JP3818216B2 - 遅延回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、信号を一定時間だけ遅延させる遅延回路に関し、特に抵抗素子と容量素子とで定まる時定数に応じた遅延時間を得るための回路技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に、従来技術に係る遅延回路の構成例を示す。同図において、入力信号SINはインバータ301の入力部に与えられ、このインバータ301の出力部にはインバータ302の入力部が接続される。インバータ302の出力部は抵抗303Aおよびコンデンサ303Bからなる遅延経路303を介して演算増幅器304の反転入力端子(−)に接続される。演算増幅器304の出力部と非反転入力端子(+)との間には帰還用の抵抗素子304Aが接続されると共に、この非反転入力端子(+)は抵抗素子304Bを介して参照電圧VREFにバイアスされている。これら演算増幅器304および抵抗素子304A,304Bは、演算増幅器304の反転入力端子(−)に入力される信号に対してヒステリシス特性を有する比較器として機能する。即ち、この比較器は、ハイレベルに遷移する入力信号に対しては、高い入力論理しきい値VTHを示し、ローレベルに遷移する入力信号に対しては低い入力論理しきい値VTLを示す。
【0003】
次に、図9に示す波形図を参照して動作を説明する。
先ず、初期状態において信号SINがローレベルにあり、これを入力するインバータ301から出力される信号S31はハイレベルにある。従って、インバータ302により駆動される遅延経路303上の信号S33がローレベルにあり、これを入力する演算増幅器304から出力される信号S34はハイレベルにある。この状態から入力信号SINがハイレベルに遷移すると、信号S31がローレベルに遷移し、信号S32がハイレベルに遷移する。この結果、抵抗素子303Aおよび容量素子303Bで決定される時定数に応じたレートで信号S33が上昇を開始する。そして、信号S33が、演算増幅器304から構成される比較器の入力論理しきい値VTHを越えると、この演算増幅器304から出力される信号S34がローレベルに遷移する。
【0004】
続いて、信号SINがローレベルに遷移すると、信号S31がハイレベルに遷移し、信号S32がローレベルに遷移する。信号S32がローレベルに遷移すると、抵抗303Aおよびコンデンサ303Bで決定される時定数に応じたレートで信号S33が降下を開始する。そして、信号S33が演算増幅器304が構成する比較器の入力論理しきい値VTLを下回ると、信号S34がハイレベルに遷移する。以上のように、入力信号SINに対して信号S34が遅延経路303での遅延時間分だけ遅れて応答する。ただし、遅延経路303以外での遅延成分は無視する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来技術に係る遅延回路によれば、入力信号SINの切り替わりのタイミングによっては、遅延時間が変化するという問題がある。具体的に説明する。入力信号SINに対する信号S34の遅延時間は、信号S33が変化を開始してから演算増幅器304が構成する比較器の入力論理しきい値VTHまたはVTLに到達するまでの時間として与えられる。ここで、信号SINが切り替わる前に信号S33が予め飽和状態に達しているものとすれば、入力信号SINに応答して信号S33が変化を開始する際の初期電圧は電源VDDまたは接地VSSの電位とされ、入力信号SINの切り替わりのタイミングによらず、その初期電圧から入力論理しきい値VTLまでの電位差が一定となる。この場合、信号S33が一定の時定数で一定の電位差分だけ変化するのであるから、遅延時間が一定となる。
【0006】
これに対し、信号S33が飽和していない状態(即ち遷移の途中)で信号SINが切り替わると、入力信号SINに応答して信号S33が新たに変化を開始する際の初期電圧が、入力信号SINの切り替わりのタイミングに応じて変動する。このため、信号S33の初期電圧から比較器の入力論理しきい値までの電位差が一定とならず、信号S33が入力論理しきい値に到達するまでの時間が、信号SINの切り替わりのタイミングによって変動し、従って入力信号SINに対する信号S34の遅延時間が一定とならない。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、入力信号の切り替わりのタイミングに依存することなく、遅延時間を一定とすることが可能な遅延回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は以下の構成を有する。
本発明に係る遅延回路は、入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力するトライステート型の入力回路(例えば後述するインバータ104に相当する構成要素)と、所定の時定数を有する遅延経路(例えば後述する抵抗素子105Aおよび容量素子105Bとからなる遅延経路に相当する構成要素)と、前記遅延経路を介して、前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路(例えば後述する演算増幅器106、抵抗素子106A〜106Cからなる回路系に相当する構成要素)と、前記入力信号に応答して前記入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記入力回路の出力状態をハイインピーダンス状態に制御する制御回路(例えば後述する否定的論理和回路103を含む回路系に相当する構成要素)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る遅延回路は、前記入力回路の出力状態がハイインピーダンス状態である場合に、前記遅延経路を前記比較回路の入力論理しきい値にバイアスするバイアス回路を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、入力信号が遷移すると、この入力信号に応答して制御回路が入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御し、入力回路から遅延経路上にハイレベルまたはローレベルの信号が出力される。