JPH11129144A - Nc工作機械の制御装置 - Google Patents
Nc工作機械の制御装置Info
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- JPH11129144A JPH11129144A JP29581597A JP29581597A JPH11129144A JP H11129144 A JPH11129144 A JP H11129144A JP 29581597 A JP29581597 A JP 29581597A JP 29581597 A JP29581597 A JP 29581597A JP H11129144 A JPH11129144 A JP H11129144A
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Abstract
間に発生するビビリ振動の抑制が可能で、切削面の状態
を均一にでき、加工の自動化を可能とするNC工作機械
の制御装置を提供する。 【解決手段】工具または被加工物を回転させる主軸と、
前記被加工物と前記工具とを相対移動させる送り軸とを
有するNC工作機械の制御装置であって、工具Tによる
被加工物Wの加工の際に、主軸23の回転速度および送
り軸18〜20の送り速度を工具Tと被加工物との間に
発生する振動が抑制される値に変化させる振動抑制手段
としての補助制御部6を有し、補助制御部6は主軸の回
転速度Sと送り軸の送り速度Fとの比を一定に保ちなが
ら主軸の回転速度Sおよび送り軸の送り速度を変化させ
るNC装置1とした。
Description
御装置に関する。
において、切削工具と被加工物とを相対移動させて被加
工物を切削加工する際に、刃物と被加工物との間にいわ
ゆるビビリ(chattering) が発生することがある。ビビ
リは、一定の規則性をもったうねりが刃物と被加工物と
の間に発生する自励振動である。このビビリが発生する
と、徐々に機械の振動が増加し、この振動によって被加
工物の切削面が不良となってしまったり、駆動系に過大
な負荷がかかったりするため、好ましくない。
数は、工作機械、切削工具および被加工物などを含む機
械系のもつ固有周波数に応じた大きさとなる。例えば、
フライス加工のように切削工具を主軸に取り付けて回転
させる場合には、主軸の回転速度が上記の機械系の固有
周波数に接近したような場合などにビビリが増大する。
また、切削工具に対する被加工物の送り速度をある速度
にしたような場合にも、ビビリが誘発される。従来にお
いては、ビビリが発生した場合あるいはビビリが発生す
ると予想される場合には、作業者が経験的にビビリが抑
制される程度まで主軸の回転速度を低下させたり、切削
工具に対する被加工物の送り速度を低下させたりしてい
た。
ビビリを抑制するために、主軸の回転数のみまたは送り
速度のみを変更すると、主軸の回転数または送り速度の
変更前と変更後では、切削面の状態も変わってしまう。
例えば、フライスやエンドミルなどの複数の刃を有する
切削工具では、主軸の回転速度および送り速度のいずれ
か一方が変更されると、一刃当たりの被加工物に対する
送り量が変更されることになり、切削面の状態にバラツ
キが生じ、同一の被加工物において切削面の品位にバラ
ツキが生じることになる。また、従来においては常に、
加工中にビビリが発生しないかを作業者が監視して、主
軸の回転速度および送り速度を作業者が決定する必要が
あるため、加工の自動化が難しかった。
くなされたものであって、NC工作機械における切削工
具と被加工物との間に発生するビビリ振動の抑制が可能
で、切削面の状態を均一に近づけることが可能で、加工
の自動化を可能とするNC工作機械の制御装置を提供す
ることを目的とする。
加工物を回転させる主軸と、前記被加工物と前記工具と
を相対移動させる送り軸とを有するNC工作機械の制御
装置であって、前記工具による前記被加工物の加工の際
に、前記主軸の回転速度および送り軸の送り速度の少な
くとも一方を前記工具と前記被加工物との間に発生する
振動が抑制される値に変化させる振動抑制手段を有す
る。
と前記送り軸の送り速度との比を一定に保ちながら前記
主軸の回転速度および送り軸の送り速度を変化させる。
工物との間の振動の発生に応じて、前記主軸の回転速度
および前記送り軸の送り速度を所定の値まで低下させ
る。
