JP4016324B2 - 超電導線材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導線材と、その製造方法に関するものである。特に、製造性と強度の両立を実現できる超電導線材と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パイダーインチューブ法によりBi2223相などの酸化物超電導体を長尺のテープ状線材に形成する技術が知られている。この方法は、まず超電導相の原料粉末を銀などの第1金属パイプに充填する。次に、この第1金属パイプを伸線加工して単芯のクラッド線とする。さらに、複数のクラッド線を束ねて銀などの第2金属パイプに挿入し、熱処理して各クラッド線の第1金属パイプ同士ならびに第1・第2金属パイプを拡散接合で一体化し、その後、伸線加工して多芯線とする。この多芯線を圧延加工してテープ状線材とする。テープ状線材に一次熱処理を施して目的の超電導相を生成させる。続いて、このテープ状線材を再度圧延してから二次熱処理を施して、超電導相の結晶粒同士を接合させる。これら2回の塑性加工と熱処理は、1回しか行わない場合もあるが、一般に大気雰囲気下にて行われる。そして、金属シース中に多数の超電導フィラメントが含まれるテープ状線材を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の超電導線材では、次のような問題があった。
▲1▼第1・第2金属パイプに純銀を用いると、十分に強度のある線材を得ることが難しい。第1・第2金属パイプに純銀を用いると、多芯線作製時の熱処理による拡散接合は良好に行われ、加工性にも優れるため、その後の伸線も支障無く行える。しかし、純銀は強度に乏しく、一定磁場発生中に生じる電磁力に耐える十分な機械的強度を具えた線材を得ることが難しい。
【0004】
▲2▼第1・第2金属パイプに銀合金を用いると、製造性に劣る。例えば、MnやSnを添加した銀合金は、熱処理により添加元素の酸化物を形成し、この微細酸化物の分散強化により線材の強度を向上することができる。しかし、銀合金は純銀に比べて拡散接合性に劣る。また、加工性も乏しいため、伸線加工時を断線なく円滑に行うことが難しい。
【0005】
従って、本発明の主目的は、多芯線作製時の熱処理による拡散接合が確実に行え、かつ強度の高い超電導線材と、その製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多芯線作製時、異なる材質からなる金属パイプを段階的に用いて細径加工を行うことで上記の目的を達成する。
【0007】
すなわち、本発明超電導線材の製造方法は、超電導相の原料粉末を第1金属パイプに充填し、この第1金属パイプに塑性加工を施して得たクラッド線を用意する工程と、複数本の前記クラッド線を第2金属パイプに挿入し、この第2金属パイプに塑性加工と熱処理とを施す工程と、この熱処理後の線材を第3金属パイプに挿入し、この第3金属パイプを塑性加工して多芯線を得る工程とを具えることを特徴とする。
【0008】
多芯線を作製する際、クラッド線を収納する金属パイプとして材質の異なる2種類の金属パイプを用いる。より具体的には、第2金属パイプには加工性、拡散接合性に優れる材質を用い、第3金属パイプには第2金属パイプよりも強度に優れる材質を用いる。例えば、クラッド線を収納する第2金属パイプには純銀を用いることで、熱処理でクラッド線と第2金属パイプとを十分に拡散接合させることができる。特に、クラッド線の作製に用いた第1金属パイプも純銀とすれば、各クラッド線同士の拡散接合も十分に行える。ここで言う純銀とは、純度が99%以上のものを指す。
【0009】
また、クラッド線を挿入した第2金属パイプを細径化した後、この細径化した線材を銀合金の第3金属パイプに挿入して細径化することで、強度の高い超電導線材を得ることができる。銀合金としては、Ag-Mn合金やAg-Mg合金が好ましい。MnやMgなどを添加した銀合金は、熱処理により添加元素の酸化物を形成し、この微細酸化物の分散強化により線材の強度を向上することができる。添加元素の好ましい添加量は、Ag-Mn合金の場合、Mn:0.1〜1質量%程度、Ag-Mg合金の場合、Mg:0.01〜1質量%程度である。
