JP4606658B2 - 工作機械、その数値制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、マシニングセンタ等の工作機械とその数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、マシニングセンタにおいては、主軸に装着されたドリルやエンドミル等の工具によってワークの切削加工を行う。このマシニングセンタは、ワークと工具の相対位置を変更するために複数の制御軸を有する。
このように複数の制御軸を有するマシニングセンタは、通常、ワークを所望の立体形状に加工するために少なくとも互いに直交するX,Y,Z軸方向の制御軸を備えているが、X,Y,Z軸のいずれかの制御軸に平行な制御軸をさらに備えたものも知られている。平行な制御軸を全て使用することにより、大きなストローク、すなわち、ワークと工具との相対移動量を大きくとることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、平行な制御軸を利用してワークと工具との相対移動量を大きくとるには、マシニングセンタを制御する数値制御装置に与える加工プログラムにおいて複数の平行な制御軸間の関係を規定する必要がある。すなわち、複数の平行な制御軸がそれぞれもつストロークを最大限活用するためには、一の制御軸を動作中に当該一の制御軸がストローク限界に達しないように、他の平行な制御軸の位置を予め適切な位置に移動させておく必要があるからである。一の制御軸を動作中に当該一の制御軸がストローク限界に達すると、加工が中断される。
しかしながら、上記のような加工プログラムを作成することは比較的難しく非常に手間のかかる作業である。
このように、従来においては、マシニングセンタが複数の平行な制御軸を備えている場合であっても、加工プログラムの作成が難しく、手間がかかるため、平行な制御軸が充分に活用されていなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の平行な軸を有する工作機械において、複雑な加工プログラムを作成することなしに複数の軸を協調動作させて各軸のもつ各ストロークを有効活用できる数値制御装置およびこの数値制御装置を備えた工作機械を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置において、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
協動指令生成手段と
を具備し、
前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、工作機械の数値制御装置が提供される。
【0006】
また、前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第2サーボ制御手段に出力して前記第2移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、前記第2移動手段が前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第1移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第1サーボ制御手段を動作させる第1制御指令を出力することができる。
【0007】
好ましくは、前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段は、前記協働指令生成手段からの位置指令で示された移動量と、第1サーボモータの回転位置検出信号との偏差を求め、当該偏差に比例動作処理を行う、第1位置ループと、前記第1位置ループから出力された比例動作処理結果を速度指令として、当該速度指令と前記第1サーボモータの回転位置検出信号をサンプリング時間毎の差分値との偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行う、第1速度ループと、前記第1速度ループから出力された処理結果をトルク指令として、当該トルク指令と前記第1サーボモータの駆動電流から換算したトルクとの偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行い、その結果を電流指令として前記第1サーボモータを駆動する、第1電流ループとを有し、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段は、前記協働指令生成手段からの位置指令で示された移動量と、第2サーボモータの回転位置検出信号との偏差を求め、当該偏差に比例動作処理を行う、第2位置ループと、前記第2位置ループから出力された比例動作処理結果を速度指令として、当該速度指令と前記第2サーボモータの回転位置検出信号をサンプリング時間毎の差分値との偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行う、第2速度ループと、前記第2速度ループから出力された処理結果をトルク指令として、当該トルク指令と前記第2サーボモータの駆動電流から換算したトルクとの偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行い、その結果を電流指令として前記第2サーボモータを駆動する、第2電流ループとを有する。
【0008】
また本発明によれば、第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置であって、当該数値制御装置は、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
を有する数値制御装置における制御方法であって、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、制御方法が提供される。
