JP4020082B2 - 防振用アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防振対象部材に装着されることにより能動的な防振効果を発揮し得る能動型防振装置に用いられる防振用アクチュエータと、それを用いた能動型防振装置に係り、特に自動車のエンジンマウントやボデーマウント,制振器などの防振装置において好適に採用される防振用アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置に関するものである。
例えば自動車のボデー等のように振動低減が重要視される防振対象部材において振動を低減するために、従来では、一般に、ショックアブソーバやゴム弾性体等の減衰効果を利用した振動減衰手段や、コイルスプリングやゴム弾性体等のばね効果を利用した振動絶縁手段の如き防振装置が採用されているが、これらの防振装置は何れも受動的な防振作用を発揮するものであるために、例えば防振すべき振動の周波数等の特性が変化する場合やより高度な防振効果が要求される場合等においては、充分な防振効果を得ることが難しいという問題があった。そこで、近年では、防振対象部材や防振装置に加振力を及ぼすことにより、防振すべき振動を積極的乃至は相殺的に低減せしめるようにした能動型防振装置が開発され、検討されている。例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが、それである。
このような能動型防振装置では、加振力を発生するアクチュエータが必要であり、かかるアクチュエータにおいては、発生加振力に関して周波数や位相の高度の制御性が要求される。そこで、能動型防振装置に採用される防振用アクチュエータとしては、コイルへの通電を制御することによりアーマチャに及ぼされる駆動力を利用するようにした電磁式のアクチュエータが好適に採用される。
ところで、電磁式のアクチュエータにおいては、コイル部材への通電によってアーマチャに及ぼされる駆動力が、コイル部材とアーマチャの軸方向における相対位置によって大きく変化し易い。そのために、発生加振力を効率的に得ると共に、発生加振力を高精度に制御するために、アーマチャのコイル部材に対する相対位置を高い精度で設定することが必要となる。
ところが、防振装置用アクチュエータにおいては、各部材の製造上の寸法誤差や、組付時の位置決め誤差に起因して、コイル部材の組付位置を高精度に設定することが難しい。それに加えて、アーマチャと連結されて駆動力が及ぼされる出力部材は、その変位を許容するために、一般にゴム弾性体によって支持されていることから、ゴム弾性体の加硫成形時の収縮量のばらつきや、ゴム弾性体を固定する際の組付位置のばらつき等に起因して、出力部材の組付位置についても、高精度に設定することが困難であり、かかる出力部材に連結するアーマチャの取付位置についても、高精度に設定することが困難となるのである。
そのために、コイル部材とアーマチャとの軸方向の相対位置に大きなばらつきが発生し易い。このような防振装置用アクチュエータにおいては、コイル部材とアーマチャとの軸方向の相対位置の僅かなずれが、アクチュエータの動作特性に大きな影響を与えることとなり、かかる相対位置にばらつきが発生する場合には、アクチュエータの動作特性を不安定にするおそれがあった。
加えて、部材の寸法誤差や位置決め誤差は、コイル部材とアーマチャとの軸直角方向の相対位置にも大きなばらつきを発生することとなる。このような軸直角方向の相対位置のばらつきは、コイル部材とアーマチャとの組付け作業を困難にすると共に、アクチュエータの動作特性を不安定にすることとなり、更にはアーマチャのコイル部材に対する滑動部位においてこじり力等の荷重作用が及ぼされて、アクチュエータの作動や耐久性を阻害したり、擦れによって異音が発生する等の問題もあった。
なお、このような問題に対処するために、例えば、特許文献3に記載されているように、アーマチャに挿通したインナロッドに締付ナットを螺着し、締付ナットの締付量に応じて、コイル部材とアーマチャとの軸方向相対位置を調節可能とすることが考えられる。
しかしながら、アーマチャに挿通されたインナロッドに対して締付ナットを螺着する作業は非常に面倒なものであり、時間も要することから、工業生産に適しているとは言い難く、メンテナンスも難しいという問題もある。
加えて、このような構造においては、コイル部材に対するアーマチャの軸直角方向の相対変位がこじり力となると共に、良好には解消され難いものとなる。即ち、特許文献3に示すような構造では、出力部材を支持するゴム弾性体の変形によってアーマチャに対してこじり方向の弾性力が作用し、アーマチャの円滑な作動が期待できないのであり、必ずしも有効な解決策ではなかったのである。
特開平9−89040号公報 特開平10−231886号公報 特開2001−1765号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、コイルへの通電によって加振力が作用せしめられるアーマチャに対して出力部材を連結し、アーマチャに生ぜしめられる駆動力を出力部材に伝達して加振するようにした防振用アクチュエータにおいて、コイルとアーマチャとの軸方向の相対位置を容易に且つ高精度に調節設定出来ることに加えて、コイルとアーマチャとの軸直角方向の位置ずれを解消して、こじり方向の荷重作用の残留乃至は発生を回避することが出来て、それらによって、目的とする出力特性を効率的に且つ安定して得ることの出来る、改良された構造の防振用アクチュエータを提供することにある。
また、本発明は、そのような防振用アクチュエータを用いて構成された、改良された構造を有する能動型防振装置として、能動型防振用マウントおよび能動型防振用制振器を提供することも目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面の記載、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(防振用アクチュエータに関する本発明の態様1)
