JP4017141B2 - 自動車用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空調装置であって、空調ケース内に空気を送風するための送風機を有し、この空調ケース内に冷却用熱交換器と加熱用熱交換器と空気流制御要素が配置されており、空調装置と熱交換器が車両横方向(y方向)にそれらの最大伸長を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
DE19858727によりこのような空気調和装置が公知であり、自動車コックピット領域の構造空間を一層良好に利用するためにこの空気調和装置は車両横方向に延びる形状を有する。車両横方向にその最大伸長を有するこのような空気調和装置では熱交換器がやはり車両横方向に延ばして形成されており、車両横方向に大きな伸長を有する熱交換器にその全長にわたって均一に流入するように、送風機から送風される空気を案内する問題が生じる。この理由から公知空気調和装置は多数のファンホイールを備えた送風機を有し、ファンホイールは車両横方向で同軸で空気調和装置の車両横方向伸長に沿って並べて配置されている。このような送風機は一方で費用上不利であり、他方でこの送風機用に相応の構造空間が必要とされ、公知空気調和装置は車両高さ方向では確かに比較的細く構成しておくことができるが、しかし車両縦方向では大きな伸長を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術から出発して本発明の課題は、前記諸欠点を防止し、コックピット領域の構造空間を最適に利用しかつ極力安価である改良型空調装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題は、送風機が空調ケースの横に配置されており、空気流側で送風機と冷却用熱交換器との間に空気フィルタが配置されており、この空気フィルタが車両横方向で冷却用熱交換器とほぼ同じ長さを有することを特徴とする空調装置によって解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、車両横方向でその最大伸長を有する空気調和装置が、空調ケースの横に配置される送風機を有し、空気流側で送風機と冷却用熱交換器との間に空気フィルタが配置されており、この空気フィルタが車両横方向で熱交換器とほぼ同じ長さを有する。こうして、今日の空気調和装置で使用される安価な送風機、例えばラジアル送風機を使用することができ、送風機と冷却用熱交換器との間に配置されるフィルタによって車両横方向で空気調和装置の長さにわたって空気流の均一化が起き、冷却用熱交換器に空気が均一に流入し、冷却用熱交換器の送風機に近い方の末端と冷却用熱交換器の送風機から遠い方の末端はほぼ同量の部分空気流が流入する。これにより、空調ケースの個々の吹出し通路から流出する空気の一層均一な流出を達成することができる。こうして例えばウインドシールドガラスの一層均一な吹付けを達成することができる。
【0006】
送風機が横に配置され、また空気が空調ケースに横から導入されることによって、送風機と空調ケースとの間に今日の空気調和装置において一般的なディフューザは省くことができ、そのことでまたもや構造空間が節約される。さらに、送風機を横に配置することによって確かに車両横方向で長さが長くなってはいるが、しかし車両縦方向で伸長がかなり短縮されており、コックピット内の構造空間は一層良好に利用することができる。さらに、車両縦方向での構造空間の節約によって従来型の揺動空気ドアを利用することができる。それに対してDE19858727により公知の空気調和装置では、公知空気調和装置が車両縦方向で過大な伸長となることのないように特殊なフィルム状シャッタードアが利用される。
【0007】
本発明の1構成では、空気フィルタが冷却用熱交換器の上方に寝かせて配置されており、送風機から送風される空気がフィルタ内を上から下へと送風される。ラジアル送風機を使用するとこの場合送風機軸は車両縦方向にあることになろう。こうして送風機はそのファンホイールが車両縦方向で僅かな伸長を有し、構造空間を節約して空調装置の横に配置することができる。
【0008】
好ましくは冷却用熱交換器は「立て」て、つまり空気流入面を実質垂直にして、配置されている。これにより得られる主要な利点として、冷却用熱交換器に発生する凝縮水を一層良好に排出することができ、凝縮水が冷却用熱交換器内に沈殿したり、場合によって空気流によって空調装置内に吹き付けられるようなことはない。DE19858727により公知の空気調和装置では冷却用熱交換器が寝かせて配置されており、空気は水の排出とは逆に流れ、これにより凝縮水排出の問題が生じ、この問題を解決するために、例えばDE19835448により知られているような特殊な構造体が不可欠である。
【0009】
