JP4019462B2 - 生産計画方法、生産計画装置、物品の生産方法及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生産計画方法、生産計画装置、物品の生産方法、及び記録媒体に係り、より詳しくは、複数の設備で生産する複数の品種の生産時間の資源配分及び順序付けを定める生産計画方法、生産計画装置、該生産計画方法により立案された結果に基づいて物品を生産する物品の生産方法、及び該生産計画を行うためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
生産計画は与えられた生産要求(生産品種、数量)を満足し、可能な限り効率的に設備を稼働させるために立案される工場設備の日程計画である。従来では、この生産計画を自動的に得るためのアルゴリズムとして、例えば樹脂成型工程に代表される1工程並行ショップの場合では以下のような解法が採用されていた。なお、この解法は、第1段階として資源配分を行い、次に第2段階として順序付けを行う2段階の解法からなる。
【0003】
(1)第1段階(資源配分)
資源配分では、どの設備でどの品種をどれだけ生産するかを決定する。
【0004】
ここで、既知数を、
di :品種iの生産要求量 i=1,2,...,N (1)
tj :設備jの稼働可能時間 j=1,2,...,M (2)
aij :品種iを設備jで生産した場合の能力(重量/時間) (3)
wi :品種iに対する重み (4)
とし、未知数を、
Xij :品種iの設備jでの生産時間 (5)
とする。
【0005】
このとき、制約条件として、次の(6) 式による生産要求充足条件と、 (7)式の設備稼働時間条件とが有る。
【0006】
この生産要求充足条件は、品種iの生産量が品種iの生産要求量di 以上となることを要請する。そして、すべての品種iについて(6) 式を満たすことが要求される。
【0007】
この設備稼働時間条件は、設備jでの生産時間が、設備jの稼働可能時間tj 以下となることを要請する。そして、すべての設備jについて(7) 式を満たすことが要求される。
【0008】
以上のような制約の下で、各品種のおもみを考慮しながら各設備でどの品種をどれだけの生産時間で生産したら良いかを定める際の目的関数となるのが、次の(8) 式である。
【0009】
(8) 式は、各品種のおもみを考慮した全生産量を最大化することを目的としている。
【0010】
第1段階では、(6) 、(7) 、(8) 式を満たす解Xijを、線形計画法の一般的な解法(単体法、内点法など)を用いて求める。ここで、第1段階の解を以下のように表す。
【0011】
Xij = X1 ij (9)
(2)第2段階(順序付け)
第2段階の順序付けでは、第1段階で求められた解に基づき各設備で各品種をどの順番で生産するかを決定する。
【0012】
ここで、既知数は、
X1 ij :品種iの設備jでの生産時間 (第1段階の解) (10)
であり、未知数は、
である。但し、Lj はX1 1j、X1 2j、....、X1 Njのうち値が0でないものの数とする。
【0013】
このとき、制約条件として以下の(12)式が成立する。
(12)式を満たすUijk の可能な値(解)は無数に存在する。生産工程の現実的な制約条件を考慮し望ましい解を選択する。このときに考慮すべき現実的な制約条件の例を次の▲1▼、▲2▼、▲3▼に掲げる。
【0014】
▲1▼ 1日当たりの段取り替え回数の上限
▲2▼ 使用する治具の個数の上限
▲3▼ 品種の生産順序の制約
さらに上記制約条件を満たす解が複数あるときは、段取り替え回数の合計などの評価尺度で解を決定する。なお、これらの制約条件は、品種の生産順序が決まっていない第1段階では考慮することができない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の最適な生産計画を得るためのアルゴリズムでは、以下のような問題が有った。
【0016】
(1) 第1段階(資源配分)の解は本来複数存在する可能性が有る。
第1段階の解を、上述した線形計画法の一般的な解法(単体法、内点法)で求めた場合、解が1つだけ求められる。しかし、実際には解が複数存在する可能性があり、これらの複数の解を系統的に列挙するアルゴリズムは存在しない。解が複数存在する例を以下に示す。
【0017】
同一製品を加工する複数の全く同一の加工機を備えた設備からなる生産工程では、品種iを設備jで生産した場合の能力は以下の式で与えられる。
【0018】
aij = pi × sj (13)
但し、pi は品種iによって定まる1加工機当たりの生産能力、sj は設備jの加工機数を表す。
【0019】
全生産量最大化を目的とする場合、目的関数は次式の最大値で与えられる。
ここで、重みwi = 1/pi とし、(7) 式を考慮すると次式が成立する。
【0020】
これより、稼働率が上限に達していれば(設備稼働時間が各設備で最大稼働時間)、目的関数は一定値を保つことがわかる。すなわち、稼働率が上限に達するような資源配分が複数通り存在すれば、解が複数存在することとなる。
【0021】
このように従来のアルゴリズムでは、第1段階で複数の解から1つの解を選ぶことにより順序付けまで考慮した場合の真の最適解を失う可能性が有った。
【0022】
(2) 第2段階の順序付けの確立したアルゴリズムが無い。
第2段階では、各設備上での品種生産順序を決定する必要がある。この可能な順序の数Sは次式で与えられる。
【0023】
S = L1 !×L2 !×・・・・×LM ! (16)
このSの値は設備数の多い問題では、きわめて大きな値になる。従って、これらの可能な順序付けの中から制約条件を充足する順序付けを見つけることはきわめて困難となる。
【0024】
(3) 一般に人間(特に熟練したスケジューラ)が解を探す場合、これまでに述べてきた方法を用いておらず、上記従来のアルゴリズムでは、スケジューラのノウハウを参考にすることにも限界が有る。
【0025】
(4) 近年では、第1段階で使用する治具の個数などの制約を考慮する方法が提案されている(特開平7−105288号公報)。しかし、この方法でも段取り替え(ある設備で生産する品種を取替えること)に関する制約を扱うことができない。
【0026】
本発明は、上記事実に鑑み、順序付けが一つの資源配分の結果に拘束されることによる最適解を失う可能性を回避し、さらに解法の段階でスケジューラのノウハウを利用することが可能な生産計画方法、生産計画装置、物品の生産方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行う生産計画装置において、目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する初期設定手段と、前記初期設定手段により設定された残り生産要求量及び残り稼働可能時間を記憶する記憶手段と、設定された制約条件下で、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する資源配分演算手段と、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手段と、前記生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手段と、前記制約条件更新手段により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手段による演算、前記生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手段と、を備え、前記生産順序決定手段は、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする。
【0028】
請求項1の発明では、初期設定手段が、目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する。次に、資源配分演算手段が各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する。すなわち、資源配分演算手段では、品種毎設備毎の生産時間を一義的に確定させずに、可能となる生産時間の範囲を指定するための最小生産時間と最大生産時間を演算する。なお、この演算では、例えば線形計画法などを用いて解を求めることができる。
【0029】
次に、生産順序決定手段が、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、この候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて、この候補の品種をこの候補の設備で生産する際の生産時間を決定する。この候補の選定と生産時間の決定の段階で、例えば直前に生産した品種との継続性や段取り替え数などを用いたベテランのスケジューラによる選択規則を用いることができる。
【0030】
次に、制約条件更新手段が、生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する。
【0031】
そして、制御手段が、更新設定された制約条件下での資源配分演算手段による演算、生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる。
【0032】
このように請求項1の発明では、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、最小生産時間及び最大生産時間として演算された資源配分の選択範囲の中から候補を選定すると共に該候補の生産時間を決定するようにした。すなわち、資源配分と順序付けとが融合されており、資源配分(生産時間の範囲の演算)を行いながら順序付け(候補の選定とこの候補の生産開始時刻からの生産時間の決定)を行う。これによって、順序付けがひとつの資源配分の解に拘束されることを防ぐと共に、ベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを実現することが可能となり、効率的な生産計画を得ることができる。
【0033】
また、請求項1の発明では、前記生産順序決定手段が、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定する。
【0034】
