JP4020828B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱調理器の冷却構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導加熱調理器は、金属の容器自体を加熱するものであるが、容器の材質の表皮抵抗によって加熱し易いか、し難いか異なってくる。従来の技術では非磁性ステンレス(SUS304)容器になると、容器の厚みによっては加熱できないものもあり、アルミ容器や銅容器においては、全く加熱できないものであった。
【0003】
非磁性ステンレス容器は、鉄容器に比べ表皮抵抗が3分の1程度となり鉄容器と同じように加熱しようとすると抵抗が小さい分、回路損失が大きくなり回路素子、特に加熱コイルを駆動する駆動素子の温度上昇が著しくなるので、これの冷却を効率よく行わなければならない。
【0004】
従来例を図1、図2、及び図5に従って説明する。
図1は従来例および本発明の誘導加熱調理器の一実施例の外観斜視図、図2は従来例および本発明の一実施例の誘導加熱調理器の全体の構成を示す分解斜視図、図5は従来例の制御ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【0005】
尚、図2以降においては、図1またはその図以前に示した図と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。各例の図における同一符号は、同一物又は相当物を示す。また、一つの物が二つ以上の部品から構成され、これらを判別して説明した方が分り易い場合は、数字の符号にa、b等の接尾辞を付け、他の場合は前記接尾辞を付けていない。
【0006】
図1は誘導加熱調理器がシステムキッチンに組み込まれた状態を示している。図1において、誘導加熱調理器の本体1の上面にプレート3が備えられ、プレート3上の二つの円は誘導加熱部を示し、本体1の左側に魚等を焼くロースター部4を備え、本体1の右側前面に加熱の設定等を行う操作部5を備えている。被加熱物を入れる容器2は左の誘導加熱部を示すプレート3上に載置されている。
【0007】
図2において、プレート3の下方に略水平に二つの誘導加熱用の加熱コイル6が左右に配置され、プレート3を支持するトップケース7がこの下方に配置される。加熱コイル6の下方左側にロースター部4とその反対側すなわち右側に制御部ユニット8が配置され、ロースター部4と制御ユニット8との間にはこれらを仕切る仕切板9が設けられている。上記の部品の下には、これらを支え本体1の底面を構成する外郭底面部10が備えられ、本体1の前面には前面部を構成するパネル11が備えられている。
【0008】
図5において、第一の制御部12および第二の制御部16は、二つの加熱コイル6に夫々対応した制御回路を搭載する基板で構成され、この二つの基板の形状は、ほぼ同寸法となっており、二段に重ねられている。
【0009】
また、同基板には二つの加熱コイル6に夫々対応した駆動素子(図示せず)を固定した放熱板14を備え、これら放熱板14においてもほぼ同寸法の部品を使用している。また、第一の制御部12および第二の制御部16後方には、これらを強制冷却するための冷却ファン18を設けている。
【0010】
底面、側面、及び上面からなり、前記第一の制御部12、第二の制御部16、冷却ファン18等を覆うように収納する風路構成体19が設けられ、この風路構成体19は上部下部に分割される19aおよび19bで形成される構造となっている。風路構成体19の上面後部には冷却風を内部に吸気する吸気口20が設けられ、同上面前部には冷却風を外部に排気する2箇所の排気口21が設けられている。
【0011】
尚、この従来例においては、第一の制御部12または第二の制御部16には、制御回路を駆動するための電源や制御を行うマイクロコンピュータを備えており、これらを搭載する基板は略水平に置かれているが、縦置きしている場合(図示せず)などがあり、さまざまである。
【0012】
以上の構成のように、第一の制御部12および第二の制御部16の二つの基板においては、ほぼ同寸法の形状とし、部品の共用化を図っている。
【0013】
上記のような従来の技術においては、例えば鉄容器の出力2.0kWに対して非磁性ステンレス容器においては約1.4kWとなり、非磁性ステンレス容器を加熱する場合は鉄容器の場合の約70%の出力となっている。
【0014】
上記のような制御用の基板を多段に重ねる従来例として、特許文献1、特許文献2、および特許文献3等に開示された例がある。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−196153
【特許文献2】
特開2001−267054
【特許文献3】
特開2002−33184
