JP4015743B2 - 感放射線性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に放射線に感応する感放射線性組成物に関するものであり、詳しくは半導体集積回路を作成するレジストとして好適な感放射性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積度化は、一般に言われるように3年間に4倍のスピ−ドで進行し、例えばダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ−(DRAM)を例にとれば、現在では、64Mビットの記憶容量を持つものの本格生産が開始されている。それにともない集積回路の生産に不可欠のフォトリソグラフィ−技術に対する要求も年々きびしくなってきている。例えば、64MビットDRAMの生産には、0.35μm レベルのリソグラフィ−技術が必要とされ、更に高集積度化の進んだ256MDRAMでは0.25μm レベルのリソグラフィ−技術が必要とされている。これにともない、それぞれのリソグラフィ−レベルに対応できるレジストの開発が切望されている。
【0003】
超微細化が進んでいる今日ではレジストの露光に用いられる波長も、水銀灯のi線(365nm)からKrFエキシマレ−ザ光(248nm)へと短波長化が進んでおり、このような短波長露光に適したポジ型レジストとして、化学増幅型ポジ型フォトレジストが種々提案されている。(特公平2−27660、特開昭63−27829号)。化学増幅型レジストとは、放射線(紫外線、遠紫外線、X線、例えば電子線のような荷電粒子線等)の照射により発生した酸の触媒作用により放射線照射部の現像液に対する溶解性を制御するレジストであり、酸発生剤と酸触媒反応によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するような化合物を含有する。このような化学増幅型ポジ型フォトレジストに於いても、解像力、矩形性等の点でさらなる改良が求められている。
【0004】
未露光部と露光部との溶解度差を大きくする試みとして、アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤及び分子内にビニルエーテル基を2つ以上もつ化合物を含むレジスト材料(特開平5−100429号、同5−100428号)が提案されている。これは、レジスト液を塗布した後、ベークにより基板上で熱架橋させアルカリ不溶性とし、露光した酸で架橋した部分を分解し画像を形成するというものである。しかしながら、この方法ではベース樹脂のアルカリ可溶性が大きいため、ビニルエーテル基を持つ化合物を多量に入れる必要があり、現像時にスカムが発生しやすく、少量の場合には未露光部の溶解速度が十分に落ちず、溶解コントラストが不足するため解像性が低下してしまうという問題があった。
【0005】
さらには前記アルカリ可溶性樹脂の代わりに特定のアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性基を酸により分解する特定の置換基で部分的に保護した樹脂、光酸発生剤及び分子内にビニルエーテル基を2つ以上もつ化合物を含むレジスト材料が提案されている(特開平9−274320号)。この方法は、分子内にビニルエーテル基を2つ以上もつ化合物を少量添加することで解像力を保っているが、プロセス条件によってはビニルエーテル化合物をすべて架橋させることは難しく、添加して架橋しなかったビニルエーテル化合物がアルカリ不溶であるために、現像時にスカムが発生しやすくなり、また十分な架橋を行なうためには比較的高温または長時間を要し、現在の高いスループットを求められるプロセス条件には不十分であることがわかった。また、特開平9−62006号では酸性化合物をさらに添加しているが、アルカリ可溶性部分を保護した置換基が室温で酸と反応して分解するようなアセタール基のような置換基の場合、レジスト液の保存安定性が劣る。
【0006】
さらには、未露光部と露光部との溶解速度差を大きくする別な試みとして、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性基を酸により分解する特定の置換基で部分的に保護した樹脂をアセタール基で架橋させた樹脂を含むレジスト材料が提案されている(SPIE Vol.3049、p.324)。この方法は樹脂を架橋させることにより未露光部の溶解速度が小さくなり解像力を向上させるとともに、耐熱性も向上している。しかしながら、該レジスト材料は、照射光とその基板からの反射光の干渉に起因するパターン寸法精度を改善する目的で基板上又はレジスト膜上に近年多く利用されている反射防止膜(例えば、特開平6−148896号公報等)と併用した場合、反射防止膜の成分として含まれている酸により、架橋成分が分解され未露光部の溶解抑止効果がなくなり、得られるパターンの頭部が丸くなるという欠点を有することがわかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決した放射線を用いたクオーターミクロンリソグラフィ−に対応できる高解像度を有する感放射線性組成物を提供することである。特に、化学増幅型レジストにおいて反射防止膜と併用時にも感度、パターン形状、塗布膜の膜ベリが少ないが得られる感放射線性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、感放射性塗布組成物の構成成分である、塗膜形成性樹脂がその構造中に特定の部分構造を有する樹脂であることを特徴とする感放射線性組成物により上記目的が達せられることを見出した。即ち、本発明の要旨は塗膜形成性樹脂(a)及び光酸発生剤(b)を含有する感放射線性組成物に於て、樹脂(a)がフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂又は該アルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基の一部が酸分解性保護基で保護された樹脂であり、かつフェノール性水酸基の一部が架橋して、下記一般式(1)又は(2)の構造を形成している樹脂であることを特徴とする感放射線性組成物に存する。
【0009】
【化3】
