JP4016839B2 - 再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は再生装置に関し、特に映像また音声情報が記録された記録トラックをDTヘッドで用いて再生する再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオテープレコーダの可変速再生用のヘッドとして、DTヘッド(ダイナミックトラッキングヘッド)が用いられている。DTヘッドは、回転ドラムに設置され、ヘッドチップをバイモルフなどの圧電素子に乗せてある。この圧電素子に所定の電圧をかけることにより、可変速再生時でも、記録トラックに追従できるようにヘッド高さを変えることができる。
【0003】
DTヘッドは、トラック曲がりに追従するためにも用いられる。トラック曲がりは、ビデオテープレコーダの磁気テープが通過するテープパスの設定の間違いや、温度ストレスなどによって生じる。
【0004】
以下、図13〜15を用いて従来のトラック曲がり追従に関する技術を説明する。
図13は、従来のトラック曲がりを考慮したビデオテープレコーダの一部の概略構成図である。
【0005】
また、図14は、輝度信号(以下Y信号と記す)と搬送色信号(以下C信号と記す)及びそれらの水平同期信号を示すタイミングチャートである。
また、図15は、ヘッドの進行方向に対してトラックが曲がっている場合のY信号とC信号の水平同期信号の位相差を説明する図である。
【0006】
図示しないDTヘッドにより再生された記録トラックのY信号の再生RF信号と、C信号の再生RF信号は、別々に再生RF信号復調部61に入力される。水平同期信号は、図14のように、Y信号及びC信号それぞれの再生RF信号に含まれ、再生RF信号復調部61ではこれを抜き出し、1走査周期のパルス列を生成する。図13の信号70は、Y信号の水平同期信号から生成したパルス列、信号71は、C信号の水平同期信号から生成したパルス列であり、これらは補整部62に入力される。Y信号とC信号は、異なるアジマス角を有する磁気ヘッドにより図15のように別々の記録トラックに記録されている。これにより、信号70、71には位相差が生じる。DTヘッドのトレース開始直後にラッチした信号70、71の位相差を基準位相差と呼ぶと、補整部62では、信号70、71の位相差が基準位相差を保つように補整値を出力する。具体的には、図15のように、記録トラックが曲がっている場合のオフトラック(ヘッドが記録トラックから外れた状態)による信号70、71の位相差はヘッドの進行につれて変化していくので、信号70、71の位相差が毎回確定するたびにその位相差と基準位相差の差分を、差分を打ち消すような極性にして補整値を生成して出力する。DTヘッド制御部63で生成される制御信号に、重畳部64にてこの補整値を加えて、DTヘッド駆動信号を生成することで、トラック曲がりに追従できるようになる。
【0007】
一方、トラック曲がりを検出する技術として、DTヘッドを1トラックの周期より短い周期となるような高い周波数で、ウォブリング(Wobbling)する方法がある。例えば、DTヘッドから出力される再生RF信号のエンベロープ信号(以下RFエンベロープ信号または単にRFエンベロープと呼ぶ)を検出し、RFエンベロープ信号からウォブリング成分を抽出して、DTヘッドのトラックずれ量を検出する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−76254(段落番号〔0009〕〜〔0012〕,第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の水平同期信号を用いてトラック曲がりを検出する技術は、アナログビデオ記録テープの再生にしか適用できないという問題がある。デジタル記録テープの場合、記録トラックに記録されているのは“1”と“0”の2値信号のみで水平同期信号は記録されていない。
【0010】
また、上述の、ウォブリングによりトラックずれ量を検出する方法は、トラック幅が狭くなればなるほど、トラックずれ量の検出を高速度、高精度に行うために、ウォブリングの周波数を高くする必要があった。これは、高密度記録再生技術が求められている近年の磁気記録において問題である。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、記録トラックパターンが曲がっていた場合、DTヘッドがその曲がりパターンに容易に追従することが可能な再生装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、映像または音声情報が記録された記録トラックをDTヘッドで再生する再生装置において、前記DTヘッドが前記記録トラックを1スキャンするたびにヘッド高さを正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅、交互に変化させるためのセグメントウォブリング信号を発生するセグメントウォブリング発生部と、前記セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と負の場合の、前記DTヘッドより出力される再生RF信号のエンベロープ信号を所定のタイミングで、所定回数AD変換し、前記セグメントウォブリング信号の振幅が正負それぞれにおいて対応した前記タイミングでのAD変換値の比である(前記振幅が正の場合の前記AD変換値)/(前記振幅が負の場合の前記AD変換値)の計算を行い、前記比が1より大きければ前記記録トラックは正方向に曲がっていると判断して正の補整用積分定数を、1より小さければ前記記録トラックは負方向に曲がっていると判断して負の前記補整用積分定数を、1であれば前記記録トラックは曲がっていないと判断して0を足すことで積分を行い、前記AD変換の各ポイント用の補整値を生成する補整部と、前記セグメントウォブリング信号に前記補整値を重畳して、前記DTヘッドを駆動するDTヘッド駆動信号を生成する重畳部とを有することを特徴とする再生装置が提供される。
