JP4105878B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の角度範囲で回転駆動力を発生する電磁アクチュエータに関し、特に、カメラ用のシャッタ装置あるいは絞り装置等の駆動源として適用される電磁アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁アクチュエータとしては、2極(N極及びS極)に着磁されて所定の角度(作動範囲)を往復動自在なロータ、ロータの外周面に対向するように配置された磁極部をもつヨーク、ヨークに巻回された励磁用のコイル等を備えたものが知られている。
そして、ロータは、非通電時に作動範囲の一端(初期位置)にて停止し、通電時に作動範囲の他端(最大回転位置)まで回転し、非通電あるいは逆通電により一端に復帰し、あるいは、非通電とされても磁気的吸引力により他端にて停止する。すなわち、ロータは、作動範囲の両端位置(2箇所の位置)において停止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の電磁アクチュエータをカメラのシャッタ羽根及び絞り羽根の駆動源として適用する場合、例えば、ロータを作動範囲の途中まで回転させて絞り羽根を作動させようとすると、ロータを途中で停止させるための複雑な停止機構等が必要になり、部品点数の増加による高コスト化、装置の大型化等を招くことになる。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、複雑な停止機構等を採用せずに、構造の簡略化、低コスト化等を図りつつ、ロータを作動範囲の両端以外の途中においても停止させることができる電磁アクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁アクチュエータは、ストッパにより規制されて所定の作動範囲を回動して駆動力を出力するロータ、磁路を形成するヨーク、励磁用のコイル、ヨークの両端部においてロータの外周面に対向するように形成されかつコイルへの通電時に互いに異なる磁極を生じる第1磁極部及び第2磁極部を備えた電磁アクチュエータであって、上記ロータは、外周面を4等分するようにそれぞれ2つのN極及びS極からなる4つの磁極に着磁されたマグネットを有し、上記第1磁極部及び第2磁極部は、非通電の状態において、ロータを作動範囲の両端位置に保持するべくストッパに向けて付勢する磁気的付勢力を生じるように、かつ、ロータを作動範囲の途中位置に保持するべく拮抗する磁気的付勢力を生じるように、ロータの回転中心線と直交すると共にロータの作動範囲を2等分する中間位置を通る直線と直交する直線に対して線対称に形成された一対の磁極片を、それぞれ有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、4つの磁極からなるマグネットをもつロータと4つの磁極片(第1磁極部の一対の磁極片及び第2磁極部の一対の磁極片)との間に生じる磁気的付勢力により、ロータは作動範囲の両端位置及び途中位置の3箇所に停止させられる。
特に、両端位置への位置決めを磁気的付勢力と対峙するストッパで規制し、途中位置への位置決めを拮抗する磁気的付勢力のみにより規制するため、構造の簡略化を行ないつつ、3箇所での位置決めが可能となる。
また、途中位置を、作動範囲の中間位置に対応させることができるため、作動角度をθとするとき、ロータをθ/2の角度位置に停止させることができる。
【0008】
上記構成において、第1磁極部の一対の磁極片及び第2磁極部の一対の磁極片は、ロータが途中位置にあるとき、マグネットの4つの磁極の磁極中心との間でそれぞれ磁気的付勢力を生じるように、かつ、ロータが両端位置にあるとき、第1磁極部の一対の磁極片及び第2磁極部の一対の磁極片のうちそれぞれ一方の磁極片のみが、マグネットの2つの磁極の磁極中心との間でそれぞれ磁気的付勢力を生じるように、形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、ロータが途中位置(中間位置)にあるとき、第1磁極部の一対の磁極片がロータに対して拮抗する(逆向きのトルクを生じる)磁気的付勢力を及ぼし、かつ、第2磁極部の一対の磁極片がロータに対して拮抗する(逆向きのトルクを生じる)磁気的付勢力を及ぼす。これにより、ロータは、磁気的付勢力だけで途中位置(中間位置)に停止できる。また、ロータが両端位置にあるとき、第1磁極部の一方の磁極片及び第2磁極部の一方の磁極片が、それぞれロータをストッパに向けて押し付ける磁気的付勢力を及ぼす。これにより、ロータは、磁気的付勢力だけで両端位置に停止できる。
