低レベルを反転して高レベルの増加信号SDIZを出力する(図7(f))。
図4に示した遅延調整回路18の生成部18aは、高レベルの増加信号SDIZに応答して調整信号ADJCを出力する(図7(g))。図5に示した遅延調整回路18の出力部18bは、調整信号ADJCに応答して遅延調整信号Q4を高レベルに変化する(図7(h))。
【0055】
遅延調整信号Q4の高レベルへの変化により、図2に示した可変遅延回路14の遅延時間は、第2遅延段15bの遅延時間だけ長くなる。すなわち、遅延アドレス信号DAD0は、第2遅延段15bの遅延時間だけ遅く出力される(図7(i))。
これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、ノード ND1に伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16cにより正しくラッチされる。すなわち、DRAM内部で発生したクロック信号CLKとアドレス信号AD0とのずれは補正される。
【0056】
なお、図7においても、クロック信号CLKとアドレス信号AD0の位相が、DRAMに供給される時点でずれている場合にも、判定回路16は、上述と同様に動作する。このため、クロック信号CLKとアドレス信号AD0のずれを補正できる。
2番目のクロックサイクルにおいて、ラッチ回路16c、16d、16eは、正しいアドレス信号AD0をラッチする。このため、図6と同様に、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZは、高レベルに変化せず(図7(j))、可変遅延回路14の遅延時間は変化しない。
【0057】
図8は、アドレス信号AD0のクロック信号CLKに対するセットアップ時間およびホールド時間の規格が短い場合の動作を示している。アドレス信号AD0の確定期間が短いため、ノードND1、ND2、ND3におけるアドレス信号AD0(高レベル)の確定期間は、互いに重複しない(図8(a))。
排他的論理和回路16fは、ノードND4、ND5のレベルの不一致に応じて、ノードND7に高レベルを出力する。排他的論理和回路16gは、ノードND5、ND6のレベルの不一致に応じて、ノードND8に高レベルを出力する(図8(b))。
【0058】
判定回路16の比較回路16hは、ノードND7、ND8の高レベルを受けて、ノードND9、ND10に高レベルを出力する(図8(c))。すなわち、排他的論理和回路16f、16gが、ともにアドレス信号AD0の不一致を検出したとき、比較回路16hは、この不一致情報をマスクし、内部クロック信号ICLKによりラッチするノードND1、ND2、ND3のレベルが全て一致している場合と同じ動作をする。
【0059】
この結果、ノードND11、ND12には高レベルが出力され、減少信号SDDZおよび増加信号SDIZのいずれも出力されない(図8(d))。この結果、可変遅延回路14の遅延時間は変更されず、2番目のクロックサイクルにおいても、内部クロック信号ICLKと遅延アドレス信号DAD0の位相差は、変化しない(図8(e))。
【0060】
以上、本実施形態では、各受信回路12の判定回路16により、アドレス信号AD0-ADn、データ信号DQ0-DQn等の入力信号のクロック信号CLKに対するずれを検出し、これ等入力信号の位相を調整した。このため、温度変化、電圧変化等により入力信号とクロック信号CLKのタイミングがずれた場合にも、受信回路12は、入力信号をクロック信号CLKに同期して確実に受信できる。
【0061】
入力信号の受信タイミングを受信回路12内で自動で調整できるため、クロック信号CLKに対する入力信号の確定期間(セットアップ時間およびホールド時間)を最小限にできる。この結果、クロック信号CLKの周波数の上限が、確定時間に制約されることを防止でき、入力信号の伝送レートを向上できる。
また、入力信号は、クロック信号CLKほど頻繁にレベルが変化しない。このため、入力信号を受ける可変遅延回路14の内部動作の頻度は、クロック信号CLKを受ける他の可変遅延回路の動作頻度より低くなる。この結果、可変遅延回路14の消費電力を小さくできる。
【0062】
判定回路16に、アドレス信号AD0(入力信号)を順次遅らせる遅延段16a、16bと、遅延したアドレス信号AD0(前遅延信号、基準遅延信号、後遅延信号)をクロック信号CLKに同期してラッチするラッチ回路16c、16d、16eと、ラッチ回路16c、16d、16eの出力レベルを比較する排他的論理和回路16f、16gとを形成した。クロック信号CLKに同期して、タイミングの異なる3つの遅延信号、基準遅延信号、後遅延信号を比較することで、入力信号のタイミングのずれを容易に検出し、正しいタイミングに戻すことができる。
【0063】
判定回路16に、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベル、および基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZの出力を禁止する比較回路16h(禁止回路)を形成した。このため、図8に示したように、アドレス信号AD0(入力信号)のクロック信号CLKに対する確定期間(タイミング仕様)が短い場合にも、入力信号のタイミングが誤って調整されることを防止できる。
【0064】
図9は、本発明の半導体集積回路の第2の実施形態の要部を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、第1の実施形態の判定回路16の代わりに判定回路20が形成されている。その他の構成は、第1の実施形態(図1)と同じである。すなわち、DRAMは、入力バッファ10と、可変遅延回路14、遅延調整回路18および判定回路20を有する受信回路を有している。図9は、アドレス信号AD0の受信回路の判定回路20を示しているが、他のアドレス信号AD1-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnを受信する受信回路の判定回路20も同じ回路である。
【0065】
判定回路20は、第1の実施形態の判定回路16に、遅延段16o、16p、ラッチ回路16q、16r、排他的論理和回路16s、16tおよび比較回路16uを付加して形成されている。
遅延段16o、16a、16b、16pは、ノードND1、ND2、ND3を介して縦続接続されている。遅延段16o、16a、16b、16pの遅延時間は、同じ値に設定されている。遅延段16oの入力ノードND1Aに伝達される遅延アドレス信号DAD0は、前遅延信号としてラッチ回路16qに出力される。そして、遅延段16o、16a、16b、16pにより、遅延アドレス信号DAD0を所定時間遅延させた基準遅延信号(ノードND2)、基準遅延信号より位相の早い複数の前遅延信号(ノードND1A、ND1)、および基準遅延信号より位相の遅い複数の後遅延信号(ノードND3、ND3A)を生成する遅延回路が形成されている。
【0066】
ラッチ回路16q、16r、ラッチ回路16cと同じ回路である。ラッチ回路16qは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してノードND1Aのレベルをラッチし、ノードND4Aに出力する。ラッチ回路16rは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してノードND3Aのレベルをラッチし、ノードND6Aに出力する。
【0067】
排他的論理和回路16s、16tは、排他的論理和回路16fと同じ回路である。排他的論理和回路16sは、ノードND4Aの論理レベルと、ノードND5の論理レベルとが同じときノードND7Bに低レベルを出力し、両者が異なるときノードND7Bに高レベルを出力する。排他的論理和回路16tは、ノードND6Aの論理レベルと、ノードND5の論理レベルとが同じときノードND8Bに低レベルを出力し、両者が異なるときノードND8Bに高レベルを出力する。排他的論理和回路16f、16gは、演算結果をノードND7A、ND8Aにそれぞれ出力する。
【0068】
ラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rおよび排他的論理和回路16s、16f、16g、16tは、内部クロック信号ICLKに同期して、ノードND2の基準遅延信号と各ノードND1A、ND1の前遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するとともに、ノードND2の基準遅延信号と各ノードND3、ND3Aの後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路として動作する。
【0069】