【0010】
また、本発明超電導線材は、複数の超電導フィラメントが金属シース内に内蔵された超電導線材であって、前記金属シースは、内側の純銀層と外側の銀合金層とを有することを特徴とする。本構造は、銀合金中の添加元素が超電導相へ拡散することを抑制する効果がある。これによって、添加元素と超電導相の化学反応による性能低下も抑制できる。
【0011】
以下、本発明をより詳しく説明する。
(製造工程の概要)
本発明超電導線材の製造工程は、通常、「原料粉末の調整→クラッド線の作製→多芯線の作製→圧延してテープ状線材の作製→熱処理」により行われる。本発明では、この「多芯線の作製」段階において、第2金属パイプと第3金属パイプの二種類を用いる。また、必要に応じて、圧延と熱処理を複数回繰り返す。例えば、「多芯線の作製」に続いて「一次圧延してテープ状線材の作製→一次熱処理→テープ状線材の二次圧延→二次熱処理」を行う。
【0012】
(原料粉末)
原料粉末には、最終的に77K以上の臨界温度を持ちうる超電導相が得られるように配合した粉末が好適である。この原料粉末には、複合酸化物を所定の組成比となるように混合した粉末のみならず、その混合粉末を焼結し、これを粉砕した粉末も含まれる。
【0013】
例えば、最終的にBi2223系超電導線材を得る場合、出発原料にはBi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOを用いる。これら粉末を700〜870℃、10〜40時間、大気雰囲気又は減圧雰囲気下にて少なくとも1回焼結する。このような焼結により、Bi2223相よりもBi2212相が主体となった原料粉末を得ることができる。
【0014】
具体的な組成比は、BiaPbbSrcCadCueでa+b:c:d:e=1.7〜2.8:1.7〜2.5:1.7〜2.8:3を満たすものが好ましい。中でもBiまたはBi+Pb:Sr:Ca:Cu=2:2:2:3を中心とする組成が好適である。特に、Biは1.8付近、Pbは0.3〜0.4、Srは2付近、Caは2.2付近、Cuは3.0付近が望ましい。
【0015】
この原料粉末は、最大粒径が2.0μm以下であり、平均粒径が1.0μm以下であることが好ましい。このような微粉末を用いることで、高温超電導相を生成しやすくなる。
【0016】
(クラッド線の作製)
クラッド線の作製は、前記原料粉末を安定化材となる第1金属パイプに充填し、この第1金属パイプを伸線することで行う。この伸線加工により、安定化材中に超電導相の原料粉末が単芯に配置されたクラッド線が形成される。クラッド線の断面形状は円形のものや多角形のものがある。
【0017】
第1金属パイプの材料としては、Ag、Cu、Fe、Ni、Cr、Ti、Mo、W、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osより選択される金属またはこれらの金属をベースとする合金が好ましい。特に、酸化物超電導体との反応性や加工性から純銀が好ましい。
【0018】
(多芯線の作製)
多芯線の作製は、2段階に金属パイプを利用することで行われる。まず、第1段階は、複数本のクラッド線を第2金属パイプ中に束ねて挿入し、この第2金属パイプを減面加工する。ここでの好ましい加工量は、減面率10%以上であり、さらに好ましくは20%以上である。ここでの減面加工によりクラッド線同士およびクラッド線と第2金属パイプとの隙間をなくす。第2金属パイプ中に挿入する一般的なクラッド線の本数は55〜85本程度である。さらに、熱処理によりクラッド線の金属材同士およびクラッド線の金属材と第2金属パイプとを拡散接合する。その際の熱処理条件は、温度:650〜850℃、時間:1時間〜50時間程度が好ましい。特に、酸化防止のため、1000Pa以下の真空下で前記の熱処理を行うことが望ましい。
【0019】
