JP4036502B2 - Ncプログラム作成方法、作成装置及びnc工作機械の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御(以下、NC)工作機械を制御するNC装置を動作させるNCプログラムの作成方法、作成装置およびNC工作機械の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マシニングセンタやNC旋盤装置等のNC工作機械では、一般的に、モータ等の回転駆動源からの回転力をラック及びピンオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構によって直線運動に変換し、被加工物を固定するテーブルや被加工物を切削する工具等を所定の位置に移動させている。
近年、被加工物の自由曲面を加工するために、例えば、5軸などの複数の制御軸を有するNC工作機械が一般的になっている。
このようなNC工作機械の制御軸の制御方式としては、いわゆるフルクローズドフィードバック方式とセミクローズドフィードバック方式が知られている。
【0003】
フルクローズドフィードバック方式は、テーブル等の制御対象にリニヤスケールなどの位置検出装置を直接設置し、この位置検出装置からの位置信号をサーボモータにフィードバックして位置制御を行う方式である。
この方式では、制御対象の位置を直接検出することができるため、制御対象の位置決め精度が高いのが特徴である。
しかしながら、上記の方式では、位置検出装置とサーボモータとの間のフィードバックループ中に、比較的機械剛性の低いラック及びピンオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構が介在するため、サーボ系の固有周波数が低下し、位置ループゲインを高めることが難しい。このため、サーボ系の追従性を高めることが難しい。
【0004】
一方、セミクローズドフィードバック方式は、テーブル等の制御対象を駆動するサーボモータにレゾルバや光学式のロータリエンコーダ等の回転位置検出器を取り付け、この回転位置検出器からの検出された回転量をサーボモータにフィードバックし、サーボモータの回転量を制御することで間接的にテーブル等の制御対象の位置制御を行う方式である。
この方式では、サーボループ中に比較的機械剛性の低いラック及びピンオン、ボールねじ及びナットなどからなる送り機構が介在しないため、サーボ系の固有周波数を高くとれ、サーボモータの追従性を高くすることが可能であることが特徴である。このため、NC工作機械ではセミクローズドフィードバック方式によって駆動制御を行うのが一般的となっている。
しかしながら、セミクローズドフィードバック方式では、サーボモータを駆動制御して間接的にテーブル等の制御対象の位置制御を行っている。
このため、制御軸の送り方向を逆転した場合には、ボールねじ及びナットなどの送り機構に存在するいわゆるバックラッシュや弾性変形等による機械的な位置誤差が発生してしまうことがあり、これによりテーブル等の制御対象の制御軸方向における位置誤差が発生してしまう。
このような制御対象の制御軸方向における位置誤差が存在すると、被加工物の精密な加工を行うことが困難である。
【0005】
このため、従来のNC工作機械を制御するNC装置は、バックラッシュ補正機能とよばれる位置誤差を補正する機能を有しているのが一般的である。
このバックラッシュ補正機能は、位置指令値と実際の制御対象の位置との差(位置誤差)を予めレーザ測長器等の検出手段によって測定しておき、制御軸の送り方向の逆転時に上記の位置誤差を打ち消す所定の補正量を位置指令に加えるものである。
上記のバックラッシュ補正機能を用いれば、バックラッシュ等の機械的誤差が発生する制御軸方向の正確な位置制御は概ね可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マシニングセンタ等の複数の制御軸を有するNC工作機械では、複数の制御軸間で相互に作用する力が存在するため、各軸を上記のようなバックラッシュ補正機能によって補正しても、工具やテーブル等の所定の制御点には、他の方向の位置誤差が生じることが通例である。
例えば、X,Y,Z軸方向に送り機構を有するマシンングセンタにおいて、テーブル上に固定された被加工物を主軸に取り付けられた回転工具によって加工する場合を考える。所定の軸、例えば、X軸方向に送り制御しながら工具によって被加工物を切削加工するような場合には、X軸方向の送り機構の案内面には、X軸方向の送りによる力や切削力等によって生じる反力やモーメントなどが作用する。すなわち、X軸方向の送り機構の案内面には、X軸方向の力以外にY,Z軸方向に作用する力が生じる。
【0007】
通常、送り機構の案内面には、微小な隙間などの機械的なガタが存在し、また、NC工作機械の自重などによる弾性変形も生じうる。したがって、X軸方向の送り機構の案内面にY,Z軸方向に力が作用すると、X軸方向のみならず、Y,Z軸方向に位置変位が生じる。
このようなX軸方向の送りの際のY,Z軸方向の位置変位は、X軸の送り方向が逆転すると、X軸方向の送り機構の案内面に作用する力の向きが逆転することから、Y,Z軸方向の位置誤差となって顕著に現れる。
このような誤差は、Y,Z軸方向の送り機構についても同様に生じ、X,Y,Z軸方向の各送り機構に相互に作用する力によって発生する。
このため、従来においては、X,Y,Z軸の各軸方向のバックラッシュ補正機能によって各制御軸の送り機構に発生するバックラッシュ等の機械的誤差を補正しても、上述のような位置誤差が存在していた。この位置誤差の存在によって、被加工物の加工面に形状誤差が生じる原因となっていた。
このような位置誤差は、上記のセミクローズドフィードバック方式およびフルクローズドフィードバック方式による制御方式のいずれの場合についても発生しうる。
【0008】
また、X軸方向に送り制御を行いながら、例えばZ軸方向に設けられたボールエンドミル等の回転工具によって切削加工を行った場合に、被加工物および回転工具に目標位置に対するZ軸方向に位置ずれが生じると、ボールエンドミル等の回転工具に大きな切削負荷が掛かり、ボールエンドミルの交換時期が早まって、加工の中断が頻繁になる。結果として、加工時間が長時間となってしまう。
一方、上記のZ軸方向の位置のバラツキによる問題を解消するために、仕上げ切削の際にX軸の一方方向の送り時にのみ切削を行うこととすると、加工時間が往復切削時に比較して約2倍となり、加工時間が増大する。
