JP4021171B2 - 2輪4輪駆動切換え装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆるATV(All Terrain Vehicle)と称される不整地走行車両における2輪4輪駆動切換え装置、即ち、前輪へ伝達される動力の断続を行うことにより、後輪駆動の形態と4輪駆動の形態とに切換える装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2輪駆動と4輪駆動を切換えて走行できる不整地走行車両が知られている。図6および図7は、この不整地走行車両の一例を示すもので、これらの図において符号1で示す車両は、エンジン2が中央部に搭載される車体フレーム3と、この車体フレーム3の前部および後部の両側に配設される前輪4および後輪5と、前記車体フレーム3の前方上部に配設されて、前記前輪4の操舵を行うステアリングハンドル6と、前記エンジン2の上方で、前記車体フレーム3に取り付けられた燃料タンク7の後方に取り付けられたシート8とによって概略構成されている。
【0003】
前記各前輪4は、図7に示すように、前記車体フレーム3の前部両側部に設けられた懸架装置9によって上下動可能に支持され、また、前記各後輪5は、前記車体フレーム3の後部両側部に設けられた懸架装置10とによって、それぞれ上下可能に支持されている。
【0004】
また、前記車体フレーム3の前方中央部および後方中央部には、前記エンジン2にプロペラシャフト11、12によって連結された前輪用最終減速器13と後輪用最終減速器14が設けられ、これらの前輪用最終減速器13と後輪用最終減速器14のそれぞれに、左右の前輪4および左右の後輪5が接続されている。
【0005】
そして、たとえば、前記前輪用最終減速器13とプロペラシャフト11との間に、前記前輪4へ伝達される動力の断続を行い、後輪駆動の形態と4輪駆動の形態とに切換える2輪4輪駆動切換え装置が設けられている。
【0006】
この駆動形態の切換えは、路面状態や走行形態等に応じ、運転者によって適宜切換えられるものである。
【0007】
この2輪4輪駆動切換え装置として、たとえば、図8に示す構造のものが提案されている。
【0008】
この図において符号15で示す2輪4輪駆動切換え装置は、前輪用最終減速器13の入力軸16を軸方向に2分割して形成され、同一軸線上において突き合わされる2つの入力軸構成体16a・16bと、これらの接続と切り離しを行う切換えユニット17とによって構成されている。
【0009】
詳述すれば、前記前輪用最終減速器13側に位置させられる入力軸構成体16aの端面中央には円柱状の位置決め突起18が突設され、また、外側に位置させられる入力軸構成体16bの端面中央には、前記位置決め突起18が回転自在に嵌合させられる位置決め凹部19が形成され、両入力軸構成体16a・16bを、位置決め突起18と位置決め凹部19とを嵌合させるようにして突き合わせることにより、両入力軸構成体16a・16bが、同一軸線上に位置させられるとともに、相対回転自在に連結されるようになっている。
【0010】
また、前記両入力軸構成体16a・16bのそれぞれの突き合わせ部の外周面には、スプラインS1、S2が形成されているとともに、この突き合わせ部を取り囲むように前記切換えユニット17が設けられている。
【0011】
この切換えユニット17は、内面にスプラインが形成されて、前記入力軸構成体16a・16bの突き合わせ部に摺動可能に被嵌されて、それぞれのスプラインS1、S2に係脱させられる切換えリング20と、この切換えリング20を前記両入力軸構成体16a・16bの軸方向に摺動させて、一方の入力軸構成体16aのみに噛合させる位置と、両入力軸構成体16a・16bのスプラインS1、S2に同時に噛合させる位置とに選択的に移動させるソレノイドからなる駆動機構21とによって構成されている。
【0012】
このように構成された2輪4輪駆動切換え装置15は駆動機構21によって、前記切換えリング20を一方向に移動させて、一方の入力軸構成体16aのみに噛合させて前輪4への駆動力の伝達を遮断することにより、後輪のみを駆動する2輪駆動の形態とし、また、前記切換えリング20を摺動させることにより、この切換えリング20を、一方の入力軸構成体16aに噛合させた状態で他方の入力軸構成体16bへ噛合させ、これによって、両入力軸構成体16a・16bを連結することにより前輪4へ駆動力を伝達し、前輪4および後輪5を同時駆動する4輪駆動の形態とするようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の2輪4輪駆動切換え装置15にあっては、次のような改善すべき課題が残されている。
【0014】
すなわち、駆動形態の切換え時に、前輪4と後輪5との間に少しでも周速差があると、切換えリング20と入力軸構成体16bとの噛合がうまく行かない可能性がある。
