JP4017432B2 - スイッチング電源制御用半導体装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動時におけるソフトスタートと、軽負荷時や無負荷時における消費電力の削減とを実現することができるスイッチング電源制御用半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のスイッチング電源制御用半導体装置について説明する。図10は、従来のスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図である。この半導体装置29は、パワーMOSFETなどのスイッチング素子1とスイッチング素子1のスイッチング制御を行うための制御回路がワンチップに集積化されており、スイッチング素子1の高電圧端子(DRAIN端子)とGND端子(SOURCE端子)、およびスイッチング素子1の制御信号を入力するための制御回路の制御端子(CONTROL端子)の3端子で構成されている。
【0003】
図10において、誤差増幅器2のマイナス入力端子へは半導体装置29の電源電圧Vccが与えられ、プラス入力端子へは予め設定された所定の基準電圧が与えられている。誤差増幅器2は、電源電圧Vccと基準電圧とを比較し、電源電圧Vccが基準電圧を下回っているとき、誤差電圧VEAOをドレイン電流検出用比較器4のプラス入力端子へ出力する。つまり電源電圧Vccと誤差電圧VEAOは、電源電圧Vccが上昇すると誤差電圧VEAOが低下する関係にある。ドレイン電流検出用比較器4のマイナス入力端子には、スイッチング素子1の高電圧端子に接続されているドレイン電流検出回路3から出力される検出電圧VCLが与えられている。ドレイン電流検出回路3は、スイッチング素子1に流れるスイッチング素子電流IDを検出して電圧に変換し、検出電圧VCLとして出力する。
【0004】
ドレイン電流検出用比較器4は、スイッチング素子電流IDに応じた検出電圧VCLと、半導体装置29の電源電圧Vccと基準電圧との誤差電圧VEAOとを比較し、両者が等しくなったときRSフリップフロップ回路13のリセット端子へ信号を出力する。
【0005】
過電流保護回路5は、誤差増幅器2から出力される誤差電圧VEAOの最大値を固定し、スイッチング素子1に過電流が流れるのを防止している。
発振器6は、スイッチング素子1のスイッチング周波数を決定するためのクロック信号7と、スイッチング素子1の最大デューティーサイクルを決定するための最大デューティーサイクル信号8とをそれぞれ出力する。発振器6から出力されるクロック信号7は、RSフリップフロップ回路13のセット端子に与えられており、RSフリップフロップ回路13の出力は、NAND回路16へ出力されている。発振器6から出力される最大デューティーサイクル信号8は、NAND回路16に直接入力されている。
【0006】
スイッチング素子1の高電圧端子には、半導体装置29の電源電流を供給するための内部回路電流供給回路14が接続されている。内部回路電流供給回路14は、半導体装置29の起動および停止を制御する起動/停止回路27によって、電源投入時など電源電圧Vccが起動開始電圧よりも低いときにのみ動作するようになっている。起動/停止回路27の出力は、NAND回路16に入力されている。
【0007】
過熱保護回路15は、半導体装置29のチップ温度が設定値以上に上昇した場合に、スイッチング素子1の発振を停止させるための回路であり、過熱保護回路15の出力は、NAND回路16に入力されている。
【0008】
NAND回路16には、RSフリップフロップ回路13を介して発振器6から出力されるスイッチング素子1のクロック信号7と、発振器6から出力されるスイッチング素子1の最大デューティーサイクル信号8と、起動/停止回路27から出力される起動信号Von_offと、過熱保護回路15から出力される信号の4つが入力されており、その出力は、スイッチング素子1のスイッチング制御信号としてスイッチング素子1のドライブ回路17に与えられている。
【0009】
ドライブ回路17は、NAND回路16から与えられるスイッチング制御信号に基づいて、スイッチング素子1をスイッチング制御する。
図11は、従来のスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。このスイッチング電源装置では、商用の交流電圧が、ダイオードブリッジなどの整流器19により整流され、コンデンサ20により平滑化され、直流電圧VINとされて電力変換用のトランス21に与えられている。
【0010】
電力変換用のトランス21は、第1の一次巻線21aおよび第2の一次巻線21bと、二次巻線21cとを有しており、直流電圧VINが第1の一次巻線21aに与えられる。
【0011】
トランス21の第1の一次巻線21aに与えられた直流電圧VINは、半導体装置29内に設けられたスイッチング素子1によりスイッチングされる。そして、そのスイッチング素子1のスイッチング動作によってトランス21の二次巻線21cに磁気誘導による起電力が発生し、トランス21の二次巻線21cに電流が取り出される。二次巻線21cに取り出された電流は、二次巻線21cに接続されたダイオード24およびコンデンサ25により整流および平滑化され、出力電圧Voとして負荷26へ供給される。
【0012】
トランス21の第2の一次巻線21bにも、スイッチング素子1のスイッチング動作によって磁気誘導による起電力が発生し、電流が取り出される。第2の一次巻線21bから出力される電流は、補助電源部であるダイオード22およびコンデンサ23により整流および平滑化され、電源電圧Vccとして出力される。そして、補助電源部から出力される電源電圧Vccが、半導体装置29の制御端子に入力され、半導体装置29の電源電圧として用いられている。この電源電圧Vccは、トランス21の二次巻線21cから負荷26に供給される出力電圧Voと比例する電圧であり、出力電圧Voを安定化させるための帰還信号としても用いられている。
【0013】
このように構成されたスイッチング電源装置の動作を以下に説明する。
整流器19に商用電源からの交流電圧が入力されると、整流器19とコンデンサ20とにより整流および平滑化され、直流電圧VINに変換される。この直流電圧VINがトランス21の第1の一次巻線21aに印加される。また、直流電圧VINは、半導体装置29内の内部回路電流供給回路14を介して第2の一次巻線21bに印加され、電源電圧Vcc用のコンデンサ23を充電する。
【0014】
その後、電源電圧Vccが半導体装置29内の起動/停止回路27で設定された起動開始電圧に達すると、起動/停止回路27からNAND回路16に出力される起動信号Von_offがハイレベルの信号となり、制御回路が起動してスイッチング素子1によるスイッチング動作の制御が開始される。また同時に、起動/停止回路27から、内部回路電流供給回路14からの電流供給を停止するための信号Son_offが出力される。このような動作により、通常動作時における半導体装置29の消費電力は低く抑えられている。