比較回路16hは、ノードND7B、ND8Bのレベルが同じとき、ノードND9B、ND10Bに高レベルを出力し、ノードND7B、ND8Bのレベルが互いに相違するとき、ノードND7B、ND8BのレベルをノードND9B、ND10Bにそれぞれ伝達する。
比較回路16uは、ノードND7A、ND8Aが高レベルのとき、ノードND9A、ND10Aに高レベルを出力し、ノードND7A、ND8Aのレベルが互いに相違するとき、ノードND7A、ND8AのレベルをノードND9A、ND10Aに伝達する。また、比較回路16uは、ノードND7A、ND8Aが低レベルのとき、比較回路16hの出力ノードND9B、ND10BのレベルをノードND9A、ND10Aに伝達する。
【0070】
比較回路16h、16u、ラッチ回路16i、16j、16kおよびNORゲート16m、16nは、ノードND2の基準遅延信号とノードND1Aの前遅延信号の論理レベルが不一致のとき、またはノードND2の基準遅延信号とノードND1の前遅延信号の論理レベルが不一致のときに増加信号SDIZを出力し、ノードND2の基準遅延信号とノードND3の後遅延信号の論理レベルが不一致のとき、またはノードND2の基準遅延信号とノードND3Aの後遅延信号の論理レベルが不一致のときに減少信号SDDZを出力する遅延時間制御回路として動作する。また、比較回路16h、16uは、基準遅延信号と前遅延信号の論理レベルおよび基準遅延信号と後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZの出力を禁止する禁止回路としても動作する。
【0071】
次に、第2の実施形態における受信回路の動作を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、アドレス信号AD0の受信動作についてのみ説明する。他のアドレス信号AD1-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnの受信動作も同様に行われる。
図10は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが大きい場合の動作を示している。第1の実施形態と同じ動作については、詳細な説明を省略する。
【0072】
図9に示した遅延段16o、16a、16b、16pは、遅延アドレス信号DAD0を順次遅延させた信号をノードND1、ND2、ND3、ND3Aに出力する。遅延アドレス信号DAD0は、前遅延信号としてノードND1Aに出力される(図10(a))。
ラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期して、ノードND1A、ND1、ND2、ND3、ND3Aのレベルをラッチする。このとき、遅延アドレス信号DAD0の内部クロック信号ICLKに対する遅延量が大きいため、ラッチ回路16e、16rは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図10(b))。
【0073】
排他的論理和回路16g、16tは、ノードND5、ND6のレベルおよびノードND5、ND6Aのレベルの不一致をそれぞれ検出し、ノードND8A、ND8Bに高レベルを出力する(図10(c))。
比較回路16uは、ノードND7Aの低レベルおよびノードND8Aの高レベルを受けて、ノードND9Aに低レベルを出力し、ノードND10Aに高レベルを出力する(図10(d))。このため、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、高レベルの減少信号SDDZが出力される(図10(e))。
【0074】
減少信号SDDZの出力により、可変遅延回路14(図1)の遅延時間が短くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は早められる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、ノードND3に伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16eにより正しくラッチされる(図10(f))。
しかし、この時点で、ラッチ回路16rは、ノードND3Aに伝達される遅延アドレス信号DAD0を正しくラッチできない(図10(g))。このため、排他的論理和回路16tは、ノードND5、ND6Aのレベルの不一致を検出し、ノードND8Bに高レベルを出力する(図10(h))。
【0075】
比較回路16hは、ノードND7Bの低レベルおよびノードND8Bの高レベルを受けて、ノードND9Bに低レベルを出力し、ノードND10Bに高レベルを出力する(図10(i))。
比較回路16uは、ノードND7A、ND8Aの低レベルを受けて、ノードND9Bの低レベルおよびノードND10Bの高レベルをノードND9A、ND10Aにそれぞれ伝達する(図10(j))。
【0076】
このため、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、高レベルの減少信号SDDZが再び出力される(図10(k))。減少信号SDDZの出力により、可変遅延回路14(図1)の遅延時間がさらに短くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は早められる。これにより、3番目のクロックサイクル(図示せず)において、ノードND3Aに伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16rにより正しくラッチされる。すなわち、DRAM内部で発生したクロック信号CLKとアドレス信号AD0とのずれは補正される。
【0077】
図11は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れ量より、アドレス信号AD0の遅れ量が小さい場合の動作を示している。第1の実施形態および図10と同じ動作については、詳細な説明を省略する。
図9に示したラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rは、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期して、ノードND1A、ND1、ND2、ND3、ND3Aのレベルをラッチする。このとき、遅延アドレス信号DAD0の内部クロック信号ICLKに対する遅延量が小さいため、ラッチ回路16q、16cは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図11(a))。
【0078】
排他的論理和回路16s、16fは、ノードND5、ND4AのレベルおよびノードND5、ND4のレベルの不一致をそれぞれ検出し、ノードND7B、ND7Aに高レベルを出力する(図11(b))。
比較回路16uは、ノードND7Aの高レベルおよびノードND8Aの低レベルを受けて、ノードND9Aに高レベルを出力し、ノードND10Aに低レベルを出力する(図11(c))。このため、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、高レベルの増加信号SDIZが出力される(図11(d))。
【0079】
増加信号SDIZの出力により、可変遅延回路14(図1)の遅延時間が長くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は遅められる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、ノードND1に伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16cにより正しくラッチされる(図11(e))。
しかし、この時点で、ラッチ回路16qは、ノードND1Aに伝達される遅延アドレス信号DAD0を正しくラッチできない(図11(f))。このため、排他的論理和回路16sは、ノードND5、ND4Aのレベルの不一致を検出し、ノードND7Bに高レベルを出力する(図11(g))。
【0080】
比較回路16hは、ノードND7Bの高レベルおよびノードND8Bの低レベルを受けて、ノードND9Bに高レベルを出力し、ノードND10Bに低レベルを出力する(図11(h))。
比較回路16uは、ノードND7A、ND8Aの低レベルを受けて、ノードND9Bの高レベルおよびノードND10Bの低レベルをノードND9A、ND10Aにそれぞれ伝達する(図11(i))。
【0081】