次に、第2段階は、第1段階で細径化・熱処理された線材を第3金属パイプに挿入し、さらに減面加工して細径化する。これにより、銀および銀合金の安定化材中に超電導相の原料粉末が多芯に配置された多芯線が形成される。より詳しくは、第1金属パイプの材料から構成される金属中に原料粉末が多芯に配置された中心部と、この中心部の外側に形成される金属シースとからなる多芯線が得られる。そのうち、金属シースは、内側の純銀層と外側の銀合金層の2層構造となっている。このように、純銀と銀合金の2層構造からなる金属シースを形成することで、機械的強度の高い超電導線材を得ることができる。
【0020】
この多芯線の作製に用いる第2金属パイプの断面形状もクラッド線の作製に用いる第1金属パイプと同様である。クラッド線の配置の仕方は、断面が円形の第2金属パイプ中に複数のクラッド線を多角形に配置したり、断面が六角形の第2金属パイプ中に複数のクラッド線を配置することなどが挙げられる。第3金属パイプは、一般に断面が円形のパイプが好適である。
【0021】
(圧延加工)
上記の多芯線を圧延してテープ状線材とする。多芯線からテープ状線材に加工するのは、最終的に形成される超電導導体の結晶の向きを揃えるためである。一般に、酸化物系の超電導導体は結晶の方向により流すことができる電流密度に大きな違いがあり、結晶方向を揃えることでより大きな電流密度を得ることができる。二次圧延まで行う場合、二次圧延は一次熱処理による反応で形成された空隙を押し潰し、後に行う二次熱処理で超電導体の結晶同士を強固に結合させるために行われる。
【0022】
クラッド線を多角形に配置して製造した多芯線を圧延する際、圧延方向を多角形に配置されたクラッド線の対角方向または対辺方向とすることが望ましい。
【0023】
対角方向に圧延した場合、超電導フィラメントはテープ状線材の厚さ方向に整列して並ぶ。その結果、テープ状線材の幅方向中央部に最も多数のフィラメントが積層され、両端部にフィラメントの積層数が少なくなる配列となる。中でも、中央部のフィラメントが最も大きく圧縮されているため、中央部の特性が良いテープ状線材を得ることができる。
【0024】
一方、対辺方向に圧延した場合、超電導フィラメントはテープ状線材の厚さ方向に交互に整列して並ぶ。その結果、テープ状線材の幅方向の大半にわたってほぼ均等にフィラメントが配列されて、Jc特性に優れたテープ状線材を得ることができる。特に、対辺方向への圧延は、圧縮が行いやすく、より小さい力で圧延を行うことができる。
【0025】
(熱処理)
熱処理は、代表的には一次熱処理と二次熱処理の2回行われる。一次熱処理は、主としてBi2223相などの超電導相を生成させることを目的として行われる。二次熱処理は、主としてBi2223相などの結晶粒同士を強固に結合させるために行う。
【0026】
処理温度は、一次熱処理・二次熱処理共に815℃超860℃以下とすることが好ましい。より好ましくは830℃〜850℃程度である。特に、一次熱処理を840℃以上850℃以下とし、二次熱処理を830℃以上840℃以下とすることが好適である。さらに、二次熱処理を上記温度内の異なる温度で多段階(特に2段階)に行っても良い。
【0027】
処理時間は、一次熱処理・二次熱処理共に50時間以上250時間以下とすることが好ましい。特に、二次熱処理を100時間以上とすることが好適である。
【0028】
雰囲気は、一次熱処理・二次熱処理共に大気雰囲気にて行えば良い。より好ましくは、大気と同成分からなる気流中で熱処理を施すことである。その際、熱処理雰囲気における水分の含有率を低下させることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<試験例1>
「原料粉末の調整→クラッド線の作製→多芯線の作製→一次圧延加工→一次熱処理→二次圧延加工→二次熱処理」の製造工程によりBi2223テープ状線材を製造する。これら一連の工程のうち、「多芯線の作製」で純銀の第2金属パイプと銀合金の第3金属パイプとを用いたものを実施例1、実施例2とし、純銀の第2金属パイプのみを用いたものを比較例1ならびに銀合金の第2金属パイプのみ用いたものを比較例2とした。第3金属パイプにAg-Mn合金を用いたものが実施例1、Ag-Mg合金を用いたものが実施例2である。そして、多芯線作製時の伸線加工における断線の有無と、得られた超電導テープ線材の引張強度について評価を行った。