すなわち、防振用アクチュエータに関する本発明の第1の態様は、略カップ形状のハウジングにコイル部材を組み込むと共に、該コイル部材への通電によって駆動力が及ぼされるアーマチャを該ハウジングの軸方向に変位可能に配設する一方、該ハウジングの開口部側に出力部材を離隔配置せしめて該出力部材を該ハウジングに対して支持ゴム弾性体を介して弾性支持せしめると共に、該出力部材をアーマチャに連結することにより、該コイル部材への通電によって該アーマチャから該出力部材に加振力を及ぼして、該出力部材を該ハウジングの軸方向に加振変位せしめるようにした防振用アクチュエータにおいて、前記アーマチャに軸方向の貫通孔を設けると共に前記出力部材にインナロッドを突設して該インナロッドを該アーマチャの該貫通孔に挿通する一方、該インナロッドの該アーマチャからの突出部分にロック部材を外挿装着せしめて、該インナロッドの外周面に係止歯を形成すると共に該係止歯に対して軸方向一方の側で係止せしめられることにより該ロック部材の該インナロッドに対する外挿状態での挿し込み力による軸方向変位は許容するが抜け出し力による軸方向変位は阻止する一方向係止機構を設けると共に、該アーマチャに対して該インナロッドからの抜け出し方向の付勢力を及ぼす付勢手段を設けて、該インナロッドに対して該一方向係止機構で軸方向に位置決めされた該ロック部材に対して該アーマチャを該付勢手段の付勢力で抜け出し方向に押し付けて該アーマチャを該インナロッドに対して軸方向で位置決めし、且つ該アーマチャを該インナロッドに対して軸直角方向に隙間を持たせて外挿せしめて、該アーマチャにおける該インナロッドの突出側端面に対して軸直角方向の滑り変位が許容される状態で該ロック部材を重ね合わせたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、インナロッドに形成された係止歯に対してロック部材の係止爪が係止するという簡素な構造によってアーマチャの軸方向の位置決めが行なわれることによって、部材の製造上の寸法誤差や、組付け時の位置決め誤差が軽減されて、螺着等に比してコイルに対するアーマチャの軸方向相対位置を高精度に設定することが可能となる。そして、インナロッドにおける係止歯と係止爪の係合位置を軸方向で調節することによって、コイルに対するアーマチャの軸方向相対位置を高精度に調節することが可能となるのである。
さらに、インナロッドとアーマチャとの連結は、インナロッドに形成された係止歯に対してロック部材の係止爪を係止しさえすれば良いことから、位置決め作業やねじ締め作業が不要とされて、組立工数が大幅に低減される。更にまた、インナロッドとアーマチャとの連結が、ロック部材と付勢手段による少ない部品点数で実現されることによって、製造コストが削減されると共に、部材の軽量化、特に駆動変位部分のマス低減が実現されて、アクチュエータの応答性が向上されるのである。
そして、インナロッドに係止固定されたロック部材が、軸直角方向の滑り変位が許容される状態でアーマチャに対して当接状態に保持されており、各部材の寸法誤差や組付け上の位置のバラツキ等の重畳によってコイルとインナロッドとの間に相対的な軸直角方向での位置ずれが比較的に大きく発生した場合でも、これらの相対的な位置ずれがアーマチャのインナロッドに対する滑り変位によって吸収されることで、容易に組み付けを行なうことが出来る。また、アーマチャの滑り変位によって、アーマチャのコイル部材に対する連結状態下での相対的な軸直角方向での位置ずれに起因するアーマチャのコイル部材に対する干渉や傾きを防止することが可能となり、アーマチャを安定して効率的に加振せしめることが可能となるのである。
なお、本態様においては、ロック部材とアーマチャとの滑り変位をより良好に実現するために、例えばポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等の低摩擦性材料による摺動部材をこれらの摺動面に組み込んでも良い。また、これらロック部材とアーマチャとの摺動面に低摩擦処理を施す等しても良い。
(防振用アクチュエータに関する本発明の態様2)
防振用アクチュエータに関する本発明の第2の態様は、前記態様1に係る防振用アクチュエータにおいて、前記インナロッドの軸方向で所定距離を隔てて複数の前記係止歯を形成すると共に、それら各係止歯を軸方向両側の歯面の傾斜角度が異なる略鋸歯形状として、前記ロック部材の前記係止爪が該係止歯の軸方向一方の歯面だけに係止されるようにすることにより、ラチェットタイプの係止機構を構成したことを、特徴とする。本態様に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、複数の係止歯が形成されていると共に、ロック部材はインナロッドに対して一方向のみの相対的な嵌り込みが許容されて、反対方向へは抜け出し不可能とされていることから、インナロッドに対するアーマチャの軸方向の位置決めは、アーマチャのインナロッドに対する押し込み量を調節することで調節が可能となり、螺着等に比して組付け作業に要する時間と労力の大幅な削減を図りつつ、アーマチャの組付け位置を高精度に調節することが可能となるのである。
(防振用アクチュエータに関する本発明の態様3)
防振用アクチュエータに関する本発明の第3の態様は、前記態様1又は2に係る防振用アクチュエータにおいて、前記アーマチャの端面に対する前記ロック部材の軸直角方向での相対的な滑り変位の許容量が0.2〜3mmの範囲内に設定されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、インナロッドとアーマチャとの間で駆動力がより安定して伝達されるのである。即ち、かかる許容変位量が小さ過ぎると、出力部材とアーマチャとの相対的な位置ずれを十分に吸収できなくなるおそれがある。一方、隙間が大き過ぎると、必要以上の変位を許容することとなって、インナロッドのガタツキが発生するおそれがあり、インナロッドの中心軸がアーマチャの中心軸から大きく外れることで、駆動時にインナロッドから及ぼされる駆動反力がアーマチャに対する偏心荷重となり、作動の安定性が低下するおそれがある。ここにおいて、インナロッドのアーマチャに対する軸直角方向での相対的な許容変位量を本態様に従う範囲内に設定することで、出力部材とアーマチャとの相対的な位置ずれを吸収しつつ、インナロッドから及ぼされる駆動反力がアーマチャに対する偏心荷重となることを可及的に軽減して、作動安定性を有効に確保することが出来るのである。
(防振用アクチュエータに関する本発明の態様4)
