JP4021188B2 - 電磁アクチュエータ及びカメラ用絞り装置 - Google Patents

電磁アクチュエータ及びカメラ用絞り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルへの通電制御により所定の角度範囲を往復動するロータを有する電磁アクチュエータ及びカメラ用絞り装置に関し、特に、ロータの周りに配置されて磁気的吸引力を及ぼす磁性ピン等を備えた電磁アクチュエータ及びこれを用いたカメラ用絞り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁アクチュエータとしては、所定の角度範囲を往復動するロータ、ロータを休止位置に復帰させるべくあるいは休止位置及び最大回転位置に保持するべくそれぞれ異なる向きに磁気的吸引力を及ぼす磁性ピン、ロータの周りに巻回された励磁用のコイル等を備えたものが知られている。
【0003】
例えば、図14に示すように、N極及びS極に着磁されかつ回転中心から偏倚した位置に出力ピン1aが一体的に形成されたロータ1、ロータ1の周りに配置された磁性ピン2等を備えた電磁アクチュエータの場合、コイルへの通電により、ロータ1が、休止位置から図14(a),(b),(c)に示すように時計回りに回転して最大回転位置に達し、一方、コイルへの通電を断つと、磁性ピン2の磁気的吸引力により初期位置(休止位置)に復帰させられる。この動作において、磁性ピン2の磁気的吸引力は、ロータ1を反時計回りに回転させるトルクとして作用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このトルクは、図14及び図15に示すように、ロータ1の周方向における磁極(N極)の中心部分(回転角度0°)とN極及びS極の境界部分(回転角度90°)とで零となり、両者の中間部分(回転角度45°)で最大となるような変動幅の大きい特性となる。したがって、ロータ1の作動範囲を45°(回転角度22.5°〜67.5°までの間)とした場合、その作動範囲においてトルク変動Wを生じることになる。このトルク変動Wは、通電によりロータ1の回転角度を制御する際に、負荷変動として作用する。
【0005】
一方、このような電磁アクチュエータを、例えばカメラ用絞り装置の駆動源として採用し、ホール素子等の磁気センサを用いて回転角度による磁束の変化を検出し、この検出結果に基づき角度変化に応じたフィードバック制御を行なう際に、上記のようにトルク変動(負荷変動)が大きいと、制御誤差が大きくなり、絞り動作の精度が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、ロータの作動範囲におけるトルク変動(負荷変動)を極力小さくして、絞り装置等の駆動源として適用した場合に制御の容易化、高精度化が図れる電磁アクチュエータ及びこれを用いたカメラ用絞り装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁アクチュエータは、外周面を二分するようにN極及びS極に着磁され所定の角度範囲を回動して駆動力を出力するロータと、ロータの周りに磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、ロータを初期位置に向けて付勢する磁気的吸引力を及ぼす磁性体とを備えた電磁アクチュエータであって、上記磁性体は、ロータの周方向において離隔した位置に配置されかつロータに対して同一方向への回転付勢力を及ぼす複数の磁性ピンからなり、この複数の磁性ピンは、ロータが初期位置にあるとき一方の磁極の磁極中心と対向するように配置された第1磁性ピンと、ロータが最大回転位置にあるときに両磁極の境界部分と対向するように配置された第2磁性ピンと、を有することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、ロータに対して回転付勢力すなわちトルクを及ぼす磁性ピンが、離れた位置において同一方向に作用するように複数設けられているため、それぞれの磁性ピンが及ぼすトルクのピークが、回転角度に対してそれぞれ異なる位置に現れる。これにより、複数の磁性ピンによる合成トルクは、変動幅が低減されあるいは平坦化され、ロータは作動範囲において安定して回転する。
特に、ロータが初期位置にあるとき第1磁性ピンがトルクを生じず、第2磁性ピンのみがトルクを生じる。一方、ロータが最大回転位置にあるとき第2磁性ピンはトルクを生じず、第1磁性ピンのみがトルクを生じる。これにより、作動範囲においては、変動幅が低減されたあるいは平坦化された合成トルクが作用する。
【0009】