そして、この遅延経路上の信号が、比較回路のヒステリシス特性により定まる振幅を越えると、比較回路の出力が反転し、これを受けて制御回路が入力回路の出力状態をハイインピーダンスに制御する。従って、遅延経路上の信号が比較回路のヒステリシス特性により定まる振幅を越えると、遅延経路上の信号の変化(上昇または降下)が停止し、この信号の振幅が制限され、遅延経路の時定数に応じて遅延時間が一定値をとる。このように、遅延経路上の信号の振幅を小さく制限し、この信号の遷移期間を小さく抑えることにより、この信号が速やかに一定値に到達するようにし、入力信号に応答して遅延経路上の信号が変化を開始する際の開始点の電圧が一定となる期間を拡大している。従って、入力信号の切り替えのタイミングに対する遅延時間の依存性が改善され、遅延時間が一定となる。
【0010】
また、本発明に係る遅延回路は、前記比較回路が、前記遅延経路を介して入力する信号のハイレベルとローレベルに対する論理しきい値として、前記所定の参照電圧を中心とした一定の振幅の上限値と下限値とをそれぞれ有するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る遅延回路は、前記制御回路が、前記入力信号と前記増幅回路の出力信号との排他的論理和を演算し、この演算結果が反映された信号を前記入力回路の出力状態を制御するための信号として出力する排他的論理和回路(例えば後述する排他的論理和回路103に相当する構成要素)を含んで構成されたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る遅延回路は、入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力する入力回路と、所定の時定数を有する遅延経路と、前記遅延経路を介して前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、前記遅延経路に対して並列接続されたスイッチ回路と、前記入力信号に応答して前記スイッチ回路を開放すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記スイッチ回路を閉成する制御回路と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る遅延回路は、前記スイッチ回路が前記遅延経路に含まれる抵抗素子に対して並列接続されることを特徴とする。
また、本発明に係る遅延回路は、前記遅延経路が抵抗素子および容量素子を含んで構成され、前記抵抗素子および容量素子が外付けされた集積回路として構成されたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1に、この発明の実施の形態1に係る遅延回路100の構成を示す。この遅延回路100は、半導体基板上に集積回路として構成されたものであるが、後述するように、遅延経路105を構成する抵抗素子105Aおよび容量素子105Bはこの集積回路に対して着脱可能に外付けされている。具体的に構成を説明すると、同図に示すように、インバータ101の入力部には入力信号SINが供給され、その出力部にはトライステート型のインバータ104の入力部が接続される。インバータ104は、その出力状態をハイインピーダンス状態またはローインピーダンス状態に制御するための制御端子を有しており、その出力部が外部端子T1に接続され、上述のインバータ101と共にトライステート型の入力回路を構成する。入力信号SINは、ハイレベル(論理値「1」)またはローレベル(論理値「0」)の2値をとり得る論理信号である。
【0013】
また、外部端子T1と外部端子T2との間には、抵抗素子105Aが接続され、外部端子T2と中間電位VDD/2との間には容量素子105Bが、着脱可能なように外付けにより接続されている。これら抵抗素子105Aおよび容量素子105Bは遅延経路105を形成し、この遅延経路105は、抵抗素子105Aの抵抗値と容量素子105Bの容量値とで定まる所定の時定数を有している。外部端子T2には、正帰還型の演算増幅器106の反転入力端子(−)が接続され、この演算増幅器106の非反転入力端子(+)と出力部との間には帰還用の抵抗素子106Aが接続される。また、電源VDDと接地VSSとの間には、抵抗素子106Bと抵抗素子106Cとが直列接続され、これら抵抗素子の接続点Pには、演算増幅器106の非反転入力端子(+)が接続される。
【0014】
ここで、上述の演算増幅器106および抵抗素子106A〜106Cは、遅延経路105から反転入力端子(−)に与えられる信号S15に対してヒステリシス特性を示す信号S16を出力する比較回路(符号なし)を構成する。即ち、この比較回路は、ハイレベルに遷移する信号に対しては、高い入力論理しきい値VTHを示し、ローレベルに遷移する信号に対しては低い入力論理しきい値VTLを示す。これら入力論理しきい値VTH,VTLは、抵抗素子106A〜106Cの各抵抗値により設定される。例えば、抵抗素子106Aの抵抗値を90kΩとし、抵抗素子106B,106Cの各抵抗値を20kΩとした場合、抵抗素子106Bの抵抗値と抵抗素子106Cの抵抗値は等しいので、接続点Pに現れる電圧は、電源VDDの2分の1の電圧を中心値として、抵抗素子106Aを介して演算増幅器106から出力される信号S16のレベルに応じた2値をとる。
【0015】
