JP4014875B2 - 磁気検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体の外部磁界による磁気特性の変化を磁性体の複素透磁率の虚部、すなわち、磁性体としての特性を失っていく周波数領域の特性を用いて検出する磁気検出装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、ハードディスクドライブなどの磁気ヘッド、モータなどに用いられるロータリーエンコーダ、バーコードリーダーの磁気ヘッドなど、着磁により記憶された磁気パターンの検出、および、携帯電話、DVD、デジタルTV等のデジタル家電において電気信号によって励磁された磁界を介して伝達される信号伝達装置などに用いられる磁気検知装置に関するものである。
【0002】
[従来の技術]
近年のマイクロエレクトロニクス、デジタル信号処理技術の発展によって、携帯電話、AV機器、パソコン等の小型高性能化が急速に進んでいる。これらのデジタル情報機器では、その性能は、デジタル信号の処理能力、すなわち、単位秒当たりどれだけのビットの信号処理が行え得るかによって決定される。従って、今後とも予想されるデジタル機器の発達は、それらの機器に利用される全ての部品に対して、さらなる高速化を要求し続けることとなる。
【0003】
磁気検知素子は、それらの機器に於いて重要な役割を果たしてきた。たとえば、磁気記憶媒体に記憶された情報の読み出し、その記憶媒体のモータに使用されるロータリーエンコーダなど多種多様にわたって使用されている。しかし、今後とも、その役割を維持し、且つ、発展させるためには、従来の技術では限界を向かえ、高速化技術に於いて高速化が可能な新たな原理に基づく磁気検知装置の開発が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
磁性体を用いた磁気検知素子は、従来技術より、MR素子(magneto-resistance effect sensor)、GMR素子(giant magneto-resistance effect sensor)、最近になって、MI素子(magneto impedance device)という新たな素子が開発されてきた。しかしながら、それらは、いずれも急激な情報量の処理に伴う高速化等の磁気検知素子への要求に応えられないでいる。
【0005】
まず、MR素子、GMR素子の両素子とも、外部磁界によって磁性体内のスピン方向が変化し、その結果、磁性体の電気抵抗が変化し、その電気抵抗変化量を外部磁界の量として検知する素子である。これらの素子の長所は、MI素子の様に交流電流を流さず、磁性体の直流抵抗を特別な回路を必要とせず直接検知できることである。しかしながら、交流電流による磁性変化を利用しないことで、検知周波数限界が、低周波数で生じてしまう。その理由を下記に示す。
【0006】
図32は、GMR素子の被検知磁界と抵抗変化(出力変化)の出力特性を示している。この図32の特性グラフからGMR素子の出力変化は、正負の被検知磁界に対する抵抗出力にヒステリシスを持っていることが分かる。これは、磁性体が被検知磁界によって一部が磁化されたままで残ることを意味する。別の考え方をすると、被検知磁界が正負印加されたとき、その変化に追随せず、元の状態に戻らない現象が現れる。これは、GMR素子が、被検知磁界の高周波数変化を検知するには、不利な素子であることを示している。
【0007】
出力のヒステリシスの原因は、磁性体の磁性特性(B−Hカーブ)におけるヒステリシス、および、磁気余効(magnetic after effect)があげられる。これらの磁気損失現象によって、外部磁界に対して、変化せず、かつ検出できない限界周波数が存在する。
【0008】
すなわち、磁気余効など損失が増加する限界周波数以下の殆どその影響を受けない磁性体の透磁率などの磁気特性が一定の特性を有する周波数帯で使用される素子であり、且つ、その使用可能周波数は損失が増加する限界周波数より一般的には1/10程度と低い。
【0009】
次に、MI素子の問題点について述べる。MI素子は、交流電流で駆動することによって、GMR素子の問題点である出力のヒステリシスを生じず、GMR素子より遥かに高感度で検知できる磁気検知素子である。
【0010】
MI素子は、交流電流を流し被検知磁界が変化すると、その電流に作用する磁性体の有効透磁率が変化することで、電流に作用するリアクタンスが変化し、且つ、その透磁率変化によって表皮効果による抵抗が変化することによって、被検知磁界によりリアクタンス、抵抗の両成分の交流インピーダンスが変化する素子である。
【0011】
いいかえると、このMI素子の原理は、磁性体の有効透磁率、即ち複素透磁率の実部の変化を利用する素子であって、その検知周波数限界は、磁性体の有効透磁率(複素透磁率の実部)の限界に依存する。したがって、MR、GMR素子と同様に、複素透磁率の虚部が急激に増加する限界周波数近傍ではなく、殆ど虚部の増加の影響を受けない有効透磁率が一定の比較的低い周波数帯で、MI素子は使用せざるを得ない。
【0012】
外部磁界が印加されたとき発生する磁気特性の一般的な2つ代表的現象がある。一つはMR、GMR、MI素子などにこれまでの磁気検知素子に利用されるスピン方向が変化することによって発生する有効透磁率変化であり、もう一つは、複素透磁率の有効成分である実部が急激に低下し、損失成分である虚部が急激に増加する領域、いいかえると、磁性体が磁性体としての性質を失っていく限界の周波数領域が変化する現象である。
【0013】
本発明は、このうちの、外部磁界による限界周波数変化を、外部磁界を検出する手段として使用した磁気検知装置である。即ち、有効透磁率が一定である必要がある従来の検知方法から、その必要性がない検知方法を新たに着想することによって、同一限界周波数特性を有する磁性体を利用しても、10倍程度の高周波まで応答周波数をあげることができるようにしたものである。
【0014】
すなわち、図33は被検知磁界と磁性体の複素透磁率の関係を示したグラフであるが、この図33のグラフに示すように、被検知磁界により磁性体の複素透磁率がμ1からμ2になった時、その複素透磁率の実部μ1'はμ1"に、複素透磁率の虚部μ2'はμ2"に変化する。従来使用されていたMR、GMR、MI素子などでは、複素透磁率の虚部が増加しない周波数領域Aで使用しており、また複素透磁率の実部がμ1'からμ2'に変化する物理現象を利用している。それに対し、本発明の磁気検知装置は、複素透磁率の実部が減少し、且つ、虚部が増加する周波数領域Bを利用し、且つ、その増減の周波数が被検知磁界により移動する物理現象を利用する。
【0015】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、高密度で記録された磁気記憶パターン、高速で変化する磁界等の被検知磁界を、高感度でかつ高速に検知することができる磁気検知装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1の磁気検知装置は、被検知磁界を受ける磁性体と、磁性体の限界周波数領域で発振する発振手段と、を備え、発振手段は、磁性体が複素透磁率の虚部である損失成分が増加し、実部である有効透磁率が急激に低下する過渡的な限界周波数領域で発振し、被検知磁界の変化を限界周波数領域の発振周波数の変化として検知することを特徴とする。
【0017】
また、請求項2のように、上記磁性体の限界周波数領域を、磁性体の磁気共鳴周波数近傍とすることができる。
【0018】
また、請求項3の発明は、被検知磁界の変化を検知し、該被検知磁界の変化を示す検知信号を出力する磁気検知装置において、磁性体と、磁性体の持つ限界周波数近傍の周波数に発振周波数を設定して発振する発振回路と、を備え、被検知磁界の変化に伴って変化する磁性体の限界周波数の変化を、発振回路の発振周波数の変化として捉え、被検知磁界の変化を発振周波数の変化として発振回路から出力することを特徴とする。
【0019】
ここで、請求項4のように、磁性体は磁気検知素子に含まれ、磁気検知素子は磁性体と共に発振回路の電流を通す導体を有し、磁性体は該導体に比して充分に高い体積低効率を有するように構成することができる。
【0020】
さらに、請求項5のように、磁性体は磁気検知素子に含まれ、磁気検知素子は、磁性体と、電気的絶縁層と、磁性体に対し電気的絶縁層を介して配置され磁性体の限界周波数の影響を受けると共に発振回路の電流を通す導体と、を有して構成することができる。
【0021】
さらに、請求項6のように、磁気検知素子の少なくとも磁性体は、薄膜プロセスを使用し、薄膜の磁性膜として形成することができる。
【0022】
さらに、請求項6の発明において、請求項7のように、磁性膜は、磁性体層と非磁性体層を積層した多層膜で形成することができる。
【0023】
さらに、請求項8のように、上記請求項3の発振回路は、磁気検知素子と同一の半導体基板上に形成することができる。
【0024】
さらに、請求項9のように、磁気検知素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生素子を、磁気検知素子の近傍に配設することができる。
【0025】
さらに、請求項10のように、被検知磁界は着磁により記憶された磁気記憶パターンとすることができる。
