JP4016701B2 - 貼り合せ基板の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、貼り合せ基板の製造方法に関し、特に材料となる基板を貼り合せる前の洗浄工程に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貼り合わせ法を用いた貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)基板の作製方法として、2枚のシリコン基板をシリコン酸化膜を介して貼り合わせる技術、例えば特公平5−46086号公報に示されている様に、少なくとも一方の基板に酸化膜を形成し、接合面に異物を介在させることなく相互に密着させた後、200〜1200℃の温度で熱処理して結合強度を高める方法が、従来より知られている。
【0003】
熱処理を行なうことにより結合強度が高められた貼り合わせ基板は、その後の研削研磨工程が可能となるため、素子作製側基板を研削及び研磨により所望の厚さに減厚加工することにより、素子形成を行なうSOI層を形成することができる。
【0004】
このようにして作製された貼り合わせSOI基板は、SOI層の結晶性に優れ、SOI層直下に存在する埋め込み酸化膜の信頼性も高いという利点はあるが、研削及び研磨により薄膜化しているため、薄膜化に時間がかかる上、材料が無駄になり、しかも膜厚均一性は高々目標膜厚±0.3μm程度しか得られなかった。
【0005】
一方、近年の半導体デバイスの高集積化、高速度化に伴い、SOI層の厚さは更なる薄膜化と膜厚均一性の向上が要求されており、具体的には0.1±0.01μm程度の膜厚及び膜厚均一性が必要とされている。
【0006】
このような膜厚及び膜厚均一性をもつ薄膜SOI基板を貼り合わせ基板で実現するためには従来の研削・研磨での減厚加工では不可能であるため、新たな薄膜化技術として、特開平5−211128号公報に開示されているイオン注入剥離法(あるいは水素イオン剥離法等)と呼ばれる方法が開発された。
【0007】
このイオン注入剥離法による貼り合わせSOI基板の作製方法は、二枚のシリコン基板のうち少なくとも一方に酸化膜を形成するとともに、一方のシリコン基板の上面から水素イオンまたは希ガスイオン等を注入し、該シリコン基板内部に微小気泡層(封入層)を形成させた後、該イオン注入面を酸化膜を介して他方の基板と密着させ、その後熱処理(剥離熱処理)を加えて微小気泡層を劈開面(剥離面)として一方の基板を薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処理)を加えて強固に結合してSOI基板とする技術である。
【0008】
この方法では、剥離面は良好な鏡面であり、SOI層の均一性が極めて高いSOI基板が比較的容易に得られる上、剥離した一方の基板を再利用できるので、材料を有効に使用できるという利点も有する。
【0009】
また、この方法は、酸化膜を介さずに直接シリコン基板同士を結合することもできるし、シリコン基板同士を結合する場合のみならず、シリコン基板にイオン注入して、石英、炭化珪素、アルミナ等の熱膨張係数の異なる絶縁性基板と結合したり、絶縁性基板にイオン注入して他の基板と結合することにより、これらの薄膜を有する基板を作製する場合にも用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような貼り合せ基板の製造ではいずれの方法でも、通常、単一または複数種類の材料となる基板を洗浄・乾燥してから、材料基板どうしの接合を行う。その後、接合した基板の接合界面の接合強度を高める熱処理を加えて強固に結合した後、一方の基板を薄膜化することで貼り合せ基板が製造される。この貼り合せ基板の製造において、材料基板を接合する際、材料基板の接合面にパーティクルや有機物等の異物が存在すると、パーティクルや有機物等が接合界面の接合を妨げ、接合界面に未接合部を形成してしまう。これが、結合熱処理後の貼り合せ基板の結合界面にボイド不良やブリスター不良を引き起こす。特に、接合界面の接合力が弱い場合は、結合熱処理を行ってもボイド不良やブリスター不良が発生し易く、また、そのサイズも大きくなる傾向にある。
【0011】