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来の誘導加熱調理器の制御部においては、二つの加熱コイル6に夫々対応した制御回路を搭載する基板で構成され、この二つの基板の形状は、ほぼ同寸法となっており、二段に重ねられ、部品の共用化を図っているが、非磁性ステンレス容器を加熱する場合は、鉄容器を加熱する場合に比べ約70%の出力となっており、出力としては充分ではない。特許文献1、特許文献2、および特許文献3等に開示された例においても同様である。
【0017】
このため、非磁性ステンレス容器を加熱する場合の出力を鉄容器の場合と同等にするためには回路の損失分を充分に補うための冷却、特に加熱コイル6を駆動する駆動素子の冷却の効率向上が必要になる。
【0018】
駆動素子の冷却の効率向上の方法としては、冷却ファン18の能力を向上させるか、または駆動素子を固定した放熱板14を大きくして放熱面積を稼ぐことが好ましい。放熱板14を大きくする場合、基板の占める割合が大きくなり、限られた収納スペースに制御用の基板をどう配置するかが問題であった。
【0019】
また、制御用の基板に搭載される駆動素子は冷却が不充分であると、高温になってしまうことも想定され、信頼性に欠けるものになる。
【0020】
本発明は、前記課題を解決するものであり、ロースター部を有した誘導加熱調理器において、制御回路部品、特に加熱コイルを駆動する駆動素子の冷却の効率向上を行い、製品仕様及び信頼性を高めることを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、本体の上面に容器を載置するプレートを備え、プレートの下方に略水平に配置された二つの誘導加熱用の加熱コイルを備え、この加熱コイルの下方で本体の左側または右側に魚等を焼くロースター部を備え、前記加熱コイルの下方で前記ロースター部とは反対側の本体内に前記二つの加熱コイルに対応した制御回路を含む第一の制御部、第二の制御部、及び制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載した第三の制御部を備え、前記第一の制御部、第二の制御部の近傍にこれらを強制冷却する冷却ファンを備え、前記第一の制御部、第二の制御部、第三の制御部を多段に重ねた配置とした誘導加熱調理器において、下段の第一の制御部および上段の第三の制御部は基板構成とし、中段の第二の制御部は基板構成とせず、前記加熱コイルを駆動する駆動素子とこの駆動素子を固定する放熱板を設ける構成としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述のように、本体の上面に容器を載置するプレートを備え、プレートの下方に略水平に配置された二つの誘導加熱用の加熱コイルを備え、この加熱コイルの下方で本体の左側または右側に魚等を焼くロースター部を備え、前記加熱コイルの下方で前記ロースター部とは反対側の本体内に前記二つの加熱コイルに対応した制御回路を含む第一の制御部、第二の制御部、及び制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載した第三の制御部を備え、前記第一の制御部、第二の制御部の近傍にこれらを強制冷却する冷却ファンを備え、前記第一の制御部、第二の制御部、第三の制御部を多段に重ねた配置とした誘導加熱調理器において、下段の第一の制御部および上段の第三の制御部は基板構成とし、中段の第二の制御部は基板構成とせず、前記加熱コイルを駆動する駆動素子とこの駆動素子を固定する放熱板を設ける構成としたものである。
【0023】
これにより、ロースター部を有した誘導加熱調理器において、制御回路部品、特に加熱コイルを駆動する駆動素子の冷却の効率向上を行い、製品仕様及び信頼性を高めることができる。
【0024】
また、前記第一の制御部、第二の制御部、第三の制御部、及び冷却ファンは、吸気口と排気口を設けた風路構成体の中に収納し、第一の制御部は冷却ファン配置部を除く風路構成体底面全面に配置し、第二の制御部の駆動素子はパッケージ化且つ絶縁された構造とし、第三の制御部の基板はその面積を第一の制御部の面積から差し引いた面積が風路構成体の排気口の開口の合計面積とほぼ同じとし、風路構成体の内壁との間に隙間を設ける構成としたものである。
【0025】
これにより、集中的に駆動素子が冷却され一層出力向上を図ることが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1、図2、図3、及び図4に従って説明する。
【0027】
前述したように、図1は従来例および本発明の一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図、図2は従来例および本発明の一実施例の誘導加熱調理器の全体の構成を示す分解斜視図である。図3は本発明の一実施例の制御ユニットの構成を示す分解斜視図、図4は本発明の一実施例の制御ユニットの断面図である。
