JP4017086B2 - 感光性ペースト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性ペースト組成物、特に現像性、および長期保存安定性に優れた感光性ペースト組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、多層セラミック基板などの厚膜多層回路は、アルミナなどで形成したセラミック基板上に金、銀、パラジウムあるいはこれらの合金の導電性物質と感光性樹脂組成物とからなる感光性導電ペースト組成物を塗布し、それを露光、現像、焼成して回路パターンを形成し、その上にアルミナ、ガラスなどの絶縁性物質と感光性樹脂組成物を主成分とする感光性絶縁ペースト組成を塗布、露光、現像、焼成して絶縁層を形成して製造されていた。前記厚膜多層回路の製造に使用される感光性ペースト組成物としては、セラミック粒子、塩基性無機粉末、光硬化可能な単量体、有機バインダー、光重合開始剤、および有機媒体からなる感光性セラミック被覆組成物が特開昭61−158861号公報で提案された。同公報記載の感光性セラミック被覆組成物は現像に有機溶媒を使用するところから環境上の問題があった。そこで、有機バインダーにカルボキシル基を導入し、希アルカリ水溶液で現像可能とした感光性セラミック被覆組成物が特開平2−25847号公報で提案されたが、該感光性ペースト組成物は、無機粉末として例えばPbO−SiO2系、PbO−B2O3−SiO2系、ZnO−SiO2系、ZnO−B2O3−SiO2系、BiO−SiO2系、BiO−B2O3−SiO2系ガラスやZnO:Zn系蛍光体のような塩基性の無機粉末を混合することから、塩基性無機粉末の表面に存在する金属イオンがアルカリ可溶性高分子バインダー中のカルボキシル基と反応し、ペーストの粘度を変化したり、或は感光性ペースト組成物を短時間でゲル化し、保存安定性を低下させるといった欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、発明者等は、上記欠点のない感光性ペースト組成物を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、希アルカリ水溶液現像型の感光性ペースト組成物にカルボキシル基を有する有機化合物を添加することでアルカリ水溶液による現像が可能であるとともに、長期保存安定性に優れた感光性ペーストが得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】
すなわち、本発明は、水、希アルカリ水溶液で現像できる上に、長期保存安定性にも優れた感光性ペースト組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、アルカリ可溶解性高分子バインダー、光重合性モノマー、光重合開始剤、塩基性無機粉末、およびカルボキシル基を有する有機化合物を含有する感光性ペースト組成物に係る。
【0006】
上記本発明で使用するアルカリ可溶性高分子バインダーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノケイ皮酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などカルボキシル基を有するモノマーとアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、グリセロール(モノ)アクリレート、グリセロール(モノ)メタクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等のモノマーとの共重合したものが挙げられる。前記アルカリ可溶性高分子バインダーはその酸価が50〜250の範囲であるのが好ましく、この酸価範囲が50未満ではアルカリ水溶液での現像が困難となり、また250以上では塗膜性や分散性に劣り、焼成時の熱分解性が低下する。また、前記アルカリ可溶性高分子バインダーの重量平均分子量は10,000〜500,000、好ましくは20,000〜200,000の範囲がよい。重量平均分子量が10000未満では基板への密着性が低下するとともに塩基性無機粉末の保持性が低下し良好な感光性ペーストが得られず、また重量平均分子量が200000を超えると焼成時にアルカリ可溶性高分子バインダーの熱分解、蒸発が困難となり好ましくない。
【0007】
また、上記光重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の単官能モノマー、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、カルドエポキシジアクリレート等の多官能モノマーを使用することができる。
【0008】
さらに、光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエートなどを挙げることができる。
【0009】
本発明の感光性ペースト組成物はPbO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸鉛ガラス、ZnO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸亜鉛ガラス又はBiO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸ビスマスガラスからなるガラス粉末からなる塩基性無機粉末を含有する。
【0010】
上記塩基性無機粉末に加えて、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、金等の導電性粒子を添加することで導電性ペースト組成物とすることもできる。
【0011】
本発明ではエチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物を含有することを必須とするが、該エチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物としては、具体的にアジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、マロン酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、サリチル酸又は乳酸などを挙げることができる。乳酸、リンゴ酸、クエン酸又はシュウ酸が好適である。前記エチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物を含有することで、感光性ペースト組成物中の塩基性無機粉末の表面に存在する金属イオンがアルカリ可溶性高分子バインダー中のカルボキシル基と反応するのが防止され、粘度変化やゲル化の発生がなく長期保存安定性が達成される。
【0012】
上記カルボキシル基を有する有機化合物の配合割合は、塩基性無機粉末100重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で含有することが好ましく、前記範囲が0.1重量部未満では長期保存性が低下し、また5重量部を超えるとアルカリ水溶液による現像性が低下し好ましくない。
【0013】
本発明の感光性ペースト組成物には上記各成分にさらに粘度調整などの目的のために必要に応じて、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、石油系溶剤などを適宜加えることができる。前記溶剤の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクケート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレートなどのほか、「スワゾール」(丸善石油化学(株)製)、「ソルベッソ」(エクソン化学(株)製)などの製品名で入手可能な石油系溶剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