さらに、X軸の一方の送り方向においてのみ切削加工を行うためのNCプログラムは複雑となり、作成に時間および労力を要する。
【0009】
本発明は、かかる従来の不利益を解消すべくなされたものであって、複数の制御軸を有するNC工作機械の一の制御軸の送り方向の逆転時に当該一の制御軸以外の他の制御軸方向に生じる位置誤差を補正可能なNCプログラムの作成方法、作成装置およびNC工作機械の制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点のNCプログラムの作成方法は、制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するNCプログラムの作成方法であって、前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うための主NCプログラムを作成する主NCプログラム作成工程と、前記主NCプログラムが含む、前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入して前記主NCプログラムを補正する補正工程とを有し、前記補正工程では、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする第1のプログラムと、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する。
【0013】
本発明の第2の観点のNCプログラム作成装置は、制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するためのNCプログラムであって、前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うためのNCプログラムを作成するNCプログラム作成手段と、前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムを前記NCプログラムから検出する検出手段と、前記検出された指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入するNCプログラム補正手段とを有し、前記NCプログラム補正手段は、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする第1のプログラムと、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する。
【0018】
本発明の第3の観点のNC工作機械の制御方法は、制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、及び前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するためのNCプログラムであって、前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うためのNCプログラムを作成するNCプログラム作成工程と、前記NCプログラムが含む、前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入して前記NCプログラムを補正する補正工程と、前記補正工程において補正されたNCプログラムをNC装置にダウンロードする工程と、前記NC装置にダウンロードされた前記NCプログラムにしたがって前記NC工作機械を駆動制御する制御工程とを有し、前記補正工程では、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする前記第1のプログラム、と、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
NCプログラム作成システムの説明
図1は、本実施形態に係るNCプログラム作成システムの構成を示す説明図である。
本実施形態に係るNCプログラム作成システムは、パートプログラム作成部51と、NCプロセッサ部53と、ポストプロセッサ部55と、NCプログラム補正部57と、補正量ファイル部60とを有している。
なお、上記構成のNCプログラム作成システムは、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどのコンピュータ装置においてソフトウエアによって実現される。
【0020】
パートプログラム作成部51では、被加工物を加工するNC工作機械の工具の動きを指定して製品の形状を定義し、NC工作機械を可動するためのパートプログラムを作成する。
NCプロセッサ部53は、上記パートプログラムを読み込み、このパートプログラムに基づいて上記の工具の移動軌跡(Cutter Location)データ(CLデータ54)を作成する。
ポストプロセッサ部55は、CLデータ54を読み込み、CLデータ54を実際に加工に使用するために、使用するNC工作機械の仕様にあった記号やフォーマットに変換処理する。ポストプロセッサ部55から出力されるデータが補正前のNCプログラムである。
これらのパートプログラム作成部51、NCプロセッサ部53、ポストプロセッサ部55は、一般的なCADシステムや自動プログラミングシステムに備わった機能である。
【0021】
NCプログラム補正部57は、ポストプロセッサ部55から出力されたNCプログラムを補正処理する。
補正ファイル部60は、NCプログラム補正部57において行う処理のための情報を保持している。
【0022】
図2は、NCプログラム補正部57の構成を示す説明図である。
NCプログラム補正部57は、送り方向逆転検出部57aと、補正プログラム作成部57bと、補正プログラム挿入部57cとを有している。
送り方向逆転検出部57aは、ポストプロセッサ部55から出力されたNCプログラムに含まれる一の制御軸の送り制御を行わせ当該一の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムを検出する。
【0023】
補正プログラム作成部57bは、送り方向逆転検出部57aにおける一の制御軸の逆転の検出にしたがって、一の制御軸の送り方向の逆転の際に、目標位置に対する他の制御軸方向の位置誤差を補正する補正プログラムを作成する。
補正プログラム作成部57bは、補正ファイル部60に保持された情報に基づいて補正プログラムを作成する。
【0024】
補正プログラム挿入部57cは、補正プログラム作成部57bにおいて作成された補正プログラムを上記のNCプログラムに含まれる一の制御軸の送り方向が逆転する指令プログラムに挿入する。