図2は、これらの欠陥が発生した貼り合せ基板の例として、SOI基板の縦断面を摸式化した図である。SOI基板はベース基板2の上に酸化膜10と活性シリコン層9が積層されているが、図に示すようなボイド不良13やブリスター不良12によりこれらの層の未結合部を発生させている。
【0012】
そこで、これらボイド不良やブリスター不良を低減すべく、貼り合わせ前の洗浄工程を十分に管理し、パーティクルや有機物等の異物を十分に除去することが試みられているが、洗浄工程を十分に管理したとしても、薄膜化後に目視にて観察される直径数mm程度のブリスターを面内で完全に除去することは困難であり、全面でブリスターフリーとなる薄膜SOI基板の製造歩留は満足できるレベルには達していなかった。
【0013】
特に、近年の大直径化した直径300mm以上のSOI基板の製造においては、従来の直径200mm程度の基板に比べて、ブリスター不良が多発し、ブリスターフリーのウエーハは、製造枚数に対し0〜20%程度しか得ることができなかった。また、ブリスターのサイズも4mm以上と大きく、貼り合せ界面の結合力が低下している傾向が見られた。
【0014】
本発明は、このような問題点を解決するためなされたものであり、薄膜SOI基板に代表される貼り合わせ基板のブリスター不良を低減し、ブリスター不良のない貼り合せ基板の製造歩留を向上させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、貼り合せ基板の製造方法であって、少なくとも、二枚の基板をSC−1洗浄する工程と、該洗浄した基板を乾燥する工程と、該乾燥した基板を接合する工程と、該接合した基板の一方を薄膜化する工程を含み、前記SC−1洗浄する工程における洗浄液の温度を25℃以上60℃以下とすることを特徴とする貼り合せ基板の製造方法である。
【0016】
このように、SC−1洗浄における洗浄液の温度を25℃以上60℃以下とすれば、貼り合わせ面を必要以上に荒らすことなくパーティクルや有機物除去が可能となり、全面でブリスターフリーとなる貼り合せ基板の製造歩留りを向上させることができる。洗浄液の温度をこのような値としたのは、洗浄液の温度が室温(すなわち25℃程度)未満になると、パーティクル等の除去効果が不十分となり、また室温より低くするための冷却設備が別途必要となるからである。また60℃を超える温度では、ブリスター低減効果が不十分となるからである。
【0017】
この場合、前記SC−1洗浄における洗浄液の温度を30℃以上50℃以下とすることが好ましい。
パーティクルや有機物除去効果をさらに高め、かつ、ブリスターフリー率をより向上させるためには、30℃以上50℃以下とすることが好ましいからである。
【0018】
この場合、前記乾燥工程は、前記洗浄された基板表面の水分を吸引して除去する工程であることが好ましい。
このように乾燥工程において、基板表面の水分をIPA(イソプロピルアルコール)等の揮発性の高い有機溶剤に置換して乾燥を行う水置換法を用いず、基板表面の水分を吸引して除去する吸引乾燥法を用いることにより、乾燥台座に複数枚数の基板を載せるようにして、基板を同時に複数枚乾燥処理できるので生産性を高めることができる。また、水置換法で用いられる引火性の強いIPA等を用いる必要がないため、作業の安全性も向上させることができる。
【0019】
この場合、前記貼り合せ基板の材料となる基板の少なくとも一方を、酸化膜付きシリコン基板とすることができ、前記貼り合せ基板の材料となる基板を、水素、希ガスまたはハロゲンガスイオンが注入されたものとすることができる。
【0020】
このように、貼り合せ基板の材料となる基板は、デバイスの種類、用途に応じて複数種類の基板を組み合わせて使用されるが、中でも酸化膜付きシリコン基板を使用し、本発明の洗浄工程を適用して貼り合せ基板を製造すれば、熱処理前の強力な接合強度と熱処理後の強固な結合強度を有するSOI基板が得られるとともに、汚染、欠陥、ブリスター不良、ボイド不良のない貼り合せ基板を製造することができる。
また、水素、希ガスまたはハロゲンガスイオンが注入されたシリコン基板を使用すれば、前記イオン注入剥離法により、極薄で均一な膜厚であるとともに、汚染、欠陥、ブリスター不良、ボイド不良のない貼り合せ基板を製造することができる。
【0021】
さらに、本発明の製造方法により製造された貼り合せ基板は、結合界面にブリスター不良やボイド不良のない貼り合せ基板となり、強力な接合強度と強固な結合強度の貼り合せ基板とすることができる。特に、直径300mm以上の大直径基板において、本発明の製造方法により製造された基板はその結合特性に優れたものとなる。