防振用アクチュエータに関する本発明の第4の態様は、前記態様1乃至3の何れかに係る防振用アクチュエータにおいて、インナロッドに外挿される筒状部と、該筒状部の軸方向一方の端縁部において軸直角方向外方に広がり前記アーマチャの端面に対して滑り変位可能に重ね合わせられるフランジ状部と、該筒状部の軸方向他方の端部において軸直角方向内方に傾斜して軸方向に延び出して先端部分が前記インナロッドの前記係止歯に対して係止せしめられる前記係止爪とを、含んで前記ロック部材を形成したことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、特定構造を有するロック部材を採用することによって、アーマチャとの当接状態の保持と、ロック部材のインナロッドからの抜け出しの阻止とを効果的に両立することが可能となるのである。即ち、ロック部材の軸方向一方の端縁部に形成されたフランジ状部によって、ロック部材がアーマチャと当接状態に保持されると共に、軸方向他方に形成された係止爪がインナロッドの係止歯に係止せしめられることによって、ロック部材のインナロッドからの抜け出しが阻止されるのである。
(防振用アクチュエータに関する本発明の態様5)
防振用アクチュエータに関する本発明の第5の態様は、前記態様1乃至4の何れかに係る防振用アクチュエータにおいて、前記ハウジングの底壁の中央部分に作業用孔を設けて、前記アーマチャに挿通した前記インナロッドに対して前記ロック部材を軸方向に押し入れて位置調節する調節作業を、該作業用孔を通じて外部から行うことが出来るようにすると共に、該作業用孔を覆蓋する蓋部材を設けたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、作業用孔を積極的に利用して、例えばアーマチャのインナロッドへの押し込み量の調節を容易に行なうことが出来るのであり、しかも、作業用孔を蓋部材によって覆蓋することが出来ることから、塵や埃が作業用孔を通じてアーマチャの滑動部位に入り込んで、アクチュエータの作動が阻害されるようなこともないのである。なお、蓋部材の具体的な形状や作業用孔への取付構造については何等限定されるものではなく、例えば蓋部材にシールゴム層を形成して、作業用孔を流体密にシールすること等も可能である。
(能動型防振用マウントに関する本発明)
能動型防振用マウントに関する本発明は、
相互に連結されることにより振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を形成すると共に、該受圧室の壁部の別の一部を加振部材で構成し、該加振部材に加振力を及ぼすアクチュエータを設けて、該アクチュエータで該加振部材を加振駆動することにより該受圧室の圧力を能動的に制御するようにした能動型防振用マウントにおいて、前記アクチュエータとして上述の如き防振用アクチュエータに関する本発明の態様1乃至5の何れかの態様に係る防振用アクチュエータを用い、該防振用アクチュエータにおける前記ハウジングを前記第二の取付部材に固定する一方、前記出力部材によって前記加振部材を構成したことを、特徴とする。このような本発明に従えば、例えば自動車用エンジンマウント等に好適に採用され得る能動型防振用マウントが有利に実現され得る。
(能動型防振用制振器に関する本発明)
能動型防振用制振器に関する本発明は、防振対象部材に装着されることにより、該防振対象部材に加振力を及ぼして能動的な制振作用を発揮する能動型防振用制振器であって、前記防振用アクチュエータに関する本発明の態様1乃至5の何れかの態様に係る防振用アクチュエータを用い、該防振用アクチュエータにおける前記ハウジングと前記出力部材の一方において前記防振対象部材に固定するための取付部を設けると共に、それらハウジングと出力部材の他方にマス部を設けたことを、特徴とする。このような本発明に従えば、例えば自動車のボデー用制振器等に好適に採用され得る能動型防振用制振器が有利に実現され得る。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた防振用アクチュエータにおいては、ロック部材のインナロッドからの抜け出しを阻止すると共に、ロック部材をアーマチャに対して軸直角方向の滑り変位が許容される状態で保持せしめたことによって、コイルとアーマチャとの軸方向の相対位置を高精度に調節設定することが出来るのに加えて、コイルとアーマチャとの軸直角方向の位置ずれを解消して、こじり方向の荷重作用の残留乃至は発生を回避することが出来て、それらによって、目的とする出力特性を効率的に且つ安定して得ることが出来るのである。
また、このような本発明に係る防振用アクチュエータを用いて構成された能動型防振用マウントや能動型防振用制振器といった能動型防振装置においては、目的とする出力特性を一層効率的に且つ安定して得ることが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、能動型防振用マウントに関する本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされており、第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持するようになっている。また、そのような装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、パワーユニットの分担荷重と、防振すべき主たる振動が、何れも、エンジンマウント10の略軸方向(図1中、上下方向)に入力されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、本体ゴムインナ金具18とダイヤフラムインナ金具20によって構成されていると共に、第二の取付金具14は、本体ゴムアウタ筒金具22とダイヤフラムアウタ筒金具24によって構成されている。そして、本体ゴム弾性体16に対して本体ゴムインナ金具18と本体ゴムアウタ筒金具22が加硫接着されて第一の一体加硫成形品28とされている一方、ダイヤフラムインナ金具20とダイヤフラムアウタ筒金具24が、可撓性膜としてのダイヤフラム30に対して加硫接着されて第二の一体加硫成形品32とされており、これら第一及び第二の一体加硫成形品28,32が相互に組み合わされている。
ここにおいて、第一の一体加硫成形品28を構成する本体ゴムインナ金具18は、逆向きの略円錐台形状を有している。また、本体ゴムインナ金具18の上端面(大径側端面)には、嵌合凹部34が形成されていると共に、該嵌合凹部34の底面に開口するねじ穴38が設けられている。