【0026】
さらに、請求項11のように、被検知磁界はコイルによって発生した電気信号による磁界とすることができる。
【0027】
【発明の作用】
図1は本発明の磁気検知装置の基本的な構成図を示している。この構成図に示すように、磁気検知装置は、被検知磁界により限界周波数が変化する磁性体を有する磁気検知素子1を有し、その磁性体の限界周波数を電気的に検知する為、磁性体の影響を受ける、いわゆる電気磁気結合された電流通路を有している。その電流通路は、発振回路8に接続され、磁気検知素子1の限界周波数が変化すると、その変化に伴い発振周波数が変化するように設定されている。回路に接続されるコンデンサ7は、寄生容量の影響を抑制する為に設けられたものであり、特に必要としない場合がある。
【0028】
この磁気検知装置では、被検知磁界によって発振回路8の発振周波数が変化し、その周波数の変化を磁界の検知信号として取り出す。つまり、磁気検知素子1の磁性体の被検知磁界による限界周波数の変化が、発振回路8の出力周波数の変化として取り出され、それが磁界の検知信号となる。
【0029】
このような本発明の磁気検知装置は、従来のものと比べ、利用する磁性体の複素透磁率領域の違いにより、次のような相違点がある。つまり、本発明の磁気検知装置では、従来、被検知磁気の検知手段として利用されてこなかった、透磁率が高くなれば限界周波数が下がり、透磁率を低く抑えると限界周波数がその分高くなる、という磁気現象を利用するものである。
【0030】
本発明では、上記物理現象を利用するために、必然的に複素透磁率の有効成分である実部が一定である周波数領域を検知するのではなく、損失成分が急激に増加する領域、即ち、磁性体が磁性体としての性質を失っていく磁性体の特性としては過渡的な限界周波数領域を利用する。そのことによって、同一限界周波数を持つ磁性体を利用した場合でも、従来の約10倍もの応答周波数を実現することができる。
【0031】
また、本発明では、従来のように、磁気の変化を、抵抗、リアクタンス、即ちインピーダンスとして検知するのではなく、デジタル情報処理が容易な周波数、即ち限界周波数を検知する。
【0032】
さらに、本発明の磁気検知装置では、被検知磁界による限界周波数変化を、次元を変えずに同一次元である周波数変化として検知し、且つ出力する。このことによって、検出変化量の減衰を排除でき、かつ、デジタル情報処理に適したパルス信号でも、情報が失われない周波数、周期などの時間情報に直接変換でき、従来の振幅、位相等の所謂アナログ情報を排除することができる。
【0033】
次に、本発明の請求項2のように、限界周波数領域を磁気共鳴周波数近傍とし、請求項6のように、薄膜の磁性膜を用いて磁気検知素子を構成した場合について説明する。
【0034】
この構成の磁気検知装置では、磁気検知素子の近傍の被検知磁界が変化すると、その被検知磁界の磁気記憶パターン等に応じて、発振回路の発振周波数(磁性膜の磁気共鳴周波数近傍の周波数)が変化する。その発振回路から出力される周波数信号を、例えばFM復調回路により復調し、磁気ディスクなどの磁気記憶パターン(記録情報)を出力するように動作する。
【0035】
磁気検知素子の薄膜の磁性膜は、表面積に比してその膜厚を非常に薄く形成され、高周波に対し有利な構造を持ち、つまり高周波電流や高周波磁界の表皮効果による損失を生じさせず、その磁気共鳴周波数(限界周波数とも言える)の近傍で磁気特性が急激に変化し、その変化に応じて変わる発振回路の発振周波数の変化を情報として取り出すから、例えば200Mbit/s以上の高速で情報を読み取ることができる。
【0036】
この磁気検知装置の発振回路は、磁気検知素子のできるだけ近くに配置することにより、高周波により発生する配線などの寄生容量や寄生インピーダンスの影響を少なくすることができる。また、磁気検知素子の磁性膜をできる限り薄く積層・形成することにより、高周波電流や高周波磁界の表皮効果による交流損失を低減し、高周波での動作を可能としている。さらに、請求項5のように、薄膜磁気検知素子の磁性膜を導体層から電気的に絶縁することで、磁性膜に高周波電流が流れたとき、インピーダンスが増加し発振の容易さを示すQ値が悪化して、高周波損失が増大することを防止している。
【0037】
このような本発明の磁気検知素子は、従来のMI素子とはその構造・作用において以下のような違いがある。すなわち、この磁気検知装置は、MI素子のように、磁性膜に交流電流による交番磁界を発生させるが、MI素子のように被検知磁界によるインピーダンス変化を利用するのではなく、被検知磁界により磁性膜の磁気共鳴周波数が変化することを利用して被検知磁界を検知する。
【0038】
磁気共鳴周波数は、磁性体が磁性体として働く上限の限界周波数となるもので、この周波数になると、磁性体の透磁率は急激に低下し、交流電流により発生する磁気エネルギーは、急激に熱となって損失となっていく。言いかえれば、複素透磁率の実部が急激に低下し、損失部である虚部が急激に増加する周波数である。
【0039】
この磁気共鳴周波数を検知するという点は、MI素子とは大きく原理的に異なる。MI素子は、電流が流れる部位(導体)の周りにできる磁束の大きさの変化をインピーダンスと検出する素子である。したがって、導体周りの磁路(magnetic path)の磁気抵抗(magnetic reluctance)の変化を検知する素子である。すなわち、MI素子は、磁路の形状、たとえば断面積とか長さなどに依存した素子である。それに対して、磁気共鳴周波数は、基本的に磁性膜の物理的性質(physical property)に依存した特性である。また、被検知磁界により磁気共鳴周波数が変化することは、どのような磁性材料でも発生する普遍的な物理現象である。
【0040】
よって、MI素子は、出力変化の母体となるインピーダンス値を大きくすることが有利であり、したがって、小型化すると変化量が減少する傾向がある。また、高周波化に向く材料を用いるほど、インピーダンスの絶対値が減少しやすく、且つ、高周波でのインピーダンス変化量を検知する回路構成は一般的に非常に難しい。したがって、小型化、高周波化に向かない。
【0041】
それに対して、本発明の磁気検知装置は、磁性体の性質そのものを検知するものであり、磁性体では、基となる被検知磁界を印加しない状態での磁気共鳴周波数、すなわち、自然磁気共鳴周波数が同じなら、磁気共鳴周波数の変化もほぼ同じになる。このことは、膜の厚さ、断面積や磁性体の総量などの形状的要素に制限されず、磁気検知素子を形成することができ、これにより、磁気検知装置を極めて、小型化することができる。
【0042】
また、磁性体と非磁性体とを交互に多層構造にした磁性膜は、一般に極めて磁気共鳴周波数が高く、特に非磁性体を絶縁膜にすると、その傾向が顕著である。よって、磁性膜を30nm以下の薄膜にした場合でも、その磁気共鳴周波数を例えば200MHz以上の高周波にすることは可能である。さらに、この磁性膜は微細加工ができる。よって、磁性膜の幅を、例えば200nm以下にすることは、現在の技術でも可能であり、幅200nmで厚さ30nm以下の狭い磁気記憶エリアを、そのエリアより小さい磁気検知エリアをもった薄膜磁気検知素子の磁気検知装置を用いて、例えば200Mbit/s以上の高速で磁気記録面の情報を読み取ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0044】
(第一実施形態)
図2は磁気検知装置の第一実施形態の概略構成図を示している。薄膜磁気検知素子1は、例えば厚さ0.5μmのCu或はAlの導体層6の上に、絶縁体層5を厚さ例えば0.1μmで、蒸着などにより形成し、その上に例えば厚さ30nmの磁性膜2が蒸着などにより形成される。磁性膜2は、厚さ1nmのCoSiB,FeNbZr等の軟磁性のアモルファス金属からなる磁性体層3と、厚さ1nmのCuの非磁性体層4とを多層に蒸着して形成され、磁性膜2の膜幅は、例えば横幅が30nm以下、縦幅が200nm以下と非常に微細に形成される。
【0045】
この磁性膜2は、被検知磁界によりその磁気共鳴周波数が変化する磁気検知用の磁性膜であり、磁性体層3と非磁性体層4よりなる多層膜で構成されるが、磁性体の単層膜でも原理的には実施可能である。また、非磁性体層4は金属膜としたが、絶縁性の膜でも良い。また、この磁性膜2の磁気共鳴周波数近傍でおこる磁気的変化を電気的特性の変化に変換するために、磁性体層3の近くに導体層6を配置した。被検知磁界によって磁性膜2の透磁率が変化すると、導体層6を流れる電流磁界に対して影響を及ぼすように磁性膜2は配置されている。薄膜磁気検知素子1を形成する場合、この導体層6は、磁性膜2の上層、または下層に積層することができる。導体層6と磁性膜2の間は、高周波での抵抗成分を少なくするために、絶縁体層5により絶縁されている。
【0046】
図2に示すように、薄膜磁気検知素子1の導体層6の両端にコンデンサ7を並列接続し、さらにコンデンサ7と並列に発振回路8を接続する。コンデンサ7は、導体層6に寄生する容量成分を安定化し、且つ、発振条件を整えるために、導体層6と並列に接続される。発振回路8は、アンプ9とフィルタ10を有し、発振回路8の出力側に、被検知磁界の変化分のみを取り出すために、FM復調回路11が接続される。さらに、FM復調回路11の出力をデジタル化するためにFM復調回路11の出力側にパルス整形回路12が接続される。