【0015】
半導体装置29は、負荷26に対する出力電圧Voが、所定の電圧にて安定化するように、電源電圧Vccに基づいてスイッチング素子1によるスイッチング動作を制御している。出力電圧Voと電源電圧Vccとは、トランス21の第2の一次巻線21bと二次巻線21cの巻数比に比例した電圧になっている。
【0016】
すなわち、図12のタイムチャートに示すように、直流電圧VINが、半導体装置29内の内部回路電流供給回路14を介して第2の一次巻線21bに印加され、電源電圧Vcc用のコンデンサ23を充電することで半導体装置29の電源電圧Vccが上昇する(図12(c))。そして、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onに達すると、起動/停止回路27の出力する起動信号Von_offはローレベルからハイレベルになり(図12(e))、NAND回路16に入力され、スイッチング素子1の発振が開始される。それと同時に内部回路電流供給回路14からの電源電圧Vcc用のコンデンサ23への充電電流がOFFされる。スイッチング素子1の発振が開始されると、負荷26へ供給される電流Ioが定常状態となるまで出力電圧Voは上昇し、電源電圧Vccは出力電圧Voに応じた値となる。
【0017】
しかしながら、この従来のスイッチング電源制御用半導体装置29では、起動開始電圧Vc_onは低く設定され、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onに達すると同時にスイッチング素子1の発振を開始するようにしてある。そのため、スイッチング素子1の発振開始時(始動時)の誤差増幅器2からの誤差電圧VEAOの値は高い値となり(図12(d))、誤差増幅器2からの誤差電圧VEAOが負荷26に対応した一定電圧に低下するまでの期間において、スイッチング素子電流IDは負荷26に対応した一定の値以上の電流状態で発振し、その後、負荷に対応した一定の値になる(図12(f))。そのため始動時には、負荷26へ電流Ioが急速に供給され(図12(b))、出力電圧Voの立ち上がりが急峻になる(図12(a))。
【0018】
また、スイッチング電源装置の出力に接続された負荷26への供給電流Ioが小さくなる待機時などの軽負荷時おいては、負荷26への供給電流Ioが低下し(図12(b))、負荷26への出力電圧Voが上昇し(図12(a))、これに比例して電源電圧Vccが上昇し(図12(c))、誤差増幅器2からの誤差電圧VEAOが低下する(図12(d))。そして、誤差電圧VEAOと検出電圧VCLが等しくなると、ドレイン電流検出用比較器4から、RSフリップフロップ回路13のリセット端子へリセット信号が出力される。これにより、NAND回路16からは、スイッチング素子1をオフにする信号が出力される。その結果、スイッチング素子1はオン時間が短くなり、スイッチング素子1を流れるスイッチング素子電流IDが低下する(図12(e))。
【0019】
また、負荷26への供給電流Ioが零となる無負荷時においても、軽負荷時と同様にスイッチング素子1を流れるスイッチング素子電流IDを低下させることができる。
【0020】
以上のように、この従来のスイッチング電源制御用半導体装置では、半導体装置の内部回路電流をトランスを介して供給する必要があるので、軽負荷時あるいは無負荷時においても、スイッチング素子に流れる電流をゼロにすることはできず、ある大きさの電流が流れることになる。そこで、スイッチング電源装置の出力に接続された負荷に供給される電流に応じてスイッチング素子電流を制御することにより、軽負荷時や無負荷時の消費電力を低減することのできる電流モード制御方式としている。つまり、軽負荷時や無負荷時においては、スイッチング素子1のオン時間を短くしてスイッチング素子1を流れるスイッチング素子電流を低下させることで、軽負荷時あるいは無負荷時のスイッチング素子による消費電力の削減を図っている。
【0021】
しかしながら、発振器からのクロック信号に同期してスイッチング素子電流を流しているため、この従来の方式による消費電力の削減には限界があり、軽負荷時あるいは無負荷時の省電力化という要望を実現できないという問題がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するために、軽負荷検出下限電圧と軽負荷検出上限電圧を設け、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧を下回るとスイッチング素子のスイッチング動作を停止させ、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧を上回るとスイッチング素子のスイッチング動作を開始させることにより、軽負荷時や無負荷時において、スイッチング素子のスイッチング動作を停止と再開の繰り返す間欠発振とし、スイッチング素子における電流損失を低減させるとともに、誤差電圧VEAOが前記軽負荷検出下限電圧と一致したときの電源電圧Vccよりも高い電圧に制御回路(半導体装置)を起動状態とするための起動開始電圧を設定し、始動時(スイッチング素子の発振開始時)において、電源電圧Vccが起動開始電圧に達した後、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧を上回ったときにスイッチング素子のスイッチング動作を開始させることにより、誤差電圧VEAOの低い状態でスイッチング素子のスイッチング動作が行われるようにし、ソフトスタートを実現して負荷への電流供給と出力電圧の立ち上がりが緩やかとなるようにするスイッチング電源制御用半導体装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、スイッチング電源用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路の電源電圧と予め設定された基準電圧との誤差電圧と、前記スイッチング素子を流れる電流に応じた電圧とを比較し、この比較結果に基づいて前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御するスイッチング電源制御用半導体装置において、前記制御回路が、前記制御回路の電源電圧が上昇して前記誤差電圧が軽負荷検出下限電圧を下回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させ、前記制御回路の電源電圧が低下して前記誤差電圧が軽負荷検出上限電圧を上回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させる軽負荷検出回路と、前記制御回路が起動するための起動開始電圧が、前記誤差電圧が前記軽負荷検出下限電圧と一致したときの前記制御回路の電源電圧よりも高い電圧に設定されており