JP4014719B2 - Nc工作機械の制御装置および位置決め制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御(以下、NC)工作機械の位置制御を行うNC工作機械の制御装置および位置決め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マシニングセンタやNC旋盤装置等のNC工作機械では、一般的に、サーボモータ等の回転駆動源からの回転力をラック及びピニオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構によって直線運動に変換し、被加工物を固定するテーブルや被加工物を切削する工具等を所定の位置に移動させている。
また、NC工作機械の制御軸の制御方式としては、いわゆるフルクローズドフィードバック方式とセミクローズドフィードバック方式とが知られている。
フルクローズドフィードバック方式は、テーブル等の制御対象にリニヤスケールなどの位置検出装置を直接設置し、この位置検出装置からの位置信号をサーボモータにフィードバックして位置制御を行う方式である。
この方式では、制御対象の位置を直接検出することができるため、制御対象の位置決め精度が高いのが特徴である。
【0003】
しかしながら、フルクローズドフィードバック方式では、位置検出装置とサーボモータとの間のフィードバックループ中に、比較的機械剛性の低いラック及びピンオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構が介在するため、サーボ系の固有周波数が低下し、位置ループゲインを高めることが難しい。このため、サーボ系の追従性を高めることが難しい。
【0004】
一方、セミクローズドフィードバック方式は、テーブル等の制御対象を駆動するサーボモータにレゾルバや光学式のロータリエンコーダ等の回転位置検出器を取り付け、この回転位置検出器からの検出された回転量をサーボモータにフィードバックし、サーボモータの回転量を制御することで間接的にテーブル等の制御対象の位置制御を行う方式である。
この方式では、サーボループ中に比較的機械剛性の低いラック及びピンオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構が介在しないため、サーボ系の固有周波数を高くとれ、サーボモータの追従性を高くすることが可能であることが特徴である。
【0005】
一方、ラックおよびピニオンや、ボールねじ及びナットや、ウォームおよびウォームホイールなどのような送り機構を用いた場合には、これらの送り機構のねじのピッチに加工精度に起因するピッチ誤差(位置決め誤差)が存在することは避けられない。
このようなピッチ誤差が存在すると、セミクローズドフィードバック方式においては、サーボモータの回転位置制御を正確に行なっても、テーブル等の制御対象には目標座標への位置決めの際に位置決め誤差が生じる。
このため、NC装置では、ピッチ誤差を補正するために、ピッチ誤差補正機能が備わっているのが一般的である。
上記のピッチ誤差補正機能は、ねじ等の動力を伝達する伝達機構のピッチ誤差を予め測定しておき、このピッチ誤差を、座標位置とともにNC装置に記憶しておき、制御軸を駆動する際に位置決めする座標位置に応じたピッチ誤差を位置指令に加算して位置決めすることでピッチ誤差を補正している。
【0006】
このような誤差を補正する技術としては、たとえば、特開平8−118204号に開示された技術がある。
特開平8−118204号に開示された技術は、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを予め用意しておき、移動方向に応じて上記の補正量を用いて位置決めを行なうものである。
【0007】
また、フルクローズドフィードバック方式においては、送り機構にピッチ誤差等の機械的誤差存在が存在しても、理論的には、テーブル等の制御対象には位置決め誤差が発生しない。
例えば、図15に示すように、2本のガイド102および103によって保持され、連結部101aにボールネジ104がねじ込まれ、ボールネジ104の回転駆動によって位置決め制御が行なわれるスライダ101の場合には、ガイド102に沿って設けられたスケール部105aおよび検出部105bからなるリニアスケール105によって、スライダ101の移動方向の位置検出は正確に行なわれる。
しかしながら、スライダ101の送り方向が異なると、図15に示すように、送り方向に応じてスライダ101は回転角θ1 およびθ2 で若干回転した状態になることがある。
このような場合には、リニアスケール105によってスライダ101の移動方向の位置検出が正確に行なわれたとしても、スライダ101に保持された例えば工具等には位置決め誤差が生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNC装置における位置決め誤差補正機能は、補正量が制御対象の位置決め座標に応じて一意的に決定されていた。
しかしながら、ラックおよびピニオンや、ボールねじ及びナットや、ウォームおよびウォームホイールなどのような噛合歯面間にバックラッシが存在する伝達機構では、位置決め時の制御軸の送り方向が異なると、噛み合う歯面が異なる。
上記のような伝達機構のねじのピッチは、加工精度等に起因する誤差が存在し、位置決め時の制御軸の送り方向が異なると、制御対象に発生する位置決め誤差も異なった値となる場合がある。