【0009】
上記構成において、コイルへの通電を制御する制御手段を有し、制御手段は、ロータを途中位置に停止させる際に、両端位置に停止させる際の通電時間よりも短いパルス通電を行なう、構成を採用できる。
この構成によれば、ロータの回転動作を微調整できるため、ロータを途中位置(中間位置)に確実に停止させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図5は、本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態を示すものであり、図1は構成図、図2ないし図5は作用及び動作の説明図である。
この電磁アクチュエータは、図1に示すように、所定の作動範囲を回動して駆動力を出力するロータ10、磁路を形成するヨーク20、ヨーク20に対しボビン30aを介して巻回された励磁用のコイル30等を備えている。
【0011】
ロータ10は、図1に示すように、外周面を4等分するようにそれぞれ2つのN極及びS極に着磁された略円柱状をなすマグネット11、マグネット11の回転中心から径方向外側に突出して形成された腕部12、腕部12に一体的に形成されて外部に駆動力を伝える駆動ピン12aを有する。
【0012】
そして、ロータ10は、腕部12がストッパ40に当接して時計回りの回転が規制される一端位置(例えば、初期位置θo)と、腕部12がストッパ50に当接して反時計回りの回転が規制される他端位置(例えば、最大回転位置θmax)との間の所定の角度(作動角度θ)を作動範囲として、往復動(回動)するように支持されている。
【0013】
マグネット11は、図1に示すように、回転中心線Cを通ると共に直交する2つの面により(それぞれ90°にて)4等分される2つの部分がN極に着磁され、他の2つの部分がS極に着磁されている。そして、4つの磁極の磁極中心Pn1,Pn2,Ps1,Ps2にて磁力が最も大きく、4つの磁極の境界部分Pb1,Pb2,Pb3,Pb4にて磁力が最も小さくなっている。
【0014】
ヨーク20は、図1に示すように、略U字形状に形成され、その両端部において、ロータ10の外周面に対向するように形成された第1磁極部21及び第2磁極部22を有する。第1磁極部21は、ロータ10に向けて突出した一対の磁極片21a,21bを有する。第2磁極部22は、ロータ10に向けて突出した一対の磁極片22a,22bを有する。
一対の磁極片21a,21bと一対の磁極片22a,22bとは、図1に示すように、ロータ10の回転中心線Cと直交する直線L(作動範囲θを2等分する中間位置θmを通る直線と直交する直線)に対して、それぞれ線対称となるように形成されている。
【0015】
コイル30への非通電の状態において、第1磁極部21及び第2磁極部22がロータ10に及ぼす磁気的付勢力について説明すると、先ず、図2(a)に示すように、ロータ10が一端位置(初期位置θo)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21bが磁極中心Pn2を時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22bが磁極中心Ps2を時計回りに引き付ける。すなわち、第1磁極部21及び第2磁極部22は、ロータ10に対して共に時計回りの磁気的付勢力を及ぼす。したがって、ロータ10は、ストッパ40により時計回りの回転が規制されて、一端位置θoに位置決め保持される。
【0016】