、前記制御回路の電源電圧に応じて前記制御回路の起動/停止状態を切り換える起動/停止回路とを具備し、始動時においては、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧に達すると前記起動/停止回路により前記制御回路を起動状態とし、その後前記制御回路の電源電圧が低下して前記誤差電圧が軽負荷検出上限電圧を上回ると前記軽負荷検出回路により前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させ、軽負荷時や無負荷時においては、前記軽負荷検出回路によりスイッチング素子のスイッチング動作の停止と再開を繰り返すことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項2記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項1記載のスイッチング電源制御用半導体装置であって、前記軽負荷検出回路は、前記軽負荷検出下限電圧と前記軽負荷検出上限電圧とを切り換えて出力する軽負荷基準電圧源と、前記誤差電圧と前記軽負荷基準電圧源の出力電圧とを比較し、前記誤差電圧が前記軽負荷検出下限電圧を下回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させるための信号を出力し、前記誤差電圧が前記軽負荷検出上限電圧を上回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させるための信号を出力する軽負荷検出用比較器とを具備することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項3記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置であって、前記起動/停止回路が、前記起動開始電圧と前記制御回路を停止させるための停止電圧とを切り換えて出力する起動/停止基準電圧源と、前記制御回路の電源電圧と前記起動/停止基準電圧源の出力電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力し、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する第1の起動/停止比較器とを具備することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項4記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置であって、前記起動/停止回路が、抵抗分割された一方の前記制御回路の電源電圧と内部基準電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力する起動用比較器と、抵抗分割された他方の前記制御回路の電源電圧と前記内部基準電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する停止用比較器とを具備することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項5記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置であって、前記起動/停止回路が、抵抗分割された一方の前記制御回路の電源電圧と内部基準電圧とを比較する場合、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力し、抵抗分割された他方の前記制御回路の電源電圧と前記内部基準電圧とを比較する場合、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する第2の起動/停止比較器を具備することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項6記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項3から5のいずれかに記載の半導体装置であって、前記起動/停止回路が前記制御回路の電源電圧をクランプ電圧にクランプするためのクランプ用回路を具備することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項7記載のスイッチング電源制御用半導体装置は、請求項6記載のスイッチング電源制御用半導体装置であって、前記クランプ電圧がヒステリシスを持つことを特徴とする。
【0030】
以上のように、本発明のスイッチング電源制御用半導体装置によれば、軽負荷時や無負荷時において、スイッチング素子のスイッチング動作を停止と再開の繰り返す間欠発振とし、スイッチング素子における電流損失を低減させるとともに、始動時において、誤差電圧の低い状態でスイッチング素子のスイッチング動作が開始されるようにし、ソフトスタートを実現して負荷への電流供給と出力電圧の立ち上がりを緩やかなものとすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図である。なお、図10に基づいて説明した部材に対応する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図1に示す半導体装置28には、誤差増幅器2の出力である誤差電圧VEAOが与えられる軽負荷検出回路18が設けられている。この軽負荷検出回路18には、軽負荷検出用比較器11が設けられている。軽負荷検出用比較器11のプラス入力端子には誤差増幅器2から出力される誤差電圧VEAOが与えられており、マイナス入力端子には軽負荷基準電圧源10から出力される基準電圧VRが与えられている。軽負荷検出用比較器11は、入力される誤差電圧VEAOと基準電圧VRとを比較して、AND回路12に所定の出力信号VO1を出力するようになっている。これにより、この軽負荷検出回路18は軽負荷状態および無負荷状態を検出できるようになっている。
【0033】
また、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1は、軽負荷基準電圧源10にも与えられており、軽負荷基準電圧源10は、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1を受けて基準電圧VRが変化するようになっている。
【0034】
軽負荷検出回路18の動作としては、図2に示すように、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1に応じて、軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRが軽負荷検出下限電圧VR1と軽負荷検出上限電圧VR2とに切り換る。
【0035】