したがって、従来のNC装置におけるピッチ誤差補正機能では、制御対象の位置決め誤差を精度良く補正することが難しかった。
さらに、NC工作機械を長期間使用していると、上述の伝達機構には、摩耗やガタが発生し、制御対象に発生する位置決め誤差も経時変化することがある。
このため、時間が経過すると、最初に設定した補正量では制御対象の位置決め誤差を精度良く補正することができなくなる。
たとえば、上述の特開平8−118204号に開示された技術では、制御対象の位置決め誤差を補正する補正量を変更するには、制御対象に生じる位置決め誤差を再度測定し、この結果を基にNC装置のソフトウエアを変更する必要があるため、多大の時間を要するという不利益もあった。
加えて、従来においては、図15に示したような、スライダ101の回転に起因する工具等の位置決め誤差を補正することができなかった。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解消すべくなされたものであって、制御対象の位置決め制御を行なう際に、制御対象に発生する位置決め誤差を精度良く補正可能で、かつ、制御対象の位置決め誤差の経時変化等の変化に迅速に対応することができるNC工作機械の制御装置および位置決め制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点のNC工作機械の制御装置は、回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の制御装置であって、前記制御対象の第1の制御点の移動量を検出するリニアスケールを有する第1の移動量検出手段の検出信号を入力する第1の制御対象移動量入力手段と、前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量を検出するレーザー測長器を有する第2の移動量検出手段の検出信号を入力する第2の制御対象移動量入力手段と、前記第1および第2の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成する第2の制御点補正情報生成手段と、前記第2の制御点補正情報生成手段によって生成された前記複数位置についての第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶する記憶手段と、位置指令に応じた前記第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記第1の移動量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なう位置制御手段とを有する。
【0016】
本発明の第2の観点のNC工作機械の制御装置は、回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の制御装置であって、前記回転駆動手段の回転量を検出する回転量検出手段の検出信号を入力する回転量入力手段と、前記制御対象の第1の制御点の移動量を検出するリニアスケールを有する第1の移動量検出手段の検出信号を入力する第1の制御対象移動量入力手段と、前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量を検出するレーザー測長器を有する第2の移動量検出手段の検出信号を入力する第2の制御対象移動量入力手段と、前記回転量入力手段及び前記第1の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第1の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第1の制御点補正情報を生成する第1の制御点補正情報生成手段と、前記第1および第2の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成する第2の制御点補正情報生成手段と、前記第1および第2の制御点補正情報生成手段によって生成された前記複数位置についての第1および第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶する記憶手段と、位置指令に応じた前記第1および第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第1および第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記回転量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なう位置制御手段とを有する。
好適には、前記第2の制御点補正情報は、正逆双方の送り方向についてそれぞれ前記記憶手段に記憶される。
好適には、前記制御対象には工具が設けられ、前記第2の制御点補正情報は、前記工具による切削状態が異なる場合についてそれぞれ前記記憶手段に記憶される。
好適には、前記第1の制御点におけるバックラッシを補正するバックラッシ補正情報を生成するバックラッシ補正情報生成手段を更に有し、前記位置制御手段は、バックラッシ補正情報に基づく位置指令の補正も行う。
【0017】
