JP4017678B2 - 自動車の窓のためのワイパブレード - Google Patents
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Description
請求項1の上位概念部に記載の形式のワイパブレードでは、支持エレメントが、ワイパブレードによって拭かれる全拭い領域にわたって、ワイパアームからのワイパブレード圧着圧を窓に対して可能な限り均一に分布できることが望まれている。負荷されていない支持エレメントの相応な湾曲によって、つまりワイパブレードが窓に接触していない場合における支持エレメントの相応な湾曲によって、ワイパブレードの運転時に完全に窓に接触させられたワイパブレードの端部は、たとえ球面状に湾曲された自動車窓の曲率半径が各ワイパブレードポジションにおいて変化するとしても、ワイパブレード運転時に緊張させられた支持エレメントによって窓に向かって負荷される。つまりワイパブレードの曲率は、拭かれる窓における拭い領域において測定された最も大きな曲率よりも、幾分大きくなくてはならない。このようにして支持エレメントは、汎用のワイパブレードにおいて用いられる、ワイパ条片に配置された2つのばねレールを備えた高価な支持ヨーク構造体(ドイツ連邦共和国特許出願公開第1505397号明細書)の代わりに、使用される。
本発明は、請求項1の上位概念部に記載のワイパブレードを出発点としている。このような形式の公知のワイパブレード(ドイツ連邦共和国特許第1247161号明細書)では、一方では、ワイパブレードもしくは、ワイパブレード中央領域における接触圧力分布に基づいてワイパ条片を超えて大きく突出している、ワイパブレードの支持エレメントは、走行風に向けられた前側において過圧の形成下で該過圧によって下から作用を受けることがある。また他方では、走行風とは反対の背側においては前記構造形式に基づいて、大きな負圧が形成される。確かに、運転中に多くの場合振子運動を行うワイパブレードは、流れる走行風に対してその位置を常に変化させるが、しかしながらその場合でもワイパブレードの一方の長辺は走行風に程度の差こそあれ強く向けられているので、前側と呼ばれ、これに対して他方の長辺は背側と見なされる。ワイパ圧着圧とは逆向きに作用する前記両方の圧力に基づいて、走行速度が高い場合に、ワイパ圧着圧は少なくとも、所望の適正な払拭結果がもはや不可能になるほど、減じられてしまう。窓に対するワイパブレード圧着圧を強めることによって、高い走行速度時においては上述のような問題を排除することが可能であるが、しかしながら、低い走行速度では、つまり持上げ傾向が減じられている場合には、ワイパブレードと窓との間における摩擦が大きくなってしまい、これによって不都合なノイズが発生したり、駆動構成成分やワイパゴムに対する許容不能なほど高い負荷が生ぜしめられたりする。
発明の利点
請求項1の特徴部に記載のように構成された本発明によるワイパブレードでは、走行風に向けられた風受け面を介して、窓に向けられた力成分が形成され、この力成分は前記両圧力の持上げ力(つまりワイパブレードを窓面から持ち上げようとする力)に抗して作用し、ワイパブレードによって拭われる拭い領域の、少なくともドライバにとって重要な領域において、傑出したクリーニング品質を提供するために働く。風受け面及び/又は角度αの大きさに応じて、この補助圧着圧は、車両型式に関連して変化する要求に合わせられることができる。本発明による構成の別の利点としては、圧着圧が走行速度を関数として走行速度と共に増減するということが挙げられる。つまり、速度が大きい場合に発生する不都合な持上げ力に対してしか、相応に大きな「補助圧着圧」は作用しない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第1505397号明細書には確かに、窓に対して傾けられていて空気流に向けられたワイパ条片側面を、ワイパブレードに配置することが開示されているが、しかしながらこの公知のワイパブレードは、既に述べた支持ヨーク構造体を備えており、この支持ヨーク構造体は背の高い構造形式を必要とし、ひいては持上げ力を有するものである。この支持ヨーク構造体もしくは支持ヨーク系は、ワイパ条片に配置されたばねレールと一緒にワイパブレードの支持エレメントを形成し、この支持エレメントにワイパ条片が保持されている。