【0047】
発振回路8の発振条件は、コンデンサ7と導体層6のインピーダンス、及び、フィルタ10のインピーダンスにより決定される。この発振条件を磁気共鳴周波数が変化する周波数近傍の急激なインピーダンス変化が発生する条件に設定すれば、発振周波数は、磁気共鳴周波数を代表し、且つ、被検知磁界により磁気共鳴周波数が変化すると、それに伴い、発振周波数も変化し、被検知磁界の変化を信号として取り出すことができる。
【0048】
薄膜磁気検知素子1は被検知磁界による磁性膜2の磁気共鳴周波数の変化を、電気的に取りだし可能な物理量として、導体層6の電気的変化を利用して検出する。検知すべきは、磁気共鳴周波数という周波数であるから、当然、検出される物理量は周波数として検出することが、当然、最も容易である。したがって、磁気共鳴周波数近傍での磁性膜2の複素透磁率変化によって、導体層6のインピーダンスが急激に変化するので、このインピーダンス変化を、発振回路8の発振条件に組み入れれば、被検知磁界による磁気共鳴周波数の変化を、発振周波数変化として検出できる。複素透磁率については以下に説明する。
【0049】
このような薄膜磁気検知素子1を図示しない磁気ディスク装置などの磁気ヘッドに装着し、磁気ディスクの磁気記録面を検知素子1の近傍で移動させると、被検知磁界が変化し、その被検知磁界の変化に応じて、薄膜磁気検知素子1の磁気共鳴周波数が変化し、その磁気共鳴周波数の変化に応じて発振回路8の発振周波数が変化し、発振回路8から磁気ディスクの磁気記憶パターンを示す周波数信号が出力される。発振回路8から出力された周波数信号はFM復調回路11に送られ、そこで復調された磁気記憶パターンを示す波形信号が取り出され、パルス整形回路12により波形整形されデジタル化された磁気記憶パターンを示す信号が出力される。
【0050】
(複素透磁率の説明)
磁性体に高周波の交番磁界を与えて磁化させていくと、印加した交番磁界の周波数が増加するに従い、さまざまな損失が増加していく。この損失は、交番磁界の変化に、磁性体が磁化されたことにより発生する磁束がついて行けなくなり、位相が遅れていくことに起因する。
【0051】
ここで、交番磁界Hを正弦波交流とし、位相遅れをδ、発生する磁束Bとすると、
H=H0・ei ω t
B=B0・ej( ω t- δ )
と表される。
【0052】
したがって、透磁率μは、
μ=B/H=H0・ei ω t/B0・ej( ω t- δ )
=(B0・COSδ/H0)―j(B0・SINδ/H0)
μ'= B0・COSδ/H0
μ"= B0・SINδ/H0
とすれば、
μ=μ'―jμ"
と表すことができる。
【0053】
ここで、上記透磁率μは実部μ'と虚部μ"からなり、この透磁率μが複素透磁率となる。虚部μ"は、磁界Hより90度位相が遅れた磁束Bの成分を表しているから、その成分を引きずって磁化していくには、エネルギーが必要であり、この虚部μ"が磁性体内で熱として消えていく損失を代表する。次に磁性体の損失について説明する。
【0054】
(磁性体の損失)
磁性体に交番磁界を高周波で印加すると、さまざまな損失が発生する。印加する交番磁界の周波数が低い方から発生する損失を説明すると、まず、最も低い周波数から発生するものとして、ヒステリシス損がある。これは、磁化ループ(magnetization curve)がヒステリシスループ(hysteresis loop)を描くと、そのループの囲む面積をいう。すなわち、交流磁界が印加されると、その周期ごとに消費され、熱エネルギーに変換される損失である。この損失は、周波数に比例して増加する。よって、高周波まで使用する磁性体は、ヒステリシスを描かない軟磁性材料(soft magnetic material)特性が求められる。
【0055】
次に高周波になるにつれ、問題となってくるのが、渦電流損(eddy current loss)である。これは、交番磁界によって、磁性体内に電磁誘導(electromagnetic induction)によって渦電流が発生し、電流が磁性体内を流れ、熱となり消費される。特に磁壁が移動しやすい磁区構造の磁性体では、渦電流は磁壁の付近に集中し、損失は、磁壁が移動しないと仮定した場合の倍以上になる。
【0056】
また、渦電流損は、表皮効果として説明することもできる。これは、高周波になるにつれ、表皮効果によって、磁化が表面に集中し、内部が磁化されない状態になっていくことを示す。この表皮効果によって、磁路(magnetic path)が狭くなり、或いは内部ほど磁束の位相が遅れることにより、損失となって表れる。
【0057】
この他にも、磁気余項(magnetic after-effect)などによる損失があるが、それらの損失を全て、解決したとしても、磁性体は、使用できる周波数に限界、すなわち磁性体として働く周波数に限界が存在する。その限界が、磁気共鳴周波数である。次に、磁気共鳴周波数について説明する。
【0058】
(磁気共鳴周波数の説明)
磁性体は、交番磁界によってスピンが磁界方向に向き、磁束となって磁化を生ずる。しかし、周波数が増加すると、ついには、交番磁界の変化にスピンの動きがついて行けなくなり、位相遅れを生じ、ついには、全く動かなくなる。
【0059】
すなわち、ある交番磁界の周波数までは、スピンの追随があるが、ある周波数で、急激に追随しなくなくなり、位相の遅れ、言い換えれば、損失分のμ"が急激に増加し、ついには、全く追随しない状態、磁性体ではない状態に近づく。
【0060】
すなわち、印加する交番磁界に対して、スピンの回転が位相遅れを生じ、その位相遅れによって,損失分のμ"が極大値を持つ位相の部分が存在し、その周波数を、磁気共鳴周波数という。
【0061】
磁気共鳴周波数は、その名が示す様に、共鳴現象である。この現象は、磁性体として働く、最も高い周波数であり、原子の歳動運動(precession)により、説明できる。原子のような微細な粒子が、磁気モーメントを持つことにより、磁界方向を軸として回転運動を行っている。その運動をラモアの歳動運動(Larmor precession)よぶ。この運動の回転周波数は、磁界の強さに影響される。
【0062】
しかし、被検知磁界を印加しないでも、磁性体にはさまざまな磁気異方性が存在し、その異方性に対応する磁界が印加されたと、同様な動きをする。この歳動運動の周波数が、結局は磁気共鳴周波数である。磁気共鳴周波数に外部から印加される交番磁界の周波数が、近づくことによって、共鳴現象を引き起こす。共鳴現象であるから、その周波数近傍で歳動運動に対して、劇的な変化をもたらす。すなわち、周波数が全て一致すると、外部から印加される交番磁界のエネルギーが歳動運動に殆ど変換され、結局は熱エネルギーに変換される。よって、虚部(μ")は極大値を持つことになる。
【0063】
また、透磁率の実部μ'も、共鳴現象によって影響を受ける。この共鳴現象の前に若干の増加を示し、急激な減少に転ずる。これは、共振等の一般的に表れる現象である。急激な減少は、スピンが動かなくなるために、印加される交番磁界につれて発生する磁束、すなわち、有効な透磁率が急激に減少することを意味する。
【0064】
図3は、実際の複素透磁率(μ'、μ")の変化と磁気共鳴周波数の関係を示している。磁気共鳴周波数は、共鳴現象により、損失分であるμ"が極大値を示すところであり、その近傍で、μ'は急激に減少に転ずる。本発明では、この磁気共鳴周波数近傍の磁性体のμ'、μ"の急激な変化を、外部磁気を検知するために使用している。
【0065】
ただし、磁気共鳴周波数以下でも、たとえば、前記のさまざまな原因により、磁性体は、損失が発生し、磁気共鳴周波数と同様に、急激な複素透磁率(μ'、μ")の変化を起こすことがある。また、急激な損失増加の周波数が、被検知磁界により変化することがある。これらを検知することによっても被検知磁界を検知することが可能であり、広い意味で磁気共鳴周波数の検知の概念に入る。また、最も高い周波数まで磁気を検知可能な磁気共鳴周波数を使用することは、将来にわたってその利用価値は高い。よって、次に、被検知磁界による磁気共鳴周波数の変化について説明する。
【0066】
(被検知磁界による磁気共鳴周波数の変化)
磁気共鳴周波数は、被検知磁界により以下のように変化する。すなわち、磁気共鳴周波数は、上述のように原子レベルの歳動運動であるから、下記の理論式のように、電子の電荷などを用いて表すことができる。
【0067】
ω=g・μ0・e・H/2m
ここで、ωは磁気共鳴周波数(magnetic resonance angular frequency)
μ0は真空透磁率(space permeability)
eは電子の電荷(charge)
mは電子の質量(mass)
gはジャイロ係数(gyro-magnetic ratio)
Hは磁界の強さ(magnetic field)
γ=g・μ0・e・/2m
γはジャイロ磁気乗数(gyro-magnetic constant)
ω=γ・H
磁気共鳴周波数ωは、一般には、上記の式のようになり、結論的には、磁界とジャイロ磁気乗数とに比例する。磁性体は、被検知磁界がないときでも、一般的に磁気共鳴周波数は0とならない。したがって、外部の磁界がない時の磁気共鳴角周波数を自然磁気共鳴周波数ωo(natural magnetic resonance angular frequency) といい、以下の式の様に表される。