本発明の第3の観点のNC工作機械の位置決め制御方法は、回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の位置決め制御方法であって、前記制御対象の第1の制御点の移動量をリニアスケールにより検出するステップと、前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量をレーザー測長器により検出するステップと、検出した前記第1および第2の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成するステップと、生成した前記複数位置についての第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶手段に記憶させるステップと、位置指令に応じた前記第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び検出される前記第1の制御点の移動量に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なうステップとを有する。
【0018】
本発明の第4の観点のNC工作機械の位置決め制御方法は、回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の位置決め制御方法であって、前記回転駆動手段の回転量を検出するステップと、前記制御対象の第1の制御点の移動量をリニアスケールにより検出するステップと、前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量をレーザー測長器により検出するステップと、検出した回転量及び前記第1の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第1の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第1の制御点補正情報を生成するステップと、検出した前記第1および第2の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成するステップと、生成した前記複数位置についての第1および第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶手段に記憶させるステップと、位置指令に応じた前記第1および第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第1および第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記回転量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なうステップと、を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態
図1は、本発明に係る制御装置としてのNC装置の一実施形態の構成を示す説明図である。
図1において、NC装置1は、位置指令発生部3と、サーボ制御部5と、位置決め誤差補正部7とを有する。
また、図1には、NC工作機械の一例として、スライダ25と、スライダ25の移動量を検出するリニアスケール30と、NC装置1によって駆動制御されるサーボモータ21と、サーボモータ21の回転量を検出するロータリエンコーダ22と、サーボモータ21の駆動力をスライダ25に伝達するボールネジ23と、ボールネジ23がねじ込まれる雌ネジが形成された連結部材24とを示している。
【0021】
位置指令発生部3は、例えば、被加工物を加工する工具の軌跡データなどを所定の言語でプログラミング化したNCプログラミングを解析(解読)処理して軌跡データを各制御軸の移動すべき位置指令に変換し、これを各制御軸に分配する。
NCプログラムは、一般的には、CADシステムや自動プログラミングシステムによって作成され、所定の記憶媒体を介して、または、通信手段によってNC装置1にダウンロードされる。
【0022】
サーボ制御部5は、位置ループ、速度ループおよび電流ループとサーボドライバとから基本的に構成される。
位置ループは、たとえば、各制御軸の位置指令(移動量)を受けて、これらの移動量とサーボモータ21の回転位置を検出するロータリエンコーダ22からの位置フィードバック信号との偏差に比例動作を施して(位置ループゲインをかける)、これを速度ループに対する速度指令として出力する。
速度ループは、たとえば、前記速度指令とロータリエンコーダ22からの位置フィードバック信号のサンプリング時間毎の差分値(速度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力する。
電流ループは、たとえば、サーボモータ21の駆動電流から換算したサーボモータ21の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流指令とし、これをサーボドライバに所定の電気信号に変換して出力する。
なお、上述の位置指令発生部3およびサーボ制御部5は、通常のNC装置に備わった機能である。
【0023】
スライダ25は、たとえば、被加工物を保持したり、工具を保持したりし、これらの保持物を所定の位置に移動させる。
リニアスケール30は、たとえば、光学式の変位センサであり、スライダ25の直動方向の移動量を検出する。
リニアスケール30は、光源と、正確なピッチの格子が刻んでありテーブルとともに移動するメインスケールと、メインスケールに対向配置され位相が互いに90度ずれた格子A,Bが形成されたインデックススケールと、インデックススケールの背後に固定された受光器とを有している。