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
貼り合わせ前の洗浄としては、通常の場合、SC−1洗浄(NH4OH/H2O2/H2Oの混合液による洗浄)やSC−2洗浄(HCl/H2O2/H2Oの混合液による洗浄)、硫酸過水洗浄(H2SO4/H2O2の混合液による洗浄)といった、基板表面を親水性にする洗浄が目的に応じて適宜組み合わせて用いられる。
【0023】
中でもSC−1洗浄は、主にパーティクル、有機物等の除去に効果があるため、貼り合わせ前の洗浄工程においては欠かすことのできない洗浄である。このSC−1洗浄は、シリコン基板やシリコンデバイスの製造工程においても極めて一般的に用いられており、その使用温度は70〜85℃である。これは、従来は、このような高い温度により洗浄処理を施さなければ、洗浄の効果が得られないと考えられていたからである。したがって、従来はこれよりも低い温度の洗浄液によってSC−1洗浄は行われていなかった。
【0024】
ところが本発明者らは、SC−1洗浄装置のトラブルによりSC−1洗浄層に通常より長時間浸漬された貼り合わせ用の基板を貼り合わせて薄膜SOIを作製したところ、通常よりもブリスター発生率が高くなるという結果に遭遇し、これを調査、解析した結果、本発明を完成させるに至った。
【0025】
すなわち、従来はSC−1洗浄をより厳密に管理し、パーティクル等を十分に除去しさえすれば、ブリスターの発生を防止できると考えられていた。しかし、本発明者らは、上記結果について、SC−1洗浄に長く浸漬されたことにより、貼り合わせを行う基板表面(酸化膜表面またはシリコン表面)の面荒れが進行し、それがブリスター不良の増加につながったものと考えた。そこで、SC−1洗浄において貼り合わせ面の面荒れを必要以上に発生させずに洗浄すれば、ブリスター不良を低減することができるはずであると考えた。
【0026】
そこで本発明者らは、SC−1洗浄の条件について検討を行った結果、SC−1洗浄の温度を通常用いられる温度よりも低い温度で行なうことを発想し本発明を完成させた。前述のように従来は、SC−1洗浄の温度を低温化した場合は、SC−1洗浄のもつパーティクルや有機物除去という本来の効果の低減が懸念されており、SC−1洗浄液の液温を下げて洗浄を行うことは行われていなかった。しかし、本発明者らが調査したところ、貼り合わせを行う基板の洗浄工程としてのSC−1洗浄のパーティクル等を除去する洗浄効果は、洗浄液温度を従来の70〜85℃から25〜60℃に下げてもほとんど影響がないことが判った。そして、この60℃以下の洗浄液温度では、ブリスターの発生は著しく抑制されることが判明した。この場合、温度を25℃未満に下げてしまうと、パーティクルを除去する効果が減少し、また室温以下の温度に洗浄液を冷却するための装置が別途必要となるため、パーティクル除去の効果を維持しつつ、ブリスターの発生を防止するためには、洗浄液の温度は25℃以上60℃以下の温度が好ましいことを本発明者らは見出した。特に、洗浄液の温度が30〜50℃の範囲では、パーティクルを洗浄除去する効果は維持されるにもかかわらず、ブリスターの発生率は特に低減されることが判明した。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る貼り合せ基板の製造方法の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る貼り合せ基板の製造方法の一実施形態の概要を示す工程図である。ここでは、貼り合せ基板の作製法の一種である水素イオン剥離法を用いたSOI基板の作製を例に説明する。
【0028】
図1において、材料基板としてベア基板を2枚用意する(A)。ベア基板には、鏡面研磨基板、エピタキシャル基板、熱処理基板等様々な基板が存在するが、その種類に関係なく本発明に適用することができる。
まず、ボンド基板1として用意されたベア基板の表面に酸化膜10を形成する。表面に酸化膜10が形成されたボンド基板1の表面から水素イオンの注入を行い、所望の深さに均一に水素高濃度層11を形成する。水素高濃度層11の深さが、得られる活性シリコン層9(SOI層)の厚さを決めることになる。
【0029】