【0025】
ここで、図4にポストプロセッサ部55から出力されたNCプログラムの一例を示す。
図4において、プログラム(1)〜(5)のG01は直線切削送りを指令するコードであり、G91は現在の位置を一つ前の位置からの距離として表すコードであり、Fは送り速度を指令するコードであり、G00は早送りを指令するコードである。
なお、座標系は、X,Y,Z軸の直交座標系によって規定され、X,Y,Z軸の交点を座標原点として各軸の正負の方向を定める。
例えばX軸は、Z軸に直交する平面内の切削工具の運動方向において、切削工具が被加工物より遠ざかっていく方向を正とする。Y軸は、X軸,Z軸に直交する方向である。Z軸は、NC工作機械の主軸の方向であり、被加工物から遠ざかる方向を正と考える。
【0026】
プログラム(1)は、切削工具を被加工物に対してX軸方向に送り速度300mm/minで前の位置から距離100mm相対移動させるという指令である。プログラム(2)は、+Y軸方向に0.5mmの距離で早送りする指令である。
プログラム(3)は、切削工具を被加工物に対して−X軸方向に送り速度300mm/minで一つ前の位置から距離100mmを移動させるという指令である。
プログラム(4)は、切削工具を被加工物に対して+Y軸方向に0.5mmの距離で早送りする指令である。
プログラム(5)は、切削工具を被加工物に対して−X軸方向に送り速度300mm/minで一つ前の位置から距離100mmを移動させるという指令である。
【0027】
ここで、上記のNCプログラム補正部57の処理手順の一例を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図4に示したようなプログラムを含むNCプログラムをNCプログラム補正部57に順次読み込む(ステップS1)。
送り方向逆転検出部57aは、読み込まれた各プログラムが切削工具の移動を指令するG00,G01等のコードを有するプログラムであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0028】
次いで、送り方向逆転検出部57aに読み込まれたプログラムが切削工具の移動を指令するG00,G01等のコードを有するプログラムである場合には、当該プログラムと前回記憶された同様に切削工具の移動を指令するG00,G01等のコードを有するプログラムとを比較する。なお、この比較は各軸方向毎に行われる。
例えば、図4において示したNCプログラムにおいて、プログラム(1)がステップS3における前回記憶されたプログラムとする。
プログラム(3)がステップS1において読み込まれると、プログラム(3)とプログラム(1)との比較が行われる。
プログラム(1)は切削工具の+X軸方向の移動指令であり、プログラム(3)は切削工具の−X軸方向の移動指令であることから、プログラム(1)および(3)からX軸の送り方向の逆転が行われることが判断される(ステップS4)。
【0029】
次いで、送り方向の逆転が検出されると、その逆転の向きを検出する(スッテップS5)。
すなわち、例えば、+X軸方向から−X軸方向への送り方向の逆転か、その逆かを判断する。
+X軸方向から−X軸方向への送り方向の逆転の場合には、NCプログラム補正部57に設けられた逆転方向フラグflagBをオンし(ステップS6)、逆の場合には、逆転方向フラグflagBをオフする(ステップS7)。
次いで、記憶するプログラムを更新する(ステップS8)。
上記の例では、前回記憶されたプログラム(1)をプログラム(3)に更新する。
【0030】
次いで、補正プログラム作成部57bにおいては、補正量ファイル部60から補正量を作成するための所定の情報を取得する(ステップS9)。
この情報は、例えば補正量Dの値などであるが、詳細については後述する。
【0031】
次いで、補正量ファイル部60から得られた情報に基づいて、補正量Dを決定する(ステップS10)。
この補正量は、X軸の送り方向の逆転時に、他のY,Z軸方向に生じる切削工具の被加工物に対する位置ずれを補正する補正量である。
これらの補正量を決定する方法の詳細についても後述する。
【0032】
ステップS10において決定されたY,Z軸方向に生じる切削工具の被加工物に対する位置ずれを補正する補正量をDXY,DXZとすると、これらの補正量をY,Z軸方向の移動量として出力するプログラムを作成する(ステップS11)。具体的には、たとえば図6に示すように、早送りを指令するコードG00を用いて、Y,Z軸方向に補正量DXY,DXZ分だけ移動させるプログラム(H)を作成する。
【0033】
次いで、ステップS11において作成されたプログラム(H)を、たとえば図7に示すように、プログラム(2)と(3)との間に挿入する。
なお、図4に示すプログラムの(3)と(5)との関係においても、X軸の送り方向の逆転が存在するため、プログラム(4)と(5)との間にも同様の補正プログラム(H)が挿入される。
以上のような処理を繰り返し行うことにより、NCプログラムを補正することができる。
また、上記においてはX軸の場合について例示したが、Y軸、Z軸についても同様の処理が行われる。
【0034】
次に、補正量ファイル部60の内容および補正量の決定方法について説明する。
例えば、X,Y,Z軸方向にそれぞれ制御軸を有するNC工作機械には、一の制御軸方向の目標位置に位置決めした際に、目標位置に対する他の制御軸方向の位置ずれが生じうる。加えて、一の制御軸方向に位置決めした際には、当該一の制御軸方向にもバックラッシュなどの機械的な位置ずれが生じうる。
【0035】
したがって、X,Y,Z軸方向に生じうる位置ずれ量は、図3(b)に示すように表すことができる。
位置ずれ量δXX,δYY,δZZは、各制御軸の送り方向の逆転時に当該制御軸方向に発生するバックラッシュなどの機械的誤差である。
位置ずれ量δXY,δXZは、X軸方向の制御軸の送り方向の逆転時にY,Z軸方向に生じる位置ずれ量である。
位置ずれ量δYX,δYZは、Y軸方向の制御軸の送り方向の逆転時にX,Z軸方向に生じる位置ずれ量である。
位置ずれ量δZX,δZYは、Z軸方向の制御軸の送り方向の逆転時にX,Y軸方向に生じる位置ずれ量である。
【0036】
図3(a)は、上記の各位置ずれ量を補正するための補正量を列挙したものである。
図3(a)に示す補正量DXX,DYY,DZZ(以下、バックラッシュ補正量)は、通常、NC工作機械を制御するNC装置ではバックラッシュ補正機能が備わっているため、NC装置に保持されている。