スライダ25が所定の方向に移動すると、光源からの光がメインスケールおよびインデックススケールの格子を通過して受光器に至り、受光器には正弦波状の光量が入り、これをパルス信号に変換することにより、移動量に応じたパルスが得られる。また、格子A,Bとは位相が互いに90度ずれたいることから、メインスケールの移動方向を判別することができる。
したがって、リニアスケール30の検出パルスを積算することにより、スライダ25の現在位置を管理できる。
【0024】
サーボモータ21は、サーボ制御部5の有するサーボドライバからの駆動電流によって位置制御される。
ロータリエンコーダ22は、例えば、インクリメンタル方式のロータリエンコーダまたはアブソリュート方式のロータリエンコーダを用いることができる。インクリメンタル方式のロータリエンコーダを用いた場合には、当該ロータリエンコーダは1回転毎の位置信号を回転パルス信号として出力することから、回転パルス信号の積算値をサーボ制御部5において管理することにより、サーボモータの絶対的な回転位置を管理できる。
【0025】
ボールネジ23および連結部材24は、サーボモータ21の回転駆動力を直線運動に変換してスライダ25に伝達する伝達手段であり、ボールネジ23と連結部材24の雌ネジとの間にはバックラッシやネジのピッチ誤差が存在する。
このため、サーボモータ21を正確に回転制御してスライダ25を位置決め制御しても、スライダ25には位置決め誤差が生じることになる。
【0026】
誤差補正部7は、図2に示すように、位置決め誤差補正機能部8およびバックラッシ補正機能部9を有している。なお、図2は、図1のNC装置の制御ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態では、位置指令rが入力される加算部35にバックラッシ補正量Beおよび位置決め誤差補正量Peを加算し、これとサーボモータ21の回転位置xとの偏差eを速度ループ・電流ループ45に入力する構成をとる。
これにより、バックラッシ誤差および位置決め誤差が補正される。
【0027】
バックラッシ補正機能部9は、制御軸の送り方向の逆転時、すなわち、スライダ25の移動方向の逆転時に、連結部材24とボールネジ23との間に発生する機械誤差(バックラッシ)を、工作機械の組立調整時等に予め測定しておき、これを補正する補正量Beを逆転時に位置指令rに加算することにより、バックラッシによる誤差を補正する機能を有する。
バックラッシ補正機能部9は、通常のNC工作機械のNC装置に備わった機能である。
【0028】
位置決め誤差補正機能部8は、スライダ25の目標座標への位置決め時に発生する位置決め誤差を補正する補正量Peを位置指令rに加算することにより、位置決め誤差を補正する機能を有する。
位置決め誤差補正機能部8の具体的な説明は後述する。
【0029】
図3は、図1に示したNC装置1のハードウエア構成の一例を示す構成図である。
図3において、マイクロプロセッサ51は、ROM(Read Only Memory) 52、RAM(Random Access Memory) 53、インターフェース回路54,56、グラフィック制御回路58、表示装置59、キーボード261、ソフトウエアキー60等とバスを介して接続されている。
マイクロプロセッサ51は、ROM52に格納されたシステムプログラムにしたがって、NC装置1全体を制御する。
【0030】
ROM52には、上記した位置指令発生部3、サーボ制御部5および誤差補正部7などを実現するプログラムや、NC装置1全体を制御するためのシステムプログラムが格納される。
RAM53は、ROM52に格納されたプログラムがダウンロードされたり、各種のNCプログラム、データなどが格納され、例えば、後述する補正量データ等が格納される。
【0031】
グラフィック制御回路58は、ディジタル信号を表示用の信号に変換し、表示装置59に与える。
表示装置59には、例えば、CRT表示装置や液晶表示装置が使用される。表示装置59は、ソフトウエアキー60またはキーボード61を用いて作業者が対話形式で加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件および生成された加工プログラム等を表示する。
作業者は、表示装置59に表示される内容(対話形データ入力画面)にしたがってデータを入力することにより、加工プログラムを作成することができる。
表示装置59の画面には、その画面で受けられる作業またはデータがメニュー形式で表示される。メニューのうちどの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウエアキー60を押すことにより行う。
キーボード61は、NC装置1に必要なデータを入力するのに使用される。
【0032】
インターフェース回路54は、マイクロプロセッサ51から出力された位置指令等の指令を所定の信号に変換してサーボドライバ57に出力する。
また、インターフェース回路54は、サーボモータ21に備わったロータリエンコーダ22からの検出パルスを逐次カウントし、所定のディジタル信号に変換してマイクロプロセッサ51に出力する。
【0033】
インターフェース回路56は、リニアスケール25の検出パルスを逐次カウントし、所定のディジタル信号に変換してマイクロプロセッサ51に出力する。
【0034】
次に、上述した位置決め誤差補正機能部8について説明する。
図4は、位置決め誤差補正機能部8の構成図である。
図4において、位置決め誤差補正機能部8は、回転量入力部31と、移動量入力部32と、比較部33と、位置決め誤差算出部34と、補正量算出部35と、記憶部36とを有している。