また、制御方法は、前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第2サーボ制御手段に出力して前記第2移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、前記第2移動手段が前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第1移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第1サーボ制御手段を動作させる第1制御指令を出力することができる。
【0009】
また本発明によれば、第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械本体と、
前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置と
を有し、
前記数値制御装置は、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
協動指令生成手段と
を具備し、
前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、工作機械が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。なお、マシニングセンタはいわゆる複合加工の可能な数値制御工作機械である。
【0011】
図1においてマシニングセンタ1は、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37を備えており、このクロスレール37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。ラム45は所定のストローク範囲でサドル44上を移動可能となっている。
【0012】
サドル44には、水平方向にクロスレール37内を通じて図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸41が螺合している。
送り軸41の一端部には、サーボモータ19が接続されており、送り軸41はサーボモータ19によって回転駆動される。
【0013】
送り軸41の回転駆動によって、サドル44はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45のY軸方向の移動および位置決めが行われる。
さらに、サドル44には、鉛直方向に方向に図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸42がねじ込まれている。送り軸42の端部には、サーボモータ20が接続されている。
【0014】
サーボモータ20によって送り軸42が回転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けられたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われる。
ラム45内には、主軸モータ31が内蔵され、この主軸モータ31はラム45に回転自在に保持された主軸46を回転駆動する。
主軸46の先端には、フライス、ドリル、エンドミルなどの工具Tが装着され主軸46の回転によって工具Tが駆動される。
【0015】
ラム45の下方には、テーブル35がX軸方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に沿って設けられた図示しない送り軸が螺合しており、この図示しない送り軸にサーボモータ18が接続されている。
【0016】
テーブル35は、サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われる。
また、2本の門型コラム38には、図示しないねじ部がそれぞれ形成されており、これに螺合する送り軸32aをクロスレール昇降用モータ32によって回転駆動することによりクロスレール37はZ軸方向に昇降する。このクロスレール37は、所定のストローク範囲で門型コラム38上を移動可能となっている。
【0017】
自動工具交換装置(ATC)39は、主軸46に対して各種工具Tを自動交換する。
この自動工具交換装置39は、たとえば、図示しないマガジンに工具ホルダによって保持された各種工具Tを収納しており、主軸46に装着された工具Tを図示しない工具交換アームによってマガジンに収納し、必要な工具Tを主軸46に工具交換アームによって装着する。
【0018】
数値制御装置51は、上記のサーボモータ18,19,20、クロスレール昇降用モータ32および主軸モータ31の駆動制御を行う。
数値制御装置51は、具体的には、予め加工プログラムで規定されたワークの加工手順にしたがって、工具Tとテーブル35に固定されたワークとの間の位置および速度制御を行う。
また、数値制御装置51は、加工プログラムにおいて、たとえば、Sコードで規定された主軸31の回転数を解読することにより主軸46の回転数の制御を行う。
さらに、数値制御装置51は、加工プログラムにおいて、たとえば、Mコードで規定された工具Tの交換を動作を解読することにより、各種工具Tの自動交換を実行する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る数値制御装置51の機能ブロック図である。
図2に示すように、数値制御装置51は、解析処理指令分配部60と、協動指令生成部61と、昇降用モータサーボ制御部62と、Z軸サーボ制御部63と、サーボドライバ17,33と、パラメータ記憶部65とを有する。なお、図2に示す機能ブロック図は要部の機能のみ示しており、実際には、X,Y軸のサーボ制御部、サーボドライバ、主軸モータ31の制御部等を備えている。
【0020】
サーボドライバ17には、Z軸サーボモータ20が接続されている。Z軸サーボモータ20には、たとえば、光学式のロータリエンコーダなどの回転位置検出器20aが備わっている。
同様に、サーボドライバ33には、昇降用モータ32が接続されている。昇降用モータ32には、たとえば、光学式のロータリエンコーダなどの回転位置検出器32bが備わっている。