このように、請求項1の発明では、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことを前記所定の優先度として前記候補が選定されるので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる。
【0035】
請求項2の発明は、請求項1の前記生産順序決定手段が、前記品種と設備の組み合わせ毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて、前記候補を選定すると共に前記生産時間を決定することを特徴とする。
【0036】
請求項2の発明では、品種と設備の組み合わせの候補及び生産時間が品種毎設備毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて選定及び決定されるので、現実的な複数の観点から選定することができ、バランスの取れた生産計画を得ることができる。
【0037】
請求項3の発明は、請求項1記載の発明の各手段による動作と同様の動作を行う手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。従って、請求項3の発明の作用及び効果は請求項1記載の発明と同様であるので説明を省略する。
【0038】
請求項4の発明は、複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行う生産計画装置であって、目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する初期設定手段と、前記初期設定手段により設定された残り生産要求量及び残り稼働可能時間を記憶する記憶手段と、設定された制約条件下で、各品種と設備のすべての組み合わせにおける、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間に加えたものの最小値たる拡張最小生産時間及び各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間から減じたものの最大値たる拡張最大生産時間を品種と設備の組み合わせ毎に演算する資源配分演算手段と、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の拡張最小生産時間と拡張最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手段と、前記生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手段と、前記制約条件更新手段により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手段による演算、前記生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手段と、を備え、前記生産順序決定手段は、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする。
【0039】
請求項4の発明では、初期設定手段が、目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する。次に、資源配分演算手段が各品種と設備のすべての組み合わせにおける拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間を品種毎設備毎に演算する。ここで、拡張最小生産時間は、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和をある品種のある設備における生産時間に加えたものの最小値であり、拡張最大生産時間は、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和をある品種のある設備における生産時間から減じたものの最大値である。すなわち、資源配分演算手段では、品種毎設備毎の生産時間を一義的に確定させずに、可能となる生産時間の範囲を指定するための、生産不足量を考慮した拡張最小生産時間と拡張最大生産時間を演算する。なお、この演算では、例えば線形計画法などを用いて解を求めることができる。
【0040】
次に、生産順序決定手段が、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の拡張最小生産時間と拡張最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、この候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて、この候補の品種をこの候補の設備で生産する際の生産時間を決定する。この候補の選定と生産時間の決定の段階で、例えば直前に生産した品種との継続性や段取り替え数などを用いたベテランのスケジューラによる選択規則を用いることができる。
【0041】
次に、制約条件更新手段が、生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する。
【0042】
そして、制御手段が、更新設定された制約条件下での資源配分演算手段による演算、生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる。
【0043】
このように請求項4の発明では、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間として演算された資源配分の選択範囲の中から候補を選定すると共に該候補の生産時間を決定するようにした。すなわち、資源配分と順序付けとが融合されており、資源配分(生産時間の範囲の演算)を行いながら順序付け(候補の選定とこの候補の生産開始時刻からの生産時間の決定)を行う。これによって、順序付けがひとつの資源配分の解に拘束されることを防ぐと共に、ベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを実現することが可能となり、効率的な生産計画を得ることができる。また、請求項4の発明では、各品種の生産不足量を考慮した拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間を用いているので、当初から生産能力を上回る生産要求があった場合でも、最小限の生産不足数の発生を許容しながら生産計画を立案することができる。
【0044】
また、請求項4の発明では、前記生産順序決定手段が、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする。
【0045】
このように、請求項4の発明では、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことを前記所定の優先度として前記候補が選定されるので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる。
【0046】
請求項5の発明は、請求項4の前記生産順序決定手段が、前記品種と設備の組み合わせ毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて、前記候補を選定すると共に前記生産時間を決定することを特徴とする。
【0047】
請求項5の発明では、品種と設備の組み合わせの候補及び生産時間が品種毎設備毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて選定及び決定されるので、現実的な複数の観点から選定することができ、バランスの取れた生産計画を得ることができる。
【0048】
請求項6の発明は、請求項4記載の発明の各手段による動作と同様の動作を行う手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。従って、請求項6の発明の作用及び効果は請求項4記載の発明と同様であるので説明を省略する。
【0049】
請求項7の発明は、複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画方法であって、入力手段により入力された目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定すると共に記憶手段に記憶する初期設定工程と、設定された制約条件下で、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する資源配分演算工程と、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算工程により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定工程と、前記生産順序決定工程により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新工程と、からなると共に、前記制約条件更新工程により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算工程による演算、前記生産順序決定工程による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新工程による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させ、前記生産順序決定工程は、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする。
【0050】
請求項7の発明では、初期設定工程で、目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する。次の資源配分演算工程では、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する。次の生産順序決定工程では、候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、資源配分演算工程で演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて、この候補の品種をこの候補の設備で生産する際の生産時間を決定する。
【0051】
次の制約条件更新工程では、生産順序決定工程で選定された候補及び決定された生産時間に基づいて各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する。