(式中、Xは2価の連結基、Yは3価の連結基を示す)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂(a)は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂又は該アルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基の一部が酸分解性保護基で保護された樹脂(以下、ベース樹脂という)であり、かつフェノール性水酸基の一部が架橋して、前記一般式(1)又は(2)の構造を形成している樹脂である。フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂、もしくはこれらの誘導体である。ポリビニルフェノールの誘導体としては、例えばヒドロキシスチレン単独での重合またはヒドロキシスチレンと各種のビニルモノマ−とを共重合して得られる樹脂である。ヒドロキシスチレンと共重合するビニルモノマ−としては、スチレン、アクリル酸、ビニルアルコ−ルまたは、これらの誘導体などが用いられる。
【0011】
ポリビニルフェノ−ルとしては、具体的には、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独または2種以上をラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合した樹脂が用いられる。また、重合後樹脂の吸光度を下げるために水素添加を行なったものを用いてもよく、又、芳香族化合物モノマ−中に本発明に悪影響を与えない限りハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有しても良い。
【0012】
ノボラック樹脂としては、フェノ−ル、o −クレゾ−ル、m −クレゾ−ル、p −クレゾ−ル、3−エチルフェノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ル、フェニルフェノ−ル等のアルキル基又はアリ−ル基で置換されていてもよいフェノ−ル類;2−メトキシフェノ−ル、4−メトキシフェノ−ル、4−フェノキシフェノ−ル等のアルコキシ又はアリ−ルオキシフェノ−ル類;α−ナフト−ル、β−ナフト−ル、3−メチル−α−ナフト−ル等のアルキル基で置換されてもよいナフト−ル類;1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシ−5−メチルベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等のアルキル基で置換されてもよいポリヒドロキシベンゼン類等のヒドロキシ芳香族化合物とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類、アセトン等のアルキルケトン類等のカルボニル化合物とを、例えば塩酸、硫酸、しゅう酸等の酸触媒の存在下、加熱し、重縮合させることにより製造されたものが挙げられる。
【0013】
尚、上記ヒドロキシ芳香族化合物は本発明に悪影響を与えないかぎりハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有していても良い。又、これらの樹脂は必要に応じ、更に、水素等により還元し、短波長領域の吸光度を低くしたものを用いても良い。
樹脂(a)の重量平均分子量はポリスチレン換算値(ゲル・パ−ミエ−ション・クロマトグラフィ測定)で、通常、1,000以上100,000以下、好ましくは2,000以上60,000以下、さらに好ましくは2,000以上30,000以下のものが用いられる。
【0014】
分子量が、この範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、耐熱性も悪くなり、この範囲よりも大きいと露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、レジストのパタ−ンが得られない。酸分解性保護基としては、酸により脱離する保護基なら特に限定されるものではなく、下記式(3)、(4)または(5)で表わされる基の少なくとも一種が挙げられ、中でも式(3)の化合物が望ましく、特にはエトキシエチル基が好ましい。これらの酸分解性保護基は単独で用いても併用して用いてもよい。
【0015】
【化4】
【0016】
(式中、R1 〜R5 は独立に、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基であり、R1 とR3 は結合して環を形成していてもよい。R6 及びR7 はアルキル基を表わす。)
R1 〜R5 で表わされるアルキル基またはアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましく、より好ましくは、1〜4であり、R6 及びR7 で表わされるアルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。R1 とR4 が結合して環を形成する場合、−R2 −R3 −としてはアルキレン鎖が例示され、−CH2 CH2 −又は−CH2 CH2 CH2 −であるのが好ましい。
【0017】
式(3)で示される具体的な例としては、エトキシエチル基、2−クロロエトキシエチル基、エトキシプロピル基、プロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、iso−ブトキシエチル基、t−ブトキシエチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に解像性の点からエトキシエチル基が好ましい。
【0018】
式(4)で示される具体的な例としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にはt−ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(5)で示される具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にはt−ブチル基が好ましい。
尚、前述のベース樹脂は単独もしくは2種以上を混合しても使用できる。
【0019】
また、ベース樹脂の保護基の導入率としては耐熱性及び画像形成能の点から、通常フェノール性水酸基の0〜60%が適当であり、より好ましい導入率としては10〜60%さらに好ましくは20〜50%である。酸分解性保護基は、後述の光酸発生剤から生じる酸の作用により脱離し感放射線性組成物の現像液への溶解性向上に寄与する。