【0015】
また、切換えが行われた場合にあっても、その切換え時にスプライン同士がぶつかり、音が発生するといった課題もある。
【0016】
車両が2輪駆動で走行中には、エンジンやブレーキによる加減速や旋回等で前後輪の間には少なからず周速差が発生している。また不整地走行車両においては4輪駆動時の操縦安定性を向上させるために、前後の最終減速器を異なる減速比として4輪駆動時には前後輪間にトルクが常に発生するよう設定しているものもあり、この場合2輪駆動走行時は常に駆動切換え装置の駆動側と従動側には、走行中においては周速差が発生している。したがって、基本的には車両を一旦停止させて切換える必要がある。
【0017】
そして、このような課題を解消するためには、切換えリング20のスプラインと入力軸構成体16bのスプラインとを同期させる、即ち、位置合わせを行う機構が必要となることから、構造が複雑になり、また、2輪4輪駆動切換え装置15を組み込む際に、組み込み位置の部材を、既存の構造から大幅に変更する必要がある。
【0018】
そこで、この発明の課題は、上述の問題を解決し、前輪と後輪との間に周速差があっても確実に4輪駆動に切換えられる切換え装置で、しかも構成が簡素でコンパクトなものを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、不整地走行車両における2輪駆動の切換えを行う切換えユニットを、動力伝達機構中に設けたインナーリングと、前記インナーリングと同心状に固定された中空のアウターリングと、このアウターリングとインナーリングとの環状空間内に介在するリテーナと、このリテーナの周方向位置に形成したポケット内に収容される係脱部材と、前記インナーリングまたはアウターリングに対して前記リテーナの位相を変えることにより、前記係脱部材と前記インナーリング、および前記アウターリングとの間に楔係合状態を形成して、前記インナーリングとアウターリングの両方向の結合、および切り離しを行うクラッチ装置とによって構成し、前記クラッチ装置を、インナーリングに相対的に回動可能に設けられたクラッチ板と、アウターリングと相対回転不能に設けられたロータと、これらクラッチ板とロータを吸着する電磁コイルと、前記不整地走行車両の車軸の回転変動が大きいときに、その変動を感知するセンサー信号に依存して、電磁コイルに供給する電流を変化させる制御器とを備える電磁クラッチによって構成することにより、走行中においても2輪駆動と4輪駆動との切換えを可能にしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を、図1〜図5を参照して説明する。
図1において符号30で示す2輪4輪駆動切換え装置は、前輪4とエンジン2との間に設けられた動力伝達機構に設けられたもので、この動力伝達機構における動力伝達の断続を行う切換えユニット31からなる。
【0021】
この切換えユニット31は、駆動側に連結された駆動軸32と、この駆動軸32と従動軸33との隙間に介装され、これらの対向面に係脱させられることにより、これらの駆動軸32と従動軸33との接続および切り離しを行う複数の係脱部材34と、これらの係脱部材34を、前記駆動軸32と従動軸33とを接続する位置と切り離す位置とに選択的に位置させる電磁クラッチ35と、これらを取り囲むケーシング36とによって概略構成されている。
【0022】
前記ケーシング36内には、エンジン2側へ突出する円筒状のアウターリング37が軸受38を介して回転自在に設けられている。
【0023】
このアウターリング37の前記エンジン2側の端部内周面には、スプライン39が形成されており、このアウターリング37に、前記スプライン39と噛合するようにして前記駆動軸32が挿入されることにより、この駆動軸32と前記アウターリング37とが連結されている。
【0024】
また、前記アウターリング37の内部には、円筒状のインナーリング40が、前記アウターリング37の内周面との間に所定幅の環状空間をおいて配設されている。
【0025】
このインナーリング40の内面にはスプライン41が形成されており、前記ケーシング36内に挿入される前記従動軸33が、前記スプライン41を介して前記インナーリング40に連結されている。
【0026】
そして、この従動軸33の長さ方向の中間部は、前記ケーシング36に取り付けられた軸受42によって回転自在に支持されている。
【0027】
また、前記従動軸33の先端部にはベベルギヤ43が一体に設けられており、前輪用最終減速器13のリングギヤ44に噛合させられている。
【0028】