【0068】
ωo=γ・Ha
ここで、Haは異方性磁界(anisotropy field)である。磁性体には、何らかの磁気異方性(magnetic anisotropy)があり、その存在により自発磁化(spontaneous magnetization)Isの影響を受けて、磁気共鳴周波数は0とはならない。このような自発磁化を生じさせる磁界つまり異方性磁界(anisotropy field)Haは次の式で表される。
【0069】
Ha=2K1/Is
ここで、K1は異方性乗数である。
【0070】
さらに、磁気共鳴角周波数ω、その有効磁界Heff及び反磁界Hdemは以下のように表される。
【0071】
ω=γ・Heff+ω0
Heff=Hex−Hdem
Hdem=Ndem・M/μ0
結論的に言えば、磁気共鳴周波数(ω)は被検知磁界(Hex)が加わると自然共鳴周波数(ωo)から増加していく。その周波数の増加には、上記の式で示されるように、有効磁界(effective field)Heffが支配的に関与する。
【0072】
定性的に前式を説明すると、磁性体には、被検知磁界(effective field)が印可されると磁性体端部に磁極が現れることにより、被検知磁界に反対方向に反磁界(demagnetizing field)Hdemが発生する。したがって磁性体に有効に働く有効磁界(effective field)Heffは、印加される被検知磁界と反磁界の差によって表される。反磁界は、反磁界係数Ndemと呼ばれる係数で、磁化ベクトルMの一部が転化されると考えられる。
【0073】
図4は磁界と磁気共鳴周波数と被検知磁界との関係を示している。被検知磁界が0の付近では、被検知磁界のエネルギーが、磁壁エネルギーに転化されやすいこと、及び、反磁界の影響を受けやすいことから、被検知磁界に対して増加する割合は低い。また磁界が大きくなると、磁性体の磁気共鳴周波数が有限であることから、被検知磁界に対しての磁気共鳴周波数の増加率が鈍る。また、被検知磁界による影響は、磁化ベクトルの符号(正負方向)に関わらず同一であるから、被検知磁界と磁気共鳴周波数の関係は図4のように表される。次に、磁気共鳴周波数の検出について説明する。
【0074】
(磁気共鳴周波数の検出)
磁性体の複素透磁率の変化を電気的特性に変換する。磁性体の複素透磁率の変化は電気インピーダンスの変化に影響を及ぼし、その変化を検出するためには、磁気インピーダンス(magnetic impedance)と電気インピーダンス(electric impedance)が、カップリングしていることが不可欠である。つまり、被検知磁界により磁気共鳴周波数が変化する磁性体に隣接して、電気回路を構成する電流が流れる導体部が配置されることが不可欠である。この条件下で、一般的に知られるように、磁気インピーダンスと電気インピーダンスの関係は、下記のように示される。
【0075】
Zm・Z=jωN2
ここで、Zm:磁気インピーダンス、Z:電気インピーダンス、N:コイル巻き数である。
【0076】
ここで、導体を磁性体が囲む場合、コイル巻き数は1であるから、N=1とすると、
Zm=L/(μ*・S)
となり、ここで、Lは磁気回路の長さ、Sは磁気回路の断面積、μ*は複素透磁率である。
【0077】
ZL=jωS(μ′−jμ")/L
ZL=ωS(μ"+jμ')/L
となる。
【0078】
上記式に示す様に、電気インピーダンスZにおいて、磁気インピーダンスZmの損失分の虚部が、電気インピーダンスZの実部、すなわち電気回路における抵抗分(損失)となり、同様に磁気インピーダンスZmの実部が、電気インピーダンスZの虚部となる。このことは、磁気回路の損失は、電気回路に変換されても損失となる。
【0079】
したがって、磁性体にカップリングされた導体の電気インピーダンスZは、磁性体の透磁率の変化を検出でき、磁性体の透磁率の実部(有効透磁率μ')を電気インピーダンスZの虚部として検出し、磁性体の透磁率の虚部(損失部である透磁率μ")は、電気インピーダンスZの実部(損失)として検出する。また、導体の交流損失などは、電気インピーダンスZの実部(損失)として検出する。電気インピーダンスZにおいて、実部は、導体、磁性体などのあらゆる損失成分を表し、虚部は伝達される損失とならない成分を表す。よって、極めて高い周波数である磁気共鳴周波数まで検出する素子では、磁性体、及び導体などあらゆる損失が、その周波数まで増加しない工夫が要求される。
【0080】
次に、図5のインピーダンスモデル図を参照して磁気共鳴周波数による電気的特性の変化の例を説明する。上述のように、複素透磁率の変化は、電気インピーダンスの変化として検出でき、実際に電気インピーダンスは以下のように変化する。
【0081】
図5は、磁性体とその磁性体に磁気的にカップリングした導体を有する磁気検知素子Dと並列にコンデンサCを接続したモデルを示している。磁性体は、実際の磁気特性に近づけるため、1軸磁気異方性を付与された一般的なアモルファス金属の単層薄膜磁性膜の複素透磁率特性と仮定した。磁気検知素子DのインピーダンスZLとコンデンサCのインピーダンスZcは、以下に示す式で表すことができる。
【0082】
ZL=ωS(μ"+jμ')/L
ZL=Ksl・ω(μ"+jμ')
ここで、Ksl=S/L=10^−7と仮定すると、
Z=1/jωC
C=0.5pF
1/Z=1/ZL+1/ZC
上記インピーダンスZにおいて、図6、および図7に示すように、交番磁界に対し低周波数で複素透磁率μ'は120程度、複素透磁率μ"は4程度であり、磁気共鳴周波数は2.1GHzとして、である。
【0083】
また、複素透磁率から、導体の両端のインピーダンスを計算する上で、比例乗数となる式上のS/LをKslとし、その値を10^−7とし、複素透磁率(μ' μ")の値から磁気検知素子の導体の両端のインピーダンスZLを求めた。
そして、コンデンサCは、0.5pFと仮定した。
【0084】
一般に、磁性体と導体の間には寄生容量が存在し、その寄生容量は並列に存在すると考えられるから、コンデンサCを並列に接続したモデルとした。その寄生容量は、安定して存在しないため、容量変化の影響を受けないように、より大きな容量として、ここでは0.5pFのコンデンサCを挿入した。安定した容量を得ることができれば、コンデンサCの並列挿入は必要ない。
【0085】
このように、図5の回路モデルにおいて、コンデンサCの容量、磁気共鳴周波数、複素透磁率(μ'、μ")を設定した場合、上記式を用いて算出したインピーダンス及び複素透磁率の周波数に対する変化を、図6のグラフに示す。求めるインピーダンスZは、磁気検知素子のインピーダンスZLとコンデンサのインピーダンスZcの並列接続の和である。また、導体の表皮効果などの高周波損失は、無視した。
【0086】
この図6のグラフに示すように、インピーダンスZは、周波数が100MHz近傍と、より高周波側の1000MHz近傍、つまり磁気共鳴周波数付近で、大きく変化する極値が存在することがわかる。低周波側の100MHz近傍の極値は、LC共振の周波数であり、1000MHz近傍が磁気共鳴周波数の極値である。100MHz近傍の極値は、ほぼ一定な複素透磁率μ'によるインダクタンス値とCの共振であり、この周波数近傍でのインピーダンス変化は穏やかで、発振のしやすさを示す指標であるQ値が低いことを示している。
【0087】
図7は、図6のグラフにおける磁気共鳴周波数近傍でのインピーダンス変化の拡大図を示している。図7のグラフから、磁気共鳴周波数近傍で、インピーダンスZが大きく変化することが分かる。すなわち、複素透磁率μ"の最大値の周波数が磁気共鳴周波数である。その周波数の僅かに低い周波数で、インピーダンスZが大きく変化し、まず周波数Aにおいて上向きの極値を有し、次に周波数Bにおいて下向きの極値を有している。
【0088】
また、図7のグラフから分かるように、両周波数A,Bでのインピーダンス変化は極めて大きく、そのため、Q値が大きくなり、発振回路でおいては発振条件を満たしやすく、発振が容易である。また、電気部品によってフィルタ定数を設定すると、その発振条件は、インピーダンスの極大点、極小点の何れか、及びその中間点、極大点より下の周波数、極小点より上の周波数を任意に選択することができる。つまり、磁気共鳴周波数の変化を反映する周波数範囲であって、且つその周波数で発振する条件を整えれば、磁気共鳴周波数付近のインピーダンス変化を周波数として電気的に検出することは容易である。
【0089】
つまり、磁気共鳴周波数付近で発生するインピーダンス変化は、磁気共鳴現象による複素透磁率変化により引き起こされる現象であり、この極値を持つ周波数は、磁気共鳴周波数そのものを代表する。被検知磁界により磁気共鳴周波数は変化し、その変化に伴い、周波数A、周波数Bも変化していくから、周波数A又は周波数Bにおいて発振条件を満たすように回路を構成すれば、その発振回路の発振周波数の変化から被検知磁界の変化を検知することができる。
【0090】