次に、ベース基板2としてはベア基板をそのまま用いる。ここで、ボンド基板1をベア基板とし、ベース基板2を酸化膜付基板としても良い。また、共にベア基板または酸化膜付基板としても良い。これらの材料基板の表面に付着しているパーティクルおよび有機物等を除去するため、材料基板の接合前に洗浄工程を行う(B)。この洗浄工程では、例えば、SC−1洗浄とSC−2洗浄を組み合わせたいわゆるRCA洗浄等の洗浄を行う。本発明においては、このSC−1洗浄において洗浄液の温度を25〜60℃、好ましくは30〜50℃に設定する。これにより、貼り合わせ面を必要以上に荒らすことなくパーティクルや有機物除去が可能となり、全面でブリスターフリーとなる貼り合せ基板を得ることができる。この場合のSC−1洗浄液の濃度は、一般的に用いられる範囲、例えば、NH4OH(29wt%):H2O2(30wt%):H20=1:1:5〜1:1:10を用いればよい。このSC−1洗浄は1回のみ行う場合に限られず、例えば、洗浄液濃度、洗浄時間を変えて複数回に分けて行うこともできる。
【0030】
また、その後の乾燥工程(C)では水置換法ではなく吸引乾燥法を用いることが好ましい。吸引乾燥法によれば、IPA等の引火性のある有機溶媒を用いる必要がなく、安全性が高いからである。また、複数枚のウエーハを同時に処理できるため、作業効率が良いからである。
【0031】
この吸引乾燥法は、図3に示したように、真空吸引ライン22が設置された乾燥台座21に基板Wを垂直に載せ、真空ポンプ23で基板Wの両表面周りに存在するクリーンエアを気流として吸引すると同時に基板Wの両表面上の水滴や水膜を吸引除去して乾燥させる方法である。この方法によれば、基板表面上の水分量を必要以上に低減させずに適度な量にすることができる。また、乾燥台座に複数枚数の基板を載置可能とすることで、同時に多数の基板を乾燥することができるので、生産性の向上を図ることができる。
【0032】
次に、接合工程(D)において、ボンド基板1の表面とベース基板2の表面を接合する。この時、接合工程の雰囲気や材料基板を保管した容器から、パーティクル汚染および有機物汚染を受け易いので、洗浄工程、乾燥工程を行った後は、出来る限り早く接合工程を行うことが望ましい。
【0033】
剥離熱処理工程(E)においては、接合した基板を400〜600℃程度の低温で熱処理すると、ボンド基板1内に形成された水素高濃度層11に欠陥層が形成される。欠陥層がボンド基板1内部で水平方向に繋がることで、ボンド基板1の剥離が行われる。これにより、ボンド基板1の一部が活性シリコン層9としてベース基板2上に転写して、SOI基板となる。
【0034】
結合熱処理工程(F)においては、接合界面の接合力を高めるため、酸化性雰囲気または非酸化性雰囲気で1000℃以上の結合熱処理を行い、強固に結合させて安定化する。最後に研磨工程(G)において、SOI層表面のダメージを除去し、マイクロラフネスを向上させるための研磨を行う。研磨の代わりに水素アニール等の熱処理を行うこともできる。
以上の一連の工程により水素イオン剥離法によるSOI基板15が完成する。
【0035】
尚、ブリスター不良の有無は、剥離熱処理工程(E)の後のSOI基板を目視することで確認することが可能である。本発明の製造方法における洗浄方法によれば、貼り合わせ面を必要以上に荒らすことなくパーティクルや有機物除去が可能となるため、全面でブリスターフリーとなる貼り合せ基板を高歩留りで得ることができる。特に、従来、全面ブリスターフリーとなる貼り合せ基板を低歩留りでしか得ることができなかった、直径300mmを超える基板を製造する場合に本発明は極めて有効である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
ここでは、貼り合せ基板の作製法の一種である水素イオン剥離法を用いてSOI基板を作製した。製造工程は図1に示された工程図における剥離熱処理工程(E)までを行った。
先ず、厚さ150nmの酸化膜を形成した直径300mmのシリコン基板に8×1016ions/cm2 の水素イオンを注入したボンド基板と、ベアシリコン基板をベース基板として用意した。
次に、両基板を硫酸過水洗浄を行った後、下記の表1に示す3条件で洗浄(SC−1洗浄+SC−2洗浄)した後、純水で十分リンスした。続いて吸引乾燥法を用いて両基板を乾燥した。
【0037】
【表1】
【0038】