このため、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、高レベルの増加信号SDIZが再び出力される(図11(j))。増加信号SDIZの出力により、可変遅延回路14(図1)の遅延時間がさらに長くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は遅められる。これにより、3番目のクロックサイクル(図示せず)において、ノードND1Aに伝達される遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16qにより正しくラッチされる。すなわち、DRAM内部で発生したクロック信号CLKとアドレス信号AD0とのずれは補正される。
【0082】
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、判定回路20に、アドレス信号AD0(入力信号)を順次遅らせる遅延段16o、16a、16b、16pと、遅延したアドレス信号AD0(2つの前遅延信号、基準遅延信号、2つの後遅延信号)をクロック信号CLKに同期してラッチするラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rと、ラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rの出力レベルを比較する排他的論理和回路16s、16f、16g、16tとを形成した。クロック信号CLKに同期して、タイミングの異なる5つの遅延信号、基準遅延信号、後遅延信号を比較することで、入力信号のタイミングのずれが小さい場合にも容易に検出できる。あるいは、入力信号のタイミングのずれを検出できる範囲を大きくできる。
【0083】
図12は、本発明の半導体集積回路の第3の実施形態の要部を示している。第1および第2の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、第2の実施形態の判定回路20の代わりに判定回路22が形成されている。その他の構成は、第1および第2の実施形態と同じである。すなわち、DRAMは、入力バッファ10と、可変遅延回路14、遅延調整回路18および判定回路22を有する受信回路を有している。図12は、アドレス信号AD0の受信回路の判定回路22を示しているが、他のアドレス信号AD1-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnを受信する受信回路の判定回路22も同じ回路である。
【0084】
判定回路22は、第2の実施形態の判定回路20(図9)の比較回路16h、16uの代わりに比較回路16v、16wを有している。比較回路16v、16wは、比較回路16h、16uと同じ動作をする。判定回路22のその他の構成は、判定回路20と同じである。
比較回路16vは、ノードND7B、ND8Bのレベルを受けるNORゲート17aと、NORゲート17aの出力により制御され、電源線VDD(高レベル)またはノードND7BをノードND9Bに接続するスイッチ回路17bと、NORゲート17aの出力により制御され、電源線VDD(高レベル)またはノードND8BをノードND10Bに接続するスイッチ回路17cとを有している。スイッチ回路17b、17cは、2つのCMOS伝達ゲートを直列に接続して構成されている。
【0085】
比較回路16wは、比較回路16vと同じ回路である。比較回路16wのスイッチ回路17bは、NORゲート17aの出力により制御され、ノードND9BまたはノードND7AをノードND9Aに接続する。比較回路16wのスイッチ回路17cは、NORゲート17aの出力により制御され、ノードND10BまたはノードND8AをノードND10Aに接続する。
【0086】
この実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、比較回路16v、16wをCMOS伝達ゲートからなるスイッチ回路17a、17bで構成したので、回路を構成する素子数を第2の実施形態の比較回路16h、16uより減らすことができる。このため、比較回路16v、16wのレイアウトサイズを小さくできる。
【0087】
図13は、本発明の半導体集積回路の第4の実施形態の要部を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、第1の実施形態の受信回路12の代わりに受信回路24(第1受信回路)が形成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、DRAMは、入力バッファ10と、アドレス信号AD0-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnを受信する受信回路24とを有している。
【0088】
受信回路24は、第1の実施形態の受信回路12に、カウンタ26およびゲート回路28を付加して構成されている。カウンタ26は、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してカウント動作し、例えば8クロックサイクル毎に1クロックサイクル期間だけ高レベルのイネーブル信号ENを出力する。
ゲート回路28は、CMOS伝達ゲート等からなるスイッチとラッチとを有している。ゲート回路28は、イネーブル信号ENの高レベルの期間だけスイッチをオンし、遅延調整回路18からの遅延調整信号Q0-Q7をラッチに伝達する。ラッチに保持された遅延調整信号Q0-Q7は、可変遅延回路14に出力される。すなわち、この実地形態では、可変遅延回路14は、8クロックサイクルに1回遅延時間を調整する。すなわち、カウンタ26およびゲート回路28は、遅延調整信号Q0-Q7を8クロックサイクル毎に可変遅延回路14に出力するマスク回路として動作する。
【0089】
なお、カウンタ26のカウント値をDRAMの外部から設定可能にすることで、DRAMを搭載するシステムに応じた最適な頻度で、可変遅延回路14の調整間隔を設定できる。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、8クロックサイクル毎に可変遅延回路14の遅延時間を調整した。このため、クロック信号CLKのジッタ等の影響を受けることを防止できる。
【0090】
図14は、本発明の半導体集積回路の第5の実施形態の要部を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、本発明が適用されるDRAMは、8ビットのデータ信号DQ0-DQnを受信する8個のデータ端子を有している。そして、データ信号DQ0、DQ4に対応して受信回路12がそれぞれ形成され、データ信号DQ1-DQ3、DQ5-DQ7(第2入力信号に対応して受信回路30(第2受信回路)がそれぞれ形成されている。受信回路12は、第1の実施形態と同じ回路である。
【0091】
受信回路30は、可変遅延回路14と、ラッチ回路32(第2ラッチ回路)とを有している。データ信号DQ1-DQ3に対応する受信回路30の可変遅延回路14は、データ信号DQ0に対応する受信回路12の遅延調整回路18から出力される遅延調整信号Q0-Q7を受けている。データ信号DQ5-DQ7に対応する受信回路30の可変遅延回路14は、データ信号DQ4に対応する受信回路12の遅延調整回路18から出力される遅延調整信号Q0-Q7を受けている。
【0092】
ラッチ回路32は、可変遅延回路14から出力される遅延データ信号(例えばDDQ1)を、内部クロック信号ICLKの立ち上がりエッジに同期してラッチし、ラッチデータ信号(例えばLDQ1)として出力する。ラッチ回路32は、内部クロック信号ICLKの次の立ち上がりエッジまで、可変遅延回路14から出力される遅延データ信号をラッチデータ信号として出力する。
【0093】
図15は、図14に示したラッチ回路32の詳細を示している。図では、データ信号DQ1に対応するラッチ回路32について説明する。
ラッチ回路32は、遅延段32aおよびラッチ回路32b、32cを有している。遅延段32aは、遅延データ信号DDQ1を遅延させ、ラッチ回路32bに出力する。ラッチ回路32bは、内部クロック信号ICLKの低レベルの期間、遅延段32aの出力レベルをラッチ回路32cに伝達し、内部クロック信号ICLKが高レベルの期間、遅延段32aの出力レベルをラッチする。
【0094】
ラッチ回路32cは、内部クロック信号ICLKの高レベルの期間、ラッチ回路32bの出力レベルをラッチデータ信号LDQ1として出力し、内部クロック信号ICLKが低レベルの期間、ラッチ回路32bの出力レベルをラッチする。
図16は、第5の実施形態のDRAMのチップレイアウトの概要を示している。
本実施形態のDRAMは、データ信号DQ0-DQ3を記憶するメモリセルアレイALY1と、データ信号DQ4-DQ7を記憶するメモリセルアレイALY2を有している。データ信号DQ0-DQ3を受信する外部端子は、メモリセルアレイALY1に沿って形成されている。データ信号DQ4-DQ7を受信する外部端子は、メモリセルアレイALY2に沿って形成されている。クロック信号CLKを受ける外部端子は、データ信号DQ0-DQ7を受信する外部端子列の中央に形成されている。
