JP4017449B2 - 車両用サンバイザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転席や助手席への直射光を遮るために車室の前部天井に取り付けられるサンバイザに関し、特に、各種カード類を保持させるためのカードホルダをサンバイザ本体に配設する構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用サンバイザは、サンバイザ本体が車室の天井面に沿う格納位置と、ウインドウ内面に沿う遮光位置とに切り替え可能に天井面に取り付けられている。このようなサンバイザとして、例えば、特開2001−294041号公報に開示されるように、サンバイザ本体に各種カード類を保持させるためのカードホルダを配設したものが知られている。この従来例では、カードホルダは樹脂製のホルダ帯からなり、該ホルダ帯は、格納位置にあるサンバイザ本体の車室内側に中間部が位置するように該サンバイザ本体に巻装されており、両端部がサンバイザ本体の車室内側と反対の天井側に形成された一対の溝部にそれぞれ挿入されて固定されている。そして、カード類は、格納位置にあるサンバイザ本体の車室内側とホルダ帯の中間部との間に挿入して両者に挟持させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例のように、ホルダ帯の端部をサンバイザ本体の溝部に挿入して固定すると、この固定に際してホルダ帯にたるみを生じさせないようにすることは、ホルダ帯の製作誤差等により困難であり、たるみが生じると保持したカード類が車体振動等によって脱落してしまうことがある。
【0004】
また、前記従来例では、ホルダ帯を接着するための一対の溝部を、格納位置にあるサンバイザ本体の天井側に形成しているので、サンバイザ本体を遮光位置に切り替えたときには溝部の開口が車室側に臨むようになり、サンバイザの見栄えが悪い。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サンバイザ本体にカード類を保持するためのホルダ帯を設ける場合に、該ホルダ帯のサンバイザ本体への取り付け構造に工夫を凝らして、見栄えが良好でかつカード類をしっかりと保持できる車両用サンバイザを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明では、サンバイザ本体を2つのサンバイザ半体を重合させてなるものとし、ホルダ帯の両端部をサンバイザ本体の中空部において一方のサンバイザ半体に係止させ、2つのサンバイザ半体を重合させた状態でホルダ帯を長手方向に伸長させるようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、板状第1サンバイザ半体と板状第2サンバイザ半体とを重合させて中空部を有する略矩形状サンバイザ本体を形成し、該サンバイザ本体を車室の天井面に沿う格納位置と、ウインドウ内面に沿う遮光位置とに切り替え可能に車体に取り付けるようにした車両用サンバイザを対象とする。そして、前記第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体のいずれか一方のサンバイザ半体には、伸縮自在のホルダ帯を、その中間部を該一方のサンバイザ半体の表面側に、両端部を前記中空部にそれぞれ位置させるように巻装し、前記ホルダ帯の両端部には係止孔を形成し、該係止孔を前記一方のサンバイザ半体の裏面に突出する係止部に嵌合してそれぞれ係止し、これら係止部の少なくとも一方の係止部をホルダ帯の幅方向に離間して一対形成し、他方のサンバイザ半体の裏面には、前記一対の係止部の間に対応する位置に押圧片を立設し、該押圧片は、第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体を重合させた状態で、前記ホルダ帯の端部を一対の係止部間にて一方のサンバイザ半体側へ押圧して該ホルダ帯を長手方向に伸長させるように付勢している構成とする。
【0008】
この構成によれば、ホルダ帯はその両端部がサンバイザ本体の中空部に位置するように一方のサンバイザ半体に巻装されるとともに、その両端部が一方のサンバイザ半体の係止部に係止されてサンバイザ本体に取り付けられる。これにより、ホルダ帯のサンバイザ本体への取り付け個所が外側から見えることはないので、サンバイザの見栄えが良好なものとなる。
【0009】
