JP4017180B2 - 多心光コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多心の光ファイバ用のコネクタに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報通信分野の急激な進展や、FTTH(Fiber To The Home)の普及のための原動力として、大容量伝送が容易な光ファイバケーブルの使用が促進されている。そしてこれに伴い複数の光ファイバどうしを接続する多心光コネクタの需要が増加する傾向にある。多心光コネクタは、多心(2心、4心、8心、12心等)の光ファイバが1つにまとめられたテープ心線を利用して接続するだけでなく、テープ心線を多段に重ねてさらに多心化し接続する構造も求められている。
【0003】
光ファイバのコネクタでは、所定のピッチで配置された挿入孔に光ファイバを挿入させて支持する、フェルールと呼ばれる部品が使用される。光ファイバは、その外径が細い(125μm)ため、挿入孔に挿入する際の作業性が極めて悪く、挿入孔が見えにくいと挿入時に光ファイバを折ってしまう可能性があった。そのため、従来から挿入孔の手前に突出するガイド溝を設け、挿入時の作業性を改善する構造が提案されている。しかしながら、このガイド溝を設ける構造は、テープ心線を1段のみ接続する場合には問題ないが、多段で接続する場合にその製造が極めて困難であるという課題を有していた。
【0004】
このようにテープ心線を多段に重ねる多心光コネクタとして、例えば特開2001−66463号公報に半円状のガイド溝がフェルールの内部空間に備えられた構造が開示されている。この公報のガイド溝は、特開平11−84177号公報に開示されているガイド溝の構造を改良したもので、光ファイバの高密度化を図ってもガイド溝の製造が可能となるよう、ガイド溝の直径を光ファイバの縦配列のピッチ及び横配列のピッチよりも小さくしている。すなわち、高密度化により光ファイバの配列ピッチが小さくなっても、ガイド溝を作るための金型が製作できるように、ガイド溝の寸法を小さく規定している。そして、ガイド溝を多段に設けた際の作業性を配慮して、上側のガイド溝より下側のガイド溝を段階的に長く突出させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001−66463号公報のガイド溝は公報に図示されているように、スペーサで位置決めされた成形ピンどうしの間隙によりその形状や寸法が規定される。そのため、突出するガイド溝の形状は、横方向の挿入孔の数を多くすれば横方向の長さが長く、また縦方向の配列のピッチを小さくすれば縦方向の厚みが薄くなる。そして成形終了時には、この横に長くかつ薄いガイド溝が金型の引き抜きによって取り出されなくてはならない。光ファイバの高密度化を図ると、ガイド溝の厚みは数μm〜数十μm程度になってしまうため、図面上は寸法が確保できても、実務上破損無く光コネクタを引き抜くことは困難となり、製造時に大きな課題であった。
【0006】
さらに、下側のガイド溝を長く突出させて多段に設ける場合には、段数が増えるほど下側の突出寸法が長くなり、ガイド溝は、縦方向の厚みが薄くて横方向に長いうえに、奥行き方向にも長くなってしまう。そのため、多段に形成した際に光コネクタのガイド溝を破損無く成形することはさらに困難となり、ガイド溝を設けて高密度化する構造は、歩留まりよく製造することがきわめて大きな課題であった。
【0007】
このような課題を考慮して、本発明は、光ファイバの挿入が容易で作業性に優れているとともに、高密度化を図ってもその製造において歩留まりよく成形することができる多心光コネクタを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の多心光コネクタは次のような手段を採用する。
【0009】
すなわち、請求項1では、複数の光ファイバを平行に並べて一括し全体としてテープ形状を呈するテープ心線が差し入れられるフェルールの内部に、テープ心線から表出する光ファイバが挿入される挿入孔と、幅方向の両側面に曲面形状を有するテープ心線に対応しテープ心線の曲面形状に適合した窪み形状の受部が設けられる案内部とが設けられ、この案内部は、複数のテープ心線を多段に配置するよう形成され、テープ心線の各段に対応する挿入孔への挿入を案内することを特徴とする