より具体的には、信号S16がローレベル(VSS)であれば、接続点Pに現れる電圧は電源VDDの約45パーセントとなり、この値が上述の入力論理しきい値VTLを与える。また、信号S16がハイレベル(VDD)であれば、接続点Pに現れる電圧は電源VDDの約55パーセントとなり、この値が上述の入力論理しきい値VTHを与える。
なお、入力論理しきい値VTH,VTLは、後述するように遅延経路105上の信号S15の上限値と下限値を与えるものであり、入力信号SINの切り替えタイミングに対する遅延時間の依存性や、遅延時間そのものに影響を与える。従って、これらの事項を考慮して抵抗素子106A〜106Cの各抵抗値を設計し、入力論理しきい値VTH,VTLを適切に設定すればよい。
【0016】
上述のインバータ101の出力部にはバッファ102の入力部が接続される。このバッファ102は、インバータ104の出力状態をローインピーダンス状態に制御する際のタイミングを調整するためのものであって、数ナノ秒程度の遅延時間を有している。バッファ102の出力部は排他的論理和回路103の一方の入力部に接続され、この排他的論理和回路103の他方の入力部には上述の演算増幅器106の出力部が接続される。これらバッファ102および排他的論理和回路103は、上述のトライステート型のインバータ104の出力状態を制御するための制御回路(符合なし)を構成する。
【0017】
以下、図2に示す波形図(タイミングチャート)を参照して、この実施の形態1の動作を説明する。
初期状態では、入力信号SINがローレベルにあり、容量素子105Bが電源VDDの約2分の1の電圧に充電されて信号S15が中間レベルにあるものとし、この信号S15を入力する演算増幅器106から出力される信号S16がハイレベルにあるものとする。従って、インバータ101から出力される信号S11と、バッファ102から出力される信号S12とが共にハイレベルにあり、信号S16がハイレベルにある。また、信号S16と信号S12を入力する排他的論理和回路103から出力される信号S13がローレベルにあり、これを制御端子に入力するトライステート型のインバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態にある。
【0018】
この初期状態から、時刻t1において、入力信号SINがハイレベルに遷移すると、これを受けてインバータ101から出力される信号S11がローレベルに遷移し、この後、バッファ102の遅延時間分(数ナノ秒)だけ遅れて、バッファ102から出力される信号S12がローレベルに遷移する。これにより、排他的論理和回路103から出力される信号S13が、信号S11に対して概ねバッファ102の遅延時間分だけ遅れてハイレベルに遷移し、これを制御端子に入力するインバータ104の出力状態がローインピーダンス状態に制御される。この結果、インバータ104から出力される信号S14が、インバータ101から出力されたローレベルの信号S11に応答してハイレベルに確定する。
【0019】
ここで、信号S13が信号S11に対してバッファ102により遅延されているので、信号S11が入力信号SINに応答してローレベルに遷移する前にインバータ104の出力状態がローインピーダンス状態になることはない。従って、インバータ104がローインピーダンス状態に制御される際、遷移前の信号S11に応答することによる信号S14のスパイクが防止される。
なお、図2に示す信号S14の波形において、実線区間はインバータ104により信号レベルが確定している状態を表し、点線区間は、容量素子105Bにより信号レベルが保持されている状態を表している。
【0020】
続いて、信号S14がハイレベルに確定すると、この信号S14が遅延経路105を伝搬し、信号S15が中間レベルから遅延経路105の時定数に応じたレートで上昇を開始する。そして、ハイレベルに対する演算増幅器106の入力論理しきい値VTHを信号S15が上回ると、これに応答して演算増幅器106から出力される信号S16がローレベルに遷移する。この信号S16は、この遅延回路100の出力信号とされ、入力信号SINに対し、インバータ101、バッファ102、排他的論理和回路103、インバータ104、遅延経路105、演算増幅器106での各遅延時間を合算した時間分だけ遅延して信号S16が遷移し、入力信号SINに対して信号S16が一定の遅延時間を有したものとなる。なお、説明の便宜上、遅延経路105以外での各遅延時間を無視し、遅延経路105での遅延時間が遅延回路100の遅延時間を与えるものとする。
【0021】
続いて、信号S16がローレベルに遷移すると、この信号S16に応答して、排他的論理和回路103から出力される信号S13がローレベルに遷移する。この結果、インバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態に制御され、信号S14の上昇が入力論理しきい値VTH付近で停止する。ここで、インバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態になると、遅延経路105がフローティング状態となり、信号S14および信号S15の信号レベルは容量素子105Bにより入力論理しきい値VTH付近に保持される。
【0022】
次に、時刻t2において、入力信号SINがハイレベルからローレベルに遷移すると、これに応答して信号S11がハイレベルに遷移し、それから数ナノ秒の遅延をもって信号S12がハイレベルに遷移する。これにより、排他的論理和回路103から出力される信号S13が、信号S11に対してバッファ102の遅延時間分だけ遅れてハイレベルに遷移し、インバータ104の出力状態がローインピーダンス状態に制御される。この結果、インバータ104から出力される信号S14が、インバータ101から出力されたハイレベルの信号S11に応答してローレベルに確定する。
【0023】