【0013】
上記の構成によれば、セグメントウォブリング信号により、1スキャンごとにDTヘッドのヘッド高さを正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅、交互に変化させるので、記録トラックが曲がっている場合、エンベロープ信号のAD変換値が、セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と負の場合とで差異を生じ、このときの比で曲がり方向を判断して、比が1より大きければ記録トラックは正方向に曲がっていると判断して正の補整用積分定数を、1より小さければ記録トラックは負方向に曲がっていると判断して負の補整用積分定数を、1であれば記録トラックは曲がっていないと判断して0を足すことで積分を行い、AD変換の各ポイント用の補整値を生成することでDTヘッド駆動信号を補整する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の再生装置の概略の構成図である。
【0015】
再生装置10は、磁気テープ50上の記録トラックを再生するDTヘッド11a、11bと、RFエンベロープ信号を検出するRFエンベロープ検出部12と、セグメントウォブリング信号を発生するセグメントウォブリング発生部13と、トラック曲がりに応じた補整値を生成する補整部30と、DTヘッド11a、11bを駆動するためのDTヘッド駆動信号を生成する重畳部14とを有する。
【0016】
DTヘッド11a、11bは、図示しない回転ドラムに巻きつけられる磁気テープ50上の記録トラックをスキャンして記録情報を読み込む。また、DTヘッド11a、11bは、互いに回転ドラムの対向する位置に設けられ、再生基準信号により回転ドラムの回転と同期して180°ごとに出力が切り替えられ、一方のDTヘッドが常に記録トラックをスキャンし、記録情報に基づいた再生RF信号を出力する。すなわち、1スキャンごとに再生に用いられるDTヘッド11a、11bが切り替わる。
【0017】
RFエンベロープ検出部12は、DTヘッド11a、11bより出力される再生RF信号より、RFエンベロープ信号を検出する。
セグメントウォブリング発生部13は、DTヘッド11a、11bが記録トラックを1スキャンするたびにヘッド高さを、DTヘッド11a、11bの進行方向に対して垂直な、正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅に、交互に変化させる(本発明ではこれをセグメントウォブリングと呼ぶ)ためのセグメントウォブリング信号を発生する。なお、セグメントとは、ヘッドが1スキャンしてトレースするトラック対のことである。
【0018】
補整部30は、セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と負の場合に検出されるRFエンベロープ信号の振幅の差異により、記録トラックの曲がり量及び曲がり方向を判断してそれに応じた補整値を生成する。
【0019】
重畳部14は、セグメントウォブリング信号に補整値を重畳してDTヘッド11a、11bを駆動するDTヘッド駆動信号を生成する。
次にDTヘッド11a、11bの詳細を説明する。
【0020】
図2は、DTヘッドの配置を示す図である。
図のように、回転ドラム20に、例えばバイモルフなどの圧電素子21、22が設置され、ヘッド23、24、25、26が圧電素子21、22に乗せてある。この圧電素子21、22に所定の電圧をかけることにより、ヘッド高さを変えることができる。ここで、圧電素子21とヘッド23、24からなる部分をチャンネルCH1、圧電素子22とヘッド25、26からなる部分をチャンネルCH2として以下説明する。また、図1のDTヘッド11aはチャンネルCH1、DTヘッド11bはチャンネルCH2に対応しているとして説明する。
【0021】
次に補整部30の詳細を説明する。
図3は、補整部の詳細な機能を示す機能ブロック図である。
補整部30は、RFエンベロープ信号についてAD変換を行うAD変換部31と、セグメントウォブリング信号の振幅が正であるか負であるか判定する正負判定部32と、セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と、負の場合に対応したAD変換値の比を計算する比計算部33と、比計算部33の結果に基づき、補整用積分定数を決定し積分を行う積分計算部34とから構成される。これらの機能ブロックは、図示しないCPU(Central Processing Unit)などの制御のもと動作する。また、これらはソフトウェアでも実現できる。
【0022】
以下、タイミングチャートを用いて本発明の再生装置10の動作を説明する。