更にまた、本体ゴムアウタ筒金具22は、略大径円筒形状を有する筒壁部40を備えており、この筒壁部40の軸方向下端部には径方向外方に向かって広がるフランジ状部42が一体形成されている一方、筒壁部40の軸方向上端部分は、軸方向上方に行くに従って次第に拡開するテーパ筒状部44とされている。これによって、本体ゴムアウタ筒金具22の外周側には、外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる周溝45が形成されている。そして、本体ゴムアウタ筒金具22の上方に離隔して、本体ゴムインナ金具18が略同一中心軸上で離隔配置されており、本体ゴムインナ金具18における逆テーパ形状の外周面と本体ゴムアウタ筒金具22におけるテーパ筒状部44の内周面が相互に離隔して対向位置せしめられており、これら本体ゴムインナ金具18と本体ゴムアウタ筒金具22との対向面間が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
かかる本体ゴム弾性体16は、全体として大径の円錐台形状を有しており、その中央部分には、本体ゴムインナ金具18が同軸的に配されて加硫接着されていると共に、その大径側端部外周面に対して本体ゴムアウタ筒金具22のテーパ筒状部44が重ね合わせられて加硫接着されている。これによって、本体ゴム弾性体16が、上述の如き本体ゴムインナ金具18および本体ゴムアウタ筒金具22を備えた第一の一体加硫成形品28として形成されている。
また一方、第二の一体加硫成形品32を構成するダイヤフラムインナ金具20は、厚肉の円板形状を有している。また、ダイヤフラムインナ金具20の下面には、嵌合凸部46が形成されていると共に、該嵌合凸部46の形成部位を貫通して挿通孔52が形成されている。更にダイヤフラムインナ金具20には、上方に突出して取付板部58が一体形成されており、取付板部58の中央部分にはボルト挿通孔59が設けられている。
また、ダイヤフラムアウタ筒金具24は、薄肉大径の円筒形状を有しており、その軸方向上側の開口部には、径方向外方に向かって広がる取付用板部62が一体形成されている。なお、取付用板部62には、複数の挿通孔が形成されており、それらの挿通孔に対してそれぞれ固定ボルト64が圧入されて植設されている。更にまた、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向下側の開口部には、径方向外方に向かって広がる円環板形状のフランジ状部66が一体形成されており、更に、フランジ状部66の外周縁部には、軸方向下方に向かって突出する円環状のかしめ片68が一体形成されている。
そして、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向上方に離隔して、ダイヤフラムインナ金具20が、略同一中心軸上に配設されており、それらダイヤフラムインナ金具20とダイヤフラムアウタ筒金具24が、ダイヤフラム30によって連結されている。
ダイヤフラム30は、薄肉のゴム膜によって形成されており、容易に弾性変形が許容されるように大きな弛みを持った湾曲断面形状をもって周方向に延びる略円環形状を有している。そして、ダイヤフラム30の内周縁部が、ダイヤフラムインナ金具20の外周縁部に対して加硫接着されていると共に、ダイヤフラム30の外周縁部が、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向上側の開口部に加硫接着されている。これにより、ダイヤフラム30は、ダイヤフラムインナ金具20およびダイヤフラムアウタ筒金具24を備えた第二の一体加硫成形品32として形成されている。
而して、かかる第二の一体加硫成形品32が、前述の第一の一体加硫成形品28に対して上方から重ね合わせられて組み付けられており、ダイヤフラムインナ金具20が本体ゴムインナ金具18に固着されていると共に、ダイヤフラムアウタ筒金具24が本体ゴムアウタ筒金具22に固着されており、更にダイヤフラム30が、本体ゴム弾性体16の外方に離隔して、本体ゴム弾性体16の外周面を全体に亘って覆うようにして配設されている。
すなわち、ダイヤフラムインナ金具20が本体ゴムインナ金具18の上面に直接に重ね合わされて、ダイヤフラムインナ金具20の嵌合凸部46が本体ゴムインナ金具18の嵌合凹部34に嵌め込まれることによって、ダイヤフラムインナ金具20と本体ゴムインナ金具18が同一中心軸上に位置合わせされている。また、特に本実施形態では、嵌合凸部46と嵌合凹部34の各外周面に切欠状に形成された係合外周面50と係合内周面36の係合作用によって、ダイヤフラムインナ金具20と本体ゴムインナ金具18が周方向でも相互に位置決めされており、ダイヤフラムインナ金具20の挿通孔52と本体ゴムインナ金具18のねじ穴38が位置合わせされている。
そして、図1に示されているように、本体ゴムインナ金具18とダイヤフラムインナ金具20を重ね合わせた状態下で、連結ボルト70が、ダイヤフラムインナ金具20の挿通孔52を通じて本体ゴムインナ金具18のねじ穴38に螺着されている。而して、これら本体ゴムインナ金具18とダイヤフラムインナ金具20が連結ボルト70で連結固定されることにより、第一の取付金具12が構成されている。
一方、ダイヤフラムアウタ筒金具24は本体ゴムアウタ筒金具22に対して軸方向上方から外挿されている。また、本体ゴムアウタ筒金具22は、その下端部において、フランジ状部42の外周縁部がダイヤフラムアウタ筒金具24のフランジ状部66に対して軸方向に重ね合わされていると共に、その上端部において、テーパ筒状部44の開口端縁部がダイヤフラムアウタ筒金具24の内周面に対して径方向で重ね合わされている。
そして、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42の外周縁部に対して、ダイヤフラムアウタ筒金具24のかしめ片68がかしめ固定されることによって、本体ゴムアウタ筒金具22とダイヤフラムアウタ筒金具24が相互に固定されて組み付けられている。なお、これら本体ゴムアウタ筒金具22の上下両端部におけるダイヤフラムアウタ筒金具24との重ね合わせ部位には、それぞれ、本体ゴム弾性体16またはダイヤフラム30と一体成形されたシールゴムが介在されており、流体密にシールされている。これにより、本体ゴムアウタ筒金具22に形成された周溝45がダイヤフラムアウタ筒金具24で流体密に覆蓋されており、もって、本体ゴムアウタ筒金具22の筒壁部40とダイヤフラムアウタ筒金具24の径方向対向面間を周方向に所定長さで乃至は全周に亘って連続して延びる環状通路72が形成されている。