工物との間の振動の発生に応じて、前記主軸の回転速度
および前記送り軸の送り速度を正弦波状に変化させる。
との間に発生する振動を検出する振動検出手段をさらに
有し、前記振動抑制手段は、前記振動検出手段の検出信
号に基づいて動作する。
させる外部信号を入力する外部信号入力手段をさらに有
する。
制御するためのNCプログラムにおける指令に基づいて
動作する。
工物との間に発生する振動音を検出する。
前記工具に発生する加速度を検出する。
転させる主軸と、前記被加工物と前記工具とを相対移動
させる送り軸とを有するNC工作機械の制御装置であっ
て、前記主軸および送り軸にかかる負荷が予め定められ
た範囲に収まるように、前記主軸および送り軸の速度を
調整する負荷一定制御手段を有し、前記負荷一定制御手
段は、予め定められた主軸の回転速度と送り軸の送り速
度との比を一定に保って前記主軸および送り軸の速度を
変更する。
を参照して詳細に説明する。第1実施形態 NC装置の説明 図1は、本発明が適用されたNC装置の構成を示す説明
図である。なお、NC装置NCは主軸およびX,Y,Z
軸の3軸の送り軸を制御可能なものとして説明する。図
1において、本実施形態に係るNC装置1は、NCプロ
グラム解析・指令分配部4と、補助制御部6と、X,
Y,Z軸の各サーボ制御部12〜14と、X,Y,Z軸
の各軸サーボドライバ15〜17と、主軸制御部21
と、主軸ドライバ22とを有している。X,Y,Z軸サ
ーボドライバ15〜17には、X,Y,Z軸サーボモー
タ18〜20が接続されている。X,Y,Z軸サーボモ
ータ18〜20には、例えば光学式のロータリエンコー
ダなどの回転位置検出器18a〜20aが備わってい
る。主軸ドライバ22には、主軸モータ23が接続され
ている。主軸モータ23には、例えばタコジェネレー
タ、光学式エンコーダなどの回転速度検出器23aが備
わっている。また、補助制御部6には、振動検出器31
および起動停止スイッチ33が接続されている。
は、NCプログラム35を解析(解読)処理して軌跡デ
ータを各送り軸の移動すべき位置指令に変換するととも
に、必要な制御情報、たとえば送り速度Fや加速度情報
などをブロック単位(コード単位)で出力する。また、
NCプログラム35において指定された主軸モータ23
の回転速度Sや加速度情報などを制御情報としてブロッ
ク単位で出力する。
・指令分配部4から出力されたブロック単位の制御情報
を所定の形態に変更または新たな制御情報を付加して出
力する。なお、補助制御部6の詳しい処理内容は後述す
る。
Dシステムや自動プログラミングシステムによって作成
され、所定の記憶媒体を介して、または、通信手段によ
ってNC装置1にダウンロードされる。
は、位置ループ、速度ループおよび電流ループから構成
される。位置ループは、たとえば、ブロック単位の制御
情報である、たとえば位置指令(移動量)を受けて、こ
れらを単位時間あたりの位置指令に換算し、この単位時
間当たりの位置指令と各サーボモータ18〜20の回転
位置を検出する回転位置検出器18a〜20aからの位
置フィードバック信号との偏差に比例動作を施して(位
置ループゲインをかける)、これを速度ループに対する
速度指令として出力する。速度ループは、たとえば、前
記速度指令と回転位置検出器18a〜20aからの位置
フィードバック信号のサンプリング時間毎の差分値(速
度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分
動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力
する。電流ループは、たとえば、各軸サーボモータ18
〜20の駆動電流から換算した各サーボモータ18〜2
0の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動
作を施して電流指令とし、これを各軸サーボドライバ1
5〜17に所定の電気信号に変換して出力する。各軸サ
ーボ制御部12〜14は、本実施形態ではソフトウエア
によって実現されるが、ハードウエアによっても実現可
能である。
ーボ制御部12〜14からの電流指令を増幅した駆動電
流を各軸サーボモータ18〜20に出力する。各軸サー
ボモータ18〜20は、各軸サーボドライバ15〜17
の出力する駆動電流に応じて駆動される。
転位置検出器18a〜20aは、各軸サーボモータ18