また、一方のサンバイザ半体の係止部のうち少なくとも一方はホルダ帯の幅方向に離間して一対形成され、ホルダ帯にはこれに対応する係合孔が形成されており、さらに、両サンバイザ半体を重合させると、他方のサンバイザ半体の押圧片が一対の係止部の間のホルダ帯を押圧して長手方向に伸長させるように付勢する。これにより、ホルダ帯が緊張状態なってたるまず、カード類をしっかりと保持することができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体を薄肉ヒンジ部を介して一体成形し、該薄肉ヒンジ部にホルダ帯が貫通する貫通孔を形成する構成とする。
【0011】
この構成によれば、サンバイザ本体が一体物であるため、サンバイザの部品点数を削減でき、また、両サンバイザ半体を薄肉ヒンジ部を中心にして回動させるだけで、互いの位置関係がずれることなく容易に重合させることができる。これにより、比較的煩雑な作業である一対の係止部の間に押圧片を位置付ける作業が容易になり、サンバイザが簡単に組み付けられる。
【0012】
また、この発明では一体物である第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体の間の薄肉ヒンジ部に貫通孔を形成しているので、該貫通孔へホルダ帯をスムーズに挿通でき、また、ホルダ帯の長手方向の伸縮動作が支障なくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るサンバイザSを示す。このサンバイザSは、樹脂製のサンバイザ本体1と、該サンバイザ本体1に横軸部3aが挿通された略L字状の支軸3とを備えてなる。サンバイザ本体1は車幅方向に長い略矩形板状に形成されており、一方、支軸3には、前記横軸部3aに連なる縦軸部3bの基端部に取付ブラケット(図示せず)が設けられ、該取付ブラケットにより前記横軸部3aが水平方向に回動可能となるように支軸3が車室の天井面5に取り付けられている。そして、サンバイザSは、図2に示すように、車室の前席上方に配置されて、通常はサンバイザ本体1が車室の天井面5に沿うように位置する格納位置とされており(図2実線の状態)、この状態で車室内側となる部分に各種カード類Tを保持させるためのカードホルダ7が配設されている。
【0015】
また、このサンバイザSにはミラー部材11及びミラーカバー9が設けられている。前記格納位置にあるサンバイザ本体1を支軸3の横軸部3aの回りに回動させると、図2に仮想線で示すように、フロントウインドウの内面に沿うように位置する遮光位置に切り替えられ、この状態で前記ミラー部材11及びミラーカバー9が車室内に臨むようになる。
【0016】
尚、前記格納位置にあるサンバイザSは支軸3側が車体前側となっており、以下の説明において前側とはサンバイザ本体1の支軸3側をいい、後側とはその反対側をいうものとする。また、車幅方向左側及び右側をそれぞれ単に左側及び右側という。
【0017】
前記サンバイザ本体1は、図3に示すように、厚み方向について略半割りにされた大略板状の2つのサンバイザ半体13,15からなり、格納位置にあるときに天井側になる方が第1サンバイザ半体13とされ、また、反対の車室内側になる方が第2サンバイザ半体15とされている。第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15は樹脂材料の射出成形品であり、各々の後端部が薄肉ヒンジ部17を介して連結された状態で一体成形されている。第1サンバイザ半体13は、平面部13aと該平面部13aの外周縁に一体に立設された側壁部13bとで構成され、前記第2サンバイザ半体15も同様に、平面部15aと側壁部15bとで構成されている。第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15の側壁部13b,15bの先端には、図4に示すように、係合爪13c,15cがそれぞれ形成され、第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15は、前記薄肉ヒンジ部17を中心に折り曲げられて係合爪13c,15cを互いに係合させることにより重合されて扁平板状に組合わされ、内部に中空部21が形成されている。
【0018】
尚、図3における符号23は、車室の天井面5に配設されたブラケット25(図2にのみ示す)に嵌合されて、支軸3とともにサンバイザSのサンバイザ本体1を回動可能に支持する支承バーで、第1サンバイザ半体13と一体成形されている。
【0019】