即ち、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧VR1を下回ると、軽負荷検出用比較器11がAND回路12へローレベルの信号を出力するので、スイッチング素子1の発振が停止する。またこのとき、軽負荷基準電圧源10はこの信号を受けて出力電圧を軽負荷検出上限電圧VR2へ変化させる。そして、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧VR2を上回ると、軽負荷検出用比較器11がAND回路12へハイレベルの信号を出力するので、スイッチング素子1の発振が再開する。またこのとき、軽負荷基準電圧源10はこの信号を受けて出力電圧を軽負荷検出下限電圧VR1へ変化させる。このように軽負荷検出回路18が動作することで、軽負荷時や無負荷時において、スイッチング素子のスイッチング動作が停止と再開を繰り返す間欠発振状態を作り出すことができる。また、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧VR1と一致するときの電源電圧VccをVc_cnt1、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧VR2と一致するときの電源電圧VccをVc_cnt2とすると、それらの関係はVc_cnt1>Vc_cnt2となる。
【0036】
AND回路12には、発振器6から出力されるクロック信号7が他の入力として与えられており、AND回路12の出力が、RSフリップフロップ回路13のセット端子に与えられている。つまり、通常動作時には、AND回路12には軽負荷検出用比較器11からのハイレベルの信号と発振器6からのクロック信号7が与えられ、クロック信号7に従ったスイッチング周波数にてスイッチング素子1のスイッチング動作が行われる。RSフリップフロップ回路13の出力は、NAND回路16へ出力されている。従って、NAND回路16には、RSフリップフロップ回路13の出力信号と、発振器6から出力されるスイッチング素子1の最大デューティーサイクル信号8と、起動/停止回路9からの出力信号と、過熱保護回路15からの出力信号とがそれぞれ入力されている。そして、NAND回路16の出力が、スイッチング素子1のスイッチング制御信号としてスイッチング素子1のドライブ回路17に与えられている。
【0037】
ドライブ回路17は、NAND回路16から与えられるスイッチング制御信号に基づいて、スイッチング素子1をスイッチング制御する。
図3は、本実施の形態におけるスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。なお、図11に基づいて説明した部材に対応する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
続いて、起動/停止回路9の本実施の形態での構成例を図4、図5、図6に示す。
従来の半導体装置では、起動/停止回路において、制御回路(半導体装置)の起動状態と停止状態とを設定するための基準電圧が低く設定され、電源電圧Vccの低い状態でスイッチング素子の発振を開始していた。そのためスイッチング素子発振時の誤差電圧VEAOが高くなり、結果、負荷へ急速に電流が供給され、かつ出力電圧Voの立ち上がりが急峻となった。
【0039】
そこで、当該半導体装置では、起動/停止回路において、制御回路(半導体装置)を起動状態とするための基準電圧(起動開始電圧Vc_on)と停止状態とするための基準電圧(停止電圧Vc_off)を分けて設定し、起動開始電圧Vc_onをスイッチング素子1の発振を停止させるための電圧Vc_cnt1よりも高く設定することにより、電源電圧Vccが高い状態でスイッチング素子の発振が開始されるようにする。このようにすれば、スイッチング素子発振時の誤差電圧VEAOを低くすることができ、ソフトスタートが実現できる。
【0040】
まず、図4に示す起動/停止回路について説明する。図4に示す起動/停止回路には、制御回路の起動開始電圧および停止電圧を設定するための起動/停止比較器(第1の起動/停止比較器)40が設けられている。この起動/停止比較器40のマイナス入力端子には起動/停止基準電圧源41からの基準電圧が入力され、プラス入力端子には電源電圧Vccを検出するために電源電圧Vccを抵抗分割した信号が入力される。そして、起動/停止基準電圧源41は起動/停止比較器40の出力を受けて二つの基準電圧に変化する。つまり、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onを上回ると、電源電圧Vccが停止電圧Vc_offと比較されるように、また電源電圧Vccが停止電圧Vc_offを下回ると、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onと比較されるように基準電圧を切り換える。そして、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onを上回ったときに起動信号Von_offおよび内部回路電流供給回路14からの電流供給を停止するための信号Son_offがハイレベルの信号となり、また電源電圧Vccが停止電圧Vc_offを下回ったときに起動信号Von_offおよび上記信号Son_offがローレベルの信号となるようにする。
【0041】
さらに、図4に示す起動/停止回路には、クランプ用比較器42とクランプ用のスイッチング素子43を具備するクランプ用回路が設けられている。クランプ用比較器42のプラス入力端子には基準電圧(内部基準電圧)Vb1が入力され、マイナス入力端子には電源電圧Vccを検出するために電源電圧Vccを抵抗分割した信号が入力される。そして、クランプ用比較器42の出力電圧がクランプ用のスイッチング素子43へ入力されることにより、電源電圧Vccのクランプを行う。このクランプ用のスイッチング素子43がオンとなるときの電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpとなるように、また、クランプ電圧Vc_clpと起動開始電圧/停止電圧の関係が、
Vc_clp>Vc_on>Vc_off (1)
となるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧Vb1を設定する。
【0042】
さらに、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧VR1と一致するときの電源電圧Vc_cnt1、および、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧VR2と一致するときの電源電圧Vc_cnt2との関係が、
Vc_clp>Vc_on>Vc_cnt1>Vc_cnt2>Vc_off (2)
となるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧Vb1を設定する。このように、電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpを上回ったときに電源電圧Vccをクランプ電圧Vc_clpでクランプさせることにより、発振停止状態からの復帰時間を短くすることができる。
【0043】
次に、図5に示す起動/停止回路について説明する。図5に示す起動/停止回路には、起動開始電圧検出用の比較器(起動用比較器)50と停止電圧検出用の比較器(停止用比較器)51が別々に設けられている。この起動開始電圧検出用の比較器50のマイナス入力端子には基準電圧(内部基準電圧)Vb1が入力され、プラス入力端子には電源電圧Vccを検出するために電源電圧Vccを抵抗分割した信号が入力される。また、停止電圧検出用の比較器51のマイナス入力端子には基準電圧(内部基準電圧)Vb1が入力され、プラス入力端子には電源電圧Vccを検出するために電源電圧Vccを抵抗分割した信号が入力される。そして、起動開始電圧検出用の比較器50の出力をRSフリップフロップ回路52のセット端子へ、また停止電圧検出用の比較器51の出力をRSフリップフロップ回路52のリセット端子へ入力することにより、起動開始電圧Vc_onおよび停止電圧Vc_offを設定する。つまり、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onとなるときにセット端子へ信号が出力されて起動信号Von_offおよび内部回路電流供給回路14からの電流供給を停止するための信号Son_offがハイレベルの信号となるように、また電源電圧Vccが停止電圧Vc_offとなるときにリセット端子へ信号が出力されて起動信号Von_offおよび上記信号Son_offがローレベルの信号となるように、電源電圧Vccを抵抗分割するとともに、基準電圧(内部基準電圧)Vb1を設定する。
【0044】
さらに、図4に示す起動/停止回路と同様に、クランプ用比較器42とクランプ用のスイッチング素子43を具備するクランプ用回路が設けられており、クランプ用のスイッチング素子43がオンとなるときの電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpとなるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧(内部基準電圧)Vb1を設定する。
【0045】
この図5に示す起動/停止回路においては、起動開始電圧検出用の比較器50、停止電圧検出用の比較器51、クランプ用比較器42の基準電圧を全て同一値Vb1(内部基準電圧)とすることで、起動開始電圧Vc_onと、停止電圧Vc_offと、クランプ電圧Vc_clpの関係を
Vc_clp>Vc_on>Vc_off (3)
の状態に、より安定して設定できるという特徴がある。
【0046】
さらに、図4に示す起動/停止回路と同様に、Vc_cnt1、Vc_cnt2との関係が、
Vc_clp>Vc_on>Vc_cnt1>Vc_cnt2>Vc_off (4)
となるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧(内部基準電圧)Vb1を設定する。
【0047】
次に、図6に示す起動/停止回路について説明する。図6に示す起動/停止回路には、制御回路の起動開始電圧および停止電圧を設定するための起動/停止比較器(第2の起動/停止比較器)60が設けられている。この起動/停止比較器60のプラス入力端子には基準電圧(内部基準電圧)Vb1が入力される。また、マイナス入力端子には電源電圧Vccを抵抗分割した2つの電圧信号がスイッチング素子62、63を介して入力される。このように起動/停止比較器60のマイナス入力端子に入力する信号を切り換えることで、起動開始電圧Vc_onと停止電圧Vc_offを設定している。
【0048】
以下、この起動/停止回路の動作について説明する。まず制御回路が起動状態となる前は、NAND回路61へ入力される信号PUはローベルになっており、その結果、制御回路が起動状態となる前は、NAND回路61の出力はハイレベルとなっており、スイッチング素子62はオン状態となる。またインバータ回路64の出力はローレベルとなるので、起動信号Von_offおよび内部回路電流供給回路14からの電流供給を停止するための信号Son_offもローレベルとなり、スイッチング素子63はオフ状態となり、スイッチング素子62に接続された抵抗からの電圧信号が起動/停止比較器60へ入力される。
【0049】
そして、この電圧信号が基準電圧Vb1を上回ると、つまり、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onを上回ると、起動/停止比較器60からハイレベルの信号がNAND回路61に入力されるとともに、信号PUもハイレベルとなるので、NAND回路61の出力はローレベルとなり、スイッチング素子62はオフ状態となる。またインバータ回路64の出力はハイレベルとなるので、起動信号Von_offおよび上記信号Son_offもハイレベルとなり、スイッチング素子63はオン状態となり、スイッチング素子63に接続された抵抗からの電圧信号が起動/停止比較器60へ入力される。
【0050】
つまり、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onを上回ると、電源電圧Vccが停止電圧Vc_offと比較されるように、また電源電圧Vccが停止電圧Vc_offを下回ると、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onと比較されるように電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧(内部基準電圧)Vb1を設定する。
【0051】
さらに、図4に示す起動/停止回路と同様に、クランプ用比較器42とクランプ用のスイッチング素子43を具備するクランプ用回路が設けられており、クランプ用のスイッチング素子43がオンとなるときの電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpとなるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧(内部基準電圧)Vb1を設定する。
【0052】
この図6に示す起動/停止回路においては、起動/停止比較器60、クランプ用比較器42の基準電圧を全て同一値Vb1(内部基準電圧)とすることで、起動開始電圧Vc_onと、停止電圧Vc_offと、クランプ電圧Vc_clpの関係を
Vc_clp>Vc_on>Vc_off (5)
の状態に、より安定して設定できるという特徴がある。また、起動開始電圧、停止電圧を一つの比較器60で検出しているので、回路の構成素子を少なくすることができる。
【0053】
さらに、図4に示す起動/停止回路と同様に、Vc_cnt1、Vc_cnt2との関係が、