【0052】
そして、更新設定された制約条件下での資源配分演算工程での演算、生産順序決定工程での候補の選定と生産時間の決定、及び制約条件更新工程での制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる。
【0053】
このように請求項7の発明では、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、最小生産時間及び最大生産時間として演算された資源配分の選択範囲の中から候補を選定すると共に該候補の生産時間を決定するようにした。すなわち、資源配分と順序付けとが融合されており、資源配分(生産時間の範囲の演算)を行いながら順序付け(候補の選定とこの候補の生産開始時刻からの生産時間の決定)を行う。これによって、順序付けがひとつの資源配分の解に拘束されることを防ぐと共に、ベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを実現することが可能となり、効率的な生産計画を得ることができる。
【0054】
また、請求項7の発明は、前記生産順序決定工程において、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定する。
【0055】
このように請求項7の発明では、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことが前記所定の優先度として前記候補が選定されるので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる。
請求項8の発明は、請求項4記載の発明の各手段による動作と同様の動作を行うものである。従って、請求項8の発明の作用及び効果は請求項4記載の発明と同様であるので説明を省略する。
【0056】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8記載の生産計画方法により立案した計画に基づいて物品を生産することを特徴とする。
【0057】
請求項9の発明では、請求項7または請求項8記載の生産計画方法により立案した計画に基づいて物品が生産されるので、効率的に物品を生産することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0059】
〔第1実施形態〕
本発明の実施の形態に係る生産計画装置の構成例を図1に示す。なお、本実施の形態に係る生産計画装置は、いわゆるパーソナルコンピュータを用いて構成したものである。
【0060】
図1に示すように、本実施の形態の生産計画装置5は、所定のプログラムに基づいて装置全体の制御・管理を行うマイクロプロセッサ10と、各種データを一時的に記憶しておくRAM12と、マイクロプロセッサ10の上記所定のプログラムが格納された不揮発性メモリのROM14と、を備え、各々が制御命令やデータを伝達するシステムバス16に接続されている。なお、ROM14に格納されているプログラムには、本実施の形態に係る資源配分や順序付けの生産計画アルゴリズムを実行するためのプログラムなどが有る。
【0061】
また、生産計画装置5は、磁気ディスク等を記憶媒体としてデータの読み書きを行うハードディスク装置22と、フロッピーディスクを記憶媒体としてデータの読み書きを行うフロッピーディスク装置(FDD)26と、かな漢字変換された文字データ及び画像を表示するディスプレイ30と、を備えており、各々は、ハードディスク制御部20、FDD制御部24、いわゆるVRAMと漢字ROMとを備えたディスプレイ制御部28を介してシステムバス16に接続されている。なお、ハードディスク装置22としていわゆる光磁気ディスク装置等を用いても良い。
【0062】
なお、ハードディスク制御部20、FDD制御部24、ディスプレイ制御部28には、システムバス16に接続されたDMAコントローラ18も接続されており、該DMAコントローラ18がマイクロプロセッサ10を経由しないで直接メモリにアクセスすることにより高速のデータ転送が可能とされている。
【0063】
さらに、生産計画装置5は、キーによる入力手段としてのキーボード34と、ポインティングデバイスとしてのマウス38と、画像や文字データのプリント出力を行うプリンタ42と、を備え、各々はキーボード制御部32、マウス制御部36、プリンタ制御部40を介してシステムバス16に接続されている。
【0064】
なお、オペレータは、キーボード34やマウス38を用いて生産計画に必要なデータ入力を行うことができる。また、ディスプレイ30やプリンタ42から、最終的に得られた生産計画書(ガントチャート)46を出力することができる(図8参照)。
【0065】
また、生産計画装置5を、外部機器とのインターフェイスを制御する入出力インターフェイス制御部44を介して外部の生産手段50と接続しても良い。生産計画装置5と生産手段50とを接続した場合、生産手段50は、生産計画装置5の計画した生産計画に従って設備1、設備2、....、設備Mの資源配分や順序付けを行って生産物である品種1、品種2、....、品種Nを生産する。また、生産手段50を生産計画装置5と接続しない場合には、オペレータが、プリンタ42又はディスプレイ30が出力したガントチャート46に従って生産手段50を操作しても良い。
【0066】
次に、本第1実施形態に係る生産計画装置5の機能ブロック図を図2に示す。生産計画装置5は、従来のように資源配分と順序付けの2段階ではなく、順序付けを行いながら資源配分を実行するものである。
【0067】
図2に示すように、生産計画装置5には、各品種の生産要求量及び各設備毎の設備稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間を制約条件の初期条件として設定する制約条件設定部70が備えられている。
【0068】
また、設定された制約条件下で、品種毎設備毎の最大生産時間及び最小生産時間を目的関数として資源配分を線形計画法などを用いて演算する資源配分演算部72が備えられている。この資源配分演算部72により演算された結果は、品種毎設備毎の生産時間の範囲(最小生産時間〜最大生産時間)を指定するものであり、従来のように一義的に求められた資源配分の解とは異なる。
【0069】
また、演算された品種毎設備毎の最小生産時間及び最大生産時間から、ベテランのスケジューラなどのノウハウに基づいて優先度の高い品種と設備の候補及びこの候補の生産開始時刻からこの候補の品種をこの候補の設備で生産する際の生産時間を選定する生産順序決定部74が備えられている。そして、この生産順序決定部74により決定された候補の品種、設備、及び生産時間は図8各図のガントチャートに書き込まれる。
【0070】
生産順序決定部74により品種と設備の候補及びこの候補における生産時間が選定されたので、各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間が変化する。そこで、変化した各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間を演算し、この演算結果を制約条件として設定する制約条件更新部76が備えられている。
【0071】
さらに、残り生産要求量と残り設備稼働可能時間とに基づいて生産計画を継続するか否かを判定する継続判定部78が、制約条件更新部76と資源配分演算部72との間に介在されている。資源配分演算部72は、継続判定部78で継続する旨の判定がなされた場合、更新した制約条件について再び資源配分を演算する。
【0072】
以上述べた機能ブロックは、図1のROM14に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
【0073】
次に、本第1実施形態に係る生産計画装置における生産計画のアルゴリズムを示すプログラムの処理ルーチンを図3のフローチャートを用いて説明する。なお、変数di 、tj 、aij、wi 、Xij 、X1 ij、Uijk の定義については、上述の式(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(9) 、(11)と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0074】
図3に示すように、まず、ステップ100で制約条件設定部70が初期化処理を行う。この初期化処理では次のような変数の初期化を行う。
【0075】
Di = di
Tj = tj
但し、
Di :品種iの残り生産要求量 i=1,2,...,N (17)
Tj :設備jの残り稼働可能時間 j=1,2,...,M (18)
とする。
【0076】
すなわち、品種iの残り生産要求量Di を品種iの生産要求量di に、設備jの残り稼働可能時間Tj を設備jの稼働可能時間tj に初期設定する。
【0077】
次のステップ102では、継続判定部78が次の継続条件が成立するか否かを判定する。
【0078】
(あるiについてDi >0)
かつ(あるjについてTj >0) ・・・ 継続条件
ステップ102の判定で継続条件が成立する場合、すなわち少なくともある1つの品種に残り生産要求量が存在し、かつ少なくともある1つの設備に残り稼働時間がある限り次のステップ104に進む。継続条件が成立しない場合、すなわち、すべての品種について生産要求量を満足するか又はすべての設備について残り稼働時間が0となったとき、本生産計画処理を終了する。
【0079】
次のステップ104では、資源配分演算部72がすべてのiとjについて以下のような資源配分演算を行う。
【0080】
生産要求充足の制約条件を、
とし、設備稼働時間の制約条件を、
とする。そして、目的関数を、
Xij max = max Xij
Xij min = min Xij (21)
として、Xijの最大値及び最小値を求める。
【0081】
例えば、線形計画法の単体法などの既存の方法を用いて、式(19)、式(20)の制約条件下で式(21)を目的関数としてXijの最大値Xij max 及び最小値Xij min を求める。
【0082】
次に、ステップ106では、生産順序決定部74が以下のような方法を用いて候補を選定する。
【0083】
資源配分の制約条件を満足する前提で変数Xijの取り得る範囲はステップ104で求めた最大値Xij max 及び最小値Xij min を用いると次式で与えられる。
【0084】
Xij min ≦ Xij ≦ Xij max