まず、前記ミラー部材11の配設構造について説明する。前記第2サンバイザ半体15の平面部15aの略中央には、前記ミラー部材11をその長手方向が車幅方向となるように支持する矩形の枠体27が一体に設けられる一方、前記第1サンバイザ半体13の平面部13aの略中央には、前記ミラー部材11に略対応した形状の開口部29が形成されている。前記枠体27は、第2サンバイザ半体15の平面部15aの内面において第1サンバイザ半体13の開口部29の左縁、右縁、前縁及び後縁に対向する部分からその開口部29の周縁に向かってそれぞれ略垂直に延びる左側立壁部31,右側立壁部33,前側立壁部35及び後側立壁部37からなる。また、前記枠体27の第1サンバイザ半体13側である先端部には、開口部29に嵌入するように形成された矩形枠状のベゼル部41が一体成形されている。
【0020】
前記ミラー部材11は、図5に示すように、枠体27の内方においてサンバイザ本体1の厚み方向の略中央部でかつ左側に偏位しており、該枠体27の左側立壁部31及び前後両立壁部35,37に支持されている。前記枠体27の左側立壁部31及び前後両立壁部35,37には、その高さ方向(サンバイザ本体1の厚み方向)の略中央部から枠体27の内方へ突出する第1突条部43と、該第1突条部43から立壁部31,35,37の先端側へミラー部材11の厚み寸法だけ離間した部位から同様に突出する第2突条部45とが形成されている。これら立壁部31,35,37の第1及び第2突条部43,45によりミラー部材11の左縁部と前後両縁部とが挟持されるようになっている。
【0021】
前記ミラー部材11と第1サンバイザ半体13の平面部13aとの間には、ミラー部材11を使用しないときに覆っておくための板状のミラーカバー9が配設されている。該ミラーカバー9は、その前後両端部が第2突条部45とベゼル部41との間に位置するように配設されており、また、枠体27の車体右側立壁部33にはその前端近傍から後端近傍に亘って貫通孔33aが形成されており、ミラーカバー9はこの貫通孔33aを挿通することで車幅方向にスライドするようになっている。
【0022】
前記ミラーカバー9の左側端部近傍には、開閉操作用の操作部49が設けられており、ミラーカバー9がミラー部材11の表面を覆う位置にあるときに、操作部49を指で右側へ押すことにより、図3及び図5に仮想線で示すように、ミラー部材9の表面を露出させる位置までスライドさせることができる。また、ミラーカバー9の右端部には中空部21へ突出するストッパ部53が設けられており、一方、第2サンバイザ半体15には、ミラーカバー9が前記全開位置となったときにストッパ部53と当接してミラーカバー9を全開位置で保持する位置決め部55が設けられている。
【0023】
次に、本発明の特徴であるカードホルダ7の構造について説明する。
【0024】
カードホルダ7は、図1に示すように、サンバイザSのミラー部材11よりも右側に配設されており、ゴム材料を細長い帯状に成形したホルダ帯61からなる。このホルダ帯61は、図3にも示すように、その長手方向が前後方向とされた状態で、かつ長手方向中間部が第2サンバイザ半体15の表面側に位置し両端部が中空部21に位置するように該第2サンバイザ半体15に巻装されている。すなわち、ホルダ帯61の後端側は、薄肉ヒンジ部17の右端近傍に形成された貫通孔17aをサンバイザ本体1の表面側から裏面側に挿通し、その裏面側(中空部21側)に位置している。貫通孔17aは、ヒンジ軸線X方向に長い矩形状に形成されていて、中心がヒンジ軸線X上に位置付けられている。
【0025】
一方、前記ホルダ帯61の前端側は、側壁部15bの先端に形成された凹部15dを介して後側へ折り曲げられており、第2サンバイザ半体15の裏面側に位置している。そして、前記ホルダ帯61の前後方向両端部が第2サンバイザ半体15に設けられた前側及び後側係止部63,65にそれぞれ係止されるようになっており、これによりサンバイザ本体1に取り付けられる。
【0026】
前記ホルダ帯61の前端部及び後端部には、それぞれ該ホルダ帯61の幅方向に互いに離間した一対の係止孔61a,61a,61b,61bが形成されている。これら係止孔61a,61a,61b,61bは全て略同形状とされており、ホルダ帯61の長手方向に長いスリット形状とされている。
【0027】
前記第2サンバイザ半体15の前側及び後側係止部63,65は、枠体27よりも右側で平面部15aの前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ設けられている。これら前側及び後側係止部63,65は、平面部15aの内面から略垂直に突出して前後方向に延び、ホルダ帯61の幅方向に互いに離間した一対の突片67,67,69,69からなり、それぞれが第2サンバイザ半体15と一体成形されている。該一対の突片67,67、69,69の互いの離間距離はホルダ帯61の一対の係止孔61a,61a,61b,61bの離間距離と略同じとされており、この突片67,67,69,69の先端側にホルダ帯61の係止孔61a,61a,61b,61bがそれぞれ嵌合するようになっている。