本発明のベース樹脂としては、ポリビニルフェノール又はその誘導体の水酸基の一部に酸分解性保護基を有する樹脂が特にエキシマレーザーを光源とする場合、樹脂の透明性及び露光前後の溶解性のコントラストの点から特に有利であり、より具体的にはベース樹脂が下記一般式(6)で表わされるものである。
【0020】
【化5】
【0021】
(式中T1 、T2 及びT3 は前記一般式(3)、(4)及び(5)から選ばれる基を表わす。ただし、T1 、T2 及びT3 は異なる酸分解性保護基である。Z1 〜Z8 は独立に水素原子又はメチル基を表わす。また、w、x及びyはそれぞれ0または正数であるが、w、x、yが同時に0となることはなく、zは正数である。またw、x、y、zは0≦w/(w+x+y+z)≦0.5、0≦x/(w+x+y+z)≦0.5、0≦y/(w+x+y+z)≦0.5、0.4≦z/(w+x+y+z)≦0.9の関係を満たす。)
上記式(6)で表わされる樹脂の内、より好ましくはT1 が前記一般式(3)の基であり、T2 及びT3 が相異なり前記一般式(3)〜(5)で表わされる基である樹脂である。
【0022】
これらの組成比は好ましくは0.1≦w/(w+x+y+z)≦0.4、0≦x/(w+x+y+z)≦0.2、0≦y/(w+x+y+z)≦0.2、0.5≦z/(w+x+y+z)≦0.8である。wの全体(w+x+y+z、以下同様)に対する割合が0.5を、xの全体に対する割合が0.5を、yの全体に対する割合が0.5を、zの全体に対する割合が0.9を越えるか、或いはzの全体に対する割合が0.4に満たないと、アルカリ溶解速度のコントラストが小さくなり、解像度が悪くなる場合がある。w、x、y、zはその値を上記範囲内で適宜選定することによりパターンの寸法制御、パターンの形状コントロールを任意に行うことができる。
【0023】
T1 、T2 及びT3 は互いに異なる酸分解性保護基であり、前記一般式(3)〜(5)から選ばれる基を表わすが、T1 、T2 及びT3 の好ましい基は、前記一般式(3)〜(5)の好ましい基と同様である。
T1 、T2 及びT3 は特にはエトキシエチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブチル基から選ばれる基が好ましい。
【0024】
更に、本発明のベース樹脂においては、分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在し、低分子量のポリマーが多く存在すると耐熱性が低下する場合があり、高分子量のポリマーが多く存在するとアルカリに対して溶解し難いものを含み、パターン形成後の裾引きの原因となる場合がある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、ベース樹脂の分子量分布は1.0〜1.5、特に1.0〜1.3の狭分散であることが好ましい。
本発明の樹脂(a)は、前述の如きベース樹脂のフェノール性水酸基の一部が架橋して下記一般式(1)又は(2)の構造を形成している樹脂である。
【0025】
【化6】
(式中、Xは2価の連結基、Yは3価の連結基を示す)
【0026】
一般式(1)及び(2)で表される構造式の具体的な例としては、以下の構造式が挙げられる。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
架橋樹脂の合成方法の例としては、一般式(1)の両端の酸素に代えてハロゲンが付いた化合物(以下、これを架橋剤ということがある。)とベース樹脂を塩基性触媒存在下の条件で反応させることによって得ることができる。架橋剤の例としては、トリエチレングリコール ビス(クロロフォルメート)、ジエチレングリコール ビス(クロロフォルメート)、カルボノクロリディックアシッド 1,4−ブタンジイル エステル、2,2−ビス(4−クロロフォルミルオキシフェニル)プロパン、カルボノクロリディックアッシッド 1,6−ヘキサンジイル エステル、カルボノクロリディックアシッド 2−ブテン−1,6−ジィルエステル、1,4−フェニレン ビス(クロロフォルメート)等が挙げられる。一般式(I)の両端に酸素に代えてハロゲンが付いた化合物とベース樹脂を塩基性触媒存在下の条件で反応させることによって得られる架橋樹脂は、分子間及び分子内で架橋が起こり得るが本目的のためには分子間の架橋の比率が大きい方が望ましい。尚、分子間の架橋であることは分子量分布の変化で確認できる。また、ベース樹脂に対して架橋剤を反応させる場合、架橋剤の種類は2種類以上を混合して用いてもよい。架橋剤の仕込量としては、通常、ベース樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。0.1部より少ないと架橋結合の効果が充分に得られない場合があり、30部より多いと架橋結合が進行しすぎてゲル化が起こり、レジスト溶媒に架橋樹脂が溶けない場合がある。
【0030】
本発明の光酸発生剤とは露光に用いられる光または電子線などの放射線の作用によって、酸を発生するものを意味し、かかる作用を有するものであれば、何でも用いることができるが、具体的には、たとえば、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジンなどのハロゲン含有s−トリアジン誘導体、1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、四臭化炭素、ヨードホルムなどのハロゲン置換パラフィン系炭化水素、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン置換シクロパラフィン系炭化水素、ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、ビス(トリブロモメチル)ベンゼンなどのハロゲン含有ベンゼン誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリクロロメチルフェニルスルホン、2,3−ジブロモスルホランなどのハロゲン含有スルホン化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有イソシアヌレート誘導体、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネートなどのスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートなどのヨードニウム塩、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、1,2,3−トリ(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン、p−トルエンスルホン酸ベンゾインエステル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、メタンスルホン酸フェニル、メタンスルホン酸ベンゾインエステル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、トリフルオロメタンスルホン酸フェニル、トリフルオロメタンスルホン酸ベンゾインエステル、などのスルホン酸エステル類、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネートなどのo−ニトロベンジルエステル類、N,N′−ジ(フェニルスルホニル)ヒドラジドなどのスルホンヒドラジド類、下記一般式(7)
