JP4015298B2 - 多層中空圧縮撚線の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はおもに電線等に使用される撚線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撚線として図4及び図5に示すような中心線22を有するものが一般的であり、素線20が多数集まり複数本の素線21で形成された撚線の表面は凹凸となり、真円性、平滑性が損なわれるものである。又、中心線を有する為、当該発明品のように中空部に何かを組み入れる、或いは通すなどの行為は出来ないものである。
【0003】
又、図2に示すような単一層で形成された中空圧縮撚線では、撚線を形成する上で素線本数に限界があり、特に電線の導体として使用する場合には、導体断面積に制約を受けるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に多芯撚線の場合、撚線の外表面に大きな凹凸が生じ、その表面の真円性、平滑性が損なわれ、その結果、被覆材の厚みを薄くすることが困難であると同時に、耐圧不良を誘発させ、又、被覆材をストリップする際に導体を切断してしまう問題が発生する。
【0005】
又、単一層の中空圧縮撚線では、上記課題は解決されるものの、撚線を形成する上で素線本数及び、素線径に限界があり、従って、導体断面積に制約を受けるという新たな問題が発生する。
【0006】
そこで本発明は、真円性、かつ平滑な表面をもち、導体断面積を大きくもつ撚線を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するもので、複数本の素線を同一円周上に配し、第1層目の中空圧縮撚線を作りながら、形成される中空部に新たな複数本の素線を同一円周上に配した第2層目の中空圧縮撚線を形成する多層中空圧縮撚線の製造方法である。
【0008】
更に、形成された中空部に多層素線と同じ、又は異なる材質の線材を組み入れることにより、多層中空圧縮撚線の物理的特性の向上を図るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の多層中空圧縮撚線について、図1と図2及び図3の実施例を用いて説明する。
【0010】
図2の4は図3の目板9により均等に分割された第1層目の素線2を同一円周上に配し、複数本の素線3を一方向Xに撚掛けながら集線口10に設置した圧縮ダイス11を通過させる事により形成された第1層目中空圧縮撚線1の中空部である。
【0011】
図1の8は第1層目中空圧縮撚線1で形成された図2の中空部4に第2層目の素線6を同一円周上に配し、第2層目の複数本の素線7を目板9により均等に分割され圧縮ダイス11を通過させ第1層目と同方向Xに撚り掛けることにより形成された第2層目中空圧縮撚線5の中空部である。
【0012】
本実施例の多層中空圧縮撚線は線材を錫メッキ軟銅線とし、線径0.180mmを供す。第1層目の素線数20本、第2層目の素線数14本、撚ピッチ8.2mm、撚方向右、圧縮ダイス径1.174mmφで構成されたものである。
【0013】
直径90mmで、20穴均等分割された第1層目チップ12を通過した各素線は集合機集線口10に取り付けられた圧縮ダイス11に挿入され撚掛けされる。
【0014】
この時、中空部4を形成させる為に、圧縮ダイス11を同一円周上に配した素線が通過する際にリードワイヤーと称す、素線と同材質の線材を素線通過と同時に通すものである。
【0015】
本実施例でのリードワイヤー線径は、0.840mmφを用いて第1層目の中空部4を形成する。
【0016】
この際のリードワイヤー線径は、形成される中空部内径に合ったものが必要であり、中空部内径は参考値として計算できるものである。
【0017】
本発明では圧縮ダイス11を使って圧縮を施すが、その圧縮率とは、圧縮ダイス径を同一円周上に配した複数本の素線から構成される撚外径で除したものである。
【0018】
同一円周上に配し構成される撚外径(D)は、素線径(d)、複数本(n)において、数式1によって求められる。
【0019】
【数1】
【0020】
従って、圧縮率(P)は、数式2によって求められる。
【0021】
【数2】
【0022】
中空内径とは、同一円周上に配した複数本の素線が圧縮ダイスを通過することにより、各素線が変形をきたし形成される中空部の内径である。
【0023】
この際、各素線は圧縮変形するものであるが、形成された第1層目の中空内径(LD)は、数式3によって参考値として求められるものである。但し、第2層目の中空内径は、この限りではない。
【0024】
【数3】
【0025】
本実施例のごとく、素線径が0.180mmで第1層目の素線2を20本使用し、圧縮ダイス径1.174mmで圧縮した場合の圧縮率は、数式4、数式5で求められ、又、中空内径は数式6で求められるものである。
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】
従って、本実施例のリードワイヤーの線径は、上記数式6より、0.840mmφを用いて第1層目の中空部4を形成するものである。
【0030】
次いで、形成された中空部4に第2層目の素線14本を直径45mmで14穴均等分割された第2層目チップ13を通し、撚掛けながら挿入する。
【0031】
第2層目のリードワイヤーの線径は、第2層目の素線14本で構成される撚外径より予測されるもので、実施例では、0.600mmφを用いて中空部を形成する。
【0032】
形成された多層中空圧縮撚線の形態を図1で示す。
【0033】
又、請求項1記載で形成された中空部に、外層からの圧縮の影響を受けない外層素線と同じ線材を組み入れた請求項2記載の多層中空圧縮撚線の実施例について図6により説明する。
【0034】
図6は、第1層目の素線17本、第2層目の素線10本の外層線27本で構成される中空部に素線径0.180mmの錫メッキ軟銅線14を3本組み入れたものである。
【0035】
外層は圧縮ダイスの影響を受け接触面に変形が見られるが、中空部の3本の錫メッキ軟銅線14については外層の影響を全く受けていない状態が判る。
【0036】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではない。すなわち、上記各素線は用途に応じて所望にその線径を選定するもので、使用本数及び、撚ピッチについても撚線の径等に応じて所望に選定する。
【0037】
更に、層数は上記実施例の2層に限定されるものではなく、導体断面積の所望により、多層構成をするものである。
【0038】
以上のようであるから、請求項1記載の発明によれば、複数の層において、真円、且つ平滑な層構造を持ち、導体断面積を大きくでき、又、中心線をもたないことを特徴とする多層中空圧縮撚線を提供することができるものである。
【0039】
請求項2記載の発明において、中空部にいろいろな線材を組み入れることができる為、撚線の特性を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本請求項1記載の発明により製造される多層中空圧縮撚線を模式的に表したもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図2】従来の単層中空圧縮撚線を模式的に表したもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図3】(a)は多層中空圧縮撚線を製造する為の素線分割方法を示し、(b)は素線分割に使用する目板の平面図を示したものである。
【図4】中心線を持つ同芯撚構成の撚線を模式的に表したもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図である。
【図5】一般的な集合撚線を模式的に表したもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるD−D線断面図である。
【図6】請求項1記載の中空部に外層素線と同じ線材を組み入れた請求項2の多層中空圧縮撚線を模式的に表したもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるE−E線断面図である。
Claims (2)
- 複数本の断面円形の素線を同一円周上に配置し、形成された中空部内に、新たな複数本の断面円形の素線を同一円周上に配置し、その各層の素線を同時に撚りを掛けながら圧縮ダイス内に通過させることにより、各層の素線を同時に圧縮変形させて複数の層を形成し、その最内層の中空部には線材をもたないようにしたことを特徴とする多層中空圧縮撚線の製造方法。
- 前記最内層の中空部に、前記層からの圧縮の影響を受けることなく、前記各層の素線と同じか又は異なる線材を組み入れたことを特徴とする請求項1記載の多層中空圧縮撚線の製造方法。
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