風受け面がワイパ条片に配置されていると、風受け面を特に簡単かつ安価に実現することができる。
特にワイパ条片の製造に関して製造を簡単にするための別の有利な構成では、ワイパ条片が付加部と共に、支持エレメントを窓における平面において横切っており、支持エレメントの長手方向軸線に対して平行でかつ長く延ばされた付加部に、風受け面が形成されている。
このような構成を有利に実現するために本発明の別の構成では、付加部が、ワイパ条片のストリップ条片に一体成形されており、かつ/又は付加部がワイパ条片のストリップ条片に一体に押出し成形されている。
また、付加部がストリップ条片よりも柔らかい材料から成っていると、窓における平面に対するワイパ条片の弾性は、まったく又はほとんど邪魔にならない。場合によっては、ワイパブレードの安定性を高めるために硬質材料製の付加部を選択すると、有利なこともある。
特に問題のある窓構成では、風受け面が横断面で見て凹面状の湾曲部を有していると、有利である。
また、支持エレメントが複数部分から形成されていると、組立て技術的に有利である。
支持エレメントが複数部分から形成されている場合に製造技術的に有利な構成では、支持エレメントがヘアピン形に形成されており、この場合互いに平行なニードル状の2つの脚が一方の端部においてウエブによって一体的に互いに結合されている。
ワイパ条片にヘアピン状の支持エレメントを固定するために、本発明の有利な構成では、ニードル状の脚の、ウエブとは反対側の他方の端部が、保持エレメントによって互いに結合されている。
次に図面につき本発明の有利な実施例を説明する。
図面
第1図は、本発明によるワイパブレードを示す側面図である。
第2図は第1図に示されたワイパブレードの平面図である。
第3図は、ワイパブレードの一部であるワイパ条片を、第1図のIII−III線に沿って断面した横断面図である。
第4図は、ワイパ条片の別の実施例を示す、第3図に相当する横断面図である。
第5図は、ワイパブレードの一部である支持エレメントを示す平面図である。
実施例の記載
第1図及び第2図に示されたワイパブレード10は、複数部分から成っていて長く延在するばね弾性的な支持エレメント12を有しており、この支持エレメント12には、長く延在するゴム弾性的なワイパ条辺4が、長手方向軸線平行に取り付けられている。支持エレメントの上側には接続装置16が配置されており、この接続装置16を用いてワイパブレード10は、駆動されるワイパアーム18と着脱可能に結合されることができる。ワイパアーム18の自由端部20には、対応接続手段として働くフックが一体成形されており、このフックは、ワイパブレードの接続装置16の一部であるヒンジピン22に取り囲むように係合している。ワイパアーム18とワイパブレード10との間における固定は、アダプタとして形成された自体公知の固定手段(図示せず)によって引き受けられる。ワイパアーム18及びひいてはアーム端部20におけるフックは、矢印24の方向で、拭かれる窓に向かって負荷されており、この窓の拭かれる表面は第1図において一点鎖線26で示されている。一点鎖線26は窓表面の最大曲率を示すようになっているので、両端部において窓に接触しているワイパブレード10の曲率は、窓の最大曲率よりも大きい。圧着圧(矢印24)をかけられてワイパブレードのワイパリップ28は、その全長にわたって窓表面26に接触する。この場合ベルト状のばね弾性的な支持エレメント12は緊張を生ぜしめ、この緊張は、ワイパ条片14もしくはワイパリップ28がその全長にわたって適正に自動車窓に接触するのに役立つ。
以下においてはワイパブレード、特にワイパ条片14の特殊な構成について詳しく述べる。第3図に示された本願発明の構成では、ワイパ条片14はベース体30から成っており、このベース体30にはいわゆる旋回ウエブ32を介して、窓表面26に接触するワイパリップ28が一体成形されている。ベース体30は、旋回ウエブ32及びワイパリップ28と一緒にいわゆるストリップ条片34を形成しており、このストリップ条片34はその全長にわたって均一な横断面を有している。ベース体30の、ワイパリップ28とは反対の側には、ストリップ条片34よりも軟質の材料から成る付加部36が、ベース体30と結合されている。結合は、付加部36の比較的細い結合ウエブ38を介して行われ、この結合ウエブ38は互いに向かい合って位置していて縁部側で開放された2つの長手方向溝40,42の間に残っている。