【0031】
【化9】
【0032】
(Dは−CH2 −または
【0033】
【化10】
【0034】
であり、R8 及びR9 はそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基を表わし、kは0又は1を表わす。)で表わされる化合物のなどが挙げられ、一般式(7)で表わされる化合物の例としては、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタンなどのビススルホニルメタン類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類などを挙げることができる。
これら酸発生剤のうちで好ましくは、一般式(7)で表わされる化合物であり、より好ましくは下記一般式(8)
【0035】
【化11】
【0036】
(式中、R8 及びR9 はそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)で表わされる化合物である。
一般式(8)で表わされる化合物の具体例としては、特開平9−5990号、同4−219757号、同5−249682号、同4−210960号公報等により公知の化合物及びシクロヘキシルスルホニル−(o−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(m−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(o−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(m−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(o−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(m−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(p−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(o−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(m−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(p−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(o−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(m−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(o−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(m−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(o−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(m−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(p−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(o−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(m−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(p−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(o−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(m−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(o−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(m−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(p−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(2,3,4−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(2,4,6−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−(2,3,4−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(2,3,4−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(2,4,6−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、シクロペンチルスルホニル−(2,3,4−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(o−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(m−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(o−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(m−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル−(2,3,4−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル−(2,4,6−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル−(2,3,4−トリエチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、2,4−ジメチルフェニルスルホニル−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、2,4−ジメチルフェニルスルホニル−(2,3,4−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(o−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(m−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(p−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。
これらの光酸発生剤は単独で用いても、これらのうち2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
光酸発生剤の総添加量は樹脂(a)100重量部に対して0.05〜20重量部、より好ましくは、0.1〜10重量部で用いられる。酸発生剤の量がこの範囲よりも少ないと感度が劣り、酸発生剤がこの範囲よりも多いと、酸発生剤によるレジスト膜の溶解性の低下により、レジストパターンが台形になり解像力の低下を引き起こす恐れがある。
【0038】
本発明の感放射線性組成物には本発明の効果を損なわない程度に添加剤を加えることができる。添加剤の例としては溶解抑制剤、界面活性剤、色素、増感剤、含窒素化合物等が挙げられる。
溶解抑制剤とはアルカリ現像液に対する樹脂(a)の未露光部の溶解性を制御する化合物で、酸触媒作用により脱離する基を有するものであれば低分子化合物でも高分子の樹脂でも良い。好ましくはフェノール性水酸基やカルボキシル基等の酸性官能基の水素原子を酸触媒作用により脱離する基で保護した化合物である。具体的には特開平9−62006、特開平9ー274320、特開平9ー281697、特開平9−278699、特開平9−50127、特開平9−236921号公報等に記載された化合物が挙げられる。
更に、本発明に用いられる溶解抑制剤は単独もしくは2種以上混合して使用することもできる。
【0039】
溶解抑制剤を添加する場合、その添加量は樹脂(a)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。
含窒素化合物は、酸に対して塩基として作用する化合物であり、露光から露光後ベークまでの間に、プリベーク時に発生した酸又は露光時に酸発生剤から発生した酸が移動してレジストパターンが寸法変動を起こすのを防ぐために有効である。従って、上記のごとき酸発生剤から生じた酸を中和しうる化合物であれば、特に限定されないが、有機アミン化合物が挙げられる。具体的には、例えば、ピリミジン、2−アミノピリミジン、4−アミノピリミジン、5−アミノピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,5−ジアミノピリミジン、4,5−ジアミノピリミジン、4,6−ジアミノピリミジン、2,4,5−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2−ヒドロキシピリミジン、4−ヒドロキシピリミジン、5−ヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,5−ジヒドロキシピリミジン、4,5−ジヒドロキシピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリヒドロキシピリミジン、4,5,6−トリヒドロキシピリミジン、2,4,5,6−テトラヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4−ヒドロキシピリミジン、2−アミノ−5−ヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,5−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、4−アミノ−2,5−ジヒドロキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、2−アミノ−5−メチルピリミジン、2−アミノ−4,5−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、4−アミノ−2,5−ジメチルピリミジン、4−アミノ−2,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−5−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,5−ジメトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、4−アミノ−2,5−ジメトキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジメトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メチルピリミジン、2−ヒドロキシ−5−メチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−5−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメトキシピリミジン、4−ヒドロキシ−2,6−ジメトキシピリミジンなどのピリミジン化合物類、ピリジン、メチルピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のピリジン化合物類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンなどの炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基で置換されたアミン類、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノールなどのアミノフェノール類などが挙げられるが、ピリジン類またはヒドロキシ基をもつアミン類が好ましい。含窒素化合物の含有量は、光酸発生剤の含有量に対して、0.1〜100モル%が好ましく、さらに好ましくは、1〜50モル%である。