【0095】
データ信号DQ0-DQ3を外部端子からメモリセルアレイALY1に伝達する配線経路は、互いに近接している。同様に、データ信号DQ4-DQ7を外部端子からメモリセルアレイALY2に伝達する配線経路は、互いに近接している。配線経路が近接するデータ信号の伝搬遅延時間は、ほぼ等しくなる。このため、配線経路が近接するデータ信号毎に判定回路16および遅延調整回路18を共有しても、可変遅延回路14の遅延時間は正しく調整される。判定回路16および遅延調整回路18を共有化することで、受信回路30のレイアウトサイズは小さくなる。
【0096】
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、配線経路が近接するデータ信号毎に、判定回路16を共有した。このため、受信回路30のレイアウトサイズを小さくでき、DRAMのチップサイズを小さくできる。
図17は、本発明の半導体集積回路の第6の実施形態の要部を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
【0097】
この実施形態では、DRAMは、外部端子を介して供給されるクロック信号CLK、アドレス信号AD0-ADn(第1入力信号)およびデータ信号DQ0-DQn(第1入力信号)を受信する入力バッファ10およびアドレス信号AD0-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnにそれぞれ対応する受信回路34(第1受信回路)を有している。
受信回路34は、可変遅延回路14、判定回路16および遅延調整回路18を有している。受信回路34は、全て同じ回路であるため、以下では、アドレス信号AD0に対応する受信回路34について説明する。
【0098】
受信回路34の可変遅延回路14は、遅延調整信号Q0-Q7に応じて内部クロック信号ICLKの位相を調整し、遅延クロック信号DCLKとして出力する。
判定回路16は、遅延クロック信号DCLKの位相と内部アドレス信号IAD0の位相とを比較し、可変遅延回路14の遅延時間を減少させるか増加させるかを判定し、判定結果に応じて減少信号SDDZまたは増加信号SDIZを出力する。また、判定回路16は、内部アドレス信号IAD0を遅延クロック信号DCLKに同期してラッチし、ラッチアドレス信号LAD0として内部回路に出力する。
【0099】
遅延調整回路18は、減少信号SDDZまたは増加信号SDIZに応じて遅延調整信号Q0-Q7の論理レベルを変更する。
図18は、図17に示したアドレス信号AD0に対応する判定回路16の詳細を示している。
判定回路16は、第1の実施形態と同一の回路であり、入力する信号および出力する信号が第1の実施形態と相違している。すなわち、本実施形態の判定回路16のノードND1には、内部アドレス信号IAD0が供給される。また、判定回路16には、遅延クロック信号DCLKが入力される。NORゲート16m、16nは、第1の実施形態と反対に、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZをそれぞれ出力する。
【0100】
図19は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが大きい場合の受信回路34の動作を示している。この実施形態では、増加信号SDIZが出力されたとき、図17に示した可変遅延回路14の遅延時間が長くなり、遅延クロック信号DCLKの位相が遅らされる。すなわち、アドレス信号ADの遅れが大きい場合、減少信号SDDZではなく増加信号SDIZが出力され、遅延クロック信号DCLKの位相が調整される。その他の動作は、第1の実施形態と同じである。
【0101】
なお、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号ADの遅れが小さい場合、第1の実施形態(図7)とは逆に減少信号SDDZが出力され、遅延クロック信号DCLKの位相が早められる。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
図20は、本発明の半導体集積回路の第7の実施形態を示している。第1、第5、第6の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、本発明が適用されるDRAMは、第5の実施形態(図16)と同じチップレイアウトを有しており、8ビットのデータ信号DQ0-DQnを受信する8個のデータ端子を有している。そして、データ信号DQ0、DQ4(第1入力信号)に対応して受信回路34(第1受信回路)がそれぞれ形成され、データ信号DQ1-DQ3、DQ5-DQ7(第2入力信号)に対応して受信回路36(第2受信回路)がそれぞれ形成されている。受信回路34は、第6の実施形態と同じ回路である。
【0103】
受信回路36は、第5の実施形態と同じラッチ回路32(第2ラッチ回路)を有している。データ信号DQ1-DQ3に対応する受信回路36のラッチ回路32は、データ信号DQ0に対応する受信回路34の可変遅延回路14から出力される遅延クロック信号DCLKを受けている。データ信号DQ5-DQ7に対応する受信回路36のラッチ回路32は、データ信号DQ4に対応する受信回路34の可変遅延回路14から出力される遅延クロック信号DCLKを受けている。
【0104】
この実施形態では、第5の実施形態と同様に、データ信号DQ0-DQ3を外部端子からメモリセルアレイに伝達する配線経路は、互いに近接しデータ信号DQ4-DQ7を外部端子からメモリセルアレイに伝達する配線経路は、互いに近接している。配線経路が近接するデータ信号毎に可変遅延回路14、判定回路16および遅延調整回路18を共有することで、受信回路36のレイアウトサイズは、第5の実施形態の受信回路30よりさらに小さくなる。
【0105】
この実施形態においても、上述した第1、第5、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図21は、本発明の半導体集積回路の第8の実施形態の要部を示している。第1、第2、第6の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
【0106】
この実施形態では、第6の実施形態の判定回路16の代わりに判定回路20が形成されている。その他の構成は、第6の実施形態(図17)と同じである。図21は、アドレス信号AD0の受信回路の判定回路20を示しているが、他のアドレス信号AD1-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnを受信する受信回路の判定回路20も同じ回路である。
【0107】
判定回路20は、第2の実施形態と同一の回路であり、入力する信号および出力する信号が第2の実施形態と相違している。すなわち、本実施形態の判定回路20のノードND1Aには、内部アドレス信号IAD0が供給される。また、判定回路20には、遅延クロック信号DCLKが入力される。NORゲート16m、16nは、第1の実施形態と反対に、増加信号SDIZおよび減少信号SDDZをそれぞれ出力する。
【0108】
この実施形態においても、上述した第1、第2、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図22は、本発明の半導体集積回路の第9の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
【0109】
この実施形態では、第1の実施形態の受信回路12の代わりに受信回路38が形成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、DRAMは、入力バッファ10と、アドレス信号AD0-ADnおよびデータ信号DQ0-DQnを受信する受信回路38とを有している。以下では、アドレス信号AD0に対応する受信回路38について説明する。
【0110】
受信回路38は、縦続接続された2つの可変遅延回路14(第1および第2可変遅延回路)と、判定回路40と、可変遅延回路14にそれぞれ対応する2つの遅延調整回路18(第1および第2遅延調整回路)とを有している。
内部アドレス信号IAD0は、2つの可変遅延回路14により遅延時間を調整され、遅延アドレス信号DAD0として判定回路40に供給される。判定回路40は、内部クロック信号ICLKおよび遅延アドレス信号DAD0の位相差に応じて、第1増加信号SDI1Zおよび第2増加信号SDI2Zの少なくともいずれか、または第1減少信号SDD1Zおよび第2減少信号SDD2Zの少なくともいずれかを出力する。