両長手方向溝40,42の上、つまり付加部が再びベース体30の幅に延在するところにおいて、窓表面26とは反対の側には、風受け面44が形成されており、この風受け面44は横断面から分かるように、走行風(矢印46)に向けられた凹面湾曲部を有している。この場合付加部36もしくは風受け面44の、走行風(矢印46)の方向で見て前方に位置する縁部48は、走行風に関して後方に位置する縁部50よりも、拭かれる窓表面26の近くに位置している。したがって両縁部48,50を結ぶ結合ラインは、窓表面26との間に、約35°の鋭角を成しており、この角度は第4図においてαで示されている。第3図に示された実施例では、異なった領域28,32,30,36は一体的に有利には押出し成形によって製造されている。風受け面44はこの場合前方領域に約10°の風受け角度を有し、かつ後方領域に約70°の風受け角度を有している。
第4図の実施例では、ワイパ条片114の基本構造は、第3図に示されたワイパ条片14の構造と同一の形状を有している。したがって第4図において、ワイパリップ28、ベース体30及び旋回ウエブ32に対しては、第3図におけると同じ符号が使用されている。第3図に示されたワイパ条片14と異なり、ワイヤ条片114の付加部136はストリップ条片134とは異なった材料から成っている。第4図に示されたワイパ条片114では、結合ウエブ138を備えた付加部136がベース体30に向かって延びており、そこでベース体30の、窓表面26とは反対側の表面と堅く結合されている。このことは例えばいわゆる複数材料-押出し成形によって達成することができ、この場合ワイパ条片114の両部分領域136,134は別個に押出し成形され、押出し成形の後に直ちに互いに接触させられ、その結果付加部もしくはその結合ウエブ38とベース体30との間における密な結合が達成される。この場合においても結合ウエブ38の高さによって、互いに向かい合って位置する2つの長手方向溝140,142が生ぜしめられる。なぜならば結合ウエブ138の幅は、付加部136の幅よりも著しく小さいからである。さらに第4図から明らかなように、付加部136は窓表面26とは反対の前方の側に、屋根形に斜めに面取りされた風受け面144を有しており、この風受け面144はその長手方向に対して横方向に見て、窓との間に鋭角αを成している。この風受け面144は走行風(矢印46)に向けられている。
ワイパ条片14;114と支持エレメント12との間の結合については、以下において第5図を参照しながら述べる。支持エレメント12は図示の実施例では2部分から形成されている。その主部分はヘアピンの形を有している。したがって主部分は、互いに平行でかつ互いに間隔をおいて位置しているニードル状の2つの脚52を有しており、この両脚52の、互いに隣接して位置している脚端部は、ウエブ54によって互いに一体的に結合されている。このヘアピン状の主部分52,54は本来の支持エレメント12を形成している。脚52の自由端部を形状安定化させるために、両自由端部は別体の保持エレメント56を介してブリッジ状に互いに結合されている。これによって保持エレメント12の良好な安定性が保証される。脚52の端部と保持エレメント56との間における結合は、領域58において例えば点溶接によって行われる。それというのは、実施例では支持エレメント12はその個々の区分52,54,56と共にばね帯鋼から製造されているからである。しかしながらまた、支持エレメント全体もしくはその個々の部分を弾性的なプラスチックから製造することも可能である。両脚52の間における間隔は、ワイパ条片14;114の結合ウエブ38の幅に相当している。組立てのためにヘアピン形の支持エレメント12は、保持エレメント56がまだ装着されていない場合に、その両脚52を長手方向においてワイパ条片14の長手方向溝40,42内に押し込まれる。この組立てポジションは第3図及び第4図に一点鎖線で示されている。ウエブ54が結合ウエブ38の端面60に接触した時に、押込み過程が終了する。このポジションにおいて脚52の自由端部はなお結合ウエブ38の他方の端面62を越えて、突出しており、これによって保持エレメント56のための組付け面及び固定領域58のための空間を提供している。
第2図〜第4図に示されているように、支持エレメント12はその中央領域において、付加部36;136を備えたワイパ条片14よりも幾分幅広であり、これによって接続装置16を固定するための空間を提供している。