Vc_clp>Vc_on>Vc_cnt1>Vc_cnt2>Vc_off (6)
となるように、電源電圧Vccを検出するための抵抗と基準電圧Vb1を設定する。
【0054】
このように構成されたスイッチング電源制御用半導体装置を使用するスイッチング電源装置の動作を、図7に示すタイムチャートに基づいて説明する。まず、直流電圧VINが、半導体装置29内の内部回路電流供給回路14を介して第2の一次巻線21bに印加され、電源電圧Vcc用のコンデンサ23を充電することで半導体装置29の電源電圧Vccが上昇する(図7(c))。
【0055】
そして、電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onに達すると、起動/停止回路9の出力する起動信号Von_offはローレベルからハイレベルになり(図7(e))、NAND回路16に入力され、制御回路は起動状態となるが、この時点では既に電源電圧Vccが電圧Vc_cnt1より大きくなっているため(図7(c))、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1がローレベルとなっており(図7(g))、スイッチング素子1のスイッチング動作は開始しない(図7(h))。
【0056】
電源電圧Vccが起動開始電圧Vc_onに達すると、起動信号Von_offがローレベルからハイレベルになり、高電圧端子から内部回路電流供給回路14を介しての制御端子への電流供給が無くなり、電源電圧Vccが低下する。そして電源電圧Vccが電圧Vc_cnt2まで低下すると、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1がローレベルからハイレベルとなり(図7(g))、この時点で初めてスイッチング素子1のスイッチング動作を開始する(図7(h))。
【0057】
このとき電源電圧Vccは負荷26へ供給される電流Ioが定常状態となるときの電圧値よりも高い状態にあるので、誤差電圧VEAOが低く、スイッチング素子電流IDが小さい値からスイッチング素子1の発振が開始される(図7(h))。その後、電源電圧Vccの低下にともない、スイッチング素子電流IDが上昇し、負荷の状態に応じた一定の値に落ち着く。この動作よって、スイッチング素子の始動時のスイッチング素子電流IDが大きくなることを防ぎ、またスイッチング素子電流IDが小さい値から徐々に大きな値へ変化するので、ソフトスタートを実現することができる(図7(h))。
【0058】
続いて、負荷26への供給電流Ioが小さくなる待機時などの軽負荷時における動作を、図7のタイムチャートに基づいて説明する。まず、定常負荷状態から軽負荷状態への移行動作を説明する。軽負荷検出用比較器11は、誤差増幅器2からの誤差電圧VEAOと軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRとを比較する。軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRは、定常負荷状態では、軽負荷検出下限電圧VR1となっている(図7(f))。スイッチング電源装置の出力に接続された負荷26への供給電流Ioが低下すると(図7(b))、出力電圧VOが上昇し(図7(a))、これに比例して電源電圧Vccが上昇して(図7(c))、誤差増幅器2の出力電圧VEAOが低下する(図7(d))。
【0059】
そして、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧VR1を下回ると、即ち、電源電圧Vccが電圧Vc_cnt1まで上昇すると、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1はローレベルになる(図7(g))。これにより、AND回路12の出力はローレベルになり、スイッチング素子1のスイッチング動作が停止する。これと同時に、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1を受けて、軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRは、軽負荷検出下限電圧VR1から軽負荷検出上限電圧VR2へ切り換える(図7(f))。
【0060】
スイッチング素子1によるスイッチング動作が停止して、スイッチング素子1がオフ状態になると、スイッチング素子1には電流が流れない状態になる(図7(h))。そのため、負荷26への電力供給がなくなるため、負荷26への出力電圧VOは徐々に低下する。これにより、誤差電圧VEAOが徐々に上昇するが、軽負荷基準電圧源10からの基準電圧が軽負荷検出下限電圧VR1よりも高い軽負荷検出上限電圧VR2になっているため、図7に示すように、スイッチング素子1によるスイッチング動作が直ちに再開されることはない。そして、さらに負荷26への出力電圧VOが低下して、誤差電圧VEAOが軽負荷検出上限電圧VR2を上回ると、即ち、電源電圧Vccが電圧Vc_cnt2まで低下すると、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1はハイレベルとなり、スイッチング素子1のスイッチング動作が再開される。これと同時に、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1を受けて、軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRは、軽負荷検出下限電圧VR2から軽負荷検出上限電圧VR1へ切り換える(図7(f))。
【0061】
スイッチング素子1によるスイッチング動作が再開されると、負荷への電流が供給されて出力電圧VOが上昇し、誤差増幅器2の出力電圧VEAOが低下する。そして、再び、誤差電圧VEAOが軽負荷検出下限電圧VR1を下回ると、即ち、電源電圧Vccが電圧Vc_cnt1まで上昇すると、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1はローレベルになる(図7(g))。これにより、AND回路12の出力はローレベルになり、スイッチング素子1のスイッチング動作が停止する。
【0062】
このように、軽負荷基準電圧源10からの基準電圧VRが、軽負荷検出用比較器11の出力信号VO1に応じて軽負荷検出下限電圧VR1と軽負荷検出上限電圧VR2とを切り換えるため、軽負荷時におけるスイッチング素子1のスイッチング動作は、停止と再開とが繰り返される間欠発振状態となる。負荷26への出力電圧VOは、間欠発振の停止期間中に低下するが、この低下の度合いは負荷26への供給電流に依存する。つまり、負荷26へ供給する電流が小さくなるほど負荷26への出力電圧VOの低下が緩やかになり、間欠発振の停止期間は長くなる。つまり、軽負荷になるほど、スイッチング素子1のスイッチング動作が減少することになる。
【0063】