図8のグラフは、磁気共鳴周波数と複素透磁率の関係を示している。磁気共鳴周波数と複素透磁率の関係は、スノエク(Snoek)によって、古くから実証されてきた。スノエクは、同一磁性体で、透磁率(複素透磁率μ')を下げると磁気共鳴周波数は上がり、逆に透磁率が上がれば、共鳴周波数は下がり、限界線以上に、透磁率と磁性体の使用限界(磁気共鳴周波数)の両方を上げることはできないことを示した。このことは、被検知磁界により磁気共鳴周波数が変化すると、それに伴い、複素透磁率も変化することを意味している。
【0091】
(第二実施形態)
図9は第二実施形態における磁気検知装置の構成図を示している。この実施形態の回路では、図2に示す第一実施形態の回路に、基本周波数制御回路13を付加したものである。
【0092】
この基本周波数制御回路13は、発振回路8の発振周波数を自然磁気共鳴周波数から予め高い周波数にオフセットさせ、且つ、その周波数を一定に維持させるために接続される。被検知磁界の変化により薄膜磁気検知素子1の磁気共鳴周波数が変化したことにより発振周波数が変化する発振回路8、その変化量のみ、すなわち外部磁場の変化量をベースバンド出力として取り出す為のFM復調回路11、磁気変化をN,S極のビットデータに対応したデジタルデータとして処理できる電気信号に変換するパルス整形回路12は、上記図2の例と同様である。
【0093】
基本周波数制御回路13は、発振回路8の発振周波数を検知する周波数検知回路16、バイアス磁界を発生させるバイアスコイル14、及び検知した発振周波数に基づき、バイアスコイル14に供給する電流を制御するバイアス電流制御回路15から構成される。バイアスコイル14によりバイアス磁界を発生させる理由は、磁界のN,S方向の極性の違った磁界を安定的に検知するためには、予めバイアス磁界を印加すると有利であること、及びより発振周波数を高く設定することに有効であることである。
【0094】
また、発振周波数の中心周波数をここでは基本周波数と呼ぶが、バイアスコイル14によるバイアス磁界の発生は、基本周波数を一定に維持することにより、磁性体の透磁率などの温度変化、及び地磁気など検出すべき磁界以外のいわゆる外乱磁界の影響、磁気検知素子1と着磁された記憶媒体とのギャップの変化など、外的要因による発振周波数変化を抑制するために有効である。
【0095】
基本周波数制御回路13では、周波数検知回路16が発振回路8の発振周波数を検知し、バイアス電流制御回路15は、平均的な発振周波数が予め設定された磁気共鳴周波数より高い周波数となるように、バイアス電流をフィードバック制御し、バイアスコイル14に直流成分を含むバイアス電流を印加し、発振周波数がその周波数に維持されるように、バイアスコイル14の電流を制御する。
【0096】
図10は印加するバイアス磁界と磁気共鳴周波数との関係を示すグラフ図を示している。自然界には、地磁気などの静磁界があり、これがバイアス磁界Hbと同様の働きをする。このため、安定的にバイアス磁界を設定するためには、コイルまたは磁石により磁界を発生させる必要がある。
【0097】
バイアス磁界を薄膜磁気検知素子1に印加することにより、図10に示すように、被検知磁界(磁気記憶パターン)による周波数変化の最大点を捉えて感度を上げることができ、被検知磁界の変化が周波数の増減に反映できるように磁界をオフセットすることができる。また、発振回路8の発振周波数を自然磁気共鳴周波数より高く設定することができる。したがって、このバイアス磁界により被検知磁界(磁気記憶パターン)のN,S極を、基本周波数からの周波数の増減として安定的に検出することができる。
【0098】
図11は発振周波数とインピーダンスZとの関係を示すグラフ図を示している。グラフAは被検知磁界がある場合を示し、グラフBは被検知磁界がない場合を示している。図11のグラフA,Bから、被検知磁界によりまずμ値変化が起こり、導体両端のインダクタンス成分と挿入したキャパシタ成分によるLC共振周波数と磁気共鳴周波数付近で、インピーダンスの極値を持つことが分かる。薄膜磁気検知素子1の両端に並列接続したコンデンサCは、高周波を使用する場合、磁気検知素子に寄生の容量(キャパシタ)成分が存在するため、その影響を除去する。
【0099】
被検知磁界の影響により、被検知磁界がないときのLC共振周波数A1から、磁界を印加すると、LC共振周波数B1に変化する。同様に、磁気共鳴による変曲点である周波数A2は、同様に磁気共鳴による周波数B2に変化する。このように、図11のグラフから被検知磁界(磁気記憶パターン)の変化を周波数の変化として検知できることが分かる。
【0100】
LC共振による周波数変化は、従来技術のMI素子によるインダクタンス変化を、発振周波数を用いて検知する場合の周波数変化である。このインダクタンス変化を、発振周波数を用いて検知する方法でも、被検知磁界の変化を、周波数変化して検出できる。しかし、μ値変化を周波数変化として利用すると、磁気共鳴周波数を検知する方法に比べ、被検知磁界による周波数変化が小さく検知する感度が低いという欠点がある。
【0101】
fLC∝(1/√L)∝(1/√μ')∝√fr
ここで、fr=磁気共鳴周波数
上記式は、LC共振周波数fLcと磁気共鳴周波数frとインダクタンスLと透磁率μ'の関係を示している。この式から、LC共振周波数fLcは、良く知られるように、インダクタンスLと関係づけられ、インダクタンスLが透磁率μ値(実部μ')に比例するから、結局は、スノエクが示したように、磁気共鳴周波数frの1/2乗に比例することが分かる。したがって、磁気共鳴周波数を直接検知する方式は、当然のことながら、1乗に比例するから、LC共振による周波数変化により透磁率μ値を検出する方式は、磁気共鳴周波数を直接検知する方式に比べ、感度が悪いのである。本発明の磁気検知装置は、一般的な透磁率の変化をLC共振周波数で検出するものとは異なり、磁気共鳴周波数の変化そのものを検知して被検知磁界を検知する装置であり、上記に比べ感度も良好である。
【0102】
図12は、発振回路にハイパスフィルタを加えた場合のインピーダンスZの周波数に対する変化のグラフを示している。グラフAは被検知磁界がある場合を示し、グラフBは被検知磁界がない場合を示す。この磁気検知装置の発振回路8は、その発振周波数が、磁気共鳴周波数に関係し、かつ、その近傍の周波数で発振条件を成立させ、被検知磁界を周波数として変化する必要がある。現在の電子回路技術によれば、磁気共鳴周波数は、例えば200MHz以上で2GHz程度までは実現が可能である。
【0103】
このハイパスフィルタを発振回路8内に設けることよって、発振周波数条件を、図12に示す周波数A1、又は周波数A2に設定できる。発振回路8は、薄膜磁気検知素子1に交流電流を流して発振する。発振条件は、インピーダンスZが極値をもつ周波数条件で決定される。したがって、薄膜磁気検知素子1の磁性膜2の磁気共鳴周波数で発振させるために、その他の条件の防ぐ必要がある。
【0104】
磁性膜2のインダクタンス成分と寄生容量で発振することを防ぐために、コンデンサCを挿入し、その発振条件、いわゆるLC発振条件の周波数を下げ、自然磁気共鳴周波数での発振条件と差を多くする。これによって、フィルタなどにより磁気共鳴周波数での発振を容易にし、他の周波数で発振条件が成立しないようにフィルタリングし帰還をかける。被検知磁界によって薄膜磁気検知素子1の磁気共鳴周波数が変化すると、その周波数近傍で、透磁率が増加し、インピーダンスZが低下し極小値をとる。LC発振の条件の方が、周波数が低くインピーダンスも小さいが、フィルタにより分離し磁気共鳴周波数での発振を可能にしている。
【0105】
被検知磁界を薄膜磁気検知素子1に印加すると、グラフAからグラフBに変化し、磁気共鳴周波数に対応する周波数A1、周波数A2は、周波数B1、周波数B2に変化する。周波数A1は、インピーダンスZの上の極値(a inflection point)であり、周波数A2は下の極値(a inflection point)である。周波数A、周波数Bで発振させる電子回路は、いくつか考えられる。
【0106】
例えば、図9は、フィルタ10を使用した帰還型発振回路であり、高周波の周波数を選択するために、この検知すべき周波数より低い周波数のインピーダンスを実際、又は見かけ上あげることを、フィルタ10を挿入することで実現している。挿入したフィルタ10はバンドパスフィルタとしてもよく、インダクタタンス成分を含む回路は周波数が上がるとインピーダンスが自然と上がるので、フィルタ10はローパスフィルタとしても良い。また、この他の発振回路として、反射型発振回路など具体的な実現方法は複数存在する。
【0107】
図13は、本磁気検知装置の薄膜磁気検知素子1を、磁気ディスク装置の磁気ヘッド20に装着し、ハードディスクなどの磁気記憶媒体21から磁気記憶パターンを読み出す際の模式図を示している。
【0108】
磁気記憶媒体21は、高速で回転駆動され、その微小な記憶エリアが、薄膜磁気検知素子1に対して回転移動することにより、検知素子に対し高速な磁界変化をもたらし、記憶エリアの磁極を検知する。本磁気検知装置によれば、記憶エリアの着磁パターンを、例えば200Mbit/S以上の速度で読み出しが可能である。
【0109】
図14は、基本発振周波数の波形、着磁パターンの波形、変動後の発振周波数の波形、FM復調回路11の出力波形、及びパルス整形回路12の出力波形を示している。発振回路8の発振周波数は、磁気記憶媒体21の着磁パターンの磁界を検知し、発振周波数の増減をもたらす。いま、記憶媒体のS極が発振周波数の減少、N極が発振周波数の増加をもたらすように、バイアス磁界が設定されている。