本実施形態では、補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZY(以下、他軸補正量という)を決定して、上記補正プログラムを作成する。
【0037】
例えば、他軸補正量DXY,DXZは、X軸の送り方向が逆転する際に、目標位置(例えば、切削工具と被加工物との相対位置)に対するY軸およびZ軸方向の位置誤差を補正するための補正量である。
すなわち、例えば、マシニングセンタ等の複数の制御軸を有するNC工作機械では、例えば、X軸方向に送り制御しながら切削工具によって被加工物を切削加工するような場合には、X軸方向の送り機構の案内面には、X軸方向の送りによる力や切削力等によって生じる反力やモーメントなどが作用する。送り機構の案内面のY,Z軸方向に力が作用すると、X軸方向のみならず、Y,Z軸方向に位置誤差が生じる。このY,Z軸方向に位置誤差はX軸の送り方向を逆転する際に顕著に現れる。
また、他軸補正量DYX,DYZおよびDZX,DZYについてもX軸の場合と全く同様である。
【0038】
他軸補正量の決定方法
ここで、他軸補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZYの決定方法について説明する。
例えば、NC工作機械において、一の制御軸の送り方向を逆転する際に生じる他の軸方向の位置ずれ量δが略一定の場合が考えられる。
この場合には、各他軸補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZYを一定の値として補正量ファイル部60に保持しておき、これらの値を、例えば図6に示したような補正プログラムの補正量として使用する。
なお、他軸補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZYは、NC工作機械によって実際に加工を行った場合の位置ずれ量δから決定することができ、あるいは、レーザ干渉装置等の位置検出手段を用いて、所定の軸を送り制御させ、他の軸の位置ずれ量δを検出することにより決定してもよい。
【0039】
NC工作機械において、例えば、大きさは略同じで位置ずれ量δの向きが一の制御軸の送り方向の逆転の向きによって異なる場合が考えられる。
この場合には、他軸補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZYを正負の両方の値で保持しておき、補正プログラム作成部57bにおいて上記した逆転方向フラグflagBのステータスに応じて対応する他軸補正量を選択決定する。
【0040】
NC工作機械の構造によっては、例えば、正方向から負方向への送り方向の逆転の場合と負方向から正方向への送り方向の逆転の場合とでは、他の軸方向に位置ずれ量が異なり上述のような同じ大きさの他軸補正量では、補正が十分でない場合も考えられる。例えば、重力の影響などによって逆転する向きによって位置ずれ量が異なる場合も考えられる。
このような場合には、逆転の向きに応じて、異なる値の他軸補正量を補正量ファイル部60に保持しておき、補正プログラム作成部57bにおいて上記した逆転方向フラグflagBのステータスに応じて対応する他軸補正量を選択決定する。
【0041】
また、駆動される制御軸の送り方向の逆転時に、他の制御軸方向に発生する位置ずれが駆動される制御軸の位置に応じて変化する場合が考えられる。
例えば、X軸の送り方向に逆転時に生じるZ軸方向の位置ずれ量δXZがX軸方向の位置の関数で表される場合、例えば、図8に示すように、X軸方向の位置に応じて直線的に変化する場合が考えられる。
この場合には、補正量ファイル部60に比例係数KとX軸方向の基準位置における他軸補正量DXZ0 を保持しておき、次式(1)によって他軸補正量DXZを算出する。
なお、補正プログラム作成部57bにおいては、各制御軸方向の移動量を積算し、原点位置からの現在位置を保持しているものとする。
【0042】
DXZ(x)=−K・x+DXZ0 ・・・(1)
【0043】
また、例えば、X軸方向の複数位置においてZ軸方向の位置ずれ量δXZが異なる場合が考えられる。
この場合には、図9に示すように、X軸方向の複数位置に対応して他軸補正量DXZを補正量ファイル部60に保持しておく。
また、複数点間における他軸補正量DXZは、直線補間によって算出することができる。
【0044】
また、切削工具に切削力が働かない場合、すなわち、非加工時においては、切削力が働かない分他の制御軸方向の位置ずれ量も小さい場合も考えられる。
このような場合には、加工時と非加工時とで、補正量ファイル部60に保持する他軸補正量DXZをそれぞれ保持しておく。
補正プログラム作成部57bにおいては、指令されたコードの内容に応じて各使用する他軸補正量DXZを切り換える。
加工時か非加工時かの判断は、NCプログラム中のコード内容によって判断できる。例えば、コードG01は、切削送りを指令するコードであることから、コードG01による移動指令の場合には、加工時であると判断できる。一方、G00のように、早送りを指令するコードの場合は、非加工時であると判断できる。
【0045】
NC装置の説明
図10は、本実施形態に係るNCプログラム作成システムによって作成されたNCプログラムが適用されるNC装置の一例を示す構成図である。
図10において、NC装置1は、NCプログラム解析・位置指令分配部3と、X,Y,Z軸位置補正部4〜6と、加算部8〜10と、X,Y,Z軸サーボ制御部12〜14と、X,Y,Z軸サーボドライバ15〜17とを有している。
また、X,Y,Z軸サーボドライバ15〜17には、X,Y,Z軸サーボモータ18〜20が接続されている。X,Y,Z軸サーボモータ18〜20には、例えば光学式のロータリエンコーダなどの回転位置検出器18a〜20aが備わっている。
【0046】
NCプログラム解析処理・位置指令分配部3は、上記したNCプログラム作成システムにおいて作成されたNCプログラムを解析(解読)処理して軌跡データを各制御軸の移動すべき位置指令に変換し、これを各制御軸に分配する。
各制御軸に対する位置指令rx ,ry ,rz は、所定時間当たりの移動量として順次出力される。この移動量は、例えばパルス量として与えられる。
上記の機能は、一般的にNC装置に通常的に備わった機能である。また、NCプログラムは、一般的には、CADシステムや自動プログラミングシステムによって作成され、所定の記憶媒体を介して、または、通信手段によってNC装置1にダウンロードされる。
【0047】