信号S14がローレベルになると、信号S15が、入力論理しきい値VTH付近から遅延経路105の時定数に応じたレートで降下を開始する。即ち、入力論理しきい値VTHを初期電圧として信号S15が変化を開始する。そして、信号S15がローレベルに対する入力論理しきい値VTLを下回ると、これに応答して演算増幅器106から出力される信号S16がハイレベルに遷移し、排他的論理和回路103から出力される信号S13がローレベルに遷移する。この結果、インバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態となり、信号S15の降下が入力論理しきい値VTL付近で停止する。この後、信号S15の信号レベルは容量素子105Bにより入力論理しきい値VTL付近に保持される。
【0024】
次に、時刻t3で入力信号SINがハイレベルに遷移すると、上述の時刻t1での遷移に対する動作と同様の動作を経て、演算増幅器106から信号S16が出力される。ただし、この場合、信号S15が上昇を開始する際の初期電圧は、中間レベルよりも低い入力論理しきい値VTL付近であり、入力論理しきい値VTH付近で上昇が停止する。従って、入力信号SINに対する信号S16の遅延時間は、上述の時刻t2での入力信号SINの遷移に対する遅延時間にほぼ等しくなる。以後、信号S15は、入力信号SINに応答して、入力論理しきい値VTHを上限値とすると共に入力論理しきい値VTLを下限値として一定の振幅で遷移する。このとき、遅延経路105の時定数と信号S15の振幅が一定であるから、遅延経路105での遅延時間が一定となり、入力信号SINに対する信号S16の遅延時間が一定となる。よって、入力信号SINの切り替わりのタイミングが変化したとしても、信号S15が入力論理しきい値VTHと入力論理しきい値VTLとを振幅の上限値と下限値とする限り、入力信号SINに対する信号S16の遅延時間は一定となる。
【0025】
以上のように、この実施の形態1では、遅延経路105の時定数を一定とし、且つこの遅延経路上の信号S15の振幅を一定に制限することにより、遅延時間を一定としている。ここで、信号S15の振幅を一定に制限することは、遅延経路105を構成する容量素子105Bの充放電量を一定とすることに相当する。従って、信号S15の信号レベルが遷移する際の振幅を一定とすれば、容量素子105Bの充放電時間が一定となり、遅延時間が一定となる。
また、遅延経路105を構成する抵抗素子105Aおよび容量素子105Bを着脱可能に外部端子に外付けしているので、遅延時間の設定を任意に変更することが可能になる。
なお、この実施の形態1では、抵抗素子105Aおよび容量素子105Bを外付けするものとしているが、これに限定されることなく、その遅延経路105の時定数を変更する必要がないのであれば、集積回路として他の構成要素と共に同一基板上に形成してもよい。
【0026】
(実施の形態2)
以下、この発明の実施の形態2を説明する。
上述の実施の形態1に係る遅延回路によれば、インバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態に制御された場合、信号S15の信号レベルは容量素子105Bにより保持されるようになっている。しかしながら、遅延経路105を構成する抵抗素子105Aおよび容量素子105Bは外付けされているため、遅延経路105はリーク経路が形成されやすい環境下におかれ、信号S15の信号レベルが適切に保持されない虞がある。そのような場合、信号の振幅が一定とならず、遅延時間が変動する事態になる。そこで、この実施の形態2では、遅延経路105にリーク経路が形成されたとしても、信号S15の信号レベルを一定に保持するための構成を提案する。
【0027】
図3に、この実施の形態2に係る遅延回路の構成を示す。同図において、上述の図1に示す実施の形態1に係る構成要素と共通する要素には同一符号を付す。
この実施の形態2に係る遅延回路は、上述の図1に示す実施の形態1に係る遅延回路100の構成において、遅延経路105をバイアスするためのバイアス回路120を更に備えて構成され、このバイアス回路120は、インバータ120Aおよび抵抗素子120B,120C,120Dから構成される。具体的には、インバータ120Aの入力部は、上述の演算増幅器106の出力部に接続され、このインバータ120Aの出力部には抵抗素子120Bの一端が接続される。また、電源VDDと接地VSSとの間には、抵抗素子120C,120Dが直列接続され、これら抵抗素子の接続点Qは抵抗素子120Bの他端に接続されると共に、上述の外部端子T1を介して遅延経路105に接続されている。
【0028】
ここで、インバータ120Aの駆動能力は演算増幅器106と等価に設定され、抵抗素子120B,120C,120Dは、抵抗素子106A,106B,106Cとそれぞれ等価に設定され、接続点Pおよび接続点Qにそれぞれ現れる電位は等価な関係にある。即ち、バイアス回路120は、演算増幅器106の非反転入力端子のバイアス電位と等価な電位で遅延経路105をバイアスするように構成される。ただし、抵抗素子106Aを介して接続点Pに与えられる信号S16と、抵抗素子120Bを介して接続点Qに与えられる信号S120とは、互いに反転関係にあるから、信号S16の遷移後に接続点Qに現れる電位は、信号S16の遷移前に接続点Pに現れていた電位と同一になる。
【0029】
以下、バイアス回路120に着目して、この実施の形態2の動作を説明する。
いま、遅延経路105上の信号S15が入力論理しきい値VTHに向けて上昇しているものとする。この状態では、信号S15が入力論理しきい値VTHに到達してはいないので、演算増幅器106から出力される信号S16はハイレベルにある。そして、これを入力するインバータ120Aから出力される信号S120はローレベルにあり、遅延経路105をローレベルに駆動しようとする。しかし、インバータ120Aと遅延経路105との間には抵抗素子120Bが存在するため、遅延経路105はインバータ104から出力される信号S14によりハイレベルに駆動され、信号S15の信号レベルが上昇を続ける。