【0110】
発振回路8の基本発振周波数は、基本周波数制御回路13により所定の周波数となるように制御される。具体的には、バイアスコイル14によりバイアス磁界を印加し、発振周波数の変化の中心が、設定された基本周波数になるようにフィードバック制御される。この状態で、着磁された磁気記憶媒体21の着磁パターンが薄膜磁気検知素子1に対し高速で相対移動することにより、発振回路8の発振周波数を変化させる。図14の着磁パターンでは下側がS極を表し、発振周波数を減少させ、上側がN極を表し、発振周波数を増加させる。
【0111】
発振回路8の発振周波数の変化は、FM復調回路11により復調され、着磁パターンが、信号として出力される。そして、FM復調回路11の出力がパルス整形回路12に送られ、コンピュータ等に使用されるデジタル信号として処理するために、波形整形された信号が出力される。
【0112】
図14に示すように、磁気記憶媒体21の磁気記憶パターンを例えば200Mbit/Sで検出するためには、発振回路8の基本発振周波数は、200MHzであれば、十分である。これは、基本発振周波数の1周期が、磁気記憶媒体21のビット幅に着磁されたデータの読み出しに対応するから、1周期に1つのデータの確定をすればよく、信号処理上、極めて容易である。例えば、半周期で、着磁による磁極の判定をすることも可能であるから、少なくとも、発振周波数の2倍の速さ、すなわち400Mbit/Sのデータ読み取りは、容易である。
【0113】
また、磁気記憶媒体21の回転数により、バイアス磁界を変化させ、読み出し速度を可変することも、可能である。このことは、磁気記憶媒体21の回転速度が、定常回転に達する前にも、読み出しが可能であることを示し、総合的に読み出し時間を短縮することができる。
【0114】
図15の波形図は、基本発振周波数の2倍の速さで、着磁パターンを読み出した時の各部の信号波形を示している。したがって、基本発振周波数を例えば200MHzとすると、読み出し可能な速さは、少なくとも200Mbit/Sであり、倍速も可能である。このように、本発明の磁気検知装置によれば、磁気ディスクなどの磁気記憶媒体から記憶データを極めて高速に読み取ることができる。
【0115】
(薄膜磁気検知素子の製造)
次に、薄膜磁気検知素子1の製造について説明する。薄膜磁気検知素子1を微細化して製造する場合、GMRなど現在HDD用の磁気ヘッドに使用されている薄膜製造プロセスを使用することが有効である。薄膜製造技術は、フォトリソグラフィなどの技術により、エッチング等の技術が確立されており、容易に微細化できる。上述のように、本発明では磁性体の磁気共鳴周波数の変化を、電気インピーダンスの変化として検出する。
【0116】
したがって、薄膜構造において、磁性体の透磁率変化が大きく電気インピーダンスに影響を及ぼす構造を取る必要があり、このために、電気インピーダンスを検出するための導体と磁性体を、積層する構造をとる。また、高周波でのインピーダンスの損失を抑える必要がある為、導体は表面面積が大きくなる構造が必要であり、薄膜にすることで、電流通路断面積に比して、必然的に表面積が大きくなり、この意味でも、薄膜構造にすることは、効果的である。
【0117】
高周波化に対応するため、導体と磁性体は電気的に絶縁されるか、または、絶縁されていると同様な効果、すなわち、磁性体が高周波での表皮効果を考慮しても、その電流が無視できるほど、磁性体の体積抵抗率が、導体層に比して大きいことが求められる。その理由は、磁性体と導体を電気的に導通させると、高周波では、表皮効果により低周波に比して、より多くの電流が磁性体にながれ、結果的に、導体を流れる電流が減少する。このことは、導体のインピーダンスと並列に寄生のインピーダンスが増加したと考えられ、高周波での損失分が増大する。
【0118】
(薄膜磁気検知素子の基本構造)
被検知磁界により磁気共鳴周波数が変化する磁性膜2は、例えば200MHz以上の磁気共鳴周波数を持つ必要がある。したがって、極めて高い高周波まで損失の少ない、高周波用軟磁性膜とし、その構造は、単層磁性膜でも、多層磁性膜でもよい。また、磁性膜2を、より高い高周波まで軟磁性に保ち、高い磁気共鳴周波数を持たせる技術として、磁気異方性を持たせることにより、磁区構造を双方向にスピン方向をそろえる1軸磁気異方性の付与技術など、超軟磁性化の技術がある。
【0119】
(単層磁性膜)
単層磁性膜では、例えば200MHz以上の高周波の磁気共鳴周波数を持つ必要がある。それらの単層磁性膜材料は、基本的に高周波数でも比較的高い透磁率と抵抗率を有することが求められる。その材料としてアモルファス薄膜、粒子微粒化薄膜、グラニュラー薄膜などを使用できる。
【0120】
アモルファス薄膜は、一般的にFeやCoをスパッタ蒸着を行うと、アモルファス状の薄膜が積層されることにより、形成される。このアモルファスの内、特に軟磁性を示すもの、たとえば、FeSiB、CoZrTz、CoNbZrなど、多くの軟磁性体薄膜が、発見されている。この軟磁性薄膜材料の特色として、添加物の濃度、種類を選定することで、磁歪乗数が小さく、透磁率の高い材料を見出すことができる。アモルファスは、一般的に130μΩ.cm程度の銅などに比して数十倍の高い抵抗率を有する。
【0121】
粒子微粒化薄膜は、磁性体の粒子を20nm以下程度に極めて小さくすることにより、結晶間、粒子間の磁気的結合が弱くなるため、極めて良好な軟磁性体を示す。近年、数百MHz以上の高周波帯で、比透磁率が1000を超えるものが発見されている。粒子の材料は、アモルファス磁性体とほぼ同様な元素の含有率を持つ。
【0122】
グラニュラー薄膜は、粒子微粒化薄膜の粒子間をさらに磁気結合を弱めるために、非磁性マトリックスの中に強磁性粒子を適当な相互間隔をとって孤立させ、一様に分布させた構造である。この強磁性粒子は、次のような、一般的な軟磁性材料であれば良い。一般的な、軟磁性材料としては、1.鉄Fe、Niなどの軟磁性金属、2.軟磁性合金(soft magnetic alloys)例えば▲1▼Fe-based alloy (Fe-T.M.)、▲2▼Permalloy (Ni-Fe)、▲3▼Hard perm (Ni-Fe:Nb,Mo)、▲4▼Sendust (Fe-Si-Al)、▲5▼Softmax ( (Fe:Ru)-Si-Ga )、▲6▼Fe-Al based alloy (Fe-Al-T.M.)、3.アモルファス、4.フェライト、を例示することができる。また、非磁性体としては、窒素添加、酸素添加、SiO2添加などがある。
【0123】
(多層磁性膜)
多層磁性膜は、磁性体と非磁性体を交互に積層したものである。磁性体は、粒子微粒化薄膜、グラニュラー構造膜などで構成しても良いが、当然、それらの複雑な構造を持たない単なる磁性膜でもよい。また、非磁性体は、磁性を持たない金属、SiO2のような絶縁膜などでもよい。多層膜は、グラニュラーなどと同様に、超軟磁性を実現する。
【0124】
(超軟磁性化)
より高周波まで軟磁性に保ち、高い磁気共鳴周波数を持たせる技術として、グラニュラーに代表される磁性粒子間の磁気結合を極めて小さくする技術がある。図16はグラニュラー構造膜を用いて形成した薄膜磁気検知素子1を示している。グラニュラー構造膜では、磁性粒子が非磁性体(diamagnetic matrix)によって、磁気的に遮断され、より小さな保磁力(coercive force)Hcを持つようになる。図17に示すように、高周波でのB−H曲線のヒステリシス損を少なくするために、極度にHcを小さくすることができる。
【0125】
図18は、非磁性膜を挟んだ多層膜の磁区構造を示している。高周波帯で高い透磁率を示す軟磁性体は(A)に示すような磁区構造になっていることが望ましい。しかし、全ての磁化が同じ向きの場合、自由磁化発生し、エネルギー的に不安定である。よって、現実には熱力学的に安定な(B)のような磁区構造になってしまう。すなわち、磁性膜には、180度磁区のほかに、自由磁化ができない様に磁化を還流させて静磁エネルギーを下げようとする還流磁区(三角磁区)が存在する。
【0126】
そこで、還流磁区の発生を抑制する方法として、非磁性体を挟んだ多層膜が効果的である。薄い非磁性膜で分割された磁性膜間には、その端部で静磁結合が発生するため、磁性膜間で磁化が還流し、自由磁極や還流磁区の発生が抑制される。したがって、磁区構造は、(C)のように、180度磁壁が支配的となる。その構造は、磁壁移動が少なく高周波まで損失が少ない。また、非磁性膜を挟んだ多層膜を高周波数帯まで検知可能な磁気検知素子を構成できる。磁性層が複数個でなければ、スピン(magnetization vector)によって、磁極を発生させるので、安定な磁区構造を作れないことが一般的である。
【0127】
また、薄膜の多層膜にすることで、スピン方向が膜の面内に存在させ、膜に垂直な方向のスピンを抑制する効果がある。このことは、スピン方向の自由度が少なくなることで透磁率が大きくなることを意味する。これは、交番磁界によって回転させられるスピンがより多いと考えると、容易に理解できる。
【0128】