本発明の1構成では、少なくとも1つのバイパスドアで閉鎖可能な空気バイパスがフィルタに沿って設けられており、空気は濾過することなく冷却用熱交換器に供給することもできる。空気バイパスがフィルタの全長にわたって、従って車両横方向で空気調和装置の大きな伸長にわたって延びているので、空気バイパスは実質的に細い縦長開口部として構成されており、空気バイパスが開いている場合でも、送風機から送風される空気が車両横方向で空気調和装置の全長にわたって分布しかつバイパス開放時にも冷却用熱交換器に極力均一に空気の流入することが保証されている。
【0010】
空気調和装置の左/右分離を可能とするために、空調装置を2つの領域に仕切る少なくとも1つの仕切壁が少なくとも加熱用熱交換器の下流に設けられている。
【0011】
以下、図面を参考に1実施例に基づいて本発明が詳しく説明される。
【0012】
【実施例】
実施例を以下で説明するうえで、自動車製造において一般的な座標系を定義するのが有益である。X方向は車両縦方向、Y方向は車両横方向、Z方向は車両高さ方向にそれぞれ相当する。理解を助けるために図面の図にはそれぞれ座標軸が書き込まれている。
【0013】
本発明による空調装置10は被空調空気を案内するための空調ケース12と空気を送風するための送風機14とを有する。送風機14はファンホイール18を駆動する送風機モータ16を含む。送風機14は好ましくはラジアル送風機として構成されている。
【0014】
空気を状態調節するための空気フィルタ20、冷却用熱交換器22および加熱用熱交換器24が空調ケース12内に配置されている。加熱用熱交換器24の下流にさまざまな空気吹出し口が配置されており、これらの空気吹出し口はのちに詳しく説明するようにさまざまな空気流制御要素で開閉可能である。
【0015】
送風機14が空調ケース12の横に配置されており、送風機14と空調ケース12はy方向に見て相前後している。従って空気は横から空調ケース12にy方向で、それもしかも空気フィルタ20の流入面21とほぼ平行に、吹き込まれる。
【0016】
空調ケース12とフィルタ20および熱交換器22、24がy方向でかなり伸ばして構成されており、それらの最大伸長はy方向に延びている。これら構成要素のy方向長さはx方向またはz方向長さの少なくとも約5倍である。空気フィルタ20と冷却用熱交換器22は、それらの空気流入面21もしくは26が互いにほぼ直角に配置されているように相互に配置されている。好ましくは空気フィルタ20は冷却用熱交換器22の上方に、図2と図3に認めることができるように寝かせて配置されており、送風機14から送風される空気はまずy方向に吹き込まれ、フィルタ20の上方で均一化することができ、次にフィルタ20内を上から下へとz方向に流れ、次にx方向に転向され、冷却用熱交換器22内をほぼ水平に送風される。
【0017】
空気流側でフィルタ20と平行にフィルタバイパス52が設けられており、このフィルタバイパスは少なくとも1つのフィルタバイパスドア54で閉鎖可能である。必要に応じて空気は濾過しまたは濾過することなく車室に供給することができる。
【0018】
冷却用熱交換器22内で空気は冷やすことができ、その際場合によっては凝縮水が発生することがあり、凝縮水は凝縮水排出通路28を介して空調ケース12から排出することができる。
【0019】
図1〜図4に相当する第1実施例において冷却用熱交換器26内で冷やされた空気は冷却用熱交換器26から加熱用熱交換器24へと送られ、この加熱用熱交換器内で空気は希望する温度に再び温めることができる。この水側温度調節のために加熱用熱交換器24の温度はその水流量を介して調節可能である。
【0020】
加熱用熱交換器24の下流に設けられた温風室30から空気は、デフロスト空気ドア34で閉鎖可能なデフロスト空気吹出し口32を介して、ウインドシールドガラスに供給することができる。足元空間空気ドア38で閉鎖可能な足元空間空気吹出し口36を介して、温められた空気は運転者領域もしくは同乗者領域の足元空間に供給することができる。
【0021】
温度調節の左/右分離を達成するために空調ケース内にy方向に見て中央、少なくとも加熱用熱交換器24の下流に仕切壁31が設けられており、空調ケースは仕切壁平面に対して実質鏡像的に構成されている。従って、図1に認めることができるように2つのデロフスト空気吹出し口32と2つの足元空間空気吹出し口36が設けられている。
【0022】
図1に示したように、y方向で各デフロスト空気吹出し口32の横に換気用空気開口部40が設けられており、温められた空気はこの換気用空気開口部を介して温風室30から車室の中央平面に供給することができる。この温められた空気は、快適性の理由から望ましいことがあるが、必要に応じて中央平面の空気を冷やすことができるようにするために、バイパスドア44で遮断可能な冷風バイパス42を介して冷風に供給される。
【0023】
y方向で足元空間空気吹出し口のそれぞれの横に配置される各1つの後部座席空間空気通路46を通して、後部座席空間温風ドア48を介して後部座席空間に温風室30から温風を供給することができ、および/または冷却用熱交換器22と加熱用熱交換器24との間の空間から冷風を取り出すことのできる後部座席空間冷風ドア50を介して冷風を供給することができる。これにより、後部座席空間に供給される空気は別途温度調節することができる。