図4は、再生装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図4において、DTヘッドスイッチングパルスは図1で説明した再生基準信号であり、記録トラックをスキャンするヘッド、すなわち図2で示したチャンネルCH1、CH2を切り替える信号である。
【0023】
以下、チャンネルCH1を用いた場合の動作を説明する。チャンネルCH2に関してはチャンネルCH1の場合と全く同様であるので説明を省略する。
スキャン開始時、チャンネルCH1のDTヘッド駆動信号には、セグメントウォブリング信号のみが現れ、これによりチャンネルCH1のヘッド23が記録トラックを1スキャンするたびに、ヘッド高さが進行方向に垂直な、正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅変化する。
【0024】
このようにして磁気テープ50上の記録トラックをスキャンすると、チャンネルCH1のヘッド23(ヘッド24についても同様である)からは、再生RF信号が出力される。再生RF信号は、RFエンベロープ検出部12に入力され、ここで、RFエンベロープ信号が検出される。トラック曲がりが生じている場合、図4のように、RFエンベロープ信号はフラットにならない。次にRFエンベロープ信号は、補整部30に入力される。
【0025】
補整部30では、AD変換部31で、1スキャン中にRFエンベロープ信号に対し、所定のタイミングで、例えば5回のAD変換を行う(図4のAD変換ポイント)。なお、このとき図示しないCPUなどの制御部の処理時間に余裕があれば、チャンネルCH1の、ヘッド23、24の両方でAD変換し、その平均をとってもよい。
【0026】
一方、正負判定部32は、補整部30に入力されたセグメントウォブリング信号の振幅の正負を判定し、これを比計算部33に通知する。
比計算部33では、セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合のAD変換値を保持し、セグメントウォブリング信号の振幅が負の場合に、図4のように、AD変換が行われたタイミングで、正の場合のAD変換値との比、すなわち、比=(セグメントウォブリング信号の振幅が正のときのAD変換値)÷(セグメントウォブリング信号の振幅が負のときのAD変換値)をポイントごとに計算する。
【0027】
ここで、比>1なら記録トラックはヘッド23の進行方向に対し上側(正方向)に曲がっており、比<1なら下側(負方向)に曲がっていることを示す。
次に積分計算部34により、比の計算の結果、あるポイントにおける比>1なら、そのポイント用の補整値に“補整用積分定数”を足し込む(積分を行う)。比<1なら、“−補整用積分定数”を足し込む。比=1なら“0”を足し込む。このようにして、そのポイントにおける比が1になるまで積分が続き、比が1になったあとには補整値は一定値を保つ。この積分が全てのポイントにおいて行われる。
【0028】
補整部30で計算した補整値は、図4で示すような、各ポイント用の補整値を付加するタイミングで、重畳部14でセグメントウォブリング信号に付加される。補整値を付加するときは、圧電素子21の動作遅れを考慮して一定時間前に付加するようにする。このようにして得られたDTヘッド駆動信号でDTヘッド11aを駆動させ、記録トラックをスキャンしていくことによりトラック曲がりに追従可能になる。
【0029】
次に、具体的に、トラック曲がりの種類に応じた、セグメントウォブリングによって補整部30で算出される補整値の例を示す。
まず、記録トラックが曲がっていない場合について説明する。
【0030】
図5は、記録トラックが曲がっていない場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【0031】
また、図6は、トラック曲がりがない場合の補整値を示す図である。
なお、記録トラック50aは、ヘッド23で読み出され、記録トラック50bは、ヘッド24で読み出される。
【0032】
図5(A)のようにセグメントウォブリングを行わない場合、ヘッド23は記録トラック50aの中央をなぞる。この場合、RFエンベロープはフラットになる。図5(B)は、ヘッド23が正方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが正方向にシフトしている。この場合も、記録トラックが曲がっていないことからRFエンベロープはフラットである。図5(C)は、ヘッド23が負方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが負方向にシフトしている。この場合もやはり記録トラックが曲がっていないので、RFエンベロープはフラットであり、図5(B)と同等の振幅を保っている。
【0033】
これら図5(B)、(C)において、各AD変換ポイントA1、A2、A3、A4、A5にて比の計算を行うと比の値は5ポイント全てにおいて“1”となる。よって図6で示すように各ポイント用の補整値は全て“0”となる。
【0034】
図7は、ヘッドの進行方向に対して正方向(上側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【0035】
また、図8は、ヘッドの進行方向に対して正方向(上側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