【0010】
この手段では、テープ心線とこのテープ心線に含まれる光ファイバの位置関係を利用して、光ファイバを挿入孔に挿入する作業が、光ファイバと一体であるテープ心線の動きを案内部で案内することにより行われる。また、この手段では、案内部の受部がその窪み形状により、テープ心線の曲面形状を支持して位置決めし、テープ心線の動きを案内する。
【0017】
また、請求項2では、請求項1記載の多心光コネクタにおいて、案内部には、段の上下に隣接する受部と受部とにより突出して形成される突起部が設けられることを特徴とする。
【0018】
この手段では、案内部の突起部が上下方向に多段に配置されるテープ心線の仕切りとして作用する。
【0021】
また、請求項3では、請求項1または2記載の多心光コネクタにおいて、フェルールにはテープ心線が差し入れられる受容口と、挿入孔が設けられる挿入面とが備えられ、案内部は受容口から挿入孔までのフェルールの内部空間に設けられることを特徴とする。
【0022】
この手段では、フェルールの内部空間を利用し、テープ心線は受容口から挿入面までの間でその動きが案内される。
【0023】
また、請求項4では、請求項3記載の多心光コネクタにおいて、テープ心線から表出する光ファイバの長さをL1、案内部の受容口側の端部から挿入面までの長さをL2とすると、L1<L2であることを特徴とする。
【0024】
この手段では、テープ心線を案内部で案内する前に、光ファイバの先端が挿入孔に達することが防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多心光コネクタの実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は実施の形態(1)の多心光コネクタの背面から見た要部の外観図、図2は実施の形態(1)の多心光コネクタの前面から見た外観図、図3は実施の形態(1)の多心光コネクタの縦断面図、図4は実施の形態(1)の多心光コネクタの要部を背面から見た図、図5は実施の形態(1)の多心光コネクタへの挿入動作の他例を示す縦断面図である。
【0026】
実施の形態(1)の多心光コネクタ1は、複数の光ファイバ9を平行に並べて一括し全体としてテープ形状を呈するテープ心線91が差し入れられるフェルール2の内部に、テープ心線91から表出する光ファイバ9が挿入される挿入孔4と、光ファイバ9の挿入孔4への挿入を促すようにテープ心線91を案内する案内部8とが設けられている。
【0027】
フェルール2は、位置決めピン結合方式のMTコネクタ(JIS C5981)の形状を適用し、テープ心線91を多段に接続できるように構成したものである。光ファイバ9は複数がテープ状に一括されたテープ心線91として用いられており、このテープ心線91の外被覆層92が所定の端末長L1分だけ除去されて光ファイバ9が表出される。そして、フェルール2の内部に差し入れられて、接続のために規定のピッチで支持される。
【0028】
このフェルール2は外側に段付部26を有した略々直方体で、その一方の端面27側には、テープ心線91をフェルール2内に受け入れる受容口21が設けられ、受容口21に対向する位置の端面側には、光ファイバ9を支持する支持部3が設けられている。そして、支持部3と受容口21との間には内部空間23が形成され、内部空間23と外部を連通するようフェルール2に開口部6が形成されている。開口部6は挿入孔4の近傍に形成されており、光ファイバ9を挿入した後に固定用の接着剤を流し込むために設けられているが、光ファイバ9を挿入孔4に挿入する際に、光ファイバ9を目視で確認するためにも利用される。また、支持部3の外側から受容口21側の外側まで貫通して、位置決めピン用のガイド孔22、22が設けられている。
【0029】