さらに、本体ゴムアウタ筒金具22の下側開口部には、仕切板金具74と覆部材76が組み付けられている。覆部材76は、略円環板形状の支持ゴム弾性体78に対して、その中央部分に出力部材としての加振板80が加硫接着されていると共に、その外周部分に環状保持金具82が加硫接着されており、それら加振板80と環状保持金具82が支持ゴム弾性体78で弾性的に連結されている。
加振板80は、円板形状を有しており、その外周縁部には上方に向かって突出する環状連結部84が一体形成されている。また、加振板80の中央部分には、下方に向かって延びるインナロッドとしての駆動軸86が一体形成されており、この駆動軸86の先端部分には、図2に示すように、軸方向で所定距離を隔てて複数の係止歯87が形成されている。それぞれの係止歯87は、軸方向両端の歯面の傾斜角度がそれぞれ異ならされており、本実施形態においては、駆動軸86の先端側(図中、下端側)の歯面が先端に向かって次第に小径となるテーパ形状とされる一方、後端側の歯面は略軸直角方向に広がっており、全体として略鋸歯形状とされている。係止歯87一つあたりの軸方向寸法乃至は軸方向ピッチとしては、後述する滑動子126の軸方向位置の調節という点を考慮すると、P=0.05〜0.5mmの範囲が好適に採用される。なお、図1及び図2においては、係止歯87の形状を容易に理解できるように、軸方向ピッチを含む係止歯87の大きさを誇張して、実際よりも大きな縮尺(縮小比)で表示している。また、加振板80は、環状連結部84や駆動軸86を含んで、金属や合成樹脂等の硬質材で一体成形されている。
一方、環状保持金具82は、円筒形状を有する円筒状部88の上下開口部に対してそれぞれフランジ状に広がる取付板部90と位置決め突部92が一体形成されており、取付板部90の外周縁部には、更に下方に突出する円環状の圧入部94が一体形成されている。
そして、環状保持金具82の径方向内方に離隔して略同一中心軸上に加振板80が配設されており、これら環状保持金具82と加振板80の径方向対向面間に広がるようにして支持ゴム弾性体78が配設されている。また、かかる支持ゴム弾性体78は、その内外周縁部が加振板80の環状連結部84と環状保持金具82の円筒状部88の対向面に対してそれぞれ加硫接着されており、加振板80と環状保持金具82の間が支持ゴム弾性体78で流体密に閉塞されている。
一方、仕切板金具74は、薄肉の円板形状を有しており、その外径寸法が、環状保持金具82における取付板部90の径方向中間部分まで至る大きさとされている。また、仕切板金具74の中央部分は、略台地状に上方に突出せしめられていると共に、複数のオリフィス通孔96が貫設されている。更に、仕切板金具74の外周縁部近くに位置する周上には、複数の係止片79が、上方に向かって突設されている。
そして、仕切板金具74は、ダイヤフラムアウタ筒金具24の下側開口部において、そこに組み付けられた本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42に対して外周縁部が重ね合わされて組み付けられている。更に、ダイヤフラムアウタ筒金具24の下側開口部には、仕切板金具74の下方から覆部材76が組み付けられており、覆部材76における環状保持金具82の取付板部90が、本体ゴムアウタ筒金具22と仕切板金具74に重ね合わされて、それぞれの外周縁部がダイヤフラムアウタ筒金具24のかしめ片68によってかしめ固定されている。
これにより、ダイヤフラムアウタ筒金具24の下側開口部が、覆部材76で流体密に覆蓋されており、もって、本体ゴム弾性体16と覆部材76の対向面間には、非圧縮性流体が封入された受圧室100が形成されている。この受圧室100は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて振動が入力されて圧力変動が惹起されるようになっている。
また、受圧室100には、仕切板金具74が配設されており、受圧室100が、仕切板金具74を挟んで、本体ゴム弾性体16側の振動入力室102と、覆部材76側の加振室104に二分されていると共に、これら振動入力室102と加振室104がオリフィス通孔96で連通せしめられている。
更にまた、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30が、それぞれの内周縁部と外周縁部において第一の取付金具12と第二の取付金具14に固着されることにより、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30の対向面間には、非圧縮性流体が封入された平衡室106が形成されている。即ち、この平衡室106は、壁部の一部が変形容易なダイヤフラム30で構成されており、ダイヤフラム30の弾性変形に基づいて容易に容積変化が許容されるようになっているのである。なお、受圧室100や平衡室106に封入される非圧縮性流体としては、後述するオリフィス通路112を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を自動車用のエンジンマウント10に要求される振動周波数域で効率的に得るために、一般に、0.1Pa.s以下の低粘性流体が好適に採用される。
さらに、受圧室100と上側に形成された平衡室106は、第二の取付金具14内に形成された環状通路72を通じて接続されており、それによって、受圧室100と平衡室106を相互に連通せしめて両室100,106間での流体流動を許容するオリフィス通路112が所定長さで形成されている。なお、オリフィス通路112は、振動入力時に受圧室100と平衡室106の間に惹起される圧力差に基づいて内部を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、例えばアイドリング振動等の特定の周波数域で有効に発揮されるように、その通路断面積や通路長さが適当に設定されてチューニングされている。
また一方、覆部材76を挟んで受圧室100と反対側には、防振用アクチュエータとしての電磁加振器114が配設されている。この電磁加振器114は、略カップ形状のハウジング116にコイル118が収容状態で固定的に組み付けられていると共に、コイル118の周りには、それぞれ環状の強磁性材からなるヨーク120,122が固定的に組み付けられて磁路が形成されている。また、磁路を形成するヨーク120の筒状内周面には、ガイドスリーブ124が弾性的に位置決めされて装着されており、アーマチャとしての強磁性材からなる滑動子126が、かかるガイドスリーブ124内を滑動可能に組み付けられている。