【0024】
図3と図4を参考に説明したような水側温度調節の代わりに、他の実施形態において空気側温度調節を設けておくこともできる。これは、図5と図6に示す他の実施例に基づいて説明される。図5の切断面は図3の切断面に一致しており、この他の実施形態に関する符号は第1実施形態の符号に実質的に一致し、ただし符号はそれぞれ100加えられている。
【0025】
第1実施例からすでに知られている、デフロスト空気吹出し口132を閉鎖可能なデフロスト空気ドア134(図5)、換気ドア141を有する換気用開口部140(図6)、そして冷風バイパスドア144を有する冷風バイパス142(図6)の他に、付加的温度調節要素として混合ドア160が設けられており、この混合ドアによって冷風は加熱用熱交換器124を迂回させることができ、あるいは冷風は温めるために加熱用熱交換器124内に通すことができる。一方で加熱用熱交換器124の下流に温風ドア162が配置されており、この温風ドアによって温風はデフロスト吹出し口132もしくは換気用開口部140の方向で上へと案内することができる。純冷風運転のときドア162は閉じられており、高温の加熱用熱交換器124が意図することなく冷風を温めることはない。加熱用熱交換器124の下流で温風領域の下側領域に図5によれば温風足元空間ドア164が配置されており、この温風足元空間ドアを介して温風は運転者領域もしくは同乗者領域用足元空間に供給することができる。足元空間冷風ドア166を介して足元空間に冷風を供給することもできる。
【0026】
デフロスト空気および足元空間空気を温度調節するための領域(図5)は、第1実施例におけると同様にy方向で、中央平面および後部座席空間の換気用空気精製領域(図6)の横に配置されている。
【0027】
後部座席空間に温風または冷風または温風と冷風との混合物を供給できることによって、後部座席空間に至る空気は後部座席空間混合空気ドア168を介してその温度を調整することができる。このため、加熱用熱交換器124の下流で温風通路170が分岐し、冷却用熱交換器122と加熱用熱交換器124との間にある冷風空間から後部座席空間冷風通路172が分岐している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空調装置の斜視図である。
【図2】図3のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1のIII平面に沿った横断面図である。
【図4】図2のIV平面に沿った横断面図である。
【図5】空気側で温度調節する他の実施形態を図3、図4と同様に示す横断面図である。
【図6】空気側で温度調節する他の実施形態を図3、図4と同様に示す横断面図である。
【符号の説明】
10 空調装置
12 空調ケース
14 送風機
16 送風機モータ
18 ファンホイール
20 空気フィルタ
22 冷却用熱交換器
24、124 加熱用熱交換器
28 凝縮水排出通路
30 温風室
31 仕切壁
32、132 デフロスト空気吹出し口
34、134 デフロスト空気ドア
40、140 換気用空気開口部
42、142 冷風バイパス
46 後部座席空間空気通路
50 後部座席空気冷風ドア
52 フィルタバイパス
54 フィルタバイパスドア
160 混合ドア
162 温風ドア
164 温風足元空間ドア
166 足元空間冷風ドア
170 温風通路

Claims (4)

  1. 自動車用空調装置であって、空調ケース内に空気を送風するための送風機を有し、この空調ケース内に冷却用熱交換器と加熱用熱交換器と空気流制御要素が配置されており、空調装置と熱交換器が車両横方向(y方向)にそれらの最大伸長を有、送風機(14)が空調ケース(12)の横に配置されており、空気流側で送風機(14)と冷却用熱交換器(22)との間に空気フィルタ(20)が配置されており、この空気フィルタが車両横方向で冷却用熱交換器(22)とほぼ同じ長さを有、空気フィルタ(20)が冷却用熱交換器(22)の上方に寝かせて配置されており、送風機(14)から送風される空気がフィルタ(20)内を上から下へと送風され、次に冷却用熱交換器(22)内をほぼ水平に送風されることを特徴とする、空調装置。
  2. 冷却用熱交換器(22)が立てて、つまり空気流入面(26)を実質垂直にして、配置されていることを特徴とする、請求項1記載の空調装置。
  3. 少なくとも1つのバイパスドア(54)で閉鎖可能な空気バイパス(52)がフィルタ(20)に沿って設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の空調装置。
  4. 空調ケース(12)を2つの領域に仕切る少なくとも1つの仕切壁(31)が少なくとも加熱用熱交換器(24、124)の下流に設けられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項記載の空調装置。
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