【0111】
内部アドレス信号IAD0を受ける可変遅延回路14に対応する遅延調整回路18(第1遅延調整回路)は、第1増加信号SDI1Zまたは第1減少信号SDD1Zに応じて、第1遅延調整信号Q10-Q17レベルを変更する。遅延アドレス信号DAD0を出力する可変遅延回路14に対応する遅延調整回路18(第2遅延調整回路)は、第2増加信号SDI2Zまたは第2減少信号SDD2Zに応じて、第2遅延調整信号Q20-Q27レベルを変更する。2つの可変遅延回路14の遅延時間は、第1遅延調整信号Q10-Q17および第2遅延調整信号Q20-Q27のレベルに応じてそれぞれ変更される。
【0112】
図23は、図22に示した判定回路40の詳細を示している。
判定回路40は、第2の実施形態と同じ遅延段16o、16a、16b、16p、ラッチ回路16q、16c、16d、16e、16r、排他的論理和回路16s、16f、16g、16tおよびラッチ回路16kを有している。また、判定回路40は、排他的論理和回路16s、16tの出力を受ける比較回路161hと、排他的論理和回路16f、16gの出力を受ける比較回路162hと、ラッチ回路161i、162i、163i、164iおよびNORゲート161m、162m、163m、164mを有している。
【0113】
ラッチ回路161iは、比較回路161hの出力ノードND9AのレベルをNORゲート161mに伝達する。ラッチ回路162iは、比較回路161hの出力ノードND10AのレベルをNORゲート162mに伝達する。ラッチ回路163iは、比較回路162hの出力ノードND9CのレベルをNORゲート163mに伝達する。ラッチ回路164iは、比較回路162hの出力ノードND10CのレベルをNORゲート164mに伝達する。
【0114】
NORゲート161m、162m、163m、164mは、内部クロック信号ICLKの低レベル期間に、それぞれノードND9A、ND10A、ND9C、ND10Cのレベルに応じて、減少信号SDD1Z、SDD2Z、増加信号SDI1Z、SDI2Zを出力する。
図24は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが大きい場合の動作を示している。第2の実施形態と同じ動作は、詳細な説明を省略する。
【0115】
この例では、図23に示したラッチ回路16e、16rは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図24(a))。排他的論理和回路16g、16tは、それぞれノードND8A、ND8Bに高レベルを出力する(図24(b))。
比較回路161hは、ノードND7Bの低レベルおよびノードND8Bの高レベルを受けて、ノードND9Aに低レベルを出力し、ノードND10Aに高レベルを出力する(図24(c))。比較回路162hは、ノードND7Aの低レベルおよびノードND8Aの高レベルを受けて、ノードND9Cに低レベルを出力し、ノードND10Cに高レベルを出力する(図24(d))。このため、高レベルの減少信号SDD1Z、SDD2Zが出力される(図24(e))。
【0116】
減少信号SDD1Z、SDD2Zの出力により、2つの可変遅延回路14の遅延時間がともに短くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は早められる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16e、16rにより正しくラッチされる(図24(f))。したがって、2番目のクロックサイクルでは、減少信号SDD1Z、SDD2Zは出力されない。すなわち、第2の実施形態(図10)で2クロックサイクル必要だったラッチタイミングの調整を1クロックサイクルでできる。
【0117】
図25は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが大きい場合の別の動作を示している。第2の実施形態と同じ動作は、詳細な説明を省略する。
この例では、図23に示したラッチ回路16rのみが、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図25(a))。排他的論理和回路16tは、ノードND8Bに高レベルを出力する(図25(b))。
【0118】
比較回路161hは、ノードND7Bの低レベルおよびノードND8Bの高レベルを受けて、ノードND9Aに低レベルを出力し、ノードND10Aに高レベルを出力する(図25(c))。このため、高レベルの減少信号SDD1Zが出力される(図25(d))。
減少信号SDD1Zの出力により、可変遅延回路14の遅延時間が短くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は早められる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16rにより正しくラッチされる(図25(e))。
【0119】
図26は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが小さい場合の動作を示している。第2の実施形態と同じ動作は、詳細な説明を省略する。
この例では、図23に示したラッチ回路16q、16cは、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図26(a))。排他的論理和回路16s、16fは、それぞれノードND7B、ND7Aに高レベルを出力する(図26(b))。
【0120】
比較回路161hは、ノードND7Bの高レベルおよびノードND8Bの低レベルを受けて、ノードND9Aに高レベルを出力し、ノードND10Aに低レベルを出力する(図26(c))。比較回路162hは、ノードND7Aの高レベルおよびノードND8Aの低レベルを受けて、ノードND9Cに高レベルを出力し、ノードND10Cに低レベルを出力する(図26(d))。このため、高レベルの増加信号SDI1Z、SDI2Zが出力される(図26(e))。
【0121】
増加信号SDI1Z、SDI2Zの出力により、2つの可変遅延回路14の遅延時間がともに長くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は遅らさせる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16q、16cにより正しくラッチされる(図26(f))。したがって、2番目のクロックサイクルでは、増加信号SDI1Z、SDI2Zは出力されない。すなわち、第2の実施形態(図11)で2クロックサイクル必要だったラッチタイミングの調整を1クロックサイクルでできる。
【0122】
図27は、DRAM内部において、クロック信号CLKの遅れより、アドレス信号AD0の遅れが小さい場合の別の動作を示している。第2の実施形態と同じ動作は、詳細な説明を省略する。
この例では、図23に示したラッチ回路16qのみが、誤ったアドレス信号AD0(低レベル)をラッチする(図27(a))。排他的論理和回路16sは、ノードND7Bに高レベルを出力する(図27(b))。
【0123】
比較回路161hは、ノードND7Bの高レベルおよびノードND8Bの低レベルを受けて、ノードND9Aに高レベルを出力し、ノードND10Aに低レベルを出力する(図27(c))。このため、高レベルの増加信号SDI1Zが出力される(図27(d))。
増加信号SDI1Zの出力により、可変遅延回路14の遅延時間が長くされ、遅延アドレス信号DAD0のクロック信号に対する位相は遅らさせる。これにより、2番目のクロックサイクルにおいて、遅延アドレス信号DAD0は、ラッチ回路16qにより正しくラッチされる(図27(f))。したがって、2番目のクロックサイクルでは、増加信号SDI1Zは出力されない。
【0124】
この実施形態においても、上述した第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、クロック信号CLKとアドレス信号AD0の位相ずれが大きいときに、判定回路40から2つの減少信号SDD1Z、SDD2Zまたは2つの増加信号SDI1Z、SDI2Zを出力し、2つの可変遅延回路14を同時に調整した。このため、クロック信号CLKとアドレス信号AD0の位相ずれを短い期間でなくすことができる。
【0125】
なお、上述した実施形態では、本発明をDRAMに適用した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をSRAM、不揮発性メモリ、あるいはマイクロコンピュータ等のロジックLSIに適用してもよい。第5および第7の実施形態は、複数ビットのデータ信号または複数ビットのアドレス信号を受信する受信回路を有する半導体集積回路に適用すると、顕著な効果を得ることができる。