〜20の回転量に応じた検出パルスを各軸サーボ制御部
12〜14に対して出力する。回転位置検出器18a〜
20aとしては、例えば、インクリメンタル方式のロー
タリエンコーダまたはアブソリュート方式のロータリエ
ンコーダを用いることができる。インクリメンタル方式
のロータリエンコーダを用いた場合には、当該ロータリ
エンコーダは1回転毎の位置信号を回転パルス信号とし
て出力することから、回転パルス信号の数を各軸サーボ
制御部12〜14において管理することにより、各軸サ
ーボモータ18〜20の絶対位置が管理できる。以上の
ような構成により、各軸サーボモータ18〜20の回転
位置制御が可能となる。
ループから構成される。すなわち、主軸制御部21は、
NCプログラム解析処理・指令分配部4から得られた主
軸モータ23の回転速度指令と回転速度検出器23aか
らの回転速度信号との偏差を算出し、これに比例動作お
よび積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ルー
プに出力する。電流ループは、たとえば、主軸モータ2
3の駆動電流から換算した主軸モータ23の出力トルク
信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流
指令とし、これを主軸ドライバ22に出力する。主軸制
御部21は、本実施形態ではソフトウエアによって実現
されるが、ハードウエアによっても実現可能である。主
軸ドライバ22は、たとえば、PWM(パルス幅変調)
インバータ回路による電流制御回路を有しており、主軸
制御部21から出力される電流指令に従って主軸モータ
23の速度制御を行う。なお、本実施形態では、主軸制
御部21がNC装置1の内部に設けられている構成の場
合について説明したが、本発明は主軸制御部21がNC
装置1とは別に設けられている場合であっても適用可能
である。
て駆動される工具と被加工物との間に発生する振動を検
出する。振動検出器31には、たとえば、加速度セン
サ、AE(acoustic emission)センサ、音センサなどを
用いることが可能である。起動・停止スイッチ33は、
NC装置1に具備された作業者によって操作されるスイ
ッチである。
えば、図2に示すような構成のハードウエアによって実
現される。図2において、マイクロプロセッサ41は、
ROM(Read Only Memory) 42、RAM(Random Acc
ess Memory) 43、インターフェース回路44,45,
46、グラフィック制御回路47、表示装置48、キー
ボード49、ソフトウエアキー50等とバスを介して接
続されている。マイクロプロセッサ41は、ROM42
に格納されたシステムプログラムにしたがって、NC装
置1全体を制御する。
解析・指令分配部4、補助制御部6、各軸サーボ制御部
12〜14、主軸制御部21などを実現するプログラム
や、NC装置1全体を制御するためのプログラムが格納
される。RAM43は、ROM42に格納されたプログ
ラムがダウンロードされたり、各種のNCプログラム、
データなどが格納される。
信号を表示用の信号に変換し、表示装置48に与える。
表示装置48には、例えば、CRT表示装置や液晶表示
装置が使用される。表示装置48は、ソフトウェアキー
50またはキーボード49を用いて作業者が対話形式で
加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件
および生成された加工プログラム等を表示する。作業者
は、表示装置48に表示される内容(対話形データ入力
画面)にしたがってデータを入力することができる。表
示装置48の画面には、その画面で受けられる作業また
はデータがメニュー形式で表示される。メニューのうち
どの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウエア
キー50を押すことにより行う。キーボード49は、N
C装置1に必要なデータを入力するのに使用される。上
述した、起動停止スイッチ33は、たとえば、ソフトウ
エアキー50またはキーボード49によって実現され
る。
ロセッサ41から出力された位置指令等の制御指令を所
定の信号に変換して各軸サーボドライバ15〜17に出
力する。また、インターフェース回路44は、各軸サー
ボモータ18〜20に備わった位置検出器18a〜20