高周波まで軟磁性化にする技術に、1軸磁気異方性を電流方向と同一方向に付与する方法がある。本薄膜磁気検知素子の場合、1軸磁気異方性を電流の流れる方向に図19のY方向の様に平行に付ける。するとB-Hカーブは、Y方向に対しては、図20のように方形となるが、電流によって発生する磁界方向であるY軸に垂直なX方向では、図20のように方形の頂点を結ぶ極めて良好な軟磁性を示す。
【0129】
このことは、軟磁性を実現する方法は、グラニュラーの様に、ひたすら保磁力を下げる方法と、磁気異方性を利用して、スピンを揃えることにより、そのスピン方向に直行する方向が極めて、軟磁性を示すことを利用する方法がある。これは、磁性膜材料自体は軟磁性として、あまり優れていない材料でも、磁場中熱処理や磁場中アニールによって、1軸磁気異方性を付与することにより、軟磁性体として作用させることができることを示している。当然のことであるが、図19のように多層膜と、この磁気異方性の付与を併用すること、また、多層膜の磁性体として、グラニュラー構造を持つ磁性膜を利用することもできる。
【0130】
よって、検知すべき周波数を設定する手法として、磁性体の材料、多層膜等の構造、1磁気異方性による磁区構造などを選定する必要がある。それは、周波数をあまり高くすると回路が製作上難しくなるので、対象となる磁気記憶媒体の記憶エリアの大きさや、その周波数を考慮し、適度に磁性体の磁気共鳴周波数を設定する必要があるからである。
【0131】
(第一実施例)
次に、磁気検知装置のより具体的な実施例について説明する。図21は薄膜磁気検知素子31とそれにバイアス磁界を印加するバイアス磁界発生素子36の構造を示している。薄膜磁気検知素子31は、厚さ約0.5μmのCu、Alなどから形成した導体層32上に、多層状の磁性膜33を蒸着などで形成して構成される。磁性膜33は、厚さ0.1μm程度の絶縁体層35と厚さ0.1μm程度のCo等の磁性体層34を積層して形成される。
【0132】
バイアス磁界発生素子36は、コア37の周囲にコイル38を巻回して形成され、コア37はCo等の磁性体の薄膜を微細な矩形形状に成形して形成され、その周囲に巻回されるコイル38は薄膜の導体で形成される。このように、バイアス磁界発生素子36を薄膜で形成することにより、薄膜磁気検知素子31と同じプロセスで製造することができる。
【0133】
図21に示すように、バイアス磁界発生素子36は被検知磁界と同一方向の磁界を対向側より印加するように、薄膜磁気検知素子31の側部に隣接・対向して配置される。なお、図示は省略されているが、薄膜磁気検知素子31には、図9のような発振回路が接続され、バイアス磁界発生素子36にはバイアス電流制御回路が接続される。
【0134】
バイアス磁界発生素子36は、動作中、コイル38に電流を流して矢印方向(検知素子1の方向)にバイアス磁界を発生させる。これにより、発振回路の発振周波数が磁性膜の自然共鳴周波数より高い周波数に安定して保持される。そして、被検知磁界の変化に伴い薄膜磁気検知素子31の磁気共鳴周波数近傍での磁気特性が変化し、それに伴い発振回路の発振周波数が変化して、被検知磁界の変化がその発振周波数の変化として出力される。
【0135】
(第二実施例)
図22は第二実施例の磁気検知装置を示している。この例では、上記のバイアス磁界発生素子36と薄膜磁気検知素子31を同一の半導体基板(シリコンウエハ)39上に形成する。さらに、薄膜磁気検知素子31に接続されるコンデンサ47、発振回路48、バイアス磁界発生素子36に接続される基本周波数制御回路43も同じ半導体基板39上に形成する。さらに、発振回路48の出力側に接続されるFM復調回路44、FM復調回路44の出力側に接続されるパルス整形回路42、発振回路48の周波数を周波数検知回路41を介して検知してバイアス磁界発生素子36を制御するバイアス電流制御回路45も同じ半導体基板39上に形成される。各素子と回路との接続は半導体基板39上に形成した導体層により接続される。このように、素子や回路はオンチップ構造として半導体基板上に一体化することができ、装置の小型化が可能になると共に、素子や回路の接合を容易に行うことができる。また、各素子と回路間の接続長が短くなり、浮遊容量や線間のインダクタンス等の寄生インピーダンスを小さくすることができ、高周波に伴う不要な損失を縮小し、例えば200MHz以上の高周波による磁気の検知が可能となる。
【0136】
【第三実施例】
図23は第三実施例の磁気検知装置を示している。この例では、薄膜磁気検知素子51の磁性膜53が単層膜として形成され、導体層32上に絶縁体層34を介して取着される。上述のように、磁性膜は多層膜とすることにより高周波損失を少なくできるが、材料の選択により高周波の磁気共鳴周波数を持つことが可能であれば、単層膜の磁性膜53を使用することもできる。
【0137】
(第四実施例)
図24は第四実施例の磁気検知装置を示している。この例では、薄膜磁気検知素子51が、導体層62の上下に絶縁体層65を介して磁性膜63が導体層62を挟むように積層し、かつ導体層62が絶縁体層65を介して磁性膜63を囲うように配置される。これにより、寄生インピーダンスに対する磁気検知素子のリラクタンス成分の割合を増加させ、発振回路の発振条件を成立しやすくすることができる。
【0138】
(第五実施例)
図25は第五実施例の磁気検知装置のバイアス磁界発生素子76を示している。このバイアス磁界発生素子76は、コア77の周囲にコイル78が巻回され、コア77が、磁性体層77aと絶縁体層77bとの積層構造となっている。コア77を積層構造とすることにより、発生するバイアス磁界を増大させることができ、これによってバイアス磁界発生素子76の形状を小型化することができる。
【0139】
(第六実施例)
図26は第六実施例の磁気検知装置のバイアス磁界発生素子86を示している。このバイアス磁界発生素子86は、磁性膜のコア87の周囲にコイル88が巻回され、バイアス磁界発生素子86の下側または上側に沿って磁界還流部81が配置される。磁界還流部81は導体膜82上に磁性膜83と絶縁膜84を積層した膜状の磁性体から形成され、コイル88によって発生した磁界をその部分で還流させる。このために、コイル88によって発生した磁界の漏れが少なく、バイアス磁界を薄膜磁気検知素子側に効率よく印加することができる。例えば磁気ヘッドの場合、磁気記憶媒体と薄膜磁気検知素子のギャップは極めて小さく、磁気記憶媒体の着磁も極めて小さいため、バイアス磁界発生素子から外部に磁界が漏れると、磁気記憶媒体の着磁パターンがその漏れ磁界により書き換えられる恐れがあるが、上記のような構造にすることにより、着磁パターンの書き換えを防止することができる。
【0140】
(第七実施例)
図27は第七実施例の磁気検知装置のバイアス磁界発生素子96を示している。このバイアス磁界発生素子96は、薄膜の永久磁石97とその上または下に配置された磁界還流部91とから構成される。磁界還流部91は上記と同様に導体膜92上に磁性膜93と絶縁膜94を積層した膜状の磁性体から形成され、永久磁石97によって発生した磁界をその部分で還流させる。このバイアス磁界発生素子96によれば、永久磁石97を使用するため、電流を供給する配線や回路が不要となり、構造を簡単化することができ、磁界の漏れも少なくすることができる。
【0141】
(第八実施例)
図28は第八実施例の磁気検知装置を示している。この磁気検知装置は、半導体基板109上に薄膜磁気検知素子101、バイアス磁界発生素子106、発振・検知回路108、及び端子部105を配置して構成される。薄膜磁気検知素子101は、絶縁膜104上に磁性膜103を配置して形成され、磁性膜103の先端はテーパ形状として先細り状に形成され、より狭い範囲の着磁パターンを検知可能にしている。また、磁性膜103の下側から側部に絶縁膜104を介してバイアス磁界発生素子106が配置され、薄膜磁気検知素子101にバイアス磁界を印加する。さらに、薄膜磁気検知素子101に隣接して発振・検知回路108が半導体基板109上に配置され、その回路の端子部105が半導体基板109の縁部に形成される。この発振・検知回路108は上記実施例2で使用していたコンデンサを使用せずに構成することができ、コンデンサなしで発振回路の発振条件を決定することができる。
【0142】
図29は、磁気検知装置を用いて、信号源112から送られた電気信号を周波数信号に変換する回路を示している。この回路では、磁気検知素子111の導体が接続される回路に信号源112の電気信号を入力するコイル113が、その回路と電磁的に結合するように配置されている。そして、図2の例と同様に、磁気検知素子111の導体の両側にコンデンサ7が接続され、そのコンデンサ7と並列に発振回路8が接続される。発振回路8はアンプ9とフィルタ10を有し、その出力側には、周波数の変化を取り出すために、FM復調回路が接続される。
【0143】
信号源112からは、周波数変調された信号がコイル113に印加され、コイル113にはその信号に応じて変化する磁界が発生する。その磁界の変化が発振回路8の発振周波数の変化として出力され、信号が復調されて取り出される。このような磁気検知素子111を用いた信号の変換器によれば、TV,DVD,ビデオデッキなどにおいて、多くのノイズを含んだ微弱なビデオ信号や音声信号などからノイズを除去し、良好な信号の伝達が可能となる。また、この信号変換器では、信号が電圧や振幅に無関係な周波数に変換されてFM復調回路を通して出力されるから、従来の信号処理回路に比べ、回路を格段に簡素化することができ、信号のS/N比を向上させることができる。