【0126】
上述した第2、第3、第8の実施形態では、縦続接続された4個の遅延段16o、16a、16b、16pを判定回路に形成し、入力信号を順次遅延させ、5つのラッチ回路16q、16c、16d、16e、16rで遅延させた入力信号をラッチした例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、遅延段の数およびラッチ回路の数をさらに増やすことで、可変遅延回路14の遅延時間を細かく調整できる。この際、例えば、第2の実施形態(図9)において、判定回路20の比較回路16uは、ラッチ回路の数に応じて積み重ねられる。
【0127】
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1) 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路を備え、
前記第1受信回路は、
前記第1入力信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、第1遅延信号として出力する可変遅延回路と、
前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0128】
(付記2) 付記1記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、
前記第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号を生成する遅延回路と、
前記クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路と、
前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0129】
(付記3) 付記2記載の半導体集積回路において、
前記遅延回路は、前記第1遅延信号を受けて前記基準遅延信号および前記後遅延信号を順次生成する縦続接続された遅延段を有し、前記遅延段のうち初段で受ける前記第1遅延信号を前記前遅延信号として出力し、
前記遅延段の遅延時間は、同じ値に設定されていることを特徴とする半導体集積回路。
【0130】
(付記4) 付記2記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、前記クロック信号に同期して前記基準遅延信号をラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第1ラッチ回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
(付記5) 付記2記載の半導体集積回路において、
前記遅延時間制御回路は、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベル、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、前記増加信号および前記減少信号の出力を禁止する禁止回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0131】
(付記6) 付記1記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、
前記第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い複数の前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い複数の後遅延信号を生成する遅延回路と、
前記クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するとともに、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するレベル検出回路と、
前記基準遅延信号の論理レベルと前記前遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号の論理レベルと前記後遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0132】
(付記7) 付記1記載の半導体集積回路において、
前記第1受信回路は、前記遅延調整回路が生成する前記遅延調整信号を、複数クロックサイクル毎に前記可変遅延回路に出力するマスク回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
(付記8) 付記1記載の半導体集積回路において、
第2入力信号を前記クロック信号に同期して受信する第2受信回路を備え、
前記第2受信回路は、
前記第2入力信号を前記第1受信回路の前記遅延調整回路が生成する前記遅延調整信号に応じて遅延させ、第2遅延入力信号として出力する可変遅延回路と、
前記第2遅延入力信号を、前記クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第2ラッチ回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0133】
(付記9) 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路を備え、
前記第1受信回路は、
前記クロック信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、遅延クロック信号として出力する可変遅延回路と、
前記遅延クロック信号と前記第1入力信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0134】
(付記10) 付記9記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、
前記第1入力信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号を生成する遅延回路と、
前記遅延クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路と、
前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0135】
(付記11) 付記10記載の半導体集積回路において、
前記遅延回路は、前記第1入力信号を受けて前記基準遅延信号および前記後遅延信号を順次生成する縦続接続された遅延段を有し、前記遅延段のうち初段で受ける前記第1入力信号を前記前遅延信号として出力し、
前記遅延段の遅延時間は、同じ値に設定されていることを特徴とする半導体集積回路。
【0136】
(付記12) 付記10記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、前記遅延クロック信号に同期して前記基準遅延信号をラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第1ラッチ回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
(付記13) 付記10記載の半導体集積回路において、
前記遅延時間制御回路は、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベル、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、前記増加信号および前記減少信号の出力を禁止する禁止回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0137】
(付記14) 付記9記載の半導体集積回路において、
前記判定回路は、
前記第1入力信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い複数の前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い複数の後遅延信号を生成する遅延回路と、
前記遅延クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するとともに、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するレベル検出回路と、
前記基準遅延信号の論理レベルと前記前遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号の論理レベルと前記後遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0138】