aからの検出パルスを逐次カウントし、このカウント値
をマイクロプロセッ41に出力する。インターフェース
回路45は、マイクロプロセッサ41から出力された速
度指令等の制御指令を所定の信号に変換して主軸ドライ
バ22に出力する。インターフェース回路46は、振動
検出器31の検出したアナログ信号をディジタル信号に
変換して、マイクロプロセッサ41に出力する。
前に、本実施形態のNC装置が適用されうるNC工作機
械としてのマシニングセンタの一例について説明する。
図3は、本実施形態のNC装置が適用されうるマシニン
グセンタの一例を示す構成図である。図3に示すマシニ
ングセンタは、いわゆる門型のマシニングセンタであっ
て、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能
に支持されたクロスレール37に、クロスレール37上
を移動可能に支持された可動部材54を介して主軸台5
5が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられてい
る。
ル37内を通じて図示しない雌ねじ部が形成されてお
り、これにボールねじ61がねじ込まれている。ボール
ねじ61の端部には、Y軸サーボモータ19が設けられ
ており、ボールねじ61はY軸サーボモータ19によっ
て回転駆動される。ボールねじ61の回転駆動によっ
て、可動部材54はY軸方向に移動可能となり、これに
よって主軸台55のY軸方向の移動が行われる。
向に図示しない雌ねじ部が形成されており、これにボー
ルねじ62がねじ込まれている。ボールねじ62の端部
には、Z軸サーボモータ20が設けられている。Z軸サ
ーボモータ20によってボールねじ62が回転駆動さ
れ、これにより可動部材54に移動可能に設けられた主
軸台55のZ軸方向の移動が行われる。
され、主軸モータ31は、主軸台55の先端に設けられ
るエンドミルなどの工具Tを回転駆動する。主軸55の
下方には、X軸テーブル35がX軸方向に移動可能に設
けられており、X軸テーブル35には、ボールネジおよ
び雌ねじ等から構成される送り機構を介してX軸サーボ
モータ18が接続されている。X軸テーブル35は、X
軸サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動
が行われる。
9,20の駆動制御は、上述したNC装置1によって行
われる。また、門型コラム38には、図示しない雌ねじ
部がそれぞれ形成されており、これにねじ込まれるボー
ルねじ32aをクロスレール昇降用モータ32によって
回転駆動することによりクロスレール37は昇降する。
さらに、工具Tは自動工具交換装置(ATC)39によ
って種々のものに交換可能になっており、各種アタッチ
メントの交換も自動交換装置(AAC)40によって種
々のものに交換可能になっている。主軸台55には、上
述した振動検出器31が設置されており、工具Tによる
加工中にビビリ振動が発生した場合には、ビビリ振動を
検出可能となっている。
グセンタによる被加工物の切削加工の一例について説明
する。図4は、エンドミルTによって被加工物Wの上端
面を仕上げ切削している様子を示す図であって、(a)
は上面図であり、(b)は側面図である。図4に示す被
加工物Wは、支柱部R1とこの支柱部R1に連続して形
成された鍔部R2とを有するものである。このような形
状の被加工物Wの鍔部R2の上端面Fwを回転するエン
ドミルTによって仕上げ切削するには、エンドミルT
を、Z軸方向に所定の切り込み量でエンドミルTをX−
Y平面上で一定の送り速度で移動させることにより行
う。
位置PA のように被加工物Wの鍔部R2上に位置する状
態と、位置PB のように被加工物Wの支柱部R1上に位
置する状態が発生する。上述の形状の被加工物Wでは、
鍔部R2の機械的剛性は、支柱部R1に比較して低い。
したがって、エンドミルTが鍔部R2上に位置する場合
と、支柱部R1上に位置する場合とでは、切削時に発生
するビビリ振動の周波数は異なる。このため、たとえ
ば、エンドミルTが被加工物Wの鍔部R2上から支柱部
R1上へ移動したり、支柱部R1上から鍔部R2へ移動
したような場合には、急にビビリ振動の振幅が大きくな
ることがある。これは、エンドミルTの回転速度が、エ
ンドミルTや被加工物Wを含む切削系の固有周波数に近