生産工程の現実的な制約条件を考慮し、あるi=i0 とj=j0 とを選び、Xijの値と生産開始時刻及び生産終了時刻を決定する。詳細な候補選定方法については後述する。そして、決定された品種i0 、設備j0 について生産開始時刻及び生産終了時刻をガントチャート46に出力する。なお、以下では決定された候補のXijを、
Xij = X1 i0j0
とする。
【0085】
次のステップ108では、制約条件更新部76が各変数の値を以下のように更新する。
【0086】
Di0 = Di0 − ai0j0×X1 i0j0
Tj0 = Tj0 − X1 i0j0
変数を更新したらステップ102に戻り、同様の処理を繰り返す。すなわち、ステップ102の継続条件が成立する限りステップ102〜ステップ108を継続する。
【0087】
次に、ステップ106の候補選定の詳細な処理を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明における変数の定義を次に示す。
【0088】
Sij :品種iの設備jでの生産開始時刻 (22)
Tij :品種iの設備jでの生産終了時刻 (23)
pij :品種iの設備jでの優先度
i=1,2,...,N j=1,2,...,M
図4のフローチャートに示すように、まず、ステップ120では、すべてのiとjについて、品種iの設備jでの生産開始時刻Sijを次のように設定する。
【0089】
Sij=設備jで最後に生産した品種の生産終了時刻
次に、ステップ122では、すべてのiとjについて、品種iの設備jでの生産終了時刻Tijを設定する。生産終了時刻Tijは以下の条件を満たさなければならない。
【0090】
Sij+Xij min ≦ Tij ≦ Sij+Xij max
上式を満たすTijの範囲で段取り替えを行うのに最も好ましい時刻を選ぶ。例えば、他の設備での段取り替えの最も少ない時刻を選べば良い。
【0091】
次に、ステップ124では、以下の観点▲1▼、▲2▼、▲3▼から品種iの設備jでの優先度pijを決定する。
【0092】
▲1▼ 直前品種との継続性(段取りが容易か否か)を判定する。そして、継続性の良い候補に高い優先度を与える。
【0093】
▲2▼ 生産終了時刻の全設備での段取り替え回数を数える。そして、段取り替え回数が少ない候補に高い優先度を与える。
【0094】
▲3▼ 使用治具などの資源の生産期間中の保有数を各候補について数える。そして、保有数が少ない候補に高い優先度を与える。
【0095】
次に、ステップ126では最も優先度の高い候補を選び、
i = i0
j = j0
とし、X1 i0j0を決定する。
【0096】
以上のように本第1実施形態では、従来のように生産量を品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、更新された各制約条件下で演算された最小生産時間及び最大生産時間から優先度情報に基づいて候補と該候補の生産時刻とを逐次的に選定するようにしたので、順序付けが資源配分の解に拘束されず、真の解を失う可能性を低減できる。さらに上述したベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを解法に用いることが容易となり、効率の良い生産計画を得ることができる。
【0097】
なお、以下のようなノウハウも容易に解法に用いることができる。
▲1▼ 資源タイトな品種(たとえば治具保有数が少ない)の生産開始時刻/生産終了時刻を先に生産する。
【0098】
▲2▼ 日毎の段取り替え回数を平準化する。
▲3▼ 段取り替えのできない日(休日など)を避けて段取り替えする。
【0099】
〔第1実施形態に係る実施例〕
上記第1実施形態に係る生産計画装置を用いて図5の図表に示した品種及び設備で生産した場合の詳細な動作について以下に説明する。
【0100】
本実施例では、図5に示したように、3つの品種a、b、cを3つの設備p、q、rで生産する。ここで、品種a、b、cの各生産要求量は20、20、50(単位生産量)であり、設備p、q、rの各稼働可能時間は30、30、30(単位時間)である。なお、図5の図表中の○は該当する品種が該当する設備で生産可能であることを示し、各設備の設備能力は一定で1単位時間に1単位生産する。
【0101】
また、生産計画は一般にガントチャートと呼ばれる図で表示する(図8(a))。図8(a)のガントチャートでは、縦の欄は設備の区分け、横の欄は日程(1〜10、11〜20、21〜30(日))を表す。また、各設備で直前に生産した品種が示されている。図8(a)のガントチャートの例では、設備p、q、rでの直前品種が各々a、c、bとされている。
【0102】
以下、図5に示した条件下で図3のアルゴリズムの各ステップを実行した動作結果を示す。
【0103】
図3のステップ100の初期化処理では、
Da =20 Db =20 Dc =50
Tp =30 Tq =30 Tr =30
とする。但し、添字は品種又は設備を示す。
【0104】
次のステップ102の判定では、いずれの品種の残り生産要求量Dについても0より大きく、かつ、いずれの設備の残り稼働可能時間Tについても0より大きいため、継続の判定(肯定判定)をする。
【0105】
次のステップ104の資源配分演算では、図5の図表の○に対応する品種と設備の組み合わせに対して図6(a)に示したように未知変数Xij(品種iの設備jでの生産時間)を定義する。
【0106】
ここで、制約条件は、
Xap+ Xar ≧ 20
Xbq+Xbr ≧ 20
Xcp+Xcq ≧ 50
Xap+ Xcp ≦ 30
Xbq+Xcq ≦ 30
Xar+Xbr ≦ 30
となる。そして、この制約条件下において、
Xij max = max Xij
Xij min = min Xij
を目的関数として線形計画法により各Xij(Xap、Xar、Xbq、Xbr、Xcp、Xcq)の取り得る最大値Xij max 、最小値Xij min を求める。求めた結果を図6(b)の図表に示す。
【0107】
なお、設備の稼働期間内でどのように資源配分してもすべての生産品種について生産要求量以上を生産することがあり得る。このような場合には、事前に生産要求量の調整が必要である。
【0108】
次のステップ106の候補選定では、例として▲1▼直前に生産した品種との継続性と▲2▼段取り替え回数に着目した。まず、直前品種との継続性を考慮すると、Xap、Xcq、Xbrの少なくともいずれかを正の値(>0)とした方が継続性の点で有利である。また、段取り替えを少なくするためには、丁度生産要求量を満足する候補Xijが好ましい。本実施例では、この2つの要求を同時に満足するXbr=20を候補として選定した。
【0109】
次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
Da =20 Db = 0 Dc =50
Tp =30 Tq =30 Tr =10
ここまでの処理で得られたガントチャートを図8(b)に示す。図8(b)に示すように、設備rで時間20だけ品種bを生産する。直前品種が同じ品種bであること及び品種bについて生産要求量を既にクリアしていることから、段取り替えが少ないということがわかる。
【0110】
次に、ステップ102に戻って再び継続判定を行う。Da >0、Dc >0であり、かつTj >0(すべてのjについて)のため、継続を選択し再びステップ104の資源配分演算を行う。この資源配分演算では、図7(a)に示したように制約条件は、
Xap+ Xar ≧ 20
Xbq+Xbr ≧ 0
Xcp+Xcq ≧ 50
Xap+ Xcp ≦ 30
Xbq+Xcq ≦ 30
Xar+Xbr ≦ 10
となる。そして、この制約条件下において、
Xij max = max Xij
Xij min = min Xij
を目的関数として線形計画法により各Xij(Xap、Xar、Xbq、Xbr、Xcp、Xcq)の取り得る最大値Xij max 、最小値Xij min を求める。求めた結果を図7(b)の図表に示す。
【0111】
次のステップ106の候補選定では次のようにして候補を定めた。すべての変数Xijについて図7(b)の図表からXij max =Xij min が成立するため、各品種の各設備での生産量については選択の余地が無くなる。しかし、生産順序については品種の継続性を考慮して決める必要がある。この観点を考慮すると、直前品種の継続性からXap若しくはXcqを正の値(>0)とする必要がある。Xcq=30はこの設備の稼働時間と等しく段取り替え回数を少なくすることができるため、本実施例ではXcq=30を候補として選定した。
【0112】
そして、次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
Da =20 Db = 0 Dc =20
Tp =30 Tq = 0 Tr =10
ここまでの処理で得られたガントチャートを図8(c)に示す。図8(c)に示すように、設備qで時間30だけ品種cを生産する。直前品種が同じ品種cであること及び品種cについて生産要求量をクリアすることから、段取り替えが少ないということがわかる。
【0113】
以上のような手続きを繰り返すと、最終的に図8(d)の生産計画(ガントチャート)が完成した。図8(d)の生産計画は、すべての品種を生産要求量以上生産している。また、設備pで品種aから品種cへと段取りを替え、設備rで品種bから品種aへと段取りを替えているため、段取り替え回数は2回となっている。直前品種をすべて継続しているため最小の段取り替え回数となっており、本実施例の生産計画では最適の資源配分と順序付けで品種を生産していることがわかる。
【0114】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態に示したアルゴリズムでは一定期間、例えば1ヶ月間の生産要求量が、1ヶ月で生産可能な生産量を当初から越えていた場合を扱っていない。しかしながら実際には、生産要求量を需要予測に基づいて決定する、所謂見込み生産方式では、このような場合が頻発する。そこで本第2実施形態は、上記第1実施形態とは異なる目的関数を用いて、このような場合でも最小限の生産不足量の発生を許容しながら生産計画が立案できるようにしたものである。
【0115】