(付記15) 付記9記載の半導体集積回路において、
第2入力信号を前記クロック信号に同期して受信する第2受信回路を備え、
前記第2受信回路は、
前記第2入力信号を前記第1受信回路の前記可変遅延回路が生成する前記遅延クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第2ラッチ回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0139】
(付記16) 入力信号をクロック信号に同期して受信する受信回路を備え、
前記受信回路は、
前記入力信号を第1遅延調整信号に応じて遅延させる第1可変遅延回路と、
前記第1可変遅延回路により遅延された前記入力信号を、第2遅延調整信号に応じて遅延させ第1遅延信号として出力する第2可変遅延回路と、
前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記第1可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第1増加信号または前記第1可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第1減少信号を出力するとともに、前記第2可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第2増加信号または前記第2可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第2減少信号を出力する判定回路と、
前記第1可変遅延回路を調整する前記第1遅延調整信号を、前記第1増加信号または前記第1減少信号に応じて生成する第1遅延調整回路と、
前記第2可変遅延回路を調整する前記第2遅延調整信号を、前記第2増加信号または前記第2減少信号に応じて生成する第2遅延調整回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【0140】
付記3および付記11の半導体集積回路では、遅延回路は、第1遅延信号(または第1入力信号)を受けて基準遅延信号および後遅延信号を順次生成する縦続接続された遅延段を有している。遅延回路は、遅延段のうち初段で受ける第1遅延信号(または第1入力信号)を前遅延信号として出力する。遅延段の遅延時間は、同じ値に設定されている。すなわち、基準遅延信号と前遅延信号との位相差、および基準遅延信号と後遅延信号との位相差は、同じになる。このため、判定回路おいて、前遅延信号に関係する回路を、後遅延信号に関係する回路と同じ構成にすることが可能になる。この結果、回路設計およびタイミング設計を容易にできる。
【0141】
付記4および付記12の半導体集積回路では、判定回路は、クロック信号(または遅延クロック信号)に同期して基準遅延信号をラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第1ラッチ回路を有している。第1入力信号のタイミングがずれた場合にも、前遅延信号または後遅延信号のレベルと基準遅延信号のレベルの不一致が検出された時点で、第1入力信号のタイミングのずれは補正される。したがって、基準遅延信号の論理レベルが、誤ることはない。このため、第1受信回路は、第1入力信号を確実に受信できる。
【0142】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【0143】
【発明の効果】
本発明の半導体集積回路では、温度変化、電圧変化等により第1入力信号とクロック信号のタイミングがずれた場合にも、第1受信回路は、第1入力信号をクロック信号に同期して確実に受信できる。クロック信号の周波数が、確定時間に制約されることを防止でき、第1入力信号の伝送レートを向上できる。可変遅延回路の消費電力を小さくできる。
本発明の半導体集積回路では、第1入力信号のタイミングのずれを容易に検出し、正しいタイミングに戻すことができる。
【0144】
本発明の半導体集積回路では、第1入力信号のタイミングが誤って調整されることを防止できる。
本発明の半導体集積回路では、第1受信回路が、誤ったレベルの第1入力信号を受信することが防止される。第1入力信号のタイミングのずれが小さい場合にも容易に検出できる。あるいは、第1入力信号のタイミングのずれを検出できる範囲を大きくできる。
【0145】
本発明の半導体集積回路では、クロック信号のジッタ等の影響を受けることを防止できる。
本発明の半導体集積回路では、第2受信回路の回路規模を小さくでき、半導体集積回路のチップサイズを小さくできる。
本発明の半導体集積回路では、温度変化、電圧変化等により第1入力信号とクロック信号のタイミングがずれた場合にも、第1受信回路は、第1入力信号をクロック信号に同期して確実に受信できる。クロック信号の周波数が、確定時間に制約されることを防止でき、第1入力信号の伝送レートを向上できる。
【0146】
本発明の半導体集積回路では、第2受信回路の回路規模を小さくでき、半導体集積回路のチップサイズを小さくできる。
本発明の半導体集積回路では、入力信号のタイミングを、ずれ量の大小にかかわりなく、短期間で補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の可変遅延回路の詳細を示す回路図である。
【図3】図1の判定回路の詳細を示す回路図である。
【図4】図1の遅延調整回路の詳細を示す回路図である。
【図5】図1の遅延調整回路の詳細を示す回路図である。
【図6】第1の実施形態の受信回路の動作を示すタイミング図である。
【図7】第1の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【図8】第1の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の要部を示す回路図である。
【図10】第2の実施形態の受信回路の動作を示すタイミング図である。
【図11】第2の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の要部を示す回路図である。
【図13】本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図14】本発明の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図15】図14のラッチ回路の詳細を示す回路図である。
【図16】第5の実施形態のDRAMのチップレイアウトの概要を示すブロック図である。
【図17】本発明の第6の実施形態を示すブロック図である。
【図18】図17の判定回路の詳細を示す回路図である。
【図19】第6の実施形態の受信回路の動作を示すタイミング図である。
【図20】本発明の第7の実施形態を示すブロック図である。
【図21】本発明の第8の実施形態の要部を示す回路図である。
【図22】本発明の第9の実施形態を示すブロック図である。
【図23】図22の判定回路の詳細を示す回路図である。
【図24】第9の実施形態の受信回路の動作を示すタイミング図である。
【図25】第9の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【図26】第9の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【図27】第9の実施形態の受信回路の別の動作を示すタイミング図である。
【符号の説明】
10 入力バッファ
12 受信回路
14 可変遅延回路
16 判定回路
16a、16b 遅延段
16c、16d、16e ラッチ回路
16f、16g 排他的論理和回路
16h 比較回路
16i、16j、16k ラッチ回路
16m、16n NORゲート
16o、16p 遅延段
16q、16r ラッチ回路
16s、16t 排他的論理和回路
16u、16v、16w 比較回路
18 遅延調整回路
18a 生成部
18b 出力部
20、22 判定回路
24 受信回路
26 カウンタ
28 ゲート回路
30 受信回路
32 ラッチ回路
34、36、38 受信回路
40 判定回路
AD0-ADn アドレス信号
ADJA、ADJB、ADJC、ADJD 調整信号
ALY1、ALY2 メモリセルアレイ
CLK クロック信号
DQ0-DQn データ信号
DAD0 遅延アドレス信号
IAD0-IADn 内部アドレス信号
ICLK 内部クロック信号
IDQ0-IDQn 内部データ信号
LAD0 ラッチアドレス信号
Q0-Q7 遅延調整信号
SDDZ 増加信号
SDIZ 減少信号

Claims (10)

  1. 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路を備え、
    前記第1受信回路は、