【0028】
前記前側係止部63の各突片67は、第2サンバイザ半体15の側壁部15bから若干後方へ離れており、図6(a)に示すように、基部67aと該基部67aの先端側に連なる先端部67bとからなる。基部67aは前後方向に相対的に長い矩形状を有し、先端部67bは基部67aの長手方向中央部から該基部67aの後端に亘って延びる矩形状を有し、基部67aと先端部67bとで段差状をなしている。一方、前記後側係止部65の各突片69も前記前側の各突片67と同様に基部69aと先端部69bとからなり、基部69aの後端は第2サンバイザ半体15の側壁部15bと連なっている。また、先端部69bは基部69aの前後方向中央部から前端に亘って延び、基部69aと先端部69bとで段差状をなしている。
【0029】
前記前側及び後側の各突片67,69の先端部67b,69bの形状は各係止孔61a,61bの断面形状と大略一致していて、各係止孔61a,61bが突片67,69に嵌合した状態でホルダ帯61が各突片67,69の基部67a,69aに近接するようになるとともに、該基部67a,69aによってそれ以上、平面部15a側へ移動することが規制される。また、ホルダ帯61の長さは、図3に示すように、巻装されて前端部及び後端部が係止部63,65にそれぞれ係止された状態でその両端縁が、開状態にある前記ミラーカバー9と接触しないように設定されている。すなわち、ホルダ帯61の両端縁は、開状態にあるミラーカバー9の前縁及び後縁よりも前側及び後側へそれぞれ離れている。
【0030】
前記第1サンバイザ半体13には、該第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15を重合させた状態で、ホルダ帯61の端部を押圧してホルダ帯61を長手方向に伸長させる押圧片71,73が設けられている。押圧片71は第1サンバイザ半体13の平面部13a内面において前記第2サンバイザ半体15の一対の突片67,67の間に対応する部位から中空部21内へ突出してなり、同様に押圧片73は第1サンバイザ半体13の平面部13aにおいて前記第2サンバイザ半体15の一対の突片69,69の間に対応する部位から中空部21内へ突出してなり、両押圧片71,73はサンバイザSの厚み方向から見て大略H字状にそれぞれ形成されている。
【0031】
すなわち、図1及び図6(b)に示すように、押圧片71は、一対の係止部63,63の間で各係止部63と略平行に延びて、第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15を重合させた状態でホルダ帯61の係止部63,63間を押圧する一対の側片部71a,71aと、該側片部71a,71aの前後方向中央部同士を繋ぐように左右に延びる連繋片部71bとからなり、両者は第1サンバイザ半体13に一体成形されている。尚、後側の押圧片73も前記前側の押圧片71と同様に、一対の側片部73a,73aと連繋片部73bとからなる。
【0032】
また、前記押圧片71,73の各側片部71a,73aの平面部13a内面からの高さは、図6(c)に示すように、突片67,67,69,69に係止されたホルダ帯61を第2サンバイザ半体15の平面部15aに近接するまで押圧してホルダ帯61を緊張状態とする高さに設定されている。一方、各側片部71a,73aの前後方向の長さは、各突片67,69の基部67a,69aの前後方向の長さと略同じに設定されている。尚、連繋片部71b,73bは、各側片部71a,73aの補強をなすもので、その平面部13a内面からの高さは各側片部71a,73aよりも低く設定されている。
【0033】
このように構成されたサンバイザSにおいて、ホルダ帯61をサンバイザ本体1に巻装するには、まず、第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15を展開した状態で用意し、ホルダ帯61の後端側を、第2サンバイザ半体15の表面側から前記貫通孔17aに挿通させ、各係止孔61bを各突片69に嵌合させる。そして、ホルダ帯61の中間部を第2サンバイザ半体15の平面部15aの表面に沿わせ、該ホルダ帯61の前端側を第2サンバイザ半体15の側壁部15bの凹部15d内に位置付け、そこから第2サンバイザ半体15の後側へ折り曲げて各係止孔61aを各突片67に嵌合させる。こうしてホルダ帯61が第2サンバイザ半体15に取り付けられる。