X,Y,Z軸位置補正部4〜6は、NCプログラム解析処理・位置指令分配部3から受けた位置指令rx ,ry ,rz に基づき、各軸X,Y,Z軸の送り方向(移動方向)の逆転を検出する。
この送り方向の逆転の検出は、順次入力される各位置指令(移動量)の前回と今回の符号が反転したか否かを判別することによって検出される。
【0048】
X軸位置補正部4は、入力される位置指令rx の逆転を検出すると、位置指令rx を補正するバックラッシュ補正量DXXをX軸加算器8に出力する。
Y軸位置補正部5は、入力される位置指令ry の逆転を検出すると、位置指令ry を補正するバックラッシュ補正量DYYをY軸加算器9に出力する。
Z軸位置補正部6は、入力される位置指令rz の逆転を検出すると、位置指令rz を補正するバックラッシュ補正量DZZをZ軸加算器10に出力する。
【0049】
X,Y,Z軸加算部8〜10は、各位置指令rx ,ry ,rz をそれぞれrx +DXX,ry +DYY,rz +DZZとしてX,Y,Z軸サーボ制御部12〜14に出力する。
【0050】
X,Y,Z軸サーボ制御部12〜14は、位置ループ、速度ループおよび電流ループから構成される。
位置ループは、たとえば、各制御軸の位置指令(移動量)を受けて、これらの移動量と各サーボモータ18〜20の回転位置を検出する回転位置検出器18a〜20aからの位置フィードバック信号との偏差に比例動作を施して(位置ループゲインをかける)、これを速度ループに対する速度指令として出力する。
速度ループは、たとえば、前記速度指令と回転位置検出器18a〜20aからの位置フィードバック信号のサンプリング時間毎の差分値(速度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力する。
電流ループは、たとえば、各サーボモータ18〜20の駆動電流から換算した各サーボモータ18〜20の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流指令とし、これをサーボドライバ15〜17に所定の電気信号に変換して出力する。
X,Y,Z軸サーボ制御部12〜14は、本実施形態ではソフトウエアによって実現されるが、ハードウエアによっても実現可能である。
【0051】
X,Y,Z軸サーボドライバ15〜17は、X,Y,Z軸サーボ制御部12〜14からの電流指令を増幅した駆動電流をX,Y,Z軸サーボモータ18〜20に出力する。
X,Y,Z軸サーボモータ18〜20は、X,Y,Z軸サーボドライバ15〜17駆動電流に応じて駆動される。
【0052】
X,Y,Z軸サーボモータ18〜20に備わった回転位置検出器18a〜20aは、X,Y,Z軸サーボモータ18〜20の回転量に応じた検出パルスをX,Y,Z軸サーボ制御部12〜14に対して出力する。
回転位置検出器18a〜20aとしては、例えば、インクリメンタル方式のロータリエンコーダまたはアブソリュート方式のロータリエンコーダを用いることができる。インクリメンタル方式のロータリエンコーダを用いた場合には、当該ロータリエンコーダは1回転毎の位置信号を回転パルス信号として出力することから、回転パルス信号の数をX,Y,Z軸サーボ制御部12〜14において管理することにより、X,Y,Z軸サーボモータ18〜20の絶対位置が管理できる。
【0053】
以上のような構成により、X,Y,Z軸サーボモータ18〜20の回転位置制御が可能となる。
なお、NC装置1は、X,Y,Z軸サーボモータ18〜20の回転位置制御のみならず、速度制御およびトルク制御が可能であるが、詳細については省略する。
また、NC装置1は、X,Y,Zサーボモータ18〜20以外のさらに多数の制御軸を制御可能であり、例えばスピンドルモータ等の回転速度制御を行う機能を有している。
【0054】
図10に示したNC装置1の各機能は、たとえば、図12に示すような構成のハードウエアによって実現される。
図12において、マイクロプロセッサ21は、ROM(Read Only Memory) 22、RAM(Random Access Memory) 23、インターフェース回路24、グラフィック制御回路25、表示装置26、キーボード28、ソフトウエアキー27等とバスを介して接続されている。
マイクロプロセッサ21は、ROM22に格納されたシステムプログラムにしたがって、NC装置1全体を制御する。
【0055】
ROM22には、上記したNCプログラム解析・位置指令分配部3、X,Y,Z軸位置補正部4〜6、加算部8〜10、X,Y,Z軸サーボ制御部12〜14などを実現するプログラムや、NC装置1全体を制御するためのプログラムが格納される。
RAM23は、ROM22に格納されたプログラムがダウンロードされたり、各種のNCプログラム、データなどが格納され、例えば、補正量データ等が格納される。
【0056】
グラフィック制御回路25は、ディジタル信号を表示用の信号に変換し、表示装置26に与える。
表示装置26には、例えば、CRT表示装置や液晶表示装置が使用される。表示装置26は、ソフトウェアキー27またはキーボード28を用いて作業者が対話形式で加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件および生成された加工プログラム等を表示する。
作業者は、表示装置26に表示される内容(対話形データ入力画面)にしたがってデータを入力することができる。
表示装置26の画面には、その画面で受けられる作業またはデータがメニュー形式で表示される。メニューのうちどの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウエアキー27を押すことにより行う。
キーボード28は、NC装置1に必要なデータを入力するのに使用される。
【0057】
インターフェース回路24は、マイクロプロセッサ21から出力された位置指令等の指令を所定の信号に変換してX〜Z軸サーボドライバ15〜17に出力する。
また、インターフェース回路24は、X〜Z軸サーボモータ18〜20に備わった位置検出器18a〜20aからの検出パルスを逐次カウントし、このカウント値をマイクロプロセッサ21に出力する。
【0058】
マシニングセンタの一例
図13は、上記のNC装置が適用されるNC工作機械としてのマシニングセンタの一例を示す構成図である。
図13に示すマシニングセンタは、いわゆる門型のマシニングセンタであって、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37に、クロスレール37上を移動可能に支持された可動部材44を介して主軸45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