    前記第1入力信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、第1遅延信号として出力する可変遅延回路と、
    前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
    前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備え
    前記判定回路は、前記第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号の論理レベルが不一致のときに前記減少信号を出力し、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベル、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルがともに不一致のときに、前記増加信号および前記減少信号の出力を禁止することを特徴とする半導体集積回路。
  2. 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路を備え、
    前記第1受信回路は、
    前記第1入力信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、第1遅延信号として出力する可変遅延回路と、
    前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
    前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備え、
    前記第1受信回路は、前記遅延調整回路が生成する前記遅延調整信号を、複数クロックサイクル毎に前記可変遅延回路に出力するマスク回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路と、第2入力信号を前記クロック信号に同期して受信する第2受信回路とを備え、
    前記第1受信回路は、
    前記第1入力信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、第1遅延信号として出力する可変遅延回路と、
    前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
    前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備え、
    前記第2受信回路は、
    前記第2入力信号を前記第1受信回路の前記遅延調整回路が生成する前記遅延調整信号に応じて遅延させ、第2遅延入力信号として出力する可変遅延回路と、
    前記第2遅延入力信号を、前記クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第2ラッチ回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  4. 請求項2または請求項3記載の半導体集積回路において、
    前記判定回路は、前記第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号の論理レベルが不一致のときに前記減少信号を出力することを特徴とする半導体集積回路。
  5. 請求項1または請求項4記載の半導体集積回路において、
    前記判定回路は、
    前記基準遅延信号、前記前遅延信号、および前記後遅延信号を生成する遅延回路と、
    前記クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路と、
    前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の半導体集積回路において、
    前記判定回路は、
    前記第1遅延信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い複数の前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い複数の後遅延信号を生成する遅延回路と、
    前記クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するとともに、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致をそれぞれ検出するレベル検出回路と、
    前記基準遅延信号の論理レベルと前記前遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号の論理レベルと前記後遅延信号のいずれかの論理レベルとが不一致のときに前記減少信号を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  7. 第1入力信号をクロック信号に同期して受信する第1受信回路と、第2入力信号を前記クロック信号に同期して受信する第2受信回路とを備え、
    前記第1受信回路は、
    前記クロック信号を遅延調整信号に応じて遅延させ、遅延クロック信号として出力する可変遅延回路と、
    前記遅延クロック信号と前記第1入力信号との位相差に応じて、前記可変遅延回路の遅延時間を増加させるための増加信号または前記可変遅延回路の遅延時間を減少させるための減少信号を出力する判定回路と、
    前記可変遅延回路を調整する前記遅延調整信号を、前記増加信号または前記減少信号に応じて生成する遅延調整回路とを備え、
    前記第2受信回路は、
    前記第2入力信号を前記第1受信回路の前記可変遅延回路が生成する前記遅延クロック信号に同期してラッチし、ラッチした信号を内部回路に出力する第2ラッチ回路を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  8. 請求項7記載の半導体集積回路において、
    前記判定回路は、前記第1入力信号を所定時間遅延させた基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号の論理レベルが不一致のときに前記減少信号を出力することを特徴とする半導体集積回路。
  9. 請求項8記載の半導体集積回路において、
    前記判定回路は、
    前記第1入力信号を所定時間遅延させた基準遅延信号、該基準遅延信号より位相の早い前遅延信号、および該基準遅延信号より位相の遅い後遅延信号を生成する遅延回路と、
    前記遅延クロック信号に同期して、前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルの一致、不一致、および前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルの一致、不一致を検出するレベル検出回路と、
    前記基準遅延信号と前記前遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記増加信号を出力し、前記基準遅延信号と前記後遅延信号の論理レベルが不一致のときに、前記減少信号 を出力する遅延時間制御回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
  10. 入力信号をクロック信号に同期して受信する受信回路を備え、
    前記受信回路は、
    前記入力信号を第1遅延調整信号に応じて遅延させる第1可変遅延回路と、
    前記第1可変遅延回路により遅延された前記入力信号を、第2遅延調整信号に応じて遅延させ第1遅延信号として出力する第2可変遅延回路と、
    前記第1遅延信号と前記クロック信号との位相差に応じて、前記第1可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第1増加信号または前記第1可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第1減少信号を出力するとともに、前記第2可変遅延回路の遅延時間を増加させるため第2増加信号または前記第2可変遅延回路の遅延時間を減少させるため第2減少信号を出力する判定回路と、
    前記第1可変遅延回路を調整する前記第1遅延調整信号を、前記第1増加信号または前記第1減少信号に応じて生成する第1遅延調整回路と、
    前記第2可変遅延回路を調整する前記第2遅延調整信号を、前記第2増加信号または前記第2減少信号に応じて生成する第2遅延調整回路とを備えていることを特徴とする半導体集積回路。
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