また、染料、重合禁止剤、絶縁抵抗値調整のためのカーボンや金属粒子などの導電性物質、カチオン系、アニオン系または両性界面活性剤なども必要に応じ適宜添加することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の感光性ペースト組成物の具体的な使用方法と実施例を以下に示す。
【0016】
〈感光性ペースト組成物の使用方法〉
(1)感光性ペースト組成物の調製
本発明の感光性ペースト組成物を溶剤などにより0.5〜300パスカル、好ましくは10〜200パスカルに粘度調整し、それをスクリーン印刷、バーコータなどを用いて基板状に乾燥膜厚が10μm以上となるように塗布する。前記乾燥膜厚が300μmを超える厚さに塗布するには塗布回数を複数回繰り返すのがよい。また粘度調整に使用する溶剤はアルカリ可溶性高分子バインダーと光重合性モノマーの総量100重量部に対し、100〜2000重量部の範囲で混合する。前記塗布後、70〜90℃で15〜30分乾燥して感光性ペースト層を形成する。
【0017】
(2)露光
上記感光性ペースト層に、所望のパターンを備えたマスクを介して活性光線を照射し露光する。前記活性光線の露光量は、超高圧水銀灯やケミカルランプを用いた場合20〜1000mJ/cm2の範囲がよい。
【0018】
(3)現像
上記露光した感光性ペースト層を現像液で現像し未露光部を除去し、露光部の樹脂層を残留させる。現像剤としては、汎用のアルカリ現像液を用いることができ、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン、ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミン、、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド類、その他コリン、ケイ酸塩含有緩衝液などが挙げられる。
【0019】
(4)絶縁パターンの焼成
上記現像処理して形成した絶縁パターンを乾燥したのち、焼成炉中に移行し炉内の温度を徐々に上げながら焼成する。焼成過程でアルカリ可溶性高分子バインダー、光重合性モノマー、光重合開始剤、およびカルボキシル基を有する有機化合物は熱分解され除去される。焼成温度は使用する塩基性無機粉末の種類によっても異なるが、最高温度で500〜1,000℃の範囲が採用される。焼成後さらに導体パターン、絶縁パターンを形成してゆき多層配線パターンを製造することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜3
(i)感光性ペースト組成物の調製
(イ)高分子バインダーの合成
下記
メチルメタクリレート 35重量部
2−ヒドロキシメチルメタクリレート 5重量部
メタクリル酸 10重量部
アゾビスイソブチロニトリル 1重量部
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 65重量部
で表される化合物をコンデンンサー、温度計、かくはん装置を取り付けた3lのセパラブルフラスコ中に入れ、マントルヒーターで30分間かくはんしながら液温を70℃に上昇させ、温度を70〜75℃に制御しながら30分間かくはんし反応させた。反応終了後、液温を135℃まで上げてアゾビスイソブチロニトリルを失活させ、室温まで冷却した。前記反応により、透明で粘調なメチルメタクリレート/2−ヒドロキシメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体からなる高分子バインダーが得られた。その重量平均分子量は57000であった。
【0021】
(ロ)塩基性無機粉末のpH測定
塩基性無機粉末としてホウ珪酸鉛ガラス(平均粒径3.0μm)100重量部を蒸留水1000重量部中に入れよくかくはんしたのち、1時間静置し、pH試験紙を用いて上澄み液のpHを測定したところ、pH=9であった。
【0022】
(ハ)感光性ペースト組成物の調製
(イ)で合成した高分子バインダーのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート35重量%溶液を100重量部、テトラエチレングリコールジアクリレートを13重量部、t−ブチルアントラキノンを2重量部、メチルヒドロキノンを0.1重量部、(ロ)のホウ珪酸鉛ガラス(平均粒径3.0μm)を195重量部、および表1で表されるカルボキシル基を有する有機化合物を3本ロールミルにて混練して感光性ペースト組成物を得た。該感光性ペースト組成物について保存安定性および現像性を調べたところ表1に示すとおりであった。
【0023】
【表1】
【0024】
〈保存安定性および現像性の評価方法〉
・保存安定性の評価方法
感光性ペースト組成物を1カ月、3カ月、6カ月室温にて放置した後、感光性ペースト組成物のゲル化の有無を観察しその結果を
○:感光性ペースト組成物の粘度増加やゲル化はみられない
△:感光性ペースト組成物の粘度増加はみられたが使用可能であった
×:感光性ペースト組成物のゲル化がみられ使用に適さない
として評価した。
【0025】
・現像性の評価方法
感光性ペースト組成物をアルミナ基板上に230メッシュのステンレススクリーンを用いて乾燥後の膜厚が25μmとなるように全面印刷し、80℃の温風乾燥機で30分乾燥したのち、室温になるまで放置して感光性ペースト層を形成した。前記感光性ペースト層に50μmライン/80μmスペースを再現し得るホトマスクを介して、超高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2のエネルギー線量を照射してで露光を行い、それを5%トリエタノールアミン水溶液を用いて、25℃、90秒間現像処理して、パターンの現像性を観察し、その結果を
○:50μmラインのパターンが再現性よく形成され、80μmスペース部分に残さはみられなかった
×:90秒間の現像では、80μmスペース部分を現像除去することができず、現像残さがみられた
/:ゲル化のため現像性試験不能であった
として評価した。
【0021】
【発明の効果】
本発明の感光性ペースト組成物は、現像性、および長期保存安定性に優れたペースト組成物であり、例えばIC、LSIなどのエレクトロニクス素子などを高密度に実装する多層セラミック基板などの絶縁性セラミック層、インクジェット型プリンターのインクノズル、蛍光表示管、プラズマディスプレイパネルなどの絶縁層、導電層および蛍光体パターンなどの作成に有効に使用される。
Claims (3)
- アルカリ可溶解性高分子バインダー、光重合性モノマー、光重合開始剤、PbO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸鉛ガラス、ZnO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸亜鉛ガラス又はBiO−B 2 O 3 −SiO 2 系のホウ珪酸ビスマスガラスからなるガラス粉末及びアジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、マロン酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、サリチル酸又は乳酸からなるエチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物を含有することを特徴とする感光性ペースト組成物。
- エチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物が乳酸、リンゴ酸、クエン酸又はシュウ酸であることを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト組成物。
- エチレン性不飽和二重結合がなく、カルボキシル基を有する有機化合物がガラス粉末100重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト組成物
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