支持部3は、外側に接続面7を、内部空間23に面する側に挿入面5を有している。そして光ファイバ9を挿入するための挿入孔4が支持部3を貫通するように設けられており、隣接した挿入孔4どうしが平行に形成されている。挿入孔4は一列に並んで挿入孔列40を構成するが、この一列の孔数は、1本のテープ心線91に含まれる光ファイバ9の数で決められる。そして列数は、接続されるテープ心線91の段数により決められる。この実施の形態(1)では、8心のテープ心線91が4段重ねられて支持部3に挿入される形態を示しているため、挿入孔4としては、1列に8個並んだ挿入孔列40が、上下に4列並んで形成されている。なお、ここでは開口部6に近い側を上、遠い側を下としている。
【0030】
また、挿入孔4はその内径が段階的に形成されており、大径部45、テーパ部46、小径部47で構成されている。小径部47は、接続面7側に設けられており、外径125μmの光ファイバ9を取り付ける場合には、光ファイバ9の外径より僅かに大きな、例えば公差1μm程度の内径に形成される。大径部45は、挿入面5側に設けられており、挿入面5への光ファイバ9の挿入を行いやすくするために、小径部47の内径より大きな内径に形成されている。テーパ部46は、大径部45から小径部47に緩やかに移行するよう設けたテーパ形状である。
【0031】
挿入孔4の列内でのピッチは、使用する光ファイバ9のテープ心線91によって規定される。光ファイバ9のピッチが250μmのテープ心線91を使用する場合には、挿入孔4の列内でのピッチも250μmとなる。そのため、大径部45の内径は、1列内で隣接する挿入孔4どうしが干渉しない程度の範囲で任意に決められる。例えば外径125μmで、列内での隣接のピッチが250μmの光ファイバ9の場合には、大径部45は250μm未満の内径に形成される。一方、挿入孔列40の列間のピッチは、テープ心線91の厚み(後述する平坦部95の厚みH)以上となるよう決められる。この実施の形態では、挿入孔列40の列間のピッチをテープ心線91の平坦部95の厚みHとほぼ一致させている。
【0032】
案内部8は、内部空間23で挿入面5に向かった両側に位置する内側面24、25に設けられ、使用するテープ心線91の外形に適合させて形成されている。テープ心線91の外被覆層92は、図4に例示したように、光ファイバ9の1本毎を被覆するよう設けられた第1被覆層93と複数(図4では8本)の光ファイバ9を一括するように設けられた第2被覆層94とから構成されている。この外被覆層92で形成されるテープ心線91の外形は、平坦部95とその両側の曲面形状を呈する曲面部96とからなっており、その寸法、形状が規定されている。そのため案内部8の形状は、使用するテープ心線91に応じて決められる。
【0033】
案内部8としては、受部81がテープ心線91の曲面部96の曲率半径に適合するよう窪み形状に形成され、この受部81が内側面24、25に対になって設けられている。ここではテープ心線91を上下に4段配置できるように、受部81の対も受容口21に上下に4段設け、各段の受部81は受容口21から挿入面5まで連続している。この案内部8は、テープ心線91の平坦部95を接触させて積層するよう構成しているため、平坦部95に対応する案内部8は設けていない。従って、段の上下に隣接する受部81、81の境界となる突起部82が内部空間23の内側面24、25のそれぞれに、3本ずつレールのように形成されている。
【0034】
受部81の窪み形状の曲率半径R2は、テープ心線91の曲面部96の曲率半径R1により規定される。この受部81のR2は、テープ心線91の挿入に必要な隙間やテープ心線91の寸法のバラツキを考慮して、R1より僅かに大きく設定されている。また、受部81の最も底となる点を底点811とすると、各段で対となる受部81、81の底点811、811の位置により、テープ心線91の横(左右)方向の位置が規定される。そして、一対の底点811間の距離は、上述のR2と同様の理由でテープ心線91の全体の幅Wより僅かに大きく設定されている。また、突起部82は、上下に隣接する受部81、81の窪み形状の境界として突出した形状に形成されている。突起部82は、受部81のそれぞれの曲率半径R2が交差する点を頂点(仮想頂点822と記す)としているが、加工の都合上、仮想頂点822よりも少ない突出量の位置に先端点821を有し、この先端点821でテープ心線92と接触する。そして、受部81を挟む両側の仮想頂点822、822の位置により、テープ心線91の縦(上下)方向の位置が規定され、仮想頂点822間の距離は、上述のR2、Wと同じ理由でテープ心線91の高さ(厚み)Hより僅かに大きく設定されている。