づくためと考えられる。図4に示した被加工物Wの形状
は、単なる一例であり、被加工物Wが複雑な形状になる
ほど上述のようなビビリ振動が発生しやすくなる。
なった場合には、作業者がエンドミルTの回転速度を低
下させて、切削系の固有周波数から離すことによりビビ
リ振動を抑制していた。しかしながら、エンドミルTの
回転速度を低下させる際に、エンドミルTのX軸、Y軸
方向の送り速度は変更していなかった。このため、エン
ドミルTの回転速度の変更前と変更後ではエンドミルT
による被加工物Wの切削面の状態が異なり、切削面の品
質を一定にすることが難しく、均一にしたいという課題
があった。
るNC装置1の行う制御について説明する。エンドミル
Tを所定の送り軸方向に送りながら被加工物Wの切削加
工を行なっている際に、ビビリ振動が発生または増大し
た場合に、これを抑制するために、図6に示すように、
エンドミルT(主軸モータ23)の回転速度Sを、所定
の値まで低下させる。これと同時に、切削中に駆動して
いる送り軸の送り速度FをエンドミルTの回転速度Sと
の比を一定に保つように低下させる。なお、図6は、主
軸制御部21および各軸サーボ制御部12〜14におけ
る速度指令パターンを示している。
速度Sおよび送り速度Fを時刻t1において50%まで
低下させ、時刻t2 において変更前の送り速度Fに復帰
させている。このような制御によって、エンドミルTの
回転速度が切削系の有する固有周波数から離隔されるた
め、ビビリ振動が抑制される。これに加えて、エンドミ
ルTの回転速度Sと送り軸の送り速度Fとの比が一定に
保たれているため、エンドミルTの一刃当たりの被加工
物Wに対する送り量が回転速度Sおよび送り速度Fの速
度の変更前と変更後とで同じに保たれる。この結果、エ
ンドミルTの回転速度の変更前と変更後とで、エンドミ
ルTによる被加工物Wの切削面の状態は略同様とするこ
とができ、被加工物Wの切削面の品質を一定にすること
が可能となる。
を所定の送り軸方向に送りながら被加工物Wの切削加工
を行なっている際に、ビビリ振動が発生または増大した
場合に、これを抑制するために、例えば図7に示すよう
に、主軸モータ23の回転速度Sを正弦波状に変調させ
ることにより、ビビリ振動を抑制することも可能であ
る。例えば、主軸モータ23を駆動する回転速度Sを2
000rpmとし、送り軸の送り速度Fを1000mm
/minとしている場合に、2000rpmの回転速度
指令に振幅が±200rpmで周期Tの正弦波指令を付
加するとともに、1000mm/minの送り速度指令
に振幅が±100mm/minで周期Tの正弦波指令を
付加する。なお、各々の正弦波指令は位相が等しくなる
ように送り速度指令および回転速度指令に付加する。こ
れにより、主軸モータ23の回転速度Sと駆動される送
り軸の送り速度Fとの比は常に一定となる。なお、送り
軸の位置ずれを防ぐために、送り速度指令および回転速
度指令に付加する正弦波指令の積分値が零になるよう
に、正弦波指令の長さは常に一周期の整数倍とする。ま
た、正弦波指令の周期および振幅の情報は、たとえば、
予めNC装置1における所定のパラメータで指定してお
くことが可能である。この結果、エンドミルTの回転速
度の変調前と変調後とで、エンドミルTによる被加工物
Wの切削面の状態は略同様とすることができ、被加工物
Wの切削面の品質を一定にすることが可能となる。
法は、たとえば、予めNC装置1における所定のパラメ
ータにおいて設定された時間を経過すると回転速度Sお
よび送り速度Fの変調を停止したり、振動が所定の大き
さよりも低下した場合に回転速度Sおよび送り速度Fの
変調を停止したり、NCプログラムのブロック毎の処理
が完了したら回転速度Sおよび送り速度Fの変調を停止
するなど、種々考えられる。さらに、本発明では、図6
および図7の時間t2 を設定せずに、所定の加工が終了
するまで、回転速度Sおよび送り速度Fを変調したまま
とすることも可能である。
す説明図である。図5において、補助制御部6は、制御
情報変更部6aと、データ記憶部6bと、入力部6cと
を有している。
中のビビリ振動を抑制し、かつ切削面の品質を一定に保
つための制御情報を、NCプログラム解析処理・指令分
配部4から出力されたブロック単位の制御情報を変更補
正または新たに制御情報を付加して各軸サーボ制御部1
2〜14および主軸制御部21に出力する。
における制御情報の変更補正または新たに制御情報を付