【0028】
尚、図2においては、図1に示す操作部5は図示していない。また、図3においては、図4に示す後記冷却ファン18の上方にある後記冷却ファン18用のモーターは図示していない。
【0029】
図1において、1は誘導加熱調理器の本体である。2は容器で、被加熱物を入れる。3はプレートで、本体1の上面に備えられ、容器2を載置する。
【0030】
4はロースター部で、後記加熱コイル6の下方で本体1の左側または右側、本実施例では左側に備えられ、魚等を焼く。尚、ロースター部4は本体1の右側に備えられてもよい。5は操作部で、本体1の右側前面に配置され、加熱の設定等を行う。
【0031】
図2において、6は加熱コイルで、プレート3の下方に略水平に配置され、左右に二つ有り、容器2を誘導加熱する。
【0032】
7はトップケースで、プレート3の下方に配置され、これを支持する。8は制御ユニットで、加熱コイル6の下方でロースター部4とは反対側の本体1内に備えられ、後記風路構成体19(19a、19b)、第一の制御部12、第二の制御部16、第三の制御部17、冷却ファン18等で構成される。
【0033】
9は仕切板で、ロースター部4と制御ユニット8との間に設けられ、これらを仕切る。10は外郭底面部で、本体1の底面を構成する。11はパネルで、本体1の前面部を構成する。
【0034】
図3及び図4において、12は第一の制御部で、加熱コイル6の下方で前記ロースター部4とは反対側、本実施例では右側の本体1内に備えられ、二つの加熱コイル6に対応した制御回路を含み、基板構成されている。
【0035】
ここでいう基板構成とは、片面または両面等に銅張り等で回路を形成したプリント基板に制御用の電子部品等が搭載されて構成されるもので、以下同様である。
【0036】
13は駆動素子で、複数有り、IGBT等のパワー半導体素子であり、パッケージ化且つ絶縁され、加熱コイル6を駆動する。
【0037】
14は放熱板で、駆動素子13に対応して複数有り、それぞれの駆動素子13を固定して駆動素子13の放熱を補助するものである。
【0038】
15は支持板で、基板(プリント基板)ではなく、安価な樹脂等で形成され、放熱板14等を支持する板である。
【0039】
16は第二の制御部で、加熱コイル6の下方で前記ロースター部4とは反対側、本実施例では右側の本体1内に備えられ、二つの加熱コイル6に対応した制御回路を含み、基板構成とせず、前記放熱板14に駆動素子13を固定する構成とし、さらに、放熱板14を支持する支持板15等で構成される。そして、駆動素子13はこの第二の制御部16にのみ設けられる。
【0040】
尚、本実施例においては、支持板15には駆動素子13とその放熱板14以外に他の回路素子やその放熱用部品等も搭載されているが、これらは第一の制御部12等に搭載される構成でもよく、また、支持板15もない構成でもよい。
【0041】
17は第三の制御部で、加熱コイル6の下方で前記ロースター部4とは反対側、本実施例では右側の本体1内に備えられ、制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載し、基板構成されている。
【0042】
尚、この第三の制御部17の基板は一枚基板に限らず、複数に分割される分割基板で構成してもよい。これにより、第三の制御部17の配置上の融通性を向上することができる。
【0043】
これら第一の制御部12、第二の制御部16、第三の制御部17は下から順に多段に重ねた配置としている。すなわち、第一の制御部12は下段、第二の制御部16は中段、第三の制御部17は上段としている。
【0044】
尚、第一の制御部12、第三の制御部16に搭載される前記以外の部品としては、図示していないものもあるが、マイクロコンピュータ、集積回路、トランジスタ、ダイオード等の半導体、コンデンサ類、抵抗類等がある。
【0045】
18は冷却ファンで、後記風路構成体19内部で前記第一の制御部12、第二の制御部16の近傍に配置され、後方から前方へ冷却風を送風し、第一の制御部12、第二の制御部16等を強制冷却する。
【0046】
19は風路構成体で、上部下部に分割される19aおよび19bで形成される構造となっており、底面、側面、及び上面からなり、前記第一の制御部12、第二の制御部16、第三の制御部17、冷却ファン18等を覆うように収納する。
【0047】
20は吸気口で、風路構成体19の上面、例えば上面後部に設けられ、外気すなわち冷却風を風路構成体19内部に吸気する開口部である。21は排気口で、風路構成体19の上面、例えば上面前部に設けられ、冷却風を風路構成体19の外部に排気する開口部で、本実施例では2箇所ある。
【0048】
次に、制御ユニット8の主要部の詳細な構成を図3及び図4を参照して説明する。
【0049】