図2(b)に示すように、ロータ10が作動範囲の途中位置である中間位置θm(=θ/2)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21aが磁極中心Pn1を時計回りに引き付け、第1磁極部21の磁極片21bが磁極中心Ps1を反時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22aが磁極中心Ps2を時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22bが磁極中心Pn2を反時計回りに引き付ける。
【0017】
すなわち、磁極片21aが及ぼす磁気的付勢力と磁極片21bが及ぼす磁気的付勢力とはお互いに拮抗した関係にあり、又、磁極片22aが及ぼす磁気的付勢力と磁極片22bが及ぼす磁気的付勢力とはお互いに拮抗した関係にある。したがって、ロータ10は、回転することなく、中間位置θmに停止して位置決め保持される。
【0018】
図2(c)に示すように、ロータ10が他端位置(最大回転位置θmax)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21aが磁極中心Ps2を反時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22aが磁極中心Pn2を反時計回りに引き付ける。すなわち、第1磁極部21及び第2磁極部22は、ロータ10に対して共に反時計回りの磁気的付勢力を及ぼす。したがって、ロータ10は、ストッパ50により反時計回りの回転が規制されて、他端位置θmaxに位置決め保持される。
【0019】
第1磁極部21及び第2磁極部22の形状は、図3に示すように、第1磁極部21の一対の磁極片21a,21bのそれぞれの占有角度をθ1、第2磁極部22の一対の磁極片22a,22bのそれぞれの占有角度をθ2、一対の磁極片21a,21b同士がなす中心角度をθ3、一対の磁極片22a,22b同士がなす中心角度をθ4で表すと、θ1が20°〜30°の範囲好ましくは約22°であり、θ2が20°〜30°の範囲好ましくは約25°であり、θ3が135°〜145°の範囲好ましくは約140°であり、θ4が40°〜50°の範囲好ましくは約45°である。
【0020】
また、図3に示すように、ロータ10が中間位置θmにあるとき、第1磁極部21の一対の磁極片21a,21bの端面と境界部分Pb1,Pb3及び回転中心線Cを通る直線とのなす角度をθ5、第2磁極部22の一対の磁極片22a,22bの端面と磁極中心Ps2,Pn2及び回転中心線Cを通る直線とのなす角度をθ6で表すと、θ5が5°〜15°好ましくは約10°であり、θ6が5°〜15°好ましくは約10°である。
【0021】
次に、電磁アクチュエータの動作について、図4及び図5に基づき説明する。先ず、非通電の状態で、ロータ10は、図4(a)に示すように、一端位置(初期位置θo)に位置している。このとき、磁極片21bがN極の磁極中心Pn2を時計回りに引き付け、かつ、磁極片22bが隣接するS極の磁極中心Ps2を時計回りに引き付けており、ロータ10は、全体として時計回りの磁気的付勢力により、ストッパ40に当接し停止している。
【0022】
この状態で、コイル30が所定向きに通電されると、図4(b)に示すように、第1磁極部21の一対の磁極片21a,21bにN極が発生し、第2磁極部22の一対の磁極片22a,22bにS極が発生する。これにより、磁極片21a,22aはN極の磁極中心Pn1及びS極の磁極中心Ps2に対して反発力を生じ、磁極片21b,22bはS極の磁極中心Ps1及びN極の磁極中心Pn2に対して吸引力を生じる。したがって、ロータ10は反時計回りに回転し始める。
【0023】
この通電に際しては、両端位置に移動させる際の通電時間よりも短いパルス通電を行なうことで、図4(c)に示すように、ロータ10を中間位置θmまで回転させる。そして、ロータ10が中間位置θmに達した時点であるいは直前に通電を断つと、図4(d)に示すように、第1磁極部21及び第2磁極部22に発生していた磁極(N極、S極)が消滅し、第1磁極部21の一対の磁極片21a,21bと第2磁極部22の一対の磁極片22a,22bとは、前述したようにロータ10に対し逆向きに拮抗する磁気的付勢力を及ぼす。これにより、ロータ10は中間位置θmに停止し、位置決め保持される。
【0024】