【0035】
回転量入力部7は、ロータリエンコーダ22の検出する検出パルスを取得する。検出パルスは、たとえば、パラレルデータとして入力され、これを所定のサンプリングレート毎に取り込む。
移動量入力部11は、リニアスケール30の検出した検出パルスを取得する。
【0036】
比較部33は、回転量入力部7が取り込んだ検出パルスをスライダ25の位置に換算する。
そして、換算値とリニアスケール30の検出した検出パルスとを比較する。
この比較結果が一致する場合には、スライダ25に位置決め誤差は生じていないと判断する。
比較結果が一致しない場合には、スライダ25に位置決め誤差が生じていると判断する。
【0037】
位置決め誤差算出部34は、上記の比較結果が一致しない場合に、換算値とリニアスケール30の検出パルスとの差を算出し、これをサーボモータ21の回転量(パルス量)に換算する。
【0038】
補正量算出部35は、回転量に換算された位置決め誤差を補正(キャンセル)するための、サーボモータ21への補正量を算出する。
記憶部36は、この補正量を、例えば上記したRAMの所定のアドレスに記憶する。
【0039】
ここで、位置決め誤差の検出方法について説明する。
まず、たとえば、図5(a)に示すように、スライダ25のストローク内において基準位置AおよびBの間で、スライダ25を位置Aから所定の速度で移動して、目標座標位置Mに位置決めする。なお、位置Aから位置Bへの移動を正方向の移動とし、位置Bから位置Aへの移動を逆方向の移動とする。
このとき、スライダ25が位置Mの手前の位置Cで停止したとすると、位置Mと位置Cとの距離h1が位置決め誤差となる。
この位置決め誤差h1は、サーボモータ21の回転量が正確ならば、リニアスケール30の検出パルスから得たスライダ25の位置と、サーボモータ21のロータリエンコーダ22の検出パルスから換算したスライダ25の位置との差から算出することができる。
したがって、位置Mを基準位置AおよびBの間で複数設け、各位置Mについて基準位置Aから位置決め動作を行うことによって、各位置での位置決め誤差h1が得られる。なお、スライダ25は基準位置Aに正確に位置決めする必要がある。
この結果、移動方向が正方向の複数位置における位置決め誤差h1が得られ、これを補正するための補正量が得られる。
【0040】
次いで、図5(b)に示すように、スライダ25を基準位置Bから所定の速度で移動して、位置Mに位置決めする。このとき、スライダ25が位置Mの手前の位置Dで停止したとすると、位置Mと位置Dとの距離h2が位置決め誤差となる。
この位置決め誤差h2は、上述と同様に、サーボモータ21のロータリエンコーダ22の検出パルスから換算したスライダ25の位置との差から算出することができ、位置Mを基準位置AおよびBの間で複数設けることにより、移動方向が逆方向の複数位置における位置決め誤差h2が得られ、これを補正するための補正量が得られる。
【0041】
図6は、上述の方法によって得られた、正逆双方向の位置決め誤差補正量の一例を示す説明図である。
図6では、スライダ25のストローク内の基準位置Aと基準位置Bとの間の各位置M1 〜M7 について位置決め誤差補正量を算出した。
位置M1 〜M7 の間の座標への位置決めは、隣合う位置決め誤差補正量を直線補間して決定することができる。
【0042】
図7および図8は、本実施形態のNC装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図7は位置決め誤差補正量を得るまでのNC装置1の動作を説明するためのフローチャートであり、図8は位置決め誤差補正量を用いたNC装置1の位置決め制御動作を説明するためのフローチャートである。以下、フローチャートに基づいて説明する。
【0043】
まず、スライダ25の基準位置Aからの正方向の送りによる位置決め動作を行なう(ステップS1)。
位置決めが完了した時点で、ロータリエンコーダ22とリニアスケール30から検出パルスを取得する(ステップS2)。
ステップS1およびS2の動作は、たとえば、上記した位置M1 〜M7 についてすべて完了するまで繰り返し行い(ステップS3)、サーボモータ21の各回転量およびスライダ25の各移動量を保持しておく。
【0044】
次いで、同様に、スライダ25の基準位置Bからの逆方向の送りによる位置決め動作を行ない、上記した位置M1 〜M7 についてすべて完了するまで繰り返し行なう(ステップS4,S5,S6)。
【0045】
次いで、ステップS1〜S6において得られたサーボモータ21の各回転量をスライダ25の移動量に換算する(ステップS7)。
そして、この換算値と対応するステップS1〜S6において得られたスライダ25の各移動量とを比較する(ステップS8)。
【0046】
この比較結果から、正逆双方の送りによる、各位置M1 〜M7 における位置決め誤差を算出する(ステップS9)。
次いで、得られた各位置決め誤差から、サーボモータ21に与えるべき補正量を生成する(ステップS10)。
【0047】
そして、生成した補正量を、各目標位置座標M1 〜M7 および正逆双方の送りに関連付けて、所定のアドレスに記憶する。
【0048】
ここまで説明したステップは、NC工作機械の加工毎あるいは一定期間毎に実行することができる。
この結果、現在のスライダ25(NC工作機械)に発生している位置決め誤差を補正するための補正量が得られることになり、より精度の高い位置決め制御が可能となる。
【0049】
次いで、上述のステップで得られた位置決め誤差補正量を用いてスライダ25の実際の位置制御を行なう。