上記構成において、第1磁性ピン及び第2磁性ピンは、両者の中心角がロータの作動角度に直角を加えた角度となる位置に配置されている、構成を採用できる。
この構成によれば、ロータの回転中心に対して第1磁性ピンと第2磁性ピンとのなす中心角がロータの作動角度+直角(90°)となるように、両者を画一化した位置に配置することで、配置角度の検討が不要になり、設計が容易になる。
【0010】
上記構成において、第1磁性ピン及び第2磁性ピンは、磁気的吸引力を異ならせるべく体積が異なる、構成を採用することができる。
この構成によれば、それぞれの磁性ピンでの磁気的吸引力が異なるため、初期位置での合成トルクと最大回転位置での合成トルクも異なる。したがって、トルク変動の低減を図りつつも、それぞれの回転位置で作用するトルクに変化を持たせて、種々の要求に適合するトルク特性を設定することができる。
【0011】
上記構成において、ロータとヨークとの間に配置されて磁束の変化を検出する磁気センサを有する、構成を採用できる。
この構成によれば、磁気センサによりロータの回転角度位置を検出することができ、又、変動幅が低減されたあるいは平坦化されたトルクが作用するため高精度な検出が行なえる。
【0012】
本発明のカメラ用絞り装置は、露光用の開口部を形成する基板と、基板に移動自在に配置されて開口部を所望の口径に絞るための絞り羽根と、絞り羽根を駆動する駆動源とを備えたカメラ用絞り装置であって、上記駆動源は、外周面を二分するようにN極及びS極に着磁され所定の角度範囲を回動して駆動力を出力するロータと、ロータの周りに磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、ロータを初期位置に復帰させるべくロータの周方向において離隔した位置に配置されかつロータに対して同一方向への回転付勢力を及ぼす複数の磁性ピンからなり、この複数の磁性ピンは、ロータが初期位置にあるとき一方の磁極の磁極中心と対向するように配置された第1磁性ピンと、ロータが最大回転位置にあるときに両磁極の境界部分と対向するように配置された第2磁性ピンと、を有することを特徴としている。
この構成によれば、複数の磁性ピン(第1磁性ピン及び第2磁性ピン)による合成トルクは、変動幅が低減されあるいは平坦化されるため、ロータは作動範囲において安定して回転する。したがって、このロータにより駆動される絞り羽根は、安定した高精度な絞り動作を行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態を示すものである。この電磁アクチュエータは、図1に示すように、外周面を二分するようにN極及びS極に着磁されたロータ10、ロータ10の周りに磁路を形成する円筒状のヨーク20、励磁用のコイル30、ロータ10を初期位置に向けて付勢する磁気的吸引力を及ぼす磁性体としての第1磁性ピン40及び第2磁性ピン50、ロータ10とヨーク20との間に配置されて磁束を検出する磁気センサとしてのホール素子60等を備えている。
【0014】
ロータ10は、図1に示すように、略円柱状をなす着磁部10a、着磁部10aの回転中心から偏倚した位置に一体的に形成されて外部に駆動力を伝える駆動ピン10bを有し、所定の角度範囲θ(作動角度)を回動し得るように、上枠70及び下枠80により支持されている。
着磁部10aは、回転中心を通る面により(それぞれ中心角180°にて)二分される一方の半体がN極に着磁され、他方の半体がS極に着磁されている。そして、それぞれの磁極中心Pn,Psにて磁力が最も大きく、両磁極の境界部分Pb1,Pb2にて磁力が最も小さくなっている。
したがって、磁極中心Pn,Psと対向する位置あるいは境界部分Pb1,Pb2と対向する位置に磁性ピン40,50が位置するとき、ロータ10を回転させようとするトルクは発生しない。
【0015】
図1(a)に示すように、第1磁性ピン40は、ロータ10が初期位置θoにあるとき、N極の磁極中心Pnと対向する位置に配置されている。第2磁性ピン50は、ロータ10が時計回りに回転した最大回転位置θmaxにあるとき、両磁極の境界部分Pb1と対向する位置に配置されている。
すなわち、第1磁性ピン40と第2磁性ピン50とは、両者の中心角が直角(90°)+作動角度θとなるように、ロータ10の周方向(回転方向)において離隔した位置に配置されている。
【0016】
第1磁性ピン40と第2磁性ピン50とは、ロータ10が作動角度θの範囲内にあるとき、第1磁性ピン40が磁極中心Pnを反時計回りに引き付けかつ第2磁性ピン50が磁極中心Psを反時計回りに引き付けるように、すなわち、ロータ10に対して共に反時計回りに(同一方向への)回転付勢力を及ぼすようになっている。また、第1磁性ピン40と第2磁性ピン50とは、同一の寸法(同一径及び同一長さ)すなわち同一の体積に形成されている。したがって、ロータ10に対して作用する磁気的吸引力は同一となる。