図7(A)のようにセグメントウォブリングを行わない場合、ヘッド23が記録トラック50aで出口側に進行するにつれてオフトラック(トラックから外れる)するため、RFエンベロープ信号は、出口側に行くにつれ振幅が減少している。図7(B)は、ヘッド23が正方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが正方向にシフトしている。このため、出口側でのオフトラック量が図7(A)の場合に比べ軽減される。そのためRFエンベロープの出口側での減少が図7(A)の場合に比べ少ない。図7(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが負方向にシフトしている。このため、出口側でのオフトラック量が図7(A)に比べ増大する。よって、RFエンベロープ信号の出口側での減少が図7(A)に比べ大きくなる。
【0036】
これら図7(B)、(C)において、各AD変換ポイントA1、A2、A3、A4、A5にて比の計算を行い、補整値の積分を行うと、積分が収斂し最終的に得られる補整値は、図8で示すようになる。この補整値を図4の補整値を付加するタイミングでDTヘッド駆動信号に加えると、ヘッド23は、記録トラック50aをなぞりながら徐々に高さを正方向に変位させるように動き、トラック曲がりに追従することができる。
【0037】
図9は、ヘッドの進行方向に対して負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【0038】
また、図10は、ヘッドの進行方向に対して負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
図9(A)のようにセグメントウォブリングを行わない場合、ヘッド23が記録トラック50aの出口側に進行するにつれてオントラックするため、RFエンベロープ信号は出口側にいくにつれ振幅が増加している。図9(B)は、ヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが正方向にシフトしている。このため、入口側でのオフトラック量が図9(A)の場合に比べ大きくなる。そのためRFエンベロープ信号の入口側での減少が図9(A)の場合に比べ多い。図9(C)は、ヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合であり、ヘッド高さが負方向にシフトしている。このため、入口側でのオフトラック量が図9(A)に比べ減少する。よって、RFエンベロープ信号の入口側での減少が図9(A)の場合に比べ小さくなる。
【0039】
このことから、これら図9(B)、(C)において、各AD変換ポイントA1、A2、A3、A4、A5にて比の計算を行い、補整値の積分を行うと、積分が収斂し最終的に得られる補整値は、図10で示すようになる。この補整値を図4の補整値を付加するタイミングでDTヘッド駆動信号に加えると、ヘッド23は、記録トラック50aへの突入時にヘッド高さを負方向に大きくシフトさせた状態でなぞり始め、なぞりながら徐々に高さを0に変位させるように動き、トラック曲がりに追従することができる。
【0040】
図11は、記録トラックの中央部において負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【0041】
また、図12は、記録トラックの中央部において負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
図11(A)のようにセグメントウォブリングを行わない場合、ヘッド23が出口側に進行するにつれて、記録トラック50aの中央部でオフトラックするため、RFエンベロープ信号は中央部の振幅が減少している。図11(B)のようにヘッド23が正方向にセグメントウォブリングした場合、ヘッド高さが正方向にシフトする。このため、中央部でのオフトラック量が図11(A)の場合に比べ大きくなる。そのためRFエンベロープ信号の中央部での減少が図11(A)の場合に比べ多い。図11(C)のようにヘッド23が負方向にセグメントウォブリングした場合、ヘッド高さが負方向にシフトする。このため、中央部でのオフトラック量が図11(A)に比べ減少する。よってRFエンベロープ信号の中央部での減少が図11(A)の場合に比べ少なくなる。
【0042】
このことから、これら図11(B)、(C)において、各AD変換ポイントA1、A2、A3、A4、A5にて比の計算を行い、補整値の積分を行うと、積分が収斂し最終的に得られる補整値は、図12で示すようになる。この補整値を図4の補整値を付加するタイミングでDTヘッド駆動信号に加えると、ヘッド23は、記録トラック50aの中央部につれてヘッド高さを負方向に徐々に変位させ、中央部を通過後はヘッド高さを徐々に0に変位させるように動き、トラック曲がりに追従することができる。
【0043】
このようにすることで、特にデジタル記録テープなど、水平同期信号が記録されていない場合でもトラック曲がりに追従が可能である。さらに、高密度記録再生技術の発展に伴い、トラック幅が狭くなっている近年の磁気記録においても、本発明のセグメントウォブリングは、従来のウォブリングのように、周波数を高くする必要がないので、重要な役割を果たすことが期待できる。
【0044】