【0030】
そして、信号S15が演算増幅器106の入力論理しきい値VTHに到達すると、信号S16がローレベルに遷移し、これを受けて、上述したようにインバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態に制御され、信号S15の上昇が入力論理しきい値VTH付近で停止する。ここで、信号S15が入力論理しきい値VTHに到達すると、信号S16がローレベルに遷移する結果、接続点Pの電位が低い入力論理しきい値VTLに遷移するが、信号S120は逆にハイレベルに遷移するので、接続点Qの電位は、信号S16が遷移する前の接続点Pの電位、即ち入力論理しきい値VTHに等しくなる。
【0031】
従って、インバータ104の出力状態がハイインピーダンス状態に制御された後は、バイアス回路120により遅延経路105が入力論理しきい値VTHにバイアスされる。このため、遅延経路105にリーク経路が形成されたとしても、バイアス回路120によりリーク分が補償されるため、遅延経路105上の信号S15が入力論理しきい値VTH付近に一定に維持される。
なお、入力信号SINに応答して信号S15が降下して入力論理しきい値VTLに到達した場合には、バイアス回路120により遅延経路105が入力論理しきい値VTLにバイアスされ、従って信号S15が入力論理しきい値VTL付近に維持される。
以上の説明から理解されるように、この実施の形態2によれば、遅延経路105を構成する抵抗素子105Aおよび容量素子105Bを外付けしたとしても、リーク経路の影響を受けることなく、遅延時間を一定に保つことが可能になる。
【0032】
(実施の形態3)
以下、この発明の実施の形態3を説明する。
上述の実施の形態1、2では、遅延経路105上の信号S15の振幅を、演算増幅器106の入力論理しきい値VTHと入力論理しきい値VTLとで制限するものとしたが、この実施の形態3では、遅延経路上の信号が入力論理しきい値VTH,VTLに到達した後に、この遅延経路上の信号を強制的に電源VDDまたは接地VSSのレベルにまでフルスイングさせる。これにより、遅延経路上の信号の遷移の開始点から演算増幅器の入力論理しきい値までの振幅を一定とし、遅延時間を一定とする。
【0033】
図4に、この実施の形態3に係る遅延回路200の構成を示す。同図において、図1に示す実施の形態1に係る構成要素と共通する要素には同一符号を付す。同図に示すように、この遅延回路200は、図1に示す構成において、インバータ101、バッファ102、排他的論理和回路103、演算増幅器106、抵抗106A〜106C、トライステート型インバータ104に代えて、バッファ201,202、コンパレータ206、スイッチ207、排他的論理和回路208を備えて構成される。
【0034】
具体的に構成を説明すると、バッファ201の入力部には入力信号SINが供給され、このバッファ201の出力部には、バッファ202が接続される。これらバッファ201およびバッファ202は、入力信号SINに応答してハイレベルまたはローレベルを出力する入力回路(符号なし)として機能する。外部端子T1にはバッファ202の出力部が接続され、この外部端子T1と外部端子T2との間には、抵抗素子105Aおよび容量素子105Bからなる遅延経路105が、着脱可能なように外付けにより接続されている。また、バッファ202の出力部とコンパレータ206の反転入力端子との間にはスイッチ207が接続され、このスイッチ207は、遅延経路105に対して並列接続されている。
【0035】
また、外部端子T2にはコンパレータ206の反転入力端子が接続され、このコンパレータ206の非反転入力端子には、参照電圧VREFとして電源VDDの2分の1の電圧が印加されている。このコンパレータ206から出力される信号S26が、この遅延回路200の出力信号とされる。コンパレータ206の出力部には、排他的論理和回路206の一方の入力部が接続され、この排他的論理和回路206の他方の入力部には上述のバッファ201の出力部が接続される。排他的論理和回路206は、スイッチ207を開閉制御するための制御回路として機能するものであって、この排他的論理和回路206から出力される信号S28は上述のスイッチ207の開閉を制御するための信号とされる。
【0036】
以下、図5に示す波形図を参照しながら、この実施の形態3に係る遅延回路の動作を説明する。
初期状態では、入力信号SINがローレベルにあるものとする。この場合、バッファ201から出力される信号S21がローレベルにあり、バッファ202から出力される信号S22がローレベルにある。また、信号S22がローレベルであるから、遅延経路105上の信号S25もローレベルにあり、この信号S25を受けてコンパレータ206から出力される信号S26がハイレベルにある。さらに、信号S26と信号S21を入力する排他的論理和回路208から出力される信号S28がハイレベルにあり、この信号S28が供給されるスイッチ207が閉成状態にある。
【0037】
この初期状態から、時刻t21において、入力信号SINがハイレベルに遷移すると、これを受けてバッファ201から出力される信号S21がハイレベルに遷移する。このとき、コンパレータ206から出力される信号S26は、まだハイレベルにあるので、信号S21を受けて排他的論理和回路208から出力される信号S28がローレベルに遷移し、スイッチ207が開放状態となる。また、ハイレベルに遷移した信号S21を受けて、バッファ202から出力される信号S22がハイレベルに遷移する。
【0038】