図3及び図4において、第一の制御部12の基板は冷却ファン18配置部を除く風路構成体19底面全面に配置され、この第一の制御部12の上方には第二の制御部16が配置され、互いに向き合った放熱板14にパッケージ化且つ絶縁された駆動素子13を固定し、冷却ファン18の冷却風が互いに向き合った放熱板14の中を吹き抜ける構成とし、効率よく放熱板14すなわち駆動素子13を冷却する。
【0050】
尚、第二の制御部16の支持板15の形状は、第一の制御部12の基板とほぼ同様な形状において、一部、例えば後部左側が削除され、第一の制御部12より小さな形状で、第一の制御部12を冷却した冷却風がこの削除された部分から上方へ流れる構成である。
【0051】
また、第三の制御部17の基板はその面積を第一の制御部12の面積から差し引いた面積が風路構成体19の排気口21の開口の合計面積とほぼ同じとし、風路構成体19の内壁との間に隙間を設けた構成とし、主に第一の制御部12の基板に搭載された部品や、第三の制御部17の放熱板14すなわち駆動素子13を強制冷却する冷却風の風路抵抗をほぼ最適なものとしている。
【0052】
つまり、第三の制御部17と風路構成体19の内壁との間には隙間があり、その隙間の面積が風路構成体19の排気口21の開口の合計面積とほぼ同じである。
【0053】
以上の構成において、全体の動作について、図を参照して説明する。
使用者が左の加熱コイル6の上方のプレート3の上に容器2を載置し、操作部5を操作し、加熱を開始すると、第一の制御部12、第二の制御部16、第三の制御部17が作動する。左の加熱コイル6に対応した第二の制御部16内の駆動素子13が作動し、左の加熱コイル6が駆動され、この加熱コイル6の発生する磁束により容器2が誘導加熱される。
【0054】
加熱開始とほぼ同時に、冷却ファン18も駆動され、外気を風路構成体19の吸気口20から吸気し、前方にある第一の制御部12、および第二の制御部16すなわち放熱板14に送風し、これらを冷却する。
【0055】
冷却ファン18の発生する冷却風の一部は、第一の制御部12の右側を後方から前方に向って吹き付け、風路構成体19の前面内壁に至ると左側に流れを変え、第一の制御部12の左側を前方から後方に向って流れ、後部に至ると第二の制御部16の支持板15の後部左側の削除された部分を通り上方へ流れる。
【0056】
一方、冷却ファン18の発生する冷却風の他の一部は、第二の制御部16すなわち放熱板14に後方から吹き付けられる。この冷却風は互いに向き合った放熱板14の中を吹き抜け、効率よく放熱板14に固定された駆動素子13を冷却する。
【0057】
互いに向き合った放熱板14の中を吹き抜けた冷却風は、下方の第一の制御部12を冷却した冷却風と合流し、風路構成体19の前面内壁に至ると、上方へ流れ、第三の制御部17と風路構成体19の内壁との間の隙間を通り、風路構成体19の上面に設けられた2箇所の排気口21を通り、風路構成体19の上方へ流れ出る。
【0058】
風路構成体19の上方へ流れ出た後、冷却風は加熱コイル6等を冷却し、明示していない排出口から本体1外部へと排出される。
【0059】
上記のように、二つの加熱コイル6に対応した制御回路を含む第一の制御部12、二つの加熱コイル6に対応した駆動素子13を放熱板14に固定した構成とした第二の制御部16、制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載した第三の制御部17を下から順に重ねた配置とした理由は次の通りである。
【0060】
駆動素子13およびその放熱板14を除く加熱コイル6に対応した制御回路、すなわち第一の制御部12は広い面積が必要であり、冷却の流れ(冷却風は下流になるに従って温度上昇するので、温度が上昇すれば自然に下方から上方へ流れる。)も考慮すると、第一の制御部12は下段に配置し、放熱板14に駆動素子13を固定した構成とした第二の制御部16を中段に配置し、これらの近傍にこれらを冷却する冷却ファン18を配置すれば最も冷却効率が高いものとなる。
【0061】
また、第二の制御部16は質量の大きな駆動素子13およびその放熱板14により構成されているので、上段に配置するより中段に配置する方が重心が低くなり安定性が良い。
【0062】
さらに、第二の制御部16をほぼ駆動素子13およびその放熱板14で構成し、加えて駆動素子13をパッケージ化且つ絶縁されたものとすることにより、これらを支持する板を高価な基板とする必要がなく、安価な樹脂等で形成される支持板15を使用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の誘導加熱調理器によれば、本体の上面に容器を載置するプレートを備え、プレートの下方に略水平に配置された二つの誘導加熱用の加熱コイルを備え、この加熱コイルの下方で本体の左側または右側に魚等を焼くロースター部を備え、前記加熱コイルの下方で前記ロースター部とは反対側の本体内に前記二つの加熱コイルに対応した制御回路を含む第一の制御部、第二の制御部、及