【0021】
解析処理・指令分配部60は、例えば、ワークを加工する工具Tの軌跡データなどを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを解析処理して工具Tの軌跡データを各制御軸に対する位置指令(制御指令)、すなわち、移動量に変換し、これを各制御軸に分配する。なお、図2おいて、Z軸方向の位置指令rzのみを示しているが、解析処理・指令分配部60は、実際には、X軸方向およびY軸方向の位置指令も生成し、図示しないX,Y軸のサーボ制御部に出力する。
【0022】
Z軸サーボ制御部63は、位置ループ、速度ループおよび電流ループから構成される。
位置ループは、協動指令生成部61から入力される位置指令rz2 (移動量)を受けて、この移動量とZ軸サーボモータ20の回転位置を検出する回転位置検出器20aからの位置フィードバック信号との偏差に比例動作を施して(位置ループゲインω0 をかける)、これを速度ループに対する速度指令として出力する。
速度ループは、たとえば、前記速度指令と回転位置検出器20aからの位置フィードバック信号のサンプリング時間毎の差分値(速度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力する。
電流ループは、たとえば、Z軸サーボモータ20の駆動電流から換算した各サーボモータ20の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流指令とし、これをサーボドライバ17に所定の電気信号に変換して出力する。
【0023】
また、Z軸サーボ制御部63は、サーボドライバ17を通じてZ軸サーボモータ20の検出回転位置が逐次フィードバックされる。
Z軸サーボ制御部63は、本実施形態ではソフトウエアによって実現されるが、ハードウエアによっても実現可能である。
【0024】
サーボドライバ17は、Z軸サーボ制御部63からの電流指令を増幅した駆動電流をZ軸サーボモータ20に出力する。
Z軸サーボモータ20は駆動電流に応じて駆動され、Z軸サーボモータ20に備わった回転位置検出器20aは、Z軸サーボモータ20の回転量に応じた検出パルスをZ軸サーボ制御部63に対して出力する。
回転位置検出器20aとしては、例えば、インクリメンタル方式のロータリエンコーダまたはアブソリュート方式のロータリエンコーダを用いることができる。インクリメンタル方式のロータリエンコーダを用いた場合には、当該ロータリエンコーダは1回転毎の位置信号を回転パルス信号として出力することから、回転パルス信号の数をZ軸サーボ制御部63において管理することにより、Z軸サーボモータ20の絶対位置が管理できる。
【0025】
昇降用モータサーボ制御部62は、Z軸サーボ制御部63と同様に、位置ループ、速度ループおよび電流ループから構成され、協動指令生成部61から位置指令rz1 が入力され、Z軸サーボ制御部63と同様の処理を行い、サーボドライバ33に電流指令を出力する。
また、昇降用モータサーボ制御部62は、サーボドライバ33を通じて昇降用モータ32の検出回転位置が逐次フィードバックされる。
【0026】
サーボドライバ33は、サーボドライバ17と同様の構成であり、昇降用モータサーボ制御部62からの電流指令を増幅した駆動電流を昇降用モータ32に出力する。
昇降用モータ32は、は駆動電流に応じて駆動され、昇降用モータ32に備わった回転位置検出器32bは、昇降用モータ32の回転量に応じた検出パルスを昇降用モータサーボ制御部62に対して出力する。
回転位置検出器32bとしては、例えば、インクリメンタル方式のロータリエンコーダまたはアブソリュート方式のロータリエンコーダを用いることができる。インクリメンタル方式のロータリエンコーダを用いた場合には、当該ロータリエンコーダは1回転毎の位置信号を回転パルス信号として出力することから、回転パルス信号の数を昇降用モータサーボ制御部62において管理することにより、昇降用モータ32の絶対位置が管理できる。
【0027】
なお、上記の各機能は、一般的なNC装置に本来的に備わった機能である。また、NC装置に使用される加工プログラムは、一般的には、CADシステムや自動プログラミングシステム、CAMシステム等によって自動的に作成され、所定の記憶媒体を介して、または、通信手段によってNC装置1にダウンロードされる。
【0028】
協動指令生成部61は、解析処理・指令分配部60からZ軸方向の位置指令rzが入力される。この位置指令rzは、工具TのZ軸方向の移動量である。
協動指令生成部61は、後述する円弧切削指令や直線補間指令の場合には、入力される位置指令rzに基づいて、昇降用モータ32およびZ軸サーボモータ20を協動させて工具TをZ軸方向の目標位置に移動位置決めする位置指令rz1あるいはrz2 を生成し、昇降用モータサーボ制御部62およびZ軸サーボ制御部63に出力する。
また、協動指令生成部61は、昇降用モータ32およびZ軸サーボモータ20を協動させない場合には、入力される位置指令rzをZ軸サーボ制御部63にそのまま出力する。
なお、協動指令生成部61の具体的な処理内容については後述する。
【0029】
パラメータ記憶部65は、協動指令生成部61が所定の処理を行うのに必要な各種パラメータを記憶する。
図3は、パラメータ記憶部65に記憶されているパラメータの一例である。パラメータPm1は、協動制御を行うか否かを規定するパラメータである。協動制御無しの場合には、協動指令生成部61は解析処理・指令分配部60から入力される位置指令rzをそのままZ軸サーボ制御部63に出力する。
協動制御有りの場合には、協動指令生成部61は解析処理・指令分配部60から入力される位置指令rzに基づいて、位置指令rz1 あるいはrz2 を生成する。
【0030】
パラメータPm2は、ラム45のストローク限界位置を規定するパラメータである。
パラメータPm3は、クロスレール37のストローク限界位置を規定するパラメータである。
これらパラメータPm2およびPm3は、後述する協動指令生成部61において、ラム45およびクロスレール37がストローク限界位置に達したかを判断する際に用いられる。