尚、この基板を接合する前の洗浄工程後に乾燥工程を行った基板の洗浄効果を確認するため、別途用意した基板について基板上のパーティクル数をKLA−Tencor社製パーティクルカウンターSP1で測定したところ、いずれの条件で洗浄した基板においても、0.2μm以上のパーティクルは、10個/基板以下しか検出されず、洗浄が有効に行われていることが判った。
【0039】
次いで、ボンド基板の酸化膜面とベース基板の片面とを室温で接合した。そして、接合した基板に水素高濃度層が剥離する500℃で熱処理を行って、ボンド基板を薄膜化した。その後、作製されたSOIウェーハの表面を蛍光灯下の目視検査して発生したブリスターの個数とサイズとボイドの個数を測定し、表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示すように、実施例1および実施例2におけるSOI基板は、ブリスターフリー率が高く、ボイドも検出されていない。また、基板に生じたブリスターのサイズも3mm以下と小さいことが判る。よって、本発明の製造方法により、貼り合せ基板製造の歩留りの向上を図ることができることが判る。
一方、比較例におけるSOI基板は、ボイド数は少ないものの、通常の洗浄液温度によりSC−1洗浄を行ったため、面が粗れておりブリスターフリー率は低いことが判る。さらに基板に生じたブリスターのサイズは4mm以上と大きく、製造歩留りが低いことが判る。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、イオン注入剥離法によりボンド基板を薄膜化してSOI基板を製造する場合を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、研削・研磨、エッチング等のイオン注入剥離法以外の方法でボンド基板を薄膜化する場合であっても、2枚の基板を洗浄して接合する工程は全く同様に有するのであり、このような洗浄工程に本発明を適用し、貼り合わせ基板を製造する方法であれば、本発明の範囲内である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、300mmを超える大直径の貼り合せウエーハであっても、ブリスター不良やボイド不良が発生することを防止することができ、貼り合せウエーハの製造歩留りを大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼り合せ基板製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】貼り合せ基板のブリスター不良およびボイド不良を示す説明図である。
【図3】吸引乾燥法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ボンド基板、 2…ベース基板、
9…活性シリコン層、 10…酸化膜、 11…水素高濃度層、
12…ブリスター不良、 13…ボイド不良、 15…SOIウエーハ
21…乾燥台座、 22…真空吸引ライン、 23…真空ポンプ、
W…基板(ウエーハ)。
Claims (4)
- 直径300mm以上の貼り合せSOI基板の製造方法であって、少なくとも、前記貼り合せ基板の材料となる二枚の基板の少なくとも一方を酸化膜付きシリコン基板とし、前記貼り合せ基板の材料となる基板の一方を、水素、希ガスまたはハロゲンガスイオンが注入されたものとして、これら二枚の基板をSC−1洗浄する工程と、該洗浄した基板を乾燥する工程と、該乾燥した基板を接合する工程と、該接合した基板の一方を剥離して薄膜化する工程を含み、前記SC−1洗浄する工程における洗浄液の温度を25℃以上60℃以下とすることを特徴とする貼り合せSOI基板の製造方法。
- 前記SC−1洗浄における洗浄液の温度を30℃以上50℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載した貼り合せSOI基板の製造方法。
- 前記乾燥工程は、前記洗浄された基板表面の水分を吸引して除去する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した貼り合せSOI基板の製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする貼り合せSOI基板。
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