図8に示すように、これから位置決め使用とする目標位置決め座標を取得する(ステップS21)。
これは、位置指令発生部3からの位置指令rを読みだすことにより行なう。
【0050】
次いで、位置指令発生部3からの位置指令rに基づいて、スライダ25の移動方向を検出し(ステップS22)、移動方向が正方向か逆方向かを判断する(ステップS23)。
スライダ25の移動方向が正方向の場合には、正方向送りによる目標位置決め座標に対応する位置決め誤差補正量を読みだす(ステップS24)。逆方向の場合には、逆方向送りによる目標位置決め座標に対応する位置決め誤差補正量を読みだす(ステップS25)。
このとき、目標位置決め座標が複数の位置M1 〜M7 の間である場合には、これに隣接する2つの位置決め誤差補正量を読み出し、これを直線補間して当該目標位置決め座標に対応する位置決め誤差補正量を算出する。
【0051】
次いで、得られた位置決め誤差補正量を位置指令rに加算し(ステップS26)、これを出力する。
【0052】
ここで、位置指令発生部3からの次の位置指令rに基づいて、スライダ25の移動方向が逆転しないかを判別する(ステップS27)。
スライダ25の移動方向が逆転する場合には、次の位置指令r(反転時の位置指令)に上述したバックラッシ補正量を加算する(ステップS28)。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、同一の座標への送り方向が異なる位置決めであっても、精度よく位置決め誤差を補正することができる。
また、経時変化によって位置決め誤差が変化しても、本実施形態に係るNC装置1は位置決め誤差補正量を自動的に更新することができるため、容易にお対応することができる。
また、本実施形態では、位置決め誤差補正と同時に、バックラッシ補正も可能であるため、単に位置決め精度を向上させることができるのみならず、軌跡精度を向上させることができる。
【0054】
第2実施形態
図9は、本発明に係る制御装置の他の実施形態の構成を示す説明図であり、図10は、図9に示す誤差算出装置2の構成を示す説明図である。
図9に示す構成は、NC装置1および誤差算出装置2によって本発明の制御装置を実現している場合である。
図9において、誤差算出装置2には、リニアスケール30およびロータリエンコーダ22からの検出信号30sが入力され、上述した補正量を算出してNC装置1に出力する。
誤差算出装置2は、図10に示すように、上述の第1実施形態の場合と同様、回転量入力部31と、移動量入力部32と、比較部33と、位置決め誤差算出部34と、補正量算出部35とを有している。すなわち、NC装置1には記憶部36のみを有し、他の機能は誤差算出装置2が有している。
また、誤差算出装置2は、補正量算出部35において算出された補正量をNC装置1に送出する出力部37を有している。
【0055】
誤差算出装置2は、たとえば、パーソナルコンピュータによって構成することができる。
出力部37は、たとえば、RS−232Cなどの通信手段を用いて実現することができる。
本実施形態の構成とすれば、NC装置内のデータの送受等に必要なプログラムを追加または改変するだけでよく、汎用的なパーソナルコンピュータを用いて本発明の制御装置を実現することができる。
【0056】
第3実施形態
図11は、本発明に係る制御装置のさらに他の実施形態の構成を示す説明図であり、図12は、図11に示す誤差算出装置2の構成を示す説明図である。
図11に示す装置構成は、上述の第2の実施形態と略同様であるが、本実施形態では、スライダ25の所定の制御点、たとえば、スライダ25に工具が固定されている場合には工具の正確な移動量を検出するためのレーザ測長器301の検出信号301sが誤差算出装置2に入力されている点である。
【0057】
誤差算出装置2は、図12に示すように、第2実施形態と同様に、回転量入力部31と、移動量入力部32と、比較部33と、位置決め誤差算出部34と、補正量算出部35と、出力部37とを有しており、さらに、工具移動量入力部201と、比較部202と、位置決め誤差算出部203と、補正量算出部204とを有している。
【0058】
工具移動量入力部201は、レーザ測長器301の検出信号301sを誤差算出装置2内に取り込む。
比較部202は、移動量入力部32から取り込まれたリニアスケール30が検出したスライダ25の移動量と、工具移動量入力部201から取り込まれたスライダ25に固定された工具の移動量を比較し、工具に位置決め誤差がしょうじているかを判断する。
位置決め誤差算出部203は、スライダ25と工具との移動量の差δを算出し、これをサーボモータ21の回転量(パルス量)に換算する。
スライダ25と工具との移動量の差δは、図15において説明したように、スライダ25に生じる微小回転によって発生した位置決め誤差である。
補正量算出部204は、回転量に換算された位置決め誤差を補正(キャンセル)するための、サーボモータ21への補正量を算出する。
出力部は、補正量算出部35および204から出力される補正量をNC装置1に出力する。
【0059】
以上のように、本実施形態では、スライダ25とサーボモータ21との間に発生する機械誤差を補正することができることに加えて、スライダ25の微小回転によって発生するスライダ25の制御点である工具の位置決め誤差を補正することができ、より精度の高い位置決め制御が可能となる。
【0060】