また、上記第1実施形態に示したアルゴリズムでは資源配分演算で得た設備と品種との全ての組み合せに対する最大生産日数、最小生産日数(Xij max 、Xij min )から組み合せの選定と生産日数とを決定する方法として、段取り替えをできるだけ少なくするという観点しか考慮していない。しかしながら現実問題では、この時点で生産現場での色々な制約条件を考慮している。そこで本第2実施形態では、現実問題として複数の個別評価項目を挙げ、該複数の個別評価項目による制約条件をも考慮するようにしている。
【0116】
なお、本第2実施形態に係る生産計画装置の構成は上記第1実施形態の図1で説明した構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0117】
本第2実施形態に係る生産計画を立案するプログラムを機能ブロックで示すと図9に示すようになる。本第2実施形態は、上記第1実施形態と同様に、従来のように資源配分と順序付けの2段階ではなく、順序付けを行いながら資源配分を実行するものである。
【0118】
図9に示すように、各品種の生産要求量及び各設備毎の設備稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間を制約条件の初期条件として設定する上記第1実施形態と同様の制約条件設定部70が備えられている。
【0119】
また、設定された制約条件下で、品種毎設備毎の拡張最大生産時間及び拡張最小生産時間を目的関数として資源配分を線形計画法などを用いて演算する資源配分演算部72’が備えられている。この資源配分演算部72’により演算された結果は、品種毎設備毎の生産時間の範囲(拡張最小生産時間〜拡張最大生産時間)を指定するものであり、従来のように一義的に求められた資源配分の解とは異なる。
【0120】
また、演算された品種毎設備毎の拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間から、ベテランのスケジューラなどのノウハウに基づいて優先度の高い品種と設備の候補及びこの候補の生産開始時刻からこの候補の品種をこの候補の設備で生産する際の生産時間を選定する生産順序決定部74’が備えられている。そして、この生産順序決定部74’により決定された候補の品種、設備、及び生産時間は図15各図のガントチャートに書き込まれる。
【0121】
生産順序決定部74’により品種と設備の候補及びこの候補における生産時間が選定されたので、各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間が変化する。そこで、変化した各品種の残り生産要求量及び各設備毎の残り設備稼働可能時間を演算し、この演算結果を制約条件として設定する上記第1実施形態と同様の制約条件更新部76が備えられている。
【0122】
さらに、残り生産要求量と残り設備稼働可能時間とに基づいて生産計画を継続するか否かを判定する上記第1実施形態と同様の継続判定部78が、制約条件更新部76と資源配分演算部72’との間に介在されている。資源配分演算部72’は、継続判定部78で継続する旨の判定がなされた場合、更新した制約条件について再び資源配分を演算する。
【0123】
以上述べた機能ブロックは、上記第1実施形態と同様に、図1のROM14に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
【0124】
次に、本第2実施形態に係る生産計画装置における生産計画のアルゴリズムを示すプログラムの処理ルーチンを図3のフローチャートを用いて説明する。なお、変数di 、tj 、aij、wi 、Xij 、X1 ij、Uijk の定義については、上記第1実施形態と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0125】
まず、ステップ100及びステップ102では、各々上記第1実施形態のステップ100及びステップ102と同様に、制約条件設定部70による初期化処理及び継続判定部78による継続判定処理を行う。ステップ102の判定で継続条件が成立する場合、すなわち少なくともある1つの品種に残り生産要求量が存在し、かつ少なくともある1つの設備に残り稼働時間がある限り次のステップ104に進む。継続条件が成立しない場合、すなわち、すべての品種について生産要求量を満足するか又はすべての設備について残り稼働時間が0となったとき、本生産計画処理を終了する。
【0126】
次のステップ104では、資源配分演算部72’がすべてのiとjについて以下のような資源配分演算を行う。
【0127】
生産要求充足の制約条件を、
とし、設備稼働時間の制約条件を、
とする。そして、目的関数を、
として、例えば、線形計画法の解法などの既存の方法を用いて、式(24)、式(25)の制約条件下で、式(26)が最大値をとるときのXijを拡張最大生産時間Xij max として求めると共に、式(27)が最小値をとるときのXijを拡張最小生産時間Xij min として求める。
【0128】
なお、ここでen は品種nの不足量(変数)、kn は品種nの不足量に対する重みである。従って、拡張最大生産時間Xij max は、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和をある品種のある設備における生産時間から減じたものの最大値であり、拡張最小生産時間Xij min は、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和をある品種のある設備における生産時間に加えたものの最小値である。
【0129】
次に、ステップ106では、生産順序決定部74’が以下のような方法を用いて候補を選定する。
【0130】
資源配分の制約条件を満足する前提で変数Xijの取り得る範囲はステップ104で求めた拡張最大生産時間Xij max 及び拡張最小生産時間Xij min を用いると次式で与えられる。
【0131】
Xij min ≦ Xij ≦ Xij max
生産工程の現実的な制約条件を考慮し、あるi=i0 とj=j0 とを選び、Xijの値と生産開始時刻及び生産終了時刻を決定する。詳細な候補選定方法については後述する。そして、決定された品種i0 、設備j0 について生産開始時刻及び生産終了時刻をガントチャート46に出力する。なお、以下では決定された候補のXijを、
Xij = X1 i0j0
とする。
【0132】
次のステップ108では、上記第1実施形態と同様に、制約条件更新部76が各変数の値を更新する。
【0133】
変数を更新したらステップ102に戻り、同様の処理を繰り返す。すなわち、ステップ102の継続条件が成立する限りステップ102〜ステップ108を継続する。
【0134】
次に、本第2実施形態におけるステップ106の候補選定の詳細な処理を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明における変数Sij、Tij、pijの定義は上記第1実施形態と同様である。
【0135】
まず、ステップ120では、すべてのiとjについて、品種iの設備jでの生産開始時刻Sijを、上記第1実施形態と同様に、次のように設定する。
【0136】
Sij=設備jで最後に生産した品種の生産終了時刻
次に、ステップ122では、すべてのiとjについて、品種iの設備jでの生産終了時刻Tijを設定する。生産終了時刻Tijの値は、以下の式(28)の目的関数Q(Tij)を最小にする値とする。
【0137】
ここで、Qf (Tij)は個別評価項目の評価値、Rf は個別評価項目の重みを表す。表1に個別評価項目の例、及び各評価項目の内容を示す。
【0138】
【表1】
【0139】
なお、表1の内容欄のmax( )は( )内の最大値を示す。表1における資源配分の下限違反及び資源配分の上限違反は、対応する内容欄に記載されている式の値が0となったときに違反となる。
【0140】
次に、ステップ124では、以上のように決めた生産終了時刻Tij(i=1,2,・・・,N;j=1,2,・・・,M)に対する優先度pijを、例えば以下の観点▲1▼、▲2▼、▲3▼から決定する。
▲1▼品種継続性 :直前品種との継続性(段取りが容易か否か)を判定する。そして、継続性の良い候補に高い優先度を与える。
▲2▼段取り替え回数:生産終了時刻の全設備での段取り替え回数を数える。そして、段取り替え回数が少ない候補に高い優先度を与える。
▲3▼治具保有数 :使用治具などの資源の生産期間中の保有数を各候補について数える。そして、保有数が少ない候補に高い優先度を与える。これは、資源の制約の厳しい(自由度の少ない)品種から先に生産計画を決めることを意味している。
【0141】
次に、ステップ126では最も優先度の高い候補を選び、
i = i0
j = j0
とし、X1 i0j0を決定する。
【0142】
以上のように本第2実施形態では、従来のように生産量を品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、更新された各制約条件下で演算された拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間から優先度情報に基づいて候補と該候補の生産時刻とを逐次的に選定するようにしたので、順序付けが資源配分の解に拘束されず、真の解を失う可能性を低減でき、かつベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを解法に用いることが容易となり、効率の良い生産計画を得ることができると共に、各品種の不足量を考慮した拡張最大生産時間及び拡張最小生産時間を示す目的関数を適用したので、当初から生産能力を上回る生産要求があった場合でも、最小限の生産不足数の発生を許容しながら生産計画を立案することができる。なお、このとき、各品種の生産不足量に対する重みに応じて、各品種の生産不足量が発生する。
【0143】
また、本第2実施形態では、段取り替えできない時刻を避けて、段取り替えを配置することができる。なお、このとき、ある設備である品種が資源配分で許された生産時間の範囲を越えて生産されることが起こり得る。これは生産要求量に対する生産量の過不足を増大させる。
なお、上記各実施形態では、生産計画アルゴリズムを実行するためのプログラムがROM14に格納されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該プログラムは例えばハードディスク装置22、フロッピーディスク装置26等の記録媒体に記録されている形態としてもよい。
【0144】
〔第2実施形態に係る実施例〕
本第2実施形態に係る生産計画装置を用いて図10の図表に示した品種及び設備で生産した場合の詳細な動作について以下に説明する。