続いて、図5(a)に示すように、ロータ10が中間位置θmに停止した状態から、再びコイル30が同一の向きに通電されると、図5(b)に示すように、第1磁極部21の一対の磁極片21a,21bにN極が発生し、第2磁極部22の一対の磁極片22a,22bにS極が発生する。これにより、磁極片21a,22aはN極の磁極中心Pn1及びS極の磁極中心Ps2に対して反発力を生じ、磁極片21b,22bはS極の磁極中心Ps1及びN極の磁極中心Pn2に対して吸引力を生じる。したがって、ロータ10は反時計回りに回転し始める。
【0025】
そして、図5(c)に示すように、腕部12がストッパ50に当接すると、ロータ10は反時計回りの回転が規制され、他端位置(最大回転位置θmax)に位置決め保持される。この通電に際しては、中間位置θmにロータ10を移動させる際の通電時間よりも長いパルス通電を行なうことで、ロータ10を素早く移動させることができる。
【0026】
ロータ10が他端位置θmaxに達した後、コイル30への通電を断つと、図5(d)に示すように、第1磁極部21及び第2磁極部22に発生していた磁極(N極、S極)が消滅し、磁極片21aがS極の磁極中心Ps2を反時計回りに引き付け、かつ、磁極片22aが隣接するN極の磁極中心Pn2を反時計回りに引き付け、全体としてロータ10に対し反時計回りの磁気的付勢力が生じる。したがって、ロータ10は、ストッパ50により反時計回りの回転が規制されて、他端位置θmaxに位置決め保持される。
【0027】
一方、コイル30に逆向きで同様の通電を行なうと、第1磁極部21にS極が発生し第2磁極部22にN極が発生して、ロータ10は時計回りに回転し、前述同様の拮抗する磁気的付勢力により中間位置θmに位置決めされて停止し、続いて前述同様の通電を行なうと、一端位置θoに停止して、位置決め保持される。
【0028】
このように、ロータ10に4つの磁極(2つのN極及びS極)をもつマグネット11を設け、このマグネット11の外周面に対して磁気的付勢力を及ぼす第1磁極部21(一対の磁極片21a,21b)と第2磁極部22(一対の磁極片22a,22b)を設けたことにより、ロータ10を作動範囲の両端位置θo,θmax及び中間位置θmの3箇所の位置で停止させることができる。
【0029】
図6ないし図10は、デジタルカメラに搭載されるカメラ用シャッタ装置を示すものであり、駆動源として前述の電磁アクチュエータが用いられている。
この装置は、図6に示すように、露光用の開口部100aを形成する地板100、地板100に配置された電磁アクチュエータ110、開口部100aを開閉するシャッタ羽根120、開口部100aを所定の口径に絞る絞り羽根130、絞り羽根130を時計回りに付勢するスプリング140、コイル30への通電を制御する制御部(制御手段)等を備えている。
電磁アクチュエータ110は、地板100に設けられたストッパ(不図示)により作動範囲の両端位置θo,θmaxで停止させられる以外は、前述同様の構成をなすものであるため、ここでの説明は省略する。
【0030】
シャッタ羽根120は、図6に示すように、第1シャッタ羽根121及び第2シャッタ羽根122の2枚羽根からなり、両者が協働して開口部100aを開閉する。図7(a)に示すように、第1シャッタ羽根121は、支持孔121a、長孔121b,遮蔽部121cを有する。第2シャッタ羽根122は、支持孔122a、長孔122b,遮蔽部122cを有する。
そして、第1シャッタ羽根121及び第2シャッタ羽根122は、図8ないし図10に示すように、地板100の支軸101,102が支持孔121a,122aに挿入されて揺動自在となっている。また、長孔121b,122bには、ロータ10の駆動ピン12aが挿入されている。
【0031】
絞り羽根130は、図7(b)に示すように、支持孔131、駆動ピン12aが遊挿される連結孔132、所定の口径をなす絞り孔133を有する。そして、絞り羽根130は、図8ないし図10に示すように、支軸101が支持孔131に挿入されて揺動自在となっており、又、スプリング140の一端部141が縁部134に掛止されて、時計回りに回転するように付勢されている。
【0032】
次に、この装置の動作について、図8ないし図10に基づいて説明する。