前記切換えユニット31は、図2に示すように、インナーリング40と、このインナーリング40と同心状に固定された中空のアウターリング37と、前記アウターリング37を、軸受38を介して支持するハウジング36と、このアウターリング37とインナーリング40との環状空間内に介在するリテーナ45と、このリテーナ45の周方向位置に形成したポケット内に収容される係脱部材34としてのローラと、前記インナーリング40またはアウターリング37に対して前記リテーナ45の位相を変えることにより、前記係脱部材34を前記インナーリング40とアウターリング37との間に係合することで、前記インナーリング40とアウターリング37との係合、脱離を行う電磁クラッチ35とからなる。
【0029】
前記インナーリング40の内周には、従動軸33がスプライン41によって嵌合されている。前記インナーリング40の外周には、複数のカム面46を設け、このインナーリング40と同心状に固定された中空のアウターリング37の内周に円筒面47を設け、インナーリング40のカム面46とアウターリング37の円筒面47とにより、環状の楔形空間を形成している。この楔形空間内には、リテーナ45を設けており、リテーナ45に形成した複数のポケットに係脱部材34としてのローラを組み込み、ローラが円筒面47とカム面46に係合しない中立位置へリテーナ45を支持付勢するスイッチばね53を設け、このリテーナ45の位相を、電磁クラッチ35によって変えることにより、前記係脱部材34が前記インナーリング40とアウターリング37との間で係合、脱離するようにしている。
【0030】
前記リテーナ45は、支持プレート55を介して両端でインナーリング40に対し、回転方向には揺動可能で、軸方向にはスライド不能に支持されている。リテーナ45の一端には2つの切欠が設けられ、支持プレート55に一体に形成された対称2つの爪部がその切欠に嵌合し、かつ支持プレート55の爪部は、クラッチ板50の方に折れ曲がっている。折れ曲がった爪部の先端は、円盤状のクラッチ板50に設けられたスリットにルーズに嵌合されおり、クラッチ板50と支持プレート55とは相対回転不可能かつ軸方向にはスライド可能になっている。
【0031】
このクラッチ板50は、その内径面でインナーリング40に一体に形成された円筒形の案内軸部56に案内嵌合され、このインナーリング40の案内軸部56に対し、軸方向及び回転方向に移動可能になっている。
【0032】
また、アウターリング37には、非磁性体材料によって形成した円筒状のロータ支持部48を有し、このロータ支持部48内に固定された断面コ字状のロータ54が固定されている。
【0033】
前記ロータ54には、適当な隙間を介して前記クラッチ板50が重ね合わされ、そのロータ54とクラッチ板50を電磁力により圧接させるための電磁コイル49が設けられている。
【0034】
この電磁コイル49の電流がOFFの時、スイッチばね53によってリテーナ45及び係脱部材34としてのローラは、図5(a)に示すように、インナーリング40に設けたカム面46の中立位置に付勢されており、インナーリング40とアウターリング37が空転する状態になる。そして、インナーリング40とアウターリング37を係合駆動させたいときは電磁コイル49ヘ電流を流すことにより、リテーナ45に支持プレート55を介して連結しているクラッチ板50を、アウターリング37に固定されたロータ54に電磁力でもって吸引圧接させる。圧接による摩擦トルクは、クラッチ板50、ロータ54を介してリテーナ45とアウターリング37間に作用し、インナーリング40とアウターリング37が相対回転すると、摩擦トルクがスイッチばね53のトルクに打勝って、リテーナ45、係脱部材34としてのローラはアウターリング37と同回転する。その結果、図5(b)に示すように、係脱部材34としてのローラはカム面46の中立位置から楔係合位置に移動し、インナーリング40とアウターリング37が係合駆動する。
【0035】
そして、前記アウターリング37、インナーリング40、および電磁クラッチ35は、前記ケーシング36内に組み込まれてユニット化され、図1に示すように、従動軸33が装着された状態において、ケーシング36が前記前輪用最終減速器13のケースにボルト締めされることによって、この前輪用最終減速器13に取り付けられる。
【0036】
また、前記電磁コイル49には、そのON・OFFを制御するコントロールユニット51と、前記電磁コイル49の駆動電力を供給する電源52が接続されている。
【0037】
このように構成されたこの実施形態に係る駆動切換え装置30は、前輪4への駆動力の伝達を解除するために、前記電磁コイル49への通電を遮断して、電磁クラッチ35によるリテーナ45とアウターリング37との固定を解除する。
【0038】
これによって、図5(a)に示すように、前記係脱部材34が、前記カム面46の中立位置に位置させられて、前記アウターリング37から離間した位置に保持される。
【0039】