【0017】
次に、この電磁アクチュエータの動作及びトルク特性を、図2及び図3に基づき説明する。ここで、ロータ10の作動角度θは45°とする。
図2(a)に示すように、非通電の状態でロータ10が初期位置θoにあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnに対向する位置にあり、トルクを発生しない。一方、第2磁性ピン50は磁極中心Psから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Psと境界部分Pb1との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図3中のP1点で示す値Tcとなる。尚、ロータ10は、初期位置θoにおいて、ストッパ(不図示)で位置決めされている。
【0018】
図2(b)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに22.5°(作動角度θの半分)回転した位置にあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnから反時計回りに22.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。一方、第2磁性ピン50は磁極中心Psから反時計回りに67.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図3中のP2点で示す値Tcとなる。
【0019】
図2(c)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに45°(作動角度θ)回転した最大回転位置θmaxにあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Pnと境界部分Pb2との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。一方、第2磁性ピン50は境界部分Pb1と対向する位置にあり、トルクを発生しない。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図3中のP3点で示す値Tcとなる。
【0020】
このように、ロータ10が初期位置θoから最大回転位置θmaxまでの作動角度45°を回転する間において、第1磁性ピン40と第2磁性ピン50とが及ぼす合成トルク(反時計回りの回転トルク)は、図3に示すように、変動のない一定値Tcとなる。したがって、ロータ10が作動範囲を回動する際に負荷変動がないため、ロータ10は安定して回転する。
【0021】
図4及び図5は、他の実施形態に係る電磁アクチュエータの動作及びトルク特性を示すものである。この実施形態においては、第1磁性ピン40よりも小さい体積の第2磁性ピン50´を採用した以外は、前述の実施形態と同一であり、それ故に同一の構成については説明を省略する。
【0022】
この電磁アクチュエータにおいては、図4(a)に示すように、非通電の状態でロータ10が初期位置θoにあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnに対向する位置にあり、トルクを発生しない。一方、第2磁性ピン50´は磁極中心Psから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Psと境界部分Pb1との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図5中のP1点で示す値Tsとなる。
【0023】
図4(b)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに22.5°(作動角度θの半分)回転した位置にあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnから反時計回りに22.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。一方、第2磁性ピン50´は磁極中心Psから反時計回りに67.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図5中のP2点で示す値(Ts+Th)/2となる。
【0024】