また、負荷26への供給電流Ioが零となる無負荷時においても、軽負荷時と同様にスイッチング素子1のスイッチング動作を停止と再開とが繰り返される間欠発振状態とすることができる。
【0064】
なお、上記スイッチング電源制御用半導体装置においては、電源電圧Vccのクランプ電圧がクランプ用比較器42により、Vc_clpに設定されており、電源電圧Vccが電圧Vc_clpを超えるとクランプ用のスイッチング素子43がオンし、電源電圧Vccが電圧Vc_clpを下回ると、クランプ用のスイッチング素子43がオフする動作となっている。
【0065】
ここで、クランプ電圧がヒステリシスを持った値に設定された方が、より良い。具体的には一度クランプ電圧Vc_clpに達した後に、このクランプされた状態から復帰するためのクランプ解除電圧Vc_clpRをクランプ電圧Vc_clpよりも低い値に設定する。また、起動開始電圧Vc_onと停止電圧Vc_offとの関係は
Vc_clp>Vc_on>Vc_clpR>Vc_off (7)
に設定する。このようにクランプ解除電圧Vc_clpRを設定すれば、電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpに達した後、電源電圧Vccがクランプ解除電圧Vc_clpRに達するまでクランプ用のスイッチング素子43がオンするので、電源電圧Vccの電圧降下を速めることができる。即ち、スイッチング電源装置の二次側の異常状態や、急峻な出力電圧変動により電源電圧Vccが瞬間的に上昇し、電源電圧Vccが電圧Vc_cnt1以上となり、スイッチング素子1の発振が停止し、さらに、クランプ電圧Vc_clpに達した場合でも、この発振停止状態からの復帰時間を短くできるという特徴がある。
【0066】
以上のように、クランプ電圧にヒステリシスを設けるための回路を起動/開始回路に付加した例を図8、図9に示す。
図8に示す起動/停止回路は、図4に示す起動/停止回路において、クランプ電圧にヒステリシスを設けるためにクランプ用の基準電圧源80が付加されている。基準電圧源80は、クランプ用比較器42のプラス入力端子に接続されており、クランプ用比較器42の出力を受けて、異なる基準電圧を出力する。つまり、電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpを超えるとクランプ用のスイッチング素子43がオンし、電源電圧Vccをクランプすると同時に、基準電圧源80から出力される基準電圧を変化させて、電源電圧Vccがクランプ解除電圧Vc_clpRと比較されるようにすることにより、クランプ電圧にヒステリシスを設けている。
【0067】
図9に示す起動/停止回路は、図6に示す起動/停止回路において、クランプ電圧にヒステリシスを設けるため、NAND回路90、スイッチング素子91、92、インバータ回路93が付加されており、クランプ用のスイッチング素子43がオンするときの電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpとなるように、またクランプ用のスイッチング素子43がオンからオフへ変動するときの電源電圧Vccがクランプ解除電圧Vc_clpRとなるように、電源電圧Vccを抵抗分割している。
【0068】
以下、この起動/停止回路の動作について説明する。まず、電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpを上回る前は、NAND回路90へ入力される信号PUはローレベルになっており、その結果、NAND回路90の出力はハイレベルとなり、スイッチング素子91はオン状態となる。またインバータ回路93の出力はローレベルとなるので、スイッチング素子92もオフ状態となり、スイッチング素子91に接続された抵抗からの電圧信号がクランプ用比較器42へ入力される。
【0069】
そして、電源電圧Vccが上昇し、この電圧信号が基準電圧(内部基準電圧)Vb1を上回ると、即ち、電源電圧Vccがクランプ電圧Vc_clpを上回ると、クランプ用のスイッチング素子43がオンし、電源電圧Vccをクランプすると同時に、信号PUもハイレベルとなり、クランプ用比較器42からハイレベルの信号がNAND回路90に入力されるので、NAND回路90の出力はローレベルとなり、スイッチング素子91はオフ状態となる。またインバータ回路93の出力はハイレベルとなるので、スイッチング素子92はオン状態となり、スイッチング素子92に接続された抵抗からの電圧信号がクランプ用比較器42へ入力され、電源電圧Vccをクランプ解除電圧Vc_clpRと比較する。
【0070】
そして、電源電圧Vccが下降し、この電圧信号が基準電圧b1を下回ると、即ち、電源電圧Vccがクランプ解除電圧Vc_clpRを下回ると、クランプ用のスイッチング素子43がオフする。
【0071】
この起動/停止回路では、このようにクランプ電圧Vc_clpとクランプ解除電圧Vc_clpRを設定し、クランプ電圧にヒステリシスを設けている。
また、この起動/停止回路においては、クランプ電圧Vc_clpとクランプ解除電圧Vc_clpRと起動開始電圧Vc_on、停止電圧Vc_offの関係をより安定させるために、起動/停止比較器60とクランプ用比較器42の基準電圧を同一のVb1(内部基準電圧)としている。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスイッチング電源制御用半導体装置は、始動時において、誤差電圧の低い状態でスイッチング素子のスイッチング動作が開始されるようにし、ソフトスタートを実現して負荷への電流供給と出力電圧の立ち上がりを緩やかなものにすることができ、さらに、軽負荷時や無負荷時において、スイッチング素子のスイッチング動作を停止と再開の繰り返す間欠発振とし、スイッチング動作期間を減少させてスイッチング素子における電流損失を低減させることができる。
【0073】
また、クランプ用回路を設けることで、スイッチング電源装置の二次側の異常状態や、急峻な出力電圧変動により電源電圧が過渡的に上昇してスイッチング素子の発振が停止した場合でも、この異常な発振停止状態からの復帰時間を最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図
【図2】本発明の実施の形態における軽負荷検出回路の動作を説明するためのタイムチャート図
【図3】本発明の実施の形態におけるスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の一例を示す回路図
【図4】本発明の実施の形態における起動/停止回路の一例を示す回路図
【図5】本発明の実施の形態における起動/停止回路の一例を示す回路図
【図6】本発明の実施の形態における起動/停止回路の一例を示す回路図
【図7】本発明の実施の形態におけるスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の動作を説明するためのタイムチャート図