先ず、待機状態において、ロータ10は、ストッパに当接して、図2(a)に示す一端位置(初期位置θo)に停止している。このとき、図8に示すように、駆動ピン12aは、長孔121,122及び連結孔132の下側縁部132aを介して、シャッタ羽根120及び絞り羽根130を開放位置に位置付けている。
【0033】
この状態で、光量センサ等に基づいて制御部が絞りを行なうと判断した場合、制御部はコイル30に対して通電時間が比較的短いパルス通電を行なう。これにより、ロータ10は、図2(b)に示す中間位置θmまで回転して停止する。このとき、駆動ピン12aが反時計回りに移動することで、図9に示すように、シャッタ羽根120は開口部100aの近傍まで移動し、又、絞り羽根130は開口部100aを絞る位置に移動してストッパ103に当接し停止する。
【0034】
この絞り状態は、コイル30への通電が断たれた後、第1磁極部21(一対の磁極片21a,21b)及び第2磁極部22(一対の磁極片22a,22b)が及ぼす拮抗する磁気的付勢力のみで保持される。
【0035】
その後、レリーズ動作が行なわれると、制御部がコイル30に対して同じ向きで通電時間が比較的長いパルス通電を行なう。これにより、ロータ10は、図2(c)に示す他端位置(最大回転位置θmax)まで反時計回りに回転し、ストッパに当接して位置決めされ停止する。
【0036】
このとき、駆動ピン12aが反時計回りに移動することで、図10に示すように、シャッタ羽根120は開口部100aを閉鎖する位置まで移動する。また、駆動ピン12aは連結孔132の内部を上側縁部132bに当接しない位置まで自由に移動するため、ストッパ103に当接した状態にある絞り羽根130は、開口部100aを絞る位置にそのまま保持される。このシャッタ羽根120の閉動作により、1回の撮影が完了する。
【0037】
その後、制御部がコイル30に対して逆向きで通電時間が比較的長いパルス通電を行なうことにより、ロータ10は、図2(c)に示す他端位置(最大回転位置θmax)から、中間位置θmを通過して、一端位置(初期位置θo)まで戻り停止する。この動作に伴なって、シャッタ羽根120及び絞り羽根130は、図8に示すように開放位置まで移動する。その後、次の撮影に向けて待機することになる。
【0038】
尚、制御部が絞りを行なわないと判断した場合、コイル30に通電時間が比較的長いパルス通電を行なうことで、ロータ10は、図2(a)に示す一端位置(初期位置θo)から図2(c)に示す他端位置(最大回転位置θmax)まで素早く回転する。このとき、シャッタ羽根120及び絞り羽根130は、図10に示す閉鎖位置及び絞り位置まで移動する。これにより、1回の撮影が完了する。
【0039】
上記のように、絞り羽根130を移動させて、絞り動作を行なわせるにあたり、磁気的付勢力だけでロータ10を中間位置θmに停止させることができるため、機械的な停止機構が不要になり、装置が簡略化される。その結果、装置の小型化、低コスト化、軽量化等を行なうことができる。
【0040】
図11は、本発明に係る電磁アクチュエータの他の実施形態を示すものであり、二つの磁性ピン60,70を設けた以外は、前述の電磁アクチュエータと同一であるため、同一の構成についての説明を省略する。
この電磁アクチュエータにおいては、図11に示すように、一端位置(初期位置θo)においてロータ10に時計回りの磁気的付勢力を及ぼす磁性ピン60と、他端位置(最大回転位置θmax)においてロータ10に反時計回りの磁気的付勢力を及ぼす磁性ピン70とが設けられている。
【0041】
コイル30への非通電の状態において、第1磁極部21及び第2磁極部22と磁性ピン60,70とが、ロータ10に及ぼす磁気的付勢力について説明すると、先ず、図11(a)に示すように、ロータ10が一端位置(初期位置θo)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21bが磁極中心Pn2を時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22bが磁極中心Ps2を時計回りに引き付ける。また、磁性ピン60が磁極中心Pn1を時計回りに引き付ける。