【0145】
本実施例では、図10に示したように、3つの品種a、b、cを3つの設備p、q、rで生産する。ここで、品種a、b、cの各生産要求量は25、25、55(単位生産量)であり、設備p、q、rの各稼働可能時間は30、30、30(単位時間)である。また、品種a、b、cの各々の不足量に対する重みは200、200、100であり、各々の治具数は2、1、2である。なお、図10の図表中の○は該当する品種が該当する設備で生産可能であることを示し、各設備の設備能力は一定で1単位時間に1単位生産する。
【0146】
また、本実施例での生産計画は図15(a)に示すガントチャートで表示する。図15(a)のガントチャートでは、縦の欄は設備の区分け、横の欄は日程(1〜5、6〜12、13〜19、20〜26、27〜30(日))を表す。また、各設備で直前に生産した品種が示されている。図15(a)のガントチャートの例では、設備p、q、rでの直前品種が各々a、c、bとされている。また、本実施例では、上記日程のうち、5、6、12、13、19、20、26、27は、段取り替えできないものとする。すなわち、これらの日程は休日(土曜日、及び日曜日)に対応するものと考えることができる。
【0147】
また、本実施例では、個別評価項目及び各項目の重みとして、表2に示されるものを適用する。
【0148】
【表2】
【0149】
以下、図10に示した条件下で本第2実施形態における図3のフローチャートの各ステップを実行した動作結果を示す。
【0150】
図3のステップ100の初期化処理では、
Da =25 Db =25 Dc =55
Tp =30 Tq =30 Tr =30
とする。但し、添字は品種又は設備を示す。
【0151】
次のステップ102の判定では、いずれの品種の残り生産要求量Dについても0より大きく、かつ、いずれの設備の残り稼働可能時間Tについても0より大きいため、継続の判定(肯定判定)をする。
【0152】
次のステップ104の資源配分演算では、図10の図表の○に対応する品種と設備の組み合わせに対して図11(a)の図表に示したように未知変数Xij(品種iの設備jでの生産時間)を定義する。
【0153】
ここで、図10の図表の値を用いると資源配分の制約条件は、
Xap+ Xar+e1 ≧ 25
Xbq+Xbr+e2 ≧ 25
Xcp+Xcq +e3 ≧ 55
Xap+ Xcp ≦ 30
Xbq+Xcq ≦ 30
Xar+Xbr ≦ 30
となる。そして、この制約条件下において、次の目的関数が最大値をとるときの各Xij(Xap、Xar、Xbq、Xbr、Xcp、Xcq)の値を拡張最大生産時間Xij max として求める。
【0154】
Oij max =max(Xij−200×e1 −200×e2 −100×e3 )
また、次の目的関数が最小値をとるときのXij(Xap、Xar、Xbq、Xbr、Xcp、Xcq)の値を拡張最小生産時間Xij min として求める。
【0155】
Oij min =min(Xij+200×e1 +200×e2 +100×e3 )
実際にこれらの式を線形計画法の解法を用いて解いた資源配分結果(Xij max 、Xij min )を図11(b)に示す。なお、図11(b)の各列の生産終了時刻Tijの値は、次のステップ106において、表2の個別評価項目とその重みに基づいて決定するが、これについては後述する。
【0156】
図11(b)において、例えば、Xap max は品種aの生産要求量25より小さい20となっている。この理由を定性的に説明すると、次の2点となる。
・設備の全稼働時間は90であるのに対して全生産要求量は105であり、全生産要求量を生産するのに必要な全稼働時間は105である。従って、それぞれの品種は生産要求量を満足できない可能性がある。
・品種aを生産できる設備は設備pと設備rであるが、設備pは品種cをも生産できる。従って、品種aを生産要求量だけ生産すると品種cの生産量が生産要求量より大幅に少なくなる可能性がある。
【0157】
次のステップ106の候補選択では、表2に示した個別評価項目とその重みに基づいて、次の手順で図11(b)に示す生産終了時刻Tijの値を求める。例えば、Tapを変化させたときの目的関数Q(Tap)の値の変化は、図12の図表のようになる。図12におけるQ1 、Q2 、Q3 、Q4 、Q5 は、各々表2における個別評価項目、すなわち資源配分の下限違反、資源配分の上限違反、制約違反件数、生産未達成率、設備の未稼働時間に対応したものである。例えば、Tapの値が19と20のときには、これらの日程は段取り替えができない日であるので制約違反となり、制約違反件数に対応するQ3 の値が双方とも‘1’となっている。
【0158】
また、図12の図表におけるQの値は、上記式(28)を用いて算出した目的関数Q(Tap)の値である。例えば、Tapの値が19の場合は、Q3 (制約違反件数)が1、Q4 (生産未達成率)が6、Q5 (設備の未稼働時間)が11であるので、各値を各値に相当する個別評価項目の重みに乗じたものの総和、すなわち、40×1+1×6+1×11を演算することにより57が得られる。
【0159】
図12の図表に示すように、目的関数Q(Tap)の値を最小にするTapの値は18であり、この値が図11(b)に示すTapの値となる。
【0160】
次に、例として次の優先度を用いて図11(b)の6個のTijから一つを選定する。
【0161】
品種継続性 > 段取り替え回数 > 治具保有数
各候補の優先度は次の表3となる。
【0162】
【表3】
【0163】
最も優先度の高い品種継続性が○(継続)の候補はTap、Tbr、Tcqの3つであり、これらの生産終了時点での段取り替え回数は全て同一である。そこで、治具保有数の最も少ないTbr=25を候補として選定した。
【0164】
次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
Da =25 Db = 0 Dc =55
Tp =30 Tq =30 Tr = 5
ここまでの処理で得られたガントチャートを図15(b)に示す。図15(b)に示すように、設備rで時間25だけ品種bを生産する。直前品種が同じ品種bであること及び品種bについて生産要求量を既にクリアしていることから、段取り替えが少ないということがわかる。
【0165】
次に、ステップ102に戻って再び継続判定を行う。Da >0、Dc >0であり、かつTj >0(すべてのjについて)のため、継続を選択し2回目のステップ104〜ステップ108の処理を行う。
【0166】
ここで、例えばTapを変化させたときの目的関数Q(Tap)の値の変化は、図13の図表のようになる。同図に示すように、目的関数Q(Tap)の値を最小にするTapの値は21であり、資源配分の上限及び下限を越えた値を採用している。
【0167】
図14(a)には、今回(2回目)のステップ104及びステップ106の各々の処理によって得られた資源配分結果とTijとが示されている。
【0168】
優先度からは候補Tapと候補Tcqは同等であり、ここでは任意に候補Tcq=30を選定する。
【0169】
次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
Da =25 Db = 0 Dc =25
Tp =30 Tq = 0 Tr = 5
2回目の処理で得られたガントチャートを図15(c)に示す。
【0170】
次に、ステップ102に戻って3回目の継続判定を行う。Da >0、Dc >0であり、かつTp >0、Tr >0であるため、継続を選択し3回目のステップ104〜ステップ108の処理を行う。
【0171】
図14(b)には、3回目のステップ104及びステップ106の処理により得られた資源配分結果とTijが示されている。3回目のステップ106では候補Tap=21を選択し、次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
【0172】
Da = 4 Db = 0 Dc =25
Tp = 9 Tq = 0 Tr = 5
3回目の処理で得られたガントチャートを図15(d)に示す。
【0173】
次に、ステップ102に戻って4回目の継続判定を行う。Da >0、Dc >0であり、かつTp >0、Tr >0であるため、継続を選択し4回目のステップ104〜ステップ108の処理を行う。
【0174】
図14(c)には、4回目のステップ104及びステップ106の処理により得られた資源配分結果とTijを示す。4回目のステップ106では、候補Tcp=9を選択し、次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
【0175】
Da = 4 Db = 0 Dc =16
Tp = 0 Tq = 0 Tr = 5
4回目の処理で得られたガントチャートを図15(e)に示す。
【0176】
次に、ステップ102に戻って5回目の継続判定を行う。Da >0、Dc >0であり、かつTr >0であるため、継続を選択し5回目のステップ104〜ステップ108の処理を行う。
【0177】
図14(d)には、5回目のステップ104及びステップ106の処理により得られた資源配分結果とTijを示す。5回目のステップ106では、候補Tar=5を選択し、次のステップ108では、以下のように変数を更新した。
【0178】
Da =−1 Db = 0 Dc =16
Tp = 0 Tq = 0 Tr = 0
5回目の処理で得られたガントチャートを図15(f)に示す。
【0179】
次に、ステップ102に戻って6回目の継続判定を行う。ここでは、Dc >0であるが、Tj については全て0であるため、継続条件が成立せずに処理を終了する。
【0180】
図15(f)の生産計画は、品種cについては生産要求量に対して16の生産不足量があるものの、品種a及び品種bについては生産要求量以上生産している。また、設備pで品種aから品種cへと段取りを替え、設備rで品種bから品種aへと段取りを替えているため、段取り替え回数は2回となっている。直前品種をすべて継続しているため最小の段取り替え回数となっており、本実施例の生産計画では最小限の生産不足量の発生を許容しつつ最適の資源配分と順序付けで各品種を生産していることがわかる。