図4(c)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに45°(作動角度θ)回転した最大回転位置θmaxにあるとき、第1磁性ピン40は磁極中心Pnから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Pnと境界部分Pb2との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。一方、第2磁性ピン50´は境界部分Pb1と対向する位置にあり、トルクを発生しない。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図5中のP3点で示す値Thとなる。
【0025】
このように、ロータ10が初期位置θoから最大回転位置θmaxまでの作動角度45°を回転する間において、第1磁性ピン40と第2磁性ピン50´とが及ぼす合成トルク(反時計回りの回転トルク)は、図5に示すように、初期位置θoでTs〜最大回転位置θmaxでTh(Ts<Th)となり、作動範囲においてΔTのトルク変動を生じる。
【0026】
すなわち、全体としてトルク変動を抑制しつつも、初期位置θoよりも最大回転位置θmaxでのトルクがΔTだけ大きくなるようにトルク特性を設定するものである。したがって、ロータ10の回転制御において、最大回転位置θmax側で特に負荷を大きくしてロータ10を確実に停止させるような場合、あるいは、初期位置θo側で小さい負荷とし最大回転位置θmax側で大きな負荷を要するような駆動源として適用されるのに好適である。
【0027】
図6及び図7は、さらに他の実施形態に係る電磁アクチュエータの動作及びトルク特性を示すものである。この実施形態においては、第2磁性ピン50よりも小さい体積の第1磁性ピン40´をした採用した以外は、図1及び図2に示す実施形態と同一であり、それ故に同一の構成については説明を省略する。
【0028】
この電磁アクチュエータにおいては、図6(a)に示すように、非通電の状態でロータ10が初期位置θoにあるとき、第1磁性ピン40´は磁極中心Pnに対向する位置にあり、トルクを発生しない。一方、第2磁性ピン50は磁極中心Psから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Psと境界部分Pb1との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図7中のP1点で示す値Thとなる。
【0029】
図6(b)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに22.5°(作動角度θの半分)回転した位置にあるとき、第1磁性ピン40´は磁極中心Pnから反時計回りに22.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。一方、第2磁性ピン50は磁極中心Psから反時計回りに67.5°離れた位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図7中のP2点で示す値(Th+Ts)/2となる。
【0030】
図6(c)に示すように、通電状態でロータ10が時計回りに45°(作動角度θ)回転した最大回転位置θmaxにあるとき、第1磁性ピン40´は磁極中心Pnから反時計回りに45°離れた位置すなわち磁極中心Pnと境界部分Pb2との中間位置にあり、ロータ10を反時計回りに回転させようとする最大トルクを発生する。一方、第2磁性ピン50は境界部分Pb1と対向する位置にあり、トルクを発生しない。このとき、ロータ10に作用する合成トルクは、図7中のP3点で示す値Tsとなる。
【0031】
このように、ロータ10が初期位置θoから最大回転位置θmaxまでの作動角度45°を回転する間において、第1磁性ピン40´と第2磁性ピン50とが及ぼす合成トルク(反時計回りの回転トルク)は、図7に示すように、初期位置θoでTh〜最大回転位置θmaxでTs(Th>Ts)となり、作動範囲においてΔTのトルク変動を生じる。
【0032】
すなわち、全体としてトルク変動を抑制しつつも、最大回転位置θmaxよりも初期位置θoでのトルクがΔTだけ大きくなるようにトルク特性を設定するものである。したがって、ロータ10の回転制御において、初期位置θo側で特に負荷(磁気的吸引力)を大きくしてロータ10を確実に停止させるような場合、あるいは、初期位置θo側で大きな負荷を要し最大回転位置θmax側で小さい負荷とするような駆動源として適用されるのに好適である。
【0033】
図8ないし図13は、本発明に係るカメラ用絞り装置の一実施形態を示すものであり、図8ないし図11は概略構成及び動作を示す図、図12及び図13は電磁アクチュエータの動作及びトルク特性を示す図である。