両実施例において、ワイパブレード10が、その長手方向にかつ窓に対して実質的に平行に延びていて走行風(矢印46)に向けられた風受け面44;144を備えていることは、共通であり、この風受け面44;144はその長手方向に対して直角に見て、窓との間に、10°〜70°の間の鋭角αを成している。
次に第3図を参照しながら、本発明によるワイパブレードの作用形式を述べる。その作業運動が二重矢印64で示されているワイパブレードの運転中に、ワイパブレードのワイパ条片14が窓の表面26上を移動する場合、支持エレメント12は、窓の表面26に対して実質的に平行に延びる平面に位置している。この場合ワイパブレード10は接触圧(第1図における矢印24)を受けており、この接触圧にはワイパブレードの運転中、特に走行速度が高い場合に、矢印66の方向で作用する持上げ力(Abhebestreben)が逆向きである。ワイパ条片14;114の風受け面44;144は走行風46に向けられており、この場合風受け面44;144は拭かれる窓の表面26との間に鋭角αを成しているので、走行風46の圧力は、第3図及び第4図において矢印68で示されている力成分を生ぜしめる。この力成分68は持上げ力(矢印66)に抗して作用し、ひいては接触圧(矢印24)を所望の適正領域に保つ。
Claims (9)
- 自動車の窓のためのワイパブレード(10)であって、拭かれる窓に接触可能で長く延在するゴム弾性的なワイパ条片(14)が設けられており、該ワイパ条片(14)が実質的に長手方向軸線に対して平行に、ばね弾性的な支持エレメント(12)の、窓に向けられた一方の面に配置されており、該支持エレメント(12)が、ワイパブレードの長手方向に対して横方向に駆動される、窓に向かって負荷可能なワイパアーム(18)と結合されている形式のものにおいて、ワイパブレード(10)に、その長手方向に延びかつ窓に対して実質的に平行に延びていて走行風(46)に向けられた風受け面(44;144)が設けられており、該風受け面(44;144)がその長手方向に対して横方向に見て、窓との間に鋭角(α)を成しており、ワイパ条片(14;114)が付加部(36;136)で、窓に起立した平面において支持エレメントを横切っており、支持エレメント(12)の長手方向軸線に対して平行でかつ長く延ばされた付加部に、風受け面(44;144)が形成されており、支持エレメント(12)が帯状に形成されていて、ワイパ条片(14)がベース体(30)を有しており、付加部(36,136)とベース体(30)とが、互いに向かい合って位置していて縁部側で開放された2つの長手方向溝(40,42)の間に残っている細い結合ウェブ(38)を介して結合されていることを特徴とする、自動車の窓のためのワイパブレード。
- 風受け面(44;144)がワイパ条片(14)に配置されている、請求項1記載のワイパブレード。
- 付加部(36;136)が、ワイパ条片(14;114)のストリップ条片に一体成形されている、請求項1記載のワイパブレード。
- 付加部(136)がワイパ条片(114)のストリップ条片(34)に一体に押出し成形されている、請求項3記載のワイパブレード。
- 付加部(136)が別の材料から、特にストリップ条片(34)よりも柔らかい材料から成っている、請求項1から4までのいずれか1項記載のワイパブレード。
- 風受け面(44)が横断面で見て、走行風(46)に向かって凹面状の湾曲部を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のワイパブレード。
- 支持エレメント(12)が複数部分から形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のワイパブレード。
- 支持エレメント(12)がヘアピン形に形成されており、この場合互いに平行なニードル状の2つの脚(52)がウエブ(54)によって一体的に互いに結合されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のワイパブレード。
- ニードル状の脚(52)の、ウエブ(54)とは反対側の端部が、保持エレメント(56)によって互いに結合されている、請求項8記載のワイパブレード。
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