加するのに必要なデータを保持している。
制御信号33sが入力されると、これに応じて制御情報
変更部6aへの起動信号ST1がオン状態となる。した
がって、作業者が起動停止スイッチ33を適宜操作する
ことにより、入力部6cから出力される起動信号6sは
オン/オフする。また、入力部6cには、振動検出器3
1の検出信号31sが入力される。たとえば、図8に示
すように、ビビリ振動が増大して振動検出器31の検出
信号31sの振幅が所定のしきい値Vthの範囲を越える
と、入力部6cは制御情報変更部6aへの起動信号ST
1をオン状態とする。
に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、制御
情報変更部6aはNCプログラム解析処理・指令分配部
4からのブロック単位の制御情報を取得する(ステップ
S1)。制御情報変更部6aに入力されるNCプログラ
ム解析処理・指令分配部4からのブロック単位の制御情
報は、たとえば、X〜Z軸の各送り軸の送り量(移動
量)、送り速度F、主軸モータ23の回転速度Sなどで
ある。この制御情報は、直線切削送りの指令コードなど
のコード単位(ブロック単位)にNCプログラム解析処
理・指令分配部4から出力される。
6aからの起動信号ST1がオンしているか否かを判断
する(ステップS2)。入力部6aからの起動信号ST
1がオフ状態に有る場合には、予め作成されたNCプロ
グラムの指令に従う通常の制御モードとして、NCプロ
グラム解析処理・指令分配部4からの制御情報をそのま
ま各軸サーボ制御部12〜14および主軸制御部21に
出力する(ステップS4)。
態に有る場合、すなわち、振動検出器31によってしき
い値Vth以上の振動が検出された場合、あるいは、エン
ドミルTを所定の送り軸方向に送りながら被加工物Wの
切削加工を行なっている際に、ビビリ振動が発生または
増大し、起動停止スイッチ33を作業者が操作してオン
した場合には、制御情報変更部6aへの起動信号ST1
はオン状態となり、振動抑制制御モードが実行される
(ステップS3)。図6に示した制御を行う場合には、
入力部6cから起動信号ST1が入力されると、送り速
度Fおよび回転速度Sをデータ記憶部6bに予め記憶さ
れた速度低下率、たとえば50%に基づいて低下させ、
これらの制御情報を各軸サーボ制御部12〜14および
主軸制御部21に送出する。
の送り速度Fと移動量とに基づいて、単位時間あたりの
移動指令(速度指令)を算出する。このとき、単位時間
あたりの移動指令が急激に変化すると、NC工作機械に
衝撃を与えるおそれがあるため、図6に示すように、所
定の時間の間に一定の割合で減速されるようにする。な
お、変更前の速度まで加速する際にも同様に所定の時間
の間に一定の割合で増速されるようにする。送り速度F
が1000mm/minから半分の500mm/min
に変更されると、単位時間あたりの移動指令は変更前の
半分となる。
転速度Sに基づいて、主軸モータ23を回転させる速度
指令を算出する。主軸制御部21は、各軸サーボ制御部
12〜14の場合と同様に、速度指令が急激に変化する
と、NC工作機械に悪影響を与えるおそれがあるため、
図6に示すように、所定の時間の間に減速されるように
する。なお、変更前の速度まで加速する際にも同様に所
定の時間の間に一定の割合で増速されるようにする。
場合には、付加する正弦波指令の周期および振幅の情報
を各軸サーボ制御部12〜14および主軸制御部21に
送出する。すなわち、変更前の速度指令に付加する正弦
波指令を作成するための情報を制御情報に付け加えて、
各軸サーボ制御部12〜14および主軸制御部21に送
出する。なお、正弦波指令の周期および振幅の情報は、
予めNC装置1における所定のパラメータで指定してお
くことも可能である。
ップS1に戻って、NCプログラム解析処理・指令分配
部4からのブロック単位の制御情報を取得する。
動は、入力部6cからの起動信号ST1によって行われ
るが、振動抑制制御モードの終了は、起動停止スイッチ
33を操作する場合には、起動停止スイッチ33をオフ
することによって行うことができる。一方、振動検出器
31による振動検出によって振動抑制制御モードが起動
された場合には、振動抑制制御モードの終了は、たとえ
ば、一指令コード(ブロック)の実行が完了したら振動
抑制制御モードを終了させ、予め作成されたNCプログ