【0059】
可動部材44には、水平方向にクロスレール37内を通じて図示しない雌ねじ部が形成されており、これにボールねじ41がねじ込まれている。ボールねじ41の端部には、Y軸サーボモータ19が設けられており、ボールねじ41はY軸サーボモータ19によって回転駆動される。
ボールねじ41の回転駆動によって、可動部材44はY軸方向に移動可能となり、これによって主軸45のY軸方向の移動が行われる。
【0060】
さらに、可動部材44には、鉛直方向に図示しない雌ねじ部が形成されており、これにボールねじ42がねじ込まれている。ボールねじ42の端部には、Z軸サーボモータ20が設けられている。Z軸サーボモータ20によってボールねじ42が回転駆動され、これにより可動部材44に移動可能に設けられた主軸45のZ軸方向の移動が行われる。
【0061】
主軸45内には、主軸モータ31が内蔵され、主軸モータ31は、主軸45の先端に設けられるエンドミルなどの工具Tを回転駆動する。
主軸45の下方には、X軸テーブル35がX軸方向に移動可能に設けられており、X軸テーブル35には、ボールネジおよび雌ねじ等から構成される送り機構を介してX軸サーボモータ18が接続されている。
X軸テーブル35は、X軸サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動が行われる。
【0062】
なお、上記のX,Y,Z軸サーボモータ18の駆動制御は、NC装置1によって行われる。
また、門型コラム38には、図示しない雌ねじ部がそれぞれ形成されており、これにねじ込まれるボールねじ32aをクロスレール昇降用モータ32によって回転駆動することによりクロスレール37は昇降する。
さらに、工具Tは自動工具交換装置(ATC)39によって種々のものに交換可能になっており、各種アタッチメントの交換も自動交換装置(AAC)40によって種々のものに交換可能になっている。
【0063】
金型の切削加工例
次に、上述したNC装置およびマシニングセンタによる被加工物、例えば金型の切削加工の一例について説明する。
図14は、X軸テーブル35上に固定された被加工物WをボールエンドミルTによって、被加工物Wの一面の仕上げ切削を行っている様子を示す斜視図である。
被加工物Wの一面の仕上げ切削を行うには、例えば図14に示すように、ボールエンドミルTによる切り込み量が所定となるように、Z軸方向の位置決めを行い、主軸モータ31によって所定の回転速度で回転させられるボールエンドミルTに対して、X軸テーブル35(被加工物W)をX軸方向に所定の送り速度で移動させながら切削加工を行う。
そして、X軸方向の所定の位置でボールエンドミルTをY軸方向にピックフィード量Pで移動させ、ボールエンドミルTをX軸の反対方向に同様の送り速度で移動させる。
この動作を繰り返し行うことにより、被加工物Wの一面の仕上げ切削を行う。
【0064】
図15は、図14に示す手順で仕上げ加工を行った場合の仕上げ面の仕上げ面粗さを説明する図である。
ボールエンドミルTをピックフィード量PでY軸方向に移動させながら、切削加工を行うと、図15に示すように理想的には切削面は波状に形成される。
このとき、切削面の最高部と最低部との距離hを仕上げ面粗さとする。
仕上げ面粗さhは、理論的には、次式(2)により表される。
【0065】
h≒P2 /8R(P≪R) ・・・(2)
但し、Rはボールエンドミルの先端部の曲率半径である。
【0066】
仕上げ面粗さhは、小さいほど仕上げ面の面精度が高く、例えば金型の場合には、仕上げ面粗さhを非常に小さくできれば、後工程における研磨工程を省略したり、研磨工程を簡略化することができる。
【0067】
しかしながら、従来のマシニングセンタによる仕上げ面切削においては、仕上げ面粗さhを小さくできないという問題があった。
これは、X軸テーブル35(被加工物W)をX軸方向に所定の送り速度で往復移動させる際に、+X軸方向から−X軸方向に送り方向を逆転または−X軸方向から+X軸方向に送り方向を逆転する際に、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間にZ軸方向の位置ずれδXZが発生することに起因していた。
ボールエンドミルTと被加工物Wとの間にZ軸方向の位置ずれδXZは、ボールエンドミルTから被加工物Wが受ける切削力やX軸テーブル35の移動の際に作用する力などが、送り方向を逆転する際に変化し、X軸テーブル35や主軸45の送り機構などにZ軸方向の位置ずれδXZを発生させているものと考えられる。
【0068】
また、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZは、+X軸方向から−X軸方向に送り方向を逆転する場合と、−X軸方向から+X軸方向に送り方向を逆転する場合とでは、大きさは略等しいが向きが逆となって発生していた。
したがって、X軸方向のバックラッシュ等の機械誤差を補正したとしても、仕上げ面粗さhを小さくできない。
また、上記のようなZ軸方向の位置ずれδXZが発生すると、一方の送り方向においてはボールエンドミルTに大きな切削負荷が掛かり、ボールエンドミルの交換時期が早まって、加工の中断が頻繁になるため、結果として、加工時間が長時間となってしまうという不利益も存在する。
【0069】
ここで、図16は、ボールエンドミルTによって被加工物Wを切削加工した場合の仕上げ面の状態を示しており、図中実線L1は理想状態における場合であり、図中点線L2はボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZが正負の方向に発生した場合である。なお、Z軸は相対量を示している。
ボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZが正負の方向に発生すると、点線L2に示すように、X軸の一方の送り方向(図中(1)の領域)ではZ軸方向切り込み量が大きくなり、X軸の他の送り方向(図中(2)の領域)ではZ軸方向切り込み量が小さくなる。
このため、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZが正負の方向に発生すると、理想状態に比較して仕上げ面粗さhが増大する。大きくなってしまう。
【0070】
また、図17は、仕上げ面の様子を示す説明図であって、(a)は理想状態における仕上げ面の状態を示す平面図であり、(b)はZ軸方向に位置ずれを生じた場合の仕上げ面の状態を示す平面図である。