滑動子126は、磁路を形成するヨーク120,122間に形成された磁気ギャップの領域に配設されており、コイル118に通電することにより磁力が及ぼされて、ガイドスリーブ124で案内されつつ軸方向に駆動されるようになっている。また、滑動子126は、軸方向に貫通する貫通孔127を有する全体として略円筒形状を有しており、外周面においてガイドスリーブ124に摺動可能とされている一方、貫通孔127の一部には、係合突部128が内方に向かって突出形成されている。
そして、電磁加振器114は、ハウジング116の開口周縁部に形成されたフランジ部130が、覆部材76における環状保持金具82の取付板部90に重ね合わされて、環状保持金具82等と共に、かしめ片68で第二の取付金具14にかしめ固定されている。これにより、電磁加振器114は、その滑動子126の滑動中心軸が、第一及び第二の取付金具12,14の中心軸に略一致するように組み付けられている。
また、このように組み付けられた電磁加振器114には、その中心軸上で上方から加振板80の駆動軸86が差し入れられており、この駆動軸86が、滑動子126の貫通孔127及び係合突部128に挿通されている。そして、駆動軸86の係合突部128に挿通された先端部分には、ロック部材132が外挿固定されて、かかるロック部材132によって滑動子126が駆動軸86から抜け出し不能に支持されている。
より詳細には、ロック部材132は、金属や樹脂等のある程度の弾性を備えた硬質材から形成されて、駆動軸86の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有する筒状部134を有している。筒状部134の下端縁部は、僅かに内方に屈曲する係止爪136とされる一方、上端縁部は滑動子126の内径寸法より僅かに小さい大きさで略水平に外方に広がるフランジ状支持部138とされている。更に、フランジ状支持部138の外周縁部には、下方に向かって立ち上がるリム139が形成されている。なお、係止爪136は、周上の適数箇所において、下端部から軸方向上方に延びるスリット上の切り込みを形成したり、筒状部134より薄肉化する等によってばね調節しても良い。
一方、駆動軸86の先端部分には、前述の如き複数の係止歯87が形成されており、これら係止歯87によってロック部材132の係止爪136が係止されるようになっている。ここにおいて、各係止歯87の軸方向両側の歯面の傾斜角度が異ならされていることによって、ロック部材132は係止歯87の上側の歯面にのみ係止される。即ち、ロック部材132は、駆動軸86に対して押し込み方向の移動のみが可能とされて、抜け出し方向の移動が阻止されており、駆動軸86に形成された複数の係止歯87によって、所謂ラチェットのような係止機構が構成されているのである。
そして、ロック部材132が、滑動子126を駆動軸86に対して抜け出し不能に支持している一方、駆動軸86には付勢手段としてのコイルスプリング146が外挿されて、加振板80と滑動子126の係合突部128の対向面間に跨って配設されている。そして、ロック部材132を駆動軸86に対して押し込んで、滑動子126の係合突部128を介して、加振板80との間でコイルスプリング146を圧縮せしめることにより、滑動子126はコイルスプリング146によって駆動ロッド86から抜け出し方向に付勢されると共に、ロック部材132によって抜け出し不能に支持される。これにより、滑動子126は駆動軸86に対して軸方向に固定的に位置決めされている。なお、本実施形態においては、コイルスプリング146の両端には、カラー部材150が嵌着されて、コイルスプリング146と他部材との擦れによる磨耗を軽減している。而して、滑動子126と駆動軸86は軸方向において実質的に固着状態で連結されて、コイル118への通電で滑動子126に作用せしめられる駆動力が駆動軸86に及ぼされるようになっている。
ここにおいて、滑動子126の取付位置は、ロック部材132の駆動軸86への押し込み量を調節することにより、軸方向に変更設定することが出来るのであり、それによって、滑動子126のヨーク122に対する磁力作用対向面間の距離を微調節することが可能となっているのである。更に、滑動子126の軸方向の位置決めは、ロック部材132を駆動軸86に押し込みさえすればよく、ねじ込み等の作業も不要となることから、軸方向で目的とする位置への固定を容易に実現することが可能となるのである。また、螺着構造に比して、ゆるみによる位置ずれも防止されるのである。
なお、ロック部材132のリム139と滑動子126との対向面間には間隙:tが形成されていることから、滑動子126は駆動軸86に対して軸直角方向の滑り変位が許容される状態でロック部材132と重ね合わされて当接状態に保持されている。これにより、各部材の製造上の寸法誤差や組み付け時の位置決め誤差等に起因する駆動軸86と滑動子126との相対的な位置ずれを有利に吸収することが出来て、滑動子126をコイル118に対して軸直方向にも安定して位置決めすることが出来るのであり、安定した作動特性を得ることが出来る。なお、かかる軸直角方向の相対変位の許容量としては、t=0.2mm〜3mmの範囲が好適に採用される。更に、ロック部材132の外周縁部にリム139が設けられて、滑動子126の内周面と広い範囲で当接されることによって変位量が制限されていることから、変位量制限を確実に行なえると共に、打ち当たりによる衝撃が広い範囲に亘って分散されることによって、両部材の耐久性が向上せしめられるのである。
そして、電磁加振器114のハウジング116の底壁部中央には、作業用孔としての透孔140が貫設されており、滑動子126に対向位置せしめられて磁力を及ぼすヨーク122が外部に露呈されていると共に、ヨーク122の中心孔142を通じて、滑動子126が配設された電磁加振器114の内部空間が、直接に外部に開口せしめられるようになっている。そして、ハウジング116の透孔140からヨーク122の中心孔142を通じて、滑動子126の駆動軸86への押し込み作業を、外部から容易に行なうことが可能とされているのである。
また、ヨーク122の中心孔142は、開口部近くが拡径されて大径部143とされており、開口部の軸方向内方に位置して環状段差部としての段差面144が形成されている。また、大径部143の内周面には、周方向に連続して延びる環状の係止溝145が形成されている。そして、かかる大径部143には、蓋部材としての蓋板金具148が組み付けられている。