ここで、スイッチ207は開放状態にあるから、信号S22がハイレベルになると、遅延経路105上の信号S25が、抵抗素子105Aおよび容量素子105Bにより定まる時定数に応じたレートで上昇を開始し、信号S25が参照電圧VREFに到達すると、コンパレータ206から出力される信号S26がローレベルに遷移する。即ち、信号S22がハイレベルに遷移してから一定時間を経て信号S25が参照電圧VREFに到達する。よって、入力信号SINに対し、バッファ201,202、遅延経路105、およびコンパレータ206での各遅延時間を合算した時間分だけ遅延して信号S26が遷移し、入力信号SINに対して信号S26が一定の遅延時間を有したものとなる。なお、遅延経路105以外での遅延時間を無視し、遅延経路105での遅延時間が遅延回路200の遅延時間を与えるものとする。
【0039】
また、信号S26がローレベルに遷移すると、信号S21が既にハイレベルにあるから、これら信号21および信号S26を入力する排他的論理和回路209から出力される信号S28がハイレベルに遷移し、スイッチ207が閉成状態に制御される。この結果、遅延経路105の抵抗素子105Aの両端がスイッチ207により短絡され、バッファ202から出力される信号S22が、遅延経路105上の信号S25としてそのまま現れる。従って、信号S25が速やかに電源VDDにまで到達し、フルスイングした状態となる。
【0040】
次に、時刻t22において入力信号SINがローレベルに遷移すると、信号S21がローレベルに遷移する。このとき、コンパレータ206から出力される信号S26がローレベルにあるので、これら信号S21および信号S26を入力する排他的論理和回路208から出力される信号S28がローレベルに遷移し、スイッチ207が開成状態に制御される。また、信号S21がローレベルになると、これを受けて信号S22がローレベルに遷移する。スイッチ207は開成状態にあるので、信号S22がローレベルになると、遅延経路105上の信号S25が、この遅延経路105の時定数で定まるレートで電源VDDから降下を開始する。そして、信号S25が参照電圧VREFに到達すると、コンパレータ206から出力される信号S26がハイレベルに遷移する。即ち、信号SINに対して信号S26が一定時間だけ遅延してハイレベルになる。
【0041】
上述の説明から理解されるように、この実施の形態3では、遅延経路105上の信号S25が参照電圧VREFに到達して信号S26が遷移した後にスイッチ207を閉成させ、これにより信号S25をフルスイングさせている。このように信号S25がフルスイングした状態(即ち信号S25が電源VDDまたは接地VSSに到達した状態)にあれば、入力信号SINがどのようなタイミングで遷移しようとも、信号S25の変化(上昇または降下)の開始点は一定となり、信号S25が参照電圧VREFに到達するまでの振幅が一定となる。しかも、遅延経路105の時定数は一定である。従って、入力信号SINの切り替えタイミングによらず、入力信号SINに対する信号S26の遅延時間が一定となる。
【0042】
(適用例)
以下、上述の各実施の形態に係る遅延回路をD級増幅器に適用した例を説明する。図6に、D級増幅器の900構成を示す。同図において、信号源SIGは、接地電位(0V)を振幅の中点とするアナログ量の音楽信号の発生源であり、D級増幅器900の入力端子TIに接続される。D級増幅器900は、信号原SIGが発生する音楽信号を大振幅のパルス信号に変換して電力増幅するいわゆるPWM増幅器(PWM;Pulse Width Modulation)であって、入力段901、変調回路902、駆動回路903、およびn型のパワーMOSトランジスタ904,905から構成される。
【0043】
ここで、入力段901は、信号原SIGからの音楽信号を変調回路902に適合する波形に変換するものである。変調回路902は、入力段901から出力されたアナログ信号をパルス信号に変換するものであって、アナログ信号の情報成分をパルス幅に反映させてPWM変調を行う。駆動回路903は、変調回路902により変調されたパルス信号に基づき、出力用の1対のパワーMOSトランジスタ904,905を相補的に駆動制御するものである。パワーMOSトランジスタ904は、高電源PV(例えば+50V)と出力端子TOとの間に電流経路が接続され、電力増幅されたパルス信号のハイレベルを出力するためのものである。パワーMOSトランジスタ905は、低電源MV(例えば−50V)と出力端子TOとの間に電流経路が接続され、電力増幅されたパルス信号のローレベルを出力するためのものである。出力端子TOは、インダクタLとコンデンサCとからなるローパスフィルタを介してスピーカSPKの入力端子に接続される。
【0044】
ここで、駆動回路903は、高電源PV側に接続されたパワーMOSトランジスタ904の導通を制御するためのハイサイドドライバと、低電源MV側に接続されたパワーMOSトランジスタ905の導通を制御するためのローサイドドライバとを内蔵する。これらハイサイドドライバおよびローサイドドライバは、パワーMOSトランジスタ904,905の各ソース電圧を基準とした内部電源を備えており、これにより、大振幅のパルス信号を出力するパワーMOSトランジスタ904,905の導通状態を、通常電源の振幅を有する信号により制御することを可能としている。
【0045】
このD級増幅器900の動作を説明すると、信号源SIGが発生した音楽信号が、入力段901および変調回路902を経てパルス信号に変換される。このとき、変調回路902は、パルス幅変調により音楽信号の振幅をパルス幅に反映させる。駆動回路903は、変調されたパルス信号に基づきパワーMOSトランジスタ904,905を相補的に導通制御し、出力端子TOに電力増幅されたパルス信号を出力する。この電力増幅されたパルス信号は、インダクタLおよびコンデンサCからなるローパスフィルタによりキャリア周波数成分が除去され、電力増幅されたアナログ量の音楽信号となってスピーカSPKに供給される。
【0046】