【0181】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び請求項3の発明によれば、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、初期設定又は更新設定された各制約条件下で演算された最小生産時間及び最大生産時間から候補を選定すると共に該候補での生産開始時刻からの生産時間を決定するようにしたので、順序付けが一つの資源配分の解に拘束されることによる最適解を失うおそれを防ぐと共に、ベテランのスケジューラなどの生産工程固有のノウハウを解法に用いることが可能となり、効率の良い生産計画を得ることができる、という効果が得られる。
【0182】
また、請求項1及び請求項3の発明によれば、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことを前記所定の優先度として前記候補が選定されるようにしたので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる、というさらなる効果が得られる。
【0183】
請求項2の発明によれば、品種と設備の組み合わせの候補及び生産時間が品種毎設備毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて選定及び決定されるようにしたので、現実的な複数の観点から選定することができ、バランスの取れた生産計画を得ることができる、というさらなる効果が得られる。
【0184】
請求項4、請求項6及び請求項8の発明では、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間として演算された資源配分の選択範囲の中から候補を選定すると共に該候補の生産時間を決定するようにしたので、順序付けがひとつの資源配分の解に拘束されることを防ぐことができ、かつベテランのスケジューラの生産工程固有のノウハウを実現することが可能となり、効率的な生産計画を得ることができると共に、各品種の生産不足量を考慮した拡張最小生産時間及び拡張最大生産時間を用いているので、当初から生産能力を上回る生産要求があった場合でも、最小限の生産不足数の発生を許容しながら生産計画を立案することができる、という効果が得られる。
【0185】
また、請求項4、請求項6及び請求項8の発明によれば、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことを前記所定の優先度として前記候補が選定されるようにしたので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる、というさらなる効果が得られる。
【0186】
請求項5の発明によれば、品種と設備の組み合わせの候補及び生産時間が品種毎設備毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて選定及び決定されるようにしたので、現実的な複数の観点から選定することができ、バランスの取れた生産計画を得ることができる、というさらなる効果が得られる。
【0187】
請求項7の発明によれば、従来のように品種毎設備毎の資源配分の解を一義的に求めた後で順序付けを行うのではなく、初期設定又は更新設定された各制約条件下で演算された最小生産時間及び最大生産時間から候補を選定すると共に該候補での生産開始時刻からの生産時間を決定するようにしたので、順序付けが一つの資源配分の解に拘束されることによる最適解を失うおそれを防ぐと共に、ベテランのスケジューラなどの生産工程固有のノウハウを解法に用いることが可能となり、効率の良い生産計画を得ることができる、という効果が得られる。
【0188】
また、請求項7の発明によれば、直前に生産した品種を継続して生産する候補が優先的に選定されるべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補が選定されるべきことが前記所定の優先度として前記候補が選定されるようにしたので、継続性が良くかつ段取り替えの少ない効率的な生産計画を得ることができる、というさらなる効果が得られる。
【0189】
請求項9の発明によれば、請求項7または請求項8記載の生産計画方法により立案した計画に基づいて物品が生産されるので、効率的に物品を生産することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る生産計画装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る生産計画装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る生産計画装置の生産計画アルゴリズムを示すプログラムのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る生産計画装置の生産計画アルゴリズムを示すプログラムにおける候補選定の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態の実施例に係る生産計画装置における品種の生産要求量及び設備の稼働可能時間を示す図表である。
【図6】第1実施形態の実施例に係る生産計画装置の具体的条件又は演算結果を示す図であって、(a)は品種の生産要求量と設備の稼働可能時間の図表及び制約条件を示す図、(b)は資源配分の結果得られた最小値と最大値の図表及び目的関数を示す図である。
【図7】第1実施形態の実施例に係る生産計画装置の候補選定後の具体的条件又は演算結果を示す図であって、(a)は品種の生産要求量と設備の稼働可能時間の図表及び制約条件を示す図、(b)は資源配分の結果得られた最小値と最大値の図表及び目的関数を示す図である。
【図8】第1実施形態の実施例に係る生産計画装置のガントチャートを示す図であって、(a)は生産計画前のガントチャート、(b)はXbrの候補の内容を記入したガントチャート、(c)はさらにXcqの候補の内容を記入したガントチャート、(d)はすべての品種について生産要求量を満足して最終的に得られたガントチャートである。
【図9】第2実施形態に係る生産計画装置の機能ブロックを示す図である。
【図10】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置における品種の生産要求量、設備の稼働可能時間、各品種の不足量に対する重み、及び各品種の治具数を示す図表である。
【図11】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置の具体的条件又は演算結果を示す図表であって、(a)は品種の生産要求量と設備の稼働可能時間の図表、(b)は資源配分の結果得られた拡張最小生産時間、拡張最大生産時間、及び生産終了時間Tijの値の図表である。
【図12】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置におけるTapを変化させたときの目的関数Q(Tap)の値の変化の一例を示す図表である。
【図13】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置におけるTapを変化させたときの目的関数Q(Tap)の値の2回目の変化の一例を示す図表である。
【図14】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置における資源配分演算結果及びTijを示す図表であり、(a)は2回目の処理により得られた資源配分演算結果及びTijを示す図表、(b)は3回目の処理により得られた資源配分演算結果及びTijを示す図表、(c)は4回目の処理により得られた資源配分演算結果及びTijを示す図表、(d)は5回目の処理により得られた資源配分演算結果及びTijを示す図表である。
【図15】第2実施形態の実施例に係る生産計画装置のガントチャートを示す図であって、(a)は生産計画前のガントチャート、(b)はTbrの候補の内容を記入したガントチャート、(c)はさらにTcqの候補の内容を記入したガントチャート、(d)はさらにTapの候補の内容を記入したガントチャート、(e)はさらにTcpの候補の内容を記入したガントチャート、(f)は最終的に得られたガントチャートである。
【符号の説明】
10 マイクロプロセッサ
14 ROM
46 ガントチャート
70 制約条件設定部
72、72’ 資源配分演算部
74、74’ 生産順序決定部
76 制約条件更新部
78 継続判定部
Claims (9)
- 複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行う生産計画装置であって、
目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する初期設定手段と、
前記初期設定手段により設定された残り生産要求量及び残り稼働可能時間を記憶する記憶手段と、
設定された制約条件下で、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する資源配分演算手段と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手段と、
前記生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手段と、
前記制約条件更新手段により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手段による演算、前記生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手段と、
を備え、
前記生産順序決定手段は、
直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする生産計画装置。 - 前記生産順序決定手段は、
前記品種と設備の組み合わせ毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて、前記候補を選定すると共に前記生産時間を決定することを特徴とする請求項1の生産計画装置。 - コンピュータによって複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行うためのプログラムを記録した記録媒体であって、
入力手段により入力された目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定すると共に記憶手段に記憶する初期設定手順と、