【0030】
実施例1,2:図1に示すように、Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOの各粉末を1.81:0.40:1.98:2.20:3.01の割合で混合して混合粉末10を作製する(図1A)。混合粉末10を大気中にて700℃×8時間、800℃×10時間、133Pa(1Torr)の減圧雰囲気において760℃×8時間の熱処理を順次行う(図1B)。各熱処理後にはそれぞれ粉砕を行う。このようにして得られた粉末をさらに845℃×12時間の熱処理(図1B)して原料粉末を調整する。この原料粉末11を外径36mm、内径30mmの純銀パイプ20(第1金属パイプ)に充填し(図1C)、直径2.4mmまで伸線して断面が円形のクラッド線30を作製する(図1D)。
【0031】
図2に示すように、このクラッド線30を61本束ねて六角形となるように配置し、外径36mm、内径34mmの純銀パイプ40(第2金属パイプ)に挿入して(図2A)、これを直径33mmにまで伸線する(図2B)。伸線した線材50に圧力:500Paの真空下で600℃×5時間の熱処理を施して、クラッド線および第2金属パイプの金属材同士を拡散接合させる(図2C)。
【0032】
次に、熱処理した後の線材50を直径36mmの銀合金製第3金属パイプ60に収納し(図2D)、直径1mmにまで伸線加工して多芯線70とする(図2E)。第3金属パイプ60に用いたAg-Mn銀合金は、Mn:0.5質量%、残部がAgと不可避的不純物とからなり、Ag-Mg合金はMg:0.1質量%、残部がAgと不可避的不純物とからなる。図3に熱処理後の線材50を第3金属パイプ60に挿入した状態の断面図を示す。この図に示すように、一旦第2金属パイプとクラッド線とを拡散接合で一体化しておいてから、その外周に第3金属パイプ60が配置される。
【0033】
次に、得られた多芯線70を圧延し(一次圧延:図2F)、テープ状線材80に加工する。得られたテープ状線材80に大気雰囲気にて840℃〜850℃×50時間の一次熱処理を施す(図2G)。一次熱処理後のテープ状線材を幅4mm×厚さ0.2mmになるように再圧延する(二次圧延:図2F)。そして、再圧延後のテープ状線材80に大気雰囲気にて840℃〜850℃×50時間〜150時間の二次熱処理を施す(図2G)。
【0034】
比較例1,2:「多芯線の作製」の段階において、第2金属パイプ内に複数のクラッド線を挿入し、熱処理してクラッド線同士および第2金属パイプとクラッド線とを拡散接合させる。この熱処理条件は実施例1,2と同様である。そして、熱処理後の第2金属パイプを伸線して多芯線を作製する。
【0035】
これらの実施例1,2および比較例1,2の製造段階における伸線加工性を比べたところ、実施例はいずれも断線がなく、かつ十分強度の高い線材が得られることが確認できた。一方、比較例1は純銀の第2金属パイプを用いたため強度が低く、比較例2は銀合金の第2金属パイプを用いたため加工性が低く、伸線加工時に断線が発生した。
【0036】
<試験例2>
次に、予め純銀製第2金属パイプと銀合金製第3金属パイプを熱処理で一体化した実施例と銀合金の第2金属パイプのみを用いた比較例について銀合金中の添加元素の拡散程度を調べ、併せて得られた両超電導線材について臨界電流密度の比較を行った。
【0037】
実施例3:試験例1における第2金属パイプと第3金属パイプを予め一体化したパイプにほぼ相当する金属パイプを用いる。この一体化は第3金属パイプ内に第2金属パイプを挿入し、これらのパイプを加圧・熱処理することで実現した。内層の第2金属パイプは純銀で厚さ1mm、外層の第3金属パイプはAg-Mn0.25質量%で厚さ2mmのパイプとした。第2・第3パイプを一体化するための加圧熱処理条件は温度:200℃、圧力:10MPa、時間60分である。