【0031】
図4は、図2に示した数値制御装置51のハードウエア構成の一例を示す図である。
図2に示した数値制御装置51の各機能は、たとえば、図4に示すような構成のハードウエアによって実現される。
【0032】
図4において、マイクロプロセッサ21は、ROM(Read Only Memory) 22、RAM(Random Access Memory) 23、インターフェース回路24,34、グラフィック制御回路25、表示装置26、キーボード28、ソフトウエアキー27等とバスを介して接続されている。
マイクロプロセッサ21は、ROM22に格納されたシステムプログラムにしたがって、数値制御装置51全体を制御する。
【0033】
ROM22には、解析・指令分配部60、Z軸サーボ制御部14、昇降用モータサーボ制御部62などを実現するプログラムや、数値制御装置51全体を制御するためのシステムプログラムが格納される。
RAM23は、ROM22に格納されたプログラムがダウンロードされたり、各種の加工プログラム、データなどが格納される。上記したパラメータ記憶部65もRAM23によって構成される。
【0034】
グラフィック制御回路25は、ディジタル信号を表示用の信号に変換し、表示装置26に与える。
表示装置26には、例えば、CRT表示装置や液晶表示装置が使用される。表示装置26は、ソフトウエアキー27またはキーボード28を用いてオペレータが対話形式でマニュアル操作によって加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件および生成された加工プログラム等を表示する。
オペレータは、表示装置26に表示される内容(対話形データ入力画面)にしたがってデータを入力することにより、加工プログラムを作成することができる。
表示装置26の画面には、その画面で受けられる作業またはデータがメニュー形式で表示される。メニューのうちどの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウエアキー27を押すことにより行う。
キーボード28は、数値制御装置51に必要なデータを入力するのに使用される。
【0035】
インターフェース回路24は、マイクロプロセッサ21から出力された位置指令等の指令を所定の信号に変換してZ軸サーボドライバ17に出力する。
また、インターフェース回路24は、Z軸サーボモータ20に備わった位置検出器20aからの、たとえば検出パルスを逐次カウントし、所定のディジタル信号に変換してマイクロプロセッサ21に出力する。
インターフェース回路34は、マイクロプロセッサ21から出力された位置指令等の指令を所定の信号に変換してサーボドライバ33に出力する。
また、インターフェース回路34は、昇降用モータ32に備わった位置検出器32bからの、たとえば検出パルスを逐次カウントし、所定のディジタル信号に変換してマイクロプロセッサ21に出力する。
【0036】
次に、上記構成のマシニングセンタ1において、数値制御装置51によるワークの円弧切削の一例について、図5〜図7を参照して説明する。
まず、加工プログラムPRにおいて、X−Z平面あるいはY−Z平面内で工具Tをワークに対して円弧軌道に沿って相対移動させる円弧切削指令を規定するプログラムを作成しておく。
【0037】
数値制御装置51は、上記の加工プログラムPRを実行し、この加工プログラムPRに含まれる円弧切削指令を解読すると、図5(a)に示すように、工具Tを切削開始位置P1に移動させたのち、ワークWをX軸またはY軸方向に移動させながら、工具TをZ軸方向に移動させる。
このとき、工具TのZ軸方向の移動は、ラム45のZ軸方向の移動によって行われる。
なお、図5において、SLRはラム45のストロークの下限位置を示している。
【0038】
ここで、図7は、円弧切削を開始したのちの協動指令生成部61における処理の一例を示すフローチャートである。
協動指令生成部61は、解析処理・指令分配部60から入力される円弧切削指令におけるZ軸方向の位置指令rzに基づいて、移動終了点、すなわち、円弧切削指令におけるZ軸方向の目標位置に到達したかを判断する(ステップS1)。Z軸方向の目標位置に到達していると判断した場合には、処理を終了する。
【0039】
目標位置に到達していないと判断した場合には、協動指令生成部61は、ラム45をZ軸方向に移動させる位置指令rz2 をZ軸サーボ制御部63に出力する(ステップS2)。
これにより、図5(b)に示すように、クロスレール37はZ軸方向の一定位置に停止した状態で、ラム45のみがZ軸方向に所定の速度パターンで移動する。このとき、X軸またはY軸方向にも工具TとワークWとが所定の速度パターンで相対移動し、工具TのワークWに対する切削点は円弧CLに沿って移動する。
【0040】
協動指令生成部61は、位置指令rz2 を出力したのち、ラム45がストローク下限位置SLRに到達したかを判断する(ステップS3)。ラム45がストローク下限位置SLRに到達していない場合には、上記のステップS1およびS2の処理を繰り返す。
ラム45が、図5(b)に示すように、ストローク下限位置SLRに到達した場合には、協動指令生成部61は、クロスレール37をZ軸方向に移動させる位置指令rz1 を昇降用モータサーボ制御部62に出力する(ステップS4)。
これにより、図6に示すように、クロスレール37、ラム45および工具Tの全体がZ軸方向に移動する。
【0041】
協動指令生成部61は、円弧切削指令におけるZ軸方向の目標位置に到達したかを判断する(ステップS5)。
図6に示すように、Z軸方向の目標位置P2に工具Tが到達した場合には、協動指令生成部61は処理を終了する。
目標位置P2に工具Tが到達していない場合には、上記のステップS4およびS5の処理を繰り返す。
【0042】