ところで、上述のD級増幅器900によれば、駆動回路903がパワーMOSトランジスタ904,905を相補的に導通制御することにより、出力端子TOに電力増幅されたパルス信号を出力するが、これら1対のパワーMOSトランジスタが同時に導通状態になると高電源PVから低電源MVに大電流が流れ、誤動作や故障の原因となる。そこで、一般に、駆動回路903がパワーMOSトランジスタ904,905の導通状態を切り替える際に双方のパワーMOSトランジスタが非導通状態となる期間(以下、デッドタイムと称す)を設け、双方のトランジスタを一旦非導通状態に制御した後、変調回路902から入力するパルス信号に応じて何れか一方を導通させるようになっている。
【0047】
ここで、デッドタイムは駆動回路903に内蔵された遅延回路により生成される。図7に、上述の実施の形態1に係る遅延回路100が適用された駆動回路903の構成の一部を示す。同図に示すように、駆動回路903は、遅延回路100、信号生成回路110、および図示しないハイサイドドライバ/ローサイドドライバから構成される。遅延回路100の入力信号SINとして、変調回路902から出力されるパルス信号が与えられる。
ここで、信号生成回路110は、遅延回路100から出力される信号S16からハイサイドドライバおよびローサイドドライバを駆動するための差動信号HIN,HIPおよび差動信号LON,LOPを生成するものであり、負論理入力型論理積回路(否定的論理和回路)107、バッファ107A、インバータ107B、バッファ107C、論理積回路108、バッファ108A、インバータ108B,バッファ108Cから構成される。
【0048】
動作を説明する。上述の入力信号SIN(変調回路902からのパルス信号)がハイレベルに遷移すると、信号S12がローレベルに遷移し、これを入力する論理積回路108から出力される信号S18がローレベルに遷移する。即ち、入力信号SINがハイレベルに遷移すると、初期状態でそれぞれローレベルおよびハイレベルにあった信号S17および信号S18が、共にローレベルとなる。このとき、差動信号HIP/HINがローレベル/ハイレベルとなり、これを入力するハイサイドドライバがパワーMOSトランジスタ904を非導通状態に制御する。一方の差動信号LOP/LONもローレベル/ハイレベルとなり、これを入力するローサイドドライバがパワーMOSトランジスタ905を非導通状態に制御する。これにより、出力段の1対のパワーMOSトランジスタが共に非導通状態となり、貫通電流の発生が防止される。
【0049】
この後、遅延回路100による一定の遅延時間を経て信号S16がローレベルに遷移すると、これを受けて負論理入力型論理積回路107から出力される信号S17がハイレベルに遷移し、信号S17,S18がそれぞれハイレベルおよびローレベルとなる。これにより、差動信号HIP/HINがハイレベル/ローレベルとなり、これを入力するハイサイドドライバがパワーMOSトランジスタ904を導通させる。これにより、出力端子TOにハイレベルが出力される。以降、入力信号SINに応じて、デッドタイムを挟んでパワーMOSトランジスタ904,905が交互に導通し、大振幅のパルス信号が出力される。このパルス信号はインダクタLおよびコンデンサCからなるローパスフィルタによりアナログ信号とされてスピーカSPKを駆動する。
なお、上述の適用例では、実施の形態1に係る遅延回路を用いたが、実施の形態2,3に係る遅延回路を用いてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項3に記載された発明によれば、遅延経路上の信号の振幅を一定に制限するように構成したので、入力信号の切り替わりのタイミングによって遅延経路上の信号の変化の開始点が変動することがなくなる。従って、入力信号の切り替わりのタイミングに依存することなく、遅延時間を一定とすることが可能になる。
また、請求項4に記載された発明によれば、遅延経路上の信号の振幅をフルスイングさせるように構成したので、同様に、遅延経路上の信号の変化の開始点が変動することがなくなり、従って、入力信号の切り替わりのタイミングに依存することなく、遅延時間を一定とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る遅延回路の構成を示す回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る遅延回路の動作を説明するための波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る遅延回路の構成を示す回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係る遅延回路の構成を示す回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る遅延回路の動作を説明するための波形図である。
【図6】 この発明の実施の形態に係る遅延回路の適用例を説明するためのD級増幅器の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態に係る遅延回路が適用された駆動回路の構成の一部を示す図である。
【図8】 従来技術に係る遅延回路の構成例を示す回路図である。
【図9】 従来技術の係る遅延回路の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
101,107B,108B;インバータ、102,107A,107C,108A,108C;バッファ、103;排他的論理和回路、104;インバータ(トライステート型)、105;遅延経路、105A,106A,106B,106C;抵抗素子、105B;容量素子、106;演算増幅器、107;負論理入力型論理積回路、110;信号生成回路、120;バイアス回路、120A,120B,120C,120D;抵抗素子、201,202;バッファ、206;演算増幅器、207;スイッチ、208;排他的論理和回路、T1,T2;外部端子。
Claims (9)
- 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力するトライステート型の入力回路と、