この絞り装置は、図8及び図9に示すように、露光用の開口部100a,110a,120aを形成する基板として地板100、中間板110及び押え板120、地板100に移動自在に配置されて開口部100a,110a,120aを所望の口径に絞るための5枚の絞り羽根130、絞り羽根130に連結された駆動リング140、駆動リング140を回転駆動する駆動源としての電磁アクチュエータ150等を備えている。
尚、この装置においては、中間板110と押え板120との間にシャッタ羽根(不図示)が配置され、又、このシャッタ羽根を駆動する電磁駆動源が設けられて、シャッタ機構も備えるようになっているが、ここでの説明は省略する。
【0034】
絞り羽根130は、地板100の支軸101に揺動自在に支持され、後述する駆動リング140のピン141が長孔131に連結されている。
駆動リング140は、環状をなし、周方向において等間隔で設けられた5個のピン141及びU字状の被駆動部142を有し、地板100に対して回動自在に支持されている。
【0035】
電磁アクチュエータ150は、図8及び図9に示すように、外周面を二分するようにN極及びS極に着磁されたロータ151、ロータ151の周りに磁路を形成する円筒状のヨーク152、励磁用のコイル153、ロータ151を初期位置に向けて付勢する磁気的吸引力を及ぼす磁性体としての第1磁性ピン154及び第2磁性ピン155、ロータ151とヨーク152との間に配置されて磁束を検出する磁気センサとしてのホール素子156等を備えている。
【0036】
ロータ151は、図8及び図9に示すように、略円柱状をなす着磁部151a、着磁部151aの回転中心から偏倚した位置に一体的に形成されて被駆動部142に連結される駆動ピン151bを有し、作動角度θ=50°の角度範囲を回動し得るように、上枠157及び下枠158により支持されている。
【0037】
着磁部151aは、回転中心を通る面により(それぞれ中心角180°にて)二分される一方の半体がN極に、他方の半体がS極に着磁されている。そして、磁極中心Pn,Psにて磁力が最も大きく、両磁極の境界部分Pb1,Pb2にて磁力が最も小さくなっている。
したがって、磁極中心Pn,Psと対向する位置あるいは境界部分Pb1,Pb2と対向する位置に第1磁性ピン154及び第2磁性ピン155が位置するとき、ロータ151を回転させようとするトルクは発生しない。
【0038】
第1磁性ピン154は、図10に示すように、ロータ151が初期位置θoにあるとき、S極の磁極中心Psと対向する位置に配置されている。第2磁性ピン155は、図11に示すように、ロータ151が時計回りに回転した最大回転位置θmaxにあるとき、両磁極の境界部分Pb1と対向する位置に配置されている。すなわち、第1磁性ピン154と第2磁性ピン155とは、両者の中心角が直角(90°)+作動角度θ(50°)となるように、ロータ151の周方向(回転方向)において離隔した位置に配置されている。
【0039】
第1磁性ピン154と第2磁性ピン155とは、ロータ151が作動範囲内にあるとき、第1磁性ピン154が磁極中心Psを反時計回りに引き付けかつ第2磁性ピン155が磁極中心Pnを反時計回りに引き付けるように、すなわち、ロータ151に対して共に反時計回りに(同一方向への)回転付勢力を及ぼすようになっている。
【0040】
また、第1磁性ピン154と第2磁性ピン155とは、第1磁性ピン154が大径で短いもの、第2磁性ピン155が小径で長いものが用いられ、両者の体積は同一となるように形成されている。したがって、ロータ151に対して作用する磁気的吸引力は同一となる。
【0041】
次に、電磁アクチュエータ150の動作及びトルク特性を図12及び図13に基づき、又、絞り羽根130の動作を図10及び図11を参照しつつ説明する。尚、図12において、第1磁性ピン154と第2磁性ピン155とは、同一の磁気的吸引力を及ぼすため同一の大きさで表されている。
【0042】
図12(a)に示すように、非通電の状態でロータ151がストッパにより停止して初期位置θoにあるとき、第1磁性ピン154は磁極中心Psに対向する位置にあり、トルクを発生しない。一方、第2磁性ピン155は境界部分Pb1から時計回りに50°(磁極中心Pnから反時計回りに40°)離れた位置にあり、ロータ151を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。このとき、ロータ151に作用する合成トルクは、図13中のP1点で示す値Tsとなる。
また、ロータ151が初期位置θoにあるとき、図10に示すように、絞り羽根130は開口部100aを全開した状態にある。
【0043】