図17(a)に示すように、理想的には、互いにX軸の送り方向が反対(逆方向)の切削面Sf,Sbは、略等間隔に形成される。
一方、図17(b)に示すように、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZが正負の方向のいずれにも発生すると、一方の切削面SbのY軸方向の幅が太くなり、他方の切削面Sfの幅が細くなる。
したがって、理想状態とボールエンドミルTと被加工物Wとの間のZ軸方向の位置ずれδXZが正負の方向に発生した場合とでは、切削面の様子が異なるため、視覚的にも仕上げ面の良否を確認することができる。
【0071】
次に、上記したNCプログラム作成システムによって作成されたNCプログラムを用いた上記NC装置およびマシニングセンタの動作について説明する。
まず、NCプログラム作成システムによって作成されたNCプログラムが、例えば、NCテープやフロッピディスクなどの記憶媒体を介してNC装置1に読み込まれ、RAM23に記憶される。
NCプログラム解析処理・指令分配部3では、上記のNCプログラムを解析処理し、各制御軸毎に位置指令rx ,ry ,rz に分配する。
各制御軸毎に分配された位置指令rx ,ry ,rz は、所定時間当たりの移動量としてそれぞれX,Y,Z軸位置指令補正部4〜6に逐次入力される。
【0072】
次いで、各軸位置指令補正部4〜6では、入力された移動量に基づいて、各軸の送り方向が逆転したか否かを検出する。
逆転したか否かは、位置指令パルスの符号が逆転したか否かを検出することで判断する。
したがって、前回入力された移動量と今回入力された移動量の符号が異なる場合には、送り方向が逆転する指令であると判断される。
【0073】
制御軸の送り方向が逆転する場合には、これに対応するバックラッシュ補正量が各軸位置補正部4〜6から対応する加算器8〜10に出力される。
たとえば、X軸方向の送り方向が逆転した場合には、X軸サーボ制御部12を通じてX軸方向のバックラッシュがバックラッシュ補正量DXXによって補正されることになる。
このとき、X軸方向のバックラッシュ補正に加えて、Y軸方向およびZ軸方向の位置誤差を補正するように、NCプログラム解析処理・指令分配部3から位置指令ry 、rz が出力される。
位置指令ry 、rz は、NCプログラム解析処理・指令分配部3において他軸補正量DXY,DXZが位置指令に変換されたものである。
この位置指令ry 、rz がY,Z軸サーボ制御部13,14に出力されることによって、Y、Z軸方向の目標位置からの位置ずれが補正されることになる。
なお、X軸の送り方向が逆転する場合について説明したが、Y、Z軸の送り方向が逆転する場合についても同様である。
【0074】
実施例
ここで、図18は、本実施形態のNCプログラム作成システムによって作成されたNCプログラムを用いて、上記のNC装置およびマシニングセンタによって被加工物Wとしての金型の一面を実際に加工した場合の加工結果を示す説明図である。(a)は本実施形態による場合であり、(b)は従来の場合である。
加工条件は、金型の材料:FCD700(SG)、工具:ボールエンドミル(超硬)、工具径:16mm、主軸回転速度:4400rpm、X軸方向の送り速度3800mm/min、Y軸方向のピックフィード量P:0.7mm、Z軸方向切り込み量1mmとして行った。
また、図18(a)においては、Z軸の位置指令rz を他軸補正量DXZを加算して補正し、他の位置指令については補正を行わなかった。
さらに、図18(b)において、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間に発生するZ軸方向の位置ずれ量δxzは、±9μm程度であるため、他軸補正量DXZの大きさを9μmとし、X軸の送り方向の逆転の向きに応じて符号を付けた。
【0075】
図18(b)において、ボールエンドミルTと被加工物Wとの間に発生するZ軸方向の位置ずれ量δxzを他軸補正量によって補正しない場合には、領域(1)においては、Z軸方向に切り込み量が大きく、領域(2)においては切り込み量が少なくなっており、仕上げ面粗さhが悪化しているのがわかる。
一方、本実施形態にによれば、図18(a)に示すように仕上げ面粗さhが飛躍的に改善するのがわかる。
【0076】
以上のように、本実施形態によれば、NCプログラム作成システムにおいて予め補正されたNCプログラムによってNC工作機械を駆動することによって、一の制御軸の送り方向の逆転時に、他の制御軸方向に生じる目標位置からの位置ずれを平面的または立体的に補正することができる。
この結果、NC工作機械による被加工物の加工精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、NC工作機械を制御するNC装置に一の制御軸の送り方向の逆転時に他の制御軸方向に生じる目標位置からの位置ずれを補正する機能を有していなくても、これらの位置ずれを補正することができる。
したがって、本実施形態によれば、既存のNC装置に対して何ら変更を加えることを必要とせずに、他の制御軸方向に生じる目標位置からの位置ずれを2次元的または3次元的に補正することができる。
この結果、例えば、マシニングセンタにおいてボールエンドミルTによって被加工物Wの一面を仕上げ切削したような場合に、仕上げ面の仕上げ面粗さを向上させることができる。
【0077】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、図10に示したように、適用されるNC装置にバックラッシュ補正機能を有する場合について説明したが、例えば、図11に示すような構成のNC装置に適用した場合にも、バックラッシュ補正および他軸に発生する位置ずれを補正可能である。
この場合には、たとえばX軸の送り方向が逆転する場合に挿入する補正プログラムとして、たとえば図19に示すようなプログラムを作成する。
バックラッシュ補正量DXXおよび他軸補正量DXY,DXZによって、X軸の送り方向が逆転する際に生じる目標位置からの位置ずれをX,Y,Z軸の3軸方向で補正することが可能になる。
また、補正量DXY,DXZ,DYX,DYZ,DZX,DZYの全部を使用しなくても、いずれかについてのみ使用してもよい。
さらに、上述の実施形態では、X,Y,Z軸の3軸の制御軸を有するNC工作機械に適用した場合について説明したが、2軸の制御軸を有するNC工作機械または4軸以上の制御軸を有するNC工作機械に本発明は適用可能である。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の制御軸を有するNC工作機械の一の制御軸の送り方向の逆転時に当該一の制御軸以外の他の制御軸方向に生じる位置誤差を補正可能となる。