この結果、前記アウターリング37とインナーリング40とが切り離されることとなり、前記駆動軸32の回転が従動軸33へ伝達されることが阻止され、前輪4の駆動が停止される。
【0040】
また、4輪駆動の駆動形態にするには、前記電磁コイル49へ通電して電磁クラッチ35をつなぐことにより、前記リテーナ45をアウターリング37に固定する。これによって、前記リテーナ45に保持されている係脱部材34がアウターリング37と共に移動させられて、図5(b)に示すように、前記インナーリング40に形成されている前記カム面46の楔係合位置に移動させられるとともに、アウターリング37の内面に当接させられる。
【0041】
この結果、前記アウターリング37とインナーリング40とが、前記係脱部材34を介して連結され、これに伴い、駆動軸32と従動軸33とが連結され、駆動軸32の回転が従動軸33へ伝達され、前輪4の駆動が開始される。
【0042】
このように構成された2輪4輪駆動切換え装置30にあっては、2輪駆動から4輪駆動に切り換わる時、切換えユニット31内で軸方向に動くのはクラッチ板50のみであり、係脱部材34は、周方向に移動してアウターリング37とインナーリング40との間に挟み込まれる。そのため、切換えユニットの入出力間に周速差があっても、従来例のように軸方向にスプラインが嵌まらず異音を生じることなく、容易に係脱部材34はインナーリング40とアウターリング37に噛合することができ、前輪側に動力伝達が可能になる。
【0043】
また、前後輪4、5に周速差があっても駆動軸32と従動軸33との接続および切り離しが可能であるから、車両が走行中であっても2輪駆動と4輪駆動の切換えが容易に可能となる。
【0044】
また、同期装置等の補助的な機構を設ける必要が無く、この点からも構成が簡素化される。
【0045】
この発明の切換えユニット31においては、4輪駆動の駆動形態時は電磁クラッチ35のクラッチ板50とロータ54の接触トルクは、リテーナ45およびローラをインナーリング40の中立位置に付勢するスイッチばね53が発生するトルクに打勝つように設定されているが、インナーリング40、アウターリング37の回転変動(角加速度)によってはリテーナ45やローラ等の慣性トルクも加わっている。このため、切換えユニット31のローラを両楔係合位置に遅れなく的確に移動させ、正逆両方向にも正常な駆動を保つためには、電磁クラッチ35のトルクはスイッチばね53のトルクと前記慣性トルクの和よりも上回っていることが望ましい。
【0046】
特にATVにおいては走行時にジャンプする機会が多く、着地時には路面と車輪との衝撃的な接触や前後の重量配分変化などで、車軸の回転が急激な変化が生じてもクラッチの係合がはずれないよう電磁クラッチ35のトルクが大きいことが必要である。
【0047】
この場合でも、異常なく4輪駆動を保持するために電磁クラッチ35のトルクは前記のようにスイッチばね53のトルクに対して、ある程度のマージンをもったトルクが必要であり、そのトルクを確保するために電磁クラッチ35の構成部材を大きくし、電磁コイル49に大きな電流を流すことが必要となる。
【0048】
しかし、前記のような回転変動が急激である時間は走行時間としては極めて短いため、前記のような回転変動が急激であることをコントロールユニット51で感知し、その時間のみ電磁クラッチ35への駆動電流を大きくするように制御することによって、電磁クラッチ35に一時的に、必要な時だけ電磁クラッチ35に大きなトルクを発生させることができる。回転変動の感知する検出器としては、例えば回転センサーを用いることができ、その他振動センサー等を用いてATVがジャンプした状態を検知してもよい。これらの入力信号から電流を増加させる閾値を設定して制御すればよい。電流の増減には例えばPWM制御等の手法を用いてもよい。
【0049】
このような制御をすることで、むやみに電磁クラッチ35を大きくする必要が無く、小型、軽量化することが可能であり、また経済的である。
【0050】
尚、前記の制御で行う電流増加は実用上過渡的なため、消費電力や発熱に影響はほとんど無い。
【0051】
【発明の効果】
この発明は、不整地走行車両における2輪駆動の切換えを行う切換えユニットを、動力伝達機構中に設けたインナーリングと、前記インナーリングと同心状に固定された中空のアウターリングと、このアウターリングとインナーリングとの環状空間内に介在するリテーナと、このリテーナの周方向位置に形成したポケット内に収容される係脱部材と、前記インナーリングまたはアウターリングに対して前記リテーナの位相を変えることにより、前記係脱部材と前記インナーリング、および前記アウターリングとの間に楔係合状態を形成して、前記インナーリングとアウターリングの両方向の結合、および切り離しを行うクラッチ装置とによって構成し、前記クラッチ装置を、インナーリングに相対的に回動可能に設けられたクラッチ板と、アウターリングと相対回転不能に設けられたロータと、これらクラッチ板とロータを吸着する電磁コイルと、前記不整地走行車両の車軸の回転変動が大きいときに、その変動を感知するセンサー信号に依存して、電磁コイルに供給する電流を変化させる制御器とを備える電磁クラッチによって構成したものである。