【0034】
その後、薄肉ヒンジ部17を中心にして第1及び第2サンバイザ半体13,15を折り曲げて第1サンバイザ半体13の側壁部13bの係合爪13cと第2サンバイザ半体15の側壁部15bの係合爪15cとを係合させる。こうすると、第1サンバイザ半体13の押圧片71,73が、第2サンバイザ半体15の一対の突片67,67,69,69の間に位置するホルダ帯61を、該第2サンバイザ半体15の平面部15a側へ押圧してホルダ帯61を長手方向に伸長させる。
【0035】
この際、前側の押圧片71により押圧されたホルダ帯61の前端部は平面部15aに近接する方向に移動しようとするが、ホルダ帯61の係止孔61a,61aの前後方向(長手方向)の長さが突片67,67の基部67a,67aの前後方向(長手方向)の長さよりも短いので、ホルダ帯61の前端部の係止孔61a,61aよりも前方側が、平面部15aに近接する方向へ移動すると同時に、ホルダ帯61の前端部を中空部21内側へ牽引する。これにより、ホルダ帯61はその長手方向に伸長されて、第2サンバイザ半体15の表面に押圧状態で当接されるためカード類Tの保持力を十分に確保することができる。尚、ホルダ帯61の後端部についても前記前端部の場合と同様に、押圧片73によりホルダ帯61の後端部を中空部21内側へ牽引し、これにより、ホルダ帯61は長手方向に伸長され、よって、カード類Tの保持力を十分に確保できる。また、押圧片71,73の各側片部71a,73aの前後方向の長さと各突片67,69の基部67a,69aの前後方向の長さとは略同じ長さとされているので、突片67,67間及び突片69,69間の前後方向全体に亘る比較的広い範囲でホルダ帯61を押圧片71,73により押圧することができ、これによっても、ホルダ帯61を十分に伸長させることができる。
【0036】
このように、第2サンバイザ半体15に巻装されたホルダ帯61はその全体に亘って伸長方向に付勢されて緊張した状態となっており、よって、カード類Tをしっかりと保持して車体振動等によって脱落しないようにすることができる。
【0037】
また、第1及び第2サンバイザ半体13,15は薄肉ヒンジ部17を介して一体成形されているので、部品点数を削減できる。さらに、第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15を薄肉ヒンジ部17を中心にして回動させるだけで、互いの位置関係がずれることなく容易に重合させることができるので、押圧片71,73を一対の突片67,67,69,69の間に容易に挿入することができ、サンバイザSが簡単に組み付けられる。
【0038】
この実施形態では、一体物である第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15の間の薄肉ヒンジ部17に貫通孔17aを形成しているので、該貫通孔17aへホルダ帯61をスムーズに挿通できるとともに、ホルダ帯61を伸縮動作が支障なくできる。尚、貫通孔17aは第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15の成形時もしくは成形後に形成するようにしてもよい。
【0039】
また、ホルダ帯61の両端縁部が、開状態にあるミラーカバー9の前縁及び後縁よりも前側及び後側へそれぞれ離れているので、閉状態にあるミラーカバー9を開き側へスライドさせる際には、ホルダ帯61がミラーカバー9と接触することはなく、スムーズにスライドさせることができる。
【0040】
尚、この実施形態では、ホルダ帯61の前端部及び後端部の両方を一対の突片67,67及び69,69に係止させてそれぞれを押圧片71,73により押圧するようにしているが、いずれか一方にのみ、そのような構造を設けて押圧するようにしてもたるみを無くすことができる。この場合、他方の突片は一対でなく、1つだけ設けてもよい。
【0041】
また、この実施形態のミラーカバー9を設けない場合には、一対の係止部を第2サンバイザ半体15の前後方向略中央部に立設し、この係止部にホルダ帯61の両端を重合させて係止するようにしてもよい。
【0042】
また、第1サンバイザ半体13及び第2サンバイザ半体15は別体形成することもでき、この場合、両サンバイザ半体13、15には、ホルダ帯61が挿通する貫通孔17aに対応する形状を有する切欠をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0043】