この蓋板金具148は、円板形状を有しており、一方の面には略全面に亘ってゴム層149が形成されて加硫接着されている。このゴム層149は、中央部分の緩衝ゴム部152と、該緩衝ゴム部152よりも僅かに厚肉とされた外周部分の環状シールゴム部154から形成されている。そして、蓋板金具148がヨーク122の大径部143に嵌め込まれていると共に、蓋板金具148の外側からC形止め輪155が大径部143に嵌め込まれて係止溝145に係止装着されている。
これにより、蓋板金具148の外面がC形止め輪155で押し付けられて、蓋板金具148の外周部分が、段差面144に対して、環状シールゴム部154を介して当接されており、以て、電磁加振器114のヨーク122に形成された中心孔142が、その開口部に形成された大径部143において流体密に覆蓋されている。また、蓋板金具148の中央部分は、加振板80の駆動軸86の先端面に対して軸方向下方に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に大きな振動荷重が入力されて受圧室100に過大な圧力が惹起された場合等において、駆動軸86の先端が緩衝ゴム部152を介して蓋板金具148に当接することにより、加振板80の変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10には、電磁加振器114に対して、更に筒形ブラケット156が外挿されている。筒形ブラケット156は、上端開口部にフランジ状部158を有しており、このフランジ状部158が、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42や環状保持金具82の取付板部90,ハウジング116のフランジ部130と共に、ダイヤフラムアウタ筒金具24に対してかしめ片68でかしめ固定されている。また、筒形ブラケット156の下端開口部には取付板部160が形成されており、この取付板部160に対して複数の取付用孔(図示せず)が形成されている。
而して、エンジンマウント10は、図示されていないが、第一の取付金具12の取付板部58が、ボルト挿通孔59に挿通される固定ボルトでパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が、筒形ブラケット156を介して固定ボルトで自動車ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットとボデーの間に装着されることとなる。そして、かかる装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振動が入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って受圧室100と平衡室106の間に惹起される圧力差に基づいてオリフィス通路112を通じて流体流動が生ぜしめられて、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて受動的な防振効果が発揮される。また、防振すべき振動に応じた周波数や位相でコイル118への通電を制御して電磁加振器114で加振板80を加振駆動せしめることにより、加振室104からオリフィス通孔96を通じて振動入力室102に圧力変動を及ぼし、振動入力室102の圧力変動を能動制御することにより入力振動に対して能動的な防振効果を得ることが出来るのである。
そこにおいて、本実施形態のエンジンマウント10では、加振板80から突設された駆動ロッド86に対して、電磁加振器114の滑動子126が、軸直角方向の滑り変位が可能に配設せしめられていることから、組み付けの際の寸法誤差による相対的な位置ずれや、アクチュエータ作動時における一時的な位置ずれが有利に吸収されるのである。
すなわち、電磁加振器114の駆動時において、滑動子126から駆動軸86への駆動力の伝達方向は、加振動作によって交互に変化することから、比較的に大きな付勢力を持って係合突部128がロック部材132に押し付けられていても、駆動力の方向が変化する箇所において慣性力の作用で瞬間的に付勢力が低下する。その瞬間において支持ゴム弾性体78の弾性力を利用して、駆動軸86が相対的に滑り変位せしめられて、滑動子126との位置合わせが有利に行われ得るのである。
また、支持ゴム弾性体78の不規則な弾性変形等によって一時的に位置ずれが発生した場合や、駆動軸86の滑り変位によって位置ずれが解消されるまでの間は、滑動子126とロック部材132との間隙とコイルスプリング146の弾性変形によって、駆動軸86の傾きが許容されており、これによって、滑動子126とガイドスリーブ124との間でのこじり荷重の作用を軽減乃至は回避することが出来、滑動子126の作動の安定性と耐久性が有利に維持され得るのである。
更にまた、少ない部品点数で滑動子126と駆動軸86を連結可能としたことによって軽量化が実現されて、加振板80の応答性が向上せしめられているのであり、加振室104に対してより有効な加振力を及ぼしめることが可能となったのである。
そして、滑動子126の軸方向の位置決め作業は、ロック部材132の駆動軸86への押し込み量を調節するのみで可能であるので、ねじ込み等の作業を必要とすることなく、組立工数の大幅な低減が可能となる。加えて、係止歯87とロック部材132の係止爪136との係合による安定した位置決めが行なわれて、電磁加振器114の作動特性の安定化も図られるのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、駆動軸86に形成される係止歯87の具体的形状は何等限定されるものではなく、必ずしも駆動軸86の周方向に連続する必要は無いのであって、その周上に切欠きを形成する等、当業者の判断において適宜に変更可能である。また、本実施形態においては、係止歯87は、駆動軸86に一体形成されていたが、樹脂等によって別体形成した係止歯を備えた部材を駆動軸86に固着する等しても良い。
また、本実施形態においては、ロック部材132の係止爪136は、駆動軸86に対する抜け出し方向への変位は不可能とされていたが、かかる係止爪136に解除機構を設けて、駆動軸86からの抜け出し方向の変位を可能とすることによって、滑動子126と駆動軸86との軸方向相対位置を再調節可能とすることも出来る。