【0038】
試験例1における「多芯線の作製」の段階で、上述の熱処理で一体化した外径36mm/内径30mmの金属パイプに6角形のクラッド線を挿入し、これに伸線→拡散接合→伸線を行って多芯線を得る。この拡散接合条件は試験例1と同様である。この多芯線に一次圧延加工→一次熱処理→二次圧延加工→二次熱処理の処理を施し、超電導線材を作製した。これらの圧延加工条件や一次・二次熱処理条件は試験例1に準じた条件にて行った。得られた超電導線材の超電導フィラメント内部の元素分析をX線スペクトル解析にて行ったところMnは検出されなかった。
【0039】
比較例3:実施例3における一体化されたパイプの代わりに銀合金製パイプを用いる。つまり、「多芯線の作製」の段階で、外径36mm/内径30mmのAg-Mn0.25質量%の第2金属パイプ内に6角形のクラッド線を挿入し、この第2金属パイプに伸線→拡散接合→伸線を行って多芯線を得る。さらに、多芯線に一次圧延加工→一次熱処理→二次圧延加工→二次熱処理を施して超電導線材を作製した。拡散接合や圧延加工、一次・二次熱処理条件は試験例1と同様である。得られた超電導線材の超電導フィラメント内部の元素分析をX線スペクトル解析にて行ったところMnが検出された。
【0040】
さらに、実施例3と比較例3の臨界電流密度Jcを比較すると、実施例3(2重クラッド構造)の方が20%、Jcが高かった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明超電導線材の製造方法によれば、多芯線作製時に異種材料の金属パイプを組み合わせて用いることで、加工性に優れ、高強度の超電導線材を得ることができる。
【0042】
また、本発明超電導線材によれば、複数の超電導フィラメントが金属シース内に内蔵された超電導線材において、内側の純銀層と外側の銀合金層とを具える金属シース構造を有することで、高強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明超電導線材の製造工程におけるクラッド線作製段階までの説明図である。
【図2】本発明超電導線材の製造工程における多芯線作製段階以降の説明図である。
【図3】多芯線作製段階において、第3金属パイプに収納した線材の断面図である。
【符号の説明】
10 混合粉末
11 原料粉末
20 純銀パイプ(第1金属パイプ)
30 クラッド線
40 純銀パイプ(第2金属パイプ)
50 線材
60 銀合金パイプ(第3金属パイプ)
70 多芯線
80 テープ状線材
Claims (4)
- 酸化物超電導相の原料粉末を第1金属パイプに充填し、この第1金属パイプに塑性加工を施して得たクラッド線を用意する工程と、
複数本の前記クラッド線を第2金属パイプに挿入し、この第2金属パイプに塑性加工と熱処理とを施す工程と、
この熱処理後の線材を第3金属パイプに挿入し、この第3金属パイプを塑性加工して多芯線を得る工程とを具え、
前記第2金属パイプは第3金属パイプよりも第 1 金属パイプに対する拡散接合性に優れる材料からなり、前記第3金属パイプは第2金属パイプよりも強度に優れる材料からなることを特徴とする超電導線材の製造方法。 - 前記第2金属パイプが純銀で、前記第3金属パイプが銀合金であることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の製造方法。
- 前記超電導相がBi2223相であることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の製造方法。
- 複数の酸化物超電導フィラメントが金属シース内に内蔵された超電導線材であって、
この超電導線材は、異種材料の金属パイプを組み合わせて細径加工を行うことで得られ、
前記金属シースは、内側の純銀層と外側の銀合金層とを有することを特徴とする超電導線材。
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