【0035】
光ファイバ9は、上述した外被覆層92によりテープ心線91の中でそのピッチが固定されているうえ、剛性を有している(L1は数mm程度である)ため、テープ心線91から表出してもピッチが変わることがない。受部81と挿入孔4は、テープ心線91と光ファイバ9に合わせた位置関係で形成されているので、受部81に嵌め込まれたテープ心線91がそのままスライドされるだけで、各光ファイバ9が対応する挿入孔4に挿入できる。また、受部81の各段のピッチは、挿入面5に配置されている挿入孔列40の列間のピッチと一致しているため、テープ心線91は案内部8に従うだけで、高密度に取り付けることができる。
【0036】
光ファイバ9は、上述したように外被覆層92の端末長L1分が除去されて、テープ心線91から表出しているが、このL1は、受容口21側の案内部8の端部83から挿入面5までの長さL2と、L1<L2という関係になっている。これは、テープ心線91の外被覆層92の先端部97が、案内部8に差し込まれるより先に、光ファイバ9の先端部98が挿入孔4に到達するのを防いでいる。光ファイバ9の先端が挿入孔4に先に到達すると、テープ心線91が案内部8による案内を受けることができなくなり、挿入時の作業性が全く改善されないからである。
【0037】
案内部としては、テープ心線91のサイズに合わせた形状の突起部82を内部空間23の内側面24、25に設けるだけでよく、従来技術のようにテープ心線91に含まれる光ファイバ9の1本1本を案内する複雑で細かい形状のガイド溝を、挿入孔4の手前に薄く突出させる必要がない。また、この突起部82は隣り合った窪み形状の受部81により形成されるため、内側面24、25に近い根元側に行くほど太くなっている。そのため、突起部82は従来技術のガイド溝に比べて成形する際に破損する心配がなく、歩留まりを大幅に向上させることができる。また、案内部8を成形するための金型も作りやすく、テープ心線91の段数が増えても作りやすさに違いが生じないため、高密度化も図りやすい。
【0038】
このように構成された実施の形態(1)の多心光コネクタ1の光ファイバ9を挿入する際の動作について図3、図4を用いて説明する。まず、8心のテープ心線91が端末長L1分の外被覆層92を除去されて、8本の光ファイバ9が表出される。そして、受容口21から挿入面5を臨むと、図4に示すように突起部82で仕切られた受部81が、内側面24、25に4段分形成されている。そして、その向こうに各段に対応する挿入孔4として大径部45と小径部47を見ることができる。
【0039】
そして、1本目のテープ心線91が、光ファイバ9の先端が当たらないように注意されながら、その曲面部96、96を案内部8の最下段の受部81、81に嵌め込むように差し入れられる。そして、受部81に従って挿入面5までスライドされ、そのまま押し進められて対応する位置に設けられている挿入孔4に各光ファイバ9が自然と挿入される。続いて、下から2段目の受部81、81に2本目のテープ心線91が同様に差し入れられて、光ファイバ9が挿入孔4に挿入され、順次最上段まで繰り返される。これにより4段のテープ心線91の多心光コネクタ1への挿入が完了する。
【0040】
なお、テープ心線91の挿入の手順としては、上述したように1本ずつ差し込んでもよいが、図5に示すようにあらかじめテープ心線91を4段重ねて案内部8に差し込んで、同時にスライドさせて各光ファイバ9を対応する挿入孔4に挿入することもできる。この場合、挿入作業の時間を大幅に短縮し、作業効率を向上させることができる。
【0041】
また、上述の説明では、案内部8は受容口21から挿入面5まで連続して設けているが、部分的に設けるよう構成してもよい。
【0042】
次に、本発明の実施の形態(2)を図面に基づいて説明する。図6は実施に形態(2)の多心光コネクタの縦断面図である。なお、実施の形態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細を省略する。
【0043】