すなわち、第1磁極部21及び第2磁極部22と磁性ピン60とは、ロータ10に対して共に時計回りの磁気的付勢力を及ぼす。したがって、ロータ10は、ストッパ40により時計回りの回転が規制されて、より確実に一端位置θoに位置決め保持される。
【0042】
図11(b)に示すように、ロータ10が作動範囲の途中位置である中間位置θm(=θ/2)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21aが磁極中心Pn1を時計回りに引き付け、第1磁極部21の磁極片21bが磁極中心Ps1を反時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22aが磁極中心Ps2を時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22bが磁極中心Pn2を反時計回りに引き付ける。また、磁性ピン60が磁極中心Ps2を反時計回りに引き付け、磁性ピン70が磁極中心Pn2を時計回りに引き付ける。
【0043】
すなわち、磁極片21aが及ぼす磁気的付勢力と磁極片21bが及ぼす磁気的付勢力とはお互いに拮抗した関係にあり、又、磁極片22aが及ぼす磁気的付勢力と磁極片22bが及ぼす磁気的付勢力とはお互いに拮抗した関係にあり、さらに、磁性ピン60が及ぼす磁気的付勢力と磁性ピン70が及ぼす磁気的付勢力とはお互いに拮抗した関係にある。したがって、ロータ10は、回転することなく、中間位置θmに停止して位置決め保持される。
【0044】
図11(c)に示すように、ロータ10が他端位置(最大回転位置θmax)にあるとき、第1磁極部21の磁極片21aが磁極中心Ps2を反時計回りに引き付け、第2磁極部22の磁極片22aが磁極中心Pn2を反時計回りに引き付ける。また、磁性ピン70が磁極中心Ps1を反時計回りに引き付ける。
すなわち、第1磁極部21及び第2磁極部22と磁性ピン70とは、ロータ10に対して共に反時計回りの磁気的付勢力を及ぼす。したがって、ロータ10は、ストッパ50により反時計回りの回転が規制されて、より確実に他端位置θmaxに位置決め保持される。
【0045】
上記実施形態においては、電磁アクチュエータの一部をなす第1磁極部21及び第2磁極部22として、直線Lに対して線対称な配置構成を示したが、これに限定されるものではなく、ロータ10を途中位置で停止させるような磁気的付勢力を生じさせることができる限り、非対称な配置構成を採用してもよい。
また、ストッパ40、50の位置を調整して、作動範囲(作動角度θ)を相対的に移動させることにより、中間位置θmがθ/2ではなく作動範囲の途中位置(θm>θ/2、あるいは、θm<θ/2)に対応するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電磁アクチュエータによれば、ロータに4つの磁極からなるマグネットを設け、このマグネットの外周面に対向して形成されかつコイルへの通電時に互いに異なる磁極を生じる第1磁極部及び第2磁極部を、非通電の状態において、作動範囲の両端位置及び途中位置の3箇所にロータを停止させるように磁気的付勢力を生じる複数の磁極片としたことにより、両端位置に加えて、特別な機械的停止機構を用いることなく、磁気的付勢力だけでロータを途中位置に停止させることができる。
これにより、この電磁アクチュエータを、シャッタ羽根及び絞り羽根を備えたカメラのシャッタ装置等の駆動源として用いることで、装置の簡略化、低コスト化、軽量化、小型化等を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁アクチュエータの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す電磁アクチュエータのロータが非通電状態で停止する位置を示すものであり、(a)はロータが一端位置(初期位置)にある状態を示す図、(b)はロータが中間位置(途中位置)にある状態を示す図、(c)はロータが他端位置(最大回転位置)にある状態を示す図である。
【図3】ロータに対する第1磁極部及び第2磁極部の配置関係を示す図である。