【0040】
本発明における感放射線性組成物は、前述の樹脂(a)、光酸発生剤、溶解抑止剤、含窒素化合物等の上記各成分を溶解させ得る適当な溶媒に溶解して用いる。好ましい溶媒としては2−ヘキサノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、あるいはさらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の固形分の総量に対して重量比で1〜20倍の範囲であることが望ましい。
【0041】
本発明の感放射線性組成物を用いて半導体基板上にレジストパターンを形成する場合には、通常、上記のような溶媒に溶解した本発明の感放射線性組成物を半導体基板上に塗布し、プリベーク、露光によるパターンの転写、露光後ベーク、現像の各工程を経てフォトレジストとして使用することができる。半導体基板は、通常半導体製造用基板として使用されているものであり、シリコン基板、ガリウムヒ素基板などである。尚、基板上及びレジスト膜上には必要により公知の種々の反射防止膜を用いることも可能である。
【0042】
例えば、特開平6−148896号、同6−118630号、同6−148896号、同5−241332号、USP5688987号、同5693691号、同5368989号、同5234990号、同5110697号等に記載の反射防止膜が使用できる。
塗布には通常スピンコーターが使用され、露光には、低圧水銀灯の254nm、エキシマレーザーなどを光源とする157nm、193nm、222nm、248nmの光または電子線などが好適に用いられ、特にエキシマレーザーを光源とするのが有利である。露光の際の光は、単色光でなくブロードであってもよい。また、位相シフト法による露光も適用可能である。
【0043】
本発明の感放射線性組成物の現像液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第2級アミン類、トリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミンなどの第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキシドなどの第4級アンモニウム塩、もしくはこれにアルコール、界面活性剤などを添加したものを使用することができる。
本発明の感放射線性組成物は超LSIの製造のみならず一般のIC製造用、マスク製造用、画像形成用、液晶画面製造用、カラーフィルター製造用あるいは平版印刷用としても有用である。特に、半導体集積回路作成用として有用である。
【0044】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により何等制約を受けない。
合成例1 1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ルの合成
窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた1Lの四つ口フラスコにポリビニルフェノ−ル(重量平均分子量17200)100gとテトラヒドロフラン500mLとを加え溶解させた後、エチルビニルエ−テル30.0gを加え、しばらく攪拌し均一な溶液とした。これに、35%塩酸0.25mlを加え、ウオ−タ−バスで40℃に加熱し2時間撹拌を続けた。その後、この反応溶液に28%アンモニア水2.5mLを加え30分間攪拌した。この反応液を純水9L中に滴下して得られた沈殿をろ取した。さらに、この沈殿物をアセトンに溶解させ、その溶液を純水に滴下し沈殿させることにより目的の樹脂を回収した。回収した樹脂を真空乾燥して、100gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ルを得た。得られた樹脂を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定し、δ値6.2〜7.0の芳香族水素のシグナルとδ値5.2〜5.5のアセタ−ルメチン水素のシグナルとの面積比よりアセタ−ル化率をもとめると32.9%となった。
【0045】
合成例2 1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ルの合成
エチルビニルエ−テル32.6gを使用した以外合成例1と同様にして100gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ルを得た。得られた樹脂を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定し、δ値6.2〜7.0の芳香族水素のシグナルとδ値5.2〜5.5のアセタ−ルメチン水素のシグナルとの面積比よりアセタ−ル化率をもとめると36.0%となった。
【0046】
合成例3 架橋樹脂−1の合成
200mLの三角フラスコに、1,3−ジオキソラン50mLを入れ、そこに合成例1で得られた1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ル10gとトリエチルアミン0.059gを溶解させた。この溶液に2,2−ビス(4−クロロフォルミルオキシフェニル)プロパン0.10gの1,3−ジオキソラン5mL溶液を5分間かけて滴下させた。1昼夜攪拌させた後、1,3−ジオキソラン20mLを加え均一溶液となるまで攪拌し、その後純水750mLへ20分間かけて滴下し、架橋ポリマーを沈殿させた。この架橋ポリマーをろ取し、さらに1,3−ジオキソラン70mLに溶解させ純水750mLに滴下し沈殿させることにより下記式で示される架橋構造を有する目的の樹脂を回収した。回収した樹脂を真空乾燥して、9.7gの架橋樹脂を得た。
【0047】
【化12】
【0048】
合成例4 架橋樹脂−2の合成
合成例1で得られた1−エトキシエチルポリビニルフェノールに代えて、合成例2で得られた1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ル10gを用いた以外合成例3と同様にして合成例3と同様の架橋構造を有する9.5gの架橋樹脂を得た。