なお、第3の実施形態では、移動量入力部32から取り込まれたリニアスケール30が検出したスライダ25の移動量と、工具移動量入力部201から取り込まれたスライダ25に固定された工具の移動量を比較したが、たとえば、図13に示すように、リニアスケール30の検出信号は用いずに、回転量入力部31からのロータリエンコーダ22の検出信号と、工具移動量入力部201からのレーザ測長器301の検出信号301sとを比較して補正量を求めることも可能である。
【0061】
さらに、上述した実施形態では、スライダ25の位置制御をセミクローズドフィードバック方式を用いて行なうことを前提としているが、NC装置にリニアスケール30の検出信号をフィードバックしてリニアスケール30の位置決め制御を行なうフルクローズドフィードバック方式の場合には、誤差算出装置2を図14に示す構成とすることができる。
すなわち、移動量入力部32からのスライダ25の移動量と工具移動量入力部201からの工具の移動量とを比較して、位置決め誤差を算出する。
この場合の位置決め誤差は、主に、スライダ25の微小回転によって発生するものである。
【0062】
なお、本実施形態では、NC工作機械の一例としてスライダ25を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝達手段を介して駆動制御されるあらゆる制御対象に適用可能である。
また、本実施形態では、位置決め誤差補正量を送り方向が異なる場合についてそれぞれ保持する構成としたが、送り速度や、切削状態等の条件によってさらに区分けされた補正量を保持することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、NC工作機械の制御対象の位置決め誤差を精度良く補正することが可能となる。
また、制御対象に発生する位置決め誤差も経時変化に容易に対応可能である。
さらに、位置決め誤差を補正する補正量の更新が非常に迅速化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の一実施形態の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示したNC装置の制御ブロック図である。
【図3】図1に示したNC装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示す説明図である。
【図4】位置決め誤差補正機能部の構成を示す構成図である。
【図5】位置決め誤差の算出方法を示す説明図である。
【図6】位置決め誤差補正量の一例を示す説明図である。
【図7】本発明のNC装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明のNC装置の動作の他の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の制御装置の他の実施形態の構成を示す説明図である。
【図10】図9に示す誤差算出装置の構成を示す説明図である。
【図11】本発明の制御装置のさらに他の実施形態の構成を示す説明図である。
【図12】図11に示す誤差算出装置の構成を示す説明図である。
【図13】図11に示す誤差算出装置の他の構成を示す説明図である。
【図14】図11に示す誤差算出装置のさらに他の構成を示す説明図である。
【図15】スライダの微小回転に起因して発生する位置決め誤差を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…NC装置
3…位置指令発生部
5…サーボ制御部
7…誤差補正部
8…位置決め誤差補正機能部
9…バックラッシ補正機能部
22…ロータリエンコーダ
25…テーブル
30…リニアスケール
31…回転量入力部
32…移動量入力部
33…比較部
34…位置決め誤差算出部
35…補正量算出部
36…記憶部
37…出力部
201…工具移動量入力部
202…比較部
203…位置決め誤差算出部
204…補正量算出部
Claims (7)
- 回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の制御装置であって、
前記制御対象の第1の制御点の移動量を検出するリニアスケールを有する第1の移動量検出手段の検出信号を入力する第1の制御対象移動量入力手段と、
前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量を検出するレーザー測長器を有する第2の移動量検出手段の検出信号を入力する第2の制御対象移動量入力手段と、
前記第1および第2の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成する第2の制御点補正情報生成手段と、
前記第2の制御点補正情報生成手段によって生成された前記複数位置についての第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶する記憶手段と、
位置指令に応じた前記第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記第1の移動量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なう位置制御手段と
を有するNC工作機械の制御装置。 - 回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の制御装置であって、
前記回転駆動手段の回転量を検出する回転量検出手段の検出信号を入力する回転量入力手段と、