ラムに従う通常の制御モードに復帰させる構成とするこ
とができる。また、データ記憶部6cに予め設定された
数の指令コードが実行されたら、通常の制御モードに復
帰させたり、予め設定した時間が経過すると通常の制御
モードに復帰させたりすることも可能であり、種々の態
様が考えられる。
停止する方法として、予めNCプログラムにおいて振動
抑制制御モードの起動および停止を指示しておくことも
可能である。すなわち、振動抑制制御モードを起動およ
び停止させる指令コード(たとえば、GコードやMコー
ド)を予め指定しておき、補助制御部6の制御情報変更
部6aでは、この指令コードを認識して図6や図7にお
いて説明した振動抑制制御を実行する構成とすることも
可能である。
および送り軸の送り速度Fの変調方法としては、図6お
よび図7において説明したように、速度を低下させる方
法、速度を正弦波状に変調させる方法について示した
が、本発明はこれに限定されるわけではなく、ビビリ振
動が発生または増大した場合には、主軸の回転速度が機
械系(切削系)の有する固有周波数から離間すればよ
く、たとえば、主軸の回転速度および送り軸の送り速度
をさらに増加させてもよい。また、主軸の回転速度Sお
よび送り軸の送り速度Fの変調方法は、NC装置におい
て設定されたパラメータによって予め設定する構成とす
ることも可能である。
検出器31をNC工作機械に設けたビビリ振動の発生を
検出し、補助制御部6の有する振動抑制制御モードを自
動的に起動できるため、加工の自動化が可能となる。ま
た、起動停止スイッチ33を作業者が操作するのみで、
補助制御部6の有する振動抑制制御モードの起動停止を
行うことができるため、作業者は主軸および送り軸の速
度調節が不要となり作業が簡略化される。さらに、本実
施形態によれば、補助制御部6の有する振動抑制制御モ
ードを予め作成されたNCプログラムにおいて指定され
た指令コードによって起動停止することができるため、
被加工物Wの切削加工においてビビリ振動の発生が予想
される領域での振動抑制を予め自動的に行うことが可能
となる。
としてマシニングセンタの場合について説明したが、こ
れ以外にも、主軸によって被加工物Wを回転させ、工具
を送り制御するNC旋盤などにも適用可能である。
態の構成を示す説明図であり、図11は図10における
補助制御部の内部構成を示す説明図である。図10に示
すNC装置は、補助制御部6に各軸サーボモータ18〜
20および主軸モータ23を流れる駆動電流値If,I
sがフィードバックされる構成となっている。すなわ
ち、各軸サーボモータ18〜20および主軸モータ23
を流れる駆動電流は、各軸サーボドライバ15〜17お
よび主軸ドライバ22において検出され、補助制御部6
にフィードバックされ、図11に示すように、補助制御
部6の制御情報変更部6aに駆動電流値If,Isがそ
れぞれ読み込まれる。
いて説明した機能に加えて、いわゆる適応制御機能を有
している。すなわち、補助制御部6は、各軸サーボモー
タ18〜20および主軸モータ23にかかる負荷トルク
が予め設定された範囲から外れる場合には、各軸サーボ
モータ18〜20または主軸モータ23にかかる負荷ト
ルクが所定の範囲に収まるように各軸サーボモータ18
〜20または主軸モータ23の速度を、予めNCプログ
ラムで指定された主軸の回転速度Sや送り軸の送り速度
Fを基準にして変更可能な適応制御機能を有している。
って、たとえば切削加工時に過大な負荷が主軸モータ2
3や各軸サーボモータ18〜20にかかるのを防止する
ことが可能になる。同時に、加工時の主軸モータ23や
各軸サーボモータ18〜20にかかる負荷トルクが予め
定められた負荷トルクの範囲に収まるように主軸の回転
速度Sまたは送り軸の送り速度Fを増減することによ
り、加工時間を短縮することができる。なお、このよう
な適応制御を実現する適応制御アルゴリズムについて
は、既に種々提案されており、ここでは説明を省略す
る。
て、加工時の負荷トルクが許容する負荷トルクの範囲に
収まるように、主軸の回転速度Sまたは送り軸の送り速
度Fを独立に変更すると、上述したビビリ振動の場合と
同様に、エンドミルTの回転速度の変更前と変更後また
は送り速度Fの変更前と変更後では被加工物Wの切削面
の状態が異なり、切削面の品質が一定とならない。
制御情報変更部6aは、適応制御機能を起動させた際