この実施の形態の多心光コネクタ1は、光ファイバ9の平坦部95に対応する案内部8を設けていることを特徴とするものである。図6では、突起部82に替えて平坦部95に対応する板状受部84を隣り合った受部81の仕切りとして設けている。すなわち、テープ心線91の外形に完全に適合するよう構成された受部81、板状受部84を、テープ心線91の段数分(図6では3段分)設けている。この場合、開口部6は設けず、接着剤は受容口21から流し入れるようにしている。この図6の構成により、受部81と板状受部84とに囲まれた中にテープ心線91が挿入され、安定して各段のテープ心線91をスライドさせることができる。
【0044】
次に、本発明の実施の形態(3)を図面に基づいて説明する。図7は実施の形態(3)の多心光コネクタの要部を背面から見た図で、実施の形態(1)の図4に対応している。なお、実施の形態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細を省略する。
【0045】
この実施の形態の多心光コネクタ1は、案内部8に、厚み方向に積層されるテープ心線91を載置させる底面と、テープ心線91の幅方向の寸法Wに適合する間隔で対向しテープ心線91の幅方向の位置を規制する側面とが設けられることを特徴とするものである。
【0046】
図7に示すように、案内部8は、受容口21から見て横寸法X、縦寸法Yの矩形形状に形成されており、案内部8の底面には内部空間23の底面28を、また対向する側面には内部空間23の内側面24、25をそのまま利用している。この横寸法Xは、テープ心線91の幅(横、左右)方向の位置を規制するもので、テープ心線91の挿入に必要な隙間やテープ心線91の寸法のバラツキを考慮して、テープ心線91の幅寸法Wより僅かに大きく設定されている。縦寸法Yは、テープ心線91が接触して積層されるため、テープ心線91の厚みHに、配置するテープ心線91の段数分を掛けた寸法(ここではH×4段)に、挿入時の作業に必要な余裕分(ΔYとする)の寸法を加えて設定されている。このΔYが小さいと、特に最上段のテープ心線91を差し入れる際に、光ファイバ9が端面27に接触することが心配されるため、作業性と全体寸法を考慮して適切な値が決められる。なお、この形態ではテープ心線91が接触し位置決めに利用されるのは、内側面24、25、及び底面28だけであるため、これらが平坦面であれば内部空間23の上面29側は必ずしも平坦面でなくてよい。
【0047】
挿入面5の最下段の挿入孔4は、最下段のテープ心線91を底面28に接触させて置いてスライドさせたときに、各光ファイバ9がそのまま挿入できる位置に形成されている。また、下から2段目以上の挿入孔4は、テープ心線91を下の段のテープ心線91に接触させてスライドさせたときに、それぞれの段に対応する挿入孔4に光ファイバ9が挿入できる位置に形成されている。
【0048】
このように構成された実施の形態(3)では、最下段にテープ心線91を差し入れる場合には、テープ心線91の平坦部95を底面28に接触させ、かつ幅寸法Wを案内部8の内側面24、25に接触させるよう差し入れスライドさせることで、光ファイバ9をそのまま挿入孔4に挿入することができる。また下から2段目のテープ心線91は、最下段のテープ心線91に平坦部95を接触させ、かつ幅寸法Wを案内部8の内側面24、25に接触させるよう差し入れスライドさせることで、光ファイバ9をそのまま挿入孔4に挿入することができる。下から3段目以降も2段目と同じ手順で、光ファイバ9を挿入孔4に挿入することができる。
【0049】
また実施の形態(1)と同様に、4段重ねたテープ心線91を最下段のテープ心線91の平坦部95を底面28に接触させるように案内部8に差し入れ、かつ4段全てのテープ心線91の幅寸法Wを案内部8の内側面24、25に接触させるよう差し入れスライドさせることで、全ての光ファイバ9を同時に対応する挿入孔4に挿入させることもできる。
【0050】
この実施の形態では、テープ心線91の幅寸法Wを利用して内側面24、25で横(左右)方向を位置決めし、テープ心線91の平坦部95の厚みHを利用して縦(上下)方向の位置決めをするよう構成している。すなわち、案内部8にテープ心線91の曲面形状に適合させた特別な凹凸形状を設けずに、凹凸のない平坦面で簡素に構成することができる。これにより、光ファイバ9の挿入の作業を軽減できることに加えて、製造時の金型作製の負担や、成形における破損の可能性を大幅に低減することができ、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0051】