び制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載した第三の制御部を備え、前記第一の制御部、第二の制御部の近傍にこれらを強制冷却する冷却ファンを備え、前記第一の制御部、第二の制御部、第三の制御部を多段に重ねた配置とした誘導加熱調理器において、下段の第一の制御部および上段の第三の制御部は基板構成とし、中段の第二の制御部は基板構成とせず、前記加熱コイルを駆動する駆動素子とこの駆動素子を固定する放熱板を設ける構成としたので、加熱コイルを駆動する駆動素子を放熱するための放熱板を大きく有効に配置することが可能となり、従来非磁性ステンレス容器のように出力が入り難いような容器においても充分な出力を得ることが可能となり、ひいてはロースター部を有した誘導加熱調理器において、制御回路部品、特に加熱コイルを駆動する駆動素子の冷却の効率向上を行い、製品仕様及び信頼性を高めることができるという効果を奏する。また、一部の基板を使用する必要がなくなり、安価な構成ともなる。
【0064】
また、前記第一の制御部、第二の制御部、第三の制御部、及び冷却ファンは、吸気口と排気口を設けた風路構成体の中に収納し、第一の制御部は冷却ファン配置部を除く風路構成体底面全面に配置し、第二の制御部の駆動素子はパッケージ化且つ絶縁された構造とし、第三の制御部の基板はその面積を第一の制御部の面積から差し引いた面積が風路構成体の排気口の開口の合計面積とほぼ同じとし、風路構成体の内壁との間に隙間を設ける構成としたので、駆動素子を固定し互いに向き合った放熱板を絶縁距離を考慮せずに配置することができる他、互いに向き合った放熱板の間を冷却風が集中的に吹き付けるため、集中的に駆動素子が冷却され一層出力向上を図ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例および本発明の一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】従来例および本発明の一実施例の誘導加熱調理器の全体の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例の制御ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の制御ユニットの断面図である。
【図5】従来例の制御ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 容器
3 プレート
4 ロースター部
6 加熱コイル
12 第一の制御部
13 駆動素子
14 放熱板
16 第二の制御部
17 第三の制御部
18 冷却ファン
19(19a、19b) 風路構成体(風路構成体の上部、風路構成体の下部)
20 吸気口
21 排気口
Claims (2)
- 本体(1)の上面に容器(2)を載置するプレート(3)を備え、プレート(3)の下方に略水平に配置された二つの誘導加熱用の加熱コイル(6)を備え、この加熱コイル(6)の下方で本体(1)の左側または右側に魚等を焼くロースター部(4)を備え、前記加熱コイル(6)の下方で前記ロースター部(4)とは反対側の本体(1)内に前記二つの加熱コイル(6)に対応した制御回路を含む第一の制御部(12)、第二の制御部(16)、及び制御回路を駆動するための電源及び制御を行うマイクロコンピュータ等を搭載した第三の制御部(17)を備え、前記第一の制御部(12)、第二の制御部(16)の近傍にこれらを強制冷却する冷却ファン(18)を備え、前記第一の制御部(12)、第二の制御部(16)、第三の制御部(17)を多段に重ねた配置とした誘導加熱調理器において、
下段の第一の制御部(12)および上段の第三の制御部(17)は基板構成とし、中段の第二の制御部(16)は基板構成とせず、前記加熱コイル(6)を駆動する駆動素子(13)とこの駆動素子(13)を固定する放熱板(14)を設ける構成としたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記第一の制御部(12)、第二の制御部(16)、第三の制御部(17)、及び冷却ファン(18)は、吸気口(20)と排気口(21)を設けた風路構成体(19)の中に収納し、第一の制御部(12)は冷却ファン(18)配置部を除く風路構成体(19)底面全面に配置し、第二の制御部(16)の駆動素子(13)はパッケージ化且つ絶縁された構造とし、第三の制御部(17)の基板はその面積を第一の制御部(12)の面積から差し引いた面積が風路構成体(19)の排気口(21)の開口の合計面積とほぼ同じとし、風路構成体(19)の内壁との間に隙間を設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
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