に、主軸の回転速度Sと送り軸の送り速度Fとの比を一
定に保ちながら変更する。すなわち、主軸モータ23に
かかる負荷トルクが予め定めた範囲に無い場合、また
は、各軸サーボ18〜20にかかる負荷トルクが予め定
めた範囲に無い場合、主軸モータ23または各軸サーボ
18〜20の速度を変更して負荷トルクを予め定めた範
囲に収める際に、主軸の回転速度Sと送り軸の送り速度
Fとの比を一定に保ちながら同時に変更する。速度の変
更量は、例えば、適応制御アルゴリズムによって算出す
ることができる。この結果、エンドミルTの回転速度S
および送り軸の送り速度Fの変更前と変更後とで、エン
ドミルTによる被加工物Wの切削面の状態は略同様とす
ることができ、被加工物Wの切削面の品質を一定にする
ことが可能となる。
の送り速度Fとの比は、NCプログラムにおいて指定さ
れた回転速度Sと送り速度Fとの比とすることができ、
また、補助制御部6のデータ記憶部6bに予め設定して
おくことも可能である。
切削工具と被加工物との間に発生するビビリ振動の抑制
が可能であるとともに、切削面の状態を均一にでき、加
えて、加工の自動化が容易となる。
成図である。
る。
グセンタの一例を示す構成図である。
切削している様子を示す図であって、(a)は上面図で
あり、(b)は側面図である。
る。
示す説明図である。
を示す説明図である。
例を示す説明図である。
ーチャートである。
態の構成を示す説明図である。
明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】工具または被加工物を回転させる主軸と、
前記被加工物と前記工具とを相対移動させる送り軸とを
有するNC工作機械の制御装置であって、 前記工具による前記被加工物の加工の際に、前記主軸の
回転速度および送り軸の送り速度の少なくとも一方を前
記工具と前記被加工物との間に発生する振動が抑制され
る値に変化させる振動抑制手段を有するNC工作機械の
制御装置。 - 【請求項2】前記振動抑制手段は、前記主軸の回転速度
と前記送り軸の送り速度との比を一定に保ちながら前記
主軸の回転速度および送り軸の送り速度を変化させる請
求項1に記載のNC工作機械の制御装置。 - 【請求項3】前記振動抑制手段は、前記工具と前記被加
工物との間の振動の発生に応じて、前記主軸の回転速度
および前記送り軸の送り速度を所定の値まで低下させる
請求項1または2に記載のNC工作機械の制御装置。 - 【請求項4】前記振動抑制手段は、前記工具と前記被加
工物との間の振動の発生に応じて、前記主軸の回転速度
および前記送り軸の送り速度を正弦波状に変化させる請
求項1または2に記載のNC工作機械の制御装置。 - 【請求項5】前記工具と前記被加工物との間に発生する
振動を検出する振動検出手段をさらに有し、 前記振動抑制手段は、前記振動検出手段の検出信号に基
づいて動作する請求項1〜4のいずれかに記載のNC工
作機械の制御装置。 - 【請求項6】前記振動抑制手段を動作させる外部信号を
入力する外部信号入力手段をさらに有する請求項1〜4
のいずれかに記載のNC工作機械の制御装置。 - 【請求項7】前記振動抑制手段は、前記NC工作機械を
制御するためのNCプログラムにおける指令に基づいて
動作する請求項1〜4のいずれかに記載のNC工作機械
の制御装置。 - 【請求項8】前記振動検出手段は、前記工具と前記被加
工物との間に発生する振動音を検出する請求項5に記載
のNC工作機械の制御装置。 - 【請求項9】前記振動検出手段は、前記被加工物および
前記工具に発生する加速度を検出する請求項5に記載の
NC工作機械の制御装置。 - 【請求項10】工具または被加工物を回転させる主軸
と、前記被加工物と前記工具とを相対移動させる送り軸
とを有するNC工作機械の制御装置であって、 前記主軸および送り軸にかかる負荷が予め定められた範
囲に収まるように、前記主軸および送り軸の速度を調整
する負荷一定制御手段を有し、 前記負荷一定制御手段は、予め定められた主軸の回転速
度と送り軸の送り速度との比を一定に保って前記主軸お
よび送り軸の速度を変更するNC工作機械の制御装置。
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ID=17825533
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