この結果、NC工作機械による被加工物の加工精度を向上させることができる。
また、本発明によれば、既存のNC装置を改変せず、NC装置に補正したNCプログラムをダウンロードすることで、高精度な加工が可能となるため、実施が非常に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るNCプログラム作成システムの構成例を示す説明図である。
【図2】NCプログラム補正部の構成を示す説明図である。
【図3】補正量および位置誤差の種類を示す説明図である。
【図4】補正前のNCプログラムの一例を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係るNCプログラム作成システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】補正プログラムの一例を示す説明図である。
【図7】補正前のNCプログラムに補正プログラムを挿入したNCプログラムの一例を示す説明図である。
【図8】他軸補正量の算出方法の一例を説明するための図である。
【図9】他軸補正量の算出方法の他の例を説明するための図である。
【図10】NC装置の一構成例を示す説明図である。
【図11】NC装置の他の構成例を示す説明図である。
【図12】図10に示したNC装置を実現するためのハードウエア構成の一例を示す説明図である。
【図13】マシニングセンタの一例を示す構成図である。
【図14】ボールエンドミルによって被加工物の一面の仕上げ切削を行っている様子を示す斜視図である。
【図15】仕上げ面の仕上げ面粗さを説明するための図である。
【図16】仕上げ面のY軸とZ軸によって構成される平面方向の断面図である。
【図17】仕上げ面の様子を示す説明図であって、(a)は理想状態における仕上げ面の状態を示す平面図であり、(b)はZ軸方向に位置ずれを生じた場合の仕上げ面の状態を示す平面図である。
【図18】金型の一面を実際に加工した場合の加工結果を示す説明図であって、(a)は本実施形態による場合であり、(b)は従来の場合である。
【図19】本発明の他の実施形態による場合の補正プログラムの例を示す説明図である。
【符号の説明】
51…パートプログラム作成部
53…NCプロセッサ部
54…CLデータ
55…ポストプロセッサ部
57…NCプログラム補正部
57a…送り方向逆転検出部
57b…補正プログラム作成部
57c…補正プログラム挿入部
59…NCプログラム
60…補正ファイル部
Claims (3)
- 制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するNCプログラムの作成方法であって、
前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うための主NCプログラムを作成する主NCプログラム作成工程と、
前記主NCプログラムが含む、前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入して前記主NCプログラムを補正する補正工程と、
を有し、
前記補正工程では、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする第1のプログラムと、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する
NCプログラム作成方法。 - 制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するためのNCプログラムであって、前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うためのNCプログラムを作成するNCプログラム作成手段と、
前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムを前記NCプログラムから検出する検出手段と、
前記検出された指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入するNCプログラム補正手段と、
を有し、
前記NCプログラム補正手段は、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする第1のプログラムと、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する
NCプログラム作成装置。 - 制御対象を加工対象面に沿う方向へ移動させる第1の制御軸と、前記制御対象を加工対象面に沿う方向であって前記第1の制御軸方向に直交する方向に移動させる第2の制御軸と、及び前記制御対象を前記加工対象面に対して直交する方向へ移動させる第3の制御軸とを有するNC工作機械を制御するためのNCプログラムであって、前記第1の制御軸の駆動による前記制御対象の位置決めと、前記第1の制御軸の送り方向の逆転とを、前記第2の制御軸の駆動による前記制御対象の一定量の移動を挿んで繰り返し行い、直線往復切削による加工対象面の仕上げ切削を行うためのNCプログラムを作成するNCプログラム作成工程と、
前記NCプログラムが含む、前記第1の制御軸を駆動して前記制御対象を位置決めし前記第1の制御軸の送り方向を逆転する指令プログラムに、前記第1の制御軸の送り方向の逆転によって生じる前記第3の制御軸方向の位置誤差を、逆転時の前記第1の制御軸方向の位置に応じた補正量で補正する補正プログラムを挿入して前記NCプログラムを補正する補正工程と、
前記補正工程において補正されたNCプログラムをNC装置にダウンロードする工程と、
前記NC装置にダウンロードされた前記NCプログラムにしたがって前記NC工作機械を駆動制御する制御工程と、
を有し、
前記補正工程では、前記指令プログラムに含まれる、前記第1の制御軸を駆動して位置決めする前記第1のプログラムと、前記第1の制御軸の送り方向を逆転する第2のプログラムとの間に、前記第1のプログラム、前記補正プログラム、前記第2のプログラムの順でこれらのプログラムが前記NC工作機械により実行されるように、前記補正プログラムを挿入する
NC工作機械の制御方法。
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