また、図6において、目標位置P2から目標位置P3への工具Tの移動は、新たな円弧切削指令によって上記と同様に行われる。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、工具TをZ軸方向に移動させつつ、ワークWをX軸またはY軸方向に移動させて工具TのワークWに対する加工点を円弧軌道に沿って移動させる際に、クロスレール37およびラム45の関係を考慮せずに、加工プログラムPRを作成することができる。
また、本実施形態によれば、クロスレール37およびラム45の双方を用いることができるため、マシニングセンタ1の本来もつ加工能力を最大限発揮させることが可能となる。
【0044】
なお、本実施形態では、円弧切削を開始した際に、最初にラム45をZ軸方向に移動させ、ラム45がストローク限界位置に到達したのちクロスレール37をZ軸方向に移動させる構成としたが、最初にクロスレール37をZ軸方向に移動させ、クロスレール37がストローク限界位置に到達したのちラム45をZ軸方向に移動させる構成とすることも可能である。
【0045】
上述した第1の実施形態における協動指令生成部61では、円弧切削の際に、ラム45がストローク限界位置に到達したのちクロスレール37をZ軸方向に移動させる構成としたが、たとえば、円弧切削指令の場合にラム45およびクロスレール37を同時にZ軸方向に移動させる構成を採用することも可能である。
この場合には、協動指令生成部61に入力される位置指令rzを予め決められた割合で分配して位置指令rz1 およびrz2 とし、同時に昇降用モータサーボ制御部62およびZ軸サーボ制御部63にそれぞれ出力すればよい。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、ラム45およびクロスレール37のように、平行な2軸の場合について説明したが、本発明は平行な軸を3軸以上備える工作機械にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、円弧切削においてラム45およびクロスレール37の協調動作を行う構成としたが、たとえば、直線補間や、NURBS曲線等のような自由曲面の切削加工においても適用可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の平行な軸を有する工作機械において、各制御軸を移動させる加工プログラムを作成することなしに各軸のもつストロークを有効活用でき、工作機械の加工可能な範囲を最大限利用でき、工作機械のもつ能力を最大限発揮させることができる。
この結果、1軸だけでは加工が不可能であった形状の加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る数値制御装置51の機能ブロック図である。
【図3】パラメータ記憶部65に記憶されているパラメータの一例を説明するための図である。
【図4】図2に示す数値制御装置51のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図5】円弧切削時におけるワークに対する工具の移動動作を説明するための図である。
【図6】図5に続く円弧切削時におけるワークに対する工具の動作を説明するための図である。
【図7】数値制御装置51の協動指令生成部61の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…マシニングセンタ
37…クロスレール
45…ラム
51…数値制御装置
60…解析処理・指令分配部
61…協動指令生成部
62…昇降用モータサーボ制御部
63…Z軸サーボ制御部
PR…加工プログラム
T…工具
Claims (6)
- 第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置において、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
協動指令生成手段と
を具備し、
前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、工作機械の数値制御装置。 - 第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置において、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
協動指令生成手段と
を具備し、
前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第2サーボ制御手段に出力して前記第2移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第2移動手段が前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第1移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第1サーボ制御手段を動作させる第1制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、工作機械の数値制御装置。 - 前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段は、
前記協働指令生成手段からの位置指令で示された移動量と、第1サーボモータの回転位置検出信号との偏差を求め、当該偏差に比例動作処理を行う、第1位置ループと、
前記第1位置ループから出力された比例動作処理結果を速度指令として、当該速度指令と前記第1サーボモータの回転位置検出信号をサンプリング時間毎の差分値との偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行う、第1速度ループと、
前記第1速度ループから出力された処理結果をトルク指令として、当該トルク指令と前記第1サーボモータの駆動電流から換算したトルクとの偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行い、その結果を電流指令として前記第1サーボモータを駆動する、第1電流ループと