【図8】本発明の実施の形態における起動/停止回路の一例を示す回路図
【図9】本発明の実施の形態における起動/停止回路の一例を示す回路図
【図10】従来のスイッチング電源制御用半導体装置の一例を示す回路図
【図11】従来のスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の一例を示す回路図
【図12】従来のスイッチング電源制御用半導体装置を用いて構成したスイッチング電源装置の動作を説明するためのタイムチャート図
【符号の説明】
1 スイッチング素子
2 誤差増幅器
3 ドレイン電流検出回路
4 ドレイン電流検出用比較器
5 過電流保護回路
6 発振器
7 クロック信号
8 最大デューティーサイクル信号
9、27 起動/停止回路
10 軽負荷基準電圧源
11 軽負荷検出用比較器
12 AND回路
13 RSフリップフロップ回路
14 内部回路電流供給回路
15 過熱保護回路
16 NAND回路
17 ドライブ回路
18 軽負荷検出回路
19、22、24 整流器
20、23、25 コンデンサ
21 トランス
21a 第1の一次巻線
21b 第2の一次巻線
21c 二次巻線
26 負荷
28、29 スイッチング電源制御用半導体装置
40 起動/停止比較器(第1の起動/停止比較器)
41 起動/停止基準電圧源
42 クランプ用比較器
43 クランプ用のスイッチング素子
50 起動開始電圧検出用の比較器(起動用比較器)
51 停止電圧検出用の比較器(停止用比較器)
52 RSフリップフロップ回路
60 起動/停止比較器(第2の起動/停止比較器)
61、90 NAND回路
62、63、91、92 スイッチング素子
64、93 インバータ回路
80 クランプ用の基準電圧源

Claims (7)

  1. スイッチング電源用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路の電源電圧と予め設定された基準電圧との誤差電圧と、前記スイッチング素子を流れる電流に応じた電圧とを比較し、この比較結果に基づいて前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御するスイッチング電源制御用半導体装置において、前記制御回路が、
    前記制御回路の電源電圧が上昇して前記誤差電圧が軽負荷検出下限電圧を下回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させ、前記制御回路の電源電圧が低下して前記誤差電圧が軽負荷検出上限電圧を上回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させる軽負荷検出回路と、
    前記制御回路が起動するための起動開始電圧が、前記誤差電圧が前記軽負荷検出下限電圧と一致したときの前記制御回路の電源電圧よりも高い電圧に設定されており、前記制御回路の電源電圧に応じて前記制御回路の起動/停止状態を切り換える起動/停止回路と
    を具備し、始動時においては、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧に達すると前記起動/停止回路により前記制御回路を起動状態とし、その後前記制御回路の電源電圧が低下して前記誤差電圧が軽負荷検出上限電圧を上回ると前記軽負荷検出回路により前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させ、軽負荷時や無負荷時においては、前記軽負荷検出回路によりスイッチング素子のスイッチング動作の停止と再開を繰り返すことを特徴とするスイッチング電源制御用半導体装置。
  2. 前記軽負荷検出回路は、
    前記軽負荷検出下限電圧と前記軽負荷検出上限電圧とを切り換えて出力する軽負荷基準電圧源と、
    前記誤差電圧と前記軽負荷基準電圧源の出力電圧とを比較し、前記誤差電圧が前記軽負荷検出下限電圧を下回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を停止させるための信号を出力し、前記誤差電圧が前記軽負荷検出上限電圧を上回ると前記スイッチング素子のスイッチング動作を開始させるための信号を出力する軽負荷検出用比較器と
    を具備することを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源制御用半導体装置。
  3. 前記起動/停止回路が、
    前記起動開始電圧と前記制御回路を停止させるための停止電圧とを切り換えて出力する起動/停止基準電圧源と、
    前記制御回路の電源電圧と前記起動/停止基準電圧源の出力電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力し、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する第1の起動/停止比較器とを具備することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置。
  4. 前記起動/停止回路が、
    抵抗分割された一方の前記制御回路の電源電圧と内部基準電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力する起動用比較器と、
    抵抗分割された他方の前記制御回路の電源電圧と前記内部基準電圧とを比較し、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する停止用比較器と
    を具備することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置。
  5. 前記起動/停止回路が、抵抗分割された一方の前記制御回路の電源電圧と内部基準電圧とを比較する場合、前記制御回路の電源電圧が前記起動開始電圧を上回ると前記制御回路を起動状態とするための信号を出力し、抵抗分割された他方の前記制御回路の電源電圧と前記内部基準電圧とを比較する場合、前記制御回路の電源電圧が前記停止電圧を下回ると前記制御回路を停止状態とするための信号を出力する第2の起動/停止比較器を具備することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のスイッチング電源制御用半導体装置。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載の半導体装置であって、前記起動/停止回路が前記制御回路の電源電圧をクランプ電圧にクランプするためのクランプ用回路を具備することを特徴とするスイッチング電源制御用半導体装置。
  7. 前記クランプ電圧がヒステリシスを持つことを特徴とする請求項6記載のスイッチング電源制御用半導体装置。
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