【図4】電磁アクチュエータの動作を説明するためのものであり、(a)ないし(d)は、一端位置(初期位置)から中間位置まで移動する際の状態図である。
【図5】電磁アクチュエータの動作を説明するためのものであり、(a)ないし(d)は、中間位置から他端位置(最大回転位置)まで移動する際の状態図である。
【図6】本発明に係る電磁アクチュエータを搭載したカメラ用シャッタ装置を示す概略構成図である。
【図7】(a)はシャッタ羽根を示す平面図、(b)は絞り羽根を示す平面図である。
【図8】シャッタ羽根及び絞り羽根が開口部を開放した位置にある状態を示す平面図である。
【図9】絞り羽根が開口部を絞る位置にある状態を示す平面図である。
【図10】絞り羽根が絞り位置にあり、シャッタ羽根が開口部を閉鎖した位置にある状態を示す平面図である。
【図11】本発明に係る電磁アクチュエータの他の実施形態を示すものであり、(a)はロータが一端位置(初期位置)にある状態を示す図、(b)はロータが中間位置(途中位置)にある状態を示す図、(c)はロータが他端位置(最大回転位置)にある状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ロータ
11 マグネット
12a 駆動ピン
20 ヨーク
21 第1磁極部
21a 磁極片(一対の磁極片の一方)
21b 磁極片(一対の磁極片の他方)
22 第2磁極部
22a 磁極片(一対の磁極片の一方)
22b 磁極片(一対の磁極片の他方)
30 コイル
40,50 ストッパ
60,70 磁性ピン
100 地板
100a 開口部
110 電磁アクチュエータ
120 シャッタ羽根
130 絞り羽根
140 スプリング
θo 一端位置(初期位置)
θmax 他端位置(最大回転位置)
θm 中間位置(途中位置)
C ロータの回転中心線
L 回転中心線と直交する直線
θ 作動角度
Pn1,Pn2,Ps1,Ps2 磁極(N極、S極)の磁極中心
Pb1,Pb2,Pb3,Pb4 隣接する磁極同士の境界部分

Claims (3)

  1. ストッパにより規制されて所定の作動範囲を回動して駆動力を出力するロータ、磁路を形成するヨーク、励磁用のコイル、前記ヨークの両端部において前記ロータの外周面に対向するように形成されかつ前記コイルへの通電時に互いに異なる磁極を生じる第1磁極部及び第2磁極部、を備えた電磁アクチュエータであって、
    前記ロータは、外周面を4等分するように、それぞれ2つのN極及びS極からなる4つの磁極に着磁されたマグネット、を有し、
    前記第1磁極部及び前記第2磁極部は、非通電の状態において、前記ロータを前記作動範囲の両端位置に保持するべく前記ストッパに向けて付勢する磁気的付勢力を生じるように、かつ、前記ロータを前記作動範囲の途中位置に保持するべく拮抗する磁気的付勢力を生じるように、前記ロータの回転中心線と直交すると共に前記ロータの作動範囲を2等分する中間位置を通る直線と直交する直線に対して線対称に形成された一対の磁極片を、それぞれ有する、
    ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記第1磁極部の一対の磁極片及び前記第2磁極部の一対の磁極片は、前記ロータが前記途中位置にあるとき、前記マグネットの4つの磁極の磁極中心との間でそれぞれ磁気的付勢力を生じるように、かつ、前記ロータが前記両端位置にあるとき、前記第1磁極部の一対の磁極片及び前記第2磁極部の一対の磁極片のうちそれぞれ一方の磁極片のみが、前記マグネットの2つの磁極の磁極中心との間でそれぞれ磁気的付勢力を生じるように、形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記コイルへの通電を制御する制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記ロータを前記途中位置に停止させる際に、前記両端位置に停止させる際の通電時間よりも短いパルス通電を行なう、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ。
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