前記制御対象の第1の制御点の移動量を検出するリニアスケールを有する第1の移動量検出手段の検出信号を入力する第1の制御対象移動量入力手段と、
前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量を検出するレーザー測長器を有する第2の移動量検出手段の検出信号を入力する第2の制御対象移動量入力手段と、
前記回転量入力手段及び前記第1の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第1の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第1の制御点補正情報を生成する第1の制御点補正情報生成手段と、
前記第1および第2の制御対象移動量入力手段からの入力情報に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成する第2の制御点補正情報生成手段と、
前記第1および第2の制御点補正情報生成手段によって生成された前記複数位置についての第1および第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶する記憶手段と、
位置指令に応じた前記第1および第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第1および第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記回転量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なう位置制御手段と
を有するNC工作機械の制御装置。 - 前記第2の制御点補正情報は、正逆双方の送り方向についてそれぞれ前記記憶手段に記憶される
請求項1又は2に記載の制御装置。 - 前記制御対象には工具が設けられ、
前記第2の制御点補正情報は、前記工具による切削状態が異なる場合についてそれぞれ前記記憶手段に記憶される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記第1の制御点におけるバックラッシを補正するバックラッシ補正情報を生成するバックラッシ補正情報生成手段を更に有し、
前記位置制御手段は、バックラッシ補正情報に基づく位置指令の補正も行う
請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。 - 回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の位置決め制御方法であって、
前記制御対象の第1の制御点の移動量をリニアスケールにより検出するステップと、
前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量をレーザー測長器により検出するステップと、
検出した前記第1および第2の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成するステップと、
生成した前記複数位置についての第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶手段に記憶させるステップと、
位置指令に応じた前記第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び検出される前記第1の制御点の移動量に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なうステップと
を有するNC工作機械の位置決め制御方法。 - 回転駆動手段によってボールネジを回転させ、前記ボールネジが螺合した制御対象を駆動する制御軸を有するNC工作機械の駆動制御を行なうNC工作機械の位置決め制御方法であって、
前記回転駆動手段の回転量を検出するステップと、
前記制御対象の第1の制御点の移動量をリニアスケールにより検出するステップと、
前記制御対象の前記第1の制御点とは異なる第2の制御点の移動量をレーザー測長器により検出するステップと、
検出した回転量及び前記第1の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第1の制御点に生じる位置決め誤差を前記制御軸のストローク内の複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第1の制御点補正情報を生成するステップと、
検出した前記第1および第2の制御点の移動量に基づいて、前記制御対象の位置決め時における前記第2の制御点に生じる位置決め誤差を前記複数位置について算出し、この位置決め誤差を補正するための第2の制御点補正情報を生成するステップと、
生成した前記複数位置についての第1および第2の制御点補正情報を前記複数位置に関連付けて記憶手段に記憶させるステップと、
位置指令に応じた前記第1および第2の制御点補正情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記第1および第2の制御点補正情報に基づいて前記位置指令を補正し、その補正された位置指令及び前記回転量検出手段の検出信号に基づくフィードバック制御により前記制御対象の位置制御を行なうステップと、
を有するNC工作機械の位置決め制御方法。
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