加えて、本発明は、例示の如き形状の自動車用エンジンマウントに限らず、所謂筒形マウント等にも適用可能であるし、自動車用のボデーマウントやメンバマウント等、或いは自動車以外の各種装置におけるマウントや制振器などの防振装置や、そのような防振装置に用いられる防振用アクチュエータに対して、同様に適用可能である。
例えば、本発明を適用した能動型制振器としては、具体的には、第一の実施形態に示された電磁加振器114を、第一及び第二の一体加硫成形品28,32から独立して単体で用いて、そのハウジング116の開口部に覆部材76を組み付け、環状保持金具82における取付板部90をハウジング116のフランジ部130にかしめ固定することによって構成される。即ち、このようにして構成された制振器にあっては、加振板80を取付部として制振すべき振動部材に対して固定的に取り付けて、コイル118を含むハウジング116を、振動部材に対して支持ゴム弾性体78を介して弾性的に連結支持せしめることにより、コイル118を含むハウジング116を、コイル118への通電によって振動部材に対して能動加振されるマスとして作用せしめることが出来るのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 図1に示されたエンジンマウントにおける要部拡大図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
30 ダイヤフラム
78 支持ゴム弾性体
80 加振板
86 駆動軸
87 係止歯
96 オリフィス通孔
102 振動入力室
104 加振室
106 平衡室
112 オリフィス通路
114 電磁加振器
116 ハウジング
118 コイル
126 滑動子
128 係合突部
132 支持リング
134 筒状部
136 係止爪
138 フランジ状支持部
140 透孔
142 中心孔
146 コイルスプリング
148 蓋板部材

Claims (7)

  1. 略カップ形状のハウジングにコイル部材を組み込むと共に、該コイル部材への通電によって駆動力が及ぼされるアーマチャを該ハウジングの軸方向に変位可能に配設する一方、該ハウジングの開口部側に出力部材を離隔配置せしめて該出力部材を該ハウジングに対して支持ゴム弾性体を介して弾性支持せしめると共に、該出力部材をアーマチャに連結することにより、該コイル部材への通電によって該アーマチャから該出力部材に加振力を及ぼして、該出力部材を該ハウジングの軸方向に加振変位せしめるようにした防振用アクチュエータにおいて、
    前記アーマチャに軸方向の貫通孔を設けると共に前記出力部材にインナロッドを突設して該インナロッドを該アーマチャの該貫通孔に挿通する一方、該インナロッドの該アーマチャからの突出部分にロック部材を外挿装着せしめて、該インナロッドの外周面に係止歯を形成すると共に該係止歯に対して軸方向一方の側で係止せしめられることにより該ロック部材の該インナロッドに対する外挿状態での挿し込み力による軸方向変位は許容するが抜け出し力による軸方向変位は阻止する一方向係止機構を設けると共に、該アーマチャに対して該インナロッドからの抜け出し方向の付勢力を及ぼす付勢手段を設けて、該インナロッドに対して該一方向係止機構で軸方向に位置決めされた該ロック部材に対して該アーマチャを該付勢手段の付勢力で抜け出し方向に押し付けて該アーマチャを該インナロッドに対して軸方向で位置決めし、且つ該アーマチャを該インナロッドに対して軸直角方向に隙間を持たせて外挿せしめて、該アーマチャにおける該インナロッドの突出側端面に対して軸直角方向の滑り変位が許容される状態で該ロック部材を重ね合わせたことを特徴とする防振用アクチュエータ。
  2. 前記インナロッドの軸方向で所定距離を隔てて複数の前記係止歯を形成すると共に、それら各係止歯を軸方向両側の歯面の傾斜角度が異なる略鋸歯形状として、前記ロック部材の前記係止爪が該係止歯の軸方向一方の歯面だけに係止されるようにすることにより、ラチェットタイプの係止機構を構成した請求項1に記載の防振用アクチュエータ。
  3. 前記アーマチャの端面に対する前記ロック部材の軸直角方向での相対的な滑り変位の許容量が0.2〜3mmの範囲内に設定されている請求項1又は2に記載の防振用アクチュエータ。
  4. インナロッドに外挿される筒状部と、
    該筒状部の軸方向一方の端縁部において軸直角方向外方に広がり前記アーマチャの端面に対して滑り変位可能に重ね合わせられるフランジ状部と、
    該筒状部の軸方向他方の端部において軸直角方向内方に傾斜して軸方向に延び出して先端部分が前記インナロッドの前記係止歯に対して係止せしめられる前記係止爪と
    を、含んで前記ロック部材を形成した請求項1乃至3の何れかに記載の防振用アクチュエータ。
  5. 前記ハウジングの底壁の中央部分に作業用孔を設けて、前記アーマチャに挿通した前記インナロッドに対して前記ロック部材を軸方向に押し入れて位置調節する調節作業を、該作業用孔を通じて外部から行うことが出来るようにすると共に、該作業用孔を覆蓋する蓋部材を設けた請求項1乃至4の何れかに記載の防振用アクチュエータ。
  6. 相互に連結されることにより振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を形成すると共に、該受圧室の壁部の別の一部を加振部材で構成し、該加振部材に加振力を及ぼすアクチュエータを設けて、該アクチュエータで該加振部材を加振駆動することにより該受圧室の圧力を能動的に制御するようにした能動型防振用マウントにおいて、
    前記アクチュエータとして請求項1乃至5の何れかに記載の防振用アクチュエータを用い、該防振用アクチュエータにおける前記ハウジングを前記第二の取付部材に固定する一方、前記出力部材によって前記加振部材を構成したことを特徴とする能動型防振用マウント。
  7. 防振対象部材に装着されることにより、該防振対象部材に加振力を及ぼして能動的な制振作用を発揮する能動型防振用制振器であって、
    請求項1乃至5の何れかに記載の防振用アクチュエータを用い、該防振用アクチュエータにおける前記ハウジングと前記出力部材の一方において前記防振対象部材に固定するための取付部を設けると共に、それらハウジングと出力部材の他方にマス部を設けたことを特徴とする能動型防振用制振器。
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