【0052】
したがって、この発明に係る切換え装置では、2輪駆動から4輪駆動に切り換わる時、切換えユニット31内で軸方向に動くのはクラッチ板50のみであり、係脱部材34は、周方向に移動してアウターリング37とインナーリング40との間に挟み込まれる。そのため、切換えユニットの入出力間に周速差があっても、従来例のように軸方向にスプラインが嵌まらず音を生じることなく、容易に係脱部材34はインナーリング37とアウターリング40に噛合することができ、前輪側に動力伝達が可能になる。
【0053】
また、前後輪4、5に周速差があっても駆動軸32と従動軸33との接続および切り離しが可能であるから、車両が走行中であっても2輪駆動と4輪駆動の切換えが容易に可能となる。
【0054】
また、同期装置等の補助的な機構を設ける必要が無く、この点からも構成が簡素化される。
【0055】
また、車軸の回転変動等をセンサーによって感知演算し、必要に応じて電磁石への駆動電流の大きさを制御することにより、電磁石のサイズや消費電力を小さく抑えたままで、車両の状況に応じて必要な電磁クラッチトルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る2輪4輪駆動切換え装置の切換えユニット部分の全体断面図
【図2】同上の部分拡大図
【図3】図2のA−A線の断面図
【図4】図2のB−B線の断面図
【図5】(a)は係脱部材がカム面の中立位置にある状態を示す部分断面図、(b)は係脱部材がカム面の楔係合位置にある状態を示す部分断面図
【図6】不整地走行車両の一例を示す側面図
【図7】不整地走行車両の駆動機構の一例を示す平面図
【図8】従来例の2輪4輪駆動切換え装置の切換えユニット部分の全体断面図
【符号の説明】
1 車両
2 エンジン
3 車体フレーム
4 前輪
5 後輪
6 ステアリングハンドル
7 燃料タンク
8 シート
9、10 懸架装置
11、12 プロペラシャフト
13 前輪用最終減速器
14 後輪用最終減速器
30 2輪4輪駆動切換え装置
31 切換えユニット
32 駆動軸
33 従動軸
34 係脱部材
35 電磁クラッチ
36 ケーシング
37 アウターリング
38 軸受
39 スプライン
40 インナーリング
41 スプライン
42 軸受
43 ベベルギヤ
44 リングギヤ
45 リテーナ
46 カム面
47 円筒面
48 ロータ支持部
49 電磁コイル
50 クラッチ板
51 コントロールユニット
52 電源
53 スイッチばね
54 ロータ
55 支持プレート
56 案内軸部

Claims (1)

  1. 動力伝達機構の動力伝達の断続を行う切換えユニットによって、2輪駆動と4輪駆動との切換えを行う不整地走行車両の2輪4輪駆動切換え装置において、動力伝達機構中に設けたインナーリングと、前記インナーリングと同心状に固定された中空のアウターリングと、このアウターリングとインナーリングとの環状空間内に介在するリテーナと、このリテーナの周方向位置に形成したポケット内に収容される係脱部材と、前記インナーリングまたはアウターリングに対して前記リテーナの位相を変えることにより、前記係脱部材と前記インナーリング、および前記アウターリングとの間に楔係合状態を形成して、前記インナーリングとアウターリングの両方向の結合、および切り離しを行うクラッチ装置とによって前記切換えユニットを構成し、前記クラッチ装置を、インナーリングに相対的に回動可能に設けられたクラッチ板と、アウターリングと相対回転不能に設けられたロータと、これらクラッチ板とロータを吸着する電磁コイルと、この電磁コイルの電流がOFFの時、リテーナの位相をインナーリングとアウターリングが空転する中立位置に付勢するスイッチばねと、前記不整地走行車両の車軸の角加速度が大きいときに、その変動を感知するセンサー信号に依存して、電磁コイルに供給する電流を大きくするように変化させる制御器とを備える電磁クラッチによって構成し、前記電磁クラッチがONの時、クラッチ板とロータの接触トルクが、リテーナおよび係脱部材をインナーリングとアウターリングが空転する中立位置に付勢するスイッチばねのトルクと、インナーリング、アウターリングの角加速度によるリテーナと係脱部材の慣性トルクとの和よりも上回るようにし、走行中においても2輪駆動と4輪駆動との切換えを運転者によって適宜行えるようにしたことを特徴とする不整地走行車両の2輪4輪駆動切換え装置。
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