【0049】
合成例5 架橋樹脂−3の合成
200mLの三角フラスコに、1,3−ジオキソラン85mLを入れ、そこに合成例1で得られた1−エトキシエチル化ポリビニルフェノ−ル10gとトリエチルアミン0.189gを溶解させた。この溶液に2,2−ビス(4−クロロフォルミルオキシフェニル)プロパン0.30gの1,3−ジオキソラン15mL溶液を5分間かけて滴下させた。1昼夜攪拌させた後、1,3−ジオキソラン20mLを加え均一溶液となるまで攪拌し、その後純水750mLへ20分間かけて滴下し、架橋ポリマーを沈殿させた。この架橋ポリマーをろ取し、さらに1,3−ジオキソラン70mLに溶解させ純水750mLに滴下し沈殿させることにより目的の樹脂を回収した。回収した樹脂を真空乾燥して、合成例3と同様の架橋構造を有する9.8gの架橋樹脂−3を得た。
【0050】
合成例6 1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールのアセタール型架橋樹脂の合成
窒素導入管、攪拌機、温度計を備えた300mLの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量17200)20gと1,3−ジオキソラン90mLとを加え溶解させた後、35%塩酸0.05mLを加え、しばらく攪拌し均一な溶液とした。ウオーターバスで40℃に加熱した後、この反応溶液にエチルビニルエーテル8.20gの1,3−ジオキソラン10mL溶液を20分間かけて滴下した。2時間攪拌後、トリエチレングリコールジビニルエーテル0.23gを10分間かけて滴下した。さらに、2時間攪拌後、この反応溶液に28%アンモニア水0.5mLを加え20分間攪拌した。この反応液を純水1.6L中に滴下して得られた沈殿をろ取した。この沈殿物を乾燥させた後、1,3−ジオキソラン/メタノール(1/1体積比)200mLに再度溶解させ、その溶液を純水に滴下し沈殿させることにより目的の樹脂を回収した。回収した樹脂を真空乾燥して、19gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールのアセタール型架橋樹脂を得た。得られた樹脂を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定し、δ値6.2〜7.0の芳香族水素のシグナルとδ値5.2〜5.5のアセタールメチン水素のシグナルとの面積比よりアセタール化率をもとめると34.9%となった。
【0051】
実施例1
合成例3で合成した架橋樹脂−1 1.0g、光酸発生剤として、シクロヘキシルスルホニル−(4−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン0.02g、およびプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−ト5.35gを混合し、更にテトライソプロパノ−ルアミンを光酸発生剤の15モル%添加しレジスト感光液とした。この感光液を、シリコン基板上に下層用反射防止膜(Brewer Science社製、DUV32)を塗布したウェハにスピンコ−トし、ホットプレ−ト上で90℃、60秒間ベ−クし、膜厚0.72μmのレジスト膜とした。さらに、このレジスト膜上にポリビニルピロリドン1.2重量%及びパーフルオロオクチルスルホン酸アンモニウム塩3.5重量%を含む水溶液を塗布し、上層用反射防止膜を形成した。この基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレ−ザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用いて露光した後、ホットプレ−ト上で110℃、60秒間ベ−クした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパタ−ンを走査電子顕微鏡で観察することにより感度、即ち、0.30μm のライン アンド スペ−スが1:1に解像している露光量(以下、E0と表す)と解像度(露光量E0に於ける限界解像度)を評価した。
感度、解像度、パターンプロファイル及び膜ベリ量の結果を表−1に示す。
尚、膜ベリ量は、下式により算出した。
【0052】
【数1】
【0053】
実施例2
レジスト感光液中の樹脂を合成例4で合成した架橋樹脂−2にした以外は、実施例1と同様に調液し、評価を行った。結果を表−1に示す。
実施例3
レジスト感光液中の樹脂を合成例5で合成した架橋樹脂−3にした以外は、実施例1と同様に調液し、評価を行った。結果を表−1に示す。
【0054】
比較例1
レジスト感光液中の樹脂を合成例1で合成した樹脂にした以外は、実施例1と同様に調液し、評価を行った。結果を表−1に示す。
比較例2
レジスト感光液中の樹脂を合成例2で合成した樹脂にした以外は、実施例1と同様に調液し、評価を行った。結果を表−1に示す。
比較例3
レジスト感光液中の樹脂を合成例6で合成した樹脂にした以外は、実施例1と同様に調液し、評価を行った。結果を表−1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例は比較例よりも、未露光部の膜減り量が少なく、パターンプロファイルも良好である。また、解像度も架橋樹脂を用いることにより向上した。
【0057】
【発明の効果】
本発明の感放射線性組成物は、その構成成分として特定の構造を含む樹脂を用いることにより、良好な感度を維持しつつ、従来より解像力が向上し、膜ベリ量が少なく良好なパターンが得られる。さらに、近年半導体製造プロセスで用いられる反射防止膜と併用した際も良好な結果を示すものであり、実用上極めて有用である。
Claims (5)
- 樹脂(a)がポリビニルフェノール誘導体のフェノール性水酸基の10〜60%が酸分解性保護基で保護された樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感放射線性組成物。
- 酸分解性保護基が一般式(3)で示される基であることを特徴とする請求項3に記載の感放射線性組成物。
- 樹脂(a)100重量部に対し、光酸発生剤(b)を1〜10重量部含むことを特徴とする請求項1から4のいづれかに記載の感放射線性組成物。
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