抵抗素子および容量素子を含んで構成され、所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して、前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記入力信号に応答して前記入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記入力回路の出力状態をハイインピーダンス状態に制御する制御回路と、
前記入力回路の出力状態がハイインピーダンス状態である場合に、前記遅延経路を前記比較回路の入力論理しきい値にバイアスするバイアス回路と、
を備えたことを特徴とする遅延回路。 - 前記比較回路が、前記遅延経路を介して入力する信号のハイレベルとローレベルに対する論理しきい値として、前記所定の参照電圧を中心とした一定の振幅の上限値と下限値とをそれぞれ有するものであることを特徴とする請求項1に記載された遅延回路。
- 前記制御回路が、
前記入力信号と前記増幅回路の出力信号との排他的論理和を演算し、この演算結果が反映された信号を前記入力回路の出力状態を制御するための信号として出力する排他的論理和回路を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載された遅延回路。 - 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力する入力回路と、
抵抗素子および容量素子を含んで構成され、所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記遅延経路に含まれる抵抗素子に対して並列接続されたスイッチ回路と、
前記入力信号に応答して前記スイッチ回路を開放すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記スイッチ回路を閉成する制御回路と、
を備えたことを特徴とする遅延回路。 - 前記抵抗素子および容量素子が外付けされた集積回路として構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載された遅延回路。
- 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力するトライステート型の入力回路と、
所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して、前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記入力信号に応答して前記入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記入力回路の出力状態をハイインピーダンス状態に制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路が、
前記入力信号と前記増幅回路の出力信号との排他的論理和を演算し、この演算結果が反映された信号を前記入力回路の出力状態を制御するための信号として出力する排他的論理和回路を含んで構成された遅延回路。 - 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力するトライステート型の入力回路と、
所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して、前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記入力信号に応答して前記入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御する と共に前記比較回路の出力信号に応答して前記入力回路の出力状態をハイインピーダンス状態に制御する制御回路と、
を備え、
前記遅延経路が抵抗素子および容量素子を含んで構成され、前記抵抗素子および容量素子が外付けされた集積回路として構成された遅延回路。 - 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力するトライステート型の入力回路と、
所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して、前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記入力信号に応答して前記入力回路の出力状態をローインピーダンス状態に制御すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記入力回路の出力状態をハイインピーダンス状態に制御する制御回路と、
を備え、
前記比較回路が、前記遅延経路を介して入力する信号のハイレベルとローレベルに対する論理しきい値として、前記所定の参照電圧を中心とした一定の振幅の上限値と下限値とをそれぞれ有し、
前記遅延経路が抵抗素子および容量素子を含んで構成され、前記抵抗素子および容量素子が外付けされた集積回路として構成された遅延回路。 - 入力信号に応答してハイレベルまたはローレベルを出力する入力回路と、
所定の時定数を有する遅延経路と、
前記遅延経路を介して前記入力回路から出力された信号を入力し、該信号に対して所定のヒステリシス特性を示す信号を出力する比較回路と、
前記遅延経路に対して並列接続されたスイッチ回路と、
前記入力信号に応答して前記スイッチ回路を開放すると共に前記比較回路の出力信号に応答して前記スイッチ回路を閉成する制御回路と、
を備え、
前記遅延経路が抵抗素子および容量素子を含んで構成され、前記抵抗素子および容量素子が外付けされた集積回路として構成された遅延回路。
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