を有し、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段は、
前記協働指令生成手段からの位置指令で示された移動量と、第2サーボモータの回転位置検出信号との偏差を求め、当該偏差に比例動作処理を行う、第2位置ループと、
前記第2位置ループから出力された比例動作処理結果を速度指令として、当該速度指令と前記第2サーボモータの回転位置検出信号をサンプリング時間毎の差分値との偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行う、第2速度ループと、
前記第2速度ループから出力された処理結果をトルク指令として、当該トルク指令と前記第2サーボモータの駆動電流から換算したトルクとの偏差を求め、当該偏差に少なくとも比例動作の処理を行い、その結果を電流指令として前記第2サーボモータを駆動する、第2電流ループと
を有する、
請求項1または2に記載の工作機械の数値制御装置。 - 第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置であって、当該数値制御装置は、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
を有する数値制御装置における制御方法であって、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、制御方法。 - 第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械における、前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置であって、当該数値制御装置は、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
を有する数値制御装置における制御方法であって、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第2サーボ制御手段に出力して前記第2移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第2移動手段が前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第1移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第1サーボ制御手段を動作させる第1制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、制御方法。 - 第1方向に移動可能な第1移動手段と、当該第1移動手段において前記第1方向に移動可能であり、端部に工具を保持する第2移動手段と、前記第1方向とそれぞれ直交する第2方向および第3方向に移動可能な第3移動手段および第4移動手段を有する工作機械本体と、
前記第1〜第4移動手段の位置決め制御を加工プログラムにしたがって行い、ワークを加工する前記工具の位置決め制御を行う、数値制御装置と
を有し、
前記数値制御装置は、
前記第1移動手段をサーボ制御する第1サーボ制御手段と、
前記第2移動手段をサーボ制御する第2サーボ制御手段と、
前記第1移動手段と前記第2移動手段とを協働制御させるか否かを指定する制御モード指定パラメータ、前記第1移動手段のストローク限界位置を規定する第1ストローク限界パラメータ、および、前記第2移動手段のストローク限界位置を規定する第2ストローク限界パラメータを記憶している、パラメータ記憶手段と、
前記ワークを加工する前記工具の軌跡データを所定の言語でプログラミングした加工プログラムを入力し、当該入力した加工プログラムを解析処理して前記工具の軌跡データを、前記第1〜第3方向に対する移動量に変換して、前記第1〜第3方向に分配する、解析処理指令分配手段と、
協動指令生成手段と
を具備し、
前記協動指令生成手段は、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御でないことを指定している場合、
前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を目標位置として前記第1サーボ制御手段に出力して前記第1移動手段を開始点から前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動させ、
前記第1移動手段が前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置まで移動した後、前記第2移動手段を前記目標位置まで移動するまで前記第2サーボ制御手段を動作させる第2制御指令を出力し、
前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記制御モード指定パラメータが協働制御させることを指定している場合、前記解析処理指令分配手段から出力された前記第1方向の移動量を示す目標位置に基づいて、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させて前記第1移動手段および前記第2移動手段を協動させて前記工具を第1方向の目標位置に移動させて位置決めする第1制御指令および第2制御指令を生成し、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段に同時に出力し、前記第1移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1ストローク限界パラメータで規定される位置以内かつ前記第2移動手段が前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第2ストローク限界パラメータで規定される位置以内で移動する範囲で、前記第1サーボ制御手段および前記第2サーボ制御手段を動作させる、
ことを特徴とする、工作機械。
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