設定された制約条件下で、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する資源配分演算手順と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手順により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手順と、
前記生産順序決定手順により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記 憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手順と、
前記制約条件更新手順により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手順による演算、前記生産順序決定手順による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手順による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手順と、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記生産順序決定手順において、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定する
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行う生産計画装置であって、
目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定する初期設定手段と、
前記初期設定手段により設定された残り生産要求量及び残り稼働可能時間を記憶する記憶手段と、
設定された制約条件下で、各品種と設備のすべての組み合わせにおける、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間に加えたものの最小値たる拡張最小生産時間及び各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間から減じたものの最大値たる拡張最大生産時間を品種と設備の組み合わせ毎に演算する資源配分演算手段と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手段により演算された品種と設備の組み合わせ毎の拡張最小生産時間と拡張最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手段と、
前記生産順序決定手段により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手段と、
前記制約条件更新手段により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手段による演算、前記生産順序決定手段による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手段による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手段と、
を備え、
前記生産順序決定手段は、
直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする生産計画装置。 - 前記生産順序決定手段は、
前記品種と設備の組み合わせ毎の生産終了時刻に対する複数の評価項目の評価値の総和に基づいて、前記候補を選定すると共に前記生産時間を決定することを特徴とする請求項4の生産計画装置。 - コンピュータによって複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画を行うためのプログラムを記録した記録媒体であって、
入力手段により入力された目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定すると共に記憶手段に記憶する初期設定手順と、
設定された制約条件下で、各品種と設備のすべての組み合わせにおける、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間に加えたものの最小値たる拡張最小生産時間及び各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間から減じたものの最大値たる拡張最大生産時間を品種と設備の組み合わせ毎に演算する資源配分演算手順と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算手順により演算された品種と設備の組み合わせ毎の拡張最小生産時間と拡張最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定手順と、
前記生産順序決定手順により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新手順と、
前記制約条件更新手順により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算手順による演算、前記生産順序決定手順による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新手順による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させる制御手順と、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記生産順序決定手順において、直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定する
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画方法であって、
入力手段により入力された目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定すると共に記憶手段に記憶する初期設定工程と、
設定された制約条件下で、各品種を各設備で生産する際に可能となる最小生産時間及び最大生産時間を品種と設備のすべての組み合わせ毎に演算する資源配分演算工程と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算工程により演算された品種と設備の組み合わせ毎の最小生産時間と最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定工程と、
前記生産順序決定工程により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新工程と、
からなると共に、
前記制約条件更新工程により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算工程による演算、前記生産順序決定工程による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新工程による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させ、
前記生産順序決定工程は、
直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする生産計画方法。 - 複数の品種を各々一定の生産能力を有する複数の設備で生産する際の生産計画方法であって、
入力手段により入力された目標とする各品種の生産要求量及び各設備の稼働可能時間から求めた各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を、制約条件の初期条件として設定すると共に記憶手段に記憶する初期設定工程と、
設定された制約条件下で、各品種と設備のすべての組み合わせにおける、各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間に加えたものの最小値たる拡張最小生産時間及び各品種の生産不足量に重みを乗じたものの総和を当該品種の当該設備における生産時間から減じたものの最大値たる拡張最大生産時間を品種と設備の組み合わせ毎に演算する資源配分演算工程と、
候補となる品種と設備のすべての組み合わせ毎に、該設備において最後に生産した品種の生産終了時刻を制約条件として生産開始時刻を設定すると共に、前記資源配分演算工程により演算された品種と設備の組み合わせ毎の拡張最小生産時間と拡張最大生産時間とを制約条件として満たす生産終了時刻を設定し、所定の優先度に基づいて前記品種と設備の組み合わせのうち最も優先度の高い組み合わせの候補を選定すると共に、該候補の前記生産開始時刻及び前記生産終了時刻に基づいて該品種を該設備で生産する際の生産時間を決定する生産順序決定工程と、
前記生産順序決定工程により選定された候補及び決定された生産時間に基づいて前記記憶手段に記憶された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を更新し、更新された各品種の残り生産要求量及び各設備の残り稼働可能時間を制約条件として設定する制約条件更新工程と、
からなると共に、
前記制約条件更新工程により更新設定された制約条件下での前記資源配分演算工程による演算、前記生産順序決定工程による候補の選定と生産時間の決定、及び前記制約条件更新工程による制約条件の更新を、すべての品種の残り生産要求量が無くなるか又はすべての設備の残り稼働可能時間が無くなるまで継続させ、
前記生産順序決定工程は、
直前に生産した品種を継続して生産する候補を優先的に選定すべきこと及び各設備で生産する品種を取り替える段取り替え回数が少なくなるように候補を選定すべきことを前記所定の優先度として前記候補を選定することを特徴とする生産計画方法。 - 請求項7または請求項8記載の生産計画方法により立案した計画に基づいて物品を生産することを特徴とする物品の生産方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24319797A JP4019462B2 (ja) | 1996-09-11 | 1997-09-08 | 生産計画方法、生産計画装置、物品の生産方法及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
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