図12(b)に示すように、通電状態でロータ151が時計回りに25°(作動角度θの半分)回転した位置にあるとき、第1磁性ピン154は磁極中心Psから反時計回りに25°離れた位置にあり、ロータ151を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。一方、第2磁性ピン155は境界部分Pb1から時計回りに25°(磁極中心Pnから反時計回りに65°)離れた位置にあり、ロータ151を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。このとき、ロータ151に作用する合成トルクは、図13中のP2点で示す値Thとなる。
また、ロータ151がこの中間位置にあるとき、絞り羽根130は開口部100aを途中の口径に絞った状態にある。
【0044】
図12(c)に示すように、通電状態でロータ151が時計回りに50°(作動角度θ)回転した最大回転位置θmaxにあるとき、第1磁性ピン154は磁極中心Psから反時計回りに50°離れた位置にあり、ロータ151を反時計回りに回転させようとするトルクを発生する。一方、第2磁性ピン155は境界部分Pb1と対向する位置にあり、トルクを発生しない。このとき、ロータ151に作用する合成トルクは、図13中のP3点で示す値Tsとなる。
また、ロータ151が最大回転位置θmaxにあるとき、図11に示すように、絞り羽根130は開口部100aを最も絞った状態にある。
【0045】
このように、ロータ151が初期位置θoから最大回転位置θmaxまでの作動角度50°を回転する間において、第1磁性ピン154と第2磁性ピン155とが及ぼす合成トルク(反時計回りの回転トルク)は、図13に示すように、初期位置θoで最小値Ts、回転角度5°〜45°の範囲で最大値Th、最大回転位置θmaxで最小値Tsとなり、作動範囲においてトルク変動ΔT(=Th−Ts)を生じるものの、回転角度5°〜45°の幅広い範囲において一定値Thとなる。すなわち、作動範囲の両端側において僅かな負荷変動があるものの、殆どの領域において負荷変動(トルク変動)がないため、ロータ151は安定して回転することができる。
【0046】
したがって、ホール素子156により磁束の変化を検出しつつ、ロータ151の回転位置をフィードバック制御して、最適な露光量が得られるように絞り口径を自動的に制御する際に、上記のように、作動範囲の殆どの領域において負荷変動(トルク変動)がないため、ロータ151が通電に応じて安定して回転することになる。これにより、露光量に応じた絞り口径となるように、高精度な絞り制御を行なうことができる。
【0047】
上記実施形態においては、ロータ10,151の周りに配置する複数の磁性ピンとして、2本の磁性ピン40(40´),50(50´)、154,155を示したが、これに限定されるものではなく、ロータ10,151に対して、周方向において相互に離隔した位置に配置されかつ同一方向への回転付勢力を及ぼすものである限り、3本以上の磁性ピンを適用することも可能である。
【0048】
上記実施形態においては、ロータ10,151の作動角度θとして、45°、50°の場合を示したが、これに限定されるものではなく、45°以下の角度、あるいは、50°以上の角度を採用することも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電磁アクチュエータによれば、二極に着磁されたロータの周りにおいて、ロータの周方向において離隔した位置に配置されかつロータに対して同一方向への回転付勢力を及ぼす複数の磁性ピン(第1磁性ピン及び第2磁性ピン)を設けたことにより、ロータに作用するトルク(合成トルク)は、変動幅が低減されあるいは平坦化される。これにより、ロータは作動範囲において安定した回転が可能となる。
特に、この電磁アクチュエータを駆動源として用いたカメラ用絞り装置によれば、安定した高精度な絞り動作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態を示すものであり、(a)は上面図、(b)は縦断面図である。
【図2】図1に示す電磁アクチュエータの動作を示すものであり、(a)ロータが初期位置にある状態、(b)はロータが作動範囲の中間位置まで回転した状態、(c)はロータが最大回転位置にある状態、をそれぞれ示す。
【図3】図1に示す電磁アクチュエータに設けられた磁性ピンのトルク特性を示す図である。
【図4】他の実施形態に係る電磁アクチュエータの動作を示すものであり、(a)ロータが初期位置にある状態、(b)はロータが作動範囲の中間位置まで回転した状態、(c)はロータが最大回転位置にある状態、をそれぞれ示す。
【図5】図4に示す電磁アクチュエータに設けられた磁性ピンのトルク特性を示す図である。