なお、上記の説明では、1スキャンごとに5回のAD変換を行うとして説明したがこれに限定されず、AD変換の回数は多いほど精度はよくなる。この回数はCPUの処理能力を考慮して決定される。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、セグメントウォブリング信号により、1スキャンごとにDTヘッドのヘッド高さを正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅、交互に変化させるので、記録トラックが曲がっている場合、エンベロープ信号のAD変換値が、セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と負の場合とで差異を生じ、このときの比で曲がり方向を判断して、比が1より大きければ記録トラックは正方向に曲がっていると判断して正の補整用積分定数を、1より小さければ記録トラックは負方向に曲がっていると判断して負の補整用積分定数を、1であれば記録トラックは曲がっていないと判断して0を足すことで積分を行い、AD変換の各ポイント用の補整値を生成することでDTヘッド駆動信号を補整することができる。これにより、DTヘッドをトラック曲がりに追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の再生装置の概略の構成図である。
【図2】DTヘッドの配置を示す図である。
【図3】補整部の詳細な機能を示す機能ブロック図である。
【図4】再生装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】記録トラックが曲がっていない場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【図6】トラック曲がりがない場合の補整値を示す図である。
【図7】ヘッドの進行方向に対して正方向(上側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【図8】ヘッドの進行方向に対して正方向(上側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
【図9】ヘッドの進行方向に対して負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【図10】ヘッドの進行方向に対して負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
【図11】記録トラックの中央部において負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合のヘッドの位置とRFエンベロープ信号及びAD変換ポイントとを説明する図であり、(A)はセグメントウォブリングを行わない場合、(B)はヘッドが正方向にセグメントウォブリングした場合、(C)はヘッドが負方向にセグメントウォブリングした場合の図である。
【図12】記録トラックの中央部において負方向(下側)にトラック曲がりが生じている場合の補整値を示す図である。
【図13】従来のトラック曲がりを考慮したビデオテープレコーダの一部の概略構成図である。
【図14】輝度信号と搬送色信号及びそれらの水平同期信号を示すタイミングチャートである。
【図15】ヘッドの進行方向に対して記録トラックが曲がっている場合のY信号とC信号の水平同期信号の位相差を説明する図である。
【符号の説明】
10……再生装置、11a、11b……DTヘッド、12……RFエンベロープ検出部、13……セグメントウォブリング発生部、14……重畳部、30……補整部、50……磁気テープ
Claims (2)
- 映像または音声情報が記録された記録トラックをDTヘッドで再生する再生装置において、
前記DTヘッドが前記記録トラックを1スキャンするたびにヘッド高さを正方向へ一定振幅、負方向に一定振幅、交互に変化させるためのセグメントウォブリング信号を発生するセグメントウォブリング発生部と、
前記セグメントウォブリング信号の振幅が正の場合と負の場合の、前記DTヘッドより出力される再生RF信号のエンベロープ信号を所定のタイミングで、所定回数AD変換し、前記セグメントウォブリング信号の振幅が正負それぞれにおいて対応した前記タイミングでのAD変換値の比である(前記振幅が正の場合の前記AD変換値)/(前記振幅が負の場合の前記AD変換値)の計算を行い、前記比が1より大きければ前記記録トラックは正方向に曲がっていると判断して正の補整用積分定数を、1より小さければ前記記録トラックは負方向に曲がっていると判断して負の前記補整用積分定数を、1であれば前記記録トラックは曲がっていないと判断して0を足すことで積分を行い、前記AD変換の各ポイント用の補整値を生成する補整部と、
前記セグメントウォブリング信号に前記補整値を重畳して、前記DTヘッドを駆動するDTヘッド駆動信号を生成する重畳部と、
を有することを特徴とする再生装置。 - 前記セグメントウォブリング発生部は、再生する前記DTヘッドを切り替える再生基準信号をもとに、前記セグメントウォブリング信号を発生することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
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