【0144】
図30は、アンテナ122で受信された電気信号を、磁気検知装置を用いて周波数信号に変換する回路を示している。この回路では、アンテナ122により受信された信号を入力するコイル123が、その回路と電磁的に結合するように配置されている。そして、図3の例と同様に、磁気検知素子121の導体の両側にコンデンサ7が接続され、そのコンデンサ7と並列に発振回路8が接続される。発振回路8はアンプ9とフィルタ10を有し、その出力側には、周波数の変化を取り出すために、FM復調回路が接続される。
【0145】
アンテナ122で受信された信号がコイル123に印加され、コイル123にはその信号に応じて変化する磁界が発生する。その磁界の変化が発振回路8の発振周波数の変化として出力され、復調されて取り出される。このような磁気検知素子121を用いた信号の変換器によれば、受信信号を振幅の大きい信号に直接変換して取り出すことができ、TVやラジオなどにおいて、多くのノイズを含んだ微弱なビデオ信号や音声信号などからノイズを除去し、良好な信号の受信と再生を行うことができる。また、この信号変換器では、信号が電圧や振幅に無関係な周波数に直接変換されて出力されるから、受信周波数を選択する検波動作を、その後のデジタルデータ処理により簡単に行うことができ、従来の同調検波回路を使用せずに、S/N比の良好な信号を取り出すことができる。
【0146】
図31は、上記の周波数信号変換回路に使用する薄膜磁気検知素子131において、バイアス磁界発生素子133と磁界発生素子132を薄膜素子として同一基板上に形成した例を示している。バイアス磁界発生素子133は、上記と同様に、コアの周囲にコイルを巻回して形成され、コアはCo等の磁性体の薄膜を微細な矩形形状に成形して形成され、その周囲に巻回されるコイルは薄膜の導体で形成される。また、磁界発生素子132も、同様に、コアの周囲にコイルを巻回して形成され、コアはCo等の磁性体の薄膜を微細な矩形形状に成形して形成され、その周囲に巻回されるコイルは薄膜の導体で形成される。磁界発生素子132とバイアス磁界発生素子133は、同一方向の磁界を対向側より印加するように、薄膜磁気検知素子131の両側に隣接・対向して配置される。図示は省略されているが、薄膜磁気検知素子131には、図9のような発振回路が接続され、バイアス磁界発生素子133にはバイアス電流制御回路が接続される。
【0147】
このように、磁界発生素子132とバイアス磁界発生素子133を薄膜磁気検知素子131と同じ基板に薄膜形成することにより、周波数信号変換器をきわめて小型に形成することができ、さらに、図22の例と同様に、発振回路やバイアス回路などを同一基板上に一体化すれば、回路のIC化が可能となる。
【0148】
なお、上記実施例では磁気ヘッドや信号変換器に、磁気検知素子に適用した例を説明したが、磁気カードに記録された着磁パターンやバーコードの読み取り装置、磁気式ロータリエンコーダ、回転体の回転角や回転速度を検知する装置の磁気検知装置として適用することもできる。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気検知装置によれば、被検知磁界により磁気検知素子の磁性膜の限界周波数が変化し、それに伴って変化する発振手段の発振周波数の変化として、被検知磁界の変化を検知するから、従来の装置に比べ、高密度の着磁パターンを高感度で、且つ従来より遥かに高速で高い周波数まで磁気を検知することができ、また、この磁気検知装置は、膜厚、膜の断面積、磁性体の総量などの形状的要素に制限されず、きわめて小型に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気検知装置の基本構成を示す構成図である。
【図2】本発明の磁気検知装置の第一実施形態の概略構成図である。
【図3】磁気共鳴周波数と複素透磁率の関係を示すグラフ図である。
【図4】被検知磁界と磁気共鳴周波数の関係を示すグラフ図である。
【図5】薄膜磁気検知素子のインピーダンスモデル図である。
【図6】複素透磁率とインピーダンスの関係を示すグラフ図である。
【図7】磁気共鳴周波数近傍の複素透磁率とインピーダンスの関係を示すグラフ図である。
【図8】磁気共鳴周波数と複素透磁率の関係を示すグラフ図である。
【図9】磁気検知装置の検知回路のブロック図である。
【図10】被検知磁界と磁気共鳴周波数の関係を示すグラフ図である。
【図11】周波数とインピーダンスZの関係を示すグラフ図である。
【図12】ハイパスフィルタを加えたときの周波数とインピーダンスZの関係を示すグラフ図である。
【図13】磁気記憶媒体と薄膜磁気検知素子の配置図である。
【図14】検知回路の各部の波形図である。
【図15】検知回路の各部の波形図である。
【図16】グラニュラー構造膜の模式図である。
【図17】高周波のB−H曲線である。
【図18】磁区構造の説明図である。
【図19】1軸磁気異方性の説明図である。
【図20】B−H特性を示すグラフ図である。
【図21】第一実施例の薄膜磁気検知素子とバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図22】第二実施例の磁気検知装置の斜視図である。
【図23】第三実施例の薄膜磁気検知素子とバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図24】第四実施例の薄膜磁気検知素子とバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図25】第五実施例のバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図26】第六実施例のバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図27】第七実施例のバイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図28】(a)は第八実施例の磁気検知装置の斜視図、(b)はその分解斜視図である。
【図29】信号源から送られた周波数信号を変換する周波数信号変換器の構成図である。
【図30】アンテナで受信した周波数信号を変換する周波数信号変換器の構成図である。
【図31】同一基板上に形成した薄膜磁気検知素子、磁界発生素子、バイアス磁界発生素子の斜視図である。
【図32】従来のGMRの出力特性を示すグラフ図である。
【図33】従来の磁気検知装置の使用周波数領域と本発明の使用周波数領域に対する複素透磁率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1−薄膜磁気検知素子
2−磁性膜
3−磁性体層
4−非磁性体層
5−絶縁体層
6−導体層
8−発振回路
Claims (11)
- 被検知磁界を受ける磁性体と、該磁性体の限界周波数領域で発振する発振手段と、を備え、該発振手段は、該磁性体が複素透磁率の虚部である損失成分が増加し、実部である有効透磁率が急激に低下する過渡的な限界周波数領域で発振し、該被検知磁界の変化を該限界周波数領域の発振周波数の変化として検知することを特徴とする磁気検知装置。
- 前記磁性体の限界周波数領域が該磁性体の磁気共鳴周波数近傍である請求項1記載の磁気検知装置。
- 被検知磁界の変化を検知し、該被検知磁界の変化を示す検知信号を出力する磁気検知装置において、
磁性体と、
該磁性体の持つ限界周波数近傍の周波数に発振周波数を設定して発振する発振回路と、
を備え、被検知磁界の変化に伴って変化する該磁性体の限界周波数の変化を、該発振回路の発振周波数の変化として捉え、該被検知磁界の変化を該発振周波数の変化として該発振回路から出力することを特徴とする磁気検知装置。 - 前記磁性体は磁気検知素子に含まれ、該磁気検知素子は該磁性体と共に発振回路の電流を通す導体を有し、該磁性体は該導体に比して充分に高い体積抵抗率を有している請求項3記載の磁気検知装置。
- 前記磁性体は磁気検知素子に含まれ、該磁気検知素子は、該磁性体と、電気的絶縁層と、該磁性体に対し該電気的絶縁層を介して配置され該磁性体の限界周波数の影響を受けると共に発振回路の電流を通す導体と、を有している請求項3記載の磁気検知装置。
- 前記磁気検知素子の少なくとも前記磁性体が薄膜プロセスを使用して薄膜の磁性膜として形成されている請求項3記載の磁気検知装置。
- 前記磁性膜が磁性体層と非磁性体層を積層した多層膜で形成されている請求項6記載の磁気検知装置。
- 前記発振回路が前記磁気検知素子と同一の半導体基板上に形成されている請求項3記載の磁気検知装置。
- 前記磁気検知素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生素子が該磁気検知素子の近傍に配設された請求項8記載の磁気検知装置。
- 前記被検知磁界が着磁により記憶された磁気記憶パターンである請求項1記載の磁気検知装置。
- 前記被検知磁界がコイルによって発生した電気信号による磁界である請求項1記載の磁気検知装置。
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