【図6】さらに他の実施形態に係る電磁アクチュエータの動作を示すものであり、(a)ロータが初期位置にある状態、(b)はロータが作動範囲の中間位置まで回転した状態、(c)はロータが最大回転位置にある状態、をそれぞれ示す。
【図7】図6に示す電磁アクチュエータに設けられた磁性ピンのトルク特性を示す図である。
【図8】本発明に係るカメラ用絞り装置の一実施形態を示す正面図である。
【図9】図8に示すカメラ用絞り装置の縦断面図である。
【図10】図8に示すカメラ用絞り装置の内部を示すものであり、絞り羽根が開いて初期位置にある状態を示す透視図である。
【図11】図8に示すカメラ用絞り装置の内部を示すものであり、絞り羽根が作動して最大絞り位置にある状態を示す透視図である。
【図12】図8に示すカメラ用絞り装置に用いられた電磁アクチュエータの動作を示すものであり、(a)ロータが初期位置にある状態、(b)はロータが作動範囲の中間位置まで回転した状態、(c)はロータが最大回転位置にある状態、をそれぞれ示す。
【図13】図12に示す電磁アクチュエータに設けられた磁性ピンのトルク特性を示す図である。
【図14】従来の電磁アクチュエータの動作を示すものであり、(a)ロータが初期位置にある状態、(b)はロータが作動範囲の中間位置まで回転した状態、(c)はロータが最大回転位置にある状態、をそれぞれ示す。
【図15】図14に示す従来の電磁アクチュエータに設けられた磁性ピンのトルク特性を示す図である。
【符号の説明】
10,151 ロータ
10a,151a 着磁部
10b,151b 駆動ピン
20,152 ヨーク
30,153 コイル
40,40´,154 第1磁性ピン(磁性体)
50,50´,155 第2磁性ピン(磁性体)
60,156 ホール素子(磁気センサ)
100 地板(基板)
100a 開口部
130 絞り羽根
140 駆動リング
150 電磁アクチュエータ(駆動源)
Pn,Ps 磁極中心
Pb1,Pb2 両磁極の境界部分

Claims (5)

  1. 外周面を二分するようにN極及びS極に着磁され所定の角度範囲を回動して駆動力を出力するロータと、前記ロータの周りに磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、前記ロータを初期位置に向けて付勢する磁気的吸引力を及ぼす磁性体と、を備えた電磁アクチュエータであって、
    前記磁性体は、前記ロータの周方向において離隔した位置に配置されかつ前記ロータに対して同一方向への回転付勢力を及ぼす複数の磁性ピンからなり、
    前記複数の磁性ピンは、前記ロータが初期位置にあるとき一方の磁極の磁極中心と対向するように配置された第1磁性ピンと、前記ロータが最大回転位置にあるときに両磁極の境界部分と対向するように配置された第2磁性ピンと、を有する、
    ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記第1磁性ピン及び前記第2磁性ピンは、両者の中心角が前記ロータの作動角度に直角を加えた角度となる位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記第1磁性ピン及び第2磁性ピンは、磁気的吸引力を異ならせるべく体積が異なる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ。
  4. 前記ロータと前記ヨークとの間に配置されて磁束の変化を検出する磁気センサを有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の電磁アクチュエータ。
  5. 露光用の開口部を形成する基板と、前記基板に移動自在に配置されて前記開口部を所望の口径に絞るための絞り羽根と、前記絞り羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用絞り装置であって、
    前記駆動源は、外周面を二分するようにN極及びS極に着磁され所定の角度範囲を回動して駆動力を出力するロータと、前記ロータの周りに磁路を形成するヨークと、励磁用のコイルと、前記ロータを初期位置に復帰させるべく前記ロータの周方向において離隔した位置に配置されかつ前記ロータに対して同一方向への回転付勢力を及ぼす複数の磁性ピンからなり、
    前記複数の磁性ピンは、前記ロータが初期位置にあるとき一方の磁極の磁極中心と対向するように配置された第1磁性ピンと、前記ロータが最大回転位置にあるときに両磁極の境界部分と対向するように配置された第2磁性ピンと、を有する、
    ことを特徴とするカメラ用絞り装置。
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