なお、実施の形態(3)では、テープ心線91が平坦部95を備えている場合について説明したが、平坦部95を有しないテープ心線91(例えば、第2被覆層94がなく、隣接する第1被覆層93が付着している場合)でも、この形態を適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳述してきたように本発明の多心光コネクタは、光ファイバを挿入孔に挿入するために、光ファイバのテープ心線を案内部で案内するよう構成しているため、光ファイバの1本ずつをガイド溝で案内する従来のコネクタに比べて、光ファイバより大きな寸法のテープ心線を案内部に差し込むだけでよいため、挿入時の作業の負担が大幅に軽減される。
【0053】
また、複数の段数のテープ心線を挿入する際には、テープ心線を重ねて差し込んで、同時に案内部で案内させることもできるため、作業にかかる時間も大幅に短縮することができる。
【0054】
さらに、この案内部はテープ心線の寸法に合わせているため、光ファイバの1本ずつに寸法を合わせた従来のガイド溝に比べて、成形のための金型が作りやすく、また、成形後の取り出しで破損しやすい部位もないため、製造工程でのリスクを大幅に低減し歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態(1)の多心光コネクタの背面から見た外観図である。
【図2】 実施の形態(1)の多心光コネクタの前面から見た外観図である。
【図3】 実施の形態(1)の多心光コネクタの縦断面図である。
【図4】 実施の形態(1)の多心光コネクタの要部を背面側から見た図である。
【図5】 実施の形態(1)の多心光コネクタへの挿入動作の他例を示す縦断面図である。
【図6】 実施に形態(2)の多心光コネクタの縦断面図である。
【図7】 実施の形態(3)の多心光コネクタの要部を背面側から見た図である。
【符号の説明】
1 多心光コネクタ
2 フェルール
21 受容口
22 ガイド孔
23 内部空間
24、25 内側面
26 段付部
27 一方の端面
28 底面
29 上面
3 支持部
4 挿入孔
40 挿入孔列
45 大径部
46 テーパ部
47 小径部
5 挿入面
6 開口部
7 接続面
8 案内部
81 受部
811 底点
82 突起部
821 先端点
822 仮想頂点
83 端部
84 板状受部
9 光ファイバ
91 テープ心線
92 外被覆層
93 第1被覆層
94 第2被覆層
95 平坦部
96 曲面部
97 外被覆層の先端部
98 光ファイバの先端部

Claims (4)

  1. 複数の光ファイバを平行に並べて一括し全体としてテープ形状を呈するテープ心線が差し入れられるフェルールの内部に、テープ心線から表出する光ファイバが挿入される挿入孔と、幅方向の両側面に曲面形状を有するテープ心線に対応しテープ心線の曲面形状に適合した窪み形状の受部が設けられる案内部とが設けられ、この案内部は、複数のテープ心線を多段に配置するよう形成され、テープ心線の各段に対応する挿入孔への挿入を案内することを特徴とする多心光コネクタ。
  2. 請求項1記載の多心光コネクタにおいて、案内部には、段の上下に隣接する受部と受部とにより突出して形成される突起部が設けられることを特徴とする多心光コネクタ。
  3. 請求項1または2記載の多心光コネクタにおいて、フェルールにはテープ心線が差し入れられる受容口と、挿入孔が設けられる挿入面とが備えられ、案内部は受容口から挿入孔までのフェルールの内部空間に設けられることを特徴とする多心光コネクタ。
  4. 請求項3記載の多心光コネクタにおいて、テープ心線から表出する光ファイバの長さをL1、案内部の受容口側の端部から挿入面までの長さをL2とすると、L1<L2であることを特徴とする多心光コネクタ。
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