また、第1サンバイザ半体13と第2サンバイザ半体15との結合は、その側壁部13b,15bに形成した係合爪13c,15cに限定されることなく、その平面部13a,15aに、中空部21内へ突出させて形成した係合部により係合させるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両用サンバイザによると、板状第1サンバイザ半体と板状第2サンバイザ半体とを重合させて中空部を有する略矩形状サンバイザ本体を形成し、該サンバイザ本体を車室の天井面に沿う格納位置と、ウインドウ内面に沿う遮光位置とに切り替え可能に車体に取り付けるようにしたものであって、いずれか一方のサンバイザ半体に、伸縮自在のホルダ帯を、その中間部が該一方のサンバイザ半体の表面側に、両端部が中空部に位置するように巻装し、前記ホルダ帯の両端部の係止孔を一方のサンバイザ半体の裏面から突出する係止部にそれぞれ係止させたので、ホルダ帯のサンバイザ本体への取り付け個所が外側から見えることはなく、これにより、サンバイザの見栄えを良好にできる。また、前記係止部の少なくとも一方の係止部をホルダ帯の幅方向に離間させて一対形成し、他方のサンバイザ半体の裏面に押圧片を立設し、該押圧片は、2つのサンバイザ半体を重合させた状態で、ホルダ帯の端部を一対の係止部間にて一方のサンバイザ半体側へ押圧して該ホルダ帯を長手方向に伸長させるように付勢しているので、ホルダ帯が緊張状態となってたるまず、カード類をしっかりと保持することができる。
【0045】
請求項2記載の発明によると、第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体を薄肉ヒンジ部を介して一体成形することで、部品点数を削減できるとともに、互いの位置関係がずれることはないのでサンバイザが簡単に組み付けられる。また、一体物である第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体の間の薄肉ヒンジに貫通孔を形成したので、ホルダ帯を貫通孔へスムーズに挿通でき、さらにホルダ帯の長手方向の伸縮動作が支障なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用サンバイザを格納位置にして下側から見た平面図である。
【図2】車室の天井面に配設されたサンバイザの斜視図である。
【図3】第1及び第2サンバイザ半体を展開した状態を示す平面図である。
【図4】図1におけるA−A線断面図である。
【図5】図1におけるB−B線断面図である。
【図6】(a)は前側の突片を左側から見た側面図であり、(b)は前側の押圧片の正面図であり、(c)は図1におけるC−C線断面図である。
【符号の説明】
S サンバイザ
1 サンバイザ本体
5 天井面
13 第1サンバイザ半体
15 第2サンバイザ半体
17 薄肉ヒンジ部
17a 貫通孔
21 中空部
61 ホルダ帯
61a,61b 係止孔
63,65 係止部
71,73 押圧片

Claims (2)

  1. 板状第1サンバイザ半体と板状第2サンバイザ半体とを重合させて中空部を有する略矩形状サンバイザ本体を形成し、該サンバイザ本体を車室の天井面に沿う格納位置と、ウインドウ内面に沿う遮光位置とに切り替え可能に車体に取り付けるようにした車両用サンバイザであって、
    前記第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体のいずれか一方のサンバイザ半体には、伸縮自在のホルダ帯が、その中間部を該一方のサンバイザ半体の表面側に、両端部を前記中空部にそれぞれ位置させるように巻装され、
    前記ホルダ帯の両端部には係止孔が形成され、該係止孔は前記一方のサンバイザ半体の裏面に突出する係止部に嵌合してそれぞれ係止され、これら係止部の少なくとも一方の係止部はホルダ帯の幅方向に離間して一対形成され、
    他方のサンバイザ半体の裏面には、前記一対の係止部の間に対応する位置に押圧片が立設され、
    前記押圧片は、第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体を重合させた状態で、前記ホルダ帯の端部を一対の係止部間にて一方のサンバイザ半体側へ押圧して該ホルダ帯を長手方向に伸長させるように付勢していることを特徴とする車両用サンバイザ。
  2. 請求項1において、
    第1サンバイザ半体及び第2サンバイザ半体は薄肉ヒンジ部を介して一体成形され、